『監禁婚〜カンキンコン〜』は近藤しぐれの漫画である。『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)2017年12月15日号で連載が始まり、2019年8月20日から同誌のウェブ漫画サイト『ゴラクエッグ』へ移った。女性が男を監禁し、逆レイプと呼ぶ強姦と虐待を重ねるSM寄りのマゾヒスト的エロスが、ページの表に出ている。女性キャラは普段は大きな目の美少女顔だが、怒りが出ると三白眼に切り替わる。
監禁を条件にした結婚
デザイン会社勤めの深間優大は三十一歳。新入社員の西倉穂花に一目惚れし、交際の末に結婚する。穂花は二十三歳。条件は「監禁」と「退職」だった。優大は妻の家で監禁生活を受ける。料理も洗濯も掃除もこなし、仕事も続ける良妻が、同時に暴行し、顔に放尿する。普通に読めばドメスティック・バイオレンスだが、優大は悪態をつきながらも最終的に和解する。
穂花の監禁からいったん解き放たれたあとも、優大は次々と別の女性に拉致され、監禁され、強姦される。膣内射精までは我慢して妻への貞節を守る、という設定で、誘惑のたびに穂花への愛情を確認する構造になっている。会社を辞めたあとは、監禁者の一人である清華の会社へ転職する。
監禁する女たち
二人目は元交際相手の香織である。優大によれば浮気で別れた相手で、結婚を知って嫉妬が重なり、暴行・拉致・監禁に至る。自分の思いを打ち明けたあと優大に自慰を強要し、その様子を見ながら自身も自慰する。優大が穂花の名を出した瞬間に激怒して蹴り、穂花より先に妊娠しようと強姦するが、先にオルガズムへ達して膣内射精には至らない。
三人目は小学生のあやめで、付き人の美冬に優大との性交を命じる。児童を性的プロットに置く回であり、成人向けSM漫画としても問題が大きい。ソースは性格の歪みを両親の不仲に帰し、監禁後に改心して優大の娘になることを夢見る、と書く。四人目は人妻の麻衣。五人目は後輩の清華琴美で、「セクハラを受けた」と言いがかりをつけて拉致監禁する。六人目は取引先の学校の理科教師・東郷紗希で、あやめの担任でもある。打ち合わせに来た優大を拘束し、熱湯をかけて虐待し、妊娠を狙って強姦する。
穂花は他の女に優大が犯される場面では優しい言葉をかけるが、表情には怒気が混じる。優大は様々な誘惑を受けても穂花を愛している、というのが連載を通す軸である。
単行本
日本文芸社のニチブンコミックスから全十巻。第一巻は2018年3月9日(ISBN 978-4-537-13707-1)、第二巻は同年7月27日、第三巻は2019年1月9日、第四巻は同年7月29日、第五巻は2020年2月28日、第六巻は同年8月28日、第七巻は2021年4月28日、第八巻は2022年1月19日、第九巻は同年9月29日、第十巻は2023年12月7日(ISBN 978-4-537-14738-4)。紙のゴラクからウェブのゴラクエッグへ移っても、監禁と逆レイプの型は途切れない。
優大が穂花への貞節を膣内射精の一線で守る、という設定は、監禁される側のマゾヒスト的快楽と、結婚の契約を同時に立てるための方便である。穂花は料理も洗濯も掃除も仕事もこなす良妻であり、同時に顔に放尿する加害者でもある。その二重性が、連載の売りだ。香織の嫉妬、清華の言いがかり、東郷の熱湯——監禁者ごとに口実は違うが、優大が「次の女に捕まる」構造は変わらない。女性キャラが怒りで三白眼になる演出は、美少女顔のままSMの加害側へ切り替えるための視覚的スイッチである。ゴラク系の劇画として、逆レイプと監禁婚を娯楽の表に出した作品である。











