椋陽児(むく ようじ、1928年11月18日 – 2001年7月31日)は、緊縛絵師として名が残る画家であり、官能劇画と官能小説も書いた。雑誌『裏窓』を拠点に、縄で縛られ陵辱される少女を描き続けた。線の精密さは没後もファンが付く理由になっており、少女のモデルは夫人だと言われる。SM誌の頁を埋めるための絵ではなく、縛りの形そのものを観察した画として読まれてきた。
別名義と、学習研究社の挿絵
小説では豊中夢夫、祖父江新、御匠ちせ子。イラストでは落合竜二、落合龍二、落合龍三、加藤弘、我夢。コミックでは佐伯双龍、大阪ガロウ。同じ手が看板を変えて、小説と挿絵と劇画を往復していた。成人向けばかりではない。草野唯雄&川辺豊三『推理クイズ ルパンからの挑戦状』(学習研究社、1978年)では、普通の挿絵画家として参加している。縄の絵師が学習研究社のクイズ本に線を入れる、という二面がある。
裏窓からSMマニアへ
中心になったのは『裏窓』である。緊縛されて陵辱される少女を、号を重ねて描いた。描写の細かさにファンがつき、没後も『SM秘小説』『SMマニア』(いずれも月刊、マイウェイ出版)に作品が載っている。日本のSM誌が少女と縄をセットで売ってきた系譜のなかで、椋は線の密度で残った絵師の一人だ。夫人をモデルにしたという話は、確認というより現場の伝聞として流通している。現在もマイウェイの月刊に載る、というのは、裏窓期の画が古物扱いで終わっていないことを示している。
単行本、サタンコミックス、共著
マガジンファイブからは『きつねの花嫁』『見知らぬ客』『淫靡邸の美少女』『幻のハーレム』『緊縛千一夜』『牝狐の夜道』『縄の仕置人』『純縄物語』『愛縄物語』『激縄物語』が出ている。マイウェイ出版では共著『情念画廊』、単著『夢少女伝説』、共著『秘禁縄淫画廊』『愛艶三千世界』『人妻H恥獄の快楽』。大洋図書『椋陽児 挿絵原画報 第一章』、まんだらけ『縄 jyo』。フランス書院の結城彩雨文庫『人妻・肛虐の旅路』では挿絵を担当した。
サン出版のサタンコミックスは号を追って縄の題が並ぶ。No.1『牝縛り』、No.2『縄姉妹』、No.3『好色縄』、No.4『縄好き』、No.5『縄少女』、No.6『縄痴態』、No.7『縄遊戯』、No.8『縄蜜戯』。同じサン出版のJOYコミックスは『恥辱縄少女』『濡れ縄処女』『恥態縄令嬢』『秘悦縄姉妹』『縄化粧』。松文館『妖かしの官能美の世界 哀縄賛歌』。サン出版のSMコレクター1981年増刊『秘蔵画集 処女狩り』。愛奴恋写館秋季号10月号増刊『嬲獣』では挿絵。玄光社の共著『偏愛蒐集』、河出書房新社の共著『緊縛KINBAKU 縛り絵・責め絵の黄金時代』にも名がある。題名がそのまま縄と少女と恥辱を並べるのは、椋の棚がSM画のどの位置にあったかを示している。
映像・フィギュア・配信
原作としてアートビデオのDVD『若妻奴隷市』がある。夢流想倶楽部編『夢縄(二)桃果女学生緊縛』(夢流ZOU)ではパッケージイラストとイメージ映像。シネマジック『縄炎 〜美濃村晃の世界〜』にはインタビュー出演(音声のみ)。塗装済み完成品フィギュアでは、トレジャーワークスのエロポン アダルトフィギュア第三弾「椋陽児の世界 つゆだく天使」が、カプセル(モノクロ彩色)とボックス(カラー彩色)の二種で出た。
コミックのダウンロード販売はKindle、楽天ダウンロード、DMM.comほか。キープオンから『きつねの花嫁』『見知らぬ客』『淫靡邸の美少女』『幻のハーレム』『緊縛千一夜』『牝狐の夜道』『縄の仕置人』『純縄物語』『愛縄物語』『激縄物語』。グループゼロ『少女妻欲情玩具』。eマニア文庫『奉公娘 早苗』では表紙イラストを担当している。マガジンファイブの単行本と同じ題が、配信でも縄の棚に並ぶ。
1928年11月18日生まれ、2001年7月31日没。豊中夢夫、祖父江新、御匠ちせ子、落合竜二、落合龍二、落合龍三、佐伯双龍、加藤弘、我夢、大阪ガロウ——別名義で小説と絵を往復しながら、『裏窓』で緊縛陵辱の少女を描き続けた。モデルは夫人だと言われ、線の精密さでファンが残った。サタンコミックスの『牝縛り』から『縄蜜戯』まで、JOYコミックスの恥辱と縄、マイウェイの月刊、アートビデオの『若妻奴隷市』、つゆだく天使のフィギュア。椋陽児は、日本の緊縛絵師の棚に名前が残る画家である。











