『変態ぞうさん 私の桃色指導』(へんたいぞうさん わたしのももいろしどう)は、東盛直道監督の日本映画である。2022年12月9日公開。OP PICTURES新人監督発掘プロジェクト2020の審査員特別賞受賞作で、上司のパワーハラスメントに悩む男を、性感帯を開発することで応援するピンクコメディだ。夕刊フジの田中宏子は「(主演の)白桃の清楚さもあって、これまでのSM映画とは一線を画す」と書いた。東盛自身は「(SM映画としては)変化球を投げてみた。コメディータッチのソフトSMって感じ」と述べている。2023年11月3日、『変態ぞうさん 悦楽の桃色調教』のタイトルでスターボードからDVDが出た。
零細保険会社エレファント保険のある支社、営業部。契約の取れない新人・小森は、権田部長に毎日どやされ、反省を態度で表すスクワットを課せられている。同じように数字の伸びないミナミが帰社しても、部長は彼女には甘く叱らない。ミナミは権田の不倫相手だった。だがミナミもぞんざいに扱われ、関係に疲れていた。妻と色違いのおそろいだというネックレスを権田からもらうも、帰りに捨てる。肩を落とした小森と出会い、飲み会帰りだという上司の丸岡と市川とも鉢合わせ、丸岡の自宅で二次会になる。権田の悪口山手線ゲームなどで盛り上がるなか、ミナミは酔いつぶれて眠る。真夜中に目を覚ますと、隣室では全裸で調教を受ける市川と、調教する丸岡がいた。まずいものを見てしまったと思うミナミの後ろに、寝ぼけまなこの小森がいる。パワハラの昼と、ソフトSMの夜が、同じ保険営業の人間関係でつながる。
伊藤ミナミ(白桃はな)は外回り営業。権田と不倫している。先輩の丸岡から乳首とアナルの調教を教わり、甘サド癖に目覚め、人生が変わっていく。白桃は映画初出演、初主演。小森(鹿野裕介)は契約の取れない営業マン。権田から体罰まがいのパワハラを受けている。ミナミと秘密を共有したことをきっかけに、性の開発を受けてドM性が開花する。虐げられることも喜びに替わり、鏡の前での乳首責めで自分がどう見られているかを認識できるようになり、営業成績も上がっていく。ライターの切通理作は、営業成績の悪さを上司や同僚とのセックスでカバーする流れは従来のピンクにもあったが、逆らえなくなっていくのが女性ではなく男性側なのが今日的だと書いた。丸岡リョウコ(みやむ)は職場の裏女王。男性を調教し開発することに生きがいを感じ、裏では市原をペットのように飼っている。市原(伊神忠聡)は小森の先輩で契約獲得No.1。実は丸岡の従順なM奴隷だが、貞操帯を付けられたことで解放されたい欲が芽生え始める。権田(竹本泰志)はパワハラと不倫を繰り返す部署の悪の権化。常にゴルフクラブを持ち歩く。
監督・脚本・編集は東盛直道。プロデューサーは澄田尚幸。音楽は荒川仁。撮影・照明は田中一光。制作はソフトボイルド、提供はオーピー映画。ピンク映画のSMを、パワハラ営業の喜劇に曲げた一本である。白桃はなの清楚な顔で甘サドに目覚め、鹿野裕介の小森が乳首責めと鏡でドMに開く。エレファント保険のゾウが、その目印になっている。



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