ヒューマン・アニマル・ロールプレイは、人間を動物として扱い、そこに性的快感を覚える嗜好と行為である。BDSMの一分野で、パートナーを人間以外として扱うことで被虐感と加虐感を強める。多くの場合、人間でありながら動物と見なされる側は強い屈辱を覚え、動物扱いする側は強い支配感を持つ。日常生活でよく見られ、扱い方や生態も知られている動物がモチーフになりやすい。
ペット、パピー、キャット、家畜、ポニー
ペットプレイは、猫や犬などの愛玩動物として扱う。パピープレイは子犬として扱い、首輪や犬小屋を用意し、四つん這いで歩かせ、ドッグフードを与える。キャットプレイは猫として扱い、四つん這いで歩かせ、ミルクなどを与える。家畜プレイは馬や牛などの家畜として扱う。ポニープレイは馬として扱い、屋外で走らせ、荷馬車を引かせる。派生として、牛に見立てて搾乳する(オスの場合はペニスを牛の乳首に見立てて強制射精する)、豚として扱う、めんどりに見立ててアヌスに異物を入れ、卵に模して産み落とす、といった型がある。使役プレイには、くびきを付けて石臼を回させるバリエーションもある。
同意の動物化と、非同意の設定
動物として扱うBDSMなので、必ずしも性交渉を目的にしない。人間と動物は性交渉をしない、という前提で進めることもある。逆に、パートナー以外との性交渉を強要し、それを鑑賞することもある。プレイの前提として、「同意の動物化」か「非同意の動物化」を決める。非同意の設定では、猿ぐつわなどでコミュニケーションを奪い、拘束具で無理に四つん這いにさせる。動物化するために、それぞれの動物の特徴を模したコスチュームを着せるので、コスプレの側面も持つ。首輪と耳と尻尾だけで済む場合もあれば、蹄鉄や轡、くびきまで揃える場合もある。
変身譚と、人権の文脈
おとぎ話や神話の変身譚——動物に変えられた人間が、人間でありながら人間としては扱われない倒錯的な状況——から発生したとされる。人権思想の発達した西欧では、人間としての権利や自由を奪われるこのプレイに独特の感覚が付く。東洋では人間と動物の感覚が西欧とやや違うため、別の文脈で語られることが多い。ポニープレイもペットプレイも、獣姦そのものではなく、人間同士のロールプレイである。同意か非同意かの設定、性交渉を入れるか否か、コスチュームの厚さ。動物化は屈辱と支配の装置であり、四足歩行と餌と轡はその装置の小道具だ。












