笠間しろう(かさま しろう、1937年生まれ、福岡県出身)は漫画家・官能劇画家・挿絵画家である。SM雑誌の挿絵で知られ、肉感的な女体を哀感たっぷりに描く画風で、昭和の官能劇画を代表する一人に数えられてきた。団鬼六の誌面と『花と蛇』の劇画が、その名前をSM側に固定した。
デビューから団鬼六へ
1958年、雑誌『土曜漫画』で漫画家としてデビューする。その後『漫画天国』『漫画アクション』など成人誌で人気を得た。1970年頃から団鬼六と知己になり、SM雑誌の挿絵を描きながら官能劇画も発表する。同じ頃、団鬼六『花と蛇』の劇画化を手がけた。縄と女体の画面を、小説の側から誌面の側へ移した仕事である。ハウツー本や新聞小説の挿絵も描いているが、そちらはスマートな画風で仕上げられており、SM誌の肉感とは使い分けがある。
画風と外部仕事
肉感に哀感を乗せる画風が支持を集め、近年は昭和官能劇画の代表として作品集が相次いで刊行されている。ハウツー本や新聞小説の挿絵では線をスマートに落とすため、同じ作者でもSM誌の女体とは印象が違う。2001年にはスピッツのシングル『夢追い虫』のジャケットイラストも担当した。SM誌の挿絵画家がロックのジャケットに出る、という接点も、笠間の名前を誌面の外へ広げた。団鬼六との知己、『花と蛇』の劇画、1970年代の縄絵をまとめた『悦虐の縄』は、SM挿絵画家としての仕事の核である。
主な単行本
リイド社『抱きしめたい女ベビイ』(1990年10月、ISBN 4845806770)、太田出版『スーパーレディ魔子』(1998年5月、ISBN 4872333845)、ソフトマジック『恥辱の刻印(官能劇画大全1)』(1999年5月、ISBN 4883790290)、笠倉出版社『淫猥妻の性痴獄』(1999年12月、ISBN 4773005947)がある。ソフトマジック『悦虐の縄 笠間しろう70年代傑作集』(2001年2月、ISBN 4921181160)は1970年代の縄絵をまとめた一冊である。マガジン・ファイブの改訂版官能劇画大全「昭和の浮世絵」では、『愛縄物語 縄糸絵師オムニバス作品集』(12、2006年3月、ISBN 443407668X)と、『女盛り拷問秘帖――オムニバス・エロチカ時代劇』(15、2006年8月、ISBN 4434080458)が出ている。日本の漫画家一覧、成人向け漫画家の一覧に名前が載るのは、この一連の単行本とSM挿絵の仕事による。1958年のデビューから1970年前後の団鬼六との接点、2000年代の作品集再刊まで、福岡出身の挿絵画家がSM誌の女体と新聞小説のスマートな線を使い分けてきた、という経歴である。










