本文へ移動Skip to content跳到正文跳到正文
日本と世界のBDSM映像アーカイブThe BDSM video archive — Japan & beyond日本与全球 BDSM 影像资料库日本與全球 BDSM 影像資料庫
小説Novel小说小說

奴隷牧場11 二十二階の魔女(上巻) 【奴隷牧場】 · 第2部分

奴隷牧場11 二十二階の魔女(上巻) 【奴隷牧場】 第2部分 (2/3)
上一篇 · 下一篇

ステージからは鞭の炸裂音と、ふたりの母娘の悲鳴が続いている。既に舞衣のほうはその声がか細くなってきていた。

「へー。それで会長の今の奥様のおまんこ、すごいんですか、女たくさん知ってらっしゃるであろう会長からみても」

「数の子天井という言葉があるけど、あの方のは穴の中全体が数の子でしかも中はうねうねしてキュンキュン締めてくるの。ま、私が確認出来たのはもちろん指でだけどね」

「ふーん」

依歩姫は思うところありそうな返事をした。

「キョウ、カエルトキニハ、オッパイ、二バイノオオキサニ、ハレアガラセテアゲル」

エレーナの声をマイクが拾った。

「あいつら今日は乳ばっかりやるつもりかもしれんな。そもそも千本鞭だと大抵はまず尻で二百から多けりゃ半分の五百こなしてしまうもんだ。百から乳鞭だと、少なくとも娘の方は持たんだろうね」

会長はエレーナの声に、改めてステージをみつめている。

ほぼ同時に暗闇から一本鞭が左右から飛んで、乳房に叩きつけられる。帰るまでどころか、ふたりとも既に乳房の上は赤い線が無数に走り、乳首が切れて血が滲んでいた。

モニターのカウンターが、それぞれ二百に近づいている。

「オッパイ、シロイトコロガ、ナクナッタラ、センタクバサミオトシノケイヨ」

リリヤが宣告している。

「すごいわあ、ここまでやるSMショーは、日本中探してもココしかないんでしょうね」

依歩姫までステージに引きこまれたようで、そう言うと熱心に光の輪の中の女達を真剣な目でみつめた。

ぐったりとして、拘束に身体を支えられているだけに見える舞衣に対して、母親の久未子の様子はあきらかにマゾ女の「鞭ハイ」の状態になってきているように見える。

最初のように痛みを堪えて足をばたつかせるという動作がなくなり、背筋を伸ばし、むしろ自ら積極的に乳房を突き出して鞭に委ねている。

「あ、あぁ」

と、その声も苦痛だけとは違うものになっていた。

「へー、へー。鞭イキとかって、本当にあるんですね。ママの方はもういつ逝ってもおかしくなさそう」

さすがはレズビアン。

女の様子を見る目はしっかり持っているようだ。

娘、舞衣は二百発目にそれまでより強い音が乳首をまともに弾くと、がくりと首を落として失神した。

股間から、ちょろちょろと尿が漏れ、太ももから膝、ふくらはぎへと伝って流れ落ちる。

「ママモ、二ヒャッパツメデ、オウジョウナサイ」

「は、はいいいっ。ぶ、ぶってください。久未子のおっぱい、もっともっと痛い鞭くださいぃぃ」

往生などとエレーナも随分と難しい単語を使うようになったものだ。

逝く寸前の母親もぷるんぷるんと乳房を揺らして鞭を待ち受ける。

そんなことを美樹が思った瞬間、エレーナの鞭も正確に両方の乳首の上を一閃した。

「ウギャー、い、いくぅぅぅ」

母親の方もまた股間から尿とも淫液ともつかぬものが噴き出した。娘と違ってチョロチョロなんてものではなく、弧を描いてビシャーっという床を叩く派手な音まで立ててだ。

「すごい。あんな揺れてるおっぱいなのに、それでも乳首に正確に当てた。予測したってこと」

「まあさすがは軍隊で鍛えられてるってことかもな」

「軍隊…」

「ロシア軍でエレーナは拷問担当だったんだそうよ。口癖は、失神は三回まででそれ以上は許されない。男ならちんぽ切り落とす。今までに切り落としたちんぽ十三本」

「ま、日本に来て十四本になったけどな」

三田村の声には特になんの感情もこもっていないように思える。

「じ、十四本…、き、切り落とした」

「そうなの。そしてこう続けるのよ。女には、切り落とすところ三つもある」

「ひぇー。ち、乳首やクリトリスを切り落とされた女も居るんですか」

「いや、自慢がないところをみると、多分それはないんじゃないかな。でも、実行してもおかしくない女ではある。なにせ、軍隊仕込みのホンモノだから」

うんうん、と依歩姫は頷いてはいるが、特に怯えた風でもなく、むしろ興味津々のようだ。

「ついでに言うともう一人の彼女が言うなれば立場上は貴女の上司、歯医者さんの院長先生よ。でもね本業は外科医。エレーナさんとは軍隊で一緒だったことがあるということで、捕虜の女の手足だか足だけだかわかんないけど切り落として、完全性処理奴隷にしたというこわーい履歴の持ち主」

「い、いわゆるダルマ女っすね」

これにも動じないのには、いささか美樹も驚く。

「ここはでも、男性の会員さんはSさんばかりなのですよね」

「ええ、そうね。それも入会審査を通った筋金入りの本物サディストばかりよ」

「ふーん。わたし、M男性とかに思いっきり金蹴り責めとかしてみたいんすよね」

依歩姫はそう言いつつ、細身のジーンズのせいでより長く見える、多分自慢なのであろう足をぶらぶらさせて見せた。

「まあ、そういうのも君がどうしてもやってみたければ、用意出来ないわけでもないから」

「へー、楽しみ。ところでその私の上司という院長先生が外科医として、以前に居たという歯科医はどうなっちゃったんですか」

「私の親友でもある中東の石油王が、先日向こうに連れて行ってしまったのさ。いたくその奴隷ぶりがお気に召してね」

「なんとなく聞いていたとおりなんだ、へーー」

「その人、私の旦那様でもあるのよ。まあ今は…第二夫人…いえ第三だったかな。奥さん四人居るうちのひとりなんだけどね」

「よ、四人も奥さん持てるの」

「正式というか法律的には五人までオッケーだそうよ」

こちらで話が弾んでいる間にもステージの千本鞭ショーは淡々と続いていた。もちろん淡々とかつ冷酷にやっているのはロシア人のふたりの方で、フィギュアスケーター母娘の方は息も絶え絶えに鞭を受け続けている。

ふたりとも豊かな乳房が既に真っ赤に腫れあがり、それぞれ左右の乳首が切れて出血しているが、エレーナもリリヤも容赦はなかった。モニターの数字はそれぞれ五百台に乗っており、既に半分は経過しているのだった。

開始から一時間半ほど経過していた。

「しかし、やつらもここまで執拗に乳ばっかりやるとは思わんかったなあ」

「性器は…、おまんこ打ちはしないんっすかね」

「いや、最後なのかセミファイナルなのかはわからんが、やると思うよ」

「開脚の逆さ吊りも準備しているから、間違いなくやりますね」

逆さに吊り上げた時に、どの位置で止めるかについて、始まる前にスタッフと打ち合わせをしていたのを耳にしている。

「本来の用途としてではない、思いっきり残酷なおまんこ責めが見てみたいわ。おまんこ拷問とかいって電マ当ててるだけとかなんて馬鹿みたいだもの」

相変わらずハスキーな声で、表情を変えずに歯科女医が言った。

「まあ少なくともあの二人にやらせて、快楽拷問なんてのはないだろうな。奴隷は苦痛を与えられるのが当然、苦痛でイケるようになってこそ一人前と思ってやっとるだろうから」

三田村は

他人事

のように言っているが、三田村のいやエスタブリッシュメント倶楽部の基本方針そのものである。

母親、久未子のカウントが七百になったところで、ふたりを浮かび上がらせていた丸いスポットライトの光がフッと消え、ステージが暗転した。

舞衣のほうは六百五十台で、五十発弱少なかった。これは、舞衣のほうが途中何回か気を失ったためだろう。久未子が鞭逝きする厳しい一本鞭での苦痛責めは、舞衣にはまだ失神するレベルなのだ。それに舞衣の方が足首も固定されていて、気の逃げ道が全くないというのも、その受ける苦痛を倍加しているかもしれない。

ふたりとも両方の乳首が切れて、赤い血がたらたらと乳房からお腹のあたりを通って太ももまで伝っていたが、エレーナもリリヤもそんなことには一向に頓着している様子はなかった。もちろん乳房そのものも、白い部分がほとんどない程に、鞭の線条痕でズタズタになっている。

「サア、オッパイハマタ、サイゴノオタノシミニシテ、オマチカネノ、オマンコノムチヨ。ハデニ、ヨガッテゴラン」

再びライティングされたステージで、ふたりは左右に並んでY…いやほぼTの字で逆さ吊りにされていた。

先程までと違い、今度はステージ全体が白熱色に薄明るく照らされている。

久未子の横に立つエレーナは上下軍服姿だが、リリヤは途中で脱いだものか、下だけはエレーナと同じ軍服のパンツを着用しているが、上半身は白いブラジャー一枚だった。

「すご。さすがはふたりとも元フィギュアスケーターってことねぇ。あ、お嬢のほうは現役か…」

依歩姫が感嘆のため息までついている。

実際、逆さ吊りにされている母娘の、その脚の開きっぷりは見事であった。

人間の身体は、ここまで訓練で関節が柔らかくなるものなのか、と思わずその付け根がどうなっているか、後ろのモニター画面が数字のカウントから、その部分のアップにならないか、美樹をして期待してしまうほどである。

上から延びた鎖が足首に巻かれた足枷に繋がり、それぞれの太腿の付け根にも身体を支えるための縄が巻かれ、それもやはり二メートルほどの高さでがっちり固定されたパイプへと伸びている。

その状態で、特に母親の久未子は、完全に百八十度両足が開いていた。

娘の舞衣もそれは可能なのかもしれないが母親より身長がある分、足首を固定して吊り上げている位置が若干狭いのか、両足は真一文字よりは僅かに角度がついている。だが、それとて普通の女の子が開ける足の角度ではなかった。

その開いた足の付け根の位置が、ちょうどエレーナたちの顔のあたりである。

久未子は、どうやら手は自由なようで、それでも自分で頭の後ろに組んでいる。舞衣の方は、両手首を朱色の縄でひとつに括られ、その一方が床の固定具にがっちりと結ばれている。舞衣の首の大型犬用の赤い首輪には、そのリードを繋ぐ部分からもやはり朱色の縄が伸びて、手首を繋いでいる同じフックに結いつけられていた。

久未子の方はいざとなれば手を床につくことが出来るのに対し、娘は先程同様。いや今度は首すら動かすことの出来ない完全固定というわけだ。

さらに娘の舞衣の口には再び赤色のボールギャグが嵌めこまれ、ボールに無数に開いている穴からは既によだれが垂れている。そのよだれ以前に既に舞衣の目元は、涙で化粧が崩れて黒く滲んでしまっていた。

「おっぱいの形は似てる感じがするけれど、おまんこの形状はどうなのかしら」

相変わらずハスキーな声で、素人の女とは思えないえげつないことを歯科女医が言う。

美樹にとっては言い慣れた言葉ではあるが、依歩姫の口からこう何度も女性器を指す卑語が出てくると、こちらの方が照れてしまいそうだ。

「普段だと、こういう時は女性器のクローズアップを後ろのモニターに映すんだけどね。今日は何故だかやらないわね」

鞭が性器を

抉

るシーンは、サディスト様なら是非目近で見たい光景だろうが、この歯科女医の思考そのものが、「サディストのおっさん」的なところがあるのかもしれぬ。

「でも、パッと見が毛があるのとないのが、母娘で逆っていうのは、ソソられるわね」

依歩姫の言う通り、母親の久未子はツルツルに剃りあげた無毛の丘で、舞衣の土手には黒々とした陰毛が生え揃っていた。どちらも成人女性なわけだから逆という表現は当てはまらないわけだが、小柄で見た目は若いとは言え四十一歳の久未子が若い女のように一本も毛がなくて、二十二歳の娘の舞衣は黒々と生えそろい白いからだとのコントラストを浮き上がらせているというのは、殿方にはなかなか刺激がある光景なのかもしれない。

エスタブリッシュメント倶楽部に属している女であれば、土手部分に毛があっても女性器の穴の周囲などはきちんと処理しているのが普通であるわけだが、舞衣は訓練こそ三田村病院で受けたものの、「仕事」は国民自由党の指示のもとに一種のエージェントのような仕事をしていたせいもあるだろう。大きく開いた足の付け根には、女性器の穴の周りにも陰毛が見えていた。

「クミコ、オネガイシナサイ」

「は、はいっ」

散々乳房の鞭責めを受け精も根も尽き果てている筈の久未子が、逆さ吊りという状態であるにもかかわらず、声を張り上げて返事をした。

「久未子と娘の舞衣に、久未子のおまんこと娘のおまんこにエレーナ様とリリヤ様の厳しい鞭のお情けをくださいませ」

「シッシンシタラ、チクビトクリニ、デンキネ」

「はいっ、お願いします」

「ソレモ二カイマデ。サンカイシッシンシタラ、チクビ、キリオトス」

「は、はいっ。お願いします」

この母親をいつの間にここまで馴致したのか、エレーナの手腕も侮れない。

舞衣の方は僅かに、イヤイヤと首を横に振って拒絶の意思を示しているが、その自由さえもちろんあるわけもなく、「マイ。オマンコ、ムチ、オンナニウマレテキタコトヲ、コウカイサセテアゲルヨ。イタクテ、シッシンシテ、オマンコカラ、オシッコモラスマデ、ナンパツデモイクワヨ」

と、リリヤに宣告されている。

失神したら電気を流す罰を言い渡されている母親と、失神するまで許さないと言われている娘。

過酷な性器への責めは、まずはバラ鞭から始まったが、先程までの革製の鞭とは違うパチーンという乾いた音に「あれは…」

と依歩姫が反応する。

「ゴム製の鞭よ。実は皮の鞭よりも痛いくらいなの。あれで百発も叩かれたら、お尻だって耐えられないほどなのよ」

美樹の言葉に、歯科女医はまた乗り出すようにしてステージを見つめる。

「うぎゃーーっ」

ひときわ高い音で炸裂した十発目で、それまで歯を食いしばって耐えていた久未子が叫ぶ。それでも頭の後ろで組んでいる手を解いてしまうことはなかった。

一方、舞衣の方はずっと、ボールギャグで塞がれた口からよだれをだらだら垂れ流しながら、呻き続けている。

「バレリーナヤ、スケーターハ、コンナニアシヒライテ、ムチ、ホシガルカラ、ウチガイモアルネ」

パチーン。

ピシャーン。

パチーン。

と、打ち方が違うのか、同じゴム製の鞭を使っているのに、交互に母娘の性器に打ち下ろされる鞭は、違う音を立てた。

「い、痛いっーーー。クリが、クリトリスがちぎれてしまいますぅ」

「キリオトス、テマガ、ハブケテ、イイネ」

「いやーーーっ。ゆ、許してぇ、お、おまんこ許してぇ」

グシャ、とでも表現したらよいか、それまでと異質の音をたてたのは、エレーナがフェイントをかけるように、久未子の既に傷だらけの乳房を打ったからだ。鞭の衝撃で乳房が弾む。

「あーーーーーっ。ゴメンナサイ、ごめんなさい。おまんこで、おまんこでお願いします。もう、もうお乳は許してぇ」

腫れ上がっている乳房への打撃は、性器以上にきつく感じるのかもしれない。

「逆さ吊りって、実際どのくらい持つもんなんですか」

ハスキーな声で、これは三田村に向けて発せられた言葉だ。

「うーん、当然個人差はあるだろうけど、この二人で一時間くらいか。スポーツで身体を鍛えてるから、普通の人よりも心肺機能なんかも強いんじゃないかな」

「ふーん、心肺機能とか関係あるんすかね」

逆さ吊りで頭に血がのぼる。といっても血が

回

らなくなるわけではないのだ。

ステージでは三十一発目から、なんと性器打ちにも関わらず、ふたりのロシア人が持ち出してきたのは一本鞭だ。

手のひらで強く打たれただけでも、クリトリスは激痛なのだ。散々、ゴム鞭で打ち据えられたところを一本鞭で擦られでもしたら。

びゅん、パシッ。

美樹たちのもとへも、鞭が空気を切る音が聞こえてきた。

「あーーーーっ」

先に打たれたのは久未子だった。

ぴゅっ、と一回だけだが久未子の

開

けきった股間から飛沫が飛んだ。おしっこなのか、それともイキ潮なのか。鞭でイケる久未子ならば、むしろ後者かもしれぬ。

リリヤはさらに大きく振りかぶって、鞭が弧を描いて娘の股間に炸裂するのがはっきり見えた。そこに当たったのは先端ではなく、赤い革が複雑に編み込まれた部分だ。リリヤは残酷にも、当たった瞬間に鞭を引き、その勢いで一本鞭は編みこみのギザギサが性器を擦り立てた。

その瞬間、先程からずっと歯を食いしばって耐えていた舞衣の身体から、あきらかに力が抜けた。

股間からは黄色味を帯びた液がじょぼじょぼと漏れだして、舞衣の身体を伝い、乳房の膨らみを伝って、肩から床へと零れた。

「あら、お嬢の方は一発KOだわね」

歯科医が指摘するまでもなく、リリヤの目論見通りなのか、それとも少し早くて物足りないかはわからぬが、見事に舞衣を失神させて、そして失禁させることに成功した。

「アララ、オジョウチャンハ、ハヤクモシッシンシチャッタワネ。マダ七百パツイッテナイノニ。ママ、千三百ポン、ガンバルシカナイネ」

後ろのモニターを見てエレーナが言う。

モニターの舞衣の側には、688

という数字が並んでいた。舞衣が失神と失禁で終了と宣告されていたということは、残る三百十二発は、母親に加算されるということだ。

「サア、ママモ、シッシンシナサイ。二カイマデOKネ、デンキデオコシテアゲル。三カイメ、シッシンシタラ、ツギニメガサメルノハ、チクビキリオトサレル、イタサネ」

ここまで一度も気を失うことなく、逆さに吊られてからは、気丈にも自分の意思で手を頭の後ろで組んで手をつくことさえしていない久未子だが、果たして最後まで失神しないで、いや二度の失神だけで済むだろうか。

「私、契約したら本当にあのママの

方

をわたしに下さるんですね。秘書にしても愛人にしても奴隷にしてもよいということでよろしいですか」

「もちろんだ。あの女をずっと自分のものにしたいかね。もっと若い女じゃなくていいのか」

「ええ。ワタクシがしっかりお役に立てば、後で追加の女を頂戴出来たりもするのですよね」

「もちろんそれも考えよう。ホテルに部屋を持つということは、原則ホテルに常駐していただくということになるが、その分報酬もたっぷり払う。給料は月五百、季節手当二回合わせて二千の合計年八千万という初任給でどうかね」

着々と条件交渉まで進んでいる。

「はい、ありがとうございます。でも、そこからお部屋代は…」

「あはは。勿論そこから天引きなんてことはない。こっちの都合もあるからだ。破格の高給には、ホテルの客で稀に居る、と言っても一年にひとりふたり居るかどうかといった程度だが、急な歯の痛みでどうしても耐えられないという客が出た時に、手が空いてるようなら対応してもらいたいというのがあるからだ。いや、少なくとも歯科医を何人も置いて当番制にしているとかではないからな。その時対応できれば、というだけだ」

「フロントで、では一応うちの先生に今治療出来るかどうか確認してみます。ということが出来るだけで、そういう時の客は有り難がるのよ。まずうちで診られたら診る。ダメなら他を紹介するという態勢が本当にあるというだけで」

三田村の言葉を継いだ美樹に

「わかりました。それくらいはお安い御用っすよ。まあ夜はエッチしてることもあるだろうけど、そういう緊急な時は出来るだけ対応します」

と、にっこり笑って依歩姫が答えた。

「よろしい。とびっきりいい部屋を用意してあげよう」

ようこそ、ホテルという名の鳥籠の中へ。美樹は心のなかでそう呟いた。もちろん三田村の真意はわからないが、最悪、前の女医と同じ運命が待っている可能性もあるわけだ。

「あぁぁぁ、ダメぇ、もうだめぇ」

久未子の股間からついに

飛沫

があがる。娘は失禁だったが、母親はイキ潮だ。しかもその状態にあっても、エレーナの鞭は止むことがなかった。

「ホラ、イヤラシイシオフイタラ、ツギハ、シッシンシナサイ」

久未子の股間を、赤い牛革の編み込み一本鞭が炸裂音を立てて、女性器をえぐり、そして次の瞬間手前に引かれて擦り立てている。

「いく、イクイク逝くぅぅぅぅ」

「すごい、すごいすごいすごい」

歯科女医が本当に感心したとばかりに、やはりハスキーな声で、しかも思わずといった風情で両手で拍手までしている。

「鞭でイケるんだぁ。あんなになってても、イクんだぁ」

久未子の股間はすでに真っ赤で、しかも何箇所か切れてしまっているのだろう。ところどころ鮮血まで滲んでいる。

「ああ、でも、まだ五百発も…」

後ろのモニターに映しだされている久未子の側の数値は、ようやく八百台前半である。自分のものになるとわかった途端、依歩姫は心配になったのかもしれない。

「ここまで傷だらけになると、最後の三百発は危険かもしれんな。千で止めるとするよ」

三田村の決定は、ここでは絶対だった。

美樹は早速、舞台裏に引っ込んでいる加奈に電話をかけて、会長の意向を伝えた。

エレーナの一本鞭がさらに数発久未子の性器を擦ったところで、ゆっくりと舞台が暗転していった。急な暗転は一度ストップの合図だ。

百インチモニターに映しだされているふたつの数字だけが、くっきりと舞台後方に浮かび上がっている。

「三百発、タダで許してやると示しもつかないし、まあエレーナのことだ黙って許しもしないだろうが、母娘ともに例のバーコードを今打つことにするか。娘は土手に、母親は左の乳だ。乳首にも電流ピアスを今日すぐに入れさせろ。ピアスと言っても紗友里に入れてたようなデカくて重いのじゃなく、一番新しく届いてたあのバーベルのようなものにしろと伝えてくれ。これで、あの母親、安田久未子は完全に先生のものだよ。言うこと聞かなければ、リモコンで左右の乳首に電流を流すことができる。彼女に関する全ての権限は先生のものだ。殺さないかぎりは何をしてもいい」

何をしてもいい、と言われて嬉しいものかどうか、むしろ困惑するのではないのかという美樹の予想はまったく的はずれだったようで、「ありがとうございます。楽しませてもらいます」

と、随分と丁寧な言葉遣いで会長に笑みを見せた。

「でも、そのバーコードとか言うのは」

「ああ、今弊社で臨床試験などを行っている、人体に直接焼き付けるか貼り付けて使う電子プリントのことなんだが、主な用途としては、GPS、心電図や血圧など健康情報の直接収集、ビデオカメラ機能、電話、リモコンのスイッチなどが一枚の薄い焼き付け型のチップに搭載されている。高齢化社会に向けて一般的な利用が始まればかなり便利なものと思えるのだが、まあそういう意味での本当の実用までにはまだ一、二年かかるだろうが、奴隷に焼き付けておけば、色々便利なものだ」

「プリントですか…」

「それがバーコードのように見えるというか、敢えてバーコードのような形にして焼き付けるのさ。まだ使っていないが、つまり過去にプリントした女は全員黒いバーコードタイプだったわけだが、透明で遠目ではほとんどそんなもんが入ってるとはわからないタイプも既に完成してどちらも選択可能な状態だ」

「奴隷には透明よりも黒ではっきり打ち込むほうが、心理的効果もあるから、黒一択って気がしますけどね」

会長に続く美樹の言葉にも、未だ疑心暗鬼の体で、依歩姫はわずかに首を縦に動かし、「へー。でも充電はどうするんですか。当然、電気は必要ですよね」

と、美樹の方を向いて言った。

「もちろんマイクロチップそのものに充電機能がついてるの。毎晩休む寝室にそれ用の電源ボックスをコンセントにつないでさえ置いておけば、そこから自動的に毎晩充電される仕組み。ずっとカメラとかつけてた場合はわかんないけど充電は別に毎日じゃなくてもいいみたいよ」

「例えば遠隔操作も可能なんですか。さっきリモコンって言ったけど、例えば電気流すお仕置きするのに、目の前じゃなくて、遠く離れた場所に居るとかでも」

「電話機能の埋め込みがあれば、携帯の電波が届く限り可能だ」

三田村の言葉にようやく少し合点がいったらしく、歯科医の女は深く頷いた。

暗転から十分近くの間があっただろうか。舞台が明るくなった。

といっても、今度はまた最初のようにスポットライトが二灯だ。

丸い光の輪の中に、いまだ逆さ吊りのままの母娘が浮かび上がったが、今度は百八十度開脚ではなく、久未子はYの字に、未だ気を失ったままのように見える舞衣は、左足の足首だけで吊り上げられていた。

「片足…」

依歩姫が、小声でぼそりと言った。

フィギュアスケーターにとって足首というのはかなり重要な場所に違いない。それなのにそこ一点で全体重を支えさせる過酷な吊り責めにしているのだ。

ふたりとも、吊られている足首の位置が先程より三十センチから四十センチほど高くなり、その位置は大幅に天井に近づいていた。

「ヨテイ、カワッタ。クミコママノムチ、アトモウ百パツデオワルネ。千ボンムチ。デモ、ムスメ七百モ、イカナカッタ。ソノ、オシオキハ、ウケナケレバナラナイネ」

「わたしが、私がもう四百発、娘の分まで受けます。いえ、別のお仕置きでもなんでもわたしが。娘はまだプロとして現役のスケーターなんです。こんな格好にしては、足を痛めて、再起不能になってしまいます」

久未子は、娘の舞衣と舞希のフィギュアに自分の人生を賭けてきたという気持ちもあるのだろう。ほとんど半狂乱になって金切り声をあげる。

「九百も鞭されて、まだあんな声を出せる気力があるというのは大したものだ」

百戦錬磨の三田村をも感心させてしまった。

娘の舞衣は、それでも特段の反応は見せず、縛りから解かれた両手がだらりとステージの床すれすれでユラユラとしている。

ビシーーーっ。

そこへ既に今日の鞭は終了と言っていた舞衣の乳房目掛けて、エレーナが赤い一本鞭を真横に振った。

母娘ともに、乳房の位置がステージから一メートルとちょっとというところで、まさに鞭の絶好の標的となっている。

「ぐげ」

舞衣の口から声ともならぬくぐもった音が漏れた。

相変わらず舞衣の口には、無数の穴が空いたボールギャグが噛まされている。それでも今の鞭で覚醒はした様子だ。目が覚めれば覚めたで、片足吊りの激痛が舞衣を襲っているのだろう。顔を顰め、髪をしきりに揺らしている。首まで固定されていた先ほどまでよりは自由とはいえ、生贄に出来ることは決して多くはなかった。

「まあ焼き印のようなものだが、先生ご自分でなさるかね。貴女の奴隷だ。貴女がしてやるのが一番スジは通っているわけだが」

三田村の言葉に女医はさすがに驚いたようだ。

「焼き印と言っても、火に炙った焼きごてを当てるようなのとは違うの。このくらいの大きさの銃のような機械があってね、それをおっぱいに押し当ててスイッチを押して十秒くらい。おっぱいは柔らかいから角度によってはうまく付かない時があって、本人が無駄なバーコードを背負うことになるから、ある程度強く押し当てればオーケーよ。そんなに難しくないわ」

両手の幅ほどの大きさを手で示して、美樹が説明をしてやる。

もっとも美樹だって、されたこともしたこともないわけだが。

「いいわ。やってみるわ」

「そうか、ならばすぐに準備させよう」

「え、きょ今日これからですか」

「もちろんだ。されると決まって宣告されるふたりのことを思えば、当然だし。今日の客だってせっかくだからプリントされるところ見たいだろう。それよりも何よりも君が決意してくれた以上は、会員に紹介もしたい。今夜は特に上客揃いなのでね」

客席は確認していないが、確かにこの「上玉母娘」のショーが目玉である以上は、客も上級会員ばかりというのは充分に有り得る話だ。

三田村はすぐに誰かに電話をして指示をしている。

どのみち「臨床データ」が必要なのは間違いないのだから、元々話は出来ていたのかもしれない。今日じゃないにせよ、この母娘に電子プリントを入れるという話が。三十秒とかからずに三田村はスマートフォンをズボンのポケットに戻していた。

「いゃぁ、もうお乳は、お乳はお

赦

しくださいぃぃ」

ステージの久未子は、残りあと五十発まで来ていた。エレーナとリリヤが協力して左右から次々に鞭を炸裂させて、久未子の既に真っ赤に腫れ上がった乳房を責めたからだ。

「ピンチ、モッテキナサイ」

エレーナが、バックヤードに向かって叫ぶ。

洗濯バサミのことだ。

この上、まだ最後に洗濯バサミを乳首や乳房につけて、払い落とす責めにかけるつもりらしい。

「お乳を許してぇ、もげちゃう、千切れちゃう」

我慢強く、鞭逝き出来るまでになった久未子でさえも、ロシアから来た拷問請負人ふたりの乳房責めは過酷で、完全に限界まで来ているということであろう。

「ダッタラ、ママヲオワリニシテ、カタアシヅリノママデ、ムスメノオッパイ、チマミレニ、シヨウカ」

「いやいやいや、駄目ーー。足が、舞衣の足が壊れてしまう。スケーターなの、プロの。足首痛めたら致命傷になる」

「ナラバ、オトナシク、センタクバサミツケテ、ムチウチ、ウケナサイ」

「うぎゃーーっ」

リリヤが黒子から渡されたピンク色の洗濯バサミを、いきなり左の乳房の先端で既に切れて出血している乳首に無造作につける。

「痛い痛いいぃぃ。お、お赦しください。お乳、許して。な、なんでもするから。なんでもします。どんなことでも命令してください。エレーナ様の生理のおまんこも舐めさせて頂きます。黒人様のちんぽしゃぶって、臭いザーメンも飲みます。おまんこ使ってください。だから、お乳を、おっぱいをもう赦して」

悲痛ともいえる叫びで久未子が訴えるが、反対の乳首も無慈悲に洗濯バサミがつけられ、それどころか乳房そのものにもリリヤは渡された十数個を挟み付けていった。

「ソレ、アナタノ、ダイスキナコト、バッカリネ。ソレデ、ユルシテ、イウノガ、オカシイ」

リリヤの日本語も随分と上達している。

いつもの決め台詞は、今日は言わないのだろうか。

「うふふ。あの輪っかのついた洗濯バサミはバネが強いのよね。あの輪をちょっと引っ張ったくらいでは取れないくらい」

自分の奴隷になる女の折檻を中止にして欲しいような素振りをみせたかと思えば、随分と楽しそうにそんなことを言ってのける、依歩姫は不思議な女だ。

エスタブリッシュメント倶楽部には、エレーナたちのようないかにも「魔女」という名が相応しい女たちが既に所属しているが、またひとりとんでもない魔女がメンバーに加わろうとしているのかもしれない。

「痛いぃ、わたしのお乳…おっぱい、もう、もう、もう赦してぇ」

どんなに懇願しても、洗濯バサミの鞭での払い落としの刑は免れないと悟ったのだろう。叫び声がついに泣き声に変わってしまった。

「女が泣くのに騙されちゃいけないですよね。でも私もあのママ、毎日痛いことも気持ちいいことも辛いことも、色んな事で泣かせてあげたい。泣くとすっきりするでしょ」

こちらの魔女の言葉に重なるようにステージではエレーナが、「ソンナニ、ナキゴトバカリイッテタラ、アシタカラビョウインデハ、モットツライメニ、アッテモラウネ。オンナニウマレタコトヲ、マイニチ、コウカイサセテヤルワ」

と、久未子をさらに脅迫している。

横でリリヤが肩をすくめたのは、後半がリリヤの決め台詞なのをエレーナがわざわざ借用して言ったからだろう。

「どうやら、エレーナのお気に入りでもありそうだな。まあ、彼女にはうちから『退院』したある女を呼び戻して自分の専属にしてくれと言われてるんだ。そっちを出来るだけ叶えてやることにして、美樹、先生と一緒に上がって、お客様方に先生紹介しがてら、専属の話も発表してきてくれないか」

三田村が、美樹と依歩姫に舞台に上がるように言う。

バチーーン。ビチーーン。

「ぐぎゃーっ」

舞台では、左右から同時にエレーナとリリヤが、片乳ずつ、洗濯バサミを狙ってバラ鞭を振っていた。

「イダーーーーぃ」

どんなに泣いても赦しを乞うても、逆さ吊りにされている両手を頭の後ろに組むという状態を守っていた久未子がついに、その手を解いて胸元に持っていこうとした。

「ダメヨ。マダ、ノコッテイルネ」

エレーナがひときわ声高に叫ぶ。

実際、左の乳に乳首を含めて二つ、右は乳首のものこそ落とせていたが三つのピンクとブルーの洗濯バサミが残っていた。

ふっと我に帰ったように、久未子は一度ほどいた両腕を身体の後ろに力なく持っていく。

「洗濯バサミ。時間経ってから落とされるとものすごく痛いんだけど、でも落ちなかったやつはそれと比べ物にならないくらい痛いですよね」

歯科女医は、SとしてなのかMとしてなのかこそ不明だが、よく経験を積んでわかっているようだ。

ビチーン。

「うううぅっぅぅ」

リリヤの鞭が左の乳首の洗濯バサミを落とす。

久未子はついに叫ぶことも出来ぬ苦痛を味わっている。だが、左乳のもうひとつは、鞭は当たってほぼ取れそうなところまでズレたものの、先っぽだけの力で残留した。

バチーーン。

エレーナは右乳の三つを一気に払い落とした。

久未子は、今度はうめき声さえあげなかった。

間髪入れずに、リリヤのバラ鞭が九本まとめて、ひとつの洗濯バサミに襲いかかる。

ビチャーン。

「あぁぁぁ」

今度は久未子は声をあげたが、同時に身体から力が抜け、かろうじて身体の後ろには持っていっていた両腕がだらりと下に落ちた。Yの字に吊られた股間からは薄黄色い液体が溢れ、お腹を通って真っ赤になっている豊かな乳房の間を濡らし、首から顔にまであっという間に到達する。

「ヤット、シッシンシタネ。ナカナカ、シブトクナッタネ」

「アト、ジュウナナ」

エレーナの言葉に、リリヤが後方のモニターの数字を確認して答えた。

「よし、行って来い。先生、鞭も打てるかね」

「はいっ」

三田村の質問は、久未子が覚醒したら、あるいは覚醒させるための鞭も依歩姫にやらせろということだ。

後ろを歯科女医が付いて来ている気配を確認しつつ、客席前方へ行くと、座っていた現三田村会長夫人が察してワイヤレスハンディマイクを渡してくれた。

ステージの上からも、突然立ち上がった美樹と連れの女にロシア人ふたりが注目をしている。もちろん客席の全員が気がついているだろう。

ステージの階段を上がる段で、麻生依歩姫に前を譲って、そっと背を押して先に上るように促した。百七十センチ以上ありまるでモデルのような体型をした新しい登場人物に客席の誰もが注目しているだろう。

「ミィキィ」

少々大げさなリアクションをして、エレーナが自分に向かって駆け寄ってくる。

最後の十数発に使うつもりと思われる、真紅の一本鞭を右手にしたまま、抱きしめられた。まるで久しぶりに会ったかのようだが、もちろんステージが始まる前に顔は合わせている。

自分もそれに答えて、手をエレーナの背に回す。と言っても、エレーナのほうが実は首ひとつ大きかった。ほんのすこし屈めば、お互いに立っているにも関わらず、エレーナの豊かなふたつの胸の膨らみに顔を埋めることが可能なほどだ。

だが実際は抱擁を緩めると、エレーナの方が上半身を屈めて、キスをして、そして頬と頬をすり合わせてきた。エレーナが終わると、リリヤとも軽いキスを交わす。

マイクのスイッチを入れる。

「みなさま、こんばんは。後少しで安田久未子の処刑が予定の千発に達するというところで、急なブレイクをいただき恐縮に存じます。ですが、ここで皆様にこの美しい女性…」

そこまで言って、少し後ろに立っていた依歩姫に促して一歩前に呼び寄せる。横に並ぶと美樹よりも十センチ以上背が高く、自分はヒール、依歩姫はぺったんこのスニーカーを履いているのだから、実際の身長差はもっとあるわけだ。

「このホテルの二階、いえ皆様には四十三階の隠し部屋の特別診療室の方が馴染みが深いと思いますが、エスタブリッシュメントホテル歯科の新しい女医さんに決まった、麻生依歩姫先生をご紹介したいと思います」

依歩姫が華やかな笑みを浮かべて、頭を下げた。

ノースリーブの白いブラウス地の上着の、前屈みになったOの字に開いた胸元から、豊かなバストの谷間がこれでもかというくらい客席には見えたことだろう。

マイクを渡す。

「はじめまして、麻生です。今日はこんな格好でごめんなさい」

何も気にしていないのかと思ったが、下半身はデニムのジーンズというラフなスタイルであることを依歩姫は詫びた。客席がさやめいたのは、この小顔で八頭身とも九頭身ともいえる抜群のスタイルの美人が、思いの外低く、そしてとてもハスキーな声で挨拶をしたからだろう。

このひと言の挨拶だけで、依歩姫は美樹にマイクを返してきた。珍しい名前と、姫という愛称については触れなかった。

「エレーナ、リリヤ」

改めて、ロシア人ふたりに呼びかける。自分で意識してそうしたわけではないが、それぞれの名前の語尾が少し上がり気味のトーンになっていた。

「ダー」

「ダー、ミキ」

美樹の普段とは少し違う呼びかけのせいか、珍しくふたりともロシアの「はい」という言葉で、声を合わせるかのように返事をした。

「ふたりとも、新しいこちらの先生、ヒメと呼んであげて頂戴」

「ダー」

「ダッ。ハジメマシテ、ヒメ。ワタシハ、エレーナデス」

「そして、こちらがエスタブリッシュメントホテル歯科の院長、リリヤさん」

「ハジメマシテ、ヒメ」

リリヤの方は握手の手を伸ばしてきて、依歩姫はにっこり笑いながらその手を握った。

「はじめまして、院長。はじめまして、エレーナさん」

「早速だけど、そこにサカサマにぶら下がってる女、ママのほう。たった今から、こちらの麻生先生、ヒメの専属奴隷とすることになったの。会長のご命令よ」

「ダー」

「ハイ、ワカリマシタ」

エレーナもリリヤも、何故突然美樹と麻生依歩姫がステージに上って来たか、理由がわかったようだ。リリヤに続いてエレーナも右手で握手を終えると、左手に持っていた赤い一本鞭を歯科医の手に渡した。

依歩姫が、受け取っていいのという問いかけの目をして美樹を見たので軽く頷いてやる。

「タダ、シッシンカラモドッタラ、アトヒトツダケヤッテカラ、ワカクテ、ウツクシイ、アタラシイカイヌシニ、ヒキワタシタイネ」

エレーナはそう言うと、依歩姫の耳元に何事か

囁

いた。

「はい、結構です。やってください、是非」

「ヤマダクン、アレ、モッテキテ」

裏方のスタッフに、山田なる人物は存在しない。日本での生活が長くなり、日本語もメキメキと上達しているエレーナが、テレビ番組でも見て覚えてきたものだろう。

美樹も苦笑いするしかないが、客席の方も特にウケているという様子は残念ながらないのだが、エレーナは一向に気にするでもなく、また自分でウケたりすることもなく、若い男が運んできたものを受け取った。

銀色に光るブリキのバケツ。

液体が満たされている。二百CCと思われる浣腸器にも既に液体が充填され、ピストンが引かれた状態でバケツの中に立てかけられ、ノズルの後ろのほうが外側に覗いている。

「ヒメ。ヤッタコトアルカ」

依歩姫は首を横に小刻みに振った。自分がやって引き渡すと言ったエレーナだが、どうやら浣腸も依歩姫にやらせるつもりかもしれない。

バケツを相変わらず逆さ吊りにされている久未子のすぐそばに置いて、エレーナが手招きをする。

「マズハ、ドウヤッテ、メヲサマサセヨウカシラネ」

「デンキムチ、イイネ」

ふたりの声をステージの集音マイクが拾う。

「チクビニ、デンキョクハ」

「いいすね、それ。さっきもうおっぱいやめてとかって、泣き言言ってたし。乳首に電流で目ぇ覚してもずっとつけておけば、お浣腸もしっかり我慢出来るでしょうし」

美樹はいきなり溶け込んで参加している依歩姫を唖然として見る。

「ヤマダクン、デンキョクソウチ、モッテキテチョウダイ」

気配がしたのでふと見ると、娘の舞衣が身じろぎをしていた。とうに目覚めていて、恐ろしい女達によって決められた、母親の乳首への電流責めの話に反応してのことなのか、たった今、目を覚ましたのかはわからないが、「痛い…足…」

と、自分が片足だけの逆さ吊りにされていることに戸惑っている様子はありありだ。いつの間にか、舞衣にだけつけられていたボールギャグは外されていたようだ。

「オジョウチャン、オメザメネ。セッカクダカラ、オジョウチャンモ、カンチョウデ、ナイテモラウカ」

「どっちが長く我慢できるかってやつすね」

そんな会話をしているうちにすっかり「ヤマダクン」と化した男が、先端がクリップになっている赤黒のコードが付いている、電源ボックスを運んできた。

「舞衣さんも、ママがどんな電気責めされるか、身を持って味わってみたらどうかしら。その傷だらけのおっきいおっぱいにいい刺激なんじゃない」

上半身こそややセクシィな服を身に着けているものの、普段着のような格好の見知らぬ女に、それもその可愛い小顔からは想像できぬハスキーな声でいきなり言われて、舞衣は目を見開いて驚いたような顔をする。

母親よりもさらに一カップは大きいと思える舞衣の乳房も、両方とも鞭痕が無数に刻まれ、そばで見ると相当無残な有り様だ。

「そうだそうだ、舞衣ちゃんはおまんこの毛剃らなくちゃいけないのよね。え、舞衣ちゃんがおまんこでおかあさんがおっぱいでいいんだよね」

確かにそうだ。

電子プリントは、久未子は乳房だが舞衣は性器の上の土手部分にしろというのが会長の命であった。

「折角、黒々とした立派な大人の証だけどねぇ。マゾなのに生意気と言えば生意気なくらい。そうそう、一回見てみたいことがあるのよ。失神とかしたお仕置きに、その毛、オイルかウイスキーでもぶっかけて、焼き払うとか出来ないかしら」

この女はやはり魔女だ。

逆さ吊りで、未だピクリともしない母親の乳首にワニ口のクリップを右に赤、左に黒と取り付けながら、エレーナが「デキルデキル。ビョウインデハ、タマニヤッテイルネ」

「いや、いやいやいやぁ。剃られるのも焼かれるのもいやぁ。おねがい、許してぇ」

いきなり大声を出して、舞衣がむずがるが、少しでも暴れると左足一本で吊られているその足首にかかる負担は半端ではないのだろう。すぐに顔を歪めてその苦痛に耐えている。

「ヤマダクン、オイルトライター、イヤ、マッチガイイワ。オイルトマッチ、モッテラッシャイ」

「いやいや、焼かないでぇ。お願い、剃って、剃ってください。燃やされるのは怖い、怖い、ほんとに怖いですぅ」

舞衣の悲鳴には耳も貸さず、「なんでもあるんだぁ」

依歩姫が感心したように言うと、「ナンデモアルネ。ココハ、オンナヲセメルステージ。マゾノオンナガ、ナキワメクノヲ、ミセモノニ、スルトコロネ」

リリヤがすかさず答えた。

「でも、ほんとにほんとにお願いします。毛剃らないで、焼かないで。恥ずかしいことになっちゃう」

「あら。毛のある女は恥ずかしくなくて、毛のない女が恥ずかしいとでも言うの。あんたのママなんて学生のようにツルツルで、なのに見てご覧あのやらしいおまんこ。あれが毛があったら恥ずかしくないとでもいうの、ん、フィギュアスケーターの舞衣ちゃん」

からかうように依歩姫が言う。

「ヒメセンセイ、ジュンビイイヨ。ママノ、チクビニデンキシテ、メヲサマサセナサイ」

美樹も久未子を見ると、逆さに吊られている太腿がわずかに痙攣して、緊張しているように見えた。久未子は既に目覚めているのか。だが、目を閉じたままでそれ以上の反応や哀願の言葉を口にする様子はなかった。

「死んだりしないよね」

「ダイジョウブ。ビリビリクルダケネ。ソレニ、ママハ、ビョウインデ、モウナンカイモ、デンキゼメニカケラレテイルネ。デモ、チャントコウシテ、イキテルネ」

ヤマダ君が、今度はオイルが入っているのであろう五百CCほどのガラス瓶と箱型の大きなマッチ箱を持って出てきたので、美樹がかわりに受け取ってやる。

奴隷牧場11 二十二階の魔女(上巻) 【奴隷牧場】 第2部分 (2/3)
上一篇 · 下一篇