鼻責め(はなぜめ)は、鼻に対して何らかの責めを加え、性的興奮を高めるSMプレイの一種である。鼻フックだけが鼻責めだと思われがちだが、押し上げ、つぶし、つまみ、膨らませ、注水、タバコ、異物、鼻輪、ピアス、ほじり、舐めまで幅がある。顔の中央をいじることで、相手の「顔」そのものを笑いものにし、自尊心を削る。美の基準だった高さを、ブタや牛の記号にひっくり返すのがこのプレイの核だ。
なぜ鼻をいじると辱めになるのか
近代以降、鼻の高さは美の基準のひとつになってきた。慣用句でも「鼻が高い」「鼻にかける」は自慢を意味する。身体のなかでも、誇りと直結して語られる部位だ。だから鼻をいじると、痛み以上に「自慢していた顔」を壊される辱めになる。SMではその自尊心を落とすために、緊縛した相手を「ブタ」と罵り、鼻を本物のブタのように押し上げるところから始まったとされる。美の記号を、家畜の記号にひっくり返す。
押し上げ以外のバリエーション
鼻を押し上げるのは基本形で、指か器具(鼻フック)で行う。鼻フックがアダルトビデオや芸能人経由でマスメディアに出たため、「鼻責め=鼻フック」という誤解も広がった。フックは目立つ一本にすぎない。押し上げは、緊縛した相手を「ブタ」と罵るときの視覚効果でもあり、器具がなくても指だけで成立する。
鼻をつぶす場合は、指で押し潰すほか、透明テープで潰した形を固定したり、ストッキングをかぶせて変形を楽しんだりする。鼻をつまむのは、指か洗濯バサミで鼻をつまみ上げる。鼻を膨らませるのは、本人が自分の筋肉で鼻を膨らませるやり方で、唯一、本人の意思がなければ成立しない。器具も指も不要で、命令に従わせること自体が責めになる。
水を注ぐと鼻の粘膜は非常に痛む。そのため拷問のように使う。タバコを吸わせる責めでは、鼻を押し上げて煙を吹き込む。粘膜が敏感なため煙は滲みて苦痛が大きい。鼻にタバコを差し込めば、間抜けな姿にして揶揄できる。異物挿入は、指や豆、棒などを入れて間抜け面にする。ゴカイやイソメのような生きた長い虫を通し、左右の穴をつなぐというハードな責めもある。
鼻輪・ピアス・舐め
鼻輪は、鼻の壁に穴をあけて輪を通す。鼻輪は牛に嵌めるものだという認識があるため、家畜プレイで相手を貶めるのに使う。引き手を付けて引き回せば屈辱はさらに増す。ただし鼻の壁がちぎれる危険がある。ピアスは、強制的に穴を開け、目立つバーやリングを入れる。
鼻ほじりは、穴に指を入れてほじくり回すか、ほじる姿を鑑賞する。鼻フェラ(鼻舐め)は、鼻を舐めたり、鼻全体をしゃぶったりする。鼻の穴に舌を入れて舐め回す責めもある。粘膜への直接攻撃と、顔を弄ぶ辱めが重なる。鼻フックだけ覚えておけば足りるプレイではない。水と煙と虫は痛み、鼻輪とピアスは家畜化、ほじりと舐めは顔を性器のように扱う。どれも「鼻が高い」ことへの反撃として読める。











