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Hajime Kinoko:空間まで縛るロープアーティスト

Hajime Kinoko(はじめ きのこ、1977年 – )は、ロープアーティスト、緊縛師、写真家である。愛知県名古屋市生まれ。縛りをエロスだけに閉じず、ポップな読み替えや美術への昇華もやる。人だけでなく、物や空間まで縄で結び、ショーとアート作品にする。ベッドの上の亀甲だけが緊縛ではない、という読みを、森と都市のスケールで見せる。

Kinokoの縄は、モデルの裸体に亀甲を組むだけの仕事ではない。木に縄を回し、岩に結び、部屋や屋外の空間までを一本の線で編集する。緊縛の文法を、身体から風景へずらす。エロスとして読める縛りと、インスタレーションとして読める縛りが同じ手から出る。木や岩を縛るとき、縄は拘束具であると同時に、風景を切り取る線でもある。自然と空間を縛る作品が評価されているのは、そのずれのせいだ。

近年はパフォーマンス以外に、写真と映像のアートワークも精力的に出している。縛ること、撮ること、演出することを一人で引き受ける。縄の現場とカメラの現場が分かれていない。ショーで縛った空間を、そのまま写真と映像の作品へ持ち帰る。縛り、撮り、演出する仕事が一つの名前の下に揃っている。

国内にとどまらない。パリ、ロンドン、ミュンヘンなど、二十を超える主要都市で公演とワークショップを行っている。日本の緊縛を海外へ運ぶとき、秘儀の実演だけでなく、空間を縛る作品と写真をセットで見せる。結び目に「繋がり」を読む、という本人の言い方も残っている。二十都市を超える巡回は、名古屋出身の縄を、ヨーロッパの舞台と教室へ運ぶ仕事でもある。パリで見せ、ロンドンで渡し、ミュンヘンで組む。公演で見せ、ワークショップで渡し、写真で残す。エロスとポップとアートを同じ縄で扱うのが、Hajime Kinokoという名前の中身である。

BDSM → ボンデージ → 緊縛師