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『美男奴隷』梶山季之:SMと女装を描いた長編小説

『美男奴隷』(びなんどれい)は梶山季之の長編小説で、光文社の『週刊女性自身』に1968年(昭和43年)から連載された。同じ著者の『男を飼う』があらゆるフェティシズムを横断し、舞台も海外へ広がる大河小説の趣を持つのに対し、本作はSMと女装に主題を絞っている。女性週刊誌に載ったこともあり、女性視点の描写を多用した作品になっている。

連載媒体が『週刊女性自身』であることは、読み方を規定する。男の倒錯を男の側から百科のように並べるのではなく、女装、ストッキングとハイヒール、飼う側/飼われる側を、女性読者の視線で書く。SMと女装を主題に据えた官能長編として、1960年代末の週刊誌娯楽の中に置かれた。

成人の登場人物として、企業家で女漁りが趣味の大金持ち・藤島琢也、琢也の四男でイラストレーター、37歳の藤島安雄、画廊の経営者・田村順二郎、週刊誌の芸能記者・栗原巻太郎がいる。安雄は女装する。学校や文芸部・演劇部の配置はあるが、ここでは未成年の性は書かない。

単行本は光文社から1969年。連載開始の翌年に本になった。文庫は光文社文庫、1987年、ISBN 4-334-70544-8。梶山季之の名前と、SM・女装という主題、女性週刊誌という掲載先が揃った長編として残っている。

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