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女教師・挑発授業 · 第八章 女子大生・積極復習 ~ 第十章 女子大生・略奪学習

女教師・挑発授業 第八章 女子大生・積極復習 ~ 第十章 女子大生・略奪学習 (5/5)
前の話

第八章 女子大生・積極復習

亮子とひとつ屋根の下に住む美歌にとって、拓也が補習のために我が家に来るというのが非常な苦痛となった。

亮子は天童温泉で開かれる私立大学英語教師の講習会に出席する前日、つまり、美歌と拓也が結ばれた翌日も拓也を呼んだが、そのとき美歌が家のなかをうろうろして、自分の存在をあらゆる方法でアピールしたので、拓也を挑発し、抱かれることはできなかった。

拓也としても、昨日の美歌とのことを思えば、簡単に姉の誘惑にのることもできなかった。ただ、二十一歳の少年の心のなかから亮子の面影が、昨日の美歌の処女を奪ったことで永遠に消え去ってしまったわけでもなかった。美歌の幼い体からは味わえない、成熟した女の官能的な感触は、そうそうあっさりと忘れ去ることができるものではない。

成り行きにまかせるしかないな……。

拓也は自分に有利なように考え、それがまた当然だと思っていた。

その日、学校が終わると、拓也と美歌は外で落ち合い、ラブホテルの小さな部屋で、昨日に劣らぬ激しい肉の交歓を行なった。

セックスを経験したことで、美歌は自分が急に姉と同じような大人になった気がした。バァージンという壁を突き抜けたことが、大きな自信につながったのだ。

今日も拓也のペニスを受け入れて、痛みはあったものの昨夜ほどではない。

拓也は短い時間に三度も美歌を求めた。それに鷹揚に応える自分自身を、美歌は、赤ん坊にお乳を与える母親みたいだと思った。夢中になって、自分の体の上でうなっている拓也が愛おしくてならない。

疲れきって、ベッドに身を投げだしている拓也の汚れたペニスを清めてやっているときも、おしめを代えてやる母親のような気持になり、満足感と優越感を覚えるのだった。

別れ際に、拓也が照れたように言った。

「おれ、やりすぎてフラフラだよ」

美歌は思わず赤面した。

「いやあね……たくさんしたがったのは拓也君じゃないの」

「美歌が可愛いからさ」

その言葉は、たとえお世辞にしてもうれしかった。

「こういうこと、あんまりしすぎると、体に毒なんじゃないの?」

そんな言葉が余裕をもって言える。

「お姉さん、明日からいないのよ」

そう言ってから、いかにも自分が誘っているようで、ちょっぴり恥ずかしい。

「ああ、先生から聞いてる……学校の帰りに行ってもいい?」

もちろん、いいに決まってる。その言葉が口から出かかったが、かろうじて封じこめた。

「受験勉強しなきゃ駄目じゃないの。大学生になれないわよ」

「美歌のこと思って、勉強が手につかないんじゃないかな」

未練たっぷりな拓也の表情が可愛い。

「しようのない人……じゃ、来ていいわ」

ニコッと笑った拓也のあどけない顔に、美歌は思わずキスをした。

次の日、亮子は早朝から忙しく動きまわっていた。他校の知り合いの教師と東京駅で待ち合わせをしているとかで、美歌もその物音で早くから目覚めてしまった。

起きだして、何気なく窓の外を見た。家の前に思わぬ人物が立っているのにびっくりした。

岡田である。登校の支度をした岡田は、二度三度往ったり来たりしていたが、すぐにどこかへ消えてしまった。

美歌は、岡田の行動に不気味なものを感じた。まだ近くにいるかもしれない。岡田の家がどこかは知らないが、我が家の近くでないことは確かである。

わざわざこんなに早く来るなんて……。

姉に対する思いこみの深さに、美歌は慄然とした。岡田のことを食事のときにさりげなく聞こうと思ったが、出発前の亮子の気持を乱しては悪いと思い、何も聞かずに送りだした。念のため、二階のベランダからこっそり外を見たが、もう岡田がいる気配はなかった。

亮子が先に出かけたあと、美歌は軽い朝食をとった。

そのとき電話が鳴った。拓也である。

「何時に行ったらいい?」

「そうねえ……」

早ければ三時半には帰宅できる。それを告げると、拓也は張りきった声で、「三時半ちょうどに行くよ」と言い、電話を切った。

拓也君たら、私なしではいられないみたい……。

歓びと自信が湧く。もっとも、美歌も拓也なしではいられなくなっていた。

電話が切れたあと、美歌は今までにない体の微妙な変化を感じた。明らかに、体は拓也を欲しがって疼いていた。下腹部が拓也の声を聞いただけでじっとりと潤んでいるのを知って、美歌は、自分もまた拓也が欲しくてたまらないのだと悟らずにはいられなかった。

授業中も、ひっきりなしに拓也のことが浮かんでくる。それも、セックスに関することばかりだ。体つき、ペニスの構造や感触、そして愛撫の仕方……。

美歌は疼く体を持てあまして、休み時間にとうとうトイレのなかで指を使った。学校でオナニーをするなんて初めてだっただけに、後ろめたい気持もしたが、体の欲求には勝てなかった。

オナニーをしながら、体が以前よりもずっと敏感になっているのに驚いた。しかも、入らなかったはずの指が、用心深く押すと指の根もとまで抵抗なく入ってしまう。痛いような痒いような、それは次第にはっきりと、快感にすり変わっていく。しかし、美歌にはあさましいという気持はなかった。

放課後、美歌は大急ぎで家に帰った。五分ほどすると、玄関のドアベルが鳴った。ちょうど自分の部屋にいた美歌は、窓から玄関口を見た。拓也が真面目な顔をして立っている。

あんな澄ました顔してるのに、あのときになるとすごいんだから……。

思わず笑みがもれた。

美歌の視線を感じたのか、拓也が窓を見あげて手を振る。

「すぐ行くわ」

身も心も軽やかに弾む。美歌は階段を駆けおりて、玄関ドアを開けた。入るなり拓也は美歌をきつく抱きしめて唇を合わせた。甘く切ないキスに美歌は酔った。幸せ--という言葉が頭のなかをかすめ、それが実感として体に伝わった。

セックスを通して、人間ってこんなにもハッピーになれるんだわ……。

美歌は甘えて、「二階に連れてって」と言った。拓也は慎重に階段をのぼった。抱かれていた美歌は、このまま落ちてもかまわないとさえ思った。もう、どんな状況になっても、二人の幸せにヒビが入るようなことはないと信じた。

「どこだい、美歌の部屋」

拓也は二階の踊り場で、いくつかあるドアを見た。美歌はこのとき突然、あることを思いついた。

「そこでいいわ」

美歌が指さしたのは、亮子の部屋のドアだった。ちょっと戸惑いの表情を見せたものの、拓也は美歌を抱いたまま、亮子の部屋に入った。

美歌は、姉のベッドで徹底的に抱かれてみたかった。そうすることで、姉に対して一矢報いる気になったのだ。姉の奔放な痴態に負けるものかと思った。姉のベッドを汚すことで、気持の上で優位に立ちたいとも思った。

「ねえ……」

「なんだ?」

「欲しいの」

「…………」

拓也はちょっと意外そうな顔をした。

「今日ね、学校で拓也君のことを思いだしていたら、もうどうしようもないくらい燃えちゃって……だから……」

美歌はまともに拓也を見られなかった。首にしがみつくようにして引き寄せると、耳もとに囁いた。

「…………おトイレで、オナニーしちゃった」

「ほ、ほんとかよ

!?

」

「うん……だって、とってもしたかったんだもの」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、拓也はむしり取るように美歌の衣服を脱がせてしまった。美歌は、拓也の瞳のなかに炎を見た。獣のような光が宿っていた。

フロントホックのブラジャーをはずした拓也は、美歌の初々しい乳房を食い入るように見つめながら、帰宅してすぐ取り替えたばかりのお洒落なパンティも、一気に足もとから引き抜いた。

美歌に羞恥心がなかったわけではない。けれどもあえて体を隠したりはせず、食い入るように見つめる少年の視線に、すべてをさらした。そうしているうちに、少女は新しい感覚を自覚した。見せつける歓びとでもいうのだろうか。ガラスの破片のように突き刺さる拓也の視線が快感を呼び起こすのだ。気づいたときには股間がむず痒く疼き、じっとりと湿った。

拓也はいっときたりとも視線をはずさずに、素早く自分も素っ裸になった。

美歌は宙を睨んだこわばりの偉容に、ゾクゾクするような感覚と、限りない好奇心をくすぐられた。

「ねえ、それに触らせて」

拓也は美歌の体をまたぎ、乳房の上に尻を乗せた。二つの乳房が拓也の尻につぶされ、ひしゃげて歪んだ。そこからさえも快感が湧いた。

美歌は鼻面を突き合わせるようにして、間近に怒張を見た。

大きい。太い。そして、見るからに熱く、硬そうだ。小さく割れた先端から、トロリと透明な露が湧いた。

握った。途端にペニスがピクピクッと跳ねた。

「袋も……袋も触ってくれよ」

妙に干からびた拓也の声にうながされるように、皺々の袋も握った。

「痛ッ……そっと頼むよ」

「ごめんね。これでいい?」

美歌は、自分がこのうえもなく優しくなっているのに気づいた。

「ああ。そっと揉んでくれないか」

筒先から流れる溶液の量が、グーンと増した。少し臭いも混じっている。

「美歌……お願いだ。しゃぶってくれよ」

半ば泣いたような声が可愛い。

「よくわかんないわ」

「だから、これをさ」

拓也が腰を前面に押しだすと、丸い亀頭が唇に触れた。美歌は大きく口を開けた。ゆっくりとペニスが口のなかに入ってくる。

「苦しかったら、途中で吐きだしていいからね」

返事ができないので、美歌はコクンとうなずいた。口いっぱい開いても、丸い部分を咥えるのがやっとである。

「舌を動かすんだ……ペロペロ舐めまわしてくれ……どこでもいい、とにかく舌を……そう、その調子だよ……ああ、美歌、気持いい……。気持よくってたまんないよ……そう、もっと……もっと……」

美歌はやみくもに舌を動かした。先口からツルッとした露が舌の上に落ちると、ためらうことなく呑みこんだ。握っている棹の部分もひとまわりもふたまわりも大きくなる。見あげると、拓也は顔を天井に向けて激しく腰を振りたてている。

とっても気持よくなってるんだわ……。

美歌は男に歓びを与えていることを実感し、それがまた自分の歓びになることを痛切に知った。

「あーっ、美歌……美歌、いいよ。それ、いいッ……ああ、駄目だ、出ちまうよ! 出る……ああああーッ!」

突然、またがっている拓也の下半身が痙攣した。美歌の舌の上、喉の奥に、ビシャッと液状の塊りが叩きつけられた。強烈な匂いを放ちながら、それは何度も繰りかえされた。

美歌は激しくむせびながらも、恋人の精液をすべて呑みこんだ。

口のなかでゆっくりと小さくなっていく肉棒が愛おしい。未練げに何度も舌を這わしていると、また硬さがゆっくりと戻ってくる。

「愛してるよ、美歌……」

見おろしながらはっきりと言う拓也を、もう絶対に手放したくなかった。もし姉が天童から戻ってきて、拓也と関係するようだったら、はっきりと対決する決心を固めた。

拓也君はもう私のもの……。

自分から積極的な気持になったのは初めてである。拓也がうれしそうに微笑むと、いっそう奉仕する歓びを感じて、今まで拓也が命じたことを思いだしながら、夢中で勃起したペニスを吸茎し、こすりたてた。

「美歌、お願いがあるんだけど」

美少女のサービス精神に目を細めながら、拓也は新しい提案を切りだした。

「え

!?

」

美歌にとっては新しい冒険であったが、好きな人のためには、是非ともそれをやってあげたいと思う。

「上に乗るって……さっき、拓也が私の上にまたがったようにすればいいの?」

「そうだ。もっと下のほうだけどね」

美歌はすぐに拓也をまたいだ。そのとき拓也がのぞきこむようにして、「見えた、見えた、美歌のオマ×コ、丸見えだ」とはやしたてた。

美歌は真っ赤になったが、同時に言いようのないうれしさも味わった。自分の体に、拓也が充分に満足してくれているということが歓びにつながった。

「なんだか、お尻の下がゴツゴツするわ」

「美歌、もうちょっと足もとのほうにさがるんだ……もう少し……」

「これでいい?」

美歌は、自分の女陰の前にニョッキリと立つ肉棒を眺めた。男女の性器が対峙している。

「そう、オーケイだよ」

「で、どうするの?」

「わかるだろう。競馬の騎手みたいにお尻を持ちあげるんだ……そう。それから、おれのペニスを美歌のオマ×コのなかに入れてくれ」

ヒップを持ちあげた美歌だったが、上半身が不安定にグラつく。そのまま拓也の胸に両手をついた。

拓也は肉棒に右手を添えると、下から美歌の割れ目をのぞいた。両脚を大きく開いているので、左右の陰唇の間隔の開き加減がよくわかる。膣を隠しているラビアもひろがっていたから、胎内の美しいピンク色の肉襞が丸見えだった。割れ目を縁どる短毛が妙に生々しく、猥褻である。

拓也が陰茎の先で肉の裂け目をこすった。

「アーン……何してるのォ……」

美歌の甘い声が、少年の肉棒を奮い立たせた。力が充実する。

「自分の目で確かめてごらんよ」

美歌は自分の股間に視線を落とした。パックリ割れた肉の溝がなんともいやらしい。自分でゾクッとした。背筋に戦慄のような震えが走る。不快感はない。女芯がキューンッと締まって、奥から生温かい愛液が絞りだされた。それが、ちょうど割れ目をこすろうとしていた亀頭の上にしたたった。

「ほら、よーく見てみな」

拓也が、また肉茎で割れ目を上から下、下から上へとなぞった。秘唇がペニスの先を取りこもうとするかのように、ぬめっとした貝の触手のような粘膜で包もうとする。

むず痒い感覚に、美歌は焦れたように、すすんで割れ目を押しつけた。途端に亀頭がメリッと胎内に入りこんだ。まだ痛みがないわけではない。けれども、しみるような痛みとは別に、体中がきしむような快感も湧いてくる。

「美歌も実感しただろう? 女の体はすぐに男の体に馴れるってことを」

「なんとなくね……」

「前みたいに、痛くないみたいだな」

「ええ……」

「じゃ、気持いいかい?」

拓也にあおぎ見られ、美歌は喘ぎながらうなずき、また腰を落とした。メリッという感じで幹の部分が三分の一ほど膣のなかに消えた。

「全部入れなくてもいいよ。痛かったら途中でやめてもいい」

「だってェ……拓也はどっちがいいの?」

「そりゃ、全部入れてもらいたいさ」

「そうしたほうが、いい気持になれる?」

「ああ……」

「じゃ、私がいい気持にしてあげる」

美歌は「私」というところを強調した。

拓也は私の体を心から欲しがっているのだ……。

そのことがうれしくてたまらない。さらに腰を沈めた。強い摩擦感が膣肉を震わせる。まだ収容能力を発揮できないから、裂けてしまいそうな痛みも同時に生じた。

「ああ、美歌……ほら、みんな入っていくよ。おれのチンポコが美歌のなかに……ほら、見てごらん」

美歌は肉棒が胎内に入った分、女肉のふくらみが余分に盛りあがったように思った。でも、自分のその痛みの分だけ、拓也の快感が大きいのだと思えば、女としての歓びも大きくなった。

美歌はもう一度、聞かずにはいられなかった。

「ねえ、とっても気持いい?」

「ああ、最高さ。美歌のあそこ、こんなにいいとは思ってもみなかったよ」

褒め言葉を耳にした途端、割れ目が冷水につけられたアワビのように、キューッと収縮したのを美歌は感じた。

「あっ……そんなに締めるなよ」

「何もしてないわ」

「じゃ、あそこの締まりがいいのは、きっと生まれつきなんだ」

「変なこと言わないでェ」

「馬鹿だな。美歌は喜ぶべきなんだ。これ以上の褒め言葉はないんだぞ」

「じゃ、聞くけど……」

「なんでも聞けよ」

「拓也君は、きっと今までいろんな女の人とセックスしたんだ。ね、そうでしょう?」

それには拓也は答えなかった。美歌の胸のなかは、拓也がひょっとして姉のことを告白するのではないかと揺れていた。

「ね、どうなのよ」

「ま、何人かとは寝たさ」

「私の体、そういう人と較べてどうなの?……教えて。知りたいの」

「だから言ったろう。最高だよ。美歌の体を知ったら、男は離れられなくなるんじゃないかな」

「それ、本当?」

「ああ、本当だ」

「じゃ……」

美歌は胸の思いを吐きだすように言った。

「拓也君はもう私のものなのね。私から離れたりはしないわね」

拓也が下から強い力で抱きしめた。

「ほら、いつまでもこうやって、美歌とつながっていたいんだ」

下から腰をゆるやかに突きあげたり、こねまわしたりする。初めの痛さが嘘のように引いていき、代わりに快感が胎内に噴きあげた。膣口がきしんでも、痛みよりも快感のほうがはるかにまさっている。

「アーン……拓也君、好きよ、愛してるわ……拓也君」

美歌の思考力は急速に鈍った。後頭部まで痺れる快感は、体のすべての部分に着実にひろがっていく。

「幸せだわ……私、死んでもいい」

「これからじゃないか、おれたち」

「信じてもいいのね」

夢中ですがりついたとき、拓也の体がガクガクと震えはじめた。

「美歌ッ……美歌ッ……」

「気持いいのね」

美歌は、ようやく男の生理がわかったような気がした。次に何が起こるのか、もう見当がついていた。重なり合った性器をがむしゃらにこすりつけた。女の本能がそうさせたともいえる。

「出るッ!」

短く叫んで拓也がおびただしい量のザーメンを射出したとき、生まれて初めて、美歌もまた「イクッ!」という言葉を実感したのだった。

第九章 女教師・愛憎教習

その夜、拓也はほとんど朝方近くまで美歌の家にいて、一睡もせずに美歌を抱いた。

美歌は、亮子のベッドに自分たち二人のセックスの匂いをしみこませたことに、大いなる満足感を覚え、激しく燃えて拓也を狂喜させた。

家を出る三十分ほど前、二人はダイニングキッチンで熱いコーヒーを飲んだ。快い疲労のあとのコーヒーは、二人の喉を気持よく潤した。

「美歌は岡田って男を知ってるかい? おれと同じ学校の生徒なんだけど」

拓也にいきなり切りだされた美歌は、家のまわりをうろつく岡田の姿を思いだして、なんとなく不吉なものを感じた。

「ええ、知ってるわ。拓也君の前によく家に来て、お姉さんから補習を受けていたもの。小柄な人でしょう」

「そう」

「その人がどうかしたの?」

なんとなく気になったが、さりげなく聞いた。

「いや……ただ聞いただけさ」

「ねえ、今度いつ来るの?」

「亮子先生から指定された日さ。先生の都合ではっきり決められないんだ」

「なんだか不便ね。電話かけてもいいかしら?」

「もちろんだよ。でも、先生はおれたちのこと知らないんだろう」

「ええ、よけいなことを言わないもの」

「そのほうがいいよ」

「でも……私、思いきって、今度は私たちのことを話してみようかと思うの」

それは美歌の、亮子に対する宣戦布告となるはずであった。

当然、拓也も賛成してくれるものと美歌は思った。

「それはよしたほうがいい」

拓也の返事は、予想に反したものであった。

「どうして?」

拓也の真意が知りたかった。愛する者の心の内が知りたいと思うのは当然だろう。

「だって、おれたちのことを話したら、おれが勉強そっちのけで美歌にモーションをかけたみたいに思われるじゃないか」

「だったら、ずっと前から知ってたんだって、正直に言えばいいわ」

「今からじゃ時期が遅すぎるよ。今までどうして言わなかったのって追究されたら、どう返事していいのかわからないよ」

私たち、真剣に愛し合ってるのだから、どう思われたっていいじゃないの……。

美歌はそう言いたかったが耐えた。せっかく結ばれたのに、拓也の機嫌を損ねたくなかったからだ。

「そう……じゃ、拓也君の言う通りにするわ」

拓也が帰ると、さすがに睡魔に襲われた。もう学校へ行く気力もなかった。目覚まし時計をセットしないで、眠りたいだけ眠ることにした。

目覚めたのは、近くにあるT大附属病院のサイレンが、正午を知らせたときだった。キッチンに降りてジュースを飲みながら、何気なくテレビのスイッチを入れた。民放テレビのニュースが、美歌の目と耳に飛びこんだ。

昭正大学三年の生徒二人、杉浦拓也と岡田満が、学校近くの道路で左右からバイクを走らせて激突し、二人ともほとんど即死状態で発見されたというのだ。遠くから目撃していたという通行人が、「狂気が走り抜けたように恐ろしい光景だった」と、レポーターが向けたマイクに向かって興奮気味に話していた。警察の調べで、拓也のポケットから、岡田が出したらしい、バイクによる度胸試しの申し入れ書が発見されたという。

岡田さんは初めから死ぬ気でぶつかったんだわ……。

美歌は直感的にそう思った。不思議と涙が出てこない。ただ、全身から力が抜けて、立ちあがる気力もない。だが、すぐに亮子が書き残していった天童温泉の電話番号にダイヤルした。講習会の参加者たちは、昼前にもう出発してしまっていた。

お姉さんはどんな顔をするだろう……私以上に悲しむだろうか?……

そう思った途端に、涙が堰を切って溢れだした。

亮子が帰宅したのは、深夜近くになってからだった。家の前にとまった車の音を聞いて、それまでひとりで悲しみに打ちひしがれていた美歌は玄関まで走った。

姉はひどく酔っていた。それも上機嫌だった。連れがいた。

亮子を送ってきたのは、美歌が初めて見るたくましい青年だった。亮子は酔っていながらも、その男を美歌に紹介した。同じ天童温泉の講習会に参加した他校の英語教師で、大屋哲郎と名乗った。

「大屋さん、悪いけど、私を部屋まで運んでくださる?」

亮子は、玄関口でわざとらしくよろけた。

美歌はよけいな手出しをしないで、大屋にすべてをまかせた。大屋は英語教師というよりも、むしろ体育教師にふさわしい体格の青年で、美歌も決して悪い印象を抱いたわけではなかった。

「じゃ失礼して……」

大屋は軽々と亮子を抱きあげると、美歌の先導で、こともなげにベッドへ運んだ。初対面の男性に、女の部屋のなかまで見せてよいものかどうかという気もしたが、美歌は姉と大屋の関係がどの程度のものかわからない。天童で知り合ったのか、あるいはそれ以前からの知り合いなのか、はっきりしなかった。

「大屋先生、ごめんなさいね……」

ベッドに横たえられると、亮子は大屋に手を差しのべた。大屋はその手を握りかえすと、「おやすみなさい」と言って部屋を出た。

玄関まで送った美歌は、女の直感で、姉が大屋に対して好感以上のものを抱いていると判断した。部屋に引きかえすと、寝ているものとばかり思っていた亮子が立ちあがり、ネグリジェに着替えている。

「お姉さん、お昼のニュースで……」

「ええ、知ってるわ」

亮子は顔色を変えるでもなく、平然と言ってのけた。

「二人とも、家に来ていた生徒じゃないの!」

つい、美歌は大声を出していた。

亮子は、ムキになっている美歌を不思議そうに眺めた。美歌は、死んだ杉浦拓也との関係を悟られるのが怖くて、口をつぐんでしまった。

「馬鹿なことしたものね。意地を張り合ってバイクで正面衝突するなんて」

まるで我れ関せずといった感じである。

「原因はなんだか知っているの

!?

」

怒りにも似た感情を押し殺しながら、美歌は姉の表情をうかがった。

「さあ……」

そのことに触れられるのを避けるように、亮子は部屋を出てしまった。

お姉さんは原因が何か、きっと知っているんだわ……。

美歌はそう確信した。それなのに、今の亮子の態度は解せない。姉に対して怒りが湧いた。

私が愛した人を、お姉さんはただの遊びの相手にしたのでは……。

そうでなければ、少しは人間らしく悲しむとか、話題にするのが自然ではないか。ニュースを聞いていながら、深夜まで酒を飲む姉が許せなかった。悲しみをまぎらわすために酒を飲んだのなら、まだわかる。それなのに、階下へおりてみると、バスルームからは呑気なハミングが流れていた。

亮子と秘められた交渉を持った少年二人が、生命を落としたのである。二人の死は、ひょっとして女教師という身分の姉にとって、むしろ好都合な部分もあったのではないか、とまで美歌は思った。

美歌は今まで、亮子に対して羨望とか多少の嫉妬とかを感じたことはあるが、憎しみまで抱いたことはなかった。しかし、この夜から美歌の心のなかに芽生えた憎悪は、次第に抑えがきかないほどふくらんでいった。

憎悪が極限に達したのは、亮子の二十六歳の誕生日の夜だった。二人しかいない姉妹だし、実家のある静岡から離れた東京で共同生活を送っているから、誕生日は必ず二人で祝うことにしている。亮子の誕生日には亮子の知人が来ることもあるし、美歌のときも友人を呼んだりする。

その夜、亮子が招いたのは、大屋哲郎ただ一人だけだった。それは、美歌の予想していたことだったが、亮子は妹の存在をほとんど無視して、もっぱら大屋とベタベタしていた。この人は私の男よ……。そういった態度を公然と見せつける。

美歌は感情が顔に表われないように、さりげなさを装っていた。むしろ大屋のほうが美歌にあれこれと気をつかい、ときに亮子の話をさえぎって、美歌のために話相手になってくれたりした。

次の日が休日ということもあって、亮子はブランデーをかなり飲んだ。大屋は体のたくましさに似合わず、アルコールはあまり強くなかった。亮子の半分も飲まないのに、まるで赤鬼のように真っ赤になり、話す言葉もいささか舌足らずになって、愛嬌さえ感じられる。

亮子は延々と飲みつづけた。美歌はとても付き合いきれなくなって、自分の部屋に引きあげた。ブランデーには口をつけなかったが、甘い赤ワインを少し飲んだので、無性に眠い。階下では、賑やかな亮子の話し声がつづいていた。

亮子の頭のなかから岡田や拓也の面影が完全に消え去ってしまったことが、美歌はひどく悲しかった。事故後、姉の口から二人の名前が出たことは一度もなかった。

死んだらそれっきりなんだわ……。

そんなことを思っているうちに、いつしか美歌は眠ってしまった。

ワインのせいだろうが、喉が乾いて目が覚めた。電気スタンドをつけて時計を見ると、一時ちょうどである。眠りに落ちたのは十時頃だった。美歌が途中で目覚めるのは、滅多にない。それは虫の知らせだったかもしれない。

半ば眠ったような状態で、ゆっくりと階段をおりた。途中で亮子の声を聞いた。

「そこよ、そこ……あああっ、いい!」

その昴った嬌声で、美歌の感覚はいっぺんに目覚めた。

声は、ダイニングキッチンではなく、リビングルームのほうから聞こえてきた。パーティといっても三人だけなので、ダイニングキッチンの大テーブルの上でやったのだが、そのあと二人はリビングルームに移ったのだろう。

美歌は足音を忍ばせて廊下に出ると、半開きのガラスドアの陰からリビングルームを覗いた。

フロアに、亮子の着ていたワンピースが投げ捨てられてあるのが、まず目についた。ソファの背もたれの向こうに大屋の頭と裸の背中が見え、ブラジャーが肘かけに引っかかっている。

目を凝らして見入っていた美歌は、二人が丸裸なのに気づいて仰天した。時折り大屋の引きしまった尻が見え隠れしている。大屋の姿勢から察するに、ソファに長々と横たわった亮子の股間に顔を埋めているらしい。時折り亮子の手がピーンと上に伸びたりしたが、顔や体は背もたれの向こう側なのでまったく見えなかった。

「そうよ。そこをもっといじって……ああ、なんていいの……滅茶苦茶にいじって……そう、指だけじゃなく舌も使ってよ……そうよ、そう……ああ、気が変になりそう……よくってよ……あなた、素敵だわ……たまんない……もう!」

美歌は、自分が愛した拓也がかくも冷酷に忘れ去られたことが腹立たしかった。それでいながら、憎むべき相手の情事を覗き見して、敏感に反応してしまう自分の体が情けなく、あさましかった。

美歌は矛盾に悩み、葛藤と闘った。

大屋の肉体は、岡田や拓也とは違い、成熟した男の鍛えられたたくましさに満ちあふれていた。それは下半身の性器にも如実に現われていた。下腹にピタリと直立して貼りついた肉塊は、へそに届くほど長く、そして摺粉木のように太かった。丸味を帯びた先の部分はローズ色に光って生々しく、そこも幹も、その下にダラリとぶらさがっている雄大な袋も、すでに先端の鈴口からしたたり落ちる前ぶれの露で、ぐっしょりと濡れそぼっていた。いかにも淫乱な姉が選んだ、格好の相手といえた。

「あなたのそれ、早く欲しいの……ああ、なんて立派なの。きっと大勢の女を泣かせたのね。そうでしょう? ね、何か言って……」

今度は背もたれの向こうに大屋の姿が消え、代わりに起きあがった亮子が、かがみこむようにして大屋の下腹部をのぞきこんだ。

「それほどでもないよ。君こそさんざん男を泣かせてきたんじゃないのかな」

「ごまかさないで……ねえ、もう私を最後の女にしてね……結婚したい! 毎日こうやっていたいの」

亮子の顔が沈んだ。頭が上下に揺れている。

何をしているのか、美歌にはわかった。美歌が拓也にしてあげたことを、姉もしているのだ。

アレをきっとおいしそうに舐めているんだわ……。

肘かけに乗っている大屋の二本の脚が、突っぱったり震えたりしている。足指の先が微妙に反りかえったりするのも、美歌の想像力をいやがうえにも高めた。

平気で男を替え、自由奔放に生きている姉が、美歌にはうらやましくもあり、憎くもあった。拓也はただの人身御供にすぎなかったのだと思うと、哀れでならなかった。岡田だってそうだ。自分の教え子を平気でたぶらかす姉の神経には、ついていけないと思った。

最後の女にして、ということは、姉が結婚を考えていることにほかならない。

拓也が死んでわずか十日ほどしかたたないうちに大屋という男をたらしこみ、しかも結婚を考えているなんて……。

美歌は憎悪をさらに増幅させた。

「ねえ、もう充分でしょう……早くこれを入れて」

「もう欲しいのかい?」

「意地悪ゥ……こんなになってるわ」

ソファの上に膝立ちになった亮子は、こころもち顔を天井に向けながら、両手で秘肉を左右にひろげた。それをのぞきこんでいる大屋の表情は、しまりがなく、ひどくだらしなく見えた。

「まるで洪水みたいだな」

「あなたのせいよ」

「いや、君のオマ×コは淫らなんだよ。生まれつきそうなんだ」

「ひどいわ」

「違うのかい? どうなんだ。はっきり言ってみろ」

「…………」

「さあ、言うんだ。言わなきゃ、ハメてやらないぞ」

大屋の口調が厳しくなっていた。

「いやいや。お願い、ちゃんとハメてェ!」

「じゃ、本当のことを言え!」

「言います……あなたの言う通りよ」

「それじゃわからん」

「ええ、そうよ。私のオマ×コは、とっても淫らだわ」

「よく言った」

「してッ! ね、してちょうだいッ!」

「よし、バックでしてやろう。後ろを向くんだ」

「はい……」

いそいそと従う姉に、美歌は奇異なものを感じた。それになんというひどい会話だろう。

あんないやらしいことを、よくも平気で言えたもんだわ……。

美歌は喉の奥で「淫らなオマ×コ」と呟いてみた。体の芯がツーンと疼いた。

あんないやらしいことを言うから、私まで変になってしまったわ……。

美歌はいつの間にか下半身をまさぐっていた。淫らなオマ×コは、いつも以上にひどく濡れそぼち、欲望が渦巻く穴倉になっていた。

私までこんなひどい仕打ちを受けなきゃいけないなんて!……

美歌にとっては、何もかもが癪の種となった。その場をさっさと離れてしまえばいいのに、それができない。

亮子が肘かけにすがるようにして、後方に尻を突きだした。後ろにまわった大屋が、ヒップのクレヴァスに顔を押しつけ、ズルズルとしたたる愛液をすする。亮子ははしたなく腰を揺らして、よがり声をあげた。

犬のようにつながるんだわ……。

美歌の胸は妖しく騒いだ。

大屋が顔をあげると、亮子は一刻も待てないように、「早く、早く」とせきたてる。その間にも、クレヴァスから匂いたつような汁がしたたり落ちている。

大屋が下腹にピタリと貼りついた肉の帆柱を右手でゆっくりと剥がし、その先端を淫裂に押しあてた。もそりと亮子が尻を動かすと、大屋は雁首の一部を粘膜のなかに押しこんだ。雁首の形そのままに開いた下唇の淫らさは特筆ものだった。隙間からじんわりと愛液が滲みでる。

「もっと奥に入れて!」

亮子の悲痛な叫びは無視された。大屋は入れるでもなく、入れないでもなくといった感じで、縦に長い割れ目を、巨大な棒の先でこすっている。見ている美歌のほうが苛々した。当事者の亮子にとっても、苛酷な試練であった。

「ああっ……あああ、お願いよ。あなた、早く奥に……早く入れてェ!」

豊満なヒップが、まるで渦を巻くようにゆさゆさと揺れる。覗き見ている美歌のほうが気恥ずかしくなるくらい卑猥な姉の仕草だった。

大屋が楽しそうな顔をしてペタペタと尻肉を叩いた。

「さあ、言いな。どこに何を入れてもらいたいんだ……はっきり言ったら、グサッと入れてやるよ」

「ああ、あなた、意地悪しちゃいや……欲しいのあなたのソレ……思いっきり突き刺して!」

淫らな言葉をやりとりすることが、大人のセックスにおける一つのテクニックとは知らない若い美歌は、こういったやりとりに馴れていない。苛々したり、ハラハラしながらも、次第に昴っていった。以前と違って、膣口の奥に指を挿入しても、痛みなど感じない。むしろきしむようなきつい感じがたまらなくて、いつしかかきむしるように膣肉を撹拌し、ハアハアと荒い息づかいをして快感を貪った。

「どうしても言いたくないのかい? じゃ、ひとりで出すよ。それでもいいのかな」

半分ほど埋まった亀頭が、スーッと膣口から離れた。

「イヤッ! 抜かないで……」

しかし、大屋は平然と己れの肉棒を握りしめると、表皮をこすりはじめた。男性のオナニー……美歌にとってショッキングな行為を、振り向いた亮子が制止した。

「言います! 言うわ」

大屋の顔が自信たっぷりに笑った。

「あなたのこの魔羅が欲しくてたまらないの。どうか私のオマ×コのなかに、思いっきり突き刺してください……お願いよ!」

亮子の声は始終震えっぱなしだった。

聞くに耐えないはずの言葉なのに、美歌の体は鋭く反応して、女陰がそれを望むかのように小刻みに蠢動した。ジワーッと愛汁が湧く。それにともなって生じる疼きが、耐え難い感覚となって美歌を包みこんだ。

美歌は思いきって、指を奥深く押しこんだ。膣壁が強烈な摩擦を受けると、複雑な肉片の間から強い匂いをともなった愛液が絶えることなく滲みでる。それがきつい指の動きを滑らかにした。

指だってこんなにいいのに……。

そう思った美歌の視界に、大屋の肉棒が今まさに亮子の膣の奥深くに突入せんとする光景が飛びこんだ。メリメリッと音をたてるようにして、巨大なペニスが肉唇を分け入った。

押しこまれると、割れ目はゴムさながらに左右にひろがって、剛棒を悠然と呑みこんだ。まるでマジックを見ているようだった。美歌は、麻由の言った「女の体はなんでも受け入れるのよ」という言葉を、目の当たりに見た思いがした。

押し殺した亮子の声は、かえって快感の深さを素直に表わしていた。時折り「このまま死んだら本望よ……」などと言って、大屋の動きに合せて腰をうねらせる。見事な調和だった。

「聞こえるかい?」

腰づかいを速めながら、大屋が聞いた。その質問に美歌もまた耳を澄ませた。泥沼に足をとられたときのように、ズボッズボボッといやらしい発泡音がする。

「ええ、聞こえるわ」

「君がおつゆをたくさん出すからだ」

「だって、とってもいいんですもの……あなた、結婚してね」

「これをするためにかい?」

「そうよ。私、毎晩したいの……いつもあなたにこうやって抱かれていたいの!」

二人の腰づかいが急ピッチになるにつれて、美歌もまた指の抽送を速めた。

第十章 女子大生・略奪学習

その日から、大屋は毎日のように亮子・美歌姉妹の家を訪ねてくるようになった。大屋の住むマンションは、目黒から戸越へ抜ける高速道路沿いにあったので、堀江家まで歩いても十分たらずの距離だった。

大屋の来ない日の夜は、亮子の帰りが遅かった。亮子にとって黄金色に輝く日々は、美歌には苦痛と忍従の連続といってよかった。美歌は苦情まじりに言ったことがある。

「お姉さん、どういうつもりなの。大屋さんとのこと、はっきりさせてよ」

対して亮子は、堂々と結婚を宣言した。美歌は反撃のきっかけを失ってしまった。しかし、多少の効果がなかったわけでもない。大屋の来る回数が減った。もっとも、そのぶん亮子の帰りが遅くなり、ときには泊まってくることも多くなった。亮子にとって拓也など、もはや過去の人というか、存在すらしなかったに等しいもののようだった。

美歌の体のなかに膨れあがった姉に対する憎しみは、極限にまで達した。亮子がもう少し美歌に対して気配りをしていれば、その怒りも多少は和らいだかもしれない。なんといっても、二人は血のつながった姉妹なのだから。しかし、亮子は幸せを独り占めにした。それが美歌の嫉妬をかきたてたことは否めない。亮子が幸福を実感すればするほど、美歌は落ちこんだ。

心のなかで、ある決断をくだしたのは、拓也と岡田の激突死から、ちょうど一カ月がたった頃だった。朝から浮きうきしている亮子から、美歌は相談をもちかけられた。

「今日は彼の誕生日なのよ。プレゼントで迷っているの」

「お姉さんのときも家でやったのだから、大屋さんも家に呼んで、三人でパーティをやりましょうよ」

品物よりも心が問題だとばかりに、美歌は提案した。

美歌との間に何かギクシャクとしたものを感じはじめていた亮子は、妹の申し出にうれしそうにうなずいた。

学校から急いで帰った美歌は、料理に必要な材料を、駅ビルへ出向いてすべて買い揃えた。亮子は一足遅れて戻ってきて、料理の腕を振るった。久しぶりに姉妹が呼吸を合わせた協力態勢で、パーティのお膳立てはすべて整った。

電話をかけると、五分もしないうちに大屋が自転車でやってきた。

美歌は玄関ドアを開けると、入ってきた大屋にいきなり抱きつき、頬にキスをした。これには当の大屋はもちろんだが、一緒に出迎えた亮子もびっくりした。

「大屋さん……いえ、お義兄さんと言ったほうがいいのかな。お誕生日おめでとうございます」

「まあ、美歌ちゃんたら……」

亮子も大屋も照れたように笑った。

しかし、この大胆な美歌の発言と行為で、パーティはいっそう活気に満ちたものとなった。美歌は意識的に大屋にアルコールをすすめた。

「いや、ぼくはあまり強くないから」

「マンションは近いんだし、泊まっていったっていいじゃないの」

美歌のこの言葉は亮子と大屋に、それとなく、二人の関係はもう認めたわという気持を伝えたに等しい。

大屋は酒をつがれると飲んだ。赤い顔はいつしか朦朧となっていた。

「美歌ちゃん、ほどほどにしてよ。あんまり飲ませるとすぐ眠っちゃうんだから」

亮子が苦笑まじりに言った。

何よ。セックスできなくなったら困るからでしょう……。

美歌は心のなかで笑った。

「そうね……じゃ、お姉さんが代わりに飲んで。夫婦は協力し合わなくちゃ」

「何言ってるの、この子は」

羞じらいながらも亮子はうれしそうだった。大屋は曖昧な笑みを浮かべて、美しい姉妹のやりとりを見ている。男兄弟だけの一番下という大屋には、こういう光景も華やかなものに見えたに違いない。亮子もすすめられるままにアルコールを口にした。

美歌は二人を退屈させないように気を配った。二人は美歌の甲斐がいしい奉仕に満足し、妹の前でも平然とイチャついた。美歌は鷹揚に笑い、対処した。すべてが円滑に進行した。

時間も遅くなってくると、亮子は急激な眠気に襲われた。体が落ちこむほど気だるい。

「大屋先生、お姉さんをお部屋まで連れてってくださる? どうせ明日はお休みなんだし、先生も泊まっていってください。後片づけは私がしますから」

そう言われた大屋も、アルコールのせいか眠そうに生欠伸を繰りかえしている。

「じゃ、ぼくと一緒に運びましょうか」

亮子は半ば眠っていた。二人が肩を貸して抱きかかえ、ようやく二階まで運んだ。

亮子の部屋に入ると、美歌は姉のことは大屋にまかせて、自分はてきぱきとソファを簡易ベッドに早変わりさせた。

「大屋さん、ここに寝てくださいね。お姉さんが水を欲しがったりしたら、お願いします。それに、気持悪がったら大屋さんの手をわずらわせるかもしれませんけど……ともかく、万一のために、ここで休んでください」

美歌はもっともらしい理由をつけて一方的に話すと、あらかじめ用意しておいた男物のパジャマを、簡易ベッドの上に置き、すぐに部屋を出た。再び階下におり、汚れ物を片づけてから、思わずほくそ笑んだ。

父親が医者をしているクラスメートから睡眠薬を貰い受け、それを途中から姉のブランデーやビールのなかに混入したのだ。その効き目が意外に早かったことに満足したのである。

シャワーを浴びた美歌は、自分の部屋に入り、一番お洒落なネグリジェを着た。フリルのついた大人っぽいシースルーのネグリジェは、二十一歳の美少女の素肌を淡く浮きだし、官能的な雰囲気を作りだすのに役立った。パンティは切れこみの最も深いのを選び、微香性の香水をふりかけた。心臓が高鳴り、武者震いにも似た悪寒が全身を揺さぶった。

美歌は鏡に映る自分の姿に満足し、廊下に出ると、いきなり亮子の部屋のドアを開けた。大屋がびっくりして振り向いた。パジャマ姿の大屋は、ちょうど亮子の服を脱がせているところだった。

「ネ、ネグリジェに着替えさせようと思ってね……」

大屋が口ごもりながら、弁解がましく言う。

「そうね。私もお手伝いするわ」

美歌は大屋がそうしていることを当然のように受けとめ、てきぱきと亮子の衣服を剥ぎとってしまった。ブラジャーとパンティだけの亮子は、軟体動物のようにぐにゃぐにゃしているだけだった。

「息苦しいでしょうから、ブラジャーもとってあげて」

大屋はためらいの表情を見せたが、酒の勢いもあってか、すぐにブラジャーを亮子のバストからはずしてしまった。二つの豊かな乳房がこぼれた。

「ねえ、綺麗なおっぱいだと思わない?」

美歌はかがみこむようにして姉の乳房を眺め、大屋の感想を求めた。

「そ、そうだね……美しい」

「私なんか、まだちっちゃくて、とてもかなわないな」

美歌はわざと蓮っ葉な口をきいた。

「そんなことないんじゃないのかな」

遠慮がちに大屋が言う。

「あら、大屋さん、私のおっぱい見たことないくせに……」

大屋の面食らった表情を見て、美歌はせいいっぱいコケティッシュなしなを作った。

大屋の酔った目に、濁りが浮かんだ。

「私ねえ、おっぱいに自信がないの。十七にもなると、すごく気になるのよねえ……ちょうどいい機会だわ。先生、ちょっと見てくれる」

「見る?」

「ええ。男の人から見て、私のおっぱい、魅力的なのかどうか……ふふふ、私も酔ったみたい。平気でこんなこと言えるなんて」

大屋の喉仏が大きく上下動した。美歌は思いきったように大屋の手をとると、自分の胸に誘った。大屋が目を丸くした。

「ね、小さいでしょう?」

小悪魔的な笑いを浮かべる。大屋の手に力が加わった。大屋の意思が加わったのだ。乳房は心地よい力で握られた。

「そ、そんなに小さくはないよ」

声が震えている。しかも大屋の目は落ち着かなく、ベッドの上の亮子に注がれていた。

「あ、お姉さんなら大丈夫よ。もう知ってるかもしれないけど、お酒を飲んで寝るとなかなか目を覚まさないのよね。それに……」

そこで言葉を切った美歌は、これ以上はできないという挑発の表情で大屋を見た。

「私ねえ、お姉さんのお酒に睡眠薬を混ぜちゃったの」

大屋の顔色が変わった。驚きというよりむしろ安堵の表情だった。

「本当かい?」

どこかに狡猾な影があった。

「本当よ、ほら……」

美歌は亮子の乳房を円を描くようにして愛撫し、乳首を引っぱるくらいにつまみ、離した。軽い寝息をたてている亮子には、なんの変化も見られない。

「どうして薬なんか……」

「私ねえ、お義兄さんとゆっくりお話がしたかったの」

「お義兄さん」という言葉は、大屋の心の片隅にある親近感を、今まで以上にくすぐった。

「ただ、それだけかい?」

「野暮なこと聞かないで……私、もうせいいっぱいのこと言ってるんだから」

わざとプンッとふくれてみせた。

「ごめん……」

大屋が肩に手を置いた。

「ねえ、見てくれるわね」

チャンスとばかりに、間髪を入れずにネグリジェの胸もとの紐を解いた。大屋はやめろとは言わずに、ただじっと見つめている。

「脱がせてェ」

甘い声で訴えると、大屋はいそいそと手を貸した。

美歌は途中から相手にまかせっきりにした。脱がせようと真剣になっている大屋を見て、美歌は自分の復讐の大半がすでに成功したことを知った。

いつか、この夜のことを姉が知るときがくるだろう。そこで姉は、失われたものがいかに大きいかを知るはずだ。自分の心が引き裂かれたときの痛みを知るだろう。

シースルーのネグリジェが足もとに落ちた。

「ふふ。小さいでしょう」

艶然と笑ったつもりだったが、どこかにぎごちなさが残った。しかし、かえってそれは少女の羞じらいと大屋の目には映った。

「そりゃ、お姉さんは大人なんだから、美歌ちゃんのおっぱいが小さくても仕方ないよ。だけど、正直に言うと、美歌ちゃんのおっぱいのほうが形もいいし、ずっと綺麗だ」

「本当ならうれしいな」

「嘘じゃない、お世辞でもないよ。本当なんだ」

「ああ、その言葉を聞いただけで、体がムズムズしてきちゃったわ」

美歌は両手で胸を抱きしめ、肩をすぼめた。鏡の前で何度も研究したポーズである。

「美歌ちゃん!」

大屋が重く沈んだ声を出して、いきなり乳房に吸いついた。

とうとう誘いに乗った……。

美歌は心の内で快哉を叫びながら、甘い声を出して、大屋の顔を乳房から引き剥がそうとした。あくまでゼスチャーにすぎなかったが、そうされるとかえって大屋は燃えた。

簡易ベッドに押し倒された美歌は、パンティの上をまさぐる生温かい手を感じた。今はもう、灼けつくような欲情の炎が体のなかを吹き荒れるのをどうすることもできなかった。隣りに姉の亮子が寝入っていることが、かえって二十一歳の少女の情念に火をつけ、油を注いだ。

「困るわ……そこまでにして……」

抵抗するプロセスが、美歌には快感だった。男が夢中になり、情欲を剥きだしにして迫る姿はあさましかったが、そうさせたことが自信となり、歓びにつながった。

太腿にとてつもなく長大で硬いペニスが押しつけられた。大屋はそれを意識的に恥丘へと移動させた。ともすると、ペニスはパジャマやパンティの布地ともども、女の割れ目に侵入しそうになった。

「困るゥ……お義兄さんになる人と、変なことできない……」

「秘密だ。ね、二人だけの秘密だよ」

「だって、バレたら怖いもの」

「バレるもんか。二人で協力するんだ。ね、今度もまた薬を飲ませればいいじゃないか」

美歌は沈黙した。

沈黙を了解と受けとめたのか、大屋はパンティをむしり取った。美歌は抵抗をやめた。

そう。彼の言う通り、何回かは睡眠薬を飲ませてやるわ。でも、いつか、何も飲ませないで、お姉さんをセックスの途中で目覚めさせてやる……いつかきっと……。

大屋は乳房に吸いつく前に、二十一歳の美少女の淡い繊毛に目を細め、飽くことなく眺めつづけた。

美歌は、興奮でどうしていいのかわからないといった表情でもじもじした。それも最初のうちは演技だったが、長時間見つめられていると、演技どころではなく、実際に興奮が高まり、体の芯が生温かい愛液でしとどに潤いはじめていた。

「お姉さんなんか較べものにならないよ。美歌ちゃんと結婚したいくらいだ」

乳房に吸いつきながら、大屋は恥丘から亀裂の周辺を優しく愛撫した。手に湿り気が感じられると、指先は小さな肉芽をさぐり当てた。美少女のしなう姿が一青年教師の欲情をさらに昴進させた。

隣りに寝入っている亮子の姿と見較べるのも悪くない。美しい姉妹を手に入れたことで、大屋は有頂天だった。幾日か後に、美歌によって罠が仕掛けられるなどとは夢にも思っていない。残酷な結末が待ち受けているとも知らない大屋は、手でまさぐるだけでは飽き足らず、とうとうずりさがって、割れた肉路に吸いついた。そこが濡れていることに感激した。熟しきっていない果実のように、少し酸っぱい味がする。大屋は喉を鳴らして飲み、伸びる粘膜を強くしゃぶった。

美歌の酔ったような声を耳にすると、もう矢も楯もたまらないとばかりに、上半身を起こした。パジャマを脱ぎ捨て、全裸になる。たぎり立つ肉茎をこれ見よがしにこすりたてる。美歌が顔を上気させて見つめてくる。見られることで、肉棒はますます硬度を増した。

大きく両腿を開かせようとすると、美歌が起きあがって、肉棒をしげしげと見た。

「こんな大きいのが、私のなかに入るかしら?」

「安心しな」

大屋はてのひらに唾液をつけ、それを肉棒になすりつけた。

「……お願いがあるの」

「なんだい?」

「後ろからしてもらいたいの」

大屋はうれしそうにニヤニヤ笑った。大屋は、犯すようなこのポーズが大好きだった。

「どうしてだい?」

「私、見ちゃったの……お義兄さんがお姉さんを後ろ向きにしてハメてるところ……」

「へえ。悪い子だ。覗いてたんだな」

「だって……ドアが開けっぱなしてあったんですもの。あれ見たら、すっかり興奮しちゃって、ときどき思いだしてはオナニーしてたの」

すべてを大屋は真に受けて、興奮の度合いを高めていった。

「よし、いいだろう。後ろ向きになりなさい」

美歌は亮子を目の前にして、ヒップを高々と突きあげた。硬直したペニスが、疼く肉裂をソロリとこする。

お姉さん。近いうちに、あなたは地獄を見ることになるのよ……。

太くて硬いものが、ゆっくりと膣肉を押し分けて入ってくると、美歌は姉の顔近くまでずりあがった。

「ああ……入ってるのね……大きいのが入ってるのね……」

亮子に語りかけるようにして気張った。快感は拓也に抱かれたときよりも、はるかに強かった。姉のすぐそばで、その恋人を寝盗るというスリルが、美歌を忘我の彼方にさらおうとしていた。

抽送がはじまった。

美歌は、いつしか復讐のためという本来の目的を忘れて、歓喜の渦のなかに巻きこまれていった。

完

女教師・挑発授業

2011/11/1 電子版発行

著 者 高 竜也

発 行 株式会社フランス書院

東京都千代田区飯田橋3-3-1

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(c)2011 Tatsuya Koh, Printed in Japan.

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