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奴隷牧場 男根崇拝 · 第3部分

奴隷牧場 男根崇拝 第3部分 (3/8)
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口の中もおっぱいも姐さんのおしっこまみれなのに、ふたりのことを案ずる純子だが自らの淫らな肉体の反応に屈してしまう。

「俺も、イク」

その瞬間、純子の身体から一気に力が失われた。

一九八九年一月 ホテル四七二五号室 彩乃居室

山浦にとって、今一番知らなければならないことは、この彩乃という若くて美しい娘に、誰が何を命じどんな目的でこの娘が自分に近づいてきたのか、そのことだった。

特に男前というわけでもなく、セックスアピールに富んでいるとも思えない。税理士という職業でこれまである程度成功しているため、それなりに裕福ではあるが、誰かにわざわざ狙われるほどの財を成しているわけでもない。

昼間ちょっと顔を合わせただけの中年男に、アイドルタレントである彩乃がわざわざ連絡をよこしたばかりか、身体を差し出し、好きにしていいと言っているのだ。それも「一回やらせてあげます」というレベルではない。

本人もどうしようもないくらいのマゾだというのを自覚しているということはわかったものの、誰かの命令なくして、このような状況になるとも思えない。

しかもそれを拷問して聞き出せ、という筋金入りのサディストを自認する山浦には願ってもない夢のようなシチュエーションを提供してだ。

「こんな綺麗な身体がズタズタになって泣き叫ぶ前に、いっそ喋った方がいいんじゃないのかね。誰の差し金で君は今こうしている」

こうなった以上、もちろんそんなことを言ったところで彩乃が喋ってしまうことなど有り得なかったが、その「拷問」というやつを始める前に、もう一度聞いておくのが様式美というものであろうと思ったわけだ。

「知りません」

彩乃のセリフは「言えない」といったたぐいから「知らない」に後退していた。

山浦は鞭を手にしたまま、今一度彩乃の前に立った。

彩乃は、先程からいわゆるY字バランスの形で、天井のフックに掛かったロープに、左の手首足首がひとつに括られ頭上高くほぼ垂直に、別のロープに右手首を背中に高く固定されて吊り下げられている。

そのせいで無惨に剥き出しになっているアイドルタレントの無毛の性器の中心に、山浦は右手の中指を無遠慮に突っ込んでみた。

「ずぶずぶじゃないか」

彩乃は口唇を噛んで、声を出すのを堪えていた。

左手に持った赤い一本鞭はかなり長くて太い柄に、二メートル近い太い編みこみの鞭部、先端は数センチだけ平べったい形状をしている。

山浦が自分で所持しているものよりも、それは全体的に粗い仕上げに思えた。

持ち手の部分も、なんとなくザラザラしている。

そのため少し躊躇したが、しかしこれは拷問なのだと思い直し、彩乃の膣の中の形状を探っていた指を抜くと、鞭を持ち替え、おもむろにその柄の部分を性器に突っ込んだ。

若干の抵抗感がそこにはあったものの、ぬるりと彩乃の性器はそれを飲み込んだ。

「さあ、ではお望みのこの一本鞭で、何処をどのくらい打とうか」

山浦はねじ込んだ一本鞭の柄を、彩乃の性器の締め付けの手応えを感じながらゆっくりと抉り回す。

「うぅぅっ。回数は先生のお望みのままに…。私が我慢できなくて先生の質問に答えたくなるまで…。あ、あん」

「アイドル様がこんなもんにそんな声をあげるなんて」

我ながら陳腐な言い回しだと思って、内心苦笑している自分の冷静さに山浦は少し感心していた。

鞭に添えた手を離しても、それが落ちる気配はなかった。

「まずはこのお鞭で、彩乃のヒップを思い切り打って拷問して下さい。その後、おっぱいを…そして最後は…」

不安定な姿勢のまま、それでも彩乃はしっかりと山浦を見据えて言った。

山浦は思わず、彩乃の腰を抱くように、くりんとした尻を前から回した両手で撫で、次に尻たぼを鷲掴みにして力を込めてみる。

「あん、落ちちゃう」

彩乃はそう言ったが、状況にいささかも変わりはない。

ここまで来たら遠慮をしても仕方がないと、山浦は右手の中指を今度は彩乃の尻の中心部に持っていき、肛門をまさぐる。

「あんっ」

もちろんそことて充分に開発を受けているに違いないと、ゆっくりと指を没していく。

彩乃は最初肛門に力を入れてわずかな抵抗を見せたものの、「せ、先生…」

と言いながら濡れた目で山浦を一瞬見つめると目を閉じ、一気にお尻の緊張を解いた。

山浦の指はあっさりと彩乃の後ろの穴を占領することに成功し、指先に襞の向う側にある硬い鞭の柄を確認する。

「あん、お尻気持ちいいっ」

彩乃の声は、まだ二十一歳前の女とは思えぬ艶めかしさだ。

「先生…も、もう…」

彩乃がその鞭の柄を性器から吐き落とそうとしているのがわかった。肛門に入れた山浦の指が、襞越しに彩乃が性器に何らかの力をかけたのを感じたからだ。

小さなものなら兎も角、没している長さだけでも十センチ以上はあろうかという代物である。

実際、性器内部からずるずると長い尻尾のように、床に逆のS字を描いて、ぶら下がっていた赤い長鞭のそこだけ硬い柄の部分が徐々に排出されてくる。

ゆっくりとだ。

彩乃のその部分は、受け入れておくのも吐き出すのもまさに自由自在という様子だった。

あと、数センチで鞭の柄が床にポトリと落ちてしまうというところで、山浦はそれに手を伸ばした。

ザラザラしていたそこだけ硬質な柄の部分は、べっとりと娘の愛液で濡れそぼっている。

「こ、この濡らし方…」

「あ、あん言わないで」

健康な若い牝の発する刺激的な匂いが、その瞬間から部屋の空気をさらに色濃く変えてしまう。

「いや、よくこんな状態でしかもこんな格好で、長いこと咥え込んでいたり、突然吐き出したり出来るものだ。何か…」

「奴隷のそこは、奴隷のおまんこは男性の皆様に愉しんでいただいてこそ、その存在価値があると。処女を失った瞬間からタレントデビューするまで、いえその後だって、毎日毎日来る日も来る日も、色々なトレーニングを、特訓を受けて、そういうお道具にして頂いたんです」

「ふーん。お道具ねぇ」

山浦の返事に、彩乃は閉じていた目をゆっくりと開いてまた見つめ返してきた。

ずっと目を閉じていた筈なのに、目を開けた瞬間には目が合っていた。

「後で思う存分、先生が心ゆくまでそこ、彩乃のおまんこをおちんぽ様でお愉しみください。きっとご満足頂けるように精一杯ご奉仕務めさせていただきます」

それだけ言うと、彩乃はまた目をそっと閉じてしまった。

意を決して、山浦は鞭を手にしたまま一旦彩乃から数メートル距離を取る。

その整った美しい顔、薄い鞭跡を残しているもののやはり美しい形の乳房、そして細い腰とくりんとした丸い尻をした女を、改めて上から下まで見下ろす。

片足を高く上げて固定されているため、無毛の性器が裂け目まで丸見えだ。そこは今まで鞭によって陵辱を受けていたとは思えぬほど、あっさりと佇まいを隠し、童女のようなひと筋の見栄えに戻っている。

立ち込める淫らな匂いと太腿に伝う液体だけがその痕跡を表していた。

ヒュッ、という空気を切る音が小気味よかった。

バシーーーッン。

鞭の先端が彩乃の尻から腰に一度巻き付いて、再び山浦のもとに戻る。片方だけで身体を支えている右脚の付け根に、一筋の赤い痕が簡単に浮かび上がった。

彩乃が不安定になって身体を揺らすと、その痕が尻にもくっきりと続いているのが確認出来た。

山浦は二発目を敢えて続けずに、息づく女体に近づくと、左の足首を括っていたロープを解いた。手はそのまま固定しておくために、再び手首に縄を巻きつけフックに通す。

「何発、欲しいんだ」

作業をしながら問う。

彩乃は目を閉じたままだ。

「百で、お願いします」

少し俯いたまま、それでもはっきりとした声で答えた。

その回答に山浦は舌を巻くしかなかった。

一本鞭、それも今一発浴びてその苦痛は充分に身に沁みているであろう瞬間にその答えだ。

SMクラブでの経験でも、一本鞭はせいぜい連続三十発程度しかしたことがなかった。それだって十分女体にダメージを与えたし、そうなることがわかっているクラブ側も、山浦をその女の「今日の最後のお客」にするため、深夜に近い来店を求めた。

いくら「仕事」であっても、M性を強く持たない女には受けられる筈もないのが、一本鞭だった。プロのマゾの女とてどんなに多くてもせいぜい三十発というのが、女が受け取る対価を考えても、その限度だろうと納得もしていた。

それをこのまだ二十一歳のアイドルタレントの娘は、簡単に百という数字を口にする。それが「尻」だけでその数で、ひょっとしたら胸には別にされるかもしれないし、どちらにせよ拷問である以上は、それで終わる保証すらない、自ら課す「最低数」であるにも関わらずだ。

山浦は強い興奮と同時に、感動すら覚えていたが、それと同時にこの女からは鞭という武器では、自分の求める回答を引き出すのは難しいだろうということも悟っていた。

九分九厘、君塚弁護士が噛んでいるのは間違いないだろうが、何のためかは、どうやらそれを知っていると思えるこの女の口から聞いたほうが、弁護士本人に問うよりは気が楽だし、そのことそのものも確かに楽しい時間でもあろう。

ましてや、相手は自分がSM好きでその手のクラブ通いをしていることを調査済みのようなのだ。それ以外からは、そのことを推察出来るようなことは思いつかないからだ。

だとすれば、なおさらこの女の口から、その理由を聞き出す必要もある。

再び彩乃から距離を置きつつ、山浦は室内を見渡してみた。

山浦が距離を取ったことで、彩乃は目を閉じたまま顔を上げて背筋を伸ばした。今度はしっかり両足がついたため、鞭を受けるために姿勢を正したのだ。

豊かな胸を突き出し、今度は乳房を狙ってもよいと無言で告げている。

「まあ、折角だ。まずはその性根を試させてもらうとするか」

山浦は彩乃に告げ、再び鞭を振り上げる。

狙ったのは再び尻だ。楽しみは後に残した。

巻き付いた鞭が山浦の手に戻ると同時に、すぐにまた腕を振る。

「あ」とか「ぎゃ」という彩乃の小さな呻きは、鞭の激しい炸裂音にほとんどかき消された。

連続三十発。

同じ所を打たれる苦痛を、これまで女たちを鞭で打ってきた山浦はその感想を聞いてよくわかっていた。

ミミズ腫れどころか、彩乃の尻は既に赤を通り越してどす黒い色に染まりはじめている。三十本分の線条痕が集中しているためだ。

腰や太腿にも、巻き付いた鞭の痕が赤くついていた。

それでも彩乃は、多少呼吸を荒くはしているものの、山浦がそこでひと呼吸置いたのを敏感に察知して、再び背筋を伸ばして姿勢を整えた。

感心するしかなかった。

ここからは山浦には未知の領域だ。

一本鞭で乳を狙った経験もない。

SMクラブでは、一本鞭の使用は尻限定で乳房や背中を打つのは禁止事項とされていた。

「先生…」

「ん」

彩乃よりも自分の声のほうが掠れていた。

「先生の後ろにある引き出しに、洗濯バサミがありますわ。鞭の前にどうぞ私のおっぱいに…」

彩乃は目を開けずに言った。

振り向くと、広い空間の向こうに、三段の引き出しがついた白い棚が置かれていた。先ほど見回した時に、求めているものがひょっとしたらそこにはあるかもしれぬと、山浦がアタリをつけた場所でもあった。

彩乃の言う洗濯バサミは一番上の引き出しに入っていた。

カゴのようなものに無造作に数十本がバラバラになって入っているそれは、見た目こそピンクや水色にクリーム色といったパステルカラーの可愛らしいものであったが、試しにひとつ取って指で挟んでみると、案の定それは強力なバネを持った責め具そのものであった。

ついでに一番下の大きい引き出しを開けると、予想した通り「それ」は入っていた。

その結果に満足した山浦は一旦引き出しを閉じると、再び上の引き出しを開けて、カゴを取り出して元の位置に戻った。

彩乃は相変わらず、目を閉じたままで呼吸を整えている様子だ。

先ほどの一本鞭を手にする。

乳房を狙うのは初めてだが、まあなんとかなるだろう。

予想していなかったのであろうか、山浦が鞭を振り上げた気配に彩乃が目を見開いた。怯えるような表情を見せた次の瞬間には、左右の乳房を一本鞭が激しい音を立てて真横一文字に薙いでいた。先端がそのまま背中へと巻きつくのを力を込めて引き寄せることで、さらに彩乃の上半身へのダメージを与えることになる。

彩乃の体とともに、乳房がぷるんぷるんと大きく揺れた。

「いっ…」

それでも痛いという言葉までは言わない。

続けてもう一発、今度は見事に右の乳首にもヒットしつつ乳房を一閃する。

「あーーーっ」

彩乃が大きな声で叫ぶ。いくらマゾとはいえ、痛いものは痛いだろうし、まして乳首は急所だろう。

初めてのふた振りが自分の思うようにコントロール出来たことで、山浦は深い満足を覚えた。これまでSMクラブで高い投資をした甲斐があったというものだ。

一本鞭はそのくらい慣れが必要だし、それも生身の女を打って加減を知ることも大事だ。

納得のいく強烈な鞭を二発与えたところで、山浦は再びカゴを手に歩み寄って、たった今鞭による打撃を与えたばかりの右乳首から、洗濯バサミを挟んでいく。

「うっ」

彩乃はうめき声を出して、山浦を少しだけ怯えた目で見つめた。

「どうした。もう喋るか。誰の命令で何のために俺を今日呼び出したんだ」

彩乃はかぶりを振る。

「鞭。鞭百発、お願いします」

山浦は反対の乳首にも洗濯バサミを挟み、その上で両方をそれぞれの手で掴んで、九十度、そして百八十度、一回転までと段階的に捻り上げて彩乃の悲鳴を絞り取った。

「おっぱい全体にも、たくさんお願いします。そしてそれ払い落として彩乃を泣かせてください」

教育が行き届いているのか、マゾの身体が言わせているのか。

望みどおり、乳首以外の乳房全体に強いバネの洗濯バサミをつけていく。彩乃はその都度うめき声を出した。それだけでも充分な苦痛だろう。

それぞれの乳に十個ずつを追加すると、山浦は最後に両手でそれぞれの乳首についた洗濯バサミを一度柄を持って一瞬の解放をした後、すぐに手を放してはさみ直す。

「ぎゃっ」

彩乃はこの日一番顔を歪めた。

「大げさな子だ。一本鞭のほうがよほど痛いだろう」

そう言って、目を開けた彩乃の顔を見ながら再び両手を乳首の洗濯バサミへと伸ばす。

「や…やめて。お…おねが…」

山浦はそれぞれの親指と人差指で、洗濯バサミをつまんで九十度捻りあげたところで、内側に力をかけてバネを外してやる。解き放たれた乳首が九十度元の方向に戻る。強いバネに挟まれていた彩乃の乳首は、両方ともほとんど潰れた四角形に近い状態になっていた。

「や…ダメ、それ」

経験があるのだろう。彩乃が懇願の目をする。もちろんそんなことが通用しないことは本人が一番わかっていてのことだろうが。

山浦は、洗濯バサミの方を九十度傾け、今度は縦方向にして、四角形からちょっとずつ丸の形に戻ろうとしている乳首の、少し細長くなっている方を挟んで手を放す。

「ああ、あーーっ」

洗濯バサミでの乳首責めでは、このように、しばらくつけておいたものを一度外して血流が戻りつつある時に角度を変えて再びつけるというのが一番キツいことはよくわかっていた。だが、ここまでバネの強いものでそれをやったのは山浦も初めてだった。

彩乃をここで一度放置して山浦は再び後方の棚の方へと向かった。その際、カゴの中に洗濯バサミの下に入っていた、赤い色の布で、彩乃に目隠しを施した。

「少し、時間を置いたほうが、おっぱい痛いのたくさん楽しめていいだろ」

山浦の言葉に、彩乃は小さく頷く。

「いい子だ」

思わず言葉にして褒めてしまうくらいに従順な素晴らしいマゾ娘だと、またもや感心した山浦だった。

グリセリンとラベルが貼られた薬液の瓶。

そしてその横に薄いガーゼに包まれているのが、浣腸器だろう。また、未開封の箱だが、小さなイチジク浣腸もあった。

先ほどの一番下の引き出しだった。

山浦は、正直あまり浣腸という責めが好きではなかった。

SMクラブにおいて、その責めに慣れて、我慢させられるよりも排泄を見たいという客の欲求に馴らされた女たち。羞恥心さえ忘れてしまえば、少量の薄い浣腸液を入れられてそれを排泄して見せて、それがお金になるなんて、なんて楽ちんだろうと思って実際は嬉々として受け入れている女にそんなことをして何が楽しいのだろう、という思いが山浦にはあった。

だが今夜は違う。

例え、浣腸されることにも、その排泄を見せることにも仮に彩乃が馴らされていたとしても、それでもこの子はアイドルタレントだ。

水着姿すらファンには見せていない、なのに芸能界のごく一部の人間や、もしかすると先ほどのラウンジの純子のように、反社会的組織の上層部の人間だけには反対に裸を見せ、性器を嬲らせ排便する姿まで見せていると思われる美少女だ。

自分は決してそのような立場の人間ではない。だがどういうわけかその権利を与えられてしまっている。毒を食らわば皿まで、据え膳食わぬは男の恥。

ましてや、なんとしても拷問して口を割らせる必要もあった。そのためには手段は選んでいられまい。鞭や洗濯バサミなどの苦痛だけでは、山浦の知りたい情報が手に入るようには思えなかった。

薬液の瓶とガーゼを外した浣腸器を持って、バスルームと思しき扉を開けると、洗面台の横に「彩の便器」と赤い字で大きく書かれた、透明なバケツが棚の上に無造作に置かれていた。

やはりそういうことか、と山浦は独りごちる。

隣に置いてある持ち手の色だけが違うもうひとつのバケツが、浣腸液を作るためのものだろうか。

湯温調整を四十度にして、そのバケツにお湯を汲む。

慣れないことではあるが、全くしたことがないわけではなかった。今日のところは浣腸そのもので苦しめようということではないので、大した量は必要ない。

彩乃が苦痛そのものには音を上げないのは、それが浣腸責めでも変わらないような気がしたからだ。

バケツに浣腸器を突っ込んだ状態で、彩乃の元に戻る。

「か…お浣腸なさるんですか…」

目隠しはしているが、水の音などの気配で察したのだろう。彩乃は、すかさず反応した。

「先生、わ…私、アイドルですよ。アイドルタレントにお浣腸なんかしていいわけが…、あ…」

強気の言葉を口にする彩乃が、急に言葉を切ったのは、右の乳首の洗濯バサミをまた九十度回してつけ替えたからだ。

「い、痛…い。も、もう先生ダメ。おっぱいの洗濯バサミ…取って。乳首がジンジンしてこれ以上耐え切れません」

「じゃあ、誰の差金で何のためか言い給え」

「そ…それは無理。まだ無理…」

まだ!

「どういう意味だ。そのまだっていうのは」

「い…いえ。でも喋るわけにはいかないんです」

「浣腸をされてもかね」

「お…お浣腸はイヤッ。アイドルが人前でそんなの見せたら、テレビに出られなくなってしまう…」

「あははは。もう何十人もの人が君の排便ショーを見ているんじゃないのかね。先ほどのベテラン演歌歌手のように」

「う、嘘です。あんなおばさんと一緒にしないで」

「それが嘘か本当かは、まあ私にはどちらでもいいことだがね」

「浣腸しても、浣腸しても結構ですから、せめておトイレで出させてください」

彩乃は懇願するが、山浦はそれには答えず、壁に歩み寄って別の鞭を手にした。

「そうだ。君は本名、彩って言うのかね。彩乃というのは芸名か」

「え。あ…は、はい」

「そうか。じゃあトイレでさせてやろう」

山浦は楽しそうに笑いながら言ったが、彩乃は勿論察して、「バ…バケツはいやあ」

とひときわ大きな声で彩乃が叫ぶ。

「さて、それでは浣腸は後の楽しみに取っておくとして、そろそろそれを落としてやるとするか」

手でザランと右の乳房の十と一の洗濯バサミを触ってやる。

「うーーっ痛いっ」

と、彩乃が叫ぶ。

山浦は本気で舌を巻いていた。この娘、相当のマゾであることは確かだが、サディストの喜ぶマゾを演じてもいるということに気付いたからだ。

タレント…女優ということか。

ならばこちらも遠慮なく愉しませてもらうだけのことだ。

これだけの弾力のある巨乳を鞭で打って洗濯バサミを払い落とすなどという「プレイ」は、SMクラブなどでは出来やしないのだ。

「いくぞ」

手にしたバラ鞭は、適度に柄の部分に重さがあって、試し打ちなどしなくても、コントロール出来そうだ。

目隠しをしたままの彩乃が微かに頷き、身体を少し硬くしているのがわかった。

ビュン。

山浦は、洗濯バサミに

掠

るか掠らぬかというギリギリの空気を切った。

「あん」

もちろん痛みなどなかった筈であるが、彩乃が声をあげる。

次の瞬間、バチーーンという音とともに、彩乃の乳房に炸裂して、大半の洗濯バサミを一発で床に散らばせることに成功した。

唯一残った左の乳房の下のほうのふたつを狙って再び鞭を振る。

「いやーーーーっ、おっぱい許してぇ」

バチーンという音と、彩乃が叫んだのは同時だった。

ある程度の時間、乳房、敏感な乳首は特にだが、肌を噛んでいた洗濯バサミを一気に鞭で払い落とされるのは、かなりの激痛だろう。だが、実は落ちてしまえばまだマシで、落とす勢いで鞭を使われたにも関わらず、落ちなければそれが一番苦痛をもたらすということを山浦は知識として知っていた。

二回で全てを払い落として貰えたのは、彩乃にとっては苦痛は最小限だったということだ。

「せ、先生…山浦先生…」

「なんだ」

「ゴ…ゴムの鞭でもおっぱいぶってください。黒い鞭が壁に…」

山浦の経験では、SMクラブ嬢ならふたりにひとりはこれだけで完全に音を上げるハードな責めなのだが、一瞬前に絶叫して許しを乞うたことなどなかったかのように、彩乃は次の責めを求めてきた。

山浦は彩乃に歩み寄り、目を覆っている布を外す。

彩乃は目に涙を溜めていたが、その目をキラキラと輝かせ、すがるように山浦を見た。今日初めて会った男に対する眼差しとは到底思えない、安心と欲望とが交じり合ったかのような独特な視線だった。

「まだ…まだ百発までは…全然足りてません」

山浦も彩乃を見返して、うんうんと頷く。

聞き出さねばならぬことがある本当の拷問なのに、全くペースを奪われている。

彩乃はその視線で勃起した男根を一度捉えて、再び山浦を見て言った。

「早く…もっと、もっとぶって下さい。おっぱい苛めて」

その後の楽しみを心から待っている、彩乃の視線がそう告げていた。

山浦は壁に歩み寄り、黒い鞭を手にする。

手にしてみて驚いたのはその重量感だ。九本に枝分かれてしている鞭部分は一メートル以上ある長いもので、黒光りしている完全なゴムだ。こんな材質の鞭はこれまで一度も使ったことがなかった。

三十センチ程ある柄の根元を持って、軽く素振りをしてみると、バサリという重みが持ち手に伝わってくる。もう一度今度は大きく振りかぶって縦に振ってみる。空気を裂く音が半端ではなかった。

「ああ、痛い。おっぱい許して」

それで打たれたことを思い出してか、彩乃がまた反対のことを言った。

「三十、数えろ」

「さ…三十…」

彩乃の正面に立った山浦は、鞭を彩乃の二つの乳房に平行な位置から大きく振った。

バッシーーーン。

皮のバラ鞭との威力の違いは明確だった。長鞭は、一度に双の乳房を捉えて大きくたわませる。

「いーーーちっ」

断末魔のような裏返った声で彩乃が叫ぶ。

先ほどの洗濯バサミの払い落としで傷ついていたのだろう。右の乳首から赤い血がツーッと流れた。

鞭の重みも、乳房に当たる瞬間の感触も、そして彩乃が見せるマゾ女としての反応も、その全てが最高だった。

山浦は、怯むことなく鞭をさらに打ち付ける。

全て正面からまともに乳房を捉えた三十発だった。

「さんじゅーーーっ」

数え終えた彩乃は、すでに息も絶え絶えという様子だ。

「せ…せんせ…い」

それでも山浦の視線を捉えてくる。

「いま、今すぐ入れて下さい。今すぐ、先生のおちんぽ様で彩乃のおまんこお試しください。うしろ、後ろから入れて下さい」

ここで、彩乃の願いを無視することが、拷問の結果への近道だという思いも過ったし、折角用意した浣腸をという考えもなくはなかった。

しかし、山浦は彩乃の言うとおり挿入を選ぶことにした。

尻の谷間を勃起した先端で擦った後、入口をみつけるとずぶりと突き入れる。根元まで入ったと思った瞬間に、キュンキュンと彩乃が中を締め付けてきた。SMクラブでは性器への挿入は禁止事項の最たるものではあるが、女達に逆に懇願されて入れてやることもある山浦だったが、こんな「武器」を持った女は、初めての体験だった。

「う、動いて…先生。おちんぽ様で楽しんで、彩乃を」

スーッと力が抜けたようにそこが僅かに開放されたのを機に、一度ギリギリまで抜いてまた奥を突くという、性器全体を愉しむための抽迭をはじめる。

同時に両手を前に回して、傷めつけたばかりの二つの乳房を鷲掴みにした。

「ああ、気持ちいいです。やっぱり大丈夫だった。おっきいです先生。たっぷり愉しんでください」

彩乃がその時に言った言葉に反応出来ぬほど、山浦は彩乃の膣の絶妙の感覚に夢中になっていた。

「いい、いいっ。気持ちいい、おまんこいい。おっぱいもっと痛くして」

彩乃の反応も上々だった。

「まだ、まだ、まだ逝かないで先生。もっともっともっとおちんぽ様で彩乃を苛めて。じゃないと、じゃないと…」

手を吊られたままの彩乃が、顔だけ振り向いて懇願しつつ、キスをして欲しいと口唇を寄せてくる。

舌は濃厚に絡み合った。むしろ彩乃のほうが山浦の口内に舌を侵入させて、積極的に動かす。ゆるゆるとした抽迭をしながらのキスは、山浦のこれまでの経験からは想像も出来ぬ快美なものであった。もし彩乃の性器を突くスピードをあげたら、あっさりと放ってしまうだろう。だが、まだ逝くわけにはいかないと思っていた。

入れて発射して満足、というわけには今夜はいかないのだった。

「ダメ、先生」

それを最後に抜こうかとした一突きをした瞬間に、彩乃はまたそこをキュンと締め付けた。

「あ、それもダメ。まだ逝っちゃ」

次の瞬間に、彩乃はその言葉とともに山浦を解放した。

寸前だった。

山浦は胸を撫で下ろす。

そして、わかったことがある。彩乃が「手加減」をしていたということだ。

山浦の男根は彩乃から解放されたが、口の中の彩乃の舌はより激しく濃厚に動きまわり続けていた。

山浦は手札をなくしてしまったことを感じていた。

苦痛ではギブアップしないであろう彩乃の口を割らせるために考えたのが、浣腸してそれを我慢させつつの性交責めであった。我慢と快楽、快楽の中断、再度与える強い快楽、これらで彩乃を錯乱させ、喋らせることが唯一の方法だと思っていたのだが、その自信が崩れつつあった。

山浦はこれまでの経験で、自分の男根を使う責めに、世間ではセックスとも呼んでいる行為による女への「責め」に強く自信を持っていた。SMクラブの女たちも、一度でも店の規約や規制に反して、その行為を望んだ女は、次からも必ず挿入を望んで、山浦自身よりも女たちのほうがそれを愉しんでいたからだった。

そのため、ハードな鞭責めを我慢させた褒美にそれを与えるという形に落ち着くことが多かった。時に女たちを焦らすことで、全ての主導権を握ることが出来、例えマゾという立場であれ、普段から風俗嬢という立場で実際は男を手玉に取っているであろうに違いない女たちを、本当に屈服させることが出来ていたからだ。

しかし、それは彩乃には通じなかった。

彩乃がその気になれば、山浦をいつでも射精させてしまえる以上は、この方法が通じない。いや、屈服させることが出来ずに、それは自分が屈服するということでもある。

「先生」

一瞬のうちに、そんなことを頭に過ぎらせた山浦に彩乃が声をかける。

「先生の拷問はもう成功したんです」

彩乃が意味不明なことを口にする。

「先生、浣腸されますか。わたし、浣腸オマンコもホントの事言うとそんなに嫌いじゃないですけど、今夜は先生に普通に組み敷いて頂いて、普通に彩乃のおまんこ使っていただきたい。愉しんでたっぷりオマンコしていただいて、中に先生の一杯出してほしいの」

激しい口づけを中断して、彩乃は前を向き、山浦を見ずにそう続けた。

山浦はタジタジになるばかりであった。

そもそも何故、拷問が成功したことになるのかもわからない。

「なので山浦先生」

彩乃は改めて山浦を呼んだ。

「浣腸をお許しいただけるならば、私、先生にオマンコしていただく前に、お見せします。私が一番恥ずかしいところ。オマンコしていただいてからだと余計恥ずかしいし、先に、先にお見せいたしますので。アイドルタレントの彩乃が、いえ彩が彩が…ウ…」

彩乃の声が最後か細くなる。

「わたし、準備しますので、先生これでも見ていてください。あとあの引き出しの真ん中にポラロイドカメラが入ってます。なので使い方ちょっと研究したりしてお待ちになっていて」

彩乃は山浦が先ほど用意したグリセリン液入りのバケツを抱えてバスルームへ消えた。

鞭のために手を吊った拘束から彩乃を解放してやり、ソファに座った山浦に、彩乃が渡したのは一冊のアルバムだった。

そして、そこには「彩 二十一歳」と書かれた写真からスタートして、二十一歳六ヶ月、二十一歳、と半年ごとの彩乃の成長の記録が貼り付けられていた。

いずれも一枚目は着衣だったが、その年令の二枚目以降はすべて全裸の写真だった。

彩乃が先ほど話していたとおり、二十一歳と半年目では生えそろっていた陰毛が、二十一歳の写真では完全に消失して二十一歳の時の状態に戻っていた。Bカップほどだった乳房がほぼ今のサイズになっているのは二十一歳と半年目の頃だろうか。それが早いのか遅いのかは山浦にはわからなかったが、それは見る者に強い罪悪感を抱かせるほどの、少女から女への生々しい成長の記録であった。

ひと通りページをめくり終えた山浦は、立ち上がると彩乃の指示通り先ほど、洗濯バサミやら浣腸器を見つけた引き出しの、唯一見なかった真ん中の段を開けて、インスタントカメラを取り出した。そういえば、今のアルバムは性器や肛門まではっきり写っているにも関わらず、インスタントの写真ではなくちゃんと現像したキャビネサイズのカラー写真だと、改めて気がつく。

デジタルカメラが普及するまでには、これからまだ数年の時を要したため、そう簡単なことではなかったのだ。

それは山浦がこれまでにも使用したことがあるタイプのインスタントカメラで、いつでも使えるように既に印画紙もセットされていた。

「先生、いらして」

彩乃の声がして、そちらを見る。

一メートル近く離した、ふたつの椅子にそれぞれ脚を乗せて彩乃はしゃがんでいた。Mの字に大きく脚を広げ、剥き出しの性器を惜しげも無く見せている女がアイドルタレントだと、誰が思うだろうか。手を頭の後ろに回し、傷だらけの乳房を突き出し、目はしっかりと山浦の方を見ていた。腰を落としたその下には「彩の便器」と書かれた透明なバケツが置かれている。先ほどバケツはイヤと叫んだ女が自分で用意して自分で取っているポーズとは到底信じられなかった。

山浦が、彩乃と直接会ったのはこれが最初で最後だったのだが、十五年以上が経った今でも、そしてこの彩乃との出会いのお陰で、様々な体験をすることになったのであるが、その全てを含めても、この時彩乃が山浦の為に見せた「自然排便ショー」ほどの衝撃を受けるものはなかったような気がする。

それから一時間ほど後、山浦は部屋の最奥に置かれたダブルベッドの上で彩乃を文字通り組み敷いていた。

何年も前から、自分はもう普通のセックスと呼ばれるような行為を、いわゆる通常の性行為を行うことは、二度とないだろうと考えていたのでそれはとても不思議な感覚だった。

この子が

類稀

なるマゾであるからこそ、セックスにおいてもサディストとしての立ち位置を維持させてくれるから出来ているのかもしれないが、キスをして優しく傷ついた乳を吸い、背中にその可憐な手を回されての、今この時点では、まるで普通の恋人同士のようなセックスをしようとしている。

彩乃が何故自分に近づいたかについても、彩乃の口から聞くことができていた。

先ほど同様、挿入と同時に彩乃がキューッと中を締め付けてくる。

歓迎の意を表していると解釈して、ゆっくりと山浦は動き始める。

彩乃が突然山浦に近づいた理由は、やはり君塚弁護士がキーマンだった。

君塚が顧問をしている、この日彩乃が山浦を呼び出したホテルのオーナーが、密かに運営している特別な「倶楽部」の会員に、山浦を誘うための布石だったのだ。

セックスの前に排便を済ませたばかりの彩乃と、一緒にシャワーを浴びながら、山浦はそれを聞いた。

「倶楽部」の会員になるためには、金銭や地位といったものの他に、特別な要件があるとのことだった。

「サディスト様で、かつおちんぽ様がおちんぽ様そのものが、S様としての武器になるレベルのものをお持ちの方しか会員になれないんです。大きさと持続力。なので、先生をお誘いするにあたって、後で失礼に当たらないように、そのことをきちんと確認して来いというのが私に課せられた任務です。なのでもし先生がそれに相応しくないモノしかお持ちでなかったとすれば、私をどんなに拷問しても、このことをお耳に入れることは絶対にありませんでした」

当時、君塚は税理士を探していた。それも、顧問として関与する三田村という男がやっている表の仕事だけではなく、裏側のことまで全てを理解して、その上で「適切に」税務の処理を依頼出来る人間をだ。調査をして山浦がサディストだとわかって、それが人を介してだが君塚の方から山浦に近づいて来たキッカケだったようだ。倶楽部への入会まで誘うかどうかは、それほど重要な問題だとは考えていなかったのかもしれない。

だが、山浦はこの後君塚の誘いに乗り、エスタブリッシュメント倶楽部という名の秘密倶楽部のゴールド会員として、暫くの間、存分に、存分すぎるほどに愉しませてもらうことになる。やはり君塚の誘いで、政治の世界に転身するというその時に、会員権を多額の利潤とともに処分するまでは。

たった一度の彩乃とのセックスも生涯忘れ得ぬほどの素晴らしいものだった。

やはり彩乃のそこは本人の自在で、山浦がフィニッシュのためにピッチをあげた瞬間に、素晴らしい動きをして、山浦から根こそぎ精液を絞り取った。またそれによって本人の感度も一気に上昇したのか、その反応の様子も山浦を存分に満足させたのだった。

一九八九年三月 梅田組長私邸

「公邸」という名の梅田組本部と隣接した住居とは別に、梅田夫妻は「私邸」も持っていた。

その日の夜になって急に呼び出された川越純子は、迎えの車の後部座席で押し黙っていた口をようやく開いた。

隣の席には、中澤プロダクション所属のチーフマネージャー榎本佐和子が座っている。佐和子は、純子よりも二十一歳だけ年上で、二十一歳から二十一歳までは、芸能界に籍を置き子役としてテレビなどにも出ていたこともある、三十八歳になった今でも業界の様々なところに顔が利く、敏腕美人マネージャーとしても知られていた。

父親は九州の方を地盤とする有力政治家らしいが、純子はそのあたりの詳しいことは知らない。

今は主に後輩の望月彩乃を担当していた。

彩乃が最近、メキメキと頭角を顕し、鉄道会社のCM等に出られたのも、この佐和子の力によるものが大きいのではないかと、純子は思っていた。

「わたし、明後日からまた関西と九州巡業で、今日と明日は完全オフの了解を取ってるんだけど」

出来るだけ不機嫌な声を出したつもりだが、癪に触ることに佐和子は「あ、そう」と言っただけで、次の反応を示さなかった。

ヒット曲が一曲しかない、いや一曲でもヒットがあるそれもヒットチャートの上位を取ったものがあるということは、純子の歌唱力の問題よりも、事務所がいい曲を作家に書かせることが出来ないことが、その後の低迷の主たる原因であろう。そしてその責任は、社長以上にこのチーフマネージャーの方が重いと、常々純子は思っていた。

そもそも今迎えが来た、純子が居住している、いやさせられている新宿のホテルの部屋だって、自分は少々広いとはいえ普通のツインルームで、彩乃にはデラックスなスイートルームが与えられているというではないか。

中澤プロダクションを長いこと支えてきたのは自分であって、そのマネージャーであるこの女の給料とて、私の稼ぎから支払われてきた筈なのだ。

テレビから営業と呼ばれるドサ回りまでならまだしも、今ではマゾの性癖まで詳らかにされて、特殊な人たちの前だけとはいえ、裸で浣腸されて歌わされるショーまでやらされている。自分の性癖と言われればそれまでのところもなくはないが、純子が身体を張ったその収益でプロダクションは曲がりなりにもこれまでやって来られたのだ。

この女はむしろ自分にひれ伏してもいいくらいではないのか。

普段から思っていることが頭を過り、純子をさらに苛立たせた。

しかし、それ以上の言葉を純子が直接佐和子に言うことはなかった。

純子自身も実はわかっていることではあるが、既に純子を実質的に「所有」しているのは中澤プロダクションではなく、これから行く梅田組であって、プロダクションに籍があるのは、あくまでも純子に仕事をさせる上での便宜上のものであるからだった。

金額の多寡はわからぬが、その事実上の「移籍」についてだって、中澤の手元に金は渡っているであろう。もしくは金に替わる何かなのかもしれぬが。

実際にプロデュースしているのが中澤プロであることに変わりがない以上、歌手川越純子としては、新曲くらい持って来なさいよと思うのは当然の権利に思える。しかし、それとていわば八つ当たりに過ぎないと、純子にもわかってはいたのだった。

しかも既に純子は、梅田組組長夫妻にその生殺与奪の権利を奪われている。

「引退させて、組員の便所にしろ」と組長の梅田敏雄が言えば、たちどころに純子は、自身の精神的な最後の拠り所でもある歌手という立場ですらなくなってしまうのだった。

そのことがあるから、どんな理不尽なことにも逆らえない。もちろん迎えに来た車にたまたま事務所のチーフマネージャーが乗っていたからと言って、彼女を責める権利など純子は持ってはいないのだった。

そんな二つのいわば理想と現実が純子の中でせめぎ合い、感情を不安定にさせていた。ましてやこんな時間に呼び出されて、何をさせられるかわかったものではないのだ。いや、性的なサービスを要求されることは間違いない。それが始まってしまえば、自身の中に色濃く流れるマゾの血に溺れることも出来るのだが、こんな中途半端な移動の時間が一番辛く切なかった。

梅田組組長の私邸は、新宿から夜の高速道路ならば三十分とかからないインターチェンジからほど近いところにあった。

閑静な住宅街で、大きな家も多いことから、ここが関東でもかなり大きな暴力団組長の自宅だとは、ほとんど誰にも知られていなかった。当然ながら若い組員などの出入りもあるのだが、それは広い敷地の表側ではなく、一本裏通りに面した小さなマンションと、それぞれ道路に面していない側、つまり裏口で繋がっていた。そのマンション自体も梅田組の持ち物なのであるが、企業の社宅という体裁を取って外塀を高めにし、駐車場からの出入りを外側からは望めないようにしている。そのため、近隣の人々には全く気づかれていないのだった。いや、近隣どころか警察の担当部署にすら知られてはいなかった。もちろん組事務所は別にあり、組長の「公邸」と呼ばれている家もそちらに隣接していたためでもある。

しかし、純子を乗せた車は、堂々と表側、正面の門から入った。

広い敷地を、坂を登りながら半円を描くように車が走って、ようやく玄関前に横付けされる。その半円の内側はは小さな森のようになっていて、もちろん外の道路からこの玄関が見えるということもない。

玄関前には、警備として立っているのであろう若い衆の他に、すぐ横から裏道へと抜ける細い通路に、数人の若者が立っていた。いや立っているというより列を作って並んでいるという風情だ。

演歌歌手という肩書を持つ純子は、紫を基調にした和服姿だった。

「ごくろうさん、す」

車から降りて、玄関の灯りの下に立った純子に若者たちが口々に挨拶をする。

演歌歌手川越純子としての姿を見たことがあるかどうかはともかく、それが組長のオンナのひとりであるということは、組の末端のものにまで知れ渡っている。

最初の頃、こんなチンピラのような若者にまで素性が知られてしまい、世間にバレたり週刊誌がつついてくるのは時間の問題と怯えた純子だったのだが、実際問題として、そういう純子が懸念するようなことは、これまで一度も起こっていなかった。

警備担当の男に目で合図をすると、扉を手で引いて開けてくれる。

その瞬間「うっ」と純子は小声で叫んだ。

すぐ後ろに付いてきていたマネージャーの佐和子の口からも、「な、なにこのニオイ」

と、振り向いて確認するまでもなく顔をしかめているであろう声が上がる。それが何のにおいか、純子にはすぐに見当がついた。

同時に、純子の目に、激しい勢いで腰を振る若い男の尻が飛び込んで来ていた。

純子の身体に視線を遮られていた小柄な佐和子が隣に並ぶ。

「あら、まあ」

そこには女が一人、ギロチン台のような器具に固定されていた。

前屈みになった状態で、ふたつの板の間に丸く開けられた三つの穴に、首と両手の手首を固定されている。

その前で、小さな台の上に乗った男に、口を犯されていた。本人はまったく首を動かすことが出来ない状態であるから、完全なイラマチオである。

後ろに突き出した尻も、性器か肛門かまではわからぬが、別の男に激しく腰を使われていた。

下向きに大きな乳房が、前後の男たちの腰使いに合わせて重たげに揺れていた。

「瑠美…」

言ったのは純子だ。

学園一年から学園を卒業するまでの同級生で、ずっと親友で、そして当時ラグビーをやっていた自分の兄にあこがれ、付き合いはじめ、学校に気付かれないように数週間休んだだけで二十一歳の時に葵依を産んだ瑠美子。

兄龍平とは二十一歳の時に、そらを産んだ直後に結婚している。

その二年後に美樹という女の子をもうひとり産んでいるが、その美樹が学校四年生になった時に瑠美子と兄は離婚していた。美樹が実は兄の子ではないとわかったためだ。それも瑠美子自身の口から兄に告げられたようだ。

どういう経緯か純子は知らなかったが、瑠美子は離婚直後から梅田組の奴隷娼婦になっていた。

梅田組は、相前後して純子と瑠美子の親友ふたりを手にいれたことになる。

それなりの豪邸で玄関の中も広かったが、さすがにそこで行われていることとしてはかなり異様な光景だった。

純子が瑠美子に会うのは一年半ぶりくらいだ。組の地方組織に預けられているとも、下部組織に払い下げられたとも言われていたが、実際のところどういう事情で何処にいるのかは全くわからなかったのだ。

「明日、いよいよ葵依の映画デビューの記者会見すんのよ。そのためもあって母親にもなんか一役買ってもらおうと思って呼び寄せたみたいよ。ただ、今日は暇だからね、こうして兵隊さんたちの性欲処理に使ってるってわけ」

声だけが、瑠美子の尻を抱えている男の後ろから聞こえたが、壁の鏡にディレクターズチェアーに座って腕組みをしている女が映っていた。ミサキという名の、梅田組最高幹部の妻だ。

足を開いて立っている瑠美子の股の下には、小さな洗面器が置かれ、白濁した液体が溜まっていて、それが饐えたにおいの元だった。

若い男ふたりに挟まれて文字通り据え付けられている瑠美子のすぐ横の壁には、「一人一穴五分以内。口五十発、膣二十発、肛門三十発、合計百発完了まで」というオレンジ色のマジックでの殴り書きがされた紙が貼られていた。ご丁寧にそのそれぞれの数字の下に黒い文字で「44」「7」「30」と書かれた紙も貼り付けられている。

それをじっと見た佐和子が、「ふーん。洗面器の中には既に三十七人分のザーメンが滴り落ちてるってわけね」

と、言うとミサキが含み笑いをしながら

「三時間半かかってやっとね。でもおまんこ人気なくてねー。なかなかおまんこ出ししてもらえないからこんな数字よ」

と教えた。

佐和子は、イラマチオで激しく熟女の口を突いている若者におかまいなく瑠美子に近づくと、口元についている精液を指で伸ばすように瑠美子の頬に塗りたくる。

「お口に出されたのは、ちゃんと全部飲まなくちゃダメじゃない。少し滴り落ちてるわよ」

と、さらにはしゃがんで床にこぼれているザーメンを掬って、瑠美子の鼻孔に容赦なく指を突っ込んでグリグリと塗り込んでいる。

佐和子がこんなことをする場面をこれまで目にしたことのなかった純子には、それはそれで戦慄だった。

長年の親友ではあるが、今は純子にとって甚だ不本意なところがあるとはいえ「ご主人様」という名の男をめぐるライバルという立場でもある瑠美子に「ざまーみろ」的な気持さえ少し沸き起こる。

ただ、今夜わざわざ自分と一緒にこの自信たっぷりに見受けられる女、佐和子が呼ばれていることに不安も感じる純子だった。

「まあそれでも一応、四十四人分の若いオスのザーメンを胃袋に収めてますからねー。よく吐かずに頑張ってるほうですよ」

ミサキがまるで擁護するかのようなことを言う。

その間にも、口を犯していた男が「うっ、いくぞ」と言って、さらに腰の動きを小刻みにしつつ、瑠美子の頭を手でガシッと押さえて射精する。

「はい、四十五人目ぇ。口も使えるのはあと五人までね。お尻の穴は既に満員御礼だし、さておまんこだけになったらあとどのくらい時間かかるのかしら」

ミサキは言いつつ、「

45

」と書いてセロテープをつけた紙を「

44

」のものと交換した。

男が口から男根を抜こうとした時に、瑠美子は舌でそれを追いかけている。そうしつつ純子を見つめるが、もちろん口が自由になっても言葉を発したりはしなかった。

佐和子の携帯電話が小さな音を立てて、それに応答した佐和子は、「早く上がって来いとのご命令よ」

純子に言った。

「まあ、なんにつけ今のところ組長に気に入られて幸せよね、純子さんも」

階段を昇っている時、後ろから佐和子がそう言った。

「でも、もし飽きられちゃったら、次は純子さんの番なのかしら。若い兵隊さんたちのザーメン処理。まあそれにしても四十五人分とは凄いわね。そんなに飲んじゃうと、お腹の中ザーメンで一杯になって、おしっこの代わりにザーメン出ちゃわないのかしらね」

けらけらと、佐和子がいかにも楽しいという感じで笑う。

当時、兄と別れてすぐの瑠美子と純子は、ほとんど同時期に梅田組の組長のものになった。

尻を並べさせられたこともある。

というよりも、最初のうち純子を抱くときには、常に瑠美子も同席させ、親友同士の女ふたりを一緒に裸にして同時に楽しんでいたのだ。

瑠美子がとっくにマゾとして誰かに調教されていたことも、その時に知った。梅田も夫人の美絵も、そのことを知っていて瑠美子には奴隷として最初からより厳しく扱っていた。

奴隷牧場 男根崇拝 第3部分 (3/8)
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