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奴隷牧場 男根崇拝 · 第1部分

奴隷牧場 男根崇拝 第1部分 (1/8)
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一九八九年一月 中澤プロ事務所〜ホテル

一九八九年一月 梅田組組長公邸

一九八九年一月 ホテル四七二五号室 彩乃居室

一九八九年三月 梅田組長私邸

一九八九年三月 ホテル四十八階調教ルーム

一九九〇年十二月 ホテル会長室

一九九一年十二月 梅田組組長私邸

一九九二年八月 ホテル四八〇五号室 君塚弁護士事務所別室一九九二年八月 梅田組組長公邸一九九五年三月 ホテル四八〇九号室 美樹居室一九九六年十月 ホテル四八〇五号室 君塚弁護士事務所別室一九九六年十月 梅田「安西組」筆頭若頭補佐私邸一九九七年六月 ホテル会長室一九九七年六月 ホテル会長室一九九七年六月 ホテル四十七階調教ルーム一九九八年七月 ホテル会長室一九九九年十二月 ホテル会長室一九九九年十二月 ホテル会長室一九九九年十二月 梅田「安西組」筆頭若頭補佐私邸一九九九年十二月 ホテル会長室二〇〇〇年四月 ホテル四十七階調教ルームプロローグ「体当たりで頑張ります。おっぱいにはまだまだ自信ありましてよ」

三十五歳となって妖艶さを増した、いや増したどころか妖艶の固まりとなったかのような女優がインタビューに答えて力強く言った。

「ヌードになるだけではなく、SMシーンで縛られる場面もあると伺いましたが、ヘアもお見せになるとか…」

女性のインタビューアーが大胆な質問を投げかける。

「はい。わたくしに限らず女性には多かれ少なかれエムの部分があると思うのです。私もはじめての経験ばかりで戸惑うことばかりですが、すべて監督さんにお任せしてがんばります。ただ…。今、ヘアと言われたところですが…」

山浦が今見ているワイドショーの今日のトップ見出しが『まもなくクランクイン。望月彩乃、芸能界カムバックは芸術的SM映画 衝撃発言のその中身とは』

というものだった。

「わたし、そのヘアってもの…がないんです。ごめんなさい」

山浦が彼女と知り合ったのは、十五年以上も前、彼女がまだ二十一歳の頃。日本がバブル景気の絶頂で沸き立つ中、元号が昭和から平成に変わった年のことだった。

アイドルタレントから政府高官との結婚、そして離婚を経て、当時からスタイル抜群と言われながら、水着姿すら一度も見せたことのなかった娘は、周囲の想像を超える衝撃的なカムバックの方法を選んで、少々のことには慣れっこになっている芸能マスコミをも驚かせた。

数年前、彼女の父親が衝撃的な事件で殺され世間を騒がせた際にも、マスコミには一切姿を見せなかった彼女がだ。

「芸術的SM映画かぁ」

山浦のひとり言には理由があった。

例え今回のようにSMをモチーフにした映画に出演し、全裸の姿を晒すとしても、決して明かされることはなさそうな、そんな彼女の過去の秘密を、この初老の男は知っていたからである。

一九八九年一月 中澤プロ事務所〜ホテル

「へー、二千万」

税理士になって二十年になる山浦であるが、この業界は初めてである。

「そう、こんな小娘がCM一本の契約で持ってこれる。これだから、この業界に足一度突っ込むとやめられないというわけですよ、先生」

中澤が、隣の彩乃の頭に手を置いて言う。

「コムスメじゃないもん」

言われた彩乃が頬を膨らます。

「もっとも前に一発当ててから八年も経っていて、こんなマンションの一室を事務所にしなけりゃいけんほど落ちぶれてはいますがね」

彩乃の反撃は無視して中澤が言葉を続ける。

「八年前の時は演歌歌手だったんですよ、先生。川越純子ってご存じないですか。それなりに一世を風靡したんですがね。まぁ典型的な一発屋でしたけどね」

わっはっは、と豪快に笑う。

となりで退屈そうに頬杖をついた彩乃であるが、本人の言うとおり小娘と呼ぶには随分と大人びて見えた。

特に、ピンク色のセーターを柔らかそうに押し上げているふたつの膨らみに、無意識のうちに何度も目がいってしまい、山浦はその都度慌てて目を逸らした。

強烈な色香と、表情に時折混じるあどけなさが、世の男どもの心をくすぐるのだろうか。

いやいや、くすぐるのは心だけではあるまい、そう思うとまたその胸の膨らみに目をやらずにはいられない山浦であった。

一九八九年。

後にバブルと呼ばれた時代が、その絶頂の最中で突然ポキリと折れたように終焉を迎える、その一年ほど前のことである。

この年が始まってすぐ。昭和というひとつの時代が終わりを告げ、新たに平成という年号に変わっていた。

それでもこの年の十二月の「大納会」で、日経平均株価は史上最高値、あと僅かで四万円という超大台に届くかという値をつけたのであるから、この時には、その膨らみ切った風船があと少しで破裂するのだとは、ほとんど誰も思っていなかっただろう。

いや、そういうことを考えた人間も居たはずではあろうが、少なくとも、山浦がこの日、相談を受けようとしている芸能界という、最も華やかな業界には誰ひとりとしていなかったのではないか。

話を聞きながら、中澤ひとりをじっと見ているのも不自然な気がして、ついつい彩乃を見てしまう。そうするとどうしてもまた胸の膨らみにも目がいく。何度目かの山浦が視線をそこから外した時、ふいに彩乃が見つめ返してきた。

きらきらとした瞳は、やはりこの世界で生きる輝きを内面に持った女独特のものなのか。

「『百蘭の静けさ』でしたか、あの頃随分とラジオから流れましたから、存じ上げていますよ」

何でもなかったように、中澤を見て言った。

「ほう、先生も歌謡曲をお聴きになられますか」

「ええ、まあ」

彩乃は山浦を見つめ続けている。

「今は、裏方をやりながらも営業には出てるんですよ。演歌というのはヒット一曲だけでも、それなりにやっていけるんだから不思議ですわ。あ、営業というのは我々の業界では、地方巡業のことですがね。別名ドサまわりともいいますが。それにしても、まあこんな小娘よりも先生には女盛りの純子の方がよろしいでしょうから、次回一献差し上げる際にでも、連れて参りましょう」

「いやいや、こんな綺麗なお嬢さんのマネージメントをできる社長はさぞお幸せでしょう。ところで女性に聞くには失礼なんでしょうが、おいくつなんですか」

「十九になったとこ。去年の三月までセーラー服の女子大生。こう見えても優等生だったよ」

遠慮して中澤に聞いたつもりが、彩乃が自ら答えた。

「ほう。それは正直驚きました。当然二十二、三かと思いましたよ」

「ほらほら、コムスメなんて思うの社長だけなんだから。もっとレディーとして扱ってほしいわ。大切な商品なんだし、私。だいたい社長なんか…」

彩乃が何か言おうとするのを中澤が遮り、「お前はもういい。あっちに行ってなさい。先生と今後の打合せをするから。すみません、生意気な盛りで。これでも同年代の同業の子たちよりは随分とマシではあるんですが」

中澤の依頼は、ここ数年ずっと赤字だったこの芸能法人の決算を遡ってやってほしいということだった。最後に税務署に申告したのは三年前。この二年間は新たなタレントの売り出しのために相当金をつぎ込んだこともあって、赤字が累積していることは間違いなく、申告が決算期を過ぎていても特に罰金などという形でのお咎めはない筈だ。

だが、そうなるとこの業界特有のルールで、支払いを受ける際に、予め控除される源泉所得税の還付を受けないと損だった。

特に今回、大手鉄道会社のテレビコマーシャルに彩乃が出たことで得た二千万円では、実際に振り込まれてきた額は千六百十万円。実に三百九十万円が予め所得税として引かれていて、ルールを知ってはいたものの中澤は改めて驚いたというのである。

「ああなるほど。百万円までは一割ですが、それを超えた部分は二割源泉ですからね」

「そうなんですよ先生。私ももちろん知ってはいたのですが、ここんところ、十万単位の金しか受け取ってなかったですからね。オモテでは」

わっはっは、と中澤はまた豪快に笑った。

「山浦先生ですか。わ・た・し、わかります」

その夜、事務所のある四谷で部下とともに食事をして、自宅に戻ってソファで新品のバーボンウイスキーの封を切ったところで電話が鳴った。

「税理士さんってご自宅の電話番号まで名刺に入れるのね」

若い女。

クライアントに連れて行かれるスナックなどで、せがまれて名刺を出すこともあるが、自宅の電話番号の入っているものと入っていないものを使い分けており、仕事以外の相手には、自宅の番号の入っていないほうの名刺を渡すことにしている。

「あ、わかんないんだぁ。今日あんなに私のおっぱいエッチな目で見ていたくせに」

くすっ、と受話器の向こうで笑う気配がした。

「ほう。これは驚いた。社長から電話が来ることはあっても、人気タレントさんから電話をいただくとは夢にも思ってみませんでしたよ。何かありましたか」

胸をちらちらと見ていたということを自分の子供でもおかしくない年齢の娘に指摘されて、少々どぎまぎしたが、それを悟られぬようつとめて冷静な声で山浦は答えた。

「先生、今お忙しいですか」

社長の中澤の前では蓮っ葉な言葉使いをしていた娘が、突然改まった口をきいたため、「そんなことはありませんが」

と、山浦まで、妙に丁寧な言葉遣いとなった。

「よかった。じゃあ今からちょっと出ていらっしゃいませんか。私、今新宿のホテルのラウンジに居るんですけど」

「ほう。何かご相談でも」

「あら、相談がないと先生は来ていただけないのかしら。それとも社長の言うとおり、こんなコムスメよりも純子さんのようなおばさんがお好みですか」

名前にはさん付けだが、おばさん呼ばわりだ。

「いやいや、若いお嬢さんに誘っていただけるなんて随分と光栄だが、中澤社長はご存じなのかな」

「あら、いちいち社長の許可なんかいらないもの」

ちょっと拗ねたような声を出した。

「まぁ新宿なら車を拾えばすぐだし、どのみち今からひとりで飲もうと思ってたところですから、それでは喜んでお嬢さんのお誘いをお受けするとしますかな」

「わーい、来てくれるのね。じゃあ一階のフロントに先生の名前伝えておくから、フロントで鍵もらって上がってきて」

「えっラウンジじゃないのか」

またしてもドキッとさせられる。

「えとね、ここって会員制で、鍵というかカード貰わないとエレベーターすら乗れないのよ」

そう言って彩乃はホテルの名前を告げた。

最近、撤退した外資から日本人の資本家が買い取ってリニューアルオープンしたホテルで、これまでの日本のシティホテルでは考えられないレベルの高級感を演出していると、雑誌などでも随分と取り上げられているところだ。

その上、会員制のフロアーや最上階の会員制のバーなどが用意されているものの、どうしたら会員になれるのか等詳細が一切公表されておらず、謎が多いということも話題になったので、山浦でもその名前は知っていた。

新宿エスタブリッシュメントホテル。

最上階にあるそこは、ホテルのラウンジというより秘密クラブといった趣きだった。

かろうじて、全面ガラスの向こうに見える西新宿のビル群の夜景が、高層ホテルのラウンジであることを感じさせる。

だが内側に目を向けると、秘密めいた重厚な扉がいくつもあったり、カウンターの内側に無造作に置かれたロープや鎖などの拘束具、そしてライトアップされた丸い光の輪の中に浮かぶ全裸の女のオブジェは、よくよく見ると本物の人間の女なのだった。

店内はかなり暗い。

と、いうよりもそのオブジェのように立っている女達を照らす数人分のライトと、いくつかのテーブルにほんのりと赤いランプが灯っていることを除けば客席は真っ暗で、あとは窓の外のビル群の光だけが灯りといえば灯りだった。

こうしてほとんど闇の中の室内から、外向きの席で都心の夜景を眺めるには最高であろう。

しかし、席に着いてる客は皆、内側のステージの方を向いたカップルシートのような席に居るようだった。

「中澤様。お待ち合わせの山浦様がお見えになられました」

入口で出迎えた男に案内されたのは、中でも一番奥まったところにある席だった。男は、今日の昼に会ったばかりの社長の苗字で彩乃を呼んだ。

「先生、わーーい。ほんとに来てくれたぁ」

彩乃がはしゃいだ声をあげて、シートの右半分に体を移し、山浦のために場所を空ける。

昼間はピンクだったが、今はまっ赤なざっくりとしたセーターを着ており、移動のために前屈みになった瞬間、薄闇の中で、ゆったりと開いた胸元からその白い乳房のほとんどが見えたような気がした。

事実、彩乃はブラジャーをしていなかった。

次の瞬間、目があって彩乃はにっこりと笑った。

「もう、男の人はみんなおっぱいが好きなんだから」

「今、わざと見せただろう。アイドルさんがこんな妖しいところでそんなエッチな格好していたらまずいんじゃないのかね」

「あら、私のセーターのどこがエッチ。先生がのぞき込むから見えちゃっただけじゃない」

シートは背もたれが高く、半円形にふたりを包み込むような形をしており、座るとすぐ前にあるステージらしき場所しか目に入らない。シートは前後二列だが、前のシートとはかなり段差がついていた。

覗きこんでなどいない、という言葉を山浦は飲み込んだ。

「なに飲む、先生」

彩乃は山浦の右腕を両手で掴むようにして体を寄せてきて尋ねる。同時に弾力のある乳房を肘に押しつけてきていた。

「ん、じゃあちょうど家で飲もうとしていたバーボンのロックでも貰おうか」

オーダーするために彩乃は一瞬山浦から離れるが、またすぐに寄り添い、さきほど以上にノーブラの乳房を押しつけてくる。

「どう先生、私のおっぱい」

答えに詰まっていると、彩乃はさっと右手を山浦の股間に伸ばしてきた。

「うふ、ちょっと固くなってるぅ。私の写真見てオナニーしましたなんて手紙だってくるのよ、若い男の子から。それに社長がぜーんぶ断っているけれど、水着のグラビアのお話もうんとあるし」

大胆にも彩乃はスラックスの上から、その形に沿って指を曲げて軽く握ってくる。

超売れっ子とまではいかないにしても、タレントとして売り出してテレビのCMにまで出ているような娘、しかも今日紹介されたばかりで、隣に座って酒を飲むということすら想像もしていなかった娘に、こんなキャバレーまがいの密着サービスをされてしまうとは、と山浦は驚くばかりであった。

「こんなエッチなお嬢さんだったとは思いもよらなかったが、何故水着写真集くらい出さないのかね。その様子ではうんと売れそうだが」

言って、運ばれてきたグラスを持ち軽く乾杯の真似だけして、バーボンを口にする。

彩乃も乾杯の仕草だけしつつ、「内緒」とだけ言った。

喉から胃に向かって、甘苦い液体が落ちていくと、山浦は彩乃に気付かれぬよう小さくため息を吐いたが、彩乃の次の質問に、今飲み込んだばかりの液体をあやうく逆流させるところだった。

「ね、先生ってエスなんでしょう」

驚かされることばかりで、全くペースをつかめぬというのが、ため息の理由だったが、その言葉はため息どころの話ではなかった。

「な、なんでまた」

彩乃はその質問には答えず、「どうですか、このお店。最高にエロティックで刺激的でしょう。特にSの男の人には」

彩乃の手は山浦の股間に置かれたままだ。

「君はなんでまた、こんなところの会員になっているのかい。かなり入会の敷居が高そうだと何かで読んだことがあるが。それにここは世間の評判以上に妖しい店のようだが」

彩乃の指摘を、結果的に山浦は否定しなかった。

何か確信を持って言っているという感じがして、否定しても無駄だと思ったからだ。

「うふ、それも内緒。というか先生も知ってる人がここのオーナーと仲良しというか、それがキッカケとかだったんじゃないかな。うちの社長は、エスとかエムとかにはあまり興味なくてただの女好きだけどね。まあその人のツテでここのオーナーとつながっていて…」

「君塚先生か。共通の知り合いは、君んとこの社長を紹介してくれた君塚弁護士以外にはいないからね」

彩乃は否定も肯定もしなかった。

君塚なら、こういったところのオーナーを顧客に持っていても何の不思議もない。

「もうすぐ始まると思うけれど、今日のようにショータイムをやる日は会員さん本人限定なのよ。同伴も認められていないの。なので私ももちろん先生も、今日はト・ク・ベ・ツってこと」

彼女自身がどういう立場でここに入り、会員限定の日に山浦を呼び入れることが出来たのか、という疑問に、どうやら彩乃は答えるつもりはなさそうだった。

手にしていたグラスを山浦がテーブルに置くのを待っていたように、彩乃が左手で山浦の左手首を掴んで自分の方に引き寄せた。

ちょうど向き合うような形になった瞬間、彩乃が唇を押し付けてくる。

同時に手首から掌へと彩乃のしなやかな指先が滑り、自らの手を上から重ねるようにして、右のその豊かな乳房に山浦の左手を誘った。

服の上から見るよりも、そして単にひじに押し付けられた時よりも、彩乃の乳房は大きさもその重みもそして弾力もすばらしかった。

「ちゃんと揉んで、先生」

そう言いつつ、山浦のものを握った手に力を込めてくる。

「もっと、もっと強く揉んで。わたし、おっぱいすっごく感じるの。特にエスの人にぎゅっとされると」

言われて山浦は右手も左の胸に持って行った。

「今日先生に何度もおっぱい見られてた時、本当はすぐ触ってもらいたいと思ったし、こんな風に揉んで欲しかったの。先生、直に、直に触りたい」

耳元で囁かれて、山浦は返事の替わりに、左手をゆったりとしたセーターの胸元から突っ込んだ。

「あん、いい」

手で覆った乳房の頂で、乳首は完全に固くなっており、指先をゆっくりとすぼめて乳首を軽く摘むと彩乃は全身をぴくりとさせて声を出した。

「ぎゅっとしてください。彩乃の乳首も」

喘ぎながらも、山浦のものを握った手に強弱をつけてくる。彩乃の手の中で、それは完全に固くなってしまっていた。

一度胸元から入れた手を抜いて、今度はセーターの裾から両手を差し入れる。

揉みごたえは山浦がそれまでに経験した女たちの中で、間違いなく最高だった。ましてや、若い男の子たちが服を着たままの写真だけで、オナニーして射精してしまうともいうアイドルタレントの生乳だ。

彩乃がふたたび唇を求めようと頬を寄せて来たとき、山浦の左の目の端にステージの光が切り替わるのが映った。

それまで、オブジェのように動かない何人かの裸女を照らしていたいくつかの丸い輪が消され、ステージのほぼ中央に別の女を浮かび上がらせたのだ。

「はじまるみたい」

彩乃も気が付き、キスはとても短いものになった。

強烈なスポットライトに照らされ、女の着ている着物は白地に鮮烈な赤色の模様に見えたが、実際は白く見える部分は違う色かもしれぬと山浦は思った。両手首を頭上高く引き伸ばされて天井から赤色の縄で吊されていたが、さらに右の足首に縄がかけられて、これまた無惨に引き上げられていくところだった。

着物の下は素足らしい。

着物自体も大きく裾が割れるようになっているらしく、和装の窮屈さは感じさせずに、女の右脚はあっという間に太腿の内側までライトの中に露わになった。

なかなか光の輪の中に責め手が入って来ないのだが、うっすらと見える長い髪や体つきから察すると、縄を扱っているのも女性のようだ。

「先生、あの女誰かおわかりになりますか」

彩乃が耳元に口を寄せてくる。右手は相変わらず山浦の股間で微妙な動きをしていた。

「いや。でも…、ひょっとすると」

「そ。川越純子。三十七歳独身、美人演歌歌手。その実態は真性の変態マゾ女」

吐き捨てるように彩乃が言う。

「へー」

「ついでに言うと、うちの社長の元愛人で、今はスポンサー様の所有物、つまり奴隷。歌を歌うことも人前でオマンコすることも、こんなところでSMショーの生贄になることも全てそのスポンサー様の意のままよ。ひょっとしたら先生も名前くらいきいたことあるかもしれない、ちょっとおっきい組織のヤクザ屋の親分さんね」

数年前に、演歌で大ヒット曲を出した女がヤクザの女であるという事実よりも、彩乃の口から女性器をさす四文字がその行為の名称として無造作に出てきたことの方に山浦は驚いていた。

「でねでね、あの女って実は総入れ歯なの。私、あの女が歯をはずしたところというかはずさせられてるとこも見たことあるけど、もうこれが美人演歌歌手と言われて紅白にまで出た女かというくらいブサイクなのよ」

山浦の耳元に口を寄せて、彩乃はひときわ声をひそめて話す。

「もちろんそれってトップシークレットだけれど、業界でも噂になって知ってる人は知ってるのね。で、表向きは若い頃に歌手としてデビューするための整形でやったことになってるんだけど、実は二二十代の頃にフェラチオさせられてて誰か偉い人のを噛んじゃったんだって。で、その罰として歯抜かれたのよ全部。いわゆるオトシマエってやつかな」

他の席からも「川越純子」「紅白」といった単語が、漏れ聞こえてきた。

純子の足首の縄は限界まで引かれ、斜め上方向にまっすぐに引き上げられる。

脚が伸びていくと同時に、着物の裾は大きく割れて、ついに性器がその上の黒々としたヘアとともに剥き出しになった。

「ふふっ、ますます硬くなったよ、先生の。やっぱSなんだぁ」

彩乃が山浦のものを握った手に力を込めてくる。

「あ。やっぱり今日の女王様、美絵さんだ。美絵さんはね、その親分さんの奥さんでね、特に純子さんに対しては、すっごいサディストぶりなの、いつも。今日は何されるんだろう、楽しみ楽しみ」

つい先程、自分のM性を認めるかのような発言をした彩乃の、先輩歌手に対する過度の嗜虐的な言葉は、山浦を大いに驚かせるとともに、妖しい気持ちを沸き立たせた。

美絵という責め役の女は、着物の純子とは対照的な黒のレザースーツを身に纏い、髪の毛を無造作に後ろに束ねていた。キリッとした印象こそあるものの、ヤクザの妻などというものには到底見えない。

バチーーン。

いきなりだった。

「顔をちゃんとあげなさいっ」

強烈なビンタの後、美絵は純子の着物の胸元に手を入れると左右に開いた。

マイクを通した女の声は、少し枯れていた。

「あいかわらず、おっぱいの小さい女。ま、急にデカくなっててもびっくりだけどね」

横で彩乃が蓮っ葉な口調で言う。

小さいと言ってもCカップ程度はあろう。おわん型で形も悪くないし、三二十代前半の女としては充分にきれいな乳房だ、と山浦は思った。

「ぎぇーーっ」

純子が悲鳴をあげる。美絵が乳首を捻りあげたためだ。

「ほら、腰をもっと突き出して。芸能界で使い込んだおまんこ皆さんにちゃんとお見せしな」

腰を突き出せと言われても片脚を吊られた純子にはままならない。

美絵が腰の後ろから回した両手で純子の性器を開く。

「いやーー恥ずかしい、見せないで」

ライトに照らされてピンク色の性器内部の襞が晒される。言葉とは裏腹に充分感じているのか淫らな露をたたえているのが、山浦たちの席からでもはっきりとわかった。

「クリトリスもびらびらもやたらおっきいと思いませんか、この女」

思わずステージに見とれる山浦に彩乃がもたれかかり、催促するように肘に乳房を押し付けてくる。

山浦はグラスを置いて、再びセーターの下から右手を入れ、若い巨乳も楽しむ。

彩乃の体からはミルクのような匂いがして、山浦にわずかな罪悪感とやはりわずかな猜疑心と、そして多大な嗜虐欲を起こさせた。

「元美人演歌歌手が今はマゾの奴隷人形になって、こんなにスケベに濡らしたおまんこ丸出しにしてるなんて、お客さん皆さんきっとあきれているわね」

ステージでは、美絵の挑発に

「元じゃありません。まだ、まだ現役なんです。こんな恥ずかしいことされたら、舞台に舞台に立てなくなってしまいます」

純子が情けない声で抗議をしている。

それでも現役の歌手だけあって、美絵とは対照的な透明感のある声だった。

「あら、まだ引退していなかったんだ。じゃあ明日にでも、引退させてさっさとうちの組員たちの専用公衆便所にでもするよう親分に言っておくわ」

「いやぁー。奴隷にでもお便所にでもなりますから、引退させないで。お願いします、美絵様」

「ほら、今度はみなさんにでか尻見て貰うのよ。回れ右して」

哀れな生贄の哀願は無視される。

しかも、回れ右などと美絵は簡単に言うが、片脚を吊られている純子にとっては、それは大変な困難を要することだった。

ケンケンでもするかのように、不自由な体を動かしながらようやく半回転すると、美絵が着物の裾を腰のところまで完全にまくりあげた。

言葉の通り、細い体の割にぷっくりとした大きな尻が晒される。

尻たぼには何本かの鞭痕と思われる薄紫色の痣が走っていた。

かなり厳しい鞭責めを受けているのだろうと、山浦の期待感はさらに高まる。

「さて、それではみなさんに美人演歌歌手のお尻の穴をじっくりと見ていただきましょうか」

「イヤ、それだけは嫌です。拡げないで、拡げたら拡げたら大変なことになってしまうかもしれません」

「あら、奴隷は肛門の襞まで見て頂くの当然でしょう。例え元紅白に出た美人歌手さんでも、女である以上おまんこの穴もお尻の穴もついてるに決まってるんだから、皆さんだって我慢して見てくださるわよ」

「違うの、違うんです。漏れちゃうと困るんです」

「あら、何が漏れるのかしら」

質問に純子が一瞬絶句すると、美絵が客席に向いた純子の尻の谷間に両手をかけた。

「だめー。お願いします。うんちが漏れてしまいます。さっき、さっきここに上がる前にお浣腸していただいてるんです」

「えーーっ」

美絵が大げさに驚いてみせる。

「いやーーっ。お浣腸したの美絵さんなのに」

「あら、そうだったかしら。最近私も忘れっぽくて」

ふたりのやりとりに、客席から笑い声が聞こえてきた。

うふふふ、と隣の彩乃も笑っている。体が揺れると乳房も微妙に振動して、弾力を山浦の手にさらに伝えてきた。時々かなり強い力を入れて揉んでみるが、彩乃は嫌がる様子もなく、むしろ嬉しそうに視線を送ってくるのが薄闇の中でもはっきりとわかった。

ステージに見とれながらも、どのタイミングで、次はスカートの下に直接、手を潜り込ませようかと山浦は考えている。パンティも履いていない可能性もあるが、まだわからなかった。

「ほらほら」

と、美絵は純子の尻たぼに力をかけて拡げるそぶりを見せる。

「あーーん、おやめください」

純子の艶めいた声はだんだん掠れてきて、さらに色気を増していく。

美絵がどこかに向かって合図をすると、誰もが一度は聴いたことのあるイントロメロディーがスピーカーから流れてきた。

「さて、それでは美人演歌歌手川越純子の大ヒット曲『百蘭の静けさ』を聴いていただきましょう」

男性の声のアナウンスがイントロにかぶる。

「もちろんプロですから、例え浣腸を我慢しながらとはいえ、間違ったり声が裏返ったり、声を出せなくなったりなどということは、絶対にないと思いますが、万が一そのようなことがございましたら、歌唱終了後失敗一回につき鞭十発の刑とさせていただきます」

一方的な宣告を受けると、純子は、舞台に上がってきた背の高い男に、一瞬抱え上げられ、ふたたび体の前面を客席に向けられた。

顔の前にスタンドマイクが立てられる。

もうひとり、若い小柄な娘が小さなトレイを手にして出てきた。

歌が始まった。

純子ははっきりと艶のある聞き覚えのある声で、曲の出だしにあるサビの盛り上がり部分を歌いきった。

「あんなおっぱいもアソコも丸出しのままで、それでもちゃんと歌うんだからプロだなぁ」

山浦の言葉に、彩乃はフンという感じで答えず、胸を反らせてさらに乳房を押し付けてくる。

よほど純子のことが嫌いか、何か意地悪されたことでも根に持っているのか。

しかし、純子のプロ根性を山浦が褒めたのもつかの間だった。

出だしの短い間奏の途中、美絵は横の娘が捧げ持つトレイから洗濯バサミを取り上げ、右、左と乳首にはさむ。

うっ、という声が明瞭にマイクに拾われ客席のスピーカーへと流れた。それは本来、次の歌い出しが始まらねばならない瞬間でもあった。

純子はすぐに途中から歌い始める。

しかし、声はわずかにうわずっていた。

美絵は次にローターを手にし、背後に回るといとも無造作に純子の肛門にねじ込んだ。

「あ、いや」

歌の途中にふたたび純子の悲鳴が漏れる。

そして歌が再びサビに入ったところで、美絵は巨大な電動バイヴを手にした。この当時、それは何故か「お父さんバイヴ」と呼ばれていた。

歌っている純子の横でスイッチをオンにして客席にその激しい振動を見せつけた美絵は、それを最初に乳首を噛んでいる洗濯バサミに当てる。

「ぎゃぅっ」

純子の歌は途端に中断してしまった。

美絵は容赦なく反対の乳首の洗濯バサミも振動させた。

二番を歌っている最中、乳首への同じ責めが繰り返され、その都度純子は一瞬息を飲んだり声を上ずらせたりした。見た目以上の苦痛があるのかもしれない。

「ほら、次は一番気持ちいいところよ。歌を途中でやめたりしたら、即引退だからね」

美絵は、二番が終わった短い間奏のところで、わざわざ純子に顔を寄せて、マイクに向かって言うと、そのまま背後にしゃがみ込んで、後ろから巨大バイヴを股間にあてた。

「駄目、そこ。おまんこイッちゃいます」

最後のサビは歌われず、イクイクイクーっと叫ぶと同時に、体を震わせながら、性器から潮を噴き上げ、川越純子はがっくりと首を垂れてしまった。

「うわーーーっ」

声を上げたのはとなりの彩乃だ。

純子が失神したままで曲が終わった。

場内に静けさが戻ると、「お尻にローターあって良かったわね。栓してなけりゃ、きっとお漏らししちゃったわ、この子」

美絵がマイクに向かってつぶやくように言った。

美絵は純子の髪の毛を掴み顔を引き起こすと、ふたたび乳首の洗濯バサミへと巨大バイヴを押し付ける。

さきほどは音楽にかき消されて聞こえなかったが、ジジジジジィッーという音が鳴って、その痛みでようやく純子が覚醒する。

「いやーー痛いぃ。おっぱい許してください。それから、それからもう、もう駄目です。おトイレ行かせてください、降ろしてください」

純子の言葉を受け入れたというよりも、次の責めの準備のためにといった冷たい表情で美絵は縄を解きはじめた。

吊り上げられた脚が床に降ろされ、手首の縄もほどかれると、腰帯をはずされ純子は全裸にされた。

男がひとり出てきて、リードのついた赤い犬の首輪を純子にはめ、耳元に何事かささやく。それにうんうんとうなずいた純子は、膝を折り、手を床について、自ら四つんばいになった。

「これから隣の特別個室で、川越純子の公開排泄ショーを行います。興味のある方はどうぞいらしてください。その後、今の純子の最後は失神してしまった失態についての、鞭打ち刑を行いますので、排泄ショーをご覧にならない方もこのままおくつろぎになってお待ちください」

美絵にリードを曳かれ、四つんばいのまま純子がステージを去ると、男性の声のアナウンスがそう告げた。

「先生、おばさんの排泄ショー見たい」

彩乃が少し強く腕を掴んだ。

特別個室という言葉に惹かれるものはあったが、「いや。私はあまりそっちの方は興味ないな」

と答えた。

「そう、じゃあもう出ませんか。私も純子さんが鞭で泣き喚くところは是非見たいけど、もう我慢できないの。お部屋で今度は私をいじめて」

今日はこの二十一歳の娘に驚かされてばかりだ。

ドアの横のセンサーに彩乃が小さなカードをかざすとカチリという音がしてドアロックが解除された。エレベーターを使って、最上階のラウンジから二つ下の四十七階まで、彩乃に腕を取られて、その巨乳を相変わらず二の腕に押し付けられたまま降りてきていた。

山浦はその間、弁護士の君塚から一週間前にかかってきた電話を思い出そうとしていた。

彼からの仕事の依頼は初めてではない。

十年来の顧問先の社長に紹介されて以来、付き合いは三年ほどだが、こちらは法律に関わる様々な相談をするようになっていたし、君塚の方も自分のクライアントが税務署とのトラブルがあった時や、相続などの案件で最終的に相続税の申告が必要な際には山浦に相談するよう言ってくれているようだ。

今回も、特に不審な点はなかった。

芸能プロダクションともなれば弁護士がついていて不思議もないし、そこで税金がらみの話があれば、君塚が山浦の名を出すこともあろう。直接三者で会ったわけではないが、たしかに君塚自身が依頼の電話をかけてきたのだ。

その電話の時、それほど長く話したわけではなかった。

山浦も別の案件を抱えていたし、君塚も忙しそうで、どちらかというと事務的なやりとりで電話を終えたと記憶しているが、君塚自身と中澤のつながりについて何か話しただろうか。

その時には、こんな突拍子もない展開は全く予想できなかった。

今日。

始めて訪ねたプロダクション事務所。

自分と同じ年齢だと言う中澤という社長。

銀髭をはやし、やり手というイメージはあるが、物腰も含め交わしたやりとりは、いたってまっとうなものだった。

別のクライアントで、ジャーナリストという肩書きの一匹狼の男がいるが、彼の方がよほど危険な匂いがする。

中澤の横に最初から当然のように座っていた彩乃。

考えてみたら、何も彼女が登場してくる必然性はなかった。たまたま居たわけではない。別室もあったわけだし、事実、途中で中澤は彼女を離席させている。

このまま部屋に足を踏み入れてよいのだろうか。

彩乃はいったい何を思って電話してきたのか。しかもご丁寧に部屋まで用意してあるようだ。

中澤の指示か。

当然、彩乃の言葉はともかくとして、今日の今日である以上は、中澤もしくはそれ以外の誰かの指示によるものと思った方がいいだろう。こちらは彩乃が一目惚れするような、イケメンの好青年というわけではないのだ。

山浦が入口で一瞬躊躇して立ち止まると、彩乃は背を向けたまま、セーターの裾に手をかけ、一気に捲り上げて首から脱いでしまった。

ブラジャーをしていないだけではなく、セーターの下に何も身につけてない彩乃は、いきなり上半身裸だ。

白い背中はアルコールのせいか、もしくは興奮しているのか、わずかに上気して薄いピンク色を帯びていたが、次の瞬間、ほどいた長い髪にそのほとんどが隠された。

「先生、遠慮せずに入って早く」

身体ごと振り向いた彩乃の胸に実ったふたつの生の果実は、その大きさといい形といい予想通り申し分のないものだったが、山浦の目を釘付けにしたのは別の理由からであった。

今夜、ここまで来る過程の中で彩乃がマゾであるという確信はしていたが、その確信以上のものが目の前にあった。

山浦が目にした彩乃の乳房には、縦横斜めにうっすらと鞭の痕が刻まれていたのだ。

それも、使ったことがあるものにはすぐにそれとわかる一本鞭でつけたと思われる痕だ。昨日今日のものではないため、先程触った時には分からなかったのだが、その痕がついた直後には、相当なみみず腫れになっていて触れただけでもそれとわかったであろう。

「先生、お好きって聞いたけど」

先程もSだろうと指摘されたのだが、改めて山浦は彩乃の言葉に耳を疑うしかなかった。

聞いた、って誰に。

彩乃に導かれるままに、ようやく部屋に入って、しつらえられたソファに腰をおろすと、いつの間にかスカートも脱いでパンティ一枚になった彩乃が、手にして持ってきてくれた、冷たい水を受け取ると、ごくごくと喉を鳴らして一気に飲み干した。

高級シティホテルの一室。

その割には何か違和感があった。

通された部屋はいわゆるスイートルームのリビングで、ベッドルームはドアを隔てた向こう側にあるのだろう。違和感とはいっても、特別、SMの道具などが並べられているというわけではない。

「その胸は誰が」

何か言わなければと思って、口をついて出た言葉がこれだった。

彩乃はラウンジでそうしたように、山浦の隣に座った。

傷だらけの胸を隠そうともしない。

「うふ、気になりますか。ええと私のスポンサー様とそのお客様。だいたいいつも三人くらいの人に同時にされるんですよ、私」

「む、鞭が好きのか、君は」

その質問には答えずに、彩乃は山浦の手をとって剥き出しの乳房に持って行った。

一度山浦の手に掌を重ねると、そのまま山浦の股間をまさぐる。

部屋に入る直前の疑念は吹っ飛び、Mの女が持つ独特の空気感に、すでに山浦のものは完全に勃起している。

「先生、かなりハードなことがお好きとお聞きしたけれど」

思わず彩乃をみつめると、強い目の光で見つめ返してきた。

「だ、誰に」

今度は声に出して尋ねた。

しかし彩乃はそれには答えず、手を山浦のズボンのジッパーにかけてくる。

「今日、今日会ったばかりだよな、君にも、それから君のところの中澤社長にも。たかが税理士雇うのに事前調査でもしたのかね。それとも何か理由があって、そういうことが好きな税理士を捜していたとかかい。私は脱税とかへの荷担はせんよ」

「私、そういうこと全然わかんない。でも、先生はとびっきりのサディストだからしっかりおもてなししなさいと言われたのはそうよ。私も一目でぜひ私で遊んでいただきたいと思ったし」

当然のことであるが、山浦は自分の性癖を世間一般に公開しているわけではない。

犯罪を犯すわけではないのだから、どうということもないと考えないではないが、公開したところでもちろん仕事の上ではデメリットばかりであろうし、どちらにしろ自ら触れ回るようなことでもない。

「わぁ、おっきい。嬉しい。私、大きいの大好き。上で触らせていただいた時にだいたいわかってたけど、やっぱり大きいわ。うれしいうれしい」

遠慮をするということもなく、彩乃は自らの手で剥き出しにした山浦のものを強く握りしめてきた。

普通、男性のものに慣れていない若い女は、こんなに強く握ったりしないものだ。ましてや自分がMで相手はSの男とわかった上だ。強く握っても勃起していたらほとんど痛みなどないと、十九の娘がすでに知っている。

「おしゃぶり、おしゃぶりさせていただいていいですか」

「いや、その前に誰から聞いたか教えて貰おう」

山浦の言葉を無視して、彩乃は顔をそれに近づけていった。

「おい、こら」

むくむくとサディスティックな気持ちが沸いてきて、髪の毛を掴んで彩乃の口がそれに届かぬよう頭を再び引き戻しつつ、フェラチオのために四つん這いに近い体勢で覆いかぶさってきたために、一層その重みを増した乳房にあてた指先に力をこめて絞りあげる。

これまで経験したことのない、みっしりと張りつめた、充実した乳房だと山浦は改めて思った。

「先生、それは後であっちのお部屋で存分に拷問してください。私が喋るまで痛めつけていいわ。私、簡単には教えないわよ。喋ったら後で別のもっと酷いお仕置きも受けなきゃだもの。向こうのお部屋には、素敵な拷問の道具も揃ってるのよ、いろいろと。だから今は少しだけご奉仕させてください。私、すごく上手に出来ると思うの。それに現役アイドルのフェラチオなんて、芸能界でも相当な実力者しか味わえないんだから。ねっ、ちょっとの間、現役アイドル奴隷のご奉仕を楽しんでください、御主人様っ」

彩乃の回答は山浦をさらに驚かすに充分だった。

誰かに言われての接待だとしても、せいぜいフェラチオとセックスまでであろうと思っていたのに、拷問という責めを促す言葉までこの若い娘、それも可憐な顔立ちをした上にすばらしい乳房を持ったアイドルタレントの口から発せられたのだ。

しかも、別の誰かにされる折檻はもっと酷いという挑発的な言葉を添えてである。

「わかった。では後で存分にそのピチピチの若い身体に聞いてやろう。しゃぶれ」

彩乃はにっこりと笑って見せた。

この娘のこんな笑顔を見て、どれほどの若い男達が自分を慰めているのだろう。そして今その娘が自分のものを直接口にしようとしている、そう考えただけで意識できるほど自分のモノの硬度が増した気がした。

「先生、わたしおまんこも使っていただきたいです。これから先生向こうで私のこと拷問するでしょう。拷問されて痛めつけられてからオマンコされるの大好きなの。後で思いっきり苛めてくださいね」

淫らな言葉を口にして、さらに挑発をしてくる。

そして、彩乃のフェラチオはこれが二十一歳のテクニックかと舌を巻くほど老練な技術を駆使したものだった。

先端から玉裏まで舐め下ろし舐め上げ、つばをたっぷり貯めた口に含んでは必要以上に淫らな音をさせてしゃぶりたててくる。

十五分ほどの奉仕で、山浦をぎりぎりまで追い込んだ彩乃は、それを察知すると急にピッチを落として、「一回お口でイカれますか。それとも向こうで拷問の後、おまんこに出していただけますか。もちろん、ナマで中出しして下さって構いません」

左手で山浦のモノを握りしめたまま、彩乃はまた妖艶に微笑みながら言った。

「おいおい、なんで」

ここはホテルだろ、という言葉は抱きついてきた彩乃の唇により封じられたが、山浦が先程以上に驚いたのも無理はなかった。

シティホテルのスイートルームなどにはほとんど縁がなかったため、たった今足を踏み入れたこのベッドルームの広さが、本来こんなものなのかそれともかなり広いものなのかはわからなかったが、その広さそのものにも強い印象を受けたことは間違いなかった。

しかし、山浦が驚いたのは、もちろんそのことではない。

部屋全体の印象はホテルというより病院。それも病室というより手術室というイメージで、なにがしかの違和感はあるもののとりあえずはホテルの一室に過ぎなかった、今まで居た部屋とのギャップがあまりに大きかったからだ。

部屋の一番奥まった位置に置かれているベットも、大きさこそダブルサイズだが、パイプがあちこち剥き出しで、四方には枷のついた鎖が無造作に投げ出されている。

その手前には用途のわからないものも含めて、彩乃の言う通り拷問のための道具がいくつも設置されていた。

先端が鋭利に尖った三角木馬の上からはおそらく手を吊るための鎖が二本垂れていたし、足枷のそばには錘に使うのか、五通りほどの大きさの鉄製の玉が転がっている。

大きな鏡の前には内診台も設置されていたし、バスルームは部屋の一角になんの仕切りもなくバスタブが設置されている。そして、その洗い場と思しき部分にはソープランドなどで使用するエアマットが立てかけられていたりで、到底ここがシティホテルの一室とは信じられないのだった。

「先生、わたし、ここに住んでるのよ。住んでいるというか住まわされているというか。でね、このホテルのここの階はこんな部屋ばかりみたい。私もいくつかの部屋しか知らないし、あと私のように特定の誰かが住んでいるというのはあんまりないみたいだけど、それも詳しくは知らないんです」

山浦は、ただうなずくしかない。

「会員制のラウンジもそうですけど、このホテルのオーナーって相当なサディストなんだと思いますよ」

他人ごとのように彩乃はさらりと言う。

「それでなんだ、そのオーナーとやらが君のスポンサー兼主人ということかね」

山浦の質問に、彩乃は否定も肯定もせず、膝の上に跨り裸の上半身を預けてきて自らキスをして舌を入れてくる。

山浦の口の中で舌を暴れさせながらも、あっという間に山浦も上半身を裸にされてしまった。日曜日ごとにジムには通っているので、たるんだ体ということはないが、若い彩乃からみるとおじさんには違いなかろうと、つい余分なことを考えてしまう。

「パンティ脱ぎますか、それとも最初は履いたままがお好みですか」

最後に唇を重ねるだけの軽いキスをした彩乃は、すっと立ち上がると一歩後ろに下がって胸を反らして、じっと山浦の目をみつめて言った。

山浦は今までに、これほどまでに目に力のある若い娘を見たことがなかった。

顧客の中に、運送会社を女手ひとつで大きくした女性経営者が居て、彼女は確かに鋭く力強い目の色をしているが、彼女とて四二十代の半ばであり、二十代の頃からあれほどの目をしていたとは到底思えない。

睨んでいるわけでは勿論ない。

むしろ脅えのような色まで垣間見えるのだ。

しかし、凛とした雰囲気の中にアイドルというよりは、既に女優の風格を漂わせていると山浦は感じた。

「脱ぎなさい」

「はい」

彩乃が発した、この「はい」というひと言に籠められていた情感だけで、若く経験の浅い男の子ならば、射精してしまうのではないかと思うほど、二十一歳とは思えない妖艶さとマゾの本質が声のトーンに含まれていた。

薄いピンク色のパンティに両手の指をかけて、彩乃は一気にそれを膝元まで引き下ろすと、膝を曲げて片脚ずつすばやく抜いた。

「お確かめ下さい」

手にしたパンティを小さく畳むと、片膝をついて山浦に差し出してよこす。

真上がちょうど彩乃の性器を覆っていた部分で、そこだけ二重になった白い布にはべったりとしたぬるぬるの液体が付着し、妖しい若い牝の匂いを放っていた。

「遠慮なく、いただいて帰るぞ」

山浦が、一瞬それを顔の近くに持って行き匂いを嗅ぐ仕草をしてみせると、あっ、と彩乃は小さな声をあげたが、ズボンのポケットにそれをねじ込むことに異論は全くないようで、想定の範囲内という様子だった。

改めて目の前に、まっすぐに立った彩乃の体は、鞭痕の残る乳房以外は、間接照明の影響もあろうが、ミルク色という表現が合うほどに白かった。

M女の証しということか、中心部にあるべき恥毛がまるでないことで、よりその印象を強めている。改めて、顔、胸と視線を送ると、彩乃はさっと両腕を頭の後ろに持って行って組み、同時に両方の脚を拡げた。

「タレントである前にマゾ女である望月彩乃の体を存分にご検分下さい。どのようなポーズでもいたしますので、ご命令下さい」

淀みなく彩乃は言った。

「そのポーズは、体見せるためのポーズとして仕込まれてるのか」

「はい。立って体の前面を見て頂くときには、手は頭の後ろに組んで、胸を張っておっぱい突き出す、脚は肩幅以上に開く、これがご主人様やお客様に彩乃を見て頂くときや、縛っていただかずにおっぱいに鞭を頂くときのポーズです」

鞭痕が浮いていてもなお美しいまん丸の乳房の下は、そこから急激にくびれて、そしてまた腰から下が急激に充実していく。

上から下へ、下から上へと何度も視線を這わす山浦に対して、彩乃はまっすぐ前方を見て微動だにしなかった。

「そこは」

山浦が声を発した時だけ、視線を落としてくる。

「はい。剃って頂いているのではなく、永久に生えてこないように処置していただいています」

「ほう」

剃毛ではなく永久脱毛ということか。

「いつからだ」

「二十一歳、学園三年生の夏休みに処置を受けさせられました」

「その時は生えていたのか」

「はい、ようやく生え揃ったところでした。もちろん、ご主人様はそれを待っていらしたのですけど」

「ほう」

「その時のビデオあるんですよ。私、抵抗して嫌がって泣き叫べって言われていて、もう思いっきり暴れているところを、大柄な男性五人がかりで押さえつけられて、処置台に乗せられて縛り付けられて、一本残らず剃り上げられた後に電気当てられてるとこ。もちろん顔も撮られていて、はっきりと二十一歳の私だとわかります」

「ふむ」

奴隷牧場 男根崇拝 第1部分 (1/8)
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