レザーフェティシズムは、動物の革——牛、羊、カンガルー、豚、馬——や人造皮革の光沢、匂い、肌に当たる硬さに性的興奮を覚える嗜好である。革であれば何でも反応する人もいれば、バイク用の革ツナギ、革ジャン、革グローブに限る人もいる。光沢と匂いが先に立ち、用途はあとからついてくる。
対人と、革そのもの
対象は大きく二つに分かれる。異性や同性が革を着ている、はめている、という光景に反応する対人の向きと、レーシングスーツや革グローブなど製品そのものに反応する非対人の向きである。後者では、人が着ていなくても革だけで足りる。前者では、着ている身体と革の密着がセットになる。性交や自慰のときに革を着る人もおり、アメリカの動画サイトにはその映像が上がっている。日本では革フェチ向けの掲示板が複数ある。
オートバイ用品という入口
オートバイ愛好者のあいだで語られやすい。免許を持つ人だけでなく、乗らなくても革製のバイク用品に惹かれる人もいる。話題に上る年齢層は十代後半から四十代後半の男性に偏りがちだが、女性の皮革嗜好も存在する。ネット上で流布する男女比の数字には根拠がなく、ここでは使わない。革の匂い、雨に濡れた光沢、ツナギが身体を締めつける拘束感——入口がバイク用品でも、着たあとの興奮はBDSMのレザーと地続きになる。クラブのレザードレスと、サーキットの革ツナギは、素材の側では同じ棚にある。
牛、羊、カンガルー、豚、馬。なめした革の種類で匂いも光沢も硬さも変わる。人造皮革でも同じ興奮が起きる人はいる。革の「全部」に反応する人と、グローブやツナギなど特定の型にだけ反応する人が分かれるのは、フェティシズムが物体の属性と、それを着る場面の両方に掛かるからだ。バイク用品は公道とサーキットの実用から生まれ、SMのレザーはクラブと撮影の実用から生まれた。どちらも身体を覆い、汗を吸い、光る。アメリカの動画が自慰と性交の映像を載せ、日本の掲示板が革の話を集めるのは、同じ素材の二つの出口である。











