『虜』(とりこ)は、D.O.が1996年に出したアダルトゲームである。期限つきで、教師の主人公が生徒を調教する育成シミュレーションだ。シナリオと原画は広崎悠意。のちに続篇『虜2』が出て、2009年8月6日にはWindows 2000/XP/Vista向けの移植版も発売された。教室と監禁を同じ権限構造に載せた、1990年代の調教育成ものとして残っている。
調教と休息が交互に来る
進行は調教フェイズと休息フェイズが交互に移る形である。コマンドは大きく分かれる。バイブなどに代表される「快楽」、オナニーなどに代表される「羞恥」、相手へ暴力を加える「被虐」、プレイヤー自身へ向けさせる「奉仕」、それにコスプレ要素を持つ指令もある。目的はヒロインのパラメーターを調節し、立派な性奴に仕上げることだ。調節に失敗すると、ヒロインが逃亡したり、廃人になったり、死亡するなどしてゲームオーバーになる。生理中は一部のコマンドが無効になる、という制約も組まれている。
育成シミュレーションの骨格は数値管理だが、ここで管理されるのは成績ではなく、快楽・羞恥・被虐・奉仕の配分である。逃亡と廃人と死は、調教が「うまくいった」かどうかをゲームが裁く終わり方だ。コスプレ指令は衣装替えのサービスというより、羞恥側のパラメーターを動かす手段として置かれている。期限がある以上、休みなく責め続けることはできず、休息フェイズが挟まるたびに、次の調教でどこまで数字を振れるかが問われる。
新任教師と三人の女子学生
主人公は、性的に倒錯した考えを持つ新任教師である。ヒロイン側の中心は佐伯由美子——有力者を父に持つ女子学生で、主人公に誘拐される。田村麻美はおとなしい女子学生で、すでに主人公の性奴になっている。麻美の父は由美子の父の部下であり、贈賄事件で逮捕されて獄死した。一家離散の原因をつくった人物の娘である由美子への憎しみから、麻美は主人公の計画に加担する。平井美恵子は由美子の友人で、明るく元気な性格として置かれている。
誘拐、性奴、贈賄、獄死、復讐——設定は学園ものというより、権力者の娘を閉じ込める調教譚である。麻美が由美子を憎む理由が、父の獄死と一家離散に結びついているため、調教は単なる嗜好のシミュレーションではなく、恨みを貸す装置にもなっている。ヒロインを性奴に仕上げることが目的であり、逃亡・廃人・死亡は、その仕上げに失敗したときの終わり方だ。続篇は『虜2』。2009年8月6日にはWindows 2000/XP/Vista向けの移植版が発売され、1996年の原作を後年のOSに載せ直している。











