女教師・挑発授業 第一章 女教師・挑発補習 ~ 第二章 女子大生・破瓜予習 (1/5)
次の話
目次
第一章 女教師・挑発補習
第二章 女子大生・破瓜予習
第三章 女教師・解禁練習
第四章 女教師・電動独習
第五章 女子大生・淫色講習
第六章 女教師・凌辱演習
第七章 女子大生・献身実習
第八章 女子大生・積極復習
第九章 女教師・愛憎教習
第十章 女子大生・略奪学習
第一章 女教師・挑発補習
「やだあ。あなた、まだしたことないの
!?
」
麻由の素っ頓狂な声に、美歌はあわてて周囲を見渡した。恥ずかしさで顔が火照った。暗い喫茶店の片隅で、美歌が顔を赤らめているのに麻由は気づかない。
「そんなに大きな声、出さないでよ」
二人の二十一歳の女子大生はその日、下校途中に喫茶店に入ると、それぞれが付き合っているボーイフレンドのことを夢中で話していた。そのなかで、麻由は夏休みにハワイで知り合った大学生に抱かれたことを告白した。
もっとも麻由は早熟で、大学二年生で処女と決別している。その後は、五本の指では足りないくらいの男たちと肉体関係を持っていた。しかし、どの相手とも長つづきせず、曖昧な形で終わっている。
「結婚するまで、いろんな男と知り合って一番いいのをつかむんだ」
これが日頃の麻由の口癖である。
小さい頃から真面目だった美歌は、いつも麻由にはとてもかなわないという感じを抱いている。だからといって、男性やセックスのことに関して、まったく関心がないというのではない。二十一歳の少女らしく人並みに、いや、ひょっとすると人並み以上に興味を抱いているといっても過言ではない。
そんな美歌が、春のテニス部の合宿で、長野県の戸隠高原へ行ったときに知り合ったのが、他校の男子生徒、杉浦拓也だった。半年以上も前のことである。
拓也は、偶然にも美歌の姉の亮子が教師をしている昭正大学の生徒であった。一つ年上の二十一歳で、来年は一流大学を受験するのだと張りきっている。
麻由が「まだしたことないの
!?
」と言ったように、二人の間には肉体関係はない。だが、キスと軽いペッティングの経験はある。美歌は恥ずかしいから、その事実を麻由にも話していない。
「バージンなんて、なんの価値もないわ。そんなことにこだわる男なら、こっちからお断りよ」
麻由はそう言った後で、さらに付け加えた。
「私、断言するけど、美歌が結婚するまで処女でいるなんて思わない。何歳で結婚するか知らないけど、その前に美歌はバージンとおさらばするときがくるわよ。間違いなく」
麻由に言われるまでもなく、美歌だって、結婚するまで処女でいようとは思わない。処女を押し通すほど、自分は考えが古くもないし、頑迷だとも思っていない。ただ、なんとなく恐ろしいのだ。
麻由がいつか言ったことがある。
「そりゃあ、初めてのときは飛びあがるほど痛かったわ。股が張り裂けるかと思ったもの」
そう言って麻由は、御丁寧にも美歌に、どこで仕入れてきたのか、勃起状態のペニスの写真を見せたのである。
そのときの美歌の驚きといったら、表現しようがないほどだった。
こんなに大きいのが入るなんて
!?
……
数日間というもの夢にまで現われたのだから、美歌のショックがいかに大きいかがわかろう。
美歌も普通の女の子と同じように、学生の頃にオナニーを覚えた。友人たちがまわし読みしている雑誌にオナニーのことが詳しく載っていたから、興味のない子でもいつしか覚えてしまって当たり前なのだ。
いっとき美歌はオナニーに溺れた。夜になるとついつい指が女の秘めやかな部分をまさぐってしまう。興味がエスカレートすると、割れ目を触っているだけでは我慢できなくなり、膣のなかに指を入れようともした。
ぬるついた肉唇の表面を滑っているうちはよかったものの、その内側に指がもぐりこもうとすると、激痛が走った。美歌はその時点で、すぐに諦めた。細い自分の指でさえそうなのに、写真で見たようなグロテスクなペニスがどうやって入るのか、いまだに美歌には見当がつかない。
「あそこから赤ちゃんが出てくるんですもの。男の人のアレが大きいといったって、たかがしれてるわ」
そんな麻由の言葉を聞くと、確かに納得してしまう。
美歌は拓也の執拗な要求に、パンティの上から触らせたことがある。そのとき美歌は、自分の指で触るのとは違うということを、いやというほど知らされた。まったく感覚が違う。じかに秘唇に触れているわけでもないのに、ずっとずっと気持がいい。あやうく何もかも許しそうになったものだ。
さらにそのとき美歌は、ジーンズの上から無理やり硬直したペニスに手を押しつけられた。ゴワゴワとした布地を通しても、その硬さと大きさがはっきりと手に伝わってきたものだ。
「何回もやってるうちに、痛さなんかすぐに忘れてしまうわよ。だって、すごく気持よくなるんだもの。美歌も早く経験すればいいわ」
麻由の言うことが、まだ美歌には素直に納得できない。
しかしながら、実は美歌と拓也の間に、ある約束が交わされているのである。
次の日曜日、二人は拓也のオートバイに乗ってツーリングに出かけることになっている。もちろん日帰りで、ルートはわざと決めていない。言ってみれば行き当たりばったりなのだ。ルートが気に入れば、日帰りが可能な限りの距離を走るつもりである。
そのツーリングで、二人は今までの段階よりもう一歩前進した関係になることを約束した。拓也から持ちかけた話に、美歌が屈服させられたのである。その約束をする前、拓也はいつもより不機嫌だった。美歌が、どうしてもいやだと言い張ったなら、二人の仲は終わりになるというような険悪な雰囲気を漂わせていた。
美歌は拓也が好きだった。このまま二人の仲がつづけば、結婚までいくかもしれないと自分で思うことがある。優しい拓也を怒らせるのが怖くて、美歌はうなずいてしまった。
そのときのうれしそうな拓也の顔を思いだすと、今さら約束を破ることなんかとてもできない。
麻由に話せば、「いいチャンスじゃない。捨てどきよ」とけしかけるに違いない。自分自身でも、そろそろかな、という気がしないでもない。
男性、セックスに対する好奇心はつきないものの、それでもやはりふんぎりがつかない、美歌はありきたりの二十一歳だった。
その日、暗くなって家に帰ってくるなり、美歌は、二階の姉の部屋に明かりがついているのに気づいた。
姉妹が住んでいる家は、もともとは父方の叔父の家で、叔父夫婦が長期の海外赴任で留守をしている間、姉妹が管理をかねて居住していた。場所は白金から目黒通りへ抜ける住宅街の奥で、真新しいマンション群の間にある、かなり古い二階家だった。くぐり戸式の門柱には、叔父の姓である《堀江》の表札がかかっている。亮子と美歌姉妹の姓も同じなので、新しい表札をつける必要もない。
姉の亮子は父兄からのたっての頼みで、英語の勉強を家で教えている。学校では教師が補習をするのを禁止しているが、大学受験を控えた三年生に対する補習だけは大目に見られていた。
誰かまた補習を受けに来ている。美歌は門をくぐると、玄関から入らずに裏にまわり、キッチンに通ずる土間の戸を開けてなかに入った。
土間がある家は都会としては稀有の存在だ。これは、もともと裏庭の一部であったものを、叔父が拡張して土間に作り直した部分であった。そこには漬物や非常時持出用の糧食などの入った小さな物置などもあって、家の者たちは何かと便利に使っている。
補習が終わってから亮子は夕食をとることが多いので、美歌は生徒が帰ったらすぐに食事ができるようにと、支度にとりかかろうとしたのだ。
ところが、テーブルの上には、すっかり食事の用意が整っている。電子レンジで温めるだけになっていた。
美歌は所在なさそうに夕刊をひろげた。たいした記事も載っていない。時計はそろそろ七時になろうとしている。補習が終わる頃である。
何気なくあたりを見渡した美歌は、ポットの横にコーヒーカップが二つ、用意してあるのに気づいた。生徒のために用意しようとしたのに、補習に夢中になって忘れたのだろう。
美歌は気をきかしてコーヒーをいれた。それからクッキーを添えて、二階の姉の部屋に運ぼうとした。
階段をのぼる途中、コーヒーカップに注いだ焦茶色の液体がゆらゆらと揺れて、今にもこぼれそうになる。自然と足どりが慎重になった。そろりそろりと階段をのぼるから、足音がしない。廊下を歩くときも同じである。
やっと姉の部屋の前にたどりついた。家そのものは古いが、部屋は手が加えられていて、洋間もいくつかある。亮子は洋室のひとつを自室にしていた。
ドアをノックしようとした美歌は、突然、姉の激しい叱責の声を聞いた。思わずノックする手がとまった。
「そんなことをして、ただですむと思っているの! やめなさい!!
岡田君、離して」
声は確かにする。だが、激しい物音はしない。一瞬、美歌は芝居の台本でも読んでいるのかと錯覚したほどだった。
「だって……だって先生がそんな格好して刺激するからいけないんだ」
これまでも何度か家に来ている、大学三年生にしては小柄な岡田の声がした。
「私がどんな格好をしたというの。あなたが勉強に打ちこんでいない証拠よ。とにかくどいて……どきなさい!」
「いやだ! ぼく、先生が好きだ!」
「何を馬鹿なことを言うの……さあ」
「先生……先生……」
「やめなさい……ああっ、やめて!」
何かが倒れるような物音がした。
どうしよう
!?
……
咄嗟の判断に迷った美歌は、トレイをしっかりと抱えたまま、ドアの隙間から覗いた。
奥の窓際にあるベッドの上に、亮子があお向けに倒れていた。その上半身を抱えるようにして覆いかぶさっている岡田は、大柄な亮子を持てあましているように見えた。
亮子は身長が百六十七センチもあるから、岡田よりはかなり大きい。本気になれば、小柄な岡田を弾きかえす力は充分にあるはずだ。それなのに、亮子の動きは、緩慢というより、むしろ静止していた。
美歌は不審に思い、ノブを音をたてないようにまわしてドアを少し手前に引いた。隙間が大きくなり、なかの様子がかなり見えるようになった。
岡田は夢中で亮子の胸に顔を押しつけ、片手でスカートをまくりあげている。白い、女の美歌が見てもゾクッとするほどなまめかしい太腿が露わになった。
亮子はさかんに「いやっ」とか「やめなさい」と言っている。しかしどうにも真剣に抵抗しているふうには見えない。
岡田の手が、ぴったりと股間に食いこんだパンティの上を這いまわっていた。亮子の動きは、拒んでいるように見せかけて、実は少年の手を股間に誘いこんでいるかのように、美歌の目に映った。
お姉さんは、どうしてもっと大声を出さないのだろう……なぜ、もっと本気で争わないのだろう……。
覗きながら美歌はそう思い、さらにドアを開けて入っていくべきかどうか、判断に迷っていた。
「しようのない人ね……」
とうとう、亮子は体を投げだすようにして力を抜いた。岡田はそれでもパンティのなかに手を突っこもうともがいていた。
亮子がその手をつかんだ。
「わかったわ」
そのひとことで岡田の動きがとまった。
「私がどんな格好をしてたか知らないけど、それを理由にあなたが私を襲うなんて、いくらなんでもひどすぎるわ。そうでしょう」
岡田の頭が小さく揺れた。
「あなたは男なんですもの。争えば私は負けてしまうわ」
姉の言葉を、美歌は心のなかで否定した。
そんなことないわ。本気で拒めば逃げられるはずよ……。
それに、状況によっては美歌に助けを求めることだって可能だ。何をためらっているのか、理解に苦しむところがある。だから美歌は、もう少し様子を見ることにした。
「そんなにしたいの?」
亮子の声はさっきより穏やかになっている。ただ、どう見ても不思議なのは、依然として二人が犯す犯されるというより、抱き合うように重なり合っていることだった。
亮子の問いかけに、岡田が小さくうなずいた。
「あなたは、力ずくで私を犯そうとしたのよ」
亮子の声が少し厳しくなった。
「レイプは犯罪なのよ。大きな罰を受けるのよ」
教師をしているお姉さんらしいな。徐々に説得するつもりなんだわ……。
美歌は姉の冷静さにホッとしながらも、さらに興味深く見守った。
「でも、今の感じでは、あなたはどんなことをしてでも私を犯すでしょうね。そして、私は負けてしまう。女ですもの、いくら拒んでも男のあなたにかなうわけがないわ」
平気平気。お姉さんのほうが強いわ。それに、私だっているんだし……。
「無惨な姿で犯されるのなんていやなの。だからといって、あなたに協力するつもりじゃないのよ。誤解しないでね、岡田君」
岡田が大きくうなずく。
「私はあなたより年も上だから、少しはセックスのことをわかっているわ。あなたの年頃で、刺激を受けて我慢できないという気持も理解できる。もっとも、私はあなたを刺激したつもりなんかないわ。勝手にあなたが思ってるんだから、私に責任なんかないわ」
その通りよ、お姉さん……。
さすがに教師だけのことはあると、美歌は思った。しかし、いつまでも重なり合ったままでいるのはどうかとも思う。スカートはまくれあがり、パンティが丸見えなのである。
「いいわ。こうしましょう。あなたの気持を汲んであげてもいい」
美歌は思わぬ方向に事態が展開しそうなのに驚いた。
気持を汲むですって?……いったいどういうことかしら?……
美歌は、姉の危機が去ったものと解釈して安心したのだが、どうも違うようだ。今度は年頃の女の子らしい好奇心が湧いた。
亮子が何か呟いた。しかし、美歌にはよく聞きとれない。上半身を亮子に覆いかぶせていた岡田が納得したらしく、もう一度うなずき、のろのろと亮子から離れて半身を起こした。亮子も座り直した。
相変わらず白い太腿が露出したままなのが、美歌には気になって仕方がなかった。補習中に太腿を露わにしていたわけではないだろうが、早く身づくろいすればいいのにと思う。
と、岡田がきまり悪そうな顔をしながらズボンを脱ぎはじめた。亮子は黙って岡田の動きを見ている。美歌にはとうてい理解しがたい光景だった。
まさか、お姉さんたら……。
だが、亮子のほうはワンピースを脱ぐ気配はない。
美歌は胸が痛くなるほどドキドキしていた。そして、あっと思った。ズボンを脱いだ岡田のブリーフの前が、異様に大きく盛りあがっている。麻由からペニスの写真を見せつけられたとき、「男って、興奮するとビンビンに立っちゃうのよ」と聞いている。
姉がもう一度、岡田の耳もとで何ごとか囁く。すぐに岡田がもそもそとあお向けに横たわった。ブリーフの盛りあがりがいっそう際立った。
亮子がいざり寄り、ブリーフの縁に手をかけて引きおろす。とたんに、とてつもなく醜悪で大きな肉棒が、ブルルルッと震動しながら飛びだした。
美歌は仰天した。あやうく抱えていたトレイを落としそうになった。無理もない。生まれて初めて、本物の屹立した男のペニスを見たのだから。
岡田は、小柄なわりには長大な一物を所有していた。
美歌は気持の動揺ももちろんだが、下半身がひとりでに熱くなって震えだしたのに気づいた。切ないまでの疼きがともなっているので、無視しようにもできない。美歌はその疼きを押し殺して、これから何がはじまるのか、ドアの隙間から懸命に室内を覗いた。
亮子が前かがみになった。今にも顔が岡田の股間、肉棒にくっつきそうだった。いつもの姉の表情とは違い、目もとが熱く潤み、顔も上気している。蕩けそうな表情をしながら、亮子は細くしなやかな手を差しのべると、幹の部分を握った。
美歌はゾクゾクッとした。まるで自分の手で握ったような錯覚に陥った。てのひらが汗でベットリ濡れている。それ以上に、もっと別の部分がてのひらより濡れているのに気づいて、誰にも見られたわけでもないのに真っ赤になってしまった。そこはまぎれもなく、女の一番恥ずかしい部分だった。股間はオナニーをしたときよりもはるかに濡れて、パンティが秘唇にピタリと貼りついてしまっている。
亮子が岡田の顔をのぞきこむようにして、何かを話した。しかし美歌のところまでは聞こえてこない。
岡田の表情が気張ったように見えた。心もち腰を浮かしている。
亮子の握っている手が、ソロリと上下に動きだした。いやらしい手つきだった。
美歌はこの期にいたって初めて、硬直したペニスの表面が滑らかなことに気づいた。そうでなかったら、スムーズに亮子の手が動くわけがない。
「あっ……あーっ、先生!」
岡田がにわかに低く呻きながら、全身をブリッジ状に反らせた。
次の瞬間、美歌は信じられないものを見た。姉の手に握られた、途方もなく膨らんだ肉棒の先から白い液状の塊りがたてつづけに宙に飛んだのだ。美歌はそのすごい勢いに、目を丸くして見入った。
最初の噴射は天井に届くほど噴いた。勢いは次第に弱まっていったが、およそ五、六回は噴きあげただろうか。亮子が肉棒の根もとからゆっくり絞っていくと、まだ未練げに白い残滓がトロトロと出てくる。
「どう? 気持よかった?」
今度ははっきりと亮子の声が聞こえた。岡田は、さっきまでの全身の硬直状態が嘘のように、ぐったり弛緩したまま大きくうなずいた。
美歌はよろめくように階下におりると、コーヒーを捨ててカップを洗い、すべてを元通りにしてから、こっそりと外に出た。
足もとがおぼつかない。どうにか大通りに出ると、公衆電話から家に電話をした。
すぐに亮子が出た。
「図書館に寄ったから遅くなっちゃったわ。あと十分ほどで帰るわ」
『あ、そう。じゃあ食事を温めておくね』
亮子の声は平然としている。
美歌は、うわずっている自分の声に姉が不審感を抱かないかと心配したが、まったくの杞憂にすぎなかった。
どんな顔をして帰ろうか……。
牛のようにゆっくりと家のほうに歩いていくと、向こうから岡田がやってきた。岡田は美歌に気づかず、口笛を吹いている。心なしか足どりもはずんでいるように見えた。
すれ違ってから美歌は振りかえって、岡田の遠ざかる姿を見送った。大学三年生にしては小さな背中である。
だけど、アレはすごく大きかったわ……。
脳裏に、姉の手に握られて小気味よく脈動しているペニスが甦った。そして美歌は、自分の股間がヌルヌルのままだったことに気づいた。冷やりとして、ひどく気持悪い。
それにしても、こんなに濡れるなんて、初めてだわ……。
人目がないのを幸いに、美歌は外股で歩きながら家の玄関をくぐった。
さっきの淫蕩さはもうない。ごく普通の、ありふれた家の空気が美歌を迎えた。
姉の亮子は、温めた料理をハミングしながらテーブルに並べていた。美歌は、どうなっているのだろうと思った。通りですれ違った岡田といい、今の姉といい、なんとなく浮きうきしている。
食事をしながら美歌は、箸を持つ亮子の手を盗み見た。優しい手である。あの手が、グロテスクなペニスを平然と握っていた。そのことがどうにもピンとこない。
「何か変?」
あまり何度も美歌が見るので、いささか亮子も気になったらしい。
「マニキュアね。パールピンクだから、そんなに目立たないでしょう」
何を勘違いしたのか、そう言って亮子は五本の指をひろげた。教師という立場上、派手な服装や化粧を控えなければならないので、妹がマニキュアに驚いているのだと思い違いをしたようだ。
「そうね、大丈夫よ。そのくらいの色なら……」
美歌も適当に合わせて返事をしたが、心のなかでは、年の離れた姉を、今までとは明らかに違った目で見つめていた。
美歌が学園に入ったばかりの頃だったろうか。当時、美歌はまだ静岡の両親のもとにいたが、東京の大学に通うために都内で独り暮らしをしていた亮子が、駆け落ちするほどの恋愛事件を起こしたことがあった。
そのとき美歌は、両親が、「亮子は男に興味を持ちすぎるようだ。先が心配だ」と言ったのを聞いたことがある。
その後の姉は、二、三カ月もすると恋愛事件などなかったかのようにケロリとして、別のボーイフレンドを夏休みに郷里へ連れてきたりした。
お姉さんったら、何を考えているのかしら……。
美歌は真面目だっただけに、姉の考え方のリベラルさに呆気にとられた記憶がある。
東京の大学に入った美歌は、姉と一緒に生活するようになったが、確かに亮子は、教師という職業を忘れさせるほど男たちから頻繁に電話がかかってきた。電話に出て話している亮子を見ると、まるでホステスのようである。姉の生活に干渉したことも、興味を抱いたこともなかったが、かなり派手な男関係ではないかというのが美歌の推測であった。
しかし、これからは興味がないなどと言っていられない。岡田という少年が来るたびに、何か起こりそうな気がした。
いいえ、もしかしたら……。
今までも、呼び寄せて勉強を教えていた何人かの教え子たちと何かあったのではないか、と美歌は疑った。そう思うと、美歌は年頃の少女だけに、姉の隠された一面を追求してみたくなった。
亮子の後で風呂を使った美歌は、こっそりと、濡れたパンティのクロッチの部分をじっくりと観察した。
いつも少しは汚れや変色があるが、今夜のは特にひどい。糊が乾いた後のように、少しごわごわしている。匂いを嗅いでみた。説明しがたい複雑な匂いが鼻腔を刺激した。
美歌は、タイルの壁に貼った鏡のなかの自分を、隅から隅まで観察した。そうして初めて気づいたのだが、二つの乳房の形が左右アンバランスである。左のほうがいくぶん大きいように見えた。
胸の上を男の手が這うのを想像すると、急に体内の血がざわめいた。男が乳房やもっと下の部分に触りたくなる気持が、なんとなくわかるような気がする。
さっき姉の亮子は、「そんなことしないで」と口では言っていながら、岡田の手がパンティの上を這いまわると、拒まずにうわべだけで説教めいたことを言っていた。自分なら絶対に払いのけてやるのに……と美歌は思う。「先生がそんな格好をするからだ」と岡田は言ったが、ひょっとすると姉は、わざと挑発するようなポーズをとったのではないかとも思った。
美歌は亮子の手つきを真似て、鏡の前でペニスを握りしめる格好をした。
お姉さんはこんなふうにして、手をいやらしく動かしたんだわ……。
動く自分の手を見つめながら、美歌はひどく昴揚している自分を意識した。
腰掛け台の上に男のように座ると、大きく両脚を開いた。このように大胆な形で自分の中心を見たのは初めてだった。
こんなに大きかったかしら……。
美歌は、縦に長く割れた一条の溝を見て、まるで他人の割れ目を見ているような錯覚に陥った。いやらしい形だと思った。色も以前より少し黒ずんだような気がする。少女の頃は、もぎたての桃のように、可愛らしいふくらみと亀裂だけしかなかったのに、今では亀裂の周囲に、ゴム膜のようなものが縮んでくっついていた。
そこを指でつまむと、本当のゴムのように少し伸びる。痛いようなむず痒いような感覚が生じるものの、やめる気にはならない。
クリトリスの包皮をめくった。それだけでピリッとしみるような快感が走った。
少し濃くなったみたい……。
軽くカールした逆三角形の恥毛を撫でまわしているうちに、とうとう我慢できなくなってしまった。人差し指の腹で突起を押すのは普段のやり方と同じだったが、すぐに二本の指でつまんだ。
あんないやらしいのを見たせいかしら?……いつもよりせっかちになってるわ……。
美歌は二本の指で肉芽を挟みつけたまま、ゆるゆると円を描いた。いつもは目を閉じてしまうのに、この夜は目の前の鏡を凝視した。
明らかに女芯全体がむくんだように腫れている。充血と興奮のせいらしい。
淡紅色の肉路から、いつの間にか透明な露が溢れて、二本の指にまとわりついた。それにつれて指の動きが自然と滑らかになっていた。
姉の蕩けるような瞳や手の動き、それに反応して腰を突きあげる岡田や、筒先から噴出する白い液体が、脳裏に次々と現われては消えた。股間からピチャピチャと水の跳ねるような音がする。
ああ、変になっちゃうゥ……。
美歌は前のめりになって、じかに指が躍っている恥ずかしい肉の割れ目を見た。動く指先に濡れた恥毛がへばりつく。一条の亀裂は赤くなって、まるで生理のときのようだった。
ああっ、いい気持!……
心のなかで叫んだ瞬間、股間がひとりでに痙攣して、尻肉全体がキューンッとすぼまるような感覚に襲われた。そうして五体が震えた直後、美歌の目の前がスーッと白くなった。全身が硬直し、弛緩した。
今まで、こんなに鋭い快感を得たことはなかった。
第二章 女子大生・破瓜予習
美歌の亮子に対する感情は、依然とはまったく異質のものになった。
女教師という肩書きのない姉は、奔放でセックスに積極的な女であった。だが、亮子は現実には私立昭正大学の英語教師である。亮子のもうひとつの顔を知らない人は、若くて健康的で、教師としては珍しい美人と思うだろう。実際、表面上はその通りなのだ。
だが、小さいときから一緒に暮らしている妹の美歌は、大学生の頃の姉が複数のボーイフレンドと深く付き合っていたことや、大学生の頃の男性関係の大胆さを知っている。亮子が教師になるというのを聞いて、我が耳を疑ったほどである。
加えて美歌は、まさかと思うような現実を、我が目ではっきりと見てしまった。岡田という教え子との関係である。美歌が見たものは本物のセックスではなかったが、限りなくセックスに近い性的行為であった。
翌日からの姉をじっくり見ていても、これまでと少しも変わらない。美歌の前では真面目そうな姉であり、女教師である。しかし、男と二人きりになると変わるのだ。この二面性をどう説明していいのか。裏と表を使いわける器用な性格。生来がそういう性格なのだというしかない。姉のなかに棲む二人の亮子の性格に、美歌は感心するしかない。
そこへいくと私は……。
美歌は不器用な自分が腹立たしく思うことがある。けれども、性質というものは一朝一夕でどうにもなるものではない。麻由のように、あまりこだわらずに男の子と付き合いたいと思う。だが、それにはどうしても自分はまだ処女だという意識が邪魔してしまうのだ。美歌と付き合う年頃の男子は、最終的には体を求めてくる。今まで必ずそうだった。
美歌だってセックスに興味がないわけではない。興味どころか、最近では体がセックスを求めているのか、切なく疼くことがしばしばである。もうオナニーなどでは、その疼きを鎮めることはできなくなっていた。
それでも、まだバージンだと思うと、どうしても気持にストップがかかってしまう。
でも、今日は違うわ……。
日曜日の朝、美歌はいつもより早く目覚めた。休みの日はたいてい昼近くまで寝ているが、気持が昴っていたせいだろう。杉浦拓也とのツーリングの約束の時間は午前十時である。まだ三時間もある。亮子は寝ているらしく、家のなかはシーンとしていた。
美歌は明るい陽光の射しこむ浴室で、ボディソープをたっぷり使って、いつもより念入りに体を洗った。
ひょっとすると、今日でバージンともお別れ……。
拓也がセックスを求めてくることはわかっている。ただ、自分がその気になるかどうかだ。自分の気持次第で大人の世界に足を踏み入れるかもしれないと思うと、わくわくするようなときめきを感じた。
ここにアレが……男の人のアレが……。
美歌は、先日の岡田のペニスを思い浮かべながら、そっと秘裂に指を滑らせた。もうほんのりと潤っている。近頃、特に敏感になったようだ。
信じられないわ。あんなに太いのがここに入るなんて……。
美歌は邪念を振りきるように、股間にシャワーを浴びせた。
トーストとコーヒーで軽い食事をすませると、どれを着ていこうか下着から準備をはじめた。いつか麻由からもらったピンクのパンティを選んではいてみる。布地といえるのは股間に当たるわずかな面積だけで、あとはほとんど紐なみに細い。
鏡のなかで気取ってポーズを作った。自分でもセクシーだという気がする。布地そのものが薄いパンティなので、濃くない陰毛でさえ、ほんのりと浮きでて見える。しかも、盛りあがりの部分が強調され、気分が淫蕩になってきた。
パンティと同色のブラジャーを持っていないので、レースの多い白にした。オートバイは風を切って体温が奪われるため、白いシャツブラウスの上にフードつきのブルゾンを着た。ジーンズは避けた。ひょっとすると、いやひょっとしなくても、拓也は美歌の肉体を求めてくるに違いない。触るところまでは許してしまうだろう。それから先のことは、そのときになってみなければわからないが。
どちらにせよ、ジーンズだと不都合が多いから、別のものにしなければならない。スカートだと風で舞いあがる恐れがあるので、裾のたっぷりと広いキュロットスカートにした。これならオートバイに乗るのも楽だし、風を気にすることもない。それに、スカートと同じ感覚で、自由に裾から手を入れることもできる。
私ったら、変なことを考えてる……。
美歌は鏡に向かって、おどけたように舌を突きだした。
十時少し前に家を出る頃、美歌は下腹にもやもやしたものを感じた。生理が近いようだ。用心して生理用品をポシェットに詰めた。
約束の目黒駅前に拓也はすでに来ていた。美歌を見ると、軽い調子で手をあげた。表情はどことなく緊張しているように見える。
「おれたち、もうちょっと先の段階まで進んでもいいんじゃないかな」
先日、ペッティングの後で、拓也はそう言った。
拓也に心が傾いていた美歌は、拓也を失いたくない一心で、思わずうなずいていた。
完全に承諾したわけじゃないのよ……。
そう言いたい気もするが、今さらとてもそんなことは口にできない。美歌は行先を拓也にまかせきってオートバイの後ろにまたがった。
二人は多摩川に向かった。目黒から自由が丘を抜けると、あっという間である。大勢の人が散歩を楽しんだり、ボート遊びをしている。だが、いかんせん、人が多すぎる。
オートバイは多摩川沿いの道を上流に向かった。
「どこも人がいっぱいだな」
巧みに車の間を抜けながら、拓也がボヤくように言った。
二人は調布の駅前にある洒落たビルのなかで昼食をとり、橋を渡って川崎市に入った。美歌は、川崎といえば海に近い京浜地区だけと思っていたので、意外な感じを受けた。
「どっちへ行こうか?」
拓也が周囲の丘陵を見ながら、バイクを停めた。景色はのどかな住宅地になっている。
「まかせるわ」
「よし!」
オートバイはスピードをあげて疾走した。
起伏に富んだ道が延々とつづく。頬に当たる風が気持いい。
急にスピードが落ちた。道が二つに分かれている。一方の道は狭い。そこにラブホテルの看板が立っていた。
美歌の視線は、その淫靡な雰囲気が漂う看板をはっきりととらえた。拓也が狭い道に乗り入れた。二人は無言だった。
数百メートルほど入ったところに、小ぢんまりしたホテルがあった。場所柄、かなり敷地は広そうだが、建物そのものは小さい。拓也は部屋に入るまで、ひとことも口をきかなかった。美歌も何も言わないで従った。
「おい、見ろよ。いい景色だ」
窓辺に立った拓也が、美歌を手招きした。丘陵の起伏が長くつづいている。そのはるか向こうに、どこかの遊園地の大観覧車が煙って見える。
「ほんとね……」
美歌は拓也と肩を並べた。その肩に拓也が手をかけ、美歌の体の向きを変えさせた。向き合った二人の唇がゆっくりと重なった。拓也の口から、かすかにガムの匂いがした。
拓也はいつものようにせっかちではなかった。二人きりで、落ち着いた環境のせいだからだろう。きつく押しつけたのは最初だけで、あとは美歌の唇の表面を軽くこすっているだけである。くすぐったさに、思わず美歌は首をすくめた。だが、そのくすぐったさは、次第に切ない感覚に変化した。もどかしいような、やるせないような。
美歌は窓枠に寄りかかった。足もとがふらふらして不安だった。
拓也が体の前をピタリと密着させた。美歌は腹部に押しつけられた硬いペニスの存在を意識した。瞼の裏に、岡田の剛直が浮かんだ。拓也のペニスもそうなっているのだと思うと、急に胸が痛くなるほどドキドキした。
キスの仕方が少しずつ濃厚になっていく。美歌の股間も妖しく疼きはじめた。そこに硬いものが当たる。腰を引こうにも、後ろは窓なので黙って受けとめるしかない。だんだん気分が昴ってきて、股間の恥ずかしい割れ目を中心に、ジーンと熱い快感が湧いてくる。
衣服の上から拓也に乳房をまさぐられると、美歌は我れを忘れて腰を押しかえすように突きだしていた。硬いペニスの存在が、さらにはっきりした。かすかな脈動まで伝わってくる。
服がなければ、私たち、セックスしているのと同じなんだわ……。
拓也の手が腰にまわされ、強く引きつけられた。
美歌は小さく呻いた。敏感な肉の突起が圧迫され、そこから鋭い刺すような快感が湧いたからである。美歌はもがくように顔を振って、キスから逃れた。
息苦しさで立っていられない。それを察してか、拓也が美歌を抱きあげた。そのときになって、美歌は初めて隣りにも部屋があることを知った。
拓也が器用に足を使って襖を開けた。和洋折衷の部屋に、ダブルベッドがデンと置かれてある。美歌を横たえると、まるで猫か犬のように顔をこすりつけた。そうしながらシャツブラウスのボタンをはずしにかかる。
美歌に拒む意志はあった。しかし拓也にすべてをまかせて、じっとしていた。ここで抵抗すれば、またいつかのように拓也を怒らせてしまうのではないかと不安だったのだ。
「可愛いブラジャーだね」
拓也の声は優しかった。
拓也は背中にあるホックをはずさずに、白いカップを上にずらして持ちあげた。二十一歳にしては成熟した二つの乳房が、解放された歓びに震えながらブルンッと飛びだした。
美歌は顔を赤らめ、羞じらうように乳房を両手で覆った。だが、すぐにその手はキスの雨を浴びながら払いのけられてしまった。
「恥ずかしがることなんてないさ。こんな綺麗なおっぱい、もっと堂々と見せるべきだよ。ああ、なんだか夢を見ているようだ」
「あっ、私も……」
美歌は低いかすれた声を出した。もっと何かを言わなければと思っても、喉もとに声が引っかかって、それ以上言葉が出てこない。
生温かい拓也の手が二つの乳房を覆い、ゆるく円を描くように揉みはじめた。美歌はぐんぐん快感にとらわれていく自分の体に驚いた。自分の手で触っているときの感じとは全然違う。胸だけでなく、下腹部の割れ目までジーンと痺れてくる。なんだか体がバラバラになってしまいそうな、とてつもない不安が美歌を包みこんでいった。
拓也の片手が乳房から遠ざかったかと思うと、キュロットスカートの中心に移動した。その瞬間、美歌は腰をピクンッと振って逃げようとした。しかし、拓也の指先が鉤形に曲がって亀裂の上方に接触すると、はしたない声をあげて、かえって両脚を開いていた。拓也の指は、布地の上からとはいえ、きわめて正確にクリトリスを刺激したのだ。
「あんっ……あっ、あああぁぁ……」
思わず声がもれてしまう。声を出していないと、自分の体が溶けてなくなってしまいそうで不安だった。
とうとう拓也は両手でキュロットスカートのファスナーを引き、そのまま足もとのほうへずりさげた。
拒むなら今よ!……
もう一人の美歌の声が心の片隅でした。しかし美歌は体をもじもじさせるだけで、拓也の望むがままにさせてしまった。
「へーえ……」
拓也はピンクのパンティに驚嘆したような声をあげ、てのひらで中心のふくらみをそっと撫でた。二十一歳の少女にしては、恥丘の盛りあがりがきわめて顕著だ。拓也は完全に頭に血がのぼり、挑発された。
美歌は身長が百六十センチ、体重は四十四キロある。乳房も腰の張りだしも、この年頃の少女としては充分すぎるほどだ。そこを薄い布地がピッタリと覆っている。その一枚のピンクの薄布が、処女の女体をかえってなまめかしく、魅力に富んだものに見せていた。
拓也は上から見おろすようにして、美歌の頭のてっぺんから爪先まで何度も熱い視線を往復させた。
今日こそ、美歌のすべてを自分のものにできるんだ……。
歓びと、渦巻くような興奮が、二十一歳になったばかりの若者を包みこんでいた。
すぐにパンティを取り去ってしまうのは、あまりにも惜しい気がした。幼な子が気に入った美味しいお菓子を最後まで残しておく、あの心境である。それに、もうここまできた以上は、絶対に拒まれたりしないという自信もある。長い時間をかけて、できるだけ美歌をリラックスさせ、気分を高めてやりたいと思った。
拓也は経験豊富な仲間たちから、「処女を抱くときはせっかちになるな。時間をかけてその気にさせるんだ。それが処女をモノにする決め手だ」と吹きこまれていた。だから、この日のために考えていた愛撫と焦らしの方法を、反芻するように実践に移していった。
未練げに恥丘のふくらみから手を離すと、もう一度乳房に吸いついた。美歌は顔だけでなく、体も朱に染めて、なんともいじらしい風情で横たわっている。聞かなくても、この分なら間違いなく処女だろうという確信がある。
拓也のペニスは、もうとっくにジーンズの下で極限にまで膨脹していた。ちょっとした刺激だけで、すぐにでも爆発してしまいそうである。欲望を懸命にコントロールした。すると、その我慢もまた、歓びのひとつのように思えてくるのだ。
一番美味しい部分にありつくためには、この苦しみを乗り越えなきゃ……。
拓也は乳房だけでなく、腋の下の窪みにまで舌を這わせた。
「あ、くすぐったい……」
やるせなさそうに美歌が訴えた。
しかし、少しざらついた腋肉の感触が楽しくて、拓也は強引にそこへ舌を押しつけ、ことさら大袈裟にペロペロと舐めまわした。
「あっ……あーん……あああ……」
美歌が身をよじって腰をうねらせた。しかし、逃げる動きではない。むしろ、舐められるのを歓迎するかのように、拓也の舌に腋の下を押しつけてくる。
思わぬ反応に拓也は狂喜した。腋の下から乳房にかけて、丁寧に舌を往復させる。美歌が美しい顔を歪ませて、激しい息づかいをするのがたまらない。視線を下に向けると、焦れったそうに、両足首を拓也に絡ませるようにしてこすりつけている。当然、太腿の付け根もよじれるように蠢いていた。
美歌のやつ、いい気持になってる!……
拓也はこみあげる歓びに胸が熱くなった。自分のやり方に対して、敏感で可愛い反応を見せてくれる美歌が愛しくてならない。
ようし、もっとよくしてやろう……。
大方の男性が抱く願望を、拓也もまた抱いた。
美歌は自分の体を持てあましていた。まるで他人の体のようである。自分の意志でどうにもならない。それでいて今がいい気持であることだけははっきりとわかる。
舌で胸や腋を舐められるのがこんなにも快感だったなんて……。
ピクンッピクンッと体が跳ねるたびに、女の中心がドロドロに溶けてゆく。我慢できなくなった小水がもれるように、トロリとした花蜜が自分の意志にはかかわりなく勝手に噴きだした。
ぬるついた股間に疼きというか痒みというか、もやもやした感覚が湧いた。太腿をキュッとすり合わせでもしないと、その疼きはとまりそうにない。自分の指で思いっきりかけばすっきりするだろう。だが、今は一人ではない。拓也がいるのだ。
オナニー……そんなはしたないことができるわけがない。早く拓也に強く激しく愛撫してもらいたいと、美歌は切望した。
だが、拓也は一向に美歌の切ない思いに気づいてくれない。
拓也君、お願い……美歌のあそこ、早く触ってェ!……
この気持を大きな声で伝えたかった。でも、そんな恥ずかしい言葉は二十一歳の女の子が口にできるものではなかった。
「ああ、もう……」
美歌はハッとして口をつぐんだ。ついつい興奮のあまり、とんでもなく大胆なことを言ってしまいそうだった。
「ねえ、気持いいのかい?」
突然、耳もとで拓也の声が甘く響いた。本当のことなんか、恥ずかしくて口に出せない。黙っていると拓也がまた同じことを聞き、「正直に言ってくれないと、わからないんだよ」と優しく答えをうながされる。
「いいわ……気持いい……」
聞きとれるか聞きとれないくらいの、かすれた声で美歌は言った。それだけで体がカーッと熱くなる。穴があったら入りたい。
「よかった。いい気持なんだ……すごくうれしいよ」
拓也の声に感激の響きを聞きとって、美歌もまた感動がこみあげてきた。
正直に言ってよかったんだわ……。
その気持のなごみが、さらに快感を増幅させた。美歌の口もとから、絶えることなく喘ぎがもれるようになった。
そうなると、拓也は若いだけに、いつまでも自己をコントロールしていられなくなる。拓也の燃える視線が、ピンクの挑発的なパンティの中心に突き刺さった。ふくらみは、明らかに美歌の女としての成熟を物語るかのように、高く官能的に盛りあがっていた。
拓也の体がずりさがった。舌が肋骨のあたりから脇腹やヘソの周辺を丹念に這いまわりながら、次第にパンティへと向かった。ピンクの布地を内側からこんもりと盛りあげる肉の存在は、少年の目にあまりにも刺激的であった。拓也は間近にそれを見る位置にいた。薄い布地を通して、その下のよじれた黒い茂みやかすかに下に切れこんだ肉溝の存在を確認できた。
拓也は太腿の内側をなぞるように舌を走らせた。鼠蹊部の少し色素の濃い皮膚の上に舌を這わせると、美歌が腰全体をもぞもぞと振る。西洋建築の白い円柱を思わせる太腿の筋肉が、ピクピクッと小刻みに震える。そこはかとない女の複雑な香りがたちこめ、敏感な鼻腔の粘膜をくすぐった。美歌は濡れていると確信した。
長々と突きだされた舌が、とうとうパンティの中心をソロリと掃いた。
「あうっ!」
美歌は不意に訪れた痛烈な快感に驚き、思わず下半身に覆いかぶさった愛しい拓也の頭をどけようとした。
拓也はその手をとると、口に含んでしゃぶった。
ネトネトした感じがいやで、美歌は指を引き抜こうとする。だが、指と指との間に舌が這うと、スーッと背筋が痺れるような不思議な感覚にくるまれ、そのまま拓也の口に指をゆだねてしまった。美歌は指の付け根からも快感が生まれることを初めて知った。
それにしても、どういうことなのだろう。体のあちこちから生まれる快感は、すべて下腹部の女の中心部に直結しているみたいに、そこに集中し、恥ずかしいくらい果肉を快く震わせるのだ。
そのうちに美歌は、自分の手指の位置に気づいて愕然とした。舐められている指は、いつのまにか吐きだされ、拓也の手に導かれて、パンティの上から自分自身のクリトリスのあたりに押しつけられている。しかも、拓也は白く細い指に指を添えて、股間をかくように動かしている。
まるでオナニーさせられてるみたい……。
美歌はすぐに手を引っこめようとした。しかし拓也が手首をつかんでそれを許さない。恥ずかしさで死にそうだったが、徐々にさっきまでとは異質の快感がひろがってきた。
「もっとやるんだよ」
拓也の声にうながされて、美歌の手指が自分から動いていく。まるで催眠術にかかったようにとまらない。
「その調子……もっとやって!」
興奮した声を耳にすると、美歌はもっともっと拓也を興奮させたくなって、次第にピッチをあげて指を使った。だが、パンティ越しのオナニーだけに、もどかしさがつのる。
拓也はしなやかに躍る指を見つめながら、あわただしくジーンズを脱ぎ捨てた。
その気配に美歌は指の動きをとめて、拓也を見た。
ローズ色に輝く亀頭を目にした瞬間、美歌の全身に強烈な震えが走った。いつぞやのドアの隙間から覗いたときとは全然違う。あのとき岡田はドアを隔てた向こうにいたのだが、拓也は目の前である。長さも太さも、すべてのものが美歌に威圧感を与えた。
怖い!……
美歌は本気でそう思った。とてもこんなものが体に入るわけがない。逃げ腰になった。
それを敏感に察したらしく、拓也は美歌の閉じかかった両脚の間に素早く割りこむと、パンティをずりさげてしまった。
「いやっ……」
女の子としての本能的な恐怖感が芽生えた。美歌は、いったん引きさげられたパンティを、元に戻そうと引っぱった。薄い布地がゴムのように伸び、すぐにビリッと裂けてしまった。恐怖感がさらに膨らんだ。
「いや、やめてっ!」
美歌は夢中で両手両脚をバタつかせた。
思いもよらぬ美歌の反撃に、拓也は一瞬たじろいだが、極限にまで高まった男の欲望を放棄するほど、まだ大人ではなかった。約束が違うじゃないかとばかり、ムッとした表情になると、強引に美歌の両脚を脇に抱えこんで押さえつけ、目の前で剥きだしになった新鮮な女芯に吸いついた。
「あー、駄目! いやっ……お願い、そこはいやっ……ああ……アーン……」
美歌は下半身にのしかかった頭を振りほどこうと、必死になってもがいた。しかし、所詮は男の力にかなわない。それだけではなかった。舌が秘裂を直撃し、鼻先がクリトリスの周辺をこすると、思わずのけぞってしまうほどの快感に襲われて、体から急速に力が抜けた。拒む声もはかなくなり、ついには、ただハァハァと荒い呼吸を繰りかえすだけとなった。
拓也は一度は感情を露わにしたものの、ふたたび美歌がおとなしく横たわると、上機嫌になって愛しい少女の美肉を吸いはじめた。
そこは想像通りねばついた媚液が湧きたち、舌が左右の肉唇をこじ開けると、奥からどっとばかりに外に溢れでた。秘唇はいつか悪友に連れていかれて経験したソープランド嬢のようにビラビラしたものではなく、ツルツルと剥き身の小さな貝のようで滑らかだった。
美歌は混乱しながらも、体の奥底から次々と湧いてくる快い感覚をしっかりと受けとめていた。失禁してしまいそうなくらい、いい気持である。舐められている部分から、チカチカするような快感が湧いてくる。けれども、舌でくすぐられるだけでは不充分な気がしてきた。疼くそこに何かを埋めこんでもらいたい。
いやだわ。私ったら、アレを欲しがってる……。
エスカレートしていく欲望を恥ずかしく思いながらも、拓也のペニスを入れてもらいたいという気持は否定しようのない事実だった。オナニーのときも決して男のペニスが欲しいなどとは思ったことがないのに、今はともかく、たくましい拓也のペニスを熱く潤った処女の花園に埋めてほしくてたまらなかった。眩暈を起こしそうな状態のなかに、美歌はどっぷり浸っていた。本物のセックスの、これが第一歩だとしたら、麻由の言うように、性器と性器をつなぎ合わせたらどんな素晴らしいか、なんとなくわかるような気がした。
拓也がもぞもぞと体の位置を変えた。中腰になったところで、再び美歌は勃起した猛々しいペニスを見てしまった。さっき見たときよりも、もうひとまわりもふたまわりも大きくなっているような気がした。爬虫類の頭部を思わせる先端から、透きとおった雫が、ねっとりと長く尾を引いて恥毛の上に垂れた。
あれとは違う
!?
……
美歌の脳裏に、岡田が飛ばした白い噴出が浮かんだ。
拓也が上半身を傾けた。とてつもなく熱く硬いものが下腹や内腿をこすりあげつつ、女陰の中心にあてがわれた。拓也の顔が、赤く腫れたように膨らんだ。恐い顔だった。そして、気張った表情で押しこんできた。
「キャーッ!」
あまりの痛みに、美歌は悲鳴をあげて腰をひねった。
「何するんだ
!?
まだ入ってないじゃないか」
確かに入った感覚はなかった。ただ膣口をこすっただけだろう。それでも走った激痛は美歌を脅えさせ、逃げ腰にさせるに充分だった。
拓也は今までの優しさが嘘のように力ずくで腰を押さえつけ、また硬いペニスを突き刺そうとする。
「お願い、今日はいやっ!」
美歌は必死で拓也の胸を押した。
拓也は、右に左にと避ける美歌の割れ目に、なんとか剛直を押しこもうとした。ヌルッとした感触が亀頭に伝わった。
今だ!……
だが、勢いをつけようとして、腰をわずかに後退させたのが失敗だった。その瞬間に美歌が手を伸ばして、秘裂をふさいだのだ。拓也のペニスは美歌の手の甲に激突した。さんざん焦らされていた肉棒は、その刺激に耐えきれなかった。押し殺したような憐れな呻き声を発しながら、拓也は美歌の柔らかい体の上で全身をブルルルッと痙攣させた。
何事かと思った美歌は、手の甲や下腹部のあたりに激しく噴射された生温かい液体を意識した。
拓也の震えは一過性のもので、やがて全身から力が抜けてしまった。
美歌は拓也を押しのけて起きあがった。拓也は激しい息づかいのまま、あお向けになっている。美歌は白い樹液で汚れた自分の手や恥毛を呆然と見つめた。糊状のベットリした粘液が、強い独特の臭いを放ちながらシーツの上にしたたり落ちてゆく。
すぐに美歌は、まだひくついている拓也のペニスに目を奪われた。半勃起の状態のものが少しずつ小さくなってゆく。グロテスクだった一物が可愛くなっていくのが面白い。だが、いつまでも見ているわけにいかない。
美歌はベッドの枕もとにあったティッシュでゴシゴシと汚れを拭き取った。
再び拓也に目を転じると、肉茎は完全に萎えて、恥毛のなかに埋もれてしまっていた。恥毛にへばりついた白いスペルマが、やけにいやらしく見える。
美歌は隣室へ行くと、すぐに衣服を身に着けた。ベッドに残したピンクのパンティはボロボロになり、本来の用をなさない。スカートではなくキュロットにしたのが、こんなことで幸いするとは皮肉だった。美歌はやり切れない思いに胸が痛んだ。
ベッドルームから、拓也が素っ裸のまま出てきた。
「なんだ。もう服を着ちゃったのか」
明らかに面白くない顔をしている。
「ごめんね。私、もう帰りたいの」
拓也はふてくされた仕草で衣服を着けはじめた。
中途半端な私がいけないんだわ……。
こんなところへ来るんじゃなかったと、美歌はひどく後悔した。そして自分自身に対して腹を立てた。
「怒らないで。まだ気持の整理がついていなかったの。いつか、きっと……ね」
拓也は何も言わなかった。それどころか、美歌を家の近くまで送りとどけるまで、とうとう一言も口をきこうとしなかった。
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