兄嫁は二十八歳 第一章 悩ましき裸体 ~ 第二章 浅ましき性宴 (1/5)
次の話
目次
第一章 悩ましき裸体
第二章 浅ましき性宴
第三章 香わしき淫臭
第四章 狂おしき媚肉
第五章 果しなき情欲
第六章 艶かしき狂態
第七章 恥かしき悶姿
第八章 忌わしき牝獣
第九章 恐ろしき姦計
第十章 愛らしき花蜜
第十一章 麗わしき菊門
第一章 悩ましき裸体
「あっ!……ごめんなさい!」
誰もいないと思って、いきなり脱衣場の引戸を開けた大樹は、衣類篭の前にかがみこんでいた美登利の日焼けした背中を見て仰天した。小麦色の肌に紐状の水着の跡がくっきりと白い。
「あっ……すぐ出ますから」
美登利も不意のことだったのでびっくりしたようだが、声は意外に落ち着いていた。
大樹は引戸を閉めるのもそこそこに、階段を駆けのぼって自室に飛びこんだ。胸の動悸が激しい。頭にカーッと血がのぼったままだった。網膜に焼きついた、美登利の健康そうな小麦色の背中と、かがみこんでいたために大きく張りだしたヒップがぼやけていきそうになるのを、大樹は夢中で記憶の糸に繋ぎとめようとした。
今日の午後、母の志津江と二人で、ブラジルから帰ってくる兄の克也と妻の美登利を、成田空港まで迎えに行った大樹は、六年ぶりに会う兄よりも、兄嫁の美登利を見たことで、一瞬にして体のなかが抜け殼のようになったのを自覚した。
六年という歳月は、新婚ほやほやだった初々しい新妻を、女の魅力をすべて備えた、二十八歳の完熟した女体の持ち主に変貌させていた。もっとも、当時の大樹はまだ大学三年生で、女の美意識に関してはほとんど無関心といってよかった。そして六年後の今、大樹は異性に敏感で健康な、一人の若者に成長していた。
克也は新婚早々にブラジルにダム建設の施行技師として派遣され、大学を出て間もない新妻の美登利もそれに同行した。その二人が、六年ぶりに代官山近くの百瀬家に戻ってきたのは、つい五、六時間前のことである。志津江と大学生の大樹だけの静かな家は、歓迎気分が一気に盛りあがり、通いのお手伝いを交えた宴会は、つい一時間ほど前に終わったばかりだった。
克彦は、わずか一カ月余の休暇で、今度はアフリカへ赴任しなければならない。志津江は、亡夫の生まれ故郷の北海道にあるお墓参りを兼ねて、その地方の温泉に四、五日間、逗留することを提案し、一同はそれに賛成したところで、ようやく三時間近くつづいた歓迎会もお開きになった。
墓参りを兼ねた温泉旅行は、一日ゆっくりした後の、明後日に決まった。
志津江は、明日の午前中に、経営するいくつかの美容院の店長会議があるために比較的早く自室にこもったし、兄夫婦も長旅の疲れで、かつて克也が使っていた寝室に引きこもった。三十分近くがたち、大樹はみんなが寝たものと思って浴室へ行ったのだ。そしてそこで風呂あがりの兄嫁の後ろ姿を見てしまったのである。
大樹は女を知らないわけではない。同じ大学で同じ学部にいる佐伯忍と肉体関係がある。
女体についての認識があったにもかかわらず、大樹は美登利の裸身を垣間見たことで、異常なほど興奮していた。成田空港で六年ぶりに会った兄嫁は、まぶしいくらい美しかった。その印象を心のなかに引きずっていただけに、脱衣場での出来事は、いっそう大樹の心のなかに大きな影を落とした。
絶対に幻じゃなかった……。
大樹は目を閉じて、網膜に焼きついた美登利の裸身を必死に復元させようとした。しかし、映像ははかないものだった。
面影を夢中で追い求めていたとき、ドアが軽くノックされた。
「開けてよろしいかしら?」
今まで追い求めていた美登利の、現実の声がする。
「はい、どうぞ」
大樹がドアを振りかえる。美登利が顔をのぞかせた。頭にタオルを巻き、マリンブルーのバスローブを着ている。微風に乗って、室内に甘い香りが流れてきた。
「お風呂、どうぞ。新しいお湯に入れ換えておきましたから」
「ありがとう」
「すっかり大学生らしいお部屋になったわね。あの頃はゲームなんかがいっぱいあったのに」
そう言って珍しそうに部屋のなかを見まわしている。
ちょっと話でもしていかない……という言葉が口から出かかったが、大樹はその言葉を呑みこんだ。風呂あがりのバスローブ姿の兄嫁を部屋に入れるのは不謹慎だったし、話すことなんか何も思いつかなかったからだ。
「じゃあ、おやすみなさい」
美登利は爽やかな笑顔を残して立ち去った。
大樹は気持ちが浮き立つのを感じた。
美容院を経営する母の志津江は、ヘアデザイナーとしても多忙をきわめている。大樹は小さい頃から鍵っ子で育った。そして、そんな生活を当然のものとして受けとめていた。
六年前、克彦が結婚したとき、短い期間、兄夫婦と同居したことがある。しかし、兄のブラジル赴任が決まっていて家中があわただしく、大樹自身も女性に対する関心が決して高いものではなかった。
六年の歳月は、美登利と大樹を大きく変貌させるに充分だった。浴室に入っても、大樹はさっき垣間見た美登利の裸身を追いつづけた。
不覚にも勃起した。
しようのない奴だな……。
大樹は自分自身に舌打ちした。だからといって、海綿体の充血はおさまらない。忍が傍らにいてくれたなら、と思った。
忍とは昨日、喧嘩をして別れ、まだ仲直りをしていない。今日の午前中の講義に出席したが、そこに忍の姿は見えなかった。わざと欠席したのかもしれない。
昨日、大樹は忍と渋谷のラブホテルに行った。忍の裸身を思いだすと、ペニスはますます膨張してくる。
早撃ちだなんてぬかしやがって……。
帰り際に忍が言った言葉にカーッとして、喧嘩になってしまったのだが、実際その通りなのだから大樹はよけいに傷ついた。
「あなた、少しは耐えることを勉強しなさいよ」
ラブホテルの浴室に入ったときから、大樹のペニスは猛々しく屹立していた。それを見た忍は、一度抜くことを提案した。
「抜くってどういうことなんだよ?」
「いやぁね……知ってるでしょう」
「いや、わからないな」
大樹はその言葉の意味を知らなかった。
「あなたは元気がいいでしょう。ほら、こんなにも」
そう言って忍は、バスタブのなかで怒張に手を添えた。もうそれだけで大樹は腰を震わせた。
「する前に出しておけば、私を抱いてからも少しは長持ちするでしょう」
その言葉が終わらないうちに、忍の手が優しくペニスを上下に擦りはじめた。
「あうッ……」
大樹はぶざまに両脚を開くと、湯のなかで揺らぐ忍の乳房を掴んだ。
「こうやると、もっといいんですってね」
いきなり忍は、ペニスの表皮をズルリと柄元まで押しさげた。眼球の奥を針で刺されたように、大樹の体内にビリッと痺れが走る。そこへ忍がもう一方の手で、雁首の窪みをくるくると撫でまわした。
肉棒が竹ムチを震わせたように激しく震動した。次の瞬間、ピクピクッと痙攣し、湯のなかにポッと白い花が咲いた。
「わあ、千切れ雲みたいね」
忍がはしゃぐ。大樹は恥ずかしくて、あわててバスタブのお湯をかきまわしていた。
浴室から出てベッドに横たわると、確かに忍が言ったように、大樹はいつもより気持ちにゆとりがあることに気づいた。
一度抜いておくと、こんなに効果があるのか……。
大樹は忍の提案に改めて感心したものの、同時に、セックスに関しては自分よりはるかに知識も経験も豊富な忍に嫉妬の感情を抱いた。
これまで、いったい何人の男とかかわりを持ったのだろう?……
大樹はいきなり忍の両腿の間に割りこんで、まじまじと股間を観察した。そこはすでに粘り気のある溶液でぐっしょりと濡れていた。
大樹は少し意地悪な気持ちになり、忍に女陰の状態を告げた。
「だってェ……」
忍の声は甘ったるく湿っている。
「お風呂のなかで、あんなにいっぱい出すんだもの」
「ノブが出させたんじゃないか」
大樹は忍のことを親しみをこめて「ノブ」と呼んでいる。
「そうだけど……びっくりしちゃったわ」
射精を何度も見ているはずなのになぜ驚くのかわからないが、忍が興奮したのは確かなようだ。指先で充血しはじめた肉唇を小突くと、忍は短い悲鳴をあげた。肉唇が生きたアワビのようにぬめーッと蠢いて、ひとりでに左右に開き、奥に溜まった蜜液がトロリと流れだした。
「ねえ……あなた……一度出したんだから、少しは私も楽しませてね。いつもみたいに、すぐに出しちゃいやよ」
「わかってるよ」
忍を楽しませてやろうとしているのだが、若い大樹にはねばり腰がない。大樹よりもはるかに経験豊かな忍には、それが不満でならないのだ。だから、いつもそのことで忍はグチをこぼす。
でも、今日はなんとか頑張れそうだな……。
大樹は忍以上に、一度抜いたことの効果を期待した。
女は焦らせば焦らすほどよく濡れ、男に従順になる--先輩の話や、雑誌に書いてあったことを大樹は思いだしながら、紅褐色の鼠蹊部を爪の先で撫でた。
途端に、太腿の付け根がピクピクッと小刻みに痙攣する。上眼づかいに忍の表情を盗み見る。細い顎を突きだして、顔を悩ましげに振っている。そうせずにはいられないのか、しきりに右手で乳房を支えるように持ちあげる。よく観察すると、人差し指と中指で飛びだした乳首を両側から挟みつけ、円を描くように揉んでいる。
忍は、快楽に関しては貪欲なのだ。男は、そんな女の姿に圧倒されながらも共鳴する。
待ってろよ。もうすぐ、もっとよくしてやるからな……。
大樹はそう決心し、忍への愛撫にとりかかった。だが、実際には愛撫ははじめなかった。触りそうで触らないのがいいと、雑誌で読んだことがある。今までに何度となく見ている狭小な部分を、まずは細かく観察する。
こんなにじっくりと見つめたことはなかった。ただ見ているだけなのに、なんだかドキドキする。
「ねえ……ねえったら……」
忍が腰を何度もせりあげる。強く触ってもらいたがっていることは明白だったが、大樹はあえて無視した。
忍とのセックスで、大樹が主導権を握ったのは、これまでに一度もない。だから少しいい気分である。優越感が心地よく全身を包む。
間歇的に震える秘唇の間から、愛の蜜がポタポタと滴っている。女体がいかに男の愛撫を欲しがっているか、経験の浅い大樹でもよくわかる。
「ねえったらァ……」
またも忍が苛立った声を出す。
「触ってェ……どうしたの? 今日に限って……」
確かに今日のおれは、いつもみたいにガツガツしていない……と大樹も思った。
「ノブが抜いてくれたお蔭だよ」
「フフフ……私の言った通りでしょう。でも、いつまでも見ていないで早く触って……むず痒くてたまらないの」
忍はセックスになると、大胆に、そして率直にものを言う。
「あっ、そうだ」
何かを思いついたように大樹が叫んだ。
「何よォ……」
「そんなに痒いなら、自分で触ってごらんよ。見たいな、忍のオナニー」
大樹は、電話で忍とテレフォン・セックスしたときのことを思いだした。受話器から伝わってくる悩ましい声を聞きながら、電話の向こうで忍がどんな姿で自分を慰めているのかを想像し、ひどく興奮したものだ。
「あなたがいるのにオナニーすることはないわ。あなたがいじってよ……いじって欲しいの」
「そんなに触ってもらいたいのかい?」
聞くのもテクニックの一つだと知ったのは、最近のことである。お互いに卑猥な言葉をやりとりしているうちに、燃えてくる。前戯は実際の行為だけではないのだ。
「すごく濡れてるのよ。わかるでしょう……ああ、焦れったいわ! 早く触ってェ……ねえ、あなた、早くゥ」
甘い声というより、すでに半泣きになっている。それに、匂いがきつくなった。秘口はすでにしっとりと濡れそぼっている。男を誘う匂いはそこから立ち昇ってくる。
やるせなさそうに忍が腰をよじった。縦に細長く割れていた美肉の裂け目がジュクッと音をたてて歪み、ねっとりとした媚液を噴きだした。
大樹は指先でその粘液をすくった。ぬるついた秘肉に指先が軽く触れただけなのに、忍は瞬間、ハッと息をつめて全身を緊張させた。もう一度、柔肉をチョンと押す。
「ああっ、それ、いい!……それ、もっとしてェ」
忍が切なげに訴え、股間をぶるぶると震わせた。
大樹は人差し指だけを使った。指の腹の部分で恥毛の途切れた秘唇の縁をやさしく擦る。忍はうっとりと鼻息をもらして両脚を思いっきりひろげた。濡れた花弁がパックリと、いっぱいに開いた。
性体験が豊富なわりに、割れ目の色合いは淡く美しい。それでいながら女陰はぽってりと肉づきがよく、練れた感じがする。
「ここ……ここを撫でてェ」
忍は揃えた三本の指をこんもり盛りあがった恥丘の上に置き、恥毛の生えた皮膚全体を上方へ引っ張った。女陰の表面がひきつれたように圧迫されると、それまで少しだけ顔をのぞかせていた肉芽が、表皮を押しのけてピョコンと飛びだした。キスチョコを膨らませたようなクリトリスは、桜色に染まって、今にも内部から破れそうにつややかに光っている。
大樹は、電話で忍にオナニーをさせたとき、彼女が集中的にクリトリスを揉みたてるのだと聞かされた。C感覚(クリトリス)とV感覚(ヴァギナ)では、感じ方が違うらしい。膣に指を入れるのは邪道だ。そこはあくまでも男のペニスを受け入れて、究極の快感を得るべきものというのが忍の持論らしい。
大樹は、可憐な突起を撫でてみた。
いきなりだったので、忍が受けた快感は強烈だった。忍は腰を跳ねあげてのけ反った。ズルリと子宮がさがるのがわかった。
だが、すぐに指は遠のいてしまった。
「あああッ……あなた、意地悪しないでェ。ちゃんといじって……舐めて欲しいの。ねえ、舐めてェ!……」
忍は誇りを捨てた。裸のままの自分をさらけだすと、どんな淫らなことも平気で言えたし、それを実際にやってみることも一向に恥ずかしいとは思わなくなった。
「ここ、こうやって……ねえ、お願い」
忍は細くしなやかな人差し指と中指で、すっかり膨張した肉芽を挟みつけると、ゆるやかに円を描いた。それが忍のオナニーのやり方なのだろう。
「わかった。やってやるよ」
大樹は自信がみなぎってくるのを感じた。いつも主導権を握る忍が、今は恥も外聞もかなぐり捨てて愛撫をねだっている。女の秘密の姿をさらけだしている。いい眺めだった。刺激的で、身も心も揺さぶられる光景だ。大樹は、また一つセックスの楽しさを知ったと思った。
忍の指に代わって、大樹の指がクリトリスを挟んだ。溢れだした花の蜜にまみれているので、ツルツルとよく滑る。
摩擦感が薄れるから、忍にはつらい試練だった。それでも、自分の指では絶対に得られない快感が小波のように湧きあがり、ゾクゾクと全身を震わせる。
「ああっ……ああああっ」
忍の甲高い声が、それまで停滞していた室内の空気を撹拌した。忍の快感は、大樹にとっても快感であり、歓びであった。
会陰部を伝って尻肉の谷間に流れ落ちた愛液は、糊のきいたシーツに大きなシミを作った。
「触りながら舐めて……言う通りにして……あなた、お願いだからして」
忍は、わがままという伝家の宝刀を抜いた。こうなると、主導権を握ったはずの大樹も従わざるを得ない。それは、忍という貴重な存在を手放したくないからだ。
容姿が美しい忍はどこへ行っても男たちの注目の的だ。頭もきれる。才色兼備というやつである。それだけに、言い寄る男たちは星の数ほどいる。大樹にとって、そんな美しい忍が恋人だというだけでもうれしい。そしてそれ以上に、セックスの相手をしてくれる唯一の女という点で、必要欠くべからざる存在といえる。だから機嫌をそこないたくない。
「早くしてェ」
哀願調ではなく、いつのまにか命令調に変わっている。わがままなことは確かだが、それよりも性を享楽することに、とことん貪欲なのだ。
二十一歳の女体が狂おしげにベッドの上で躍っていた。
大樹は、匂いたつ女陰の上に身を乗りだすようにして、小気味よく震えているクリトリスを舌先でねぶった。忍の甘い声が快く耳に響く。舌のざらついた部分で肉芽の頂きを擦ったかと思うと、裾まわりをチロチロと掃き、ときには上下の唇を吸盤状にすぼめて肉芽にスッポリとかぶせ、チュウチュウと吸いたてる。
密度の高い性感帯に強弱さまざまな快感と刺激が生じた。忍は荒い息をもらしてベッドを軋ませた。
舌を充分に駆使しながら、大樹はそっと指先で秘口をまさぐった。肉唇が絡みついて、膣のほうへと引っぱりこもうとする。膣をグイッと貫き、すぐさま引きあげてみた。
いたたまれないのか、忍の腰がせりあがって追ってくる。また、スーッと押し入れる。
「あっ、あんっ……それ、いいっ」
トロリとした愛液が指先に注がれる。次にはその指で割れ目の縁を撫でまわす。
クリトリスと膣、それに肉唇を同時に責めたてられた忍は、もうたまらなくなったようにバリバリとシーツをかきむしりながら全身をうねらせた。
「あああ……駄目! 入れてェ……早く入れてェ!」
ひときわ大きな声で催足すると、みずから膝の裏に手をあてがい、両脚を抱えこんだ。太腿が下腹につくほど、体が二つに折れ曲がった。
大樹の眼前で、股間の裂け目がすべて露わになった。湧出するおびただしい量の蜜液にまみれた、貪欲な淫ら花だ。大樹はいきなり、三本の指を膣へ突き立てた。
不意討ちのような予告なしの侵入は、痛みにも似た強烈な快感を忍にもたらした。望んだ本物のペニスではなかったものの、指が生みだす心地よさもまた格別のものだった。忍は指と交合するかのように腰を振りたてた。
大樹がその動きに便乗して、三本の指で膣壁を擦ったかと思うと、子宮を抉るように奥に溜まった快液をすくいだしたりもした。
女肉の貪欲さは目を見張らせるものがあった。大樹は膣奥に差し向けた人差し指と中指、薬指が、強烈な締めつけにあって食い千切られそうになるのを感じた。しかも、どこから湧くのか、生温かい溶液が絶えずピッピッと浴びせられる。
「ああっ、いい!……いいわ……とってもいいの」
忍が今にも達しそうな嗚咽をもらす。大樹はあわてて指を引き抜いた。
「ああっ、いやだァ……どうしてなの!」
忍は今度は、泣き声をあげた。
大樹は目の前の、縮れた恥毛をべっとりと貼りつかせた女陰をまばたきもせずに見つめた。淫らな女の口は、牝の匂いを放ちながら男の逞しいペニスを待っていた。
大樹はいったん割れ目に唇を押しつけてから顔をあげると、中腰にかまえた。忍が極限にまで両脚を開いた。
熱くて硬い肉の帆柱がズルッズルッと肉襞をそぎ落とすようにして窪みを抉っていく。
「あああああぁぁぁ……」
長く尾を引く嗚咽は、いかに忍がこの瞬間を待ち望んでいたかを如実に物語るものだった。すぐに忍は両脚を大樹の脚に絡め、隙間もないほどの密着度を保つと、そうせずにはいられないように下から腰を突きあげはじめた。
「あああっ……いいのォ……してェ、してェ……あなた、もっと突いて!」
ところが、それまで平静だった大樹も、肝心のペニスを胎内に送りこむと、にわかに落ち着きを失った。忍の狂態が刺激的だったし、女陰が容赦なくペニスを締めつけ、揺さぶるからたまらない。指では何も感じないが、ペニスは男にとってもっとも敏感な器官である。ましてや大樹は二十一歳と若い。セックスの経験もそれほどない。なんとか十数回は抽送を繰りかえすことができた。しかし締めつけに加えて忍が激しく腰をつかうので、とうとう我慢できなくなってしまった。
「あーっ、ちょっと待って……」
あわてて忍の動きを制しようとした。けれども、セックスの魅惑に我れを忘れ、本能のままに全身を揺さぶる忍には通じない。
「だ、駄目だ!」
ひと声叫ぶと、大樹は忍にしがみついて全身をあわただしく痙攣させた。
快感を取りこむことに夢中になっていた忍も、さすがにこのときばかりは男の終局をはっきりと感じとった。
「いやっ! まだ出さないで!」
悲鳴をあげた、そのときには力強い噴出を、確かな手応えとともに胎内に感じていた。忍の膣内は、次から次へと噴きだす大樹の精液で満たされた。
取り残された忍は、やがてぐったりと体の重みを預けてきた大樹を邪険に突き飛ばした。
「あなた、どうしてそう早撃ちなのよ!」
そういって毒づく。それがもとで、二人は気まずい思いで喧嘩別れをしてしまったのだった。
昨日は、おれも悪かったけど、忍だって、あんなひどいことまで言わなくてもよかったんだ……。
大樹はバスタブから出ると、ひんやりしたタイルの上に座った。分身はますます勢いづくばかりで、手のほどこしようがない。目を閉じると、兄嫁のビキニの水着の跡がくっきりとついた後ろ姿が浮かんだ。
「美登利さん……」
小さな呟きは、やがて熱い吐息に変わった。
五本の指に握られたペニスは、表皮を何度か擦ると呆気なく爆発した。しかし、ぐったりした大樹の閉じた瞼の裏には、兄嫁美登利の面影がほんのりと映しだされて、いつまでも消えることがなかった。
第二章 浅ましき性宴
翌日。帰国したばかりだというのに、兄の克也は挨拶まわりや仕事の連絡で、朝早くから家を出ていた。
「亡くなったお父さんと一緒で、働き虫なのよねえ」
志津江は、克也の行動を予測していたのか、さして気落ちした様子も見せずに、彼女もまた早々とチェーン店の店長会議のために、後を追うようにして出かけた。
家に残されたのは、大樹と美登利だけになったが、九時をまわると通いのお手伝いの梅子がやって来た。
百瀬家は、大きなマンション群に取り囲まれた古い屋敷である。庭には、かつての武蔵野の面影を残した、種類の異なった木々が多く繁っている。だから、家のなかを高いところから覗かれるという心配はない。土地高騰のさなか、大手の建設会社や不動産企業から、土地を譲らないかという話が持ちこまれているものの、志津江は断固としてそれを断っていた。今では、このあたり一帯では貴重な存在として多くの人たちから価値を認められている。それは土地の価値というよりも、小鳥や虫などが飛んでくる豊かな自然環境の存在価値を認められているということにほかならない。
大樹が起きたのは十時すぎだった。FMラジオを流すと、すぐに大樹が起きたのだと察知した梅子が、「部屋を掃除します」と言って入ってきて、バタバタと窓を開け、掃除機を使いはじめた。
大樹が生まれる前からいる六十すぎの梅子は、百瀬家から歩いて七、八分の恵比寿駅近くに、息子夫婦と住んでいる。何一つ不自由のない生活を送っているにもかかわらず、「体を動かさないと気持ちが悪い」と言って、息子が「いい加減に働くのをやめたら」と言ってもきかずに、休日以外は必ず九時にやって来て、夕食作りを終えてから帰る。
大樹は掃除が終わるまでの間、庭に出てゴルフのアイアンを振りまわした。
庭の片隅に小さな納屋があり、そこにトレーニング用の器具が入っている。大樹はクラブに入って活躍するようなことはなかったが、学生の頃から運動が得意で、水泳でもテニスでも陸上競技でもうまくこなす。ゴルフ・クラブを百回以上も振りつづけていると、さすがにびっしょりと汗をかいた。それを繰りかえしながら、チラチラと兄夫婦の部屋のベランダを見あげていた。
起きだしてから、まだ兄嫁の姿を見ていない。
梅子が階下におりてきたので、それをしおにゴルフのスゥイングをやめて浴室に向かった。シャワーを浴びて出てくると、買い物から戻った美登利と廊下で出会った。大樹は短パンに上半身裸だった。
「明日からの旅行の買い物をしてきたの」
美登利は華やかな笑顔でそう言うと、大樹が肩にかけていたバスタオルを手にとった。
「!?…………」
「まだ、こんなに濡れているわ」
そう言って、大樹のうなじから背中にかけて丁寧に拭いていく。
大樹は、汚れたおしめを替えてもらう赤ん坊のような、不思議な優しさと甘さを味わった。
「はい、もう大丈夫よ」
肩を軽く叩かれると、今度は六年間の空白がいっぺんに埋まるような親しみを感じた。
昼食の席で、美登利は、温泉旅行の計画について、あれこれと楽しそうに話した。その美しく動く唇を見ているだけで、大樹は幸せな気分になっていった。
六年前、百瀬家に嫁いできた頃の美登利は、人形のように可愛くて初々しかった。ただ、当時まだ学生の大樹にとっては、兄嫁としての美登利の存在は身近なものではなかった。ブラジル赴任が決まった克也のためにあわてて結婚式をあげたというのが実情だったし、一緒に暮らした期間もきわめて短い。
一人の若い女性の存在が、こんなにも気分を華やいだものにするのかと、内心で大樹はワクワクしながら、美登利と一つ屋根の下に住むことの幸運に酔った。
志津江は、経営する美容院のチェーン店の店長会議をすませて一同と会食した後で、すぐに家に戻ってきた。やはり、明日からの北海道旅行が楽しみで、落ち着いて仕事をする気にならないらしい。
大樹は、みんなが忙しく動きまわっている間に、何度か佐伯忍に電話を入れた。しかし、いつも留守番電話のテープが同じ言葉を繰りかえすだけだった。
夜になっても、忍からの電話はなかった。
本気で怒ったのかな……。
不安はあるものの、美登利が傍らにいるというだけで、いつのまにかそんな心配も忘れていた。
克也が帰宅したのは十一時をすぎてからだった。風呂に入れないくらい酔っている。あちこちで同僚や先輩たちに歓迎攻めにあったらしい。
「もう、このまま寝かせましょう。明日が早いんだから」
志津江の提案に美登利も賛成し、三人がかりで克也を部屋に運んだ。そのとき大樹は、敷かれてある二枚の布団の位置が、あまりにもくっつきすぎているのに気づき、得体の知れない、嫉妬にも似た感情を抱いた。
翌朝の八時に、百瀬一家はあらかじめ頼んであったハイヤーに迎えられて羽田に向かった。さすがによく眠ったとみえて、克也の表情もすっきりしている。
空の旅は快適で、家を出てから三時間後には、一家四人は女満別空港に降り立っていた。
川湯温泉のK旅館から出迎えの小型バスが来ていたが、それに荷物だけを預けると、四人はチャーターしたタクシーで阿寒湖から弟子屈を経て、屈斜路湖へまわった。そして湖沿いに目的地の川湯温泉へ着いたのが、午後五時近かった。
「お母さん、二つも部屋をとることないじゃないか。大きな部屋一つでよかったのに」
大樹は、夕食を終えて兄夫婦がもう一つの部屋に引きあげると、口を尖らせた。
「でもねえ、美登利さんが気をつかうと悪いから」
「じゃ、うちにいるとき、美登利さんは気をつかいっぱなしなのかな」
「それとこれとは別よ。とにかく私たちだって、二人だけのほうがリラックスできるじゃないの。ね、そうでしょ」
志津江は持参したゆとりのあるネグリジェに着替えると、女性のマッサージ師を呼んだ。
夕食をすませて、ゆっくり温泉につかった後なので、もう時間は遅かった。旅の疲れもある。それに、今日は志津江の五十三回目の誕生日ということもあって、少し酒も飲んでいる。マッサージをしてもらいながら、志津江は心地よさそうな寝息をたてて眠りこんでしまった。
一人でテレビを観ていた大樹は、マッサージの人に耳打ちして、そのまま帰ってもらった。そして部屋の明かりを暗くすると、ぼんやりと、そこだけ光を発しているテレビの画面に目を向けた。ちょうど十一時のニュースがはじまった。
まだ十一時か……。
大樹は眠る気にはならなかった。せっかく来た温泉なのだからと、大樹はタオルを手に部屋を出た。
兄を誘って大浴場にでも行ってみよう。そんな軽い気持ちで隣りの兄夫婦の客間のドアに手をかけた。閉まっていたら諦めるつもりである。
この旅館は、ドアを開けると洋間風の部屋だが、その奥の一段高くなった部分は畳が敷かれて、和風の造りになっている。ドアが難なく開いたので、大樹はそのまま奥に向かおうとした。だが、洋間部分の照明は消えていたのでほんの一瞬だけためらった。奥にある日本間にだけ、電気スタンドの明かりが点いていた。
大樹は、その光のなかで展開されている異様な光景に、脳天を殴られたような衝撃を受けた。他人の情事を見たのはこれが初めてであった。
しかも二人は奇妙な格好で、布団の上に横たわっていた。お互いが性器を舐め合う、いわゆるシックスナインの体位が視界に飛びこんできた。
大樹は夢の世界に迷いこんだような錯覚に陥った。あまりにも身近な兄夫婦のセックスについて、まったく無関心であっただけに、目の前のショッキングな事実は、まさに青天の霹靂であった。
いけない。早く立ち去らなくては……。
そんな気持ちがあるのに、まるで足が接着剤で床に貼りついたように動かない。
布団の位置の関係で、美登利の開いた両脚が大樹のいるほうに向いている。しかし、克也の頭がそこに覆いかぶさっていて、肝心な部分は隠れていた。
兄は両膝を立てて体重をカバーし、そのまま下半身を預けるようにしていた。大樹側からはよく見えない兄嫁の顔面に乗せているようだった。克也の両脚を抱えこんでいる美登利の白い二つの腕が悩ましかった。
大樹はこのときになって初めて、母が二つの部屋をとったことの意味を悟った。温泉地で寛いだ気分になった兄夫婦が、このように二人だけの世界に浸りきるのを、母は予測していたに違いない。
「あああっ、あなたぁ……」
いつも溌刺としている美登利の甘えた声を聞くのは、大樹にとって初めての経験だった。
克也が少しだけ股間から顔を離した。大樹は淡紅色に染まった兄嫁の割れ目と、そこを縁どる繊毛を見た。それは、今まで見た女の秘部のなかで、一番美しいものに思えた。
もっと見たい!……
だが、兄の頭が邪魔をしている。
「どうした? 美登利」
優しい兄の声だった。
「あああ……溶けてしまいそう……ほんとにそうなの」
半ば泣いているような美登利の声だ。大樹にはその声で、美登利がどんな状態になっているかがよくわかった。兄にとって代わりたいと、大樹は痛切に思った。
「そんなにいいのか?」
「もう死にそうなくらい……ああ、早く入れて欲しいの」
大樹は、美登利の大胆な発言に驚きながらも、激しく欲情した。
入れて欲しい……それは上品な美登利にはまったくふさわしくない言葉ではあったが、大樹はもっともっといやらしい言葉を聞いてみたかった。
「まだはじめたばかりじゃないか。もっといろいろしてから入れてやるよ」
「また出すの?」
「ああ。呑んでくれるね」
克也の顔が再び股間に貼りつくと、美登利はそれまでM字形に立てていた両膝をピーンと伸ばした。足の指先が反りかえっている。
「ああっ、あなたァ……あなたァ!」
再び美登利は両脚を高くかかげたと思うと、克也の首を抱えこむように巻きつけた。
その淫らな構図に、大樹はひどく興奮した。
「く、苦しいじゃないか」
振りほどくようにして克也が股間から顔をあげた。
兄嫁の開いた両脚の中心を縦に走る肉溝を、大樹はまともに見ることができた。だが、その貴重な一瞬は、すぐに克也と美登利が向き合う形で座ってしまったので、はかなく幻のように消えてしまった。
代わって見事に盛りあがった二つの乳房が全容を現わした。それは大きなメロンを二つに割ってくっつけたようであった。
さくら色の乳首からは甘い汁が出るのではないか、と大樹は思った。
克也が膝立ちで中腰になると、節くれだった肉柱が、まるで威嚇するように美登利の顔前で脈動した。それを凝視する美登利の目は露んだように潤み、朱色に染まった肌は、磨きをかけたように生きいきと輝きを放っていた。
克也が両手で美登利の髪の毛をまさぐり、次第に自分の下腹部のほうへと引き寄せた。距離が狭まるにつれて、美登利の美しい唇が大きく開いた。
ああ……。
大樹は、自分が兄嫁にフェラチオをうながしているつもりになって、寝巻の前を割ると、はちきれんばかりに硬く熱化したペニスを引っぱりだした。
美登利が、長く細い指で、むくつけき肉塊を握った。それは美女と野獣の対比のように露骨であったが、それだけになんともいえない淫蕩な光景であった。
美登利のめいっぱい開いた唇の間を割って、剛棒の先端の丸味を帯びた雁首が捻じこまれた。苦しそうに見える美登利の表情には、よく見ると陶酔の色が濃く滲みでていた。それはまさしく、性愛の歓びを熟知した人妻の、官能の表情にほかならなかった。
天井に顔を向けて目を閉じている克也は、すべてを妻に任せきっていた。美登利は、ただ咥えているだけではなかった。時折り口から吐きだしては、茎の周囲をアイスキャンディでも舐めるようにペロペロと舐めしゃぶり、重く垂れさがった玉の袋をてのひらに包んで、やわやわと揉んだりもした。
徐々に克也のペニスに緊張感がみなぎってくるのが、覗き見している大樹にもよくわかった。大樹もまた、自分自身で握りしめたペニスから生じる疼きに耐えられなくなっていた。
克也の、低いが、いかにも心地よさそうな呻き声が長く尾を引いた。その声に震えが加わった。心得ているのか、美登利がピッチをあげてペニスの表皮を擦る。その馴れた手つきに、大樹は夫婦の絆の深さを知った。
克也が全身を硬直させて、小さく「出るぞ!」と口走った。次の瞬間、美登利の両頬がプアーッと膨らんだ。唇の端から白い濁り液が数滴、糸を引きながら下に落ちた。美登利の喉が、まるで音でもたてるように激しく上下に動いた。大部分は呑みこんだようであった。
克也はそのまま崩れるように横たわった。萎えたペニスを、美登利が慈しみをこめた舐め方で清めている。それにつれて、肉茎に復活の兆しが見えはじめた。
半勃起の状態で、中途半端に揺れている。美登利は克也の両脚をひろげると、その間に腹這いとなった。そうして顔を捻じ曲げ、二つのボールをくるんだ皺々の垂れ袋を、猫がミルクを舐めるように舌を突きだして舐めまわし、右手でペニスを握って擦りたてる。去就を決めかねていたような肉棒は、たおやかな女の舌と指の動きで、たちまち元気を取り戻した。
「あなた、立派よ……すごいわ」
嬉々としたその声は、充分に性的な遊戯を楽しむ余裕が感じられた。
美登利は起きあがって、惚れぼれと怒張を眺めた。妖しく表情が変化した。慎み深い女になったかと思うと、娼婦にもなり、あどけない少女にも変貌する。大樹には、それがたまらなく刺激的だった。
ひとしきり、美登利は夫の下腹部から太腿のあたりを丁寧に撫でさすっていた。そうしているうちに、屹立したペニスの先端から少しずつ露玉が滲みだし、亀頭の丸い稜線を伝わって幹のほうにまで流れだした。
兄嫁のなにげない手つきに触発されて、兄が気持ちよくなっていることを知った大樹は、自分がそうしてもらいたいと心から思った。大樹の握りしめたペニスの先端からも、ジクジクと先走りの樹液が溢れでていた。
美登利さんに舐めてもらえたら……。
全裸の兄嫁が自分の前にひざまずき、愛情をこめて大樹の怒張したペニスを舐め、しゃぶる!
そのシーンを想像しただけで、大樹のペニスははじけそうに高まった。そして、もしそういう現実が訪れたとしたら……と考えると、全身におこりにかかったような震えが走るのを自覚した。
美登利の愛戯を見ていると、克也の肉体を玩具にして、自分の欲望のおもむくままに遊んでいるように思われた。そして克也もまた、遊ばれることに歓びを感じていることは明らかだった。
セックスにおける前戯について、大樹もある程度は知っているつもりだった。しかし兄夫婦の実践的行為を見ていると、自分のやり方の甘さや弱点がよくわかる。確かに忍がもの足りなさを感じるのも無理はない、と認めざるを得ない。
美登利が何事か囁くと、克也が大きくうなずいた。美登利はひとしきり夫の全身をくまなく舐めまわしてから、ふっと腰を浮かせた。背中を見せていた美登利の雄大なヒップの谷間から、肉の裂け目が垣間見えた。美登利は夫の体をまたいだ。二人だけの世界とばかり思って疑わない美登利は、他人の目を意識しないから、大胆なポーズをとる。
大樹にとってはたまらない見世物であった。息を殺していることに耐えられなくなりそうになる。大声で今の歓びを叫びたかった。
美登利のポーズは、あまりにも淫らすぎた。力士が仕切って見合うように両脚を開いて、心もち前傾姿勢をとるので、後方にヒップが大きく突きでる。両腿が大きく開いているから、女の恥部がすべて露出する。まるで、大樹に見せつけているようだ。
その淫靡な眺めを、大樹は心ゆくまで堪能した。美しい兄嫁も、忍や他の女と同じように、一見グロテスクとも思える女の淫らな構造を持っている。
美登利さんだって普通の女なんだ。忍が露骨に〝したい〟と言うように、美登利さんだって同じ気持ちになることもあるんだ……。
そう思うと、大樹は兄嫁の存在を今まで以上に身近に感じた。
美登利もただの女……この発想は、その後の大樹の女性に対する考え方に大きな影響を与えた。
決して雲の上の存在ではないのだ。
美登利の姿には、今まで見せたことのない隙ばかりが目立った。人間は、トイレに入っているときと、セックスのとき、あらゆる弱点をさらけだすという。まさに美登利がそうだった。
開いた股間から、克也の屹立したペニスが見える。美登利はそれを掴むと、淫水の滴る秘口を近づけていった。わずかだが、雫の付着した恥毛が股間から見えていた。
卑猥にして美しい光景に、大樹は心を奪われた。
いよいよ入れるんだ!……
しかし、大樹の予想ははずれた。美登利は握ったペニスの丸い先で割れ目の縁を何度も擦った。そうしながらのけ反り、今にも倒れるのではないかと思われるほど、不安定に上半身をぐらつかせた。
それが快感によるものであることを、大樹は理解した。接触した粘膜から愛液が納豆の糸のように粘つきながらペニスに付着する。真後ろから覗いている大樹は、兄嫁の淫らな技巧と、愛液の多さに度胆を抜かれた。
「あなたァ……あなた、見て。こんなに濡れちゃってるわ」
「さっきから見てるよ。いい眺めだ。お豆がすっかり剥けて、飛びだしているじゃないか」
「そうよ。気持ちよくって変になりそうなんですもの……あああ、見てないで触って。クリトリスをいじめて」
美登利の体に遮られて、前方で何をしているかよくわからないが、きっと妻が望んだことを克也がやったのだろう。美登利は「うわわ!」と今にも飛びあがらんばかりに腰を跳ねあげた。
「そうよ! いいわ。それ、いいっ!……ああっ、もう駄目ェ」
「痛くないのか?」
「大丈夫よ。もっともっと強くいじって……あっ、あーん……イッちゃいそう」
中腰に体を支えているのが困難になったのか、美登利は急にガクッと腰を落とした。すると、今まで擦れ合っていたペニスと割れ目が、急に一つになった。ペニスは一気に女体のなかに姿を消した。二つの性器が完全に結合し、密着したのだ。
その瞬間の衝撃的な摩擦感に、二人は悲鳴に近いよがり声をあげた。
「うううっ……きついわァ」
「いい感じだ。美登利」
背骨をしなわせながら、美登利は奔馬を操る西部女のように腰をつかった。逞しい躍動美だ。ひしゃげる果肉と淫水のはじける音が、物蔭で見ている大樹の耳にまで達した。
美登利の腰が大きく弾むと、ヒップの合わせ目からのぞいている肉の裂け目も極端に変形する。秘唇の中央に突き立っているペニスが、見え隠れしながら、美登利の腰の動きにともなって右や左に折れ曲がりそうになる。歪んだ秘唇の隙間から、濁った粘り気のある溶液が押しだされて克也の玉袋を濡らし、さらに尻肉のほうへと流れた。
二人の動き方は緩慢で、見ている大樹は、とてもあんなに落ち着いてはできないと思った。
おれだったら一分ともたないだろうな……。
それが正直な感想である。あれくらいできれば、忍からも〝早撃ち〟などと侮辱されないだろう。
「あなたぁ……ああっ!」
「駄目だ、まだだよ」
「ええ、わかってます」
二人の動きが、いったん静止した。美登利は息を整え終わると、ゆっくり時計の針が進む方向にまわった。秘口にはペニスが挿入されたままだから、それを軸にしたわけだ。それまで大樹は、兄嫁の背中やヒップを見る立場にあったが、美登利の方向転換によって、美しい顔や豊かに突きだした胸の隆起、そして剛棒を突き立てられた女陰を真正面から見ることになった。もちろん物蔭に隠れているから、美登利はまるで気づかない。
こんな体位もあったのか……。
大樹は目を凝らして、兄嫁の恥毛の下の洞穴を見つめた。
克也のペニスがほとんど根元まで埋めこまれているので、秘唇が今にも裂けそうにひろがっている。左右に割れた肉溝のまわりは、太くて逞しいものを取り囲みながらヒクヒクと蠢いている。ゴム膜のように伸びきった部分に、短毛がチロチロと生えている。肉唇が赤褐色に染まって痛々しく映ったものの、実際は快感に痺れているのかもしれない。
おっ!……
大樹は、包皮から完全に脱皮しているクリトリスに目を見張った。ピラカンサの実にも似た緋紅色の肉核は、忍のものなど比較にならないくらい膨らんでいる。
美登利が上体を反らして、ゆっくり腰を揺らした。そうしながら左手で乳首を摩擦し、右手で肉芽をいじっている。セックスしながら、同時にオナニーしているようなものだ。
性に貪欲なそのポーズは、若い大樹をこよなく刺激し、挑発した。大樹には兄嫁の変わりようが、どうしても信じられなかった。待ちに待った克也のペニスを濡れた女陰に取りこんだのに、それでも物足りないといわんばかりに、他の性感帯も自淫するなんて。だが、いくら目を擦っても、数メートルと離れていないところで起きていることは、幻ではなく現実なのだ。
忍の姿をだぶらせてみた。忍もわがままだが、普段は清純そうな女子大生である。それがセックスになると積極的になり、意のままにならないとヒステリックな状態になることもある。
美登利は満たされているせいかヒステリックにはならないが、それでも充分に快感を取りこむ姿勢を崩さない。とても欲張りな感じがする。
大樹にはむしろ、それが好ましかった。奔放な兄嫁の姿を見る幸運を喜んだ。
「あなた、腰のあたりを撫でて……そう、そこがとっても感じるの。ゾクゾクするわ……あああっ、いいっ」
相乗効果がもたらす鋭い性感に、美登利は歓びの声をあげてうねった。
二人はいつも、こんなふうにたっぷりと時間をかけてセックスを楽しんでいるのだろうか……。
言葉は少ないものの連係プレーは見事である。六年間の夫婦生活は、かくも息の合う行為をもたらすものかと大樹は舌を巻いた。自分が兄であったなら、とてもこううまくはいかないだろう。五分、いや二、三分ももてばいいのではないか。
大樹のペニスは、先端から滲みでた分泌液で、茎の部分はもちろん、袋までぐっしょり濡れていた。
再び美登利が、半円を描くように克也の上で動き、元の騎乗位の形に戻った。克也がそれを待っていたかのように、踏ん張りながら上半身を起こした。あぐらをかいて座った克也の大腿の上に、美登利はしがみつくような格好になった。ピタリと二人の胸が合わさり、美登利の大きな乳房が克也の胸板に押しつぶされて左右から脇にはみだす。
二人は唇を舐め合い、吸引し合って、楽しそうに戯れている。時折り美登利は、胎内におさまった硬いペニスの存在を確かめるように、密着させた下腹部や腰をいやらしくしゃくりあげる。
「いいなあ、畳の上は。ベッドじゃこうはいかない」
「ほんとね……ねえ、あなた。もう、そろそろいいかしら?」
「イキたいのか?」
「え、ええ……」
美登利たちの会話を、大樹は理解できる年齢になっている。会話だけでも興奮してしまう。
「じゃ、そろそろイクか」
「そう言われると、なんだかもっと楽しみたい気もするわ」
「欲張りなんだな、美登利は」
「だって、ここのところ帰国準備で忙しくて、私たち、ずっと愛し合ってないのよ」
「この前はいつだったかな」
「五日前よ。日記に付けてあるからすぐにわかるの」
「五日前か。もっと前かと思ったな」
「五日は長いわ。だって、この頃になってセックスのよさがわかってきたんですもの。毎日でもしていたいわ」
「おいおい、もう新婚時代じゃないんだぞ」
「あら……あなた、あの頃は一日に二回も三回も愛してくれたわ。帰ってくるなり、玄関で押し倒したりして」
「でも、若いから五分ともたなかった。今は量より質だよ。さあ、いよいよラストだぞ」
「あなた……いっぱい出してね。熱いものをいっぱい頂戴ね」
楽しんでいた会話に、急に真剣味が加わった。美登利の体がスーッと後方に倒れこむと、克也が腰を支えながら前傾姿勢をとり、両脚を後ろに伸ばした。正常位の形になった二人は、まるでしめし合わせていたかのように腰を引き合い、そして押し合った。
「あああっ、最高よ……あなた、そうよ。もっとしてェ」
克也の腰肉がピリピリと震えだした。美登利の身体はポーッと朱色に染まって、うっすらと汗が滲んでいる。
克也のスピードが徐々にあがった。
肉悦の絶頂へと急激に押しあげられていく美登利の朱唇から、人前では決して聞くことのできない露わな愛の言葉が次々にほとばしりでる。
「あなた、好き……大好きよ!……あああっ、もう溶けそう……うううっ、もっと強くゥ……ああっ、イキそう……して! 強く突いて!……気持ちいいわ。溶けちゃう……溶けちゃうわ、オマ×コが……」
大樹は耳を疑った。聞き間違いかと思った。
しかし、克也がドスドスと音をたてるほど腰を打ちつけると、美登利はもっと大声で、女性器を表わす四文字言葉をはっきりと連呼した。
美登利さんが、オマ×コって言うなんて……。
凄絶な牡と牝の闘いに、大樹は魂を奪われる思いだった。改めて自分のセックスの拙劣さを思い知らされ、我れを忘れて絡み合う二人を、まばたきもせずに見つめた。
淫水のはじける音が、いっそう猥褻さを増幅させ、粘膜の擦れ合う下品な音が淫靡な空間によく似合った。
「あああ、そうよ、あなた……素敵!」
美登利は完全に、湧きあがってくる歓喜の渦のなかにいた。
克也の力強いストロークは、一向に衰えを見せない。腰を躍動させながら前かがみになると、揺れ動く乳房に吸いつき、可憐な桜色の乳首を舌先で愛撫する。
「あああっ! いよいよだわ……イキそうよ!」
美登利の声が一オクターブ高くなった。
克也は乳首から口を離すと、ひたすらピストン運動に専念した。
喘ぎの合い間に美登利の歓喜の声があがった。狂おしくピッチを合わせていた美登利に、とうとう最後の瞬間がやってきた。
渾身の一撃を克也は打ちこんだ。美登利が短く、「イクッ!」とだけ叫んだ。
大樹はその声に合わせるように、握り締めていた表皮を根元にまで剥いた。白くて熱いクリームが宙に飛んだとき、脳裏には、兄嫁と合体する自分自身の姿が鮮明に浮きあがっていた。
兄嫁は二十八歳 第一章 悩ましき裸体 ~ 第二章 浅ましき性宴 (1/5)
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