SM嬢(えすえむじょう)は、SMクラブやSMバーで働く女性を指す呼び方である。店の看板になるのは、客を責める側と、客に責められる側だ。サディズムもマゾヒズムも両方こなす人もいれば、片方だけの人もいる。S専門は女王様、M専門はM嬢と呼ばれる。ドミナ(ドミナトリックス)やフェムドムの現場語と重なるが、日本の店ではこの二つの肩書でシフトが組まれることが多い。
女王様とM嬢
女王様は、鞭、緊縛、言葉責め、顔面騎乗など、客を従わせる側のプレイを担当する。ボンデージの衣装とドミノマスクは店の見た目を作り、ミストレスとしての距離を保つための道具でもある。M嬢は、客がSとして責めたいときの受け側になる。縄に掛かる、鞭を受ける、辱めを演じる。同じ店に両方を置いているところも多く、客の希望で役割が入れ替わる。
入店した直後は、どちらもそこまでのプレイができない者が多い。店での「調教」は、ここでは研修の意味に近い。道具の扱い、カウンセリングの聞き方、NGの切り方、時間内に空気を壊さない責め方。それを積むうちに、かなりのプレイができるようになる。性的ロールプレイの技術として覚え、嗜好そのものが後から追いつく場合もある。店の外のBDSMコミュニティとは別に、商業の現場で一人前になるのが、SM嬢という職の実態だ。女王様はフェムドムの店側、M嬢は客のSを受ける側。どちらもSMクラブとSMバーのシフトを支え、ボンデージとドミノマスクは見た目だけでなく、役柄の境界になる。入店時にできなかったプレイが、店の調教(研修)を経て商品になる。SとMを兼ねる嬢も、片方だけの嬢も、肩書は店のメニューに合わせて変わる。











