『変態光景』(へんたいこうけい)は、2005年に発売された、アヴァ制作のSM主題アダルトビデオである。アートビデオ(アヴァ)のなかでは比較的珍しい、一本のタイトルに複数ドラマを収めた構成で、副題は「猟奇SM短編集」。中編2本——「ブルセラ緊縛魔」と「若妻肛虐エネマダム」——が収録されている。前者の主演は吉岡みみ、後者は星野美優。続巻『変態光景2』も出ているが、こちらも個々のドラマが別途に展開するオムニバスで、登場人物や設定上のつながりはない。ただし1も2も、旧式の木造アパートの限られた一室で一定時間ドラマが進む趣向を採っており、同じ部屋に閉じるアートビデオらしい作りになっている。
ブルセラ緊縛魔:廃アパートの合意SM
中年の高校教師である「私」は、一年前から年の離れた恋人関係にあった教え子で、いまは大学一年生の吉岡みみを、古アパートの二階に呼び出す。目的は、セーラー服に着替えさせて淫らにきびしく縛り上げ、縄や鞭で若い身体を嬲ることだ。恋人の性癖を承知したうえで、みみは今日も指示どおり廃アパートへ通う。合意のSMデートであり、廃アパートはそのための密室である。
「私」は中年の現役高校教師。かつての教え子みみとは一年前からひそかな恋人で、女子大生となった彼女を廃アパート二階へ呼び出し、可愛がる。吉岡みみは19歳の大学一年生。「私」と愛し合っており、サディストの求めるまま調教を受ける。デート場所にはカジュアルなジーンズのミディスカートで赴くが、持参した鞄には指示どおりセーラー服一式が入っている。キスのあと、女子大生のままセーラー服に着替え、フリルのついたおしゃれなパンティから、純白で無地の綿製へ履き替える。
プレイではスカートをたくし上げ、パンティをさらしたまま両手をまとめて頭上に、次いで後ろ手に縛られ、股縄や乗馬鞭で下半身を責められて泣きわめく。乗馬鞭では、羞恥と楽な姿勢を求めて脚を閉じるたびに内股を強く叩かれ、パンティをつけたまま大股開きの姿を晒す。その後、左右に立てた二本の棒に手首足首を、全身が大の字になるようくくる。パンティも剥ぎ取られた股間を、ラケット状の道具で繰り返し叩かれて泣き悶える。ブルセラの衣装は、19歳の合意のうえで教師の嗜好に合わせて着る制服であり、廃アパートの二階がその舞台になる。
若妻肛虐エネマダム:宅配便の箱
宅配便業者を装った暴行魔が、若妻が一人で留守を守るアパートに乱入する。縛り上げてレイプし、ついには浣腸と強制排泄にまで及ぶ。暴行魔は中年男で、緊縛・拷問道具を詰めた箱を配送係のふりをして運び込む。若妻は抵抗するが、レイプされ、緊縛と浣腸の辱めを受ける。同じ木造アパートの一室でも、こちらは合意のない暴行劇として組まれている。
キャストは、吉岡みみが吉岡みみ、若妻が星野美優。監督は森田晋。続巻『2』ともども、狭い一室に時間を閉じ、縄と浣腸と鞭を短編で畳むのがこのタイトルの型である。アートビデオらしい、木造の限定空間と猟奇SMの短編集として残る。
一本に二つの中編を入れる構成は、アヴァとしては例外に近い。物語はつながない。つながるのは木造アパートという箱だけだ。「ブルセラ緊縛魔」は、19歳の合意とセーラー服と股縄と乗馬鞭と大の字の棒。「若妻肛虐エネマダム」は、宅配便の箱に詰めた拷問具と、留守番の若妻への浣腸。同じ狭い部屋でも、前者は恋人のSMデート、後者は侵入の暴行である。副題の「猟奇SM短編集」は、その二つを一本のタイトルで売るための看板だ。続巻『2』も同じ趣向で別ドラマを畳む。人物は引き継がない。引き継ぐのは、旧式アパートの一室で一定時間だけ責めを進める、アートビデオの型である。











