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奴隷牧場8 拷問請負人リリヤと美樹 · 第1部分

奴隷牧場8 拷問請負人リリヤと美樹 第1部分 (1/3)
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一 二〇一二年四月 東京

二 二〇一二年五月 沖縄宮古島市伊良部町

三 二〇一二年五月 エスタブリッシュメントホテル四十三階四 二〇一二年六月 沖縄宮古島市伊良部町五 ニ〇一ニ年八月 エスタブリッシュメントホテル東京最上階ラウンジ六 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル東京三三〇八号室七 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル東京最上階ラウンジ八 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル東京三三〇八号室九 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル東京最上階ラウンジ十 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル東京地下三階 関係者駐車場十一 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル東京最上階ラウンジ十二 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル三三〇一号室十三 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル東京最上階ラウンジ十四 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル三三〇一号室十三 二〇一二年八月 エスタブリッシュメントホテル東京最上階ラウンジ終章 二〇一二年八月 三田村病院特別手術室軍医を退役してから二年、リリヤ・アレクペロフの退屈は我慢の限界を越えようとしていた。

サンクトペテルブルク市内の大きな病院に外科部長として迎えられ、その待遇にもなんら不満はなかったが、何につけ刺激がなさすぎた。

今では、月に一度だけ三日続けて取ることが出来る休日に、モスクワ市郊外にある地下倶楽部にわざわざ行くのがリリヤの「退屈」を解消する唯一の「娯楽」だ。そこで、人妻熟女や時にオークションに出品される若い娘に、激しい鞭責めをして、その後何時間もかけて性器や肛門を舐めさせ、幾度となくその鼻先に窒息寸前まで股間を押し付けて愉悦を貪るのだ。

勤務先の病院がくれる高額な報酬は、その往復の飛行機代とレズのドミナに変身するひと時の悦楽にその大半が消えていった。

強い男になら屈服させられたい、激しいレイプに身を捩って泣き叫びたいとも思うが、軍隊時代と違いリリヤのまわりにそんな男はひとりも居なかった。

畢竟

、自分が激しい責めを施すレズビアンSMプレイに嵌らざるを得ない。

だが、その地下倶楽部とて、所詮はプレイである。

軍隊の中に居た時のように、命のやりとりをするような緊張感を伴う高揚を味わうまでには至らなかった。

それでもなお生理の直前になると、その本能ともいえる欲望が目覚めはじめ、生理が始まると同時に抑えきれなくなる。

結果、それに

抗

いきれずにモスクワまで通っているのだった。

いや。

端

からその自らの性的渇望に勝てるなどとはリリヤ自身思っていないのだ。だからこそ、貴重な連休を自らの生理周期に合わせて、取得し続けてきた。

時に満足し、時に失望することがあってもだ。

リリヤの元に届いた航空券には、ファーストクラスを用意できなかったことと、サンクトペテルブルクのプルコヴォ空港からフィンランド航空の本拠地ヘルシンキまではLCCと言われる格安航空になってしまうことを詫びる、ロシア語のメッセージカードが添えられていた。

モスクワで面会をした、サガエからのものだ。

そうは言っても、サンクトペテルブルクからヘルシンキは僅か一時間ほどしかかからず、いつも行っているモスクワよりも近いくらいだ。ヘルシンキで乗り換えたフィンランド航空の便にいたっては、そもそもファーストクラスがついていなかったのだから仕方がない。

それでも、そのメッセージひとつで、これまでの大病院の外科部長職からヘッドハンティングされたのだという、ある種の満足感がある。日本という未だ見ぬ極東の地への期待感も多々あるし、そこに待っている新たな生活も大きな魅力だ。実際、新たな「就職先」から提示された報酬はロシアのお金に換算して、今の三倍近くにもなる。

そして何よりも、その仕事に付帯しているという「業務」が魅力的で、月に一度の楽しみを除けば、実に退屈な毎日を送っていたリリヤにとって、これはまたとない機会、人生最大のチャンスだと確信したのだった。

「あと一時間もかかりませんわ」

隣の席のナディアが、鳶色に光る長い髪をかきあげながら言った。

ヘルシンキの空港で待っていてくれたこの二十一歳の華奢な身体をした娘は、モスクワのサガエがリリヤの秘書として、モスクワなら日本への直行便があるにも関わらず、わざわざヘルシンキまで寄越してくれたのだった。

『彼女は、二十一歳の時から二年半日本の東京で暮らしたことがあって、日本語もきちんと話せるし今もちゃんと勉強している。私との普段の会話もロシア語ではなく日本語だ。去年、モスクワに帰って来てひょんなことから私と知り合ったが、また日本に行けることをとても喜んでいるよ。因みに女としてもきっちり調教してある。私の奴隷という立場を現在のところは取ったまま引き渡すが、貴女の言うことには絶対服従を命じてあるし、自分の奴隷と思って扱って一向に構わない。どんな風に使おうと男に犯らせようと君の自由だ。通訳の必要性がなくなったら、会長の三田村に頼んで日本人の別の奴隷と交換して貰っても結構だ』

サガエとモスクワで会った際に、もし日本に行くことが決まった場合は、通訳兼秘書の女をひとりつけてやる、もちろんオールマイティな秘書だ、と言われていた。オールマイティとはつまりはそういうことだ、とリリヤにはすぐに理解出来たが、届いたメッセージに同封されていた写真に、リリヤは思わず舌なめずりをしたくなったほどだった。

そこには、たった今つけられたばかりだとわかる無数の鞭の痕がついた、白ともピンク色ともいえるナディアの美しい肢体が写っていた。もちろん布切れ一枚身につけぬ全裸でだ。

労せずして、この女が黙ってリリヤの手に入るのだ。

「東京の空港では、エレーナが今か今かと待っているわ」

飛行機は出発が約二時間遅れたために、到着も同様に遅れていた。

せっかちなエレーナが待ちくたびれて、空港でうずうずしている様子がまるで目に見えるようだった。

東京で歯科医院の院長にならないか、というエレーナからの誘いをリリヤは最初、一笑に付した。

自分は外科医だ。歯医者になどなれる筈がない。

確かに軍隊に居た時に、捕虜の女の抜歯をしたことくらいならある。

女が大事なロシアの兵士の男根に歯を立てたためだ。麻酔なしでの抜歯に女捕虜は泣き喚き、リリヤを興奮させたことは事実だ。

鍛えぬかれた敵国の女兵士を素っ裸に剥き、強い精神力を徐々に奪っていき、許しを乞わせる折檻は、命のやりとりをしている戦場じゃなければ味わえぬ貴重な体験であった。

だが、実際の歯科治療などしたこともなかったし、もちろん大学でもその後の博士課程でも勉強すらしていない。

そんなことを心配する必要はない。今も治療には優秀な歯科女医が居る。わたしたちが求めているのは、時には歯を全部抜いてしまうことの出来る残酷な院長であって歯科医ではないのだ、と、電話の向こうでエレーナが力説した。そして、それとてその女歯科医にやらせてもよいただ、それを強い意志で命じることの出来る上司、コントローラーが必要なのだと、エレーナが言葉を続けた。

「わたしもニッポンのボウソウというところにある、同じグループの病院に勤めているの。そして自分の仕事で一番大事な任務は、そこに入院させられてくる女奴隷の調教と拷問よ。おかげで毎日がとっても楽しいわ」

と。

奴隷、調教、拷問。

リリヤにとっては、月に一度の僅かな時間だけに存在する魅力的な言葉を、エレーナは事も無げに口にした。

それが、仕事で、そして日常だと。

かつてエレーナとともに、敵の捕虜を拷問して半殺しにして秘密を吐かせた時の快美感、心から屈服して服従する女に性的奉仕をさせる充足感、そして反対にロシア軍の将校の前で自ら裸になり、鞭で散々打たれた後に前後の穴を同時に嬲られた時の、深い満足感をリリヤの身体は忘れてはいなかった。

「あんたが望むのならば、マゾの女だけではなく、反対にあなたに君臨して支配してくれる日本人のサドの男だって選び放題よ」

エレーナの、この言葉があるいは決め手だったかもしれない。

自分とエレーナの最大の違いはそこだろう。

エレーナは、女にも男にも自分がSとして性的満足を得られるようだ。

だが、リリヤは違う。

女や弱っちい男には強烈なサディズムを持っていて、それはそれでリリヤの性欲を一定には満たしてくれるが、強い男に屈して犯された時の鮮烈でめくるめく苦痛と快楽の渦には到底敵わない。結局今の自分は、その鮮烈な過去の経験をハードなレズ行為として昇華しているだけなのだ。

多大な期待と

一縷

の不安の中、飛行機は新東京国際空港ナリタへと降下していった。

一

二〇一二年四月

東京

「それでは、エスタブリッシュメントホテル歯科医院三代目になります新院長をご紹介します」

スポットライトの中、真紅のチャイナドレスから美しい白い脚をチラチラと見せた牧野リサのソプラノアルトの声が、エスタブリッシュメントホテル四十九階の会員専用だという豪華ラウンジに響き渡り、それまでのざわつきが一瞬にして静まり返った。

リリヤとナディアが日本に到着して、エレーナとの再会を果たすと、エレーナが連れていたリノという日本人美少女の四人で、エスタブリッシュメントホテル東京がある新宿へとホテルが差し向けてくれたという黒塗りの大型リムジンで向かった。リリヤが勤務する歯科医院もそのホテルの建物の中にあるのだという。

途中外を見ると、対向車線は大変な渋滞をしていたが、こちら側は比較的順調に走っていた気がする。それでも「新宿」というホテル最寄りのインターチェンジまでは二時間ほどを要した。

だが、その二時間でリリヤが退屈するようなことは全くなかった。

既にこの時点からリリヤの「ニッポン」が始まったからだった。

「内側から外は見えますが、外からは窓を開けない限り何も見えません。もちろん運転手もウチの人間ですので、後部座席ではごゆるりとお楽しみください。召し上がるならば、ウォトカや軽いおつまみなども車内の冷蔵庫に用意してあります」

空港ロビーから車まで荷物を運び、そのまま助手席に乗った黒人の男が、やたら目立つ白い歯を見せながらロシア語で言った。

四人が車に乗り込む直前、エレーナは連れの梨乃の白いタンクトップを裾から一気に捲りあげて脱がしてしまった。

「きゃっ」

梨乃は叫んだが、脱がされまいと抵抗したわけでもなく、むしろ手を上げて自分から脱衣に協力したようにも見えた。

外はいわゆるぽかぽか陽気で、舗道にかかる屋根の端っこからのやわらかな日差しが、全裸にされた梨乃の丸い大きな乳房を照らした。

「オッパイ」

リリヤは、エレーナに覚えてこいと言われた九つの日本語の単語のひとつを口にしてみた。

「きゃっ」

リリヤに言われて、再び梨乃が声をあげ、はじめて両手で乳房を抱くようにして隠した。

その仕草は本当に可愛らしく、初めて見る日本人の女の子がいっぺんに好きになった。

そしてそれは、これから起こるであろう数々の楽しい出来事に比べれば、実に他愛ないことであったろうが、リリヤはこの時日本に来たことを心から嬉しい、よかったと思えたのだ。きっと充実した素敵な日々が送れるであろうと、確信したからだ。

エレーナに促されて、リムジンの後部座席にそそくさと入る。

いくら平和な日本とて、全裸の女をいつまでも公道とも言える場所に立たせておいては、警察のご厄介にならねばならぬということか。

リムジンの中では、進行方向を向いて奥にリリヤ、その左側にエレーナ、そしてふたりと向かい合わせに、リリヤの前に梨乃、エレーナの前にナディアだ。

ひとりだけ丸裸の梨乃が、身体を丸めて乳房をふたりのロシア人女の視線から隠そうとしている。ナディアの方はそんな隣の少女のことなど、まるで存在しないかのように、背筋を伸ばして斜め前に座ったリリヤを真っ直ぐに見つめていた。

「リノ。テハアタマノウシロ。ヒザマゲテ、リリヤニオマンコミテモライナサイ」

エレーナが命令する。いつの間にか日本語を習得しているらしい。

日本人のまだ二十代前半ほどに見えるこの少女は、エレーナが声をかけた瞬間に身体をピクンとさせて、すぐにその命じたであろう言葉に従った。

服従が身についているというよりは、お仕置きが怖いがために指示に従っている、リリヤにはそう見えた。

オマンコが、女性器を指す日本語だということは学んであった。

梨乃が靴を脱ぎおずおずと足をシートにあげて、Mの字に開いていく。

股関節が柔らかいのか、Mの文字のまま百八十度近く両腿を開いたため、正面のリリヤから梨乃の無毛の性器はその構造の細部までがあからさまに見て取ることが出来た。

「元テレビアイドルスターだったのよ、この子。今はアダルトポルノ女優を経て、私たちの倶楽部のただの奴隷だけどね」

エレーナがロシア語で言いながら、オレンジ色のスーツの右のポケットから金色をしたクリップのようなものをふたつ取り出して、リリヤに手渡す。

「なあに」

「おっぱいにつけてあげて」

リリヤは言われた通り、手を頭の後ろに組んで極端なM字開脚をしていることで、背筋が伸びて、結果これみよがしになっているふたつの膨らみの先端、薄いココア色をした小さめの乳首に、クリップを拡げて挟んでいく。

「ううぅ」

梨乃が呻き声を上げるのも無理はなかった。クリップのその部分にはかなり尖りのあるギザギザがついていたからだ。

次にエレーナは、先ほどまで梨乃が手に持っていた小さなバックの中から、ベルトのようなものを取り出した。

それをリリヤに手渡し、梨乃の腰に巻くように言う。

巻き終えたベルトには右の腰骨のあたりに、黒い電源ボックスのようなものがついていて、エレーナはそこについているスイッチをオンにしろと目で合図をしてきた。

「リノ、カクゴハ」

「は、はいっ」

梨乃が緊張で身体を硬くしたのが、リリヤにもはっきりとわかった。

エレーナが今度は、左のポケットから黒くて四角いリモコンのようなものを取り出した。

「や、止めて。お願いします、許して」

見る間に梨乃の顔は青ざめ、噛み締めた口唇が紫色になって、歯をガタガタと言わせている。

「イクワヨ」

「うぎゃーーーっ」

梨乃が目を固く閉じて、必死に苦痛に耐えながら身体を震わせた。

エレーナが手元のスイッチを操作すると、ようやくその責めが収まったようだ。

梨乃の乳首に取り付けたクリップから電流が流れたのだろう。

隣のナディアが呆然とそれを見つめている。

「今のは弱ね、一番弱いのよ。それでも結構な効果がある」

エレーナが、リリヤに「それ」を手渡しながらロシア語で説明する。

「『中』を使うと失神寸前に、強だとまず意識を保てる女は居ないわ。そして、貴女がこれから行く職場で、部下として待っている歯科女医・サユリという女には、こんな取り外しの出来るクリップなどではなく、ぶっといリングが両方の乳首に貫通させてある。さらに女の急所にもひとつね」

エレーナの説明を聞きながら、スイッチを渡された以上は試してみずにはおられないリリヤだ。

「ぎゃーーっ、お、お、お許しを」

梨乃は同じ弱だと、一度目の衝撃に少し慣れたのか、ただ絶叫するだけではなく、何か日本語で哀願の言葉を言って、リリヤを真っ直ぐに見つめてきた。

スイッチを切る。

「そして、これから案内するホテルだけど、その秘密クラブのスペースになっている部分と彼女のいや明日からは貴女の職場にもなる歯科医院と、その外とを隔てている場所には、そこを通ろうとするだけで、このリモコンの強よりも強い電気が流れて、一瞬で彼女を失神させられる威力の電流がお乳と女性器に流れるようになっていると言われているわ。話によると、サユリは怖がって一度も通ろうとしたことがないらしいの。だから誰もその効果を確認出来ていないみたいだけどね」

「籠の中の鳥ということ」

「そう。まさしくその通り。万が一、エスタブリッシュメントホテルが火災に見舞われたとしても、籠の中の鳥は逃げられない」

なるほど。

これはリリヤが想定していたよりも、さらにずっと愉しそうな場所だ。

「一段階上を試していいか」

リリヤがリモコンのその位置をエレーナに見せながら尋ねると、察知したのだろう。梨乃がぷるぷると顔を左右に振って拒絶を示して、哀願の目を再びリリヤに向けてきた。

スイッチに手をかける。

カチッ。

だがリリヤが動かしたのは、やはり弱の位置までだった。

「いやーーーっ」

ぶるぶると身体を震わせながら、梨乃の股間から液体が溢れてきた。失禁したのだった。

「ナディアは、サガエの調教をどのくらいの期間受けてきたの」

エレーナの

矛先

が今度は、リリヤの秘書兼奴隷として一緒に来日したナディアに向かった。リリヤとしてもまずは元同僚のお手並み拝見というところか。

写真では一応この子の裸を確認していたが、リリヤにしても早く、ナディアの裸を生で見てみたかった。

「まだ、一年弱くらいです。未熟ですが、よろしくお願い致します」

ナディアが流暢な発音のロシア語で丁寧に答える。目の前で見た日本人の娘への責めに怖れをなしているのは間違いない。

エレーナがいきなり右手を伸ばして、ナディアの左の乳房を鷲掴みにした。

「Cカップくらいかしら」

「は、はい。小さくてごめんなさい」

おっぱいは大きくはないが形はいいし、乳首は綺麗な色をしている。乳の大きい女を虐めたければ、東京の倶楽部にはいくらでもいるから、とヘルシンキの空港からナディアを寄越してくれた礼と無事合流できた報告を電話でした時に、サガエがそう言っていた。

「ゼンブヌイデ、オッパイトオマンコ、ミセナサイ」

エレーナは、ロシア人のナディアにわざわざ日本語で言った。

オッパイは乳房のことで、オマンコは女性器のことまたは性行為そのものを指す言葉だ。

ナディアは白いブラウスの前ボタンをひとつまたひとつと外すと、前を拡げた。二十一歳という若さに偽りのないきめ細かな素肌に、薄いピンクのブラをしていた。Cカップだというが、身体の横幅が細いため乳房のボリューム感はその数値以上にはあるように見える。

スカートのホックを外すと、ブラと同色の小さなパンティひとつ履いているだけで、細い足にあとは白の短いソックスだけだ。

両手を後ろに回して、ナディアがブラも外す。

ぷるんと、二つの美しい膨らみが、その様子を見つめる梨乃を含めた三人の女の目に曝け出された。

「きれい…です」

電気責めの失神から回復した梨乃にも、ナディアの脱衣を見ているようにエレーナが命じていた。

鎖骨の下の素肌からなだらかに盛り上がるナディアの乳房は、その頂点付近に鮮やかなピンク色の乳輪があり、その中央に直径は一センチもないだろう乳首が、精一杯に尖って自己主張をしている。

写真では見ていたとはいえ、美しい少女の美しい裸体にリリヤも息を呑む。この子が今日からは自分の言いなりに、秘書兼通訳そしてプライベートでは奴隷女としてリリヤの好きにしていいのだ。

エレーナが目線で、それも取れと合図を送ると、素直にナディアは腰を浮かしパンティをずらした。

脚を抜いて、ただのピンク色の布切れになったものをわざわざ畳むと、リリヤに向けて差し出した。見ると、パンティの内側の二重になっている性器に直接当たっていた部分をわざわざこれみよがしに上にしている。受け取ったリリヤが鼻のそばに持ってきてみると、ツーンと若い女特有の強い匂いがした。

そこにはすでに、粘った液がたっぷりと付着していたのだ。

「脱いだパンティを見てもらうというのは」

「ご主人様のお言いつけです」

リリヤの問いに、ナディアが即座に答える。

「ヒザヲタテテ、オマンコヨクミセナサイ」

何故かエレーナは再び日本語で命じる。

ナディアは足をシートに上げて膝を立てると、股間を公開するように左右に拡げて、隣の梨乃とふたりの女がMの文字で開脚する形になった。梨乃ほどの股関節の柔らかさはないようだが、それを見倣ってかナディアも精一杯の角度に脚を開いている。

「フタリトモ、スコシオッパイイタクシテアゲヨウネ」

エレーナはリリヤに、梨乃の乳房を二つとも鷲掴みにして痛めつけろとロシア語で言い、自らはナディアの乳に両手をかけて、文字通り握りつぶすほどの渾身の力を籠めてみせた。

「イタイデス、オユルシクダサイ」

即座にナディアが日本語で哀願した。

リリヤも目の前の美しい日本人美少女の、これまた美しい乳に手を持っていく。

「メヲアケテ、リリヤヲミナサイ」

リリヤの手が乳房に触れた瞬間に、眉をしかめて目を閉じた梨乃だったが、エレーナに命じられるとすぐにリリヤのことを怯えた目で見つめ返してきた。

乳首にはまだ電気が流れる金属クリップがついているが、リモコンは自分の膝の上だから問題はない。クリップの感触もろとも、思い切り握りつぶしていく。

「い、痛いです。おっぱいちぎれちゃう」

「コンナコトデ、オッパイトレタオンナハ、ヒトリモイナイネ」

エレーナは悲鳴をあげる梨乃を

叱責

しながら、今度はナディアの乳首を

捻

り上げている。

ウギャーー、というなんともいえない悲鳴がナディアからあがると、「梨乃のクリップ取って。この子にも電撃ショックを今のうちに身を持って体験させておこうか。一度経験すると、反抗しようなんて気持ちが起きなくなるわよ」

リリヤに

否

やはなかった。

梨乃にそれが

施

された瞬間から、ホテルに着くまでにはナディアにもと思っていたのだ。

「ウッ」

その先端のギザギザできつく乳首を噛んでいたクリップを外す瞬間に、梨乃はまたうめき声をあげて、それが気に入らないリリヤは反対の乳首を解放してやる前にクリップを摘んで三百六十度回転させて乳首を捻り上げた状態でそれを外した。

梨乃は顔を歪めて苦痛に耐えながら、今度は声を出さなかった。

「リノモ、ユリママニニタノカ、ダイブイイマゾニナッテキタネ」

クリップをひとつだけ受け取ったエレーナは、梨乃に何かを告げつつナディアの右乳首にそれを咬ませる。リリヤは左の乳首につけた。

「いやいや、やめて。電気怖い、お願い許して」

ナディアが必死な顔でエレーナとリリヤを交互に見てロシア語で許しを乞うが、もちろんリリヤはそんなことに聞く耳など持たず、リモコンを手にした。

「電気の責めは初めてか」

エレーナも今度はロシア語で聞いた。

「は、はい」

必死な表情でナディアが頷く。

「な、なんでも言うことききますから、こんなことお止め下さい」

「奴隷は口ごたえしてはいけない、とサガエにまだ教わってないのね」

「も、もちろんそう教えられ…う、ぎゃーーーーーーっ」

答えている途中でスイッチを弱に入れた。

リモコンの電波は、梨乃が腰に巻いているベルトについている装置を通してその特殊クリップに電気を送り込む仕組みなのだろうか。いずれにせよ電源が必要である以上は、このベルトがその役割を果たしているのだろうが、本人に取り付けていなくてもそばにあればいいというのは、なかなか便利かもしれない。

そんなことをリリヤが考えているうちに、ナディアが気を失い、じょろじょろと女性器から尿を漏らしてしまった。

それを見て慌ててリリヤはリモコンのスイッチをオフにした。

「エスタブリッシュメントホテル歯科医院、新たにお迎えした院長はロシア・サンクトペテルベルク市からお招きしました、リリヤ・アレクペロフ先生です」

目を閉じて三日前に日本に到着した日のできごとを反芻していたリリヤに、強い光線が当てられた。

「うぉーーっ」

というざわめきが起こるのは、ほぼ想定通りだった。

丸いスポットライトの中に自分の姿が浮かび上がったからだ。

お披露目をすると言われて、戸惑ったのはいうまでもない。パーティーならばともかく、院長の紹介をショーでするなど、リリヤには想像も出来ないことだったからだ。

「殿方たちが、ひとつ違った次元で楽しんでいる。先立つモノがあるから、それが現実化出来るというのもある。先立つモノのひとつはもちろんお金だけど、それ以外の要素もあるの。人身売買まがいのこともあれば、入院させて半分監禁しておいて洗脳していたりもするけれど、それが何故か表立ったりすることはない。エスタブリッシュメント倶楽部の会員にはこの日本という国の中枢にいると思われる人物が何人も居るわ。そしてその舞台装置として、ホテルや歯科医院や病院があるのだけれど、その装置の主役が今回入れ替わるんだから、お披露目ショーくらいはするわよ」

エレーナは、既にこの組織にどっぷりと

浸

かっているということなのか、この後、会長という男への賛辞を並べ立てた。

そのうえで、この初登場の日はロシア軍の軍服を着るべきだとアドバイスしてきたのだ。

外科医の自分が歯科医院の院長で、その制服が軍服だなどとは、実際問題ふざけているとしかリリヤには思えなかった。

それでも目が

眩

むほどの光の輪の中で、こちらからはただの暗闇の中に僅かに人の気配がするだけの客席からどよめきの後に大きな拍手が起こると、リリヤは正直ため息が出るほどに安堵した。

「アレクペロフ先生は、数年前までロシア軍で皆さまもご存知のあの拷問職人エレーナとともに軍人のひとりとして従事していたそうです。本業は外科医。エレーナが拷問で傷つけ過ぎた敵方の兵士を治療したこともあれば、エレーナと一緒に敵方の女兵士を拷問したこともあるそうです。エレーナの口癖を皆さまご存知ですわね。『拷問で二度失神した男のちんぽ切り落とした、十三本』という皆さまも思わず股間を押さえたくなるような話。実はそのうち、何人かはこのアレクペロフ先生の緊急手術で復元したのだそうです」

客席から、おーーっという声とともに、拍手が起こる。

「そのかわり…」

リサの声でまたそのざわめきがすーーっと引く。

「まあまだ彼女は日本語は話せませんのでエレーナのようなセリフを吐いたりしませんが、さしずめ『女の下半身にはおまんこさえあればいい』ってところでしょうか。彼女が女兵士に施した極刑は、両脚の切断だそうです」

さすがの名うてのサディストたちが集まっている客席からも息を呑む気配だけがして、静まり返っている。

「もちろん、両脚を切断されてひとりでは歩けなくなった女が、ロシア軍の兵士たちの性欲処理に使用され続けたことは言うまでもないのでしょうね。恐ろしいことですわ」

リサがここで話す内容は予め打ち合わせ済みで、リリヤにも何故そんな反応になったかよくわかっていた。

打ち合わせ通り、このタイミングで軍服を脱ぎ捨てる。

暗闇からたくさんの目線がリリヤの身体に注がれているのがわかった。

だが、客たちが期待したかもしれぬ裸ではない。中には歯科医院での制服ともいえる、白衣を身につけていた。もっともその白衣の下には布切れ一枚つけてはいなかったが。

リリヤのスポットライトはそのままに、新たに二つのライトがリリヤの両側を照らした。

「続いて、皆さまもご存知の当倶楽部の奴隷歯科医・宍戸紗友里と、新たに明日から補助衛生士として勤務してもらうことになった元アイドルにしてAVで六億稼いだ女こと朝比奈梨乃の二人です」

会場からまた拍手が起こるがリリヤの時ほどではなかった。

日本に着いた日に、エレーナとともに自分を迎えてくれた梨乃という娘も、リリヤの管理下に置かれることになった。もちろん直属の部下ならぬ直属の奴隷としてだ。エレーナはそのために彼女を連れて来ていたのだ。

聞くところによれば、日本のテレビタレントのグループに所属していて、人気絶頂期に引退して突如アダルトビデオのスターに転身した娘で、今も多くのファンが居るという。

その娘が歯科医院の衛生士、それも事実上は奴隷衛生士などになったなら大変なことになるのではないのか、とリリヤは要らぬ心配をしたが、「彼女が勤務するのは、ホテルの二階のショッピングアーケードフロアの一角にある一般向けのエスタブリッシュメントホテル歯科ではなく、会員フロアにある特別診療室よ」

と、エレーナは当然じゃないとばかりに大笑いした。

「皆さま、このふたりの新しい衣装いえ制服は

如何

でしょうか。明日から歯科医院特別診療室では、奴隷歯科医と奴隷衛生士はこのような素材のレオタードで勤務することになりました。これはアレクペロフ先生、いえ今からはお名前のリリヤ先生とお呼びしましょう…皆さまもそうお呼びください。…先生の温情のお言葉からこうなったのです」

リサがレオタードの話をしている。

「オッパイ…」

リリヤは、全裸にされて連れて来られた奴隷歯科医宍戸紗友里の乳房を初めて見た時、覚えたばかりの日本語の単語をその時つぶやいた。日本に来て二回目だ。

手を頭の後ろに組んで、世界共通の服従の意を表すポーズで乳を見せている紗友里は、新しい上司で自分の所有者となるリリヤに端から怯えた顔を見せていた。

その乳房には双の乳首に太いリングが重たげに揺れ、あきらかに乳全体を重力方向、つまり下に向けて引っ張り、乳首そのものも下を向いていた。女の大切な宝であるそれは、その大きさがあるほど、そして重量があるほど、年齢とともに重力に負けるのは致し方のないことだ。リリヤとて自身の二十代の頃のツンと生意気そうに上向いていたバストと比べると、今は多少は乳首の位置が下がっているのを鏡の中に認めざるを得ない。

そのことをやはり自分でも気にしていたリリヤからすれば、わざわざそんな重いリングをぶら下げて、乳を垂れさせようとしているとしか思えないこの女が信じられなかった。

「お乳が下に垂れたくなければ、四つん這いで居るのが一番なのよ、この女は」

エレーナがロシア語で言った。

今はリリヤに、この女の身体を隅々まで見せるために立たせているだけで、仕事の時以外は原則四足歩行だと。

聞けば、前院長がこの重たいリングに、わざわざ付け替えさせたのだという。

それまでの小さなピアスでの電撃だけで、機能的には充分だったのに、この重たいリングを付けさせることで、歯科女医のプライトまでも根こそぎズタズタにして、服従させていたらしいのだ。

即座に、今後はそんな必要はない、とリリヤは思った。

この女を服従、隷属させるに充分どころか、既に「籠の鳥」状態で、このホテルからは一歩も出られないと言うではないか。

しかし、このリングは二度と外すことが出来ないという。

もちろん外科医の自分が、乳首ごと切断してやれば不可能ではないだろうが、それも酷い話だし、本人も望まないだろう。今はリングの重さがかかって下方向に乳首が引っ張られ歪な形に見えているものの、元々は大きくて綺麗なバストだっただろうと思えるのだ。

そこでリリヤは、彼女が治療中などで立っている時にも身体にフィットしたレオタードで乳房全体を押さえつけて、これ以上重力に引っ張られることを避けさせるように提案したのだった。

この女もまた、マゾとして奴隷としての使い道はまだまだいくらでもあろう。

少々冷たい印象さえ受ける美しい顔立ちをしているこの歯科女医は、男性にとってもまだまだ充分に使用価値はあるはずだ。男に使わせる以上は、折角美しかったであろう乳房を、これ以上醜くして何の意味があるのだろう。サディストに愛でられ甚振られる対象物として、元はできるだけ美しいほうがいいに決まっているのだ。

美しい乳房を鞭でズタズタにしたり、針やメスで刺し、切り刻んで血を流させるからこそ、強い満足感が得られるというものではないか。

そう。これは本人のためなんかではない。この女の支配者になってその二つの乳房すらも必然的に自らの従属物として責めの対象にする、リリヤ自身のための提案でもあるのだった。

「このレオタードの特徴は…」

リサの言葉に、白いライトの輪の中で女達が動く。

左側にいるピンクのレオタードの梨乃は、右向け右をしてリリヤの方に顔を向けると、左足をまっすぐに高く上げるいわゆるバレエ・ダンサーのY字バランスのポーズを取る。

アイドル・タレントとしてダンスレッスンなどで鍛えられていたという梨乃の所作は美しく、身体の線が露骨に剥き出しになる衣装がむしろよく似合っていた。その素材のために、身体の線どころかそこだけ豊かな乳房やその頂点にある乳首も、そして無毛の性器の形状までもライトに照らされてはっきりと見えている筈である。

紗友里の方は真っ白いレオタードだ。

こちらはさらに露骨に透けて、乳を押し付けるように太いリングがその無骨な形を浮かび上がらせ、その輪が貫いているおおぶりな乳首がリリヤからも見える。紗友里は、客席の方を向き手を頭の後ろに組んだまま、足を左右に開いて膝だけを深めに曲げるいわゆるガニ股の姿勢を取って、白のレオタードの薄い素材のせいで梨乃以上にあからさまになっているであろう股間を観客に見せていた。

「このようにスケスケの素材で、診察や治療を受ける皆さまのお目の妨げにならずに、おっぱいやお尻、そして女性器もレオタードの上からもほぼ見ていただけますとともに、ここ…」

リサはガニ股で立っている紗友里の横へ歩み寄ると、臍のすぐ下あたりに付いているマジックテープをジャッという音を立てて引き剥がして、それを捲りおろした。

「…のところがこのように簡単に脱着出来るようになっておりまして、必要に応じていつでもこのようにおまんこも肛門も丸出しにしてご使用いただける、というすぐれものでございます」

客席からはレオタードを着た女医の無毛の性器がスポットライトの中で強調され、クリトリスを穿つリングも、少し大ぶりのラビアも丸見えになったことだろう。

「それでは、今回この素敵なレオタードを提供して下さった、当倶楽部ゴールド会員でもある雨宮スポーツ株式会社の雨宮社長を皆さまにご紹介いたします。雨宮社長、舞台袖で鞭をお受け取りになって、こちらまでどうぞ」

拍手が起こる。

この時反対側の袖から出てきたアシスタントによって、リリヤにも乗馬鞭が手渡された。

リサが上がってきた男にハンドマイクを差し出す。

男は明るいグレーのスーツを着ているがタイはしておらず、ワイシャツの一番上のボタンを外していた。

「みなさま、ただいまご紹介にあずかりました雨宮スポーツの雨宮でございます。私どもの会社はもともとこういったレオタードや運動着、運動用具などを総合的に扱うメーカーでございます。今、宍戸先生と朝比奈さんに着ていただいているこの透ける素材のレオタードも、タテマエは練習着としてですが、実際は私の所有する奴隷や同好の士の皆さまの奴隷嬢の普段着やプレイの際に着用させる衣装として開発させていただきました」

「オマンコ奴隷には、ぴったりの衣装ですね」

リサが女性器を指す日本語を口にした。

リリヤはこれから紗友里を、今ステージに上がってきたアメミヤという男は梨乃を、それぞれ鞭責め刑にかける段取りが予め決められている。

その前にもうひとり…。

「はい、そのとおりです。奴隷はいつでも所有者に穴を差し出すべきですからね。当社の奴隷レオタードは、スポーツ用品店では直接売ってはおりませんが、ネット販売では堂々と…と申しましても奴隷用だのマゾ女向けだなんてことは、そこにはひとことも書いてございませんが、普通に売っておりまして、これが意外に当社の隠れたヒット作となっております。そのようなこともございまして、実はこのたび新作を製作いたしました」

スポットライトがもうひとつ点灯する。

梨乃のさらに左側、客席から見ると一番右端の光の輪の中に浮かんだのは、手を頭の後ろに組む服従姿勢のナディアだった。

日本で人気があるという女子大生向けの「セーラー服」という、上着は白でスカートが濃紺の制服を着せられている。いわゆる水夫のユニフォームに似たデザインのものだ。これが幼さを顔立ちに残している二十一歳のナディアによく似合っていた。サガエがロシアから持たせたものだが、ナディアが実際に日本の大学に通っていた時に着ていたものらしかった。

「ゆっくり一回転して、みなさまに見て頂きなさい」

日本語が理解できるナディアはリサの言葉に頷き、ゆっくりと右回りに身体を一回転させた。紺色のスカートがふわりと膨らんで、素足の白い太腿が僅かに覗いた。

「この子の着ている制服は便利ものでして…」

リサが今度はナディアの横に立つ。

白い制服は、左の脇の下の部分にクロッチがあって、そこから下が三つのマジックテープで留められている。それをベリベリと剥がすことで前を開けられるようになっていた。そうしておいて右袖、左袖の順に脱がせる仕組みだ。

リサがセーラー服を前開きにすると、ナディアは素直に袖を自ら抜いて、さらにスカートのホックも自分で外して足元に落とす。

ナディアもまた、制服の下に薄い黄色のレオタードを着用していた。もちろんCカップの乳房は透け、淡い色づきの乳輪もその中央で尖りをみせている乳首もはっきりとわかるものだ。

「そして、このレオタードもセーラーと同じように…」

またもリサがベリベリという音をたてて、レオタードを真ん中からふたつに裂くように開いた。

こちらは真ん中が首のところから股間まで、見た目ではわからないくらいの細いマジックテープが片方の内側についていて、反対側はどの位置にでも貼り付けられるようになっていた。

「こちらの製品はよりボディにフィットするように、このような方式を取らせて…というのは建前でして、ひとつにはいつでも奴隷を裸にすることが出来ることを目的にこのような形にしております。また限度は当然ありますが、マジックテープの位置を柔軟にしたことで、より締め付けて着用させることも可能です」

「おっぱいを強調させるわけですね」

「はい。それもまあ目的のひとつなのですが、世の中には結構、締め付けられる願望のあるM女性や女装者が居るということがネットのアンケートでわかったからでして、そもそもこのマジックテープもこの新しく開発した特殊な素材で身体をよりぎゅっと締め付けることに重点をおきました。それが結果的に奴隷のボディラインを強調する形にもなるというわけです」

歯科女医の乳首を

穿

つ重いリングによる乳房の下垂を、これ以上避けつつ裸体に近い状態を維持させるために、レオタードを着用させることを提案したリリヤだったが、日本の技術がここまで素晴らしい素材と機能性を提供してこようとは想像もしていなかった。リリヤが漠然と考えたものよりも、はるかに身体に密着し締め上げ、そして透けているのだ。

「ナディアはロシア生まれロシア育ちですが、外交官だった父親の都合で学園三年から大学の途中まで日本の女子校に通っていたことがあります。したがって日本語は不自由なく使いこなします。古い会員様にはご存じの方も多くおられるかと思いますが、エスタブリッシュメントホテル支配人寒河江沙織の夫で、当ホテルグループの極東担当統括寒河江駿一の調教をモスクワで受け、今回リリヤ院長の秘書兼通訳兼奴隷として再来日いたしました。はい、誰か出てきてこの子の性器みなさまにお見せして」

リサがヘッドセットのマイクに告げると、すかさず黒人の大男がひとり舞台の左袖から登場した。

小柄でほっそりしたナディアは、その黒くて太い腕をした男に、左右の膝裏を軽々と抱えられ、黄色のレオタードが真ん中からまっ二つに分かれ、肩紐だけでなんとか身体に残っているという、前から見たら何もかもが丸出しという格好で足を拡げさせられた。

「リリヤ院長とも話したのですが、明日から早速このロシア娘も歯科医院の方にアシスタントとして勤務させます。SM行為はしばらくはリリヤ院長の専任とさせていただきますが、皆さまへのオマンコ奉仕は明日から即日解禁いたしますので、ご自慢の持ち物を金髪ロシア娘の穴にズドンされたい方は、是非この後ご予約下さい」

リサは黒人に抱きかかえられて脚をM字に拡げられているナディアの足元にしゃがんで、どうやらナディアの性器をそのしなやかな指で拡げて穴の内側まで客席に公開しているようだ。

ナディアの性器の土手には多毛ではないものの、金髪の陰毛が生え揃っている。剃ったり脱毛してしまっていることも多いロシアの娘にしては珍しいのだが、これもサガエの指示らしく、そもそも毛の色も本当は黒っぽいのだが日本に行くなら折角だから染めてしまえということになったらしい。

新宿のホテルまでの車内で失神するまで電気責めにかけられたせいもあってか、ナディアはすっかりリリヤへの忠誠を誓い服従する態度を示していた。そのためもあり、今のところ敢えてハードな調教に進んでおらず、夜のベッドでは二時間、時には三時間以上もリリヤへの性器や肛門を舐めさせる奉仕調教に終始していた。

あとは器具を自ら使わせて、目の前でオナニーをさせる程度だ。

これからいくらでも時間がある。

生贄はゆっくりと時間をかけて料理するに限るし、今日のショーのために鞭打ちなどで身体に傷をつけることを封印していたものの、歯科女医も元アイドルタレントも今夜からはいつでも呼び出して鞭責めだろうと針責めだろうと、ペンチで乳首やクリトリス、ラビアを捻り上げる、リリヤが大好きなプレイだろうとやりたい放題なのだ。

もちろん気に入らないことがあれば、三人共いつでも容赦なく電気責めにかけて失神させるつもりだ。

「それでは、紗友里と梨乃の鞭責めをはじめます。その間、そちらのナディアちゃんには公開電マオナニーショーでもさせるといたしましょう」

リリヤは一発目から手にした乗馬鞭で、紗友里の太いリングがぶら下がる右乳首を容赦なく狙い撃ちにした。

二

二〇一二年五月

沖縄宮古島市伊良部町

「わたしの知る限りですけど、例えば縄・縄・縄と縛りがSMそのものだみたいなことを言う殿方もあの世界には大勢居て、そういう人たちは、そもそもおちんちんなんてSMに不要だみたいな…だったりしますよ」

慰めてくれているつもりなのだろうが、若さゆえにその言葉で逆に傷が深く抉られるなどとは恭子は思いもよらぬだろう。

なにしろ、向井自身がそういう「俺の縛りはどうだ美しいだろう」などとうっとり眺めるようなSMもどきを、これまで忌避し、散々嫌悪してきたのだ。

だが、今の向井はそんなことを言葉はおろか表情にも出しはしない。

恭子は、向井がエスタブリッシュメントホテルグループに引き抜かれる前に勤務していた帝都歯科大附属病院に、帝都歯科大の学生として学んでいた娘だ。といっても歯医者の卵ではなく、彼女が属していたのは歯科衛生学科だ。女子ばかりのクラスの中でももっとも小柄で、片笑窪の出来る笑顔がひときわ目立つ可愛い子だった。

インターンで向井が担当していたチームだった彼女と男女の関係を持ったのは、恭子が卒業する年度の夏のことだった。

「わたしマゾみたいなんです」

と、自分から告白してくる大胆なところも持ち合わせている子であった。

向井のことが好きで自分からアプローチしてきたものやら、教授と一回寝ておけば就職先のひとつくらい斡旋してくれるだろう、といったドライな気持ちだったのか、どちらにせよ向井にとって美味しい話には違いなく、実際に教え子の歯科医師が父親と一緒にやっているさいたま市の歯科医院に就職の口利きをしてやっている。

だが恭子は、折角東京の大学にまで来て学んで得たその就職先を二年ほどで退職してしまった。

沖縄の実家に戻り、父親が経営している離島の民宿を手伝っているので、いつでも遊びに来てくださいと何度か誘いのメールを寄越していた。

「先生、久しぶりに恭子のお尻に鞭入れてください。そういうことの方がきっと…」

フェラチオなどより効果があるのでは、と言いたいのだろう。

あの日。

気が付くと向井は、ベッドに大の字に拘束されていた。

お、俺のアレ…ち…ちんぽは。

何故か目の前で切断された筈のそれは、元に戻っているような気がした。

僅かに動く首をもたげて下半身を見ると、その部分は包帯でぐるぐる巻きにされている。そこだけではなく、下半身もギブスで固定されているようだった。

次に思ったのは、どこだここはということだったが、三田村病院の整形外科病棟の一室であると知るのはその翌日のことだ。

窓から部屋に入ってきている光はどうやら西日で、室内を僅かにオレンジ色に染めている。

朝日ではなく夕日だとわかったのは、その色が段々と濃くなってきているからだ。少なくとも、昨日の夜のあの瞬間からほぼ丸一日近く眠っていたということだろう。空腹を覚えないのは、左腕に入っている点滴のせいか。

後で知らされたことだが、あの日、精神科病棟で向井に対する「処刑」を実行すると同時に整形外科病棟のオペ室では緊急手術の準備がなされ、応急処置をするチームが向井たちが居た部屋の隣に待機していたのだという。

それにしても初めからそんな手間をかけるつもりなら、脅しだけでよかったではないか。

本当にちょん切りやがって。その時の絶望的な恐怖感が今も蘇っては、憎悪と恨みとそしてやりきれなさに向井の心が苦悶する。

民宿といっても向井が宿泊している部屋は洋室で、シングルサイズとはいえベッドがふたつ付けられたツインルームは割とゆったりとしていた。これでもうちで一番広い部屋なんです、と恭子は最初の日に教えてくれた。

退院というよりも、追い出されるような形で病院を出た向井が考えたのは、東京を一度離れよう、それも出来るだけ遠いところに、ということだった。

復讐。

その二文字を胸に浮かべて、羽田から那覇へ飛び、さらに乗り継いで宮古空港に降り立った。

詳しいことは何も言っていなかったが、宮古空港に出迎えてくれた恭子は、何時まででも居て下さい、まあ宿代いただければですけど、と茶目っ気たっぷりに言って、乗ってきた軽自動車の助手席に向井を乗せた。

恭子には、ただのEDなんだとしか言わなかった。

あのお薬、飲んじゃえばと言われたが、心臓にも少し問題があってアレはやばいんだ、ということにした。

「帝都歯科大の種馬と言われた向井先生が…」

恭子は、向井をリラックスさせようとそんなことも言った。

だが、向井の脳裏からは、あの切断の瞬間の映像がなかなか消えることはなかったし、夢にさえ出てくるのだった。とてつもないトラウマだ。

残虐なロシア人女に、折角俺の種で妊娠出来たというのに今回加担した和香。牧野リサ。そして、あの憎き三田村とその妻の乃里子。

そのだれもが八つ裂きにしても、まだ足りない五人だった。

どうにかして

一矢

報

いたい、いやそんなレベルでは済まさない。

本土より一足もふた足も早く梅雨入りを迎えた沖縄の地で、向井の頭のなかは毎日そのことばかりだった。

三

二〇一二年五月

エスタブリッシュメントホテル四十三階

ある程度想像はしていたことだったが、そこは「歯科医院」と言うには、あまりにも異質な空間だった。

いや、二階の「診療室」に降りれば、いたって普通の歯医者さんではあるのだが。だが、そこもリリヤが院長になる前から、すでに会員以外の治療を受け付けていないとのことだった。向井が去り、実際に治療にあたる宍戸紗友里をコントロール出来る人間が居ないのでは、さすがに一般の患者を診させるわけにはいかなかったのだろう。わざわざ一般客の診療をやって、余計なリスクを背負い込む必要は今後もないとのことで、その方針はリリヤが院長に就任した後も継続することとなり、「暫く休診します」という告知も続けることになった。

そのため、リリヤの職場である四十三階の「特別診療室」でも行われていた、会員のための本当の歯科治療は、二階の本来の診療室ですればよいということになり、文字通りこの部屋は特別な治療をする部屋となった。

奴隷牧場8 拷問請負人リリヤと美樹 第1部分 (1/3)
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