『SEEK2 -SADISTIC BABYLON-』(シーク サディスティック ベイビロン)は、1999年6月25日にPILより発売された18禁SM調教シミュレーションゲームである。ストーンヘッズのSM専門レーベルPILが、デビュー作『SEEK 〜地下室の牝奴隷達〜』のヒットのあとに出した続編的な作品だ。当時すでに鬼畜・調教ゲームが出尽くした感があるなかで、究極のSM調教シミュレーションとして売られた。前作の世界観とシステムを引き継ぎつつ、新しい要素と複雑なバックストーリーを絡め、別のゲームとして仕上げている。Windows XPではプレイ中に強制終了する不具合が確認されているが、開発元サイトの修正ファイルで回避できる。前作がPC-98とWindowsで地下室の調教を専門にしたあとの、1999年の続編である。PILの調教SLGとして、世界観を引き継いだ別作品に仕上がっている。
「飼育」と一億円
主人公はフリーカメラマンの北原雅之。生活のためどんな仕事でも引き受けて生きてきた彼のもとへ、再婚してドイツへ行った母が亡くなったという知らせが届く。ドイツ人の画商と結婚した母は、義理の娘マリノと暮らしていたが、一年前に夫に死に別れていた。両親を失ったマリノのもとへ急ぐ雅之。悲しみにくれる間もなく、目の前でマリノがさらわれる。
誘拐犯は、マリノの父に故・沢渡博之の名画とされる「飼育」の入手を依頼し、手付けに一億円を渡していた。「飼育」を手に入れるか、一億円を返すか。貧乏カメラマンの雅之には術がない。そこへ李麗蘭という美女が現れ、自分の調教館で二か月働き、きちんと奴隷を調教しきれば一億円を融資すると持ちかける。失敗すれば融資は消え、秘密保持のために香港マフィアに何をされるかわからない。万策尽きた雅之は乗るしかなかった。調教館に送られてきた牝奴隷候補のなかに、助けるべきマリノがいた。故・沢渡博之の「飼育」を軸に、義兄と義妹と、香港マフィアと秘密クラブが同じ館に入る。二か月で奴隷を仕上げなければ一億円は出ず、失敗すれば龍爪の手に渡る。カメラマンが調教師をやらされる話として、前作の隠し資産より金の額が先に来る。
YMOの名を持つ奴隷たち
攻略対象の名はYMOに由来する。高橋、坂本、細野。メインのマリノだけがパレンバーグ姓で、前作の真梨乃の位置を引き継ぐ。主人公(初期設定は北原雅之)は、三流SM雑誌のグラビアを撮っていたために、李麗蘭から調教師になるよう勧められる。李麗蘭は自分ではレイラ・リーと名乗る調教館の女主人。華僑の家に生まれ、チャイナドレスを着こなす。長い黒髪をストレートにし、少しきつい眼は心の奥まで見透かす。性的倒錯者で、SM調教を楽しんでいる。世界的な秘密SMクラブ「黒い薔薇」や、香港マフィア「龍爪(ドラゴンクロー)」とも接点がある。
マリノ・パレンバーグがメインヒロイン。双子座。ドイツ人と日本人のハーフで、肩まで届くナチュラルブラウンの髪。はかなげだが、父のSM趣味に気づいており、調教を受ける運命を受け入れて館へ来た。義兄の雅之に愛情を感じており、雅之に調教されるなら本望と思っている。目的はSMや性交に慣れさせ、一人前の奴隷にすること。処女である。前作の大倉真梨乃とほぼ同じ立場にいる、「もう一人の真梨乃」とも言える。
高橋由架は3月2日生まれ。深く考えない性格で風俗店に勤めている。SMクラブのオーナーに、一流のM女になれば稼げるといわれ、調教を受けに来た。目的は一流のM女にすること。坂本恵子は1月6日生まれ。短い黒髪をおかっぱにし、眼鏡をかけたまじめそうな女性。クリスチャンで、幼少から性的なことをタブー視してきた。愛人関係にある代議士が、彼女の奥に被虐願望があると考え、SM調教でそれが目覚めるのではないかと期待して送り込んだ。目的はSMやさまざまな性交を楽しめるようにすること。細野亜矢美は12月8日生まれ。現役の人気歌手で、わがままかつプライドが高い。愛人の有名音楽プロデューサーの勧めで館に来る。他の三人より遅れるため調教期間が短い。仕事上の打算で来ており、目的は素直で可愛い奴隷にすること。
イズムは館の執事。金髪をオールバックにした美形で、レイラの代わりに主人公の食事と身の回りの世話をする。道具、またはドッグと呼ばれる壊れた牝奴隷は、調教の途中で精神が崩壊し、ろくに話せない。檻に入れられ、主人公の性欲処理や雑巾がわりに使役され、調教の道具にもなる。ぼさぼさの金髪を無造作に伸ばし、イズムがときおり手入れする。過去には秘密がある。名前のない壊れ方をした奴隷が、館の調教道具として残されている。
前作の影とスタッフ
前作『SEEK』の沢渡貴之、大倉真梨乃、岡崎桃美、内海遥は、世界的秘密SMクラブ「黒い薔薇」のパーティーで、真梨乃の公開調教ショーが行われる際に姿を見せる。桃美と遥は責められこそしないが、会話から奴隷に準じる立場にいることがわかる。前作の案内人・矢沢沙貴は、トゥルーエンドで生死不明になるため、雅之が持っていた沢渡博之の本に載った代表作(絵)としてのみ出る。「黒い薔薇」の進行役の女性はマスクで顔がわからないが、髪型と雰囲気が似ている。沢渡博之は前作にも出た、世界的に有名な責め絵画家。故人。遺した「飼育」が、今作のバックストーリーの軸になる。
シナリオは南泌流夫、原画はCOMA。シリーズの位置づけは『SEEK』本体の項に譲る。仕様を変えずに廉価版化したSM3800版がある。関連として、1994年5月24日にPILから出た『学園ソドム 〜教室の牝奴隷達〜』のエンディングキャラが生真面目な女教師であり、坂本恵子にその雰囲気が受け継がれている。顔と名前はまったく違う。前作で「飼育」のダブルミーニングを掲げたPILが、名画「飼育」と一億円と香港マフィアで、同じ地下室を別の血縁へ移した続編である。YMO由来の由架・恵子・亜矢美に、もう一人の真梨乃であるマリノ。イズムが身の回りを世話し、道具(ドッグ)が檻の中で使役される。黒い薔薇のパーティーに前作の真梨乃たちが顔を出し、沙貴は絵の中と、マスクの進行役に残る。シナリオ南泌流夫、原画COMAは前作と同じ。SM3800で仕様そのまま廉価化され、『学園ソドム』(1994年5月24日)の生真面目な女教師の気配が坂本恵子へ移った。1999年6月25日のPILは、出尽くした調教ゲーのあとに、サディスティック・ベイビロンを置いた。











