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実姉と義姉 · 第一章 義姉・亜矢子の寝室 · 1

実姉と義姉 第一章 義姉・亜矢子の寝室 · 1 (1/7)
次の話

第一章 義姉・亜矢子の寝室

第二章 実姉・沙由里は処女(バージン)?

第三章 義姉・朱唇に散る樹液

第四章 実姉・剥かれた裸身

第五章 実姉・弟に捧げた純潔

第六章 義姉・菊蕾を貫く剛直

第七章 姉と弟・秘肉の交歓

第一章 義姉・亜矢子の寝室

ドアの向こう側にかすかな人の気配を感じた。それまで曖昧に眠っていた神経が敏感に作動して、重い瞼がまるで音をたてるようにパッチリと開いた。

秀之が体の向きを変えてサイドテーブルの置時計に視線を向けた時、時計の針はちょうど七時を指していた。

カーテン越しに窓の外から伝わってくる朝の天気は曇天とみえて、いやに暗い。

はちきれんばかりに硬く勃起している分身を握りしめると、秀之は、今日こそこれを亜矢子の秘所の奥深くに埋めこんでやるんだという決意を、改めて我が身に課して武者震いをした。

案の定、斜め向かいの亜矢子の部屋のドアが音をたてた。足音を殺して廊下を渡った亜矢子が、静かに自分の部屋に入っていったのだ。テレビのレポーターとして、最近しばしばブラウン管に顔を出す亜矢子は、昨夜は、ある事件を追って徹夜の張りこみをして、たった今、帰宅したばかりなのだ。

今日の神坂家には、秀之と義理の姉にあたる亜矢子しかいない。

いつも時間の不規則な亜矢子は、まず帰宅すると、どんなことがあってもベッドに潜りこむのが日課だった。眠る時間はその時によってまちまちだが、今日のように徹夜の後となると、時間の許す限りとことん眠ってしまう。日頃から口癖のように、睡眠こそエネルギーの源と言っているが、正直なところ、二十四歳という年齢を多分に意識しているらしかった。

自分の出るテレビは、どんなものでも必ず録画しているが、それを再生して観る時、亜矢子は仕事の内容の善し悪しよりも、まず顔の映りがいいか悪いかを気にする。クローズアップになって眼尻の皺がはっきり映しだされたりするのを、何よりも気にする年頃になっていた。

肌の健康に気づかう亜矢子は、寝つきをよくするために、しばしば誘眠剤を呑んでいた。そして呆れるほどよく眠る。

秀之は一時間だけ辛抱することにした。そっと部屋を脱けだすと階下の浴室に行って熱い湯に浸かり、そこで顔を洗って歯を磨き、キッチンでワインを飲んだ。一時期、話題になったボージョレ・ヌーボーだが、今は神坂家の誰にも見向きもされず、戸棚の奥に片づけられていたものを引っぱりだしてきたのだ。このワインが解禁された当時は、フルーティだとか、フランスワインの香気がするなどと言って、亜矢子もずいぶんとはしゃいでいたものだ。

アルコール類に弱い秀之は、二杯もグラスを傾けるとすっかり上気して、頬を赤く染めていた。だが秀之は無理を承知で、三杯目のグラスも空けようとしていた。

女を犯す--しかも、血がつながっていないとはいえ、義理の姉を犯そうというのだ。蛮勇をふるいたたせるためにも、無理矢理ワインを胃の中に流しこんだ。

本当に俺にできるのだろうか?……

部屋に戻ると、秀之は鏡に映った自分に問いかけた。

やれッ! やるんだッ

!!

心の中でさかんにけしかける声がする。お前は亜矢子には屈辱的な仕打ちをされたことがあるじゃないか。その時の恨みを暴行という形でかえしてやれ! 今がそのチャンスだぞ。さあ、男になれッ!!

いろいろな声が湧き起こって秀之をけしかけた。

そうだった。あの時、俺は……。

突然、秀之の脳裏に六年前のある出来事が鮮明に甦った。

父の泰造が再婚したのは、秀之が大学二年生の時である。

その時、大学二年生だった実姉の沙由里は、お父さんはいろいろ苦労しているんだから、と秀之に因果を含めた。

泣いて反対した秀之は、実際に義母となった桂子と接触してみて、初めてその優しさを思い知らされ、すぐになついた。

桂子は非常によくできた女だったが、連れ子の亜矢子は新人類というのか、泰造や姉弟にとって、ちょっと理解のできないところがあった。だが、美しさと頭の回転の速さは抜群で、秀之は、やがて義理の姉ができたことを誇らしく思うようにさえなった。

連れ子同士の再婚だったが、一つ屋根の下に住む五人の関係は、最初のうちは予想以上にうまくいっていた。だが、亜矢子は大学に入った頃から、異性関係のことで泰造とたびたび衝突するようになった。

そのうち亜矢子は、公然と外泊するようになり、泰造はそれを機にいっさいの干渉をしなくなった。そのほうが賢明と悟ったのだろう。

亜矢子より一つ年下の沙由里は万事に控え目だったからよかったが、もし沙由里が気の強い女の子だったら、子連れ同士の再婚家庭はたちまち崩壊したに違いない。

秀之のませたクラスメートたちは、半分は沙由里のファンで、半分は亜矢子派であった。秀之は美しい姉二人を持ったことを神に感謝した。

--俺さ、お前の姉さんのことを想って、いつもこれさ。へへへ。

ませた友人の一人はそう言って、妙な手つきをした。すると秀之は、まるで自分の所業を見られたように真っ赤になったものだ。

その頃、学生の秀之はオナニーを覚えたばかりで、その友人と同じように、二人の姉の姿態を頭の中に想い浮かべては、手淫にすっかり溺れていたのだ。

秀之はもともと三つ年上の実姉、沙由里が大好きだった。小さい頃から沙由里にまとわりついて、何をするのにもどこへ行くのにも沙由里と一緒であった。

沙由里は病弱だった母に代わって、秀之の面倒をよくみた。秀之も母の血筋を引いたのか、子供の頃は体が弱かったし、臆病だった。学校を終えるまで、秀之は沙由里と一緒に寝ていたくらいである。

こんな記憶がある。学校六年生の夏休みに、一家で河口湖畔のバンガロー村に泊まった。商社勤めだった泰造はそうそう休みがとれないので二、三日して帰ったが、当時大学三年生の沙由里と秀之、そして実母の和代の三人は、十日ほど滞在した。

泰造は、体の弱い妻と秀之のために夏休みの間、東京で一人暮らしをしたのである。

空気の澄んだ高原での生活は快適で、母子はすっかり生気をとり戻して、バンガローでの生活を楽しんだ。しかし、夜になると気の小さい秀之は、必ず沙由里のベッドに潜りこみ、まるでしがみつくようにして眠りについた。

ある夜、意味不明の恐ろしい夢を見た秀之が目覚めると、すぐ目の前に沙由里のはだけた胸があり、ほんの少しだが乳首が露出していた。少し前までよく姉と一緒に風呂に入っていた秀之は、ようやくはっきりと女らしい盛りあがりをみせるようになった姉の乳房に、しばしば興味深い視線を向けることがあった。だが、六年生になったのを機に、両親から一緒に風呂に入るのをとめられてしまっていた。

目の前にある乳房は四月以来だから四カ月ぶりに見るものであったが、それはわずかの間に豊かに実って、少しずつ性に興味を持ちはじめた秀之の眼をみはらせるに充分だった。

母がぜんそくで病弱だったため、秀之は幼い頃からあまり母に抱いてもらったという想い出がなかった。母の乳房についての記憶もまるでない。

秀之は、可愛いネグリジェの胸もとからはみでている姉の乳房に、そっと触れてみた。沙由里の寝息に乱れはなかった。次に、指先を少し沈んでいる乳首に向けた。思った以上に柔らかかった。押すとフニャッとへこんだが、指を離すと、また持ちあがって元のようになる。

秀之は寝息をうかがいながら、何度か同じことを繰りかえした。

「ム……」

小さく姉が呻いて、その時だけ寝息が不規則になった。秀之はあわてて眼を閉じ、寝入っているフリをした。姉が起きた気配がないので、そっと薄眼を開けると、目の前の乳首に異変が起きていた。さっきまではピンク色の乳暈の中に沈んでいたのに、今はプクンとせりだして、いかにもオッパイという感じがする。

もう一方の胸もとに隠れている乳首も見たくなって、秀之は静かにネグリジェを開いてみた。それは完全に埋没したままだった。

奇妙なアンバランスを保つ姉の乳房を、好奇心にあおられながら見つめていた。埋もれたままの乳首を、指先で恐るおそるそっと擦った。しばらくすると、その乳首もツンと尖ってくる。

秀之は美しい姉の寝顔と乳房を交互に見つめた後で、魅惑にみちた二つの隆起に頬をそっと押しつけた。甘酸っぱい匂いと柔らかな感触に包まれた秀之は、そのまま眠りたいとさえ思った。だが一度めざめた好奇心が、秀之の心を内部から揺さぶった。唇の端に触れているピンクの乳首を吸わずにはいられなかったのだ。小さな突起は上下の唇に挟まれると、また少し大きくなったように感じられた。

「何してるの?……」

突然、頭の上で沙由里の声がした。秀之は、そのままの姿勢で上眼使いに姉の顔を見た。

「赤ちゃんみたい」

沙由里は気だるい声を出すと、一度、秀之の顔を両手で抱きしめてから、「さあ、寝るのよ」

それだけ言って、くるりと秀之に背中を向けてしまった。

それからの数日間、秀之は夜になると沙由里の乳房を震える手で触った。どういうわけか、五分もたつと、沙由里は必ず夢見ているような声を出して、「お姉さん、眠いのよ……」

そう言って背中を向けてしまうのだ。

バンガローの生活が終わって帰京すると、秀之は沙由里から遠去けられた。沙由里の一方的な宣言によるものだったが、相変わらず沙由里は姉らしい気使いで秀之に接してくれた。

その頃から秀之は、沙由里に対して、実の姉でありながら憧れにも似た特別の感情を持つようになった。

実の母である和代が亡くなると、沙由里は母親代わりになって秀之に接した。秀之はませたクラスメートに言われるまでもなく、姉の美しさを認めていたが、クラスメートたちの言葉に言い表わせない沙由里への憧憬を知ると、自分もまた彼らと同じように、姉に対して一種の説明しがたい恋情を密かに抱いた。

そんな折り、父の再婚によって、沙由里とはまったく異質の美しさを持つ、亜矢子という義理の姉を得たのである。

父母の再婚当時、亜矢子は大学三年生、沙由里は一つ年下で大学二年生、秀之は大学二年生である。万事が控え目でおとなしい沙由里に対し、亜矢子は何事にも物怖じしない性格で活発な少女だった。亜矢子はその年頃の少女らしい感覚で、秀之の沙由里に対する微妙な気持を察知していたのかもしれない。

「秀クン、好きな人がいるみたいね。すぐ身近に」

二人きりの時など、意味ありげな表情で秀之の顔をのぞきこみ、ことさら秀之をあわてさせたものだ。

ところが、しだいに秀之の興味は亜矢子に向けられるようになった。姉の沙由里には甘えられる部分があったが、義姉の亜矢子にはいっさいなかった。それだけに、秀之はぐんぐんと亜矢子に惹きつけられていった。

亜矢子が意識的にそう差し向ける部分もあった。風呂あがりに、体にバスタオルを巻きつけただけの格好で、秀之の部屋に平然と入ってきたりする。秀之が眼のやり場に困っているのを見て、楽しんでいるふうであった。

父が再婚して二カ月ほどたった頃である。同じように再婚したばかりの父を持つクラスメートが秀之に言った。

--おととい見ちゃったんだよ。親父たちのセックス。驚いたのなんのって、いい年こいてやってくれるぜ。前から土曜の夜になると甘い雰囲気になって、どうも妙だと思ってたんだよ。新しいおふくろもピラピラしたネグリジェなんか着込んでさ。それでピーンときて親父たちの部屋を覗いたんだ。犬みたいにつながってんだぜ。やんなっちゃうよ、まったく。秀之、お前のところだって、きっとやりまくってるぜ。おふくろの奴、第二の青春ね、なんてぬかして、すっげえ声出してよ……。

秀之が具体的に大人の性生活に関心を示したのは、この時が初めてである。

犬のようにつながる

!?

……友だちの言葉を思い起こして頭の中にその姿態を想像するのだが、どうも曖昧模糊として実態がつかみきれない。

秀之は、その話を聞いた土曜日の夜、勉強を口実に遅くまで起きていた。父母が居間から消えてしばらくして、二人の寝室の前に立って耳をそばだてた。

突然、秀之の耳に飛びこんできたのは、新しい母、桂子の小さな悲鳴だった。

秀之は自分の覗き見を誰かにとがめられたようにびっくりした。沙由里も亜矢子もそれぞれの部屋で寝ている時間である。見つかることはまずない。夢中でドアに耳を押しつけた。かすかに桂子の泣いてるような声が聞こえてくる。そして、とぎれとぎれに、泰造の重く沈んだ囁くような声も入り混じる。

秀之を一番刺激したのは、桂子の、「もっと……もっとして!!

……」

鼻にかかった甘く切ない声だった。

秀之は部屋に戻ると、痛いほど大きくなってパジャマを突きあげている分身をとりだし、こんなに大きく膨れたものが、どんなふうにして女の体内におさまるのか、いろいろと思いあぐねていた。

すると突然、手に触れていた分身がピクピクッと痙攣したかと思うと、背骨から脳天にかけて、めまいにも似た痺れが生じた。その途端、秀之の分身の先端から白く濁った液体がものすごい勢いで噴出した。

その日以来、秀之はオナニーの常習者になったのだ。家に誰もいない時など、亜矢子の部屋に入って下着の品定めをし、亜矢子の裸を想像しながら、オナニーに熱中した。

蒸し暑い夏の夜だった。秀之はヤモリのように両親の部屋のドアにへばりついて、中から聞こえてくる継母、桂子の激しいよがり泣きを夢中で聞いていた。

「ああいいッ……」「奥まで突いてッ

!!

」「いきそうよ。いっちゃいそう……」

中から聞こえてくる様々な声が、想像力を無限にかきたてた。秀之はその声を刺激剤にしてパジャマのズボンを膝までさげ、近頃とみに大きくなった分身をしっかり右手に握りしめて、できるだけ時間を稼ぐように、ゆっくりと動かした。

だが若い秀之にとって、耐えるということは何よりも困難である。ほんの十数回も右手を往復させると、五官が飛び散る寸前の陶酔が秀之を包みこんだ。そしてまったく無意識のうちに、「おねえさん……」と呟いていた。

その時、秀之の肩に誰かの手が置かれた。ギョッとなって振り向いた秀之は、そこに厳しい表情をしている亜矢子を見た。同時に、秀之の欲望は限界に達していた。白く熱い液体が、放物線を描いて二メートルも先まで飛んだ。

欲望を吐きだした分身は、それまでの所業を羞じるかのように急速に萎んでいく。そして秀之自身は、彫像のように身動きひとつできなかった。

亜矢子は素早く秀之からパジャマを剥ぎとると、廊下に飛び散った白い糊状の汚れを拭きとり、秀之を浴室に押しこめてしまった。

パジャマを一度水洗いしてから洗濯機に放りこみ、バスタオルを体に巻きつけた秀之が部屋に戻ると、そこに亜矢子が煙草を吸いながら待っていた。

「秀クン……あなた、今夜が初めてじゃないでしょ。もうずっと前から、あんなことやっていたのね」

きめつけるような口調には、嘘は言わせないという絶対的な響きがこもっていた。秀之はうつ向いたまま、小さくうなずく他なかった。

「覗くたびに、あんな変なことしてたの?」

今度は少し乾いた声だった。

「時々……」

「そう。時々ねえ……」

妙に感心したように言ってから、亜矢子は小さく笑った。秀之は惨めな囚人の気分だった。一刻も早く解放されたかった。一番恥ずかしい秘密を見られたということで死にたいとさえ思った。

「秀クン、もう一度してみてよ」

ハッとして顔をあげると、亜矢子はそれまでにない厳粛な表情をして見つめている。

乱暴にバスタオルが剥ぎとられると、秀之は生まれたままの姿を亜矢子の前にさらすことになった。

「さあ、して。もう一度ここですれば、今夜見たことは忘れてあげるから」

前よりさらに乾いた声で言うと、亜矢子は股間に置かれていた秀之の手をどかし、ようやくそれらしく生え揃ってきた陰毛を指先でまさぐった。秀之の全身が、火で焙られたようにカーッと赤く火照る。

「さあ、して見せてよ。ちゃんとしっかり握って」

亜矢子のしなやかな指が縮まっている陰茎をつまみあげ、軽く二度、三度としごいた。

するとどうだろう。今まで陰毛の中にうずくまっていたペニスが、まるでバネ仕掛けのようにピーンと砲身を上に向け、みるみるうちに縦横に血管を浮きあがらせたのだ。先ほどと同じような痺れが、また秀之を襲う。

「私に見せて……」

今度は訴えるような亜矢子の表情と声だった。亜矢子の手がためらっていた秀之の手を分身に導き、無理矢理しっかりと握らせた。それでもまだ秀之は迷っていた。すると、義姉の手が握っていた秀之の手を包み、ゆっくりとしごきはじめる。

「素敵だわ」

くぐもった声に励まされるように、亜矢子の手が離れても、秀之の手指はまるで何かに憑かれたように、ゆるゆると前後に動きつづけた。死ぬほど恥ずかしかったが、亜矢子の眼がまばたきもせずに自分の恥ずべき行為を見つめているということに、身も心も昂るのだった。

喉をゴクンと鳴らしながら、ひたすら亜矢子は見つめていた。

秀之は、ほんの少し前に多量の樹液を放出したにもかかわらず、今また、力強い噴射がはじまることを予感した。

「ああ……」

小さく呻いて眼を閉じると、突然、亜矢子が「ストップ!」と短く声をかけた。中途半端な気持で眼を開けて亜矢子を見ると、「したかったら、させてあげようか」

信じがたい言葉が、亜矢子の美しい唇の間から吐きだされた。

その言葉が何を意味しているか、いくら奥手の秀之にもはっきりとわかる。

亜矢子は、ポカンと口を半分開いて見つめている秀之の手をとった。ベッドに横たわるとネグリジェをたくしあげて、秀之の手をパンティの上に導いた。薄いピンク色の、深く切れあがったパンティの縁には可愛らしいレースがついていた。それを間近に見た秀之は、体中の血が、耳や鼻の穴から噴きでるほどの恐怖感に襲われた。

亜矢子は自分の股間に秀之の手を押しつけながら・「触ってもいいのよ」と呟く。重なっていた亜矢子の手が遠のいても、秀之はどうしていいのかわからないまま、じっとしていた。

「撫でるのよ」

ちょっといらついた義姉の声がした時、秀之は勇を鼓して掌に力を加えた。分厚い肉の盛りあがった感触があり、あとは骨のようなものがゴツゴツと当たった。スカートの下に隠されている部分が、こんなにも盛りあがっているのが不思議にさえ思える。

触りながら秀之は、パンティに覆われている、じかに見えない部分とその周囲に血走った視線を走らせた。秀之が見つめている部分は、肉づきもよくて、すっかり大人の女であることを物語っていた。

秀之の指先は薄い布地の下の淡い草むらの感触を充分に楽しんだ。縦長の黒い翳りがじかに見たかった。そして、その奥に隠された女の部分に手を触れてみたいと切望していた。

「したことないんでしょ。させてあげようか」

亜矢子の言い方はこともなげだったが、声はいつもよりかすれていた。

「したいの?」

少し強い口調で亜矢子が言った。

二人の視線が交錯した時、秀之の頭は誰かの手に操られているかのように、コクンとうなずいていた。

秀之は混乱した頭の中で、亜矢子がもっとネグリジェの前をはだけてくれたらいいのにと思ったが、その願いはかなえられなかった。洋服の上からでも見事に盛りあがった乳房は、直接眼にしたら、さぞや壮観だろうという気がした。

「ほら……」

亜矢子の手がもどかしげに秀之の手をパンティの下に誘導した。しっとりした陰毛の感触に、秀之は胸を弾ませる。

「男がしたがってるのはその少し下よ」

こともなげに言う亜矢子の言葉につられて、秀之の手は、股間に向けて滑りおりていった。

その時、亜矢子がまるで協力するかのように両脚を開いた。急激に皮膚の感触が柔らかくなり、妙にじっとりと湿ってきたと思った瞬間、亜矢子が体をピクンッと震わせて小さく呻いた。

「あ、ごめん」

あわてて秀之が謝ると、亜矢子はいつになく優しい声で、「そっとね」とだけ言って眼を閉じた。

秀之は事態が思わぬ方向に進んでいくのにとまどいを感じながらも、夢にまで見た金色の世界が、今まさに現実のものになろうとしていることに有頂天になっていた。そして、秀之は少なくともその現実の一端を指先にはっきりと感じとっていた。

パンティはとても窮屈そうで、秀之がその下に右手を突っこんだために、いっそう布地が伸びて、股ぐりのところが紐状になった。左右から盛りあがるようにはみだした肉は、普通の皮膚の色よりもはるかにくすんだような薄茶色をしていた。しかも、その周辺には短い恥毛がチョロチョロと生えていて、ひどく淫靡な光景として秀之の瞼の奥に焼きついた。秀之の指先は、すでに布地の面積の一番少ない部分にまで達していた。

柔らかくてヌルヌルしている。これは、いったい何だろう?

中指にほんのちょっぴり力を加えると、驚いたことに、指先が傷口のような割れ目にスーッと吸いこまれていった。その時も亜矢子は、「あっ、あああ」

長く尾を引くような声で呻いて全身を小刻みに震わせた。

「そこよ……男の人はそこに入れるの

!!

」

秀之はその声を聞くと意外な気がした。秀之が想像していた女性器は、竹の筒のようにきわめて簡単な構造のものであった。ところが、今、指が潜りこんでいるところは肉が重なり合い、しかもヌルヌルしていて気持が悪い。

秀之はそこを見たいと思った。それにはパンティを脱がさなくてはならない。思いきって、左手でパンティのゴムの縁に手をかけた。

「ダメッ」

意外と険しい声が浴びせられた。

秀之にしてみれば、もうすでに手で触っているものだから、見ることぐらい許されてもいいはずだという思いがある。亜矢子の声には、どうして!?……という反論さえも許さない厳しさがあった。

「どうすればいいの?」

秀之は初めて口をきいた。

「やっぱりしたいのね」

亜矢子の声には一種の驕りがこめられていた。

「したい?」

秀之はすっかり硬度を増して膨張している分身を触ってもらいたくて、熱化したこわばりを亜矢子の太腿にゴリッと押しつけた。

「もうカチンカチンになってる……」

太腿に触れたものが何であるかを察した亜矢子が、さもおかしそうに笑った。

秀之は心が傷つけられた気がしたが、その時はもう、ただ女体の神秘に一刻も早く接したくて、面子などにかまっていられる状態ではなかった。

「上に乗って。体重を私にかけないように両肘で支えるの」

秀之は言われた通りにした。勃起したこわばりを、そのまま亜矢子の下腹に押しつけるようにして体重を乗せた。

「もう一度、腰を浮かせて。私がうまく導くから」

秀之は言われた通りにしながら、パンティをなぜ脱がないのか不思議に思った。下着をはいたままでは、入れようにも入れようがない。

「パンティは?」

「心配しないで。こうやればいいでしょう」

そう言うと、亜矢子はすっかり濡れて、よじれて紐状になった布地を右側に寄せた。

その時、秀之はほんの一瞬だが、黒い恥毛とその下につづく肉の割れ目を見た。

「さあ……」

亜矢子の右手がすっかり長大になった肉棒をしっかりと握りしめて、左手で腰を抱くようにして引き寄せた。そのまま体をあずけると、陰茎を包んでいた表皮がくるりと反転して、亀頭部分が何かに呑みこまれた。

空虚になった頭の中で無数の星がはじけ散り、腰骨から脳天にかけてズシンッと響くような快感が突き抜けた。

秀之はしたたかに精液を放出したのだった。

わずか二秒か三秒の出来事だった。だが、なんと素晴らしい経験だろう!!

秀之は支えきれなくなった体をすっかり亜矢子の上にあずけて荒い息を吐いた。

童貞を失ったことには少しの感傷もなかった。あるのは夢を与えてくれた女体に対するいっそうの憧れだけだった。

「クククッ」

不意に耳もとで亜矢子が甲高い笑い声をあげた。そして、まだ夢うつつの秀之を邪険に突き飛ばすと、狂ったようにベッドの上を転げまわった。

ベッドの脚もとにぶざまに引っくりかえった秀之は、亜矢子の笑い声が他の部屋に聞こえやしないかと気になった。

それにしても、どうしてこんなに笑ったりするのだろう?

すると怪訝そうな秀之の顔の前に、亜矢子はヌルヌルになった掌を差しだした。

「入れたと思ったのね。ほら、秀クンは私の手の中で発射しちゃったのよ。つまり、これと同じこと」

亜矢子は女だてらになんともいやらしい手つきをして、秀之を赤面させた。

「私たち、いくら血がつながっていないとはいえ、姉弟なのよ。変なことできるわけないでしょう。ちょっとからかってみただけよ」

激しい羞恥と屈辱感で目の前が真っ暗になった秀之であった。

「秀クン、これから私の言うことは、何でもハイハイってきくのよ。いいわね」

あの時から、俺は女に対して意気地のない人間になりさがった。女体に対するありあまる欲望がありながら、大学二年の今まで童貞であったのは、亜矢子ねえさんのせいだ……。秀之はそう思いこんでいる。

秀之は、六年前の屈辱的な思いからさめると、足音を殺して亜矢子の部屋に向かった。

もし亜矢子が起きていたなら、適当な理由をつけて退散するつもりである。だからドアを開けるのにも特別な配慮をせずに、普段の調子で勢いよく開けた。これも一つの戦法である。

ベッドでは、亜矢子が軽い寝息をたてて眠りこんでいた。

片手を投げだし、美しい朱唇をほんの少し開き加減にしている。室内はほどよく暖房がきいているので、たとえ布団から身を乗りだしているとしても寒さは感じられないはずだ。

電話はあらかじめ受話器をはずして通話中の状態にしてある。計画を実行している最中に電話がかかってきたら気が散るからだ。

「おねえさん。亜矢子ねえさん……」

いつも話す時と同じトーンで声をかけてみたが、ピクリともしない。サイドテーブルの上には誘眠剤の小瓶が転がっているから、就寝前に呑んだに違いない。

両親と実姉の沙由里は、結婚式の打ち合わせのために札幌まで行って留守である。

再婚した両親のセックスを覗き見ようとして見つかって以来、秀之は亜矢子に頭があがらないばかりか、いつも亜矢子の顔色をうかがい見るような生活を強いられてきた。だが、秀之はそういう状態に置かれている自分の立場が決して嫌いというわけではない。それは、ちょうどマゾヒストが女王様にかしずく心境に似ていた。

秀之は父と再婚した義母の連れ子である亜矢子に、男の子としてのあらゆる興味を抱いていた。その気持は年々増幅して、特にここ一、二年は、亜矢子の女体そのものに特に関心を抱くようになっていた。

亜矢子は大学生の頃から多くの異性の憧れの対象となるほどの美貌であった。秀之は小さい頃から、実の姉である沙由里の庇護のもとで育ち、甘えることによって自分の気持を暗黙のうちに伝えてきた。それが、血のつながらない義姉の亜矢子の出現によって、憧れのなかのひとつの要素である肉体的な欲望を、亜矢子に向けるようになったのだ。

--お前の姉貴とやりたいよ。いい女だもんなァ。

遠慮のない友だちは露骨に秀之に向かって言った。秀之は学園時代から、同じような言葉を、それぞれ違った友人から何度となく聞かされていた。友人たちの対象は亜矢子でも沙由里でもよかった。二人の姉はあらゆる面で違っていたが、唯一の共通点は、その美しさにあった。

秀之は何かというと沙由里を頼りにし、気持のうえだけでなく実際の生活でも、他人が見るとちょっとおかしいのではないかと思われるほど、ベタベタと甘えきっていた。だが、それを沙由里は決していやがっているふうではなく、むしろ喜んでいるような素振りさえ見せていた。

一方、亜矢子は秀之と二人きりになると、沙由里と秀之の関係を執拗なまでにこきおろした。しかし、秀之は亜矢子に非難されるのが嬉しかった。

「ほんとに見ちゃいられないほど甘えん坊なんだから」

そんなことを言われたりすると、亜矢子ねえさんにも甘えたいんだよ……と口先まで出かかったものだ。

こうして、秀之は二人の姉の間を揺れ動きながらも大学生となり、大学生となった。秀之の周囲にも女の子たちが寄ってくることはあったが、美しい二人の姉の存在を知ると、みんなが遠慮がちに遠のいていった。

にもかかわらず、秀之はあえてガールフレンドをつくろうとはしなかった。つくる必要がなかった。沙由里と亜矢子の間で曖昧に揺られているほうが好きだった。

しかし、そんな秀之にも男としての欲望は確実に芽生えていた。学生の時に覚えた自慰の対象は、いつも二人の姉である。女への興味が深まるにつれて、姉二人に対する思い入れもまた深まっていった。当然のように、秀之は血のつながりのない亜矢子に目標を絞った。

初めのうち、秀之はいくら周到な計画を練ったところで、亜矢子を肉体的に征服することなどとても無理だという気がしていた。ところが、その気になって考えを進めていくと、意外にもそれは簡単なように思えてくるのだった。

ちょうどテレビレポーターとして売れはじめていた亜矢子は、いつも睡眠不足を嘆いていた。少しでも時間に余裕ができると、一分一秒でも惜しむように眠りにつく。そんな時は、必ず誘眠剤を服用して、前後不覚といった感じでドロのように眠る。最近でこそあまりやらなくなったが、以前は誘眠剤を呑むと必ず秀之を呼びつけてマッサージをさせ、いつのまにか寝息をたてていた。そんな時、試みに秀之が何度か揺り動かしても、絶対に目を覚ますことはなかった。

秀之に対して男を感じなかったのかもしれないし、また、どこか心の片隅で、かつての秀之の秘密を握っている安心感が、亜矢子を少し油断させていたのかもしれない。

秀之は、自分の計画の実行日を二月十六日に決めた。なぜなら、その前日から四日間、両親と沙由里は、沙由里の結婚式の打ち合わせで札幌へ飛んでいるからである。実の姉、沙由里の結婚も、秀之に邪悪な計画を踏みきらせたひとつの大きな要素となっていた。

姉が見も知らぬ男のもとに嫁ぐ。北海道の資産家の長男坊かどうか知らないが、秀之にとっては宿敵以外の何者でもない。

秀之は将来義理の兄となる男に、一度も会おうとはしなかった。また、会いたくもなかった。大好きだった姉の体を自由にしてしまう男に敵意すら感じた。

沙由里はそうした弟の気持を知っていたのかもしれない。北海道に旅立つ前に、その日、一度も顔を見せない秀之の部屋にやってきた。

秀之は頭痛がするからと言って布団にもぐりこんだままだった。沙由里の冷たい手が額に触れた時、秀之は不覚にも涙を流していた。

沙由里はしばらく手を当てたままじっとしていたが、やがて、かがみこむようにして秀之の耳もとに「行ってくるわね」とだけ呟いた。

秀之はそのまま姉を抱きしめてしまいたい誘惑に駆られたが、かろうじて耐え、姉の手をとると、強い力で自分の頬に押しつけた。

「結婚式は四月じゃないの。まだしばらくは一緒にいられるわ」

沙由里はことさら快活に言うと、部屋を出ていった。

ひょっとすると、俺は沙由里ねえさんに対するよこしまな欲情を、なんだかんだと理由をつけて亜矢子ねえさんにぶつけようとしているのかもしれない……。

秀之は六年前に亜矢子から受けた惨めな光景を想い浮かべて、亜矢子に対する憎しみの感情をかきたてた。

「おねえさん。ちょっと……」

少し大きな声を出したが、寝息のリズムは変わらない。秀之は自分がすっかり汗ばんでいることに気づいていなかった。部屋の中はほどよく暖房がきいているのだが、やはり平常心ではいられなかったのだろう。

秀之は、まず亜矢子の足もとのほうにまわった。ゆっくり羽毛布団を剥がしていく。普通の布団よりもずっと軽いので、かけている時でもさして重量感はない。

亜矢子が着ているのはコットン地の大きな男物のワイシャツである。一種のパジャマなのだろう。女の体が二人分ぐらい入るブカブカの代物である。

脱がすのには都合がいいぞ……。

膝頭まで布団がまくれあがると、秀之の心臓は急速に高鳴った。

美しい脚だ。キュッと締まった足首と、適当に女らしさを兼ねそなえたふくらはぎ。

秀之は小腰をかがめて、ほとんど無防備の内腿の奥のほうをのぞいた。心もち両脚は開いているのだが、太腿の肉が両方から迫って、ピッタリとくっついている。肝心の切れこみの部分がまったく見えなかった。

秀之は亜矢子の両足の親指を持って左右にひろげた。悪友の誰かが、そうすると寝ている女は目覚めない、と教えてくれたからだ。

もう一度奥をのぞいてみる。白い一条の線が翳りの中でほんのりと浮きあがって見える。女の一番大切なところを覆っているパンティの股ぐりの部分だ。秀之は足の甲から膝に向かって震える手で撫であげた。スベスベしているようでもあるし、逆に、吸いつけられそうな潤いをもっているようでもある。

微妙な感覚を楽しんでいるうちに、秀之は自分の分身が痛いほど勃起していることに気づいた。これを、いったいどうやって、あのパンティの下に隠された部分におさめたらいいのだろう? これから先の作業はそう簡単にはいかないような気がした。

秀之は布団をまくりあげる時間を惜しんで、右から左にサッとめくった。その時だけ、亜矢子は寝返りを打ったものの、以前よりもますます無防備な体勢になってしまっていた。いわゆる大の字という寝相である。

亜矢子もまた、額のあたりにうっすらと汗を浮かべている。よほど暖房がきいているのだろう。まったく赤ん坊のようにあどけない。しかし、亜矢子の体の上を数多くの男たちが通りすぎていったのも、また事実なのだ。

秀之は、かなりの男たちのことを知っている。秀之は例の六年前の弱みがあったから、両親や沙由里に内緒で、亜矢子とつき合う男たちの連絡係のようなことをやらされた。電話の取り次ぎの内容も、今になって考えればかなり具体的なものがある。

あるテレビ局のプロデューサーには、その局の近くのホテルのメインバーで何時に姉が待ってるそうですから、とも伝えたし、また別の有名男優からは、同じような内容の伝言を姉さんに伝えてくれと頼まれたこともある。それらのホテルは一流ホテルとして通っているが、それを隠れミノにして、多くの著名人たちがセックスを楽しむためにだけ利用していることでも知られている。亜矢子の相手は、若い歌手もいれば、年老いた会社の重役もいた。

亜矢子がバージンを喪失したのは大学一年生の時である。それ以来、関係した男は十数人をくだらない。

亜矢子は初めての男に騙されたことで、男に対する夢を失ったようなところがある。亜矢子は心のどこかで、純情な男を探し求めていたのではないか。夢を抱いているはずの十代の希望に満ちたタレントにさえ、適当に弄ばれている。

そうこうしているうちに男に対する警戒心を失くし、夢を失い、他人から見れば自堕落な女になってしまったのだろう。

亜矢子が知り得た男性のなかで、もっとも純情だったのは義理の弟となった秀之である。亜矢子は他の男から与えられた裏切行為の代償として、秀之に必要以上の仕打ちをしたのかもしれない。

秀之はいっさいの反発をしないで奉仕してくれた。そんな義弟を見ていると、ますます意地悪な仕打ちをしたくなる。亜矢子はそういう自分自身を内心ではひどく嫌悪していた。

母の桂子が再婚した時、両親の寝室を覗いていたのは、実は亜矢子が最初である。たまたま何度目かの覗きの時、先客であった秀之を見つけたのだ。

亜矢子は義弟を利用し、思うぞんぶんいじめ抜いた。しかし、何ごとにも従順な秀之をいつしか憐れに思うようになっていた。だが、心の中でそう思いながらも、いざとなるといじめてしまうのだ。

亜矢子は、秀之と沙由里の仲を嫉妬している自分の心に、うすうす気がついていた。一人っ子だった亜矢子は、姉弟の血のつながりを羨望の眼差しで見つめていたのだ。二人は自分にとてもよくしてくれる。わけへだてなく接してくれるにもかかわらず、姉弟の血の濃さの中には入っていけない気がした。

亜矢子の秀之に対する態度は、まさしく奴隷に対する女王様の態度に等しかった。だが、秀之はいかなることに対しても従順だった。亜矢子は自己嫌悪と矛盾のなかで青春時代を送った。そしていつのまにか、二十四歳という、女にとっては微妙な年齢にさしかかっていた。

そんな心のうちを、秀之が知るわけがない。ただ男として当然すぎるほどある欲望の対象として、裸に近い義姉を見つめていた。今、目の前に横たわっているのは、男にとってまたとない素晴らしい獲物だった。

ダブダブのワイシャツのボタンは簡単にはずれた。

夢を見ているんじゃないか……。

秀之は念のために二の腕をつねってみた。はっきりと痛みが伝わってくる。

「おねえさん……亜矢子ねえさん」

秀之は小さな声で呼びかけながら、義姉のワイシャツの胸の部分をはだけた。白く見事な隆起がひっそりと息づいている。ビキニの水着の跡が鮮やかに残り、健康な女体をいっそう強調しているようだ。正月早々、ニューカレドニアから南太平洋の島々を巡ってきた時の名残りだ。

ああ……。

秀之は心の中で大きく溜め息をついた。神様のつくった造形物のなかで、これほど見事なものはないのではないか。あお向けに寝ているにもかかわらず、二つの胸の隆起はピラミッドのように盛りあがり、美しい光沢をたたえた小粒の乳首は、まるで彩色された真珠のようである。体のデリケートな曲線は、いかなるコンパスや定規を使いこなしても描ききれるような単純なものではない。

秀之の視線は、髪の毛の先から足の爪先まで何度も往復した。亜矢子のすべてを頭の中に叩きこんでおかなければ……そういう気迫に満ちた眼の色であった。眼に染みる光景とは、まさしくこういうことを言うのだろう。

秀之は十数分も見つづけた。よほど疲れているのだろう。亜矢子の寝息は、ますます深いものになっていく。

やがて、秀之の眼が白いシンプルなパンティに釘づけになった。パールホワイトとでもいうのだろうか、非常に上品な光沢を放つ布地の中心にかすかに一条の筋が走り、その左右にほんの少し盛りあがった肉がシンメトリーに分かれていた。

あれが……。秀之の脳裏に六年前の、亜矢子のそこに触れた記憶が甦った。

--触っていいのよ。そっとね……。

当時、大学生だった亜矢子の澄んだ声までが耳の奥に聞こえてくる。

この指が触れたんだっけ……。

秀之は右手の中指をかざして見つめた。柔らかな粘膜とぬるついた感触、それはまだ大学二年生だった秀之に強烈な印象を残した。それまで女唇は竹の筒のようなものだと思っていた秀之が、柔らかい肉の重なった未知の世界に、いっそうの憧れを抱いたものだ。

それにしても……と思う。パンティの中心は、どうしてあんなに盛りあがっているのだろう。スカートやスラックスの上からではとても想像できないような分厚い肉が、こんもりと刺激的に丘を形づくっている。

顔を近づけてみた。ピーンと張りつめた下腹が規則正しく上下している。よくよく見ると、黄色とも赤とも黒ともつかぬ産毛がたくさん生えていて、まるで秋の草原にたなびくススキの穂のようだ。とすると……パンティの下に隠されたこんもり盛りあがった部分は小高い丘で、その下の秘められた部分は女神の住んでいる沼というわけか。

「フフフッ」

秀之は自分で描いたメルヘンの世界をさまよう冒険好きの少年になった気分で、思わず忍び笑いをもらした。

掌をそっと中心にのせてみる。ちょうど盛りあがった丘が、すっぽりとおさまる。薄い布地の下から、サワサワした感じが心地よく掌に伝わってきた。

静かに撫でてみる。上部はそうでもないが、太腿の付け根に近づくにしたがって、しだいに柔らかくなっていく。しかも湿った感じが濃くなる。

--女は気分出すと、あそこがビチョビチョになるんだ。だから男は入れやすくなるのさ。

大学時代の悪友の言葉が脳裏をよぎる。大学に入ってからは、周囲の者はそんな話は当然だといわんばかりの顔をする。だから秀之もいっぱしの経験者のような顔をしているが、実際には女性を知らない。秀之が知っているのは、沙由里の白い豊かな胸と、右手で触れた、かつての亜矢子の下腹部だけである。

そして今、秀之は現実に裸の亜矢子を目の前にしていた。そろそろ二十一歳になろうという今になって、初めて秀之は女体に対する真の探究をしようとしているのだ。

秀之が亜矢子の部屋に入ってきてから、三十分が経過していた。当初あった恐怖感と震えは嘘のように消えている。思いきってパンティの縁に指をかけた。ひどく窮屈である。縁全体が幅広いゴム編みになっていて、ぴったりと腰を覆っている。これではとても脱がすことなど不可能だ。暗澹とした気持になった。

小指の先を股ぐりの部分から奥に差しこもうとしたが、これも強くフィットしていてできたものではない。いったいどうすればいいのだろう? この期におよんで引きさがれというのか。秀之は切なく疼いている肉の勃起を握りしめたまま、呆然と立ちつくしていた。

一度、欲望のおもむくままに突っ走った健康な肉体の持ち主である。もうストップのきかないところまできていた。

亜矢子ねえさん、なんとかしてくれよ……。秀之は、幼な子のように無邪気に寝入っている亜矢子の顔を見つめながら、心の中で哀訴の声を放った。

化粧も落とさずに眠りについたのだろう、綺麗に描かれたアイラインや少し濃いめのルージュが、まるで何かを訴えるように鮮やかに迫ってくる。

あっ……。突然、神の啓示のように脳裏にひらめいたものがあった。

--女のあそこは唇の形によく似ているそうだ。嘘か本当か知らないが、人相占い師は、唇を見ただけであそこの形を言い当てるらしい。

誰かが、確かにそんなことを言っていた。また、ある者はこうも言った。

--女が生理の時はしゃぶらせるのさ。つまり相手の口とセックスをするんだ。なかなかいいもんだぜ。

秀之は亜矢子の半ば開いている形のいい唇を見つめた。

指先で触れてみた。しっとり潤った感じがするのはルージュのせいだろうか。それは、まるで女のあの部分の濡れた粘膜のようでもあった。

亜矢子ねえさんの口の中にこれを……。

秀之は自ら取りだした節くれだったこわばりと、亜矢子の口もととを交互に見較べた。こんな大きなものが入るのだろうか、という疑問もある。

秀之は、指先の代わりに唇をそこへ押しつけた。かすかに甘ったるいハッカの匂いがする。舌をそっと出して奥へ入れようとしたが、歯が邪魔をして入らない。無理に押しこんでみる。すると、案外あっさりとおさまってしまった。口の中をさぐるように、舌先を動かしてみる。ぬるついた歯ぐきの後ろに触れる。よほど疲れているのか、亜矢子はピクリとも動かない。

「ム……」

ほんの一瞬だけ、亜矢子は息を止めたが、また、もとのように規則正しい息使いを繰りかえす。あわてて離れた秀之は、勃起を握りしめている右手がほんの少し濡れているのに気がついた。大きく膨れた亀頭の鈴口からは、透明な汁が糸を引いて垂れている。

勃起の先端で亜矢子の太腿をなぞってみた。軽い痺れが伝わってくる。なぞった部分に、ちょうどナメクジが這ったような跡が残った。ぶざまな格好で、パンティの上から静かにふくらみのあたりを押してみる。今にももれてしまいそうだ。あわててこわばりを離すと、ほんの一点にだけ、露の跡が残った。

ああ、入れたいッ

!!

いっそのこと、このまま白いパンティの上に欲望のしるしをまき散らしてしまおうかとも思ったが、かろうじて耐えた。せっかくのチャンスである。どんな方法を駆使してでも、もっと長い時間楽しみたい。

秀之は勃起したままの分身をひくつかせながら亜矢子をまたぐと、上半身を前方に傾かせて、熱いこわばりを乳房に押しつけた。マシュマロにも似た軽い弾力が、快く分身を押しあげる。乳房全体にまんべんなく擦りつけているうちに、またしても噴射したい欲望に負けそうになる。

ひと呼吸おいてから、今度はこわばりの先で乳首をくすぐるように撫でた。透明の糸が鈴口と乳首をつないでいる。その瞬間、ある事実に気づいて心を躍らせた。勃起で乳首を擦っているうちに、それまで真珠の小粒のようにひっそりと息づいていた乳首が、プクッと膨張して硬くなってきたのだ。

実姉と義姉 第一章 義姉・亜矢子の寝室 · 1 (1/7)
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