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家畜妻の歌 · 第1部

家畜妻の歌 第1部 (1/5)
次の話

本作品はすべてフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません。また、特定の個人、団体、宗教、人種、性別などを誹謗中傷する意図はありません。

あんぷらぐど

SM雑誌に「仲ゆうじ」名でSM小説を執筆して作家活動をスタート。その後、作家活動は休止し、編集の仕事に携わる。ネットでは「ふにゃふにゃ」「あんぷらぐど」名でSM小説を執筆。独自の自虐的SM、一人称による告白形式の作品、伝奇SM小説などを発表し続けている。東京在住。

契約書

家畜小屋

飼育員

ルール

証(しるし)

日干し

名前当てゲーム

獣の臭い

奉仕活動

ねじり

羞恥

足蹴

つるし

近隣迷惑

拡張

オモチャ

公然家畜

朝練習

釘付け

フィスト

自分の姿

引き回し

実験動物

異常性欲

摘出手術

アナル人形

退院祝い

奥付

契約書

憧れの大学時代の先輩が偶然にも独身だったことから、わずか二ヵ月ほどで婚約、そして結婚と順調に進みました。二十七歳で念願の結婚。友だちなどから「いいなあ」と言われ、お祝いしてもらい、舞い上がっていたものです。

彼は、新婚旅行先のグアムで、私に契約を求めました。一枚の紙を私は受け取りました。指先が震えました。

「おまえさ、大学の頃から、こういうの好きだったよな」

口調も、それまでの優しい彼ではありません。

もちろん、忘れるはずはないのです。

大学で同じサークル。そして彼は、私に酒を飲ませて、強引に処女を奪ったのです。ひどい話ですが、最初こそ憤ったものの、しだいに私には、それも喜びなのだと解釈するようになっていきました。

縛られたり、オモチャを使われたり、深夜の公園などで恥ずかしいことをされたこともあります。大学時代、私は彼の四番目か五番目の女だったので、なんとか関係を切られないように、必死で耐えていたのです。

ただ、社会人になってしまうと、まるで魔法が解けたように、「あれは学生時代のこと」と割り切り、彼と連絡を取ることも止めていました。悪い夢を見たのだ、あんなことは普通ではないのだ、と。

あるとき呼び出されて「結婚しないか」と言われて、私は有頂天になりました。悪夢のような出来事のことは、どこかに置いてきて、「彼」という存在だけしか見えなくなっていました。

なにしろ「結婚」なのです。これから一生、彼と過ごすことができるなら、学生時代の悪夢も、そのための努力のひとつとして笑い話にできるかもしれません。

彼と結婚できたなら、私の人生は明るく、楽しく、最高にハッピーなものになるでしょう。少なくとも、お金のことで苦労することはないはずです。

結婚すれば、彼は家庭を持つのですから、まっとうな生活をすることが基本になるでしょう。よき夫、よき父となる人だと、私は期待していました。

私もそれにふさわしい妻になろう、と決意しました。料理でも家事でも育児でも完璧にやってみせよう。ご両親、親戚、近所付き合いも、そつなくこなそう。

そんな風に夢を描いていました。

でも、少し考えれば、それが間違いだとわかったはずです。いえ、わかっていたのです。きっとひどいことになる、と。

それでも、彼の言うままに話を進めました。

「いい人ね」と親などにも言われて、友人たちも「まさか」と驚かれて、得意になっていた自分もいました。

豪華な結婚式をすっかり終えて、新婚旅行。

高級リゾート地の予定でしたが、彼の仕事の都合で日程が難しく、グアムになってしまったのですが、それでも私は素敵な時間を過ごせていたのです。

新妻として彼と腕を組み、海に入り、食事をし、ごく普通のセックスもしました。いえ、普通どころか、学生時代から憧れていた彼と二人だけのロマンティックな夜を、絵に描いたように実現できたのです。

このまま幸せな、ごく普通の家庭が永遠に続くと思っていました。

明日は日本に帰るという最後の夜。

ホテルで紙を突きつけられて「これにサインするか、成田離婚か。どっちがいい?」と言うのです。

その紙片にはこう印刷されていました。

家畜妻契約書

私、●●恵美は、この契約書にサインをした日より永遠に、所有者である○○○○様の家畜妻となることを誓います。家畜妻として、どのような扱いを受けても○○○○様に逆らったり、訴えることはいたしません。すべて私、●●恵美が望んでしていることですので、一切の責任は私、●●恵美にあります。なお、本契約書における家畜妻とは下記にあげた事項を忠実に喜んで実行する者のことです。

記

一、家畜妻は、家畜以下の存在である。したがって家畜以下の扱いを受けることを自ら望みます。

二、家畜妻は、全身を所有者に捧げるものであり、髪の毛一本に至るまで、所有者の求めるままに供することを自ら望みます。

三、家畜妻は、対外的には人間の妻のように振る舞うことが求められ、所有者に恥をかかせないことを誓います。

四、家畜妻は、全身のあらゆる部分を使って、所有者を喜ばせることを誓います。

五、家畜妻は、自らの肉体を傷つけ、または第三者などによって改造され、失うこともいといません。

六、家畜妻は、所有者に従うものであり、所有者の変更も含め所有者に従います。

七、家畜妻は、心身を害した場合、所有者によって遺棄されることも受け入れます。その場合も、所有者に対して一切の金銭的な見返り、損害賠償などを求めません。

八、上記以外に、私自身が家畜妻として必要とみなしたあらゆることをいたしますが、それもすべて私自身の責任であり、所有者ならびに他者の責任ではありません。

九、本契約は家畜妻の署名、押印、陰部拓をもって即刻履行されるものとし、家畜妻存命の間有効となります。

二〇●●年○月○日

家畜妻 ○○恵美 署名・押印

陰部拓

私はそれを読み、震えました。

「どうするんだ? あれだけの結婚式をしたけど、もうお別れかな? それとも一生、家畜妻になるかな? どっちがいいんだ?」

断るのが一番いいのです。いくらなんでも、それではひどすぎます。最初から読み直しました。これは、私の人間としての一切を否定することになります。大学時代よりもひどい扱いです。

「まあ、成田に着くまでには返事をしてよ」

一晩、ゆっくり考えました。結論は決まっています。「拒否」です。

あっという間に朝が来ました。一晩、彼は私に指一本触れませんでした。

これで拒否して日本に帰れば、そこでお別れです。家族や友人に、なにがあったのか本当のことは言えません。言ったところで信じてもくれないでしょう。

これは運命なのかもしれません。このまま終わることは、あってはならないのです。

私は朝日を眺めながら、決意しました。

黙って、書類に署名して押印したのです。

「決めたんだな」

彼は私を抱きしめてくれました。

「最高の決断だよ。君なら受けてくれると思ったんだ。きっと毎日、退屈しないよ」

「よろしく、お願いします」と、私は気丈に言うつもりでしたが、声が震えていました。

「どれ」と彼は、私のスカートの中に手を入れてきました。

「なるほど。もう、感じているのか? おまえ、こういうの大好きだものな」

彼はこのために用意したらしい墨を私の下腹部に塗って、それに契約書を押しつけました。

「まん拓ってやつだ。いい記念になるぞ」

私が家畜妻になることを彼が望むなら、そうすることで、普通の夫婦ではけっして得られないほど、強い絆で結ばれることになる。きっと、そうなる、と信じていました。

でも、それもまた甘い夢でした。

家畜小屋

帰国したとき、成田空港からリムジンバスに乗った瞬間、私は現実に直面しました。

私は、新婚旅行で持って行った服を、ほとんどグアムで捨てました。そして入国審査が終わるとトイレに入り、最後に着ていたまともな服と下着も捨てました。

ですから、いま、着ることができるのは、春とはいえまだ寒い日本には不似合いなものしかありません。

腿の付け根までしかないマイクロミニ。剥き出しの足は鳥肌が立っています。そして下着なしで着ているTシャツ。固くなっている乳首がはっきり見えてしまうのです。いろいろな人にジロジロと見られ、眉をひそめたり、笑われました。

タクシーで帰ることもできたのに、彼はわざとリムジンバスにしたのです。夕暮れが迫る都心に戻ると、電車を乗り継いで新居であるマンションまで行くのです。家畜ですので、荷物はすべて私が運びます。二つのスーツケースと二つのショルダーバッグです。

マンションは、婚約してから購入したので、私にとっても我が家のようなものです。恥ずかしいかっこうはしていても、自宅に着けばホッとします。

荷物を置くと、ソファーに座って、寒さと緊張で固くなった体をほぐします。

「なにやってるんだ」

「すいません」

私は立ち上がって、謝ります。

「おまえ、まさか、ここに住むつもりじゃないよな?」

「え?」

「家畜なんだから、家畜の小屋に住みたいだろ?」

彼は、鍵を私に投げてよこします。古めかしい鍵には「四」という番号のついたプラスチックの札がついています。

「来いよ」

私は着替えることも許されず、そのままのかっこうで再びマンションの外に連れ出されました。

裏手に、まだこんなところが残っていたのかと驚くほど古びた二階建てのアパートがあります。彼は顎でそこを示すのです。

高級マンションの目と鼻の先。でも、まるで違う世界がそこにはあります。

「必要なものはもう運んである」と彼は言います。

一階に四部屋。二階に四部屋。洗濯機が外に出ています。「四」と書かれた部屋があります。郵便受けを見て驚きました。「家畜妻恵美」という紙が張られています。小さな文字で、落書きのように書いてあるのです。

「間違いないだろ、こうしておけば」

寒さだけではなく、震えながら渡された鍵をドアノブに差します。いまどきシリンダー式で、ドアはベニア。しかも外側が剥がれかけています。鍵などあってないようなものでしょう。

二十代の女が住むには、あまりにもセキュリティーがなさすぎます。

開けると、中は真っ白な世界でした。外と同じぐらい明るいのです。狭い玄関で靴を脱ぐと、傷だらけの、じとっとした板の間があります。部屋は六畳もないほどでしょう。畳のあるべきところはベニア板が敷き詰められ、その上から分厚い透明のビニールシートが貼られています。工事中のようです。

天井や柱にLEDライトが取り付けられ、自分の影が出ないほど、中は明るくされています。

「電気のスイッチはない。太陽光発電も使って二十四時間、この明るさだ。監視用に何台かカメラがある。隠れる場所はない」

唇が震え、涙がにじんできます。こんな屈辱はありません。

流し台が置かれていたはずの場所、入ってすぐ右のところは、蛇口こそありますが、青いホースが蛇口に巻き付いています。

そして床が抜かれて、畳一畳ほどのスペースにコンクリートが流し込まれ、大きな排水口が作られています。水回りはそれだけです。

右手にトイレがあるように見えますが、そのドアは板で打ち付けられて壁になっています。

その隣は押し入れで、襖はありません。下の段に、薄汚れた布団が敷かれています。

上の段には、まがまがしい器具がぎっしり並んでいます。男性の形をしたものが何本もある、とわかっただけで、直視できません。

「裸になれ」

マイクロミニとTシャツを脱ぐと、下着は許されていませんので、もう全裸です。

大型犬用の首輪を、彼が私につけます。長い鎖がついています。

「ここでは、これが普通のかっこうだ」

「もし人が来たら……」

「おまえが家畜妻であることを、はっきり示す必要がある。これは許されたときだけ、着るんだ」

履いてきたサンダルと脱いだ服を、コンビニの袋に押し込み、押し入れの奥に、彼は投げました。

「これからのおまえには、プライバシーはない。どうだ。もう止めるか? 契約を破棄するか?」

私はガタガタ震えていましたが、「いえ」と口走っていました。

流し台の上にあったであろう場所にある窓は内側からベニアでふさがれ、奥の窓も同じく、ふさがれています。

彼は唯一の窓である庭側のサッシを開けました。サッシにあるはずの、くるりと回す鍵も取り外されています。さっと冷たい風が入ってきました。古い網戸がついています。

小さな庭。向かい側の別のマンションとの間に、ブロック塀があります。地面は泥と石ころ。じめっとした感じがあります。

「お、お隣は?」

人がいるのだろうか、と思いました。ここはほとんど廃屋のようだからです。

「そうだな。いいことに気付いたな。ご近所に挨拶に行きたいんだね」

「ええ!」

まさかとは思うのですが、私は絶望的な気持ちになっていました。もう戻ることはできそうにありません。

飼育員

気がつけば、彼は土足のまま部屋に入っていました。そして、私を押し出すようにして、庭に降ります。素足に冷たい土を感じます。家畜なんだな、と実感します。

そして隣へ行きます。

「こんにちは」と彼は、無遠慮にサッシを開けます。

狭い部屋に、四十代か五十代ぐらいの男性が数人、ちゃぶ台を囲んでいました。男たちのすえたような臭いとアルコール、さきいかのようなつまみの臭いが混じて、鼻をつきます。

私は全裸で首輪をし、彼がその鎖を手にしています。ギラギラとした視線にさらされます。

「挨拶をしろ」

「わ、私は恵美と申します。か、家畜妻です。よろしくお願いいたします」

頭を下げます。髪の毛が顔にかかります。

「いいか。おまえにエサをやったりする飼育員のみなさんだ」

「え!」

「このアパートの部屋は八つあるが、そのうちの七つは、この方たちの部屋ということになる」

彼は鎖を持って、今度は靴を脱いで部屋に上がり込みます。そしてみんなに挨拶をします。庭で立たされている私と、部屋の中の彼ら。はっきりと世界が違うことを示しています。

「これをどうぞ」と彼は、さっき私が部屋をあけるときに使ったカギを彼らに預けます。

「ま、鍵は通常はかけないでください。窓は鍵がないので、いつでも開けられます」

「わかりました」と彼らは言う。

「思ったよりも、ずっと若いじゃないですか」と一人が言う。

「モデルみたいにきれいだし」

「モデル? 冗談でしょう。もう二十七歳です。変態女ですよ。こんなことを承諾する女はまともじゃないんですから。恵美自身の願望を、実現してあげようとやったまでのことで、遠慮することはありません」

「人妻なんですよね。そそられますなあ」と下卑た笑いが広がります。

彼らの体臭がより強くなった気がします。

「まあ、テント生活も大変だったでしょう? ボロアパートですが、家畜の面倒を見て、しばらく生活していただければありがたいんですよ」と彼。

「小遣いまでいただいちゃって、申し訳ありません」と言う声がする。

男たちはホームレスだったらしいのです。

「気にすることはありません。このアパートはいずれ解体されますが、それまではこの女が自分の預金を使って借りているんです。部屋の改造費も、道具類も恵美が買ったものですし、みなさんの小遣いもそうです」

「悪いなあ、そんなにまでしてもらって」

「いえいえ。こんな家畜のわがままを聞いてくださって、本当にありがたいと思っているですよ。どうか、きっちり飼育してやってください」

彼がぐいっと鎖を引く。

私は頭を下げて「よろしくお願いします」と頼む。

「生意気そうですな」と誰かが言う。

彼は笑いながらも、怒りの眼差しで私を見る。

「そうですか? 家畜らしい挨拶をすると思いますよ。それを望んでいるのですから」

私はどうすればいいかわからなかったので、とりあえず地べたに跪きました。そして頭をこすりつけるようにして、「よろしくお願いいたします。家畜の恵美をどうか、飼育してくださいませ」と言います。足や手に冷たい泥を感じながら。

「聞こえねえよ」

私は、彼らが許してくれるまで何度も、お願いする言葉を繰り返しました。

ここが日本で、すぐ隣に彼の住む高級マンションがあり、ブロック塀の向こうにもマンションがあるのですが、そんなことは頭から吹っ飛んでいました。

「じゃ、これから、やり方を教えますので」と彼。

私は地べたに正座しています。

彼はズボンのファスナーをあけて、突然、私におしっこをかけるのです。

なまあたたかい小水が髪から顔から胸、背中と伝わります。

「どうです。みなさんも挨拶代わりに」

七人の男たちが、笑いながら、地面にはいつくばっている私に小水をかけるのでした。

ルール

小水まみれになった私を引き連れて、彼は殺風景な部屋に戻りました。

「どうだ。もう止めるか?」

煌々と照るライトにさらされて、録画されていることも承知の上で「いえ」と私は答えました。

寒いということもあり、男たちの臭い小便まみれになっていることもあって、震えが止まりません。

玄関から男たちが入ってきました。

まるで遠慮がありません。部屋を見るのは初めてらしく、まぶしさと機械類に「へえ」と声をあげています。

「これから、基本的な家畜の飼い方をお教えします。これは恵美が自ら望んだことなので、遠慮することはありません。以前にお伝えしたように、記録のためにカメラがありますので」

男たちは神妙に聞きます。全員、陸上競技のバトンぐらいの黒い棒状の器具を手にして、ゴム長靴を履いています。

彼は、部屋の一画にコンクリートを流し込んだ場所を示しています。

「ここは水が出ます」

鎖を引っ張られ、そのコンクリートの上に下り、立たされます。

「汚れたときは、ここで洗ってほしいとのことです」

彼はあくまでも、私が彼に頼んだかのように言うのです。ホースから水を出し、容赦なく浴びせてきます。

「排泄物もすべてここで流します」

「トイレはないのか」と誰かが呟く。

「家畜だからさ」と別の誰かが言う。

「エサは一日、一回でいいそうです。お渡しした洗面器に入れて、食べさせてください。すべて食べるまで見張ってほしいそうです。どんなものが入っていても、残さず食べると言っています」

彼はそして、一人から棒を借りました。

「これも、恵美が望んだもので、遠慮なく使ってください。力はいりません。改造したバトン型のスタンガンで、体には無害な電流が流れます」

と言うや、彼は私にその先端を向け、太ももに押し当てました。

濡れた体に電気ショックが走り、私はうめいて、コンクリートの上にうずくまります。

「大丈夫か?」と男たちが言います。

「濡れているときの方が効くんでしょう。でも、すぐ回復しますよ。この刺激がたまらないらしいですから。用がなくても、ときどきバシッとやってやってください。じゃ、一人ずつ、試してみてください。電流を調整していますから、音のわりには大した痛みじゃないんですよ」

そんな……。

倒れている私に、彼らは仕事だからか、極めてまじめに、忠実に、スタンガンを押し当てるのです。

二本の先端がチクッと肌に当たり、続いて電流がスパークしながら体に流れ込みます。

「ぎゃっ」としか声が出ません。

筋肉が硬直し、当てられた部分から脳天に向かって、激しい痛みが突き抜けていきます。スタンガンが体から離れても、しばらく痛みが体の中を駆け巡ります。

電流を調整しているというのは、本当でしょうか。死なない程度に調整しているかもしれませんが、受ける私にとっては、耐えきれない痛みなのです。

「じゃ、こんどは」と別の男が先端を私に向けます。

「ぎぃ!」

その都度、私は声にならない声を出して耐えます。肉と骨を引きはがすような痛みです。

痛みは蓄積されるようで、体の中にまるで電流が残っているかのように、三人目、四人目と続くにつれて、筋肉が破裂するかのような痛みになっていきます。声も出ず、コンクリートの上でのたうつだけです。

「ほーら、喜んでいますよ」と彼の声がしています。

「そうなのか?」

「ええ。声も出ないで、なにもしないのに、身もだえしています。冷たいコンクリートの上で裸でもだえるぐらいですから、すごくよかったんですよ」

「そうなんだ」と彼らは単純に納得しています。

「次に、こちらに来て下さい」

彼は私を休ませることなく、引っ張りあげると、押し入れまで引きずるように連れて行きます。

濡れている上に、電流で体が痺れている私は、ビニールの上をすべるように這いずりながら、首が絞まらないように、ついていくしかありません。

まさに、一匹の獣にすぎない自分が、そこにいるのです。

「わかりますか。家畜の好物をずらっと並べています。この家畜の面倒なところは、ご褒美がほしくてほしくてしょうがないのです。私も仕事があるし、かまってあげる時間はあまりないのです。だから、こうしてめんどうな飼育をお願いしているわけです」

「どういうことだ? 褒美というか、これは罰だろ?」

「これがまた、めんどうなことなのですが、恵美にとってご褒美は、私たちが考える罰なんです。いまみたいに、小便かけられて、電気ショックを受けて。普通は罰ですよ。耐えられる人間はそうそういません。これをしてやる私たちも、心が痛みます。私一人ではとても耐えられません。でも、恵美は欲しくて欲しくて狂いそうになってしまうのです」

七人が私を見ています。自ら家畜妻として生きたい、と望む変態女。蔑み、哀れみ、そしていやらしい目。

私はきっと、だらしなく口を開き、涎を流し、電流の余韻の中でぼんやりとしていたでしょう。それが、陶酔しているように見えたかもしれません。私はただ、頭で考えることができなかっただけなのです。

「ここにあるものは、自由に使ってやってください」

「嫌がったら?」

「変態プレイなんですよ。こいつが嫌がるってことは、やってくれ、という意味なんです。面倒ですが、無視してどんどんやってやってください。そうだよな?」

私は彼に促されて、「はい。お願いします」と言っていました。

「いろいろな太さがあるな」

「まったく恥ずかしい話で、みなさんに言うのもつらいんですが、妻は性器だけじゃ満足できません。肛門も責めてほしいのです。おそらく穴という穴をすべて、こうした道具で嬲ってほしいのです」

またチェーンが引っ張られます。「はい。私、家畜妻恵美は、みなさんに穴という穴を責めていただきたいのです」

男たちの鼻息がしだいに荒くなっています。

「これは、浣腸だな」

三十センチ以上あるシリンダー。先端は人の指ぐらいの太さの巨大なガラス製です。

「ええ。一リットル用です。毎日、一度は必ずこれで洗ってください。普通のトイレは必要ないのです」

「自由にやっていいのか? あんたの奥さんを犯していいのか?」

「そうです。それが恵美の望みです。二十四時間。いつでも好きな時に、好きなように。そうだな?」

私は這い蹲ったまま、「はい、お願いします」と言うのです。すると強く鎖を引かれたので、不十分だったと気付きます。

「私、家畜妻恵美は、みなさまにいつ何時でも、そこにある道具をお使いいただきたくお願い申し上げます。なおかつ、みなさまにいつでも自由に犯していただきたく、あわせてお願い申し上げます」

それから彼は高圧浣腸、ポンプ式の浣腸などを次々と説明します。また、各種バイブ、拘束用の器具、婦人科で使う膣鏡などを説明します。

「私もときどき見に来ますが、とにかく家畜が満足するように、存分にやってやってください。みなさんも、さぞうんざりする仕事となるでしょうが、できるだけ長く、面倒を見てやっていただければと思います」

彼はそう言って頭を下げるのです。

証

外は暗くなっていました。

グアムで契約書にサインをしてからは、帰国の長い旅。さらに家畜小屋に連れてこられて、私はかなり疲れていました。でも、まだ始まったばかりなのです。

結婚前にマンションを買うからと、私の預金をすべて引き出したのは事実ですが、このために使われたのだと思うと、ひどく惨めで絶望的な気がしました。

いまの私には衣服さえ満足にありません。あるのは、この部屋と飼育員たちだけです。彼のいるマンションは目と鼻の先なのに、こんな姿になった私は、訪ねることも許されないのです。

「それから、もう一つありました」と彼は言います。

「家畜の飼育に不便なものはすべて取り除きたいと希望しています。これもみなさんの仕事になりますが、場合によっては恵美が自分でもやりますので、その時はやらせてやってください」

私は再び濡れたコンクリートに正座させられます。そして彼は、電気バリカンで、私の髪を容赦なく刈り込みました。パラパラと髪が体に落ちていきます。

私はそれを指先でつまみながら、なぜか涙が止まりません。

すっかり短くされてしまいます。鏡がないので見ることはできませんが、きっときれいに刈ってくれたわけではないでしょうから、みじめな姿でしょう。彼らの歪んだ笑顔を見ればわかります。

「下の毛も剃るのか?」

「もちろんです」

床に這わされ、私は自ら足を広げます。今度はシェーバーが使われ、そこを何度もこすりあげられます。

彼以外に見せたことはないのですが、陰部を自ら開かなければなりません。

「きれいなもんじゃないか。まだそれほど男を知らないんじゃねか?」

「ぱっくり開いて見せてみろ」

彼を見ます。彼は冷酷な笑みを浮かべています。

私は言われるままに、恥ずかしい部分をお見せします。

「ひどい濡れようだな。水を掛けられたからじゃねえだろ」と、一人が指をそこに押しつけてきました。

指先が肉の間に入り込みます。無遠慮に、指でなにかをすくいとるようにぐいっとえぐります。

「ひっ」と声が出てしまいます。

その指先を私に突きつけます。

「これは、なんだ」

指と指の間を白く濁った粘りけのあるものが、のびていきます。

「なんだって聞いてるんだよ」

バシッと腿に衝撃が走ります。電気棒を使われたのです。

また、あの痛みが全身によみがえり、しばらく呼吸もできません。

どうにか呼吸できるようになると、なにかを言うように強要されます。彼らが七本のスタンガンをこちらに向けるだけで、なんでも言うことをきくしかない、とあきらめてしまうのです。

「愛液です。私の、いやらしいものです」

「愛液だと? 洒落たことを言うな、家畜のくせに。これからは、マン汁と言え。マン汁と」

「はい。私のいやらしいマン汁です」

みんなに笑われながら、私は陰毛を剃られていきます。後ろ向きになり、肛門付近も丁寧にやっていただきます。

「ケツの穴の皺まで、はっきり見えるぜ」

そして、わずかな沈黙。だれかが「味見させてくれよ」と言います。

「そうだそうだ。見ているだけじゃなあ」

「ええ。それは恵美も喜ぶでしょう」と彼。

そんなに簡単に許可してしまうなんて。

裸で首輪をされて、鍵も自分ではかけられない部屋にいる以上、いつか、そうなるのではないかと思いましたが、そんなに早く、しかも彼の目の前で輪姦される……。

電気棒よりも強い衝撃が心に刺さります。

彼ではなく、ここにる今日はじめて会ったばかりの、しかもホームレスだった人たち……。

「じゃあ」と、彼らはズボンをおろします。七本のそそり立つものが私に迫って来ます。

「一人ずつ、丁寧にご挨拶しろよ」

彼の姿は見えません。少し離れたところで、家畜妻が彼らにもてあそばれるところを見ているのです。

もし彼らを受け入れたら、私は完全に家畜です。そして彼は再び手の届かないところに行ってしまうでしょう。ご主人としての彼はいても、私のように汚れきった家畜を、彼はもうグアムでのような愛し方はしてくれないのではないでしょうか。

最初のねじまがった真っ黒な肉棒に口をつけると、それは隣の部屋でもかいだ、さきイカのような強烈な臭気を発していました。きれいなものではない、という感じがします。

それでも、少しずつ口を開いて受け入れようとしました。

でも、私の行動よりも早く、向こうから突っ込まれてしまいました。

「うげっ」

うなりながらも、しゃぶります。なんという味でしょう。舌が痺れてしまうようです。

でも、それが直接、私の性器に入るよりは、と懸命にしゃぶってきれいにします。吐きそうになりますが、がまんしなければなりません。

ようやく一本が終わると、すぐ次です。

新たな肉の棒を口に含み、異臭を嗅ぎながら、嗚咽しながら、私は、これから私をさいなむであろう道具を丁寧に唾液で舐め取ります。

鼻で呼吸をしなければなりませんから、その臭気をふせぐ方法はありません。

男のものが、これほど多様で、また皮を被ったものが、これほど不衛生だとは知らず、私は必死でしゃぶりました。

その途中で、最初に舐めた方が、私の腰を持ち上げて、バックから入れようとします。

私の体内に押し込まれてくる肉棒の感触。身を割かれるような、それでいて甘美な。

痛くないように入ってほしい一心で腰をゆすり、角度を探ります。

「おお、積極的じゃん」と男たちが喜んでいますが、それは欲しているからではないのです。

でも、それをいいことに、男はぐいっと奥まで突き入れてきました。

「がっ」と思わず声が漏れるほど、子宮を突き上げてくるのです。

「ほらほら、がんばってよ」

彼らにはやされます。

激しいピストン運動です。

「おい、しゃぶるのもちゃんとやれよ」

目のすみに、スタンガンがちらつきます。

もう考えることなどできません。私は飼育員のみなさんに満足していただくために、体を開き続けました。

「中に出すぞ、いいのか?」

「もちろん。それも妻の希望ですから」と彼の冷酷な声がします。

彼らは容赦なく、私の中に溜まったものを放出していきます。

その途中、私はふいに訪れる自身の絶頂を、複雑な思いで感じていました。

「おっ、すげえ締まるぞ」

いくら学生時代、彼に遊び半分でセックスを強要されたからといって、それがクセになっているなんて……。

それとも彼が言うように、もともと、これは自分が望んだことなのかもしれません。

私はこういうことが、大好きなのかもしれません。

「うう」と声を出すと、みんなは「いったぞ、相当な好きものだな。白目剥いてやがる」などとからかいます。

「ちくしょう、また立っちまったぜ」

一巡では済まず、それから二巡、三巡と続きました。

意識が遠のくまで、私は彼らに自分の体を与え続けたのでした。家畜妻恵美……。それが私の本当の姿なのかもしれません。

日干し

布団の中でまどろんでいると、周囲が妙に明るいので、時間の観念がなく、朝だと思って、目を開きました。

そこにある光景は夢ではなく、現実です。

ビニール張りの床は、昨日のままに、精液とマン汁と汗などが光っています。

どれほどの快感を得ようとも、現実は冷たく、自分を引き戻します。

いつものように頭に手をやり、ハッとします。艶やかで長い髪が、指先にからむことは、もうないのです。地肌が触れます。つまむこともできないほど短い髪が残っているだけです。

ドキドキします。私は、とんでもないことになっている、と。

見知らぬ七人に犯され続け、溜まりに溜まった濃い精液を浴びせられ続けたのです。おまんこがヒリヒリとしています。指先で触ると、腫れているように思えます。でも、同時に、まだ濡れているのです。

犯され続けたあと、体に水をかけられて乱暴に洗われ、捨てられるように放り出され、そのまま寝てしまったのですが、このような生活に何日、耐えられるでしょう。

ふいにドアがあき、三人の飼育員が入ってきました。

「おう、恵美ちゃん。こっちに来い。メシだ」

食欲などあるはずもないのですが、命令に逆らうことが恐く、這うようにして彼らのもとに行きました。

洗面器に、どろどろとしたものが入っています。

「食えよ」

なんだかわかりませんが、食べるしかないようです。

鼻を近づけると、腐敗したような異臭がし、体が拒みます。でも、食べないわけにはいきません。彼らの手には電気棒があります。

舌で舐めてみると、苦いようでいて、味らしいものはなく、ただ気持ちが悪いだけです。

少しずつ食べます。

家畜ですから手は使いません。顔を埋めるようにして飲み込みます。

喉をその汚物のような食事が少しずつ体内に入りこんでいきます。吐き出しそうになりますが、がまんして飲み込み、お腹の中に落とします。

こうして全身、家畜になっていくのです。

かなりの量なので、すっかり食べるまで時間がかかりました。

「よーし、食べたな。なにが入っていたか、知りたいか?」

彼らはおもしろそうに笑うのです。

「おれたちの食べ残し。そいつをぐちゃぐちゃに混ぜてな。おれたちの小便やツバなんかを入れて味ツケしてやったんだよ」

「そうそう、雑巾を絞った汁や、庭の土も少し入ってるな」

男たちはあざ笑います。私は吐き気をこらえます。

「吐いたら、吐いたやつをまた食わせるからな」

「この味よりは、おれたちの精液や小便のほうがうまいって思うんじゃねのか?」

三人は笑います。

「ごちそうさまでした」と私は頭を下げます。

同時に、昨日、口の中にも出された彼らの精液の味を思い出します。無味無臭なものもあれば、少ししょっぱく感じるものもあって、たしかにこの食事よりはマシな気がしてしまうのです。

次は浣腸です。一リットルの浣腸器に薬液を入れると、彼らはその先端を上に向けて立てました。

「自分で入れるんだよな?」

私はその上にまたがって、自らそれを飲み込むのです。

両手でお尻を開き、ゆっくりとアナルに押し当てます。

「おお、開いていく。すげえな」

長い嘴管が、粘膜の入り口に当たります。痛みを伴いますが、少しでも痛くないように、しっかり拡げてるしかないようです。

開くために力が入りますが、力を抜かないと痛いので、その加減がよくわかりません。

何度も失敗しながら、少しずつ先端を入れるようにします。

いやでも、自分のお尻の穴の構造がわかります。

入り口付近はかなり柔軟ですが、そのすぐ奥に巾着袋のように、きゅっと力を入れると締まる部分があります。そのさらに奥は腸の空間があるようです。

問題は、きゅっと締まる部分で、そこが痛いとすぐ反応してぎゅっと強く締まってしまうのです。排泄するための筋肉でしょうから、中から外へ出すことには慣れているのに、外から中へ入れることは慣れていません。

ある程度は、体重をかけて強引に入れるしかないようです。

痛みだけは避けたいので、力を抜くコツをなんとか見つけなくてはなりませんが、それがなかなか難しいようです。

「飲み込んだぞ」

嘴管を腸が包み込みます。体を沈めるようにしていきます。指よりも長いガラスが、直腸に押し入ってきます。お尻が浣腸器の本体に触れます。多少の痛みをガマンしてそこまで押し込みました。

自分の体重で、彼らが支えている浣腸器を押すと、焼けるように熱い薬液が、想像以上に多くドドッと入ってきました。

途中から彼らは、私の腿や肩に手をかけて、強く押し込みはじめ、お腹がぱんぱんに膨らんでいくのがわかります。

「うう、きついです」

「だめだめ。もう少し」

最後の最後まで彼らは入れてしまいました。

ガマンできず、私はコンクリートのところへ行き、薬液を排泄してしまいました。

「十五分待てなかったら、できるようになるまでやるんだってな?」

十五分など耐えられるはずもなく、私は二度、三度と一リットルの薬液を飲まされます。

彼は私の望んでいることだとして、飼育員たちに、さまざまなことを吹き込んでいるようでした。彼らは律儀にそれをまっとうしようとします。

「妻がいやがっても、やめないでください」と彼は命じているのです。

腸内に苦痛の塊を詰め込まれるこの苦しさに比べれば、おぞましい食事など、大したことではありません。

「お尻が壊れちゃう……」

都合、五回も浣腸を繰り返された私は、腰が抜けるように、コンクリートの上に倒れました。

頭から容赦なく水を浴びせられ、下半身についた汚物を含めて流されます。

「今日は天気がいいから、外で干してやろう」

サッシを開けて、私は外に連れ出されます。

真昼です。春先の青い空に雲が浮かんでいます。彼の住むマンションの裏手が見えます。ということは、向こうからも私が見えるのではないでしょうか。

「これをつけるのが好きなんだって?」

彼らが持ってきたのは、黒い革で作られた拘束具でした。首、胸、股間とウエストをきつく締め付けるように調整できます。そして腕を背中で固定します。

さらに鼻フックをつけられます。鼻の奥まで金属の鈎が突き刺さり、開かされます。涙が出ます。

「きっ、きつい……」

鎖を物干しに巻き付けます。

私はつま先で立つようにして、庭に立たされます。このまま足をおろしたら、首が絞まります。

「体が乾くまで、そうしてろ」

私はさらし者にされています。太陽が真上付近にあります。真っ昼間なのです。アパートに門はないので、庭に回れば、誰でも、哀れな私を見ることができるでしょう。

日干しの魚のように、軒に吊された女です。いえ、家畜妻です。

「退屈かな」

今朝とは違う二人の飼育員が来て、汗ばんでいる私の肌を無遠慮に触ります。

「どうだ、気持ちいい天気だな、今日は」

大きな無骨な手で、突きだした私の乳房を横から叩きます。バチンと音がして、激痛が走ります。乳房がぶるんと震えます。

「お、いい音だな」

バチン、バチンと近所に響くほどの音で、私の乳房を叩くのです。そのたびに、乳房は右に、左に飛び、ちぎれそうな痛みです。

「いっったぁぁぃ」と大声を出せない私。

「ボクシングの練習みたいだぜ」

ボクサーのように構えて、左右の乳房を拳で叩きます。全力ではないと思いますが、ちぎれ飛びそうな痛みが乳房を襲います。

もう一人は、マン汁を垂らしているところに指を入れてきます。

「こんな小さな穴なのに、いじられると感じるんだろ」

私はその通りなので、ただ身もだえして耐えます。

「どうなんだ」

「はぁ、お願いです、これ以上は……」

「なに言ってんだ。昨日、さんざんやってやったのに、すぐ汁が出てきちゃうじゃないか」

「なるほど。こりゃご主人が手を焼くはずだぜ」

「濡れているなら、かわいそうだから、なにか入れてみよう」

男性を模した柔らかな素材のものを、持ってきます。赤みがかった肌色で、人の体内に入れるようなまじめさはなく、あくまでも冗談で作ったオモチャにしか見えません。

その先端を割れ目に当ててきます。一人が尻をかかえるようにして背後から、その部分を左右に開きます。

「どうかな? 入るかな?」

「うぅ、許して……」

さんざん、自分たちで犯しておいて、わかっているはずなのに、じわじわと先端部分を押しつけてきます。ヒンヤリとしたゴムが、拡げるようにして侵入します。

すると、湿っている穴は、あとは自ら進んで求めているように、棒の部分までくわえていくのです。

意志と関係なく、その部分が勝手に反応しているようです。

「おお、ちっちゃなかわいい穴のくせに、飲み込んじゃうな」

「ひどい、もう、助けて……」

子宮に当たるまで押し込んできます。

「入れただけじゃ、ダメなんだよな?」

もじもじとする自分の下半身がうらめしく思えます。こんな状況なのに、甘い声を出しそうになります。

男はオモチャをゆっくり引き出していきます。粘膜がからみつき、全身に刺激が行き渡ります。

「あひゅぅ」とはしたない声を出てしまいます。

「妙な声を出すなよ」と、激しく三発、乳房を拳で叩かれます。

口にも男性の形をしたものをくわえさせられます。長いゴムのような味のするもので、それを喉のあたりまで突き入れられます。

「吐き出したら、その顔をぶん殴るぞ」

必死にそれを噛みしめます。

「哀れなものだ」と言いながら、飼育員は私の乳房を叩き続けます。パン、パンと激しく。拳がめり込むほどに。

やがて、乳房は真っ赤に腫れていきます。そして股間を、ぐちゃぐちゃと音を立てながら、さいなまれているのに、体はそれを求めて突き出すようにしているのです。

「こっちもやってやらないとダメなんじゃないか」

同じぐらい太いオモチャを手にしています。それは黒いゴツゴツとした男根を模したもので、膣に入れたものよりも硬い素材です。

「さあ、どうかな?」

お尻を開くのです。激しい浣腸で、粘膜は開いたままになっていたのでしょう。道具の先端がそこに触れると、ピリッとした痛みがあります。

大量の浣腸によって、ただならぬほど、敏感になってしまっているのです。

「うぐぅ」(痛い)と泣き言が出ます。しかし、夢中な男たちは、まったく無視です。

「濡れてないとだめだろう」

「よしよし、こっちにすげえ濡れた穴があるからよ」

膣からオモチャを抜き出して、かわりに黒いものを押し込みます。

とろとろになっている女の部分でさえ、それは違和感をおぼえるほど硬いものでした。

「うひっ、うひっ」(ダメ、ダメ)と抗議しても、口にもくわえさせられているので、言葉になりません。

そんなものをお尻に入れられたら、壊れてしまう……。

乱暴に道具を湿らせて、抜き取ると、すかさず柔らかなオモチャが押し込まれるのです。

そして二人は、私の肛門に硬い棒を突き立てようとします。

それは人間のものとはまったく違い、容赦がなく、堅さも形も妥協がないのです。肛門の筋肉が拒絶して硬く締まろうとします。そこを、彼らはこじ開けます。

口にものをくわえているせいか、少し筋肉が緩むようです。息をハーと吐くと、緩むような感じがあります。

そこで、私は自ら痛みを少なくするために、ハーと息を吐いてお尻をなんとか緩めようとしました。

そのおかげか、先端部分がぐさりと中に入り込みました。

「ぐああー」と声が出てしまいます。

「入ったぜ」

ですが、ゴツゴツしたそのオモチャは、さらに深く突き入れられるたびに、せっかく開いた柔らかな粘膜を乱暴にいじめながら、侵入してくるのです。

「こんなものかな」

かなり奥まで入れられて、先端がどこか行き止まりのようなところに当たっている感じがします。

内臓を突き上げられて、膀胱から少し小水が漏れてしまいます。

「感じてるんじゃねえか」と前を操作している男がいいます。

「よし、こっちもピストンだ」

前と後ろから、同時に押され、同時に引かれるのです。

まさに串刺しです。

ほんの数センチも離れていない二つの穴に太い棒を入れられて、それを彼らは最初は手で操作していましたが、やがて、前と後ろで交互に股間に膝蹴りして、グイグイと突き上げるのです。

そのたびに私の体が前後に揺れます。前、後ろ、前、後ろ……。

「こりゃ、おもしれえな」

「キックボクシングだ、そら、いくぞ」

私の体重が、揺れた反動で、オモチャがより深く押し込まれてしまいます。逃げようにも、彼らの膝の上にのっかって宙に浮いてしまいます。

「今度はリフティングだぜ。サッカーだ」

その暴力をひとしきり受けたあと、彼らは、飽きたのか、一人は私の前から私を抱くようにして、尻を左右に開いています。

もう一人は背後から寄り添うようにして、乳房を強く握りながら、肛門を突き上げます。

「ほらほら、おれたちに抱かれているみたいだろ」

男二人に抱きつかれ、股間のオモチャを押し込まれ続けるのです。

「ぐひぃ」といった声が鼻から漏れます。

こんな状態なのに、私は感じているのです。快楽の波が下半身から上半身にのぼってきます。全身を細かく振るわせ、つま先立ちながら……。

首輪の苦しさや鼻の痛みなど、もはや、これに比べれば……。

私のか細い声を聞いて二人は笑っています。

「感じてるんだな。楽しいか? よかったな、こんな贅沢な生活させてもらえてさ。結婚してよかったろ、奥さん」

前の男が私の口のオモチャを、ぐりぐりと片手で操作します。頬に、舌に、喉に、オモチャがからみます。

気が遠くなりそうです。金属の男根を持った架空の生物にさいなまれているような気持ちがします。

二人は、体を密着させて、膝で私の中に深く入り込んだ棒を前と後ろから突き続けます。返事などできるはずもありません。

やがて、うねりのような絶頂がやってきて、体がガクガクと震えます。

暑さと快感と痛みのせいで、ふらふらになっていきます。オーガズムの波が止まりません。このまま死んでもいいと思うのです。

「おぅおぅ」と悲しい獣の鳴き声がします。

少し冷たい春風を全身に感じながら、うっすらと開いた目からは、青空を背景にした彼のマンションが見えています。

恵美はこうして死んでいくのだろう、と思います。

「あっー」と声を出して、意識が遠くなっていきました。

名前当てゲーム

気付いたとき、冷たいビニールの上でした。だらしなく伸びきった肢体。慌てて身を縮めますが、真っ白な明かりに照らされているのです。恥ずかしさなど遠い次元の話です。

「脱水症状にならないように、ケツから冷たい水を入れてやるから」

プラスチックのバッグに氷水が入っており、それを飼育員の一人が高く持ち上げています。すでにお尻にはチューブが、大腸まで入っていたようで、冷たい水がお腹の中にサーっと流れこんできます。

「口から、飲ませてはくれないのでしょうか?」

喉がカラカラなのです。

「いいよ。これが終わってから、自分で飲めばいいさ」

「ありがとうございます」

思わず礼を言ってしまいます。でも、それはとんでもない勘違いでした。彼らは食器である洗面器を持って来て、私に示すのです。

「口で飲みたければ、自分で出して飲めばいい。捨てたらもったいない。リサイクルだよ」

ズズッと音を立てて冷水が腹に入り切り、チューブが引き抜かれました。

力を振り絞って立ち上がり、洗面器をまたぎます。そしていま注入されたばかりの冷水を自ら排泄します。シャー、シャーと少しずつの排泄です。粘膜が痛みます。冷たさが染み渡ります。小水も漏れて混ざります。

出し終えた水は、あれだけ朝、浣腸したのに、濁っています。臭いもしています。血も少し混じっています。自分の体温によって、温くなっています。

でも、それを飲むしかないのです。

飼育員さんたちが見守る中、私は洗面器に顔を埋めて、自分が排泄した水を飲みました。ひどい味ですが、渇いた喉が反射的に飲み込んでしまいます。

手を自由にさせてもらい、私は自分で洗面器の残りを捨てて、洗います。ついでに全身に水を浴びて、体を洗いました。

午後になって、飼育員さんたちが全員揃いました。まだ外は明るいのです。

「今から、おれたちの名前を覚えてもらうからさ」

輪姦される……。

そう思ったのですが、彼らが考えていたのは別のことでした。

日干しにされたときに身につけた拘束具を再び使います。手を背中で固定します。次に足を左右に拡げて、棒のついた足かせで固定します。体操で開脚して前屈するときのようなかっこうです。

ただし、彼らは、ごろんと仰向けにさせます。足を開かせている棒に、首輪からのチェーンを通し、その先を再び首輪と結びつけます。

私は自ら彼らに股間をさらして仰向けになっているような姿になってしまいました。

家畜妻の歌 第1部 (1/5)
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