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奴隷牧場11 二十二階の魔女(上巻) 【奴隷牧場】 · 第1部分

奴隷牧場11 二十二階の魔女(上巻) 【奴隷牧場】 第1部分 (1/3)
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プロローグ

二〇一二年十一月 エスタブリッシュメントホテル最上階ラウンジプロローグ「もちろんアテがあってのことだ、心配ない」

元夫の不敵な笑みに、美樹は少し胸を撫で下ろす。

エスタブリッシュメントホテルの二階に開設している「エスタブリッシュメントホテル歯科医院」の院長であるリリヤ・アレクペロフから、「いつから自分は仕事に復帰出来るのだ」と何度もメールが来ている上に、今日の昼に千葉の三田村病院で会ったエレーナからも「ハイシャサン、ドウスルツモリカ」会長に聞いてみてくれと念を押されたからだ。

リリヤとエレーナは、元々ロシアの軍隊で一緒に仕事をした仲間であるし、周りに居るロシア人はあとはリリヤの秘書として付いてきているナディアだけだ。言葉の問題もあるし、当然情報交換やら悩みのひとつも相談しているのかもしれない。

だか、せっかく別に仕事せずにのんびりしていていいと言っているわけだし、身分も給料も保証されているのだから、東京見物でも、なんなら外人さんたちが好きらしい京都あたりに観光にでも行ってくればいいのだ。美樹はそう思う。

中東に一度お嫁に行って、向こうの男たちののんびりぶりを目にしているからかもしれないが、ロシア人というのはこんなに勤勉なものなのだろうか。

今年も蒸し暑い日が続いた夏だったが、さすがに最近は夜になると少し肌寒い。

昼間はホテルのそばの道のイチョウの黄色が鮮やかだが、会長室の窓の外を上から見ると、新宿の高層ビル群の灯りのせいで歩道は人工的なオレンジ色に光って見えた。

「ただな、問題なのはその女医…、いやまた女医なんだが、男の患者を診てくれるかどうかがまだわからないんだ。紹介者によれば、決してM性がないというわけではないらしいんだが、少なくとも女医としてはSが前面に出てるらしくて、今までも男の患者と喧嘩になったりしてるんだそうだ」

三田村が、立って窓の外を見ている美樹に後ろから言った。

「あらまあ」

エスタブリッシュメント倶楽部の顧客は基本的にサディストである。

そのSとしての適性を調べる入会審査をパスしているわけだから、当然といえば当然なのだが。

会員から歯科の休業に対して苦情が出ているという話はいまのところ聞いてはいないが、会員の特典として実際の歯科治療も受けることが出来る仕組みが出来上がっているのだから、休業に不満を持つ会員が居ても不思議ではないのだ。

「女の患者は問題ないの」

「ああ。レズっ気たっぷりというか、あれは本気で真性のレズビアンかもしれないと言ってた。男と寝ないわけではないらしいんだが…」

「あら、いいじゃないですか。ウチってなんとなくレズもやるけど、男も好きよって女の子ばっかりじゃないですか。ひとりくらい真性のレズが入るとまた色々楽しいかも」

「お前も、アヤードのところに嫁に行ってから、随分とおおらかというか楽天的な性格になったもんだ」

やれやれ、と言って三田村がひとつため息をついた。

二〇一二年十一月

エスタブリッシュメントホテル最上階ラウンジ

「本日は、会員の皆様方にエスタブリッシュメント倶楽部の新体制をご紹介しがてら、この度国民自由党の側から、その活動上の粗相により再教育のための三田村病院への再入院を申し渡されて戻されてきた、ハニートラップ要員・安田舞衣の公開処刑を行わせて頂きます」

司会の冬木あずさが開会を宣言する。

あずさは、牧野リサが連れてきた自分が休暇を取っている間のピンチヒッターだという。秘書としての有能さをリサが買ってのことであったが、週末ごとに千葉の三田村病院に短期入院させられて、マゾとしてのスキルも上昇中だ。

エスタブリッシュメントホテルの総支配人であった寒河江沙織がこの秋にドバイへと渡り、牧野リサも長期休養中だ。代わって美樹が戻って来るまで、三田村病院精神科病棟の婦長であった植草加奈がエスタブリッシュメントホテルの総支配人という役職に就き、ホテルの組織運営の実務面を任されている。

ホテルはいわゆる二重構造になっており、四十五階までは上質のサービスとクオリティを提供する高級ホテルであり、四十六階からこのラウンジのある四十九階までは、会員制で一般客が立ち入ることの出来ないフロアーになっていた。

その秘密倶楽部の実務面を担ってきたのが、牧野リサだった。

新たに入った冬木あずさに、その代わりまでさせるのはさすがに酷というもので、その任には美樹を中心に、新たに三田村会長の妻になった三田村有香と、拷問執行人の異名を持つエレーナがサポートするという体制に決まった。この春から三田村病院精神科を切り盛りしてきた、婦長・副婦長と強面のロシア人というトライアングル体制が、そのまま本体の倶楽部をも取り仕切ることになったわけだ。

学生の男の子の母親である美樹に対して、三田村は色々と気を配ってくれた。権限は大幅に持たせてくれた上で、何かと気働きの出来るあずさを直属の部下にしてくれ美樹自身の負担を大幅に軽減してくれている。

今日のような特別なショーといったことさえなければ、夜は大抵ホテルから歩いて五分のところに新たに買った自宅マンションで息子と過ごすことが出来ている。

石油王アヤードとの結婚で、金銭的不自由や心配は今や全くない美樹であったが、仕事はしていたかった。日本に帰ってきて一年、金沢で息子と暮らし、それはそれで幸せな日々ではあったものの、やはりここに戻ってくると、こここそが自分の居場所であると思うし、まだまだ女として楽しめる自分の身体が嬉しくもそして可愛くもあるのだった。

「ここって、パンツ脱ぐっすか。公開処刑なんて言って、下着つけたまんまだったりしたら笑いますよね。おまんこ見せたりもしていいんすか」

隣に座っている女が、すらりと長い足を高く組んで、腕組みをしたまま言った。

まだ二二十代前半、細面の美しい顔立ちからはちょっと想像できないハスキーな声で、わざとなのか蓮っ葉な言葉遣いをする。

職業は歯科医。

いわゆる後任候補というやつだが、インテリ美人の素人の口からごく自然に「おまんこ」という言葉が出てきたことにも、美樹は少々驚いていた。

ここの倶楽部の女達や、千葉の三田村病院に連れて来られる女たちは、女性器を表すこの淫語や、男性器を指す「おちんぽ」という言葉を、積極的に口に出して言いなさいとわざわざ教育するのだ。

「もちろん、素っ裸にするさ。それどころか、あの後ろの百インチモニターに、ドアップで子宮の入口まで丸出しにして皆さんに見て頂くんだ。ここでは、そんなのはほんの序の口に過ぎないよ」

女の向こうに座る三田村会長が、笑いを含んだ声で言った。

真性のレズビアンなのではないかとか、男にも女にもSかもしれないだとか、事前の情報では耳にしていたが、初めて来たこの場所で、女の、しかもフィギュアスケートを少しでも知っていれば、誰もが見たことのあるプロスケーターを公開処刑すると聞いても、全く動じていないのは大したものかもしれない。

「まず最初に、寒河江沙織に代わり、新しくエスタブリッシュメントホテル支配人に就任した植草加奈を皆様に改めてご紹介いたします。植草は…」

あずさが加奈の略歴の紹介をはじめている。三田村会長がまだ「狩人」という立場でここで仕事をしていた頃、真性マゾヒストの元人妻として釣り上がった女である。それなりにM性を自覚していた美樹に、この女には到底敵わないと思わせるほどの雰囲気と強いマゾの資質を最初から持っていた。美樹が妻だった頃からの三田村…当時米倉隼人のもっともお気に入りの女である。

「植草でございます。私などが表舞台のエスタブリッシュメントホテル支配人などをさせていただいてよいものかどうかと最初は固辞したのでございますが、敬愛する三田村会長直々の命でございますので、謹んで受けさせていただくことにいたしました。どうぞ、皆様ご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます」

前任者の寒河江沙織がそうであったように、ホテルの上階に存在する秘密倶楽部「エスタブリッシュメントクラブ」にとっても、ホテル支配人は最上位の立場と言っていい。

「なお、本日も残念ながら欠席させていただいている牧野リサですが、予定日より少し早かったようですが、昨日無事に女の子を出産いたしましたことを、私の方から皆様にご報告させていただきます」

ラウンジの客席側から、拍手が起き「お世継ぎの花嫁か」などという気の早い会話さえ聞こえてきたが、これは美樹には初耳だった。もちろん出産が間近であることは知ってはいたが。

三田村会長が教えてくれることがない、などということは今に始まったことではないが、女たちの誰かが知っていたならば、当然美樹の耳にも入れるべきではないか。

リサの産んだ子が会長の子だと噂されていることで、遠慮でもしたのだろうか。

リサが妊娠したと聞いた時から、美樹は元夫である会長の子だろうと思っていたし、リサの性格からしてもまずそれしか考えられなかった。

学校二年生になった美樹の子供の大輔は、先代の三田村会長の子供、一粒種である。

同じ三田村姓を名乗ってはいるが、先代と当代の会長に血縁はない。

そして、元夫である現三田村会長から、「俺の次の代は大輔に継がせる。そのための英才教育もする」と言われている。それは、経営者としても、そして多分いや間違いなくサディストとしても、という意味だろう。

今日の客達は、クラブの中でも上級会員と呼ばれる人たちだ。そういった事情も知った上で、跡取りの花嫁なんて言葉を口にしているのだ。

「私からのご挨拶はこれで失礼するとして、早速本日の処刑執行人の美女ふたり、エレーナとリリヤを改めてご紹介いたします」

加奈が言うと、ふたりのロシア人がステージに登場する。ふたりとも愛用のロシア軍の軍服を着こなし、それぞれ長い一本鞭を手にしていた。

「へーー、いいっすねー。かっこええ」

小顔美人から発せられるハスキーで低音の声は、やはりどことなく違和感があった。男勝りの言葉遣いと口をきかなければ女優にだってなれそうな細面の美人顔が、どうにもそぐわないのだ。

ふたりともそれなりにトレーニングなども欠かしていないのであろうなと思える、見事な体格をしている。マイクを持った加奈は続いて、「じゃあ、ふたりを連れて来てエレーナ達に引き渡して」

と、舞台袖に向かって指示を与えた。

「では、みなさまここからはプロスケーター安田舞衣と、その母親で、もちろん舞衣の双子の妹金メダリスト安田舞希の母親でもあります安田久未子母娘の公開処刑、公開お仕置きショーをどうぞごゆるりとお楽しみくださいませ」

そう言った後、正面の客席の方にひとつだけついている階段を使って加奈が舞台を下りた。

生贄の首輪を

曳

いて出てきたのは、美帆

と

鈴玉

の中国人姉妹だ。それぞれ鮮やかな赤と青のロングのチャイナドレスを身につけている。

今宵の生贄ふたりも、首輪にリードこそ付けられているが、手を頭の後ろに組む絶対服従の姿勢で、よろよろとそれでも二本の足で歩いて登場した。主役である舞衣は薄いピンク色のレオタード、母親もほぼ同じ色のスリップ一枚である。

しかもふたりともパンティを履かせて貰えておらず、舞衣はレオタードのお臍の下の陰毛が透けて丸わかりだ。

逆に股間に陰毛を許されていないらしい久未子の方は、短めのスリップの裾から時折恥ずかしい秘裂が丸見えになっている。舞衣同様、乳房も大きく、透けてみえる形も出産を経験しているにしてはしっかりと形を保っているように見えた。

「ふたりの公開処刑に先立ちまして、先日面白いビデオを撮ってありますので、皆様にお目にかけたいと存じます」

会場のテーブルのひとつに降りた加奈が、マイクを通して言うと、舞台にいるエレーナたちの後ろの巨大モニターに電源が入った。

同時に舞台に生贄を浮かび上がらせていたスポットライトが消える。

「最初に舞衣の双子の妹、安田真希ちゃんのあの日本中が歓喜に湧いたゴールドメダル演技を見ていただきます。皆様も一度はご覧になったことがあるかもしれませんが、オリンピックの時の実際の演技です」

前回の五輪の当時何度も目にした、安田真希の素晴らしいフィギュアスケーティングが高画質のモニターに、美しいバックミュージックとともに再現されていく。

「しかし、いつ見てもこれで双子かと思うくらい、おっぱいちっさい女だわぁ、ねーちゃんにいいとこぜーんぶ持っていかれたんね」

「ま、その代わりそのおかげでオリンピックで勝てたともいえる。見た目は乳はあったほうがいいだろうが、氷の上を自在に舞い踊り、ジャンプして何回転も回るためには、そんなもんは邪魔なだけということではないのかね」

女の言葉に、まっとうに返事をしている会長に美樹はなんだかちょっと可笑しくなった。

だが確かに、小柄で細っこくて、そして胸の膨らみそのものがあるのかないのかわからないレベルの妹の舞希と、姉の舞衣のほんの少しふっくらとしてはいるものの、その分胸の膨らみがはっきりとレオタードを盛り上げている姿態は、どうして双子でしかも同じスポーツをやっていながらこんな差がついてしまったのかと、美樹ですら不思議に思うことは事実だ。女の言うとおり、母親の乳房の遺伝子だけは、そっくり舞衣が持っていったということか。

舞希のオリンピック演技が最後のジャンプをしっかりと決めて終了すると、競技場の満員の観客席から怒涛のような拍手が起こり、数えきれないくらい多数の花束がリンクへと投げ入れられている。

「みなさま、この美しい双子の妹、ゴールドメダリストのビデオを最初にお見せしたとあっては、次は当然、いえ必然的にここに居る姉の、プロスケーター安田舞衣がリンクを舞う姿、もちろんそれもスケスケのレオタードか真っ裸で踊る姿をご覧いただけると想像していらっしゃるのではないでしょうか」

加奈の言葉に、拍手が起きた。

「ありがとうございます。でも…」

加奈はそこで一呼吸わざとらしく置いた。

「残念でございます、ハズレです。これからお見せするのは、その隣に居る、双子の姉妹の若き母、安田久未子のスケーティングでございます。ドキュメント番組等で既にご存知の方もおられると思いますが、オリンピック選手とプロスケーターは母・安田久未子の英才教育によって生まれたのです。自らも少女時代はオリンピックを夢見たスケーター。果たせなかった夢は、娘が叶えてくれました」

スポットライトがついた。

もちろん浮かび上がったのは、久未子である。

いつの間にか最後の一枚のスリップも剥ぎ取られ、全裸でこちらに向かって深々と頭を下げていた。ステージが高くなっているため、下方にたっぷりと量感を見せる乳房の谷間が深い。

「それでは、オリンピックゴールドメダリスト安田舞希の母、安田久未子の今でも瑞々しい身体と揺れるおっぱい、そのくせ熟れ切った女の部分を惜しげもなく晒してリンクを舞う姿をしばしの間、どうぞお楽しみ下さい」

加奈のその言葉に会場は静まり返る。

フッ、とスポットライトが消灯した。

もちろん、世界ナンバーワンの娘の演技とは比べようもない。

だが、娘にはないものが母親久未子のスケーティングにはあった。

技術力とジャンプの切れ味、四回転という女子ではほとんど見られない技を見せる娘に対して、母親の演技ではせいぜい二回転半がいいところだ。それでも、その氷上の舞は、完熟した女だけが持つ強烈なフェロモンを、揺れる乳房、濃い茂み、片脚を高くあげたスピンであからさまに見えてしまう女の秘裂に纏わせ、見るものを完全に魅了し画面に釘付けにしている。

撮影の日。

美樹はそのアイスアリーナの、普段は放送席として使用しているらしいブースに居た。元々寒いのは苦手だったうえに、六年間中東の暑い国に居たのだ。

カウンター状の座席からは、リンク一面を見渡すことが出来た。言ってみれば、特等席だ。

隣には、植草加奈が座っていた。

三田村会長は、リンクサイドのカメラマンのそばに居て、この日のエスタブリッシュメント倶楽部側からの参加はこの三人だけだ。

ただ、美樹の足元、カウンターの下では裸の安田舞衣が、膝を左右に拡げスカートをたくし上げた美樹の股間にしゃがみこんで先程から性器舐めをはじめていた。加奈の下にも、最近お気に入りらしい中国人姉妹の妹鈴玉が潜り込んでいる。このふたりを除けばだ。

リンクの上で始まった最初の演技では、久未子はごくふつうに見えるレオタードを着用していた。

海外の選手にはたまに胸が目立つ選手もいるが、国内の一流選手でバストが目立つのは、それこそ美樹に性器奉仕をしているこの安田舞衣くらいなもので、そういう意味ではピンク色のレオタードを押し上げているふたつの膨らみは違和感すら覚えるものだった。

音楽に合わせ、久未子は最初こちら側に顔も身体も向けたまま、右方向にまっすぐに滑走を開始した。十メートルほど行ったところで、最初のジャンプ。

「ダブルアクセル」

フィギュアスケートに詳しいのか、加奈がそのジャンプを見て言った。

「おっぱい、ぷるんぷるんねー」

すかさずそうつけ加えたように、元々揺れやすい胸をしているのか、レオタードの下でEカップの乳房がジャンプに合わせて大きく弾んだ。

見事な着地を見せると、今度は斜め後方にエッジを切って滑っていく。

「服着たままでも全部やるんですか」

加奈が美樹に問いかけてきた。

「最初はウォーミングアップでいつもと同じようにやらせないと、いきなり裸でやらせて怪我させてはもったいないって隼人君は言ってたわよ」

このところ対外的には三田村のことを会長と呼ぶことの多い美樹だが、自分が妻で彼女が夫の奴隷だった時代がある加奈には、ついこんな呼び方をしてしまう。

「彼女も最近は会員に人気でね。若い奴隷たちよりも熟女奴隷の反応の良さとかもあるんだろうし、やっぱり有名スケーターの母親の看板はダテじゃないってことかしらね。まあ母親って言っても、実際はともかく、見た目は三十五より上にはまったく見えないし、なんといっても美人だしね」

娘の舞衣は時の政権下でハニートラップ要員として訓練を受けて仕事をしていたが、母親はエスタブリッシュメント倶楽部の支配下で、しばらく前から奴隷娼婦となって客を取らされている。

もし娘の舞衣とセットで売りだせば、大変な人気になることは間違いないだろう。過去には寒河江沙織と乃里子であるとか、現三田村会長夫人の有香とその娘の紫織など、母娘を同時に奴隷として侍らすことが出来るならば、金に糸目はつけないという会員は大勢居るのだ。

通常のレオタードの次が、スケスケの白いレオタードだった。

素材のせいか、ますます乳の揺れは大きく、そしてスピンの際には股間の黒い毛どころか、レオタードの裏側に張り付いている陰唇の形まで丸わかりだった。

「ずいぶん濡らしているわね。すっかりマゾの気分出してやってるんじゃない。ほら、お股のところがシミになってる」

美樹は、加奈にというよりもむしろ、股間で奉仕をしている舞衣に聞かせるために言った。

レオタードの次が、胸だけブラジャーをつけて下半身は何も身につけない裸での演技、そして完全全裸での演技と都合四度、同じ曲で同じ内容をビデオカメラの前で披露した久未子だったが、転倒が一度もないというほぼ完璧なものだった。

「乳もでかいけど、乳輪でかくね、特に左のおっぱい。それにしてもあんなに揺れるもんなんだぁ。ぶるんぶるん言わせてるね」

映像は、実際に行われた四回の演技を巧みに繋ぎ合わせて一回の演技にまとめられており、三回目の二回転半のジャンプのところで、ついに全裸になった久未子を見て、隣の女が言った。

「あの女、トシいくつなんすか」

「ん。三十九だか四十になったかだなぁ」

三田村はそう答えたが、実際は四十一歳だと聞いている。

「それにしても、娘ふたりを一流選手に育てあげたっていう話が嘘でも何でもないってことねぇ。そりゃあオリンピックの舞希ちゃんと較べちゃあ可哀想だけど、そのトシでこんだけ動いて、まだしっかりジャンプが跳べるんだもんねぇ」

その美しい小顔とハスキーな声で蓮っ葉な言葉を吐き出す歯科女医だという女が感心するほど、リンク狭しと動きまわり、三回のジャンプも決め、レオタードを着用しているときもすっ裸になってからも、何も変わらない動きを続けているのは、確かに驚愕ともいえるだろう。

「十八の時に妊娠しちゃったからスケーターを諦めたみたいだけど、そうじゃなきゃ結構いい線に行ったんじゃないかしら」

久未子と同世代の美樹は、リアルタイムで彼女の二十一歳の頃を覚えていた。

あれから二十年以上が経っている。

しかも女が見たのは編集して一回の演技のようにまとめたビデオだが、実際の久未子は四回も同じことを続けて繰り返したのだ。

自分が十八で断念したオリンピックの夢を、その要因となった娘達に託し、そして現実とした。若い母親としては、並大抵のことではなかったであろう。

娘たちを一流のスケーターに育てると同時に、自分もまた鍛え続けていたことは間違いない。

そして最後のビールマンスピン。

右手で右足首を頭の横で持って、左足一本でくるくると回る。

この時はまだ生やしていた黒々とした陰毛は、倶楽部の奴隷女の決まり通りクリトリスから下の部分はすべて処置させられている。したがって、その女の部分から肛門までこのポーズではすっかり丸出しになってしまっている。

「へーー。おまんこ上付きだねぇ。クリトリスもでかくて擦り甲斐がありそう」

クリトリスの大きさというのは見たらすぐにわかるが、膣穴の上付きというのまでひと目で言い当てるこの女。歯科医という婦人科でもいや医者ですらない立場のこの女が、職業上、女性器を目にすることは皆無であろうから、プライベートでの女性との性経験、つまりはレズビアン経験がよほどあるということなのだろうか。

「双子の娘を産んだ後は、ご主人と別れて、ずっと一人だったそうだし、もちろんその間つまりウチの女になるまでの二十年あまりは、ずっと男とはしてなかったそうだ。その分、今ちょっと爆発しちゃっていて、それがまあ会員に受けている理由でもあるらしいが、その二十年間…」

「ずっと自家発電だけなら、クリもでかくなろうものってことですね」

会長の言葉に、珍しく女が丁寧な語尾で呼応した。自家発電などという、考えたら下品な言葉を交えつつだ。

久未子の演技のラストは、足首を持っていた手を離し、右足は高く上げたままで上体を反らしてリンクを真横に滑っていく、いわゆるイナバウアーと呼ばれる安田舞希のひと世代前のゴールドメダリストが十八番としていたものだ。

「それにしても、あんな風に百八十度脚を開けば、あそこまでおまんこの穴って丸見えになっちゃうものなの」

女性同士の性経験が豊富でも、ここまで脚を開かせてその部分をじっくり見るということなどなかなかないのだろう。

そういう意味で、女の疑問はもっともだった。

美樹の方は、フィギュアスケートじゃなくても身体が柔らかい女の子があれくらい脚をまっすぐ上に持ち上げさせられているのを何度も見たことがあるが、これほどあからさまに性器が膣穴まで丸見えになっているのは、やはり初めてだった。

バックミュージックの終焉とともに、リンク中央で片脚をまっすぐ上にあげた体勢のままピタリと久未子は静止し、命じられていたのだろう。ただでさえ開き気味で丸見えの性器を、両手を持っていって、さらに左右に自ら開いて見せた。

「クパーーッ」

「なんだそれは」

「あら。…って会長さんご存じないんですか。最近ああやって自分でおまんこ拡げて穴ん中見せること、クパーって言うんですよ」

カメラがその部分に一度寄って行き、画面いっぱいに薄いラビアの内側のピンク色の襞を映しだす。十数秒の後、再び引いていき、全身、さらにはもっと引いてリンク全体が映し出される中で、少しもぐらつくことなくピタリと静止している熟女の姿が小さくなっていった。

「美人顔がどんな風になるのか。歯、全部抜いてみたいっすね」

またも女…歯科女医が恐ろしいことを口にした。

「ぜひ、うちに来たまえ。決して、やれない話じゃない。なんなら、就任祝いに、あの女の管理、君に任せてもいいぞ。もちろんやりたけりゃあ全抜歯だってしてもいい」

「ほんとっすか。やっぱせっかく歯医者になったら、みんな一度はやってみたいんじゃないかと思うんすよね。泣き喚くのを一本ずつ抜いていくって。虫歯だろうと健康な歯だろうと構わずに」

うふふ、と女サディストが不敵に笑った。

歯科医全員にそんな趣味があるとは到底思えないが、女は本気でそう思っているようだった。

「ああ、もちろん構わんよ」

三田村が苦笑いを含んだ声で答える。

「じゃあ、まっぱにしておまんこに極太バイヴ突っ込んだまま、口の中いじくりまわしたりとかも」

「もちろんだ。ホテルの一般客から稀に緊急で出る患者を除いて、今は一般の客は居ない。そして、ホテル客を除けば、女性の患者はみんなうちの倶楽部の会員であるサディストの奥さんか奴隷か、あるいはそのどちらかにこれからなることを予定されている、つまりは訳ありの予約客だけだ。それにそもそも、歯科治療台には女は元々全員すっ裸で上がらされているよ、今までもね」

「ひょえー」

素っ頓狂な声を女があげたが、ふたりの会話、いやこの歯科医だという女の発言の方こそ、ひょえーである。

「あ、始まるみたいですよ」

モニター画面の、長い性器見せのシーンがフェイドアウトし、再びスポットライトが久未子、舞衣をふたつの輪の中に浮かび上がらせたところで、努めて自分の驚きを悟られないように、美樹はふたりの注意をステージに向けさせた。

歯科女医は、何かを納得したというように、あるいは三田村に対して受諾の意思表示のつもりだろうか、何度も深くうなずいてみせて、ステージのふたつの光の輪に目をやった。

ふたつの丸い光の輪の中、浮かび上がったふたつの女体は、客席に背を向けていてそれぞれぷっくりとした白いお尻の形がそっくりなのがやはり母娘ということか。

ふたりとも両腕はまっすぐ上に伸ばし、手首に茶色い革製の手枷を巻かれ、それが天井から伸びたチェーンフックに繋がれている。

ひとりは足の裏がピタリと床につく直立で、手首以外の拘束がない状態でまっすぐに立たされているが、もうひとりは軽く開いた足首にも茶色い枷が巻かれ、それぞれ床に固定されて全く身動き出来なくされていた。

向かって左の光の輪の、足が自由なのが母親の久未子で、右側で足も固定されている方がプロスケーターの娘、舞衣だ。

後ろを向かされているということは、最初は尻打ちをされるのだろう。

「それでは、エスタブリッシュ倶楽部の懲罰ショー名物の千本鞭、本日は母娘合わせて二千本鞭を、どうぞ美味しいお酒やお料理を召し上がりながら、寛いでご覧ください。千発ずつになるのかあるいはどちらかがより多く打たれるのか、いずれにせよモニターに映し出されるカウンターが合計二千発になれば終了の予定です。エレーナさん、リリヤさんよろしくお願い致します」

司会のあずさが言ったが、ふたりの女拷問人の姿は眩い光の輪の外側に居て、こちらからはよくわからなかった。

パシッ

光の輪の外からいきなり黒い一本鞭がしなりながら舞衣の尻を捉えた。

「ぷぁぁぁぁぁぁ」

鞭が尻に炸裂した音はさほど大きなものではなかったが、舞衣は身動きできない身体を腕や膝のあたりだけガクガク言わせながら、変な悲鳴をあげていた。

顔の様子は伺えないが、後頭部をバンドのようなものが通っているので、多分ボールギャグでも口に嵌められているのだろう。

そのため、変な悲鳴に聴こえてしまうのだ。

彼女たちの後方にあるモニターの右半分に1という数字が点灯した。

次は母親の久未子に鞭が来るだろうと想像したが、続いて舞衣の尻にもう一発一本鞭が飛んできて、前後数センチも動かない手首を、振りほどこうとするかのような動きを見せつつ、「うーーーっ」

と、舞衣がくぐもった声を出した。

「ひゃーー、鞭ぃ、いいわーー」

隣の歯科女医がいかにも嬉しそうに、やっぱりハスキーな声で美樹にとも会長にともなく言った。

たて続けにきた三発目は、見事に舞衣の細くくびれたウエストを捉え、ビシーーーンという派手な音を立てて巻き付いた。

「うっ、ぐほっぐほっ」

あの位置に入ると、一瞬呼吸さえできなくなる。

痛みと同時に身悶えするほどの無呼吸の瞬間がやってくるのだ。咳き込むくらいならまだマシな方かもしれない。

「こんなので、ひとり千発も受けるんだぁ。百だって耐えられないんじゃないの」

女の言葉に、「そうだな。何回かは失神するかもしれんな。だがステージの上のロシアの魔女たちは、そんなことでは全く動じないよ。容赦なく合計二千発カウントするまで鞭を与えるだろう。一発で目が覚める電気鞭だって用意してあるし、水をぶっかけたっていいんだ」

「ひっ」

水ぶっかけはともかく、電気の鞭にはさすがに驚いたのか、女が悲鳴とも驚きともつかぬ声をあげ絶句した。

絶妙ともいえる間の後、たて続けに四発目と五発目が舞衣のぷっくりしたお尻に、×印を赤く浮かび上がらせた。ビュンと空気を切る音がこちらまで聞こえてきて、そして尻を打つ炸裂音。生贄が完全に固定されていて動く余地がないために確実にヒットしている。

「ぼ、ぼゆるしください」

たった五発で、拷問病棟とまで呼ばれる千葉の三田村病院でそれなりの訓練を受けた、ハニートラップ要員安田舞衣が泣きを入れている。ボールギャグのせいで、声も言葉もくぐもっているが、はっきりと舞衣の発する音声は集音マイクに拾われている。

「イマカラソンナコトイッテイタラ、オッパイヤ、オマンコムチ、タエラレナイヨ。イマノハタンナル、ウォーミングアップネ」

リリヤの声がして、六、七、八、九発と尻が打たれ、十発目が再びウエストの一番細い部分に厳しく巻き付いた。

「すごっ。も、持つの、こんなんで千発も」

「うーーん、母親の方はもうだいぶハード鞭にいい反応するようになっているからな。娘の方はしばらく見てないから、まあ気は喪うかもしれんな。だからこそ、母親をエレーナ、娘をリリヤにしてあるんだろうと思うぞ」

ふたりのロシア人の名前を聞いても、女にはなんのことやらわからぬだろう。

会長にしてみれば「シッシン三カイマデ。四カイメニハオトコナラチンポキリオトス。オンナニハキリオトストコロ三ッツモアル」というエレーナの手にかけて、クリトリスならばまだいいとして、乳首でも切り落とされて折角きれいなおっぱいを台無しにされてはかなわぬというところか。

ひと呼吸置いて、いきなりビュンというするどい風切音がして、勢い良く母親の久未子の尻に赤い一本鞭が飛んできた。

「んぐぐくくくぅ」

やはり口枷に発声を奪われている久未子がくぐもった悲鳴ともつかぬ声をあげて、右足、そして左足と順に折り曲げて苦痛に身体を捩った。

娘と違い、下半身の自由を奪われていない分、オーバーアクションになる。

娘が十連発で尻を打たれただけに、当然二発目もまた久未子の小ぶりな尻を狙ってくると思ったが、実際は次の鞭はこちらから見たら久未子の身体の向こう側から、胸元にまたもバシーーンッという派手な音をたてて、こちらからは膨らみの裾野しか見えない乳房が狙われた。

「ぶぐふぁー」

娘がさきほどあげたのと同じような声を出して、久未子が左右の足を足踏みするように小刻みに動かす。

後ろからでもその揺れがわかるくらいに、久未子は乳房をぷるんぷるんと震わせて身悶えている。

「いいわぁ、いいっ。特にこのママのお尻のキュッと小さいのがすごいイイっ。白いお尻に真っ赤に一本だけ付く鞭の痕もとっても素敵」

隣で歯科女医がはしゃいだ声をあげる。

バシッバシッ、とエレーナの鞭は、ほぼ正確に同じ角度で尻を捉え、拘束された手首を支点にして久未子を縦横に踊らせた。

「同じところを打たれるって、痛いんですよね」

「そうだな。まああっちこっち打たれても痛いだろうが、同じところを続けて打たれると痛みが逃げる間もなくそこにまた同じ角度の…今のような鞭は受け手にはキツいだろうね」

久未子の尻には右肩上がり約四十五度角の九発分が集まって太い赤色の線が浮かび上がっていた。

「オシゴトお引き受けしたら、こんなショーがいつもこんな間近で見せてもらえるのですか」

「ああ。お望みなら鞭打つ役でステージに上がることも可能だ」

「ひゃーーーっ」

ふたりの会話に、鞭打たれる役で上げさせられるかもしれないんだけどね、と美樹は心のなかで呟いた。

こちらの手の中に入ってしまえば、後は会長の胸先三寸だろう。

前任者のように電流ピアスを乳首に取り付けて、脱出も不可能にして服従させてしまえばいいだけなのだ。

「あと、ひと部屋ホテルの部屋も自分の部屋として使わせていただけるというのも本当ですか」

「ああ。お望みならね」

「その部屋を改良して、プライベートな診察室とかにすることとかも」

「なんなら歯科治療台も設置してくれて結構だ。床も貼り替えてリノリュウムにでもするかね」

「それ。それいいっ」

あはは、と三田村が苦笑いをしている。

ステージでは再び交代して娘の尻に今度は重たげなバラ鞭が飛んでいる。

「お返事って…」

「ん」

「今すぐでもいいですか。ぜひ、是非雇って下さい」

気持ちはとっくに傾いていたように見えるが、条件交渉もまとまったということなのだろう。

「ああ。現場責任者として美樹にも異存はないか」

「え、は、はい。結構ですわ。歯科医院に歯科医が居なくて院長の外科医と衛生士だけというのでは、どのみちサマにならないし」

今度は二十発打ったところで、鞭は母親の尻を先程とは対角にバツ印になるように、こちらは最初と同じ赤い一本鞭が尻を捉えていた。

久未子が悶え、足をばたつかせるたびに絶妙の間がおかれるが、エレーナの鞭は容赦がなかった。

「では決まりだ。ホテルに居住するということでいいのかね」

「はい、お願いします。こんな一流ホテルに自分の部屋があるなんて、すごい素敵」

三十一発目からは、舞衣、久未子、舞衣、久未子と交互に尻が一本鞭で打たれはじめた。

どちらもすでに悲鳴すらあげられない状態だ。

それでも母親はしきりに足を動かし身体を揺らして苦痛を体全体で表現しているが、身動きの取れない娘の方は覚醒しているのか失神してしまっているのかさえわからない。

「では部屋についての希望は、美樹と詰めてくれ。あ、美樹にはまだ名前すら紹介してなかったな」

「は、はい。アソウ、イブキと申します、よろしくお願い致します。大麻の麻に生まれるの麻生、にんべんに衣の依、歩くという字に、姫と書いて依歩姫と読みます。友達はみんな、最後の姫だけ取って、ヒメと呼んでくれてます」

「ハイ、百パツメ、オモイキリ、イクヨ」

エレーナの声をマイクが拾っている。

ビュン、ビシーン、びゅん、ビシーン。

と、ふたりの尻の少し上に強烈な一本鞭が入り、そのままぐるぐるとウエストに巻き付いた。

あきらかにロシアの元軍人二人が、意図してそこを狙ったのだろう。

「ぐほっゴホ」

と久未子がボールギャグの下で

咽

ている。

舞衣のほうは、その一発で完全に弛緩し、唯一自由な首が前の方に傾いてしまった。声を出すことも出来ずに失神してしまっただろうか。

鞭がシュルシュルと女体を擦るようにして巻き取られ、打ち手の元へ戻ると、久未子の方は吊られている手首を支点に弓なりに大きく身体を反らせ、またもバタバタと足踏みをして痛みを堪えている。

「ああ、いいわぁ、いいっ。本物の鞭責めってこんなに凄いんですね」

依歩姫がハスキーな声で、美樹のほうを向いて言った。女同士でそのことに同意してもらいたいのかと思い、「ええ。わたしも鞭責めがお仕置きの基本だと思う。姫ちゃんは、鞭を打ったり打たれたりしたことは」

本人の希望どおり、姫という名前を使ってみたが、案外それはこの小顔で八頭身どころか九頭身くらいあるのではないかという美女に似合う気がした。

「はい。多少、嗜

み程度なら。女性になら鞭でも手でも

打

つの好きだし、相手によっては女性になら

打

たれたいと思うことだってあるかもしれません。あ、打つほうならやっぱり男でもいいかな」

「ほう、男に

打

たれるのは嫌なわけだ」

黙って聞いていた会長が問いかける。

「どうかなぁ。わたしやっぱりかなりレズ寄りのバイだから」

「女の子を責める方ですか、タチだっけ」

「はい、どちらかというとそうですね。Mっぽい女の子を苛めるのはすごく好きみたい」

数日前に会長とも話したことだが、みんな経験は積んでいるけれど、レズですと言い切る女は実はエスタブリッシュメント倶楽部の中では皆無ではないか。まあこの子とて、レズ寄りのバイと言ってるわけだから純粋にレズビアンというわけではないようだが、妙にその雰囲気を持った女だ。

美樹は改めて依歩姫をマジマジと見てみる。

白いノースリーブの上着は、胸元がOの字に

空

いていて、Oの字の頂点のところが結び目になっている。肩口にやはり白色のブラの紐がうっすらと透け、ハーフカップなのだろう。大胆に開いたOの字の左右に胸の膨らみがあからさまに見えている。小顔でほっそりした肩からは、想像できないほどしっかりとした乳房の持ち主だ。

倶楽部で巨乳の女の子を見慣れているとはいえ、ブラに支えられてそのシャツを高く盛り上げている乳房に、男なら間違いなく目を吸い寄せられてしまうだろう。

上半身の、女を強調するかのような洋服と対照的に、下はデニムのジーンズだ。このラウンジに男性に連れられてくる女性客はみなドレスアップしてくる女ばかりであるから、違和感すら感じるが、本人は一向に気にしている様子はなさそうだ。

その間に、黒子の手により、ステージの

母娘

は身体の向きをこちら向きに変えさせられていた。久未子は手首のフックだけを一度外されてすぐにまたカチリという音とともに固定され、舞衣の方はひとまとめになった手首と両方の足首を改めて身体の前面がステージに晒された状態で、同じように手足を固定された。

「うわぁぉ、やっぱふたりともおっぱいおっきいわねえ。なんで舞希ちゃんだけあんなペチャパイになったんだろう。フィギュアのためにわざと成長を止めたとかなのかしら。やっぱ、会長、いつか双子をまっぱでこうして並べて見てみたいですね。もちろんおかあさんも一緒でも構わないけど」

「並べて比べるわけだ」

「ええ、オッパイ較べ。胸小さい舞希ちゃんも相当恥ずかしいと思うけど、較べられることは舞衣ちゃんだって恥ずかしいと思うんですよね」

「双子だけあって、身長はほとんど一緒らしいです」

「へー。じゃあほんとに違いはオッパイだけってことね」

「いえまあ、体重とかは発表されてませんからなんとも言えませんけど。舞希ちゃん裸にしたらもっと細いんじゃないかしら」

「うーーむ。でもまあ、舞希ちゃんが引退するまでは、ちょっと難しいかもしれんな。でも引退さえすれば、充分に実現の可能性はある。国民自由党だって、もしも引退した金メダリストをもうひとりのトラップ要員にできれば願ったりかなったりだろう」

乳房の薄さのせいか、少女を抱くような暗い楽しみや、メダリストに鞭を打つなんていうのも、人気になるかもしれない。いずれにしても舞衣の適性がどうだったかはともかくとして、舞希の方はハニートラップ要員としては役に立つのではなかろうか。その背負っている看板の大きさ故にだが。

三人でそんな会話をしているうちに、バチーーン。

「痛いぃぃぃぃぃっ」

「いやーーーっ」

ステージではまた鞭打ちが再開していた。

エレーナの鞭は、久未子のちょうど乳首の上を真一文字に打ち払っていて、足をバタバタさせるどころか、久未子は激痛に両足でぴょんぴょん跳ねて、身悶えしている。

舞衣の方は、乳首よりわずかに下に真っ赤な赤い線が、特に左の乳房にはよりくっきりと残っていた。こちらはやはり足も固定されているため、久未子のように身体を動かして痛みを逃がすというようなことは不可能だ。お仕置きの張本人とその付添いとの差ということなのだろうか。

それでもわずかに上半身は動かせるのか、舞衣の大きな乳房が揺れている。

もっとも母親の方は飛び跳ねているうえに、もともと揺れやすい柔らかさの乳だというのは、これまでも美樹は何度も見ており、ぶるんぶるんと派手にその形を歪にしながら跳ね回らせていた。

母娘ふたりの乳鞭は、これがプロローグに過ぎない。

ふたりとも、いつの間にかボールギャグは外されている。せめて悲鳴をあげて痛みに耐えてみせるとよい。

本人たち以外は、見ている全員が同じようなことを思っているに違いなかった。生半可なサディストもどきでは、そもそもここの会員になることすら出来ないのだ。

「乳輪デカっ。きれいな色だけど乳首は普通なのにずいぶん乳輪大きめなのね、ママの方は。そういや大きさこそふたりともまずまずだけど、形は母娘でずいぶん違うものなんですね」

「母娘といえば、隼人君…いえ、うちの会長の今の奥様、すごい名器らしくてね。でもそのおかげで、再婚した前の旦那、今はハワイで逃亡生活送っている前関東電力会長だけど、彼女の産んだ娘のおまんこの具合をどうしても知りたかったらしくってね」

「それを阻止しようとした母親とバトル。それで母親のほうがまずうちの精神科病棟に送り込まれてきて、エレーナたちの策略に落ちて喋っちまってな、折角隠した娘の居場所を」

「へー、それでお嬢ちゃんも捕まって、オマンコされちゃったわけだ、爺さんに」

元関東電力会長を事も無げに爺さんと呼ぶ依歩姫に、会長が苦笑いする。

「そういうこと。でも漁夫の利を得たのはウチ…というか三田村隼人会長ってことかしらね」

「ふーーん、よくわかんないけど色々事情があるんですね。で、娘のおまんこはどうだったんですか」

「ま、処女だからね、キツキツではあったでしょうけど、残念なからママの極上は引き継がれてなかった」

「ふーん。少なくともそこは遺伝しないってことね。ていうか、それってそんなに先天的なものなのかしら」

「そうね」

女同士で自分も持っている膣の機能性といおうか、その良し悪しを話すというのもなんとも妙な話である。しかも「極上」と言われている女が身近に居るということを前提にしてだ。

そう思いつつ、話を振るために元夫、三田村の横顔をみつめてみる。

「もちろん、改良の余地はあるし、実は最近は名器を作る手術というのか、注射である程度そういう女性器を作ることも可能だ。そのあたりも研究してみたらいいぞ。少なくとも君の前の女医は、院長だった男に膣改造を受けさせられて、それで客を取らされていた」

エスタブリッシュメントホテル歯科の初代院長で二代目就任後は奴隷女医となっていた宍戸紗友里は、美樹の夫モハメド・ジェイ・アヤードに望まれて、中東に渡っている。当初、第五夫人をもうひとり日本人でと望んで来日したアヤードだったが、紗友里のことは「奴隷」のままで扱うと宣言して連れて行っている。果たして現在、どのような状況になっているのか。三田村の元にはその報告が映像などで届いているかもしれぬが、美樹は何も知らなかった。

奴隷牧場11 二十二階の魔女(上巻) 【奴隷牧場】 第1部分 (1/3)
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