SMの女王(えすえむのじょおう)は、日活ロマンポルノに出たポルノスターのうち、SMもので売り出された女優のキャッチフレーズである。SMクィーンとも呼ばれた。店の女王様、つまり責める側のプロドミナではない。マゾとしての被虐役で人気を取った女優たちだ。日活ロマンポルノのドル箱だったSMシリーズの原作者・団鬼六が、気に入った女優を選んでいた。プライベートでも団と親密だったとされる。キャッチフレーズは付かなかったが、志麻いづみは団鬼六主演作に3本連続で主演している。細身で、責め役の助演も多い点で傾向が違う。団鬼六原作ではないSM路線で4本主演した松川ナミもいる。店の女王様が客を責める職業名であるのに対し、ロマンポルノの「SMの女王」は、縄と鞭を受ける側のスターを指す。同じ「女王」でも、フェムドムの支配者ではなく、被虐の看板女優だ。
初代から四代目
初代は谷ナオミ。日活デビューがSMものの名作『花と蛇』で、その後もSMものに数多く主演した。1979年に結婚して引退する。二代目は麻吹淳子。別名「恥辱の肉獣」。1980年から団鬼六原作のSMもの7本に主演し、身体を壊して引退した。三代目は高倉美貴。気品ある顔立ちと令嬢役の似合う清楚さで「和製オリビア・ハッセー」と呼ばれた。1983年以降、団原作のSMもの5本に主演。契約により1985年以降は日活を離れ、のちにあのねのねの原田伸郎と結婚する。四代目は真咲乱。公称100cmの巨乳が売りで、高倉がポルノ以外へ移ったあとの1985年以降にSMの女王となり、3本に主演した。
ロマンポルノのSMシリーズは、縄と鞭の映像を劇場のドル箱にした。その看板に据えられたのが、責める女王ではなく、責められるスターだった。谷ナオミの『花と蛇』から麻吹、高倉、真咲へ代が移るあいだ、団鬼六の原作と日活の契約が、誰を「女王」と呼ぶかを決めていた。志麻いづみの細身の責めと、松川ナミの非・団路線は、その称号の外側で同じSMスクリーンに立っている。初代・谷ナオミは『花と蛇』でデビューし1979年に結婚引退。二代目・麻吹淳子は「恥辱の肉獣」として7本、身体を壊して降りた。三代目・高倉美貴は和製オリビア・ハッセーと呼ばれ5本、1985年に日活を離れ原田伸郎と結婚。四代目・真咲乱は公称100cmで3本。団が気に入った女優を選び、プライベートでも近かったとされる系列が、ロマンポルノのSMドル箱を支えた。SMクィーンは、責める女王ではなく、責められる女王の称号だった。











