人妻淫獣地獄 ベサメ・ムーチョの夜 第1部 (1/2)
次の話
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人妻淫獣地獄 ベサメ・ムーチョの夜
内村 慎也
現在の新宿は、昼間は国内外の観光客で溢れかえり、かつての、昼間から淫猥な雰囲気を醸し出していた様相とは随分と違っている。しかし、いまだ夜になると喧騒を極める一角はあるし、酔客がたくさん吸い込まれていく区域もある。もちろん桃色吐息を吐き出す地域も大いに盛り上がっている。そしてここそこに、もちろん古澤のような玄人筋にしかわからないのだが、危険な連中の事務所も点在しているというわけだった。
普段、古澤は大体4時ごろ、数店あるうちの「ロリンズ」という本社機能も兼ねたカフェレストラン出勤する。ここは大人の社交場をコンセプトに、客単価も高く設定したが、料理、酒も本物志向で、最近は東京名店特集などで必ず取材されるまでになった。
そこに出勤した後、まず、店の周囲を見て回る。看板や植栽、そして、隣近所の状況までもつぶさにチェックしていくわけだ。
そんなこんなで1時間も経つと、そろそろ街には人通りも多くなり、ちらほら千鳥足の酔客も垣間見えて来るのだった。
その日も、そういった酔客のおかげで、俺たちの店は成り立っているわけだ、そんなことを古澤は思い、微苦笑しながら、通行人に視線を送っていたのだが、千鳥足でよたよたと歩く一人の姿が目に入り、ハッとした。
この季節、朝晩こそ肌寒いものの日中はまだまだ暖かでオーバーなどいらないほどだ。しかしその酔っ払いはボロボロのオーバーを羽織り、右手には何やら多くのものが詰まった小汚いバックを手にしている。髪もボサボサで、明らかにホームレス、または山谷あたりで生活している人生の落伍者の風体だった。
「小森さんじゃないか?」
古澤は、もう一度目を凝らしてよく見た。口の周りも髭ぼうぼうで、垢じみた赤ら顔は当時からすると大きく様変わりしていたが、特徴ある大きな鼻と左手を胃のあたりにやりながらヒョコヒョコと歩く姿は、間違いなく小森さんだった。
古澤は駆け寄り、背後から、小森さん、と声をかけた。振り返ったその男は、じっと古澤の顔を見つめていたが、「ああ、君は古澤君!」
なんで古澤君がここに? ああ、この惨めな姿を見られてしまったのか! 小森はきょろきょろと辺りを見回しながらそう思った。
かつては従業員数百名を率い、隆盛を誇っていた小森さんが、なぜ?
一方の古澤も、信じられないそんな思いで、呆然と相手を見つめるばかりだった。
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古澤が勤めていた大手商社を退職したのは今から5年ほど前のことだった。商社業界は、小狡いやつ、卑怯なやつ、そして度胸のないやつが出世する実に狭量な業界で、ほとほと呆れかえる毎日だった。このまま勤めていれば窒息しそうなストレスを毎日抱えていたから、退職が決まったときは心底うれしかった。
その後、親友の光一の酒場を手伝うことになって、いつのまにかもう5年以上夜の世界の住人となっているのだった。商社時代、営業で鳴らしていた古澤だったが、この営業というものはどこの業界でも方法論は同じであり、古澤は光一に様々なことを提案し、おかげで今は数件の飲み屋を持てるまでになって、大いに感謝されている。
また帳簿を見たり出勤状況を確認したり、締め日の振込確認を行う。優良顧客からの入金状況も確認しなければならない。こういったちょっとした企業マネジメント、これがなかなかに面倒臭いのだが、そういったことも商社時代に経験していた古澤にとっては実にたやすいことだった。光一はそのことも特に歓迎した。これまで何度か金を持ち逃げされたり、勝手に実印を使用され、その筋ともめたこともあったという。
「お前ならうまくやってくれること間違いないな。まあ、お前から実印を持ち逃げされたらもう諦めるわ。とにかくよろしく頼む」
古澤の小才を発見して上機嫌になった光一は、そういって喜んでくれたものだ。
そのイヤでイヤでたまらなかった商社員時代、顧客として随分と付き合いの深かったのが小森さんだった。当時の小森さんは、大手電機メーカーの下請け会社を経営していたが、独自の光学技術を持ち、その技術は超一流電機メーカーでさえも持っていないもので、会社は順調に発展していた。
欧州のビック企業へ仕事をつないだ時だったか、初めて会った小森の印象は、真面目も真面目、話の内容は技術のことばかりで、担当していた先輩たちは最後には皆根を上げた、という噂は本当だった。しかし、ヒトには、ウマが合う、派が合う、という言葉があるように、古澤はなぜか小森に気に入られたし、古澤も熱を帯びてこちらがちんぷんかんぷんのことを話し続ける小森に、これまた親近感を感じていたのだった。もちろん、実際の現場の仕事においても、十分に話し合い、例えば、商社のメイン行を紹介し、短期借入金を長期借入金に乗り換え資金繰りを安定させたり、工場用地を取得の際には、経済状況などを十分に説明し、断念させ、その結果、後年ずっと安い金利で調達できて大いに感謝されたものだった。
もちろん小森も古澤に何くれと貴重なアドバイスを行った。そうして二人の仲はだんだんと深くなったのだった。そんな、誠意をもって懸命に頑張った古澤への感謝の念を表すため、小森は時々広尾の自宅へ古澤を招待したのだった。都心にこれだけの家土地を持ったらどれだけ固定資産税はかかるのだろうと心配になるほどの立派な邸宅で、門からは踏石が何個も続き、玄関も立派なものだった。
招待される日はいつも土曜日の夕刻で、最初は少しばかり閉口したものだが、翌日休みでゆっくりできるだろうというのが小森流の配慮だったのだ。毎日苦痛である勤務のことを考えれば、土日はゆっくりしたいというのもこれまた古澤の思いだったが、そんなことに少し思いが至らないのも小森流だったのだ。
だが、初めて招待された夜の酒肴は見事なもので、古澤は目を見張ったものだ。どこぞの料亭と見まごう立派な和室で、その小宴は開催された。その時々の旬の美味が供され、その料理にぴったりの酒が並べられている。
古澤はその後恒例となり度々招かれるようになった小森宅の宴で、初めてジビエというものを知ったし、日本酒にも様々の味があることも教えられた。特に一生の趣味となったワインの驚くべき多様さを教えられたのも小森からで、今でも大いに感謝しているのだった。
最初は一取引先のちょっと変わり者の社長からの接待、という程度に考えていたのだが、そんなこんなでいつのまにか喜んで出席するようになったのだった。
もう一つ、古澤が密かに楽しみに思っていたことがあった。それは小森の夫人である絢香のことである。小森は小柄で、寸胴短足。まさに親父体型のとても女性の縁のなさそうな男性だったが、初めてその夫人にあった時、本当に腰を抜かしそうになった。
60過ぎの小森と相当歳の離れたと思える夫人、絢香は、ショートカットの髪型と愛らしい瞳の楚々たる美人だった。
最初古澤は、プレミアムビールを注いでくれる絢香を見やりながら、「実に美しい娘さんですね」
とお世辞でもなんでもない本心を話したものだ。
その言葉を聞くと、夫人は頬を朱色に染め、小森は愉快そうに腹を揺すって大笑いだった。
「古澤君、ありがとう。君の賛辞に心からお礼を言うとともに、少し訂正させてもらうよ」
そして絢香に愛おしげな視線を送り、「綺麗なお嬢様ですね。皆そういうのだがね、絢香は私の妻なのだよ」
古澤はもう一度まじまじと絢香を見た。いや、穴のあくほど見つめたと言っていいだろう。妻?
「ははは、どうした古澤君、そんなにおかしいかな」
後にわかったことだが、絢香は当時まだ20代、つまり小森と30歳以上歳が離れていたことになる。例えば、小森自身が、苦味走った俳優ばりのいい男であるとか、とてつもない大金持ちであったというなら頷ける話ではある。しかし、確かに小金は持ち、恒産はあったであろうが、まあ言ってみれば普通のおっさんである小森にこんなとびっきりの奥さんがいようとは!
又しても、不躾な視線を送ってしまった古澤は、信じられない思いだった。
思慮深げな憂いを帯びた瞳には聡明そうな輝きを感じ、また言葉少なに夫の傍に座り、時折古澤に料理を取り分けてくれる、その仕草には気品すら感じる。その一方、ミセスらしい落ち着いた装いではあったが、隠しようもない豊かな胸元は動くたびにゆさゆさと揺れ、覆い隠された豊乳はどれだけのものであろうかと劣情をそそる。初対面の古澤に恥ずかしげに答えるその唇は美しい桜色の花びらのようで、声がまたカナリヤの囀りのようだ。
小森に命じられ、立ち上がって奥に酒を取り行った際、スカートの先に延びた形の良い脚、後ろ姿でわかった豊かな双臀、酒が進むとともに、なんとかこの夫人の裸身を拝みたいものだ、というとんでもない思いも湧き上がってくる。
招かれるたびに夫人は控えめな、しかし十分に男心をそそるその肢体で古澤を歓待してくれる。トイレに立つおりなど、ふと古澤を見上げる絢香の視線にぞくっとするほどの色気を感じることもあるし、訪問も数度となり少し打ち解けてきた絢香が華やかな笑い声をあげる時など、この女を裸に剝いて、切ない呻き声を聞いてみたいものだ、などというとんでもない、しかし男なら至極当然な考えも頭をかすめたものだった。
また、十分にくつろいで、ゆったりと酒を飲む小森を見るたび、果たしてこの二人の閨房での営みはどんなものなのだろうか? という素朴な疑問も湧き上がってくる。この美しい絢香を組み敷いてあちこち愛撫を施し、絢香に絶頂を迎えさせているのだろうか? 小森のモノで貫抜かれた絢香が腰を振りながら歓喜の声をあげているのだろうか? 控えめで、楚々とした絢香が、小森の性技で乱れに乱れ、タバコのヤニで真っ黒になった小森の唇を貪って気をやっているのだろうか? 幾分の嫉妬も交えながら、古澤を歓待してくれる二人に対し、そんな失礼な思いも覚えていたのだった。
その当時、確かに小森は古澤にこうのろけたはずだ。
「いやあ、私にこんなできすぎの妻が嫁いで来ようとはね。自分でも信じられない思いだよ。まあ、私もあとどのくらい元気でいられるかわからない。とにかく元気でいる間は仲良くやるさ」
そう言って愛おしげに絢香に視線を送ると、彼女も恥じらいを浮かんだ微笑を浮かべ、ぽおっと頬をそめるのだった。
その後、この年の離れた夫婦のことが古澤はとても気になり、いろいろ調べてみた。業界関係者の間でも二人は有名だったのですぐに判明した。
小森は学生の頃から、油絵を趣味としており、社会人になってから随分と研鑽を積んだ結果、日展入選の常連となり、会友まで上り詰めたという。その後、請われて、某新聞社の文化サークルで油絵教室を主宰しており、そこに絢香が入会してきた、というのが出会いだった。だが、ただそれだけなら、よくあるとは言わないが、それなりに考えられるケースだろうが、しかし、それだけでは終わらなかったのがこの夫婦の縁というものなのだろう。小森の指導を得て、絢香はどんどん腕を上げたという。ついには、夫婦で日展入選の常連となり、業界でもちょっとした有名人であったそうな。
しかも、古澤が知り合った頃、絢香には画商がつく話が進んでおり、夫婦ともに充実した生活を送っていたのだった。
小森にしても、息子ほど歳の離れた古澤が頻繁に自宅に遊びにきて、活発に飲み食いしてくれることで、生活に彩りが備わった気がし、しかも絢香も明るい性格の古澤を気に入ったようで、いそいそと酒肴を準備する姿が好ましく思えたのだった。
ある日の宴の時、小森が
「古澤君、君の若さが実に羨ましいよ。君が時々遊びに来てくれるおかげで、この家も実に華やかになった気がする。改めてお礼を言うよ。な、絢香」
絢香は、ええ、本当に、と古澤が喜ぶ表情を見せる。
「古澤さんのおかげで、私も料理のしがいがありますわ。それにこの前の初個展の時は古澤さんの友人の方や、お取り引き先を大勢呼んでいただいて、本当に感謝しておりますの。あなたからもよくお礼を言って下さいまし」
と潤んだ瞳で見つめられるのだった。
その日は随分と酒の進んだ小森は、呂律の回らない口調で、「そうだ、俺は古澤君に頼みたいことがある! いつお呼びが来てもおかしくはない。その時は、その際にはだ、この絢香のこと、くれぐれもお願い奉るゥ!」
そして皆大笑いし、その和やかな宴はいつまでも続いたのだった。
そんな楽しい夜はついこのあいだのような気がするのだったが……。
2
本社機能を備えた「ロリンズ」のそばに「やおじ」という小料理屋があって、古澤と光一はよくこの店を利用していた。安いとは言えないが、親父の目に適った酒肴は光一たちも瞠目するもので、しかもちょっとしたツマミの作り方を教えてくれたりする、実に重宝する店だった。
とりあえず食事でもと、その店に小森を誘った古澤だったが、「やおじ」の大将はちらと小森に視線を投げかけただけで、すぐに奥の個室に案内してくれた。
テーブルを囲んで久方ぶりにあった小森を改めて見ると、頭髪は随分と少なくなり、無精髭も汚らしく、くたびれた開襟シャツの覗くセータは所々糸もほつれ、ズボンは全くひだもなくなってクタクタだ。その風体は、見すぼらしい、この言葉しか見当たらない。
この個室は賓客用で小綺麗に整頓されていたが、キョロキョロ辺りを見回し、挙措もおどおどとしている。運ばれてきたビールを見ると、ああ、久しぶりだ、と目を細めている。グラスに注いでやると、目をつぶり、口に運んで一気に飲み干し、うまいなぁ、と深いため息をつく。脳裏には古澤と楽しく過ごしたあの時の宴会が思い起こさているのか? まだ70前半のはずで、今の時代、まだまだ元気なはずだが、どこか病気なのだろうか、顔色もどす黒い。
そんな、落魄としか形容しようのない小森の落ちぶれた姿を見やりながら、古澤は暗い気持ちになるのだった。
「古澤君、改めて、挨拶しよう。随分とごぶさただったね。確か、どこかの支社に転勤してからすぐに退職したと聞いたが?」
往時のいろいろな思い出が小森の頭を駆け巡った。そうだ、絢香も、この古澤君が訪れてくるととても楽しそうにしていた。心を込めて一生懸命料理も作っていたな。本当に懐かしい。
「ええ、今は友人の会社を手伝っていましてね」
ちょうどそこへ運び込まれてきた刺身を見て、「こんな料理を味わうのは何年ぶりだろう。悪いね、遠慮なくいただくよ」
うまい! ここ数週間まともな飯にありつけたのはごく数日だった。ありがたいことだ。そんなことを思い、一緒に出された日本酒を心底うまそう味わいながら、小森は話し始めた。
「君は、当時うちの会社にいた、岩田、という総務部長を覚えているかな?」
古澤は、イタチのような小狡い顔つきの男のことを思い出した。出入りの業者に威張り散らす男で、不快な念しか覚えていない。
「今から5年ほど前だ、あの男にいろいろ相談したんだがね……」
そして、小森は暗い表情になって、古澤と一別以来の、来し方を話し始めた。それは、にわかには信じがたい、薄ら寒くなる告白だった。
3
絢香は身悶えしながら小森から離れた。小森は最近特に弱くなり、週一度あればいい方だった。今日も、十日ぶりに同衾したが、絢香に入ってくるとすぐに中折れし、なんとか絢香の手でフィニッシュを迎えた。体の奥に情炎の炎が小さく燃えているのがわかっている絢香は、小森との交合に不満を覚えるばかりだった。
ーああ、最近は夫の手で一度も満足を覚えていない。虚しい、虚しいばかりだわー小さく寝息を立て始めた夫に視線を落とすと、諦めたように首を振り、いつもどおり、居間のパソコンの前に座る。夫のいない昼間、ネットサーフィンで集めたいやらし画像を集めたファイルを開く。
立派にそそり立つ珍宝で女が責められる画像、ヴァギナがたっぷり濡れ、女が喜悦の表情を見せる映像、犬のように四つんばいになった美女の豊かな双臀に突き立てられる巨根、そんなあからさまな画像を見ながら、自分を可愛がるのだった。
こうまでしないと、身体の疼きは収まらない。間もなく三十路になるといったこの頃、特に性欲が高まってきたような気がする。かといって、シングルバーなどに出向く勇気もなく、ましてやホストクラブなど論外だ。半年ほど前、戯れにネットサーフィンをしている時、いやらしいサイトを見つけた。それ以来、こうして自慰にはまっているというわけだった。
絢香は特に敏感な首筋から乳首をゆっくりと愛撫していった。そして、自分が特に気に入った映像ファイルを開ける。
まず、最初の画面には黒人の巨大なコックで責められる日本人熟女の隠微な映像が流れ出した。女のヴァギナに激しく出し入れされるその黒い肉茎は、やがてテカテカと光りだした。
映像の中の胸の大きな女は、本当に気をやっているようで、黒人の珍宝が出し入れされるたびに、喜悦の声をあげ、身をよじって啼泣を漏らしている。
「ああ、私も、」
そう吐息を漏らし、右手を陰部に添えた。そこはすでにしっぽりと湿り気を帯びていて、絢香はああ、とまた熱い吐息を漏らすのだった。
また次の映像に切り替えた。女は四つん這いになっている。形のいい双臀を突き出し、よくみると蜜液もダラダラと垂らしている淫婦。そこに逆三角形の素晴らしい体つきの男がのしかかる。甘い吐息を漏らしながら腰を揺らす女の美尻に激しく自身を突き立てる男。
ーああ、すごいわ。こ、こんなセックス、私も一度、ー絢香は自分の弱いところを執拗に愛撫し始めた。肉芽はすでに大きくなっており、そこに指を這わすと、得も言えぬ快感に全身が覆われ「ああ、そこよ、そこ!」
そう喘ぎ声をあげる。映像の男から自分が責められるような気分になって、激しいオナニーをすることが好きになってしまった。映像の中の男が、腰の動きを早めたり、ゆっくりと挿入したりして技巧を弄し始めると、その珍宝に責められた気分になって、一段と気分を出す。
「ああ、すごいわ、あなた、本当に、」
エアー彼氏ともいうべき夢想の男から、激しく責められ、ヴァギナが張り裂けそうなほど挿入されていることを思って、一層指の動きを早めるのだ。
「ああ、す、好きよ、あなた、本当に好き!」
全身を仰け反らせ、絢香はそう大声を上げた。
「ああ、そろそろ、ああ、あなた、わ、私、もう、」
そう切羽詰まった声をあげると、絢香はいつもは夫から隠して厳重にしまっている巾着袋を開け、中から立派な張り型を取り出した。最近ではいろいろなセクシーグッズがインターネットで簡単に手に入る。歳の離れた夫との性生活に満足していない絢香は、この秘めごとにはまり込んでから、随分とディルドーを試してみたが、いま手にしているこの中太の黒い張り型が特にお気に入りだった。
実際の肉茎そっくりの竿の部分で大陰唇をこすりあげる。
「ああ、いいわ、ほ、本当に、」
スイッチを入れるとプルルンと振動を開始したその張り型をゆっくりと美蕾に当てた。
「ああ、あああ、切ないわ」
思わず吐息を漏らし、しばらくその全身を貫く愉悦に浸る。身体がとろけそうになるその快感に身をよじって悦んでいたが「そ、そろそろね。ああ、いいわ、フィニッシュはいつもとおり、」
そしてもどかしげに次の映像を映し出す。
それは、どこか絢香に似た豊満美人が組み敷かれ、正常位で男の珍宝を挿入されているものだった。串刺しにされたその女の陰唇からは、巨根に突かれるにつれ、夥しい蜜液が放出されている。
その映像を見ながら、まず座っている椅子の両袖に足を乗せ大きく美脚を開いた。そして、絢香は手にしているディルドーを美壺に当て、しばらく小さく出し入れしていたが、映像の中の男の出し入れに合わせ、その張り型をググッと奥深く没入させた。
「ああ、いいわ、あなた、いい!」
映像に自分を同化させ、責められる気持ちになって張り型を使い出した。映像の男が、ゆっくりと挿入すれば、絢香もゆっくりと、激しく動けば素早く出し入れを、女を焦らすように動きを止めれば、出し入れをやめる。
「ああ、もう、もう、もう! ああ、あなた、ああ、あああ、好き、好きよ!」
映像の男は激しく腰を振り出し、それに合わせ、絢香も腰を大きく揺らす。男の男根の動きが一瞬止まり、幾筋もの血管が浮き上がり、そして肉茎の裏がビクビクと大きく振動する。
「ああ、い、いくわ、いくわ、あああ、」
絢香はそう絶叫すると、腰をブルブルと震わせ、身体を仰け反らした後、とうとう自失したのだった。
3
リビングで絢香が隠微な楽しみに酔い痴れている時、扉の陰からそれをじっと見ていたのは、小森だった。小森は、絢香が体のあちこちを触りだすと、自身の男根が反応するのを感じた。それから絢香が興奮し始めると、思わず下半身に手が伸びた。
数ヶ月前、絢香のこのオナニーを覗き見してから、度々小森は自分の妻の痴態を覗いて楽しむようになった。自分の妻の自慰という隠微な行為に異常な興奮を覚えることに最初は驚いたが、覗けば覗くほど興奮が高まり、今では直接のセックスよりもこの妻の痴態を覗き見する方がはるかに愉悦を覚えるのだった。
そのうち絢香が首を振り出した。昂まって腰を揺らしているためだろう、椅子もガタガタと音を立て出した。小森の手の動きも速くなる。
そして絢香が絹を引き裂くような叫び声をあげ絶頂を迎えようとした時、うっうっと小さく声を上げ、小森もまた自失したのだった。
ほんのしばらく柱に捉まり、荒い息を吐いていたが急いで、ベッドに戻った。ガタンガタンとドアが閉まる音がした。絢香はいつもどおりシャワーを浴びだしたようだ。
布団にくるまった小森は、今では、妻のオナニーを覗いてこれまで感じたことのない興奮を覚える、という自分の変態行為を恥ずかしいとも思わなかった。それよりもむしろ、最近頭から離れないさらなる異常行為への願望、そのことが自分を苛むことに呆然とするとともに、なんとかならないか、何か方法があるのではないか、と考えてしまう自分が信じられなかった。
特に、今日、具合よく絢香の絶頂に気を合わせることができたことによって、いつもより興奮が倍加されたようで、その願望をなんとか実現したい、と考えてしまうのだった。
シャワーを終えた絢香がベッドにもぐりこむ。小森は寝入っていると思い込んでいるようで、何度か寝返りをうったが、そのうちにスヤスヤと寝息を立て始めた。
小森は半身を起こし、最愛の妻、絢香の寝顔をじっと眺めた。結婚して7年ほどが経つ。結婚当初から変わらない美しい顔。少しはだけた掛け布団から、雪白の豊かな胸がのぞき、また下半身にジーンと痺れを感じた。
この美しい、最愛の妻絢香。その絢香が、どこかの男の手練手管によって、官能の炎を大いに燃やしてのたうちまわり、蜜液を大量に漏らしながら、何度も何度も絶頂を迎える。それを見ながら、小森も大いなる快感を覚えたい。それが小森の激しくも暗い願望だった。
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「で、あるからして、この契約により、少なくとも向こう4期、つまり2年間は間違いなく大幅黒字計上となることが確定しまして、」
役員会では最近景気のいい話が出ている。しかし、小森はこのところ昔のように朝から晩まで会社のことで頭がいっぱいだということはなくなった。65歳といえばまだまだ一線を引退するには早いし、しかも、娘息子もおらず、後継者たりうる係累はいないので、頑張らないといけないのだが——。
「で、社長、ただいまの提案につきましてご決済を、」
ハッと我に帰る。な、なんの提案だったのだろうか? その戸惑いを感じ取ったのか、総務部長の岩田が媚びた笑いを浮かべ、もう一度確認ですが、と言いながら説明を始めた。頷きながら、決済印を押したが、ああ、もうどうでもいいんだ! 俺は、もう会社のことはどうでもいいんだ!
いつもどおり、滞りなく役員会は終わった。役員たちはぞろぞろと社長室を出て行ったが、総務部長の岩田が顔を覗き込むようにして心配そうな表情を見せる。
「社長、最近、お加減でも悪いのでしょうか?」
最近の社長は心ここに在らず、だ。今の役員会でも、俺たちの話を全く聞いていなかった。何か心配事でもあるのだろうか? それとも、体の調子が? 独裁者と言ってもよいこの男が倒れるとなると、銀行関係とか色々厄介で。
岩田は小森の心配というより、自分たちの行く末を案じ、しかしそれをけぶりにも出さず、小森の前に立っている。
そうだ、こいつに相談して。この岩田はその筋の問題など、実にうまく捌いてきた。
一度たちの悪い連中に執拗にクレームをつけられた時は、「社長、方法は聞かないでください」 そう言いおいて、そいつらとのトラブルも何とか解決してくれた。そういえば、いつか二人で飲んでいた時、夜の世界の住人と関係を持つというのも大事なことで、とか何とか、ふと漏らしていた。
そんなことを思い出しながら、自分の前に立つ岩田を見つめた。
「社長、貴方とは創業からずっとコンビを組んできた、言ってみれば同志、戦友です。困ったことがあれば何でも相談してください」
「普段と違って見えるか? わしが何か困っていると?」
立ち上がって応接セットのソファーに座る小森の対面に座った。
「はっきり言わせていただきます。そうですね、情熱? いつも社長から感じていたものが最近感じられませんね」
やはり長年一緒に働いてきた者にはわかるというわけか……。
「秘密は、守ってくれるか?」
岩田の表情が少しばかり歪んだ。どこか全て信じられないと思っていたこの男に、話していいものかどうか? しかし自分自身では何の策もない。
「昔のことだが、君は、夜の世界の住人に少々つながりがあると聞いたが?」
怪訝な表情に変わる。
「夜の世界って、そのお、スジものということですか? 何かトラブルが?」
いやいや、と大仰に手を振って、「もう一度聞くが秘密は守ってくれるね?」
もちろんです、と頷き身を乗り出す。
「実はわしの知り合いの女性がだ、」
さすがに妻の絢香が、とは言えない。しかし、この男に、話してしまってよいものか? 先ほど相談すると決めた決意がはや揺らぐのだった。岩田はそんな小森の逡巡を見抜いたかのように、身を乗り出した体を一旦ソファーに奥深く沈めた。何処までも待つぞ、というその姿勢にようやく口を開く。
「知り合い、つまりごく親しい女性がだ、何か後腐れのない関係で、身元もしっかりした男性と一夜をともにしたい、と言っているんだよ」
ぎょっとした表情になる。
「一夜? と言いますと、そのお」
「うん、それも何かその道のプロと遊びたいということでね。まあわしはそんな手蔓も知らないし、君だったら力になってくれるのではと、ね」
ふーとため息をついた小森を見て
「それで、色々悩んでおられたのですね。確かに男でしたら、風俗で遊ぶという手もある。しかし女性陣はねえ」
「その女性と会うたびに色々相談、というか、なんとかならないかと言われてね、正直ほとほと困っている状況なんだ」
「その女性は?」
気取られてはいないと思う。
「うん、わしの油絵関係の者でね、それなりの人なんだ」
また深々と身を沈め、しばらく考え込むような表情をしたが、「簡単ではないですがね、方法はあります」
その言葉を聞いた小森は顔を輝かせ、「そ、そうか? なんとかなるか?」
「ただし、金はそれなりに、そうですね、100万単位でかかりますよ。目一杯かかって500万ぐらいでしょうね」
そんなもので済むなら安いもんだ。
「ただし、その女性がその後、なんらかのトラブル、ストーカーにつきまとわれるなど、面倒ごとに巻き込まれると、それも困るのだが、」
小さな笑みを浮かべた。
「そんな連中に頼みはしませんよ。ただし、その女性、覚悟はあるのでしょうね?」
「覚悟? それはどういう意味だ?」
また薄ら笑いを浮かべる。
「社長、その女性にはっきり説明する必要がありますね。夜の住人たち、特にそういった道の連中はプロ中のプロです。はまり込んでしまう女性も多い。しっかりした心を持たないとね」
思わず笑みを浮かべた。絢香にとってそんなことはないだろう。そりゃ、楽しむだろうね。しかしあの聡明な絢香がそんなことはない。大丈夫だ。
「わかった。十分に説明するよ。納得した上で、遊ぶように、とね」
また、考え込むような顔つきになる。
「ちょっと知り合いに連絡してみましょう。情報漏洩等あったら問題だ。十分気をつけますよ」
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岩田に相談してから1週間が過ぎた。どうなったのだろうか? という気持ちと、所詮無理な話だったのだろうという諦め、ひょっとしたらうまくいくのでは? という期待、そんな気持ちがない交ぜになって、そわそわと落ち着かない時間を過ごしていた。
週末、簡単な役員打ち合わせを行うことになっているが、その日は特に何もなく、それでは、と皆が帰社して行ったが、岩田だけが社長室に残った。
「本日、予定はどうなっておられます?」
社長は俺がどんなに苦労してお膳立てをしたかわかっているのだろうか? そんな思いにとらわれながら、しかし、おくびにも出さず、口早に訊ねた。
いきなりの詰問口調に、小森は面食らったが
「い、いや、特に何も。本屋にでも寄って帰ろうかと」
「社長、先日のお話ですが、今日、ここに行ってみてください」
これだ、これだぞ、俺がやっとの思いで手に入れたのは! 社長、あんたわかっているんだろうね! 岩田は口に出して自分がどんなに苦労したのか説明したかったが、後の計画のこともある。そこまでは口にしなかった。そして、机の上にトン、とメモ紙を置く。
場所 六本木「貴水楼」
時間 午後9時開始
心付け 10万円 ご祝儀袋要
その他1 下足番、係の仲居に5千円程度の心付けその他2 関西稲尾氏の紹介と話す事場所 別紙地図参照の事「ここに行けばいいのだな?」
「そうです。社長のご希望に添えるかもしれません」
岩田はそう言ってから、その紙片をじっと見つめる小森に視線を落とした。嬉しいのか? 俺の働きに感謝しているのか? 小森の思いはわからなかったが、岩田は続けた。
「まずそちらに行かれてですね、例の件はそのあと考えましょう」
その件も俺がいろいろ考えてやるさ。しかし、まったくなんという男だ。社長業はどうするんだよ、その思いをぐっとこらえ、岩田は上着を着せてやるのだった。
5
緋毛氈の敷かれたその先に恰幅の良い男の座っているテーブルがあった。小森は逸る気持ちを抑え、男に祝儀袋を差し出しながら、関西の稲尾さんの紹介で、と申し添えた。その恰幅のよい明らかにスジものとわかる男は、小さく頷き、背後の男を呼んだ。呼ばれた男は小柄であったが、恐ろしく胸板が厚く、しかも耳朶の半分がない。背後には強力なその筋があるということだった。
招じ入れられた部屋はかなりの広さだった。部屋のぐるりに、恰幅のよい男たちが等間隔で並び、腕を組んで虚空を見据えている。誰かが逃げ出すのを監視しているようでもあり、誰かを守ってでもいるかのようだった。
部屋は、30畳はあるだろう。すでに多くの者が、ほとんどがカップルだったが、座っており、正面にはダブルキングサイズともいうべき、ベッドが置かれていた。ただ奇妙なことにそのベッドの下部は大きなモーターが垣間見えており、妖しいピンク色の布団の掛けられたそのベッドはゆっくりと回転しているのだった。
案内された場所は最前列で、そのベッドからすぐそばだ。ショーのかぶりつきというわけだった。座るとまた別の男が箱代を持ってきた。そこには冷たい小瓶のビールと銚子が二本、つまみが何品か。小森は注がれたビールをぐっと飲み干す。と、スポットライトが正面に灯された。
長身のマントを羽織った派手な衣装の長髪の男がにっこりと表情を作る。
「ようこそおいでくださいました。本日は皆々様の思し召しにてこの宴が開催される運びとなり、心から御礼を申しあげます」
言葉を切り、首を傾げ芝居がかった表情で続ける。
「お集まりの皆さま、ご自身の魂にかけ、紳士淑女のお約束、誓えますね?」
「誓います!」
突然ぐるりから大声が上がる。座敷の人々はそれに呼応するように、皆右手をあげた。小森も慌ててそれに倣う。
「ありがとうございます。それでは、みなさまお待たせしました。日本人離れした豊かな胸、目を見張るような美脚、そんなナイスバディの登場です! 大手テレビ局で経済キャスターを務め、その後、数々の人気番組に登場したあの女子アナNO1、現在、我が業界では萌という源氏名で活躍中、そうです、あの、萩原佳奈嬢の登場です!」
パッとマントを翻させると男に当たっていたスポットライトが消え、ジャジャーンとファンファーレが鳴る。そのあと、向かって左手にスポットライトが当たった。
小森は腰が抜けそうに驚いた。確かにそこには、かってのあの人気アナウンサー、萩原佳奈が幾分まぶしげな表情で立っており、拍手が起こるとゆっくりとお辞儀をしているではないか!
ーああ、とうとう、こんなところまでー
佳奈は涙が出そうになるのをグッとこらえ、言い含められたとおりの笑顔を必死に作った。
そして、教えられたとおり、胸を張り、ゆっくりとベッドに向かう。
小森は、そんな萩原佳奈を信じられない思いで見つめた。大手キー局TWCの経済番組のキャスターを務めていた時は、早朝にもかかわらず、かなりの視聴率を取っていたはずだ。小森も毎日、佳奈嬢の経済解説を楽しんで見ていた記憶がある。アナウンサーと言っても硬派のそれで、鋭い切り込みと冷静な分析で大向こうを唸らせていたが、確か、TWC看板番組のメインキャスター起用の噂が流れていた時、突然引退した、ということを覚えている。栄枯盛衰の激しいテレビ界のこと、その後消息を聞かなかったが、なんとなく米国の大学院にでも留学したのだろうと思っていたのだが、お、お座敷ショーに出ているなんて! 小森はただただ驚愕し、もう一度、女の体を凝視した。
日本人にしては実に大柄で、素晴らしい体型だった。申し訳程度にマイクロブラジャーで覆われている胸元はまさしく豊乳という表現しか見当たらない。日本人離れしたよく張った双臀はピンと形よく上を向いている。そして、妖しく官能美を放っている腰まわりはよく張っており、ふるいつきたいほど。すらりと伸びた脚ももちろんだが、ムンムンと女の色香を見せつけている太ももの付け根はわずかな三角の布切れで覆われているだけだった。
その女は唇を半ば閉じ、うつろな表情でゆっくりとお辞儀をしながら、正面のベッドに腰を下ろした。すると、奥の屏風の裏から一人の男がベッドにゆっくりと上がってきた。
二人揃うと、観客に向かってもう一度深々とお辞儀をした。それから、膝を折って抱き合い熱い抱擁を行う。女はゆっくりと目をつぶり、男と長い口づけを交わした。
小森はもう一度目を凝らして女を眺めた。その日の経済ニュースを歯切れよく解説し、時には大企業の経営者に鋭く切り込んでいく聡明な経済キャスターのイメージをはっきりと思い出した。多忙なキャスターを務めながらどこかの有名大学の大学院で学位も取得したはずだ。
画面いっぱいに美しい横顔を見せていたキャスター時代の萩原佳奈と今目の前でどこぞの男と抱擁しているその女は確かに同一人物で、違いといえばベッドの上の女は全裸も同然で身悶えしているということだった。
キスをしている間ベッドはゆっくり回転していた。男は背中に手をやり、張り切った双臀を撫でさすり、マイクロブラジャーを巧みにはずしながらこぼれ落ちた豊乳を揉みしだき、すでにピンと張った乳首を優しく吸ったりした。
最初こそ少しの恥じらいを見せていた萩原佳奈だったが、今はうっとりとした表情で男にされるがままだ。
ーそうよ、いつもの夜と一緒。ねっとりと可愛がってもらう。別に変わりわないわ、むしろ、見られているという感じが何か私の中で。ああ、痺れるわー男にキスをされ、なんとか気持ちの落ち着いた佳奈は、自身の昂まりをはっきり自覚している。
ようやくキスが終わり二人はベッドに横たわった。男はまず萩原佳奈の両足を大きく割る。
「あっ! 恥ずかしい」
小さな悲鳴をあげる。男の露骨なその行動に、全身をたまらない恥ずかしさが貫くのを感じた。
しかし構わず、その秘奥を大きく広げ、観客にさらす。ベッドはゆっくり回転しているが、観客にその秘めやかな部分を十分に晒すように、2回転分ほどその格好を取り続ける。小森にも陰唇がはっきり見えた。そこはサーモン色で処女のように美しい。幾重にも重なる肉襞まではっきりと晒された女は、羞恥に耐えるようにしっかりと目をつぶっていた。
男は、大陰唇を大きく広げたまま、佳奈嬢の体のあちこちに口づけをしている。喉元から始まり、脇の下、横腹、乳首を吸った時は特に念入りに。その間、巧みな指先で美壺を攻め、いつのまにか美口から透明の愛液が漏れ出していた。
「ああ、弱い、ああ、た、たまらなくいいわ」
熱い吐息が萩原佳奈の口からたまらず、といった感じで漏れた。
男はその声を聞くと、口を離していた乳首をもう一度吸い、今度は女の下半身に顔を埋めた。ちょうどその時、小森の目の前に女の下半身が晒された。ピチャピチャと音を立て、大陰唇からゆっくりと小陰唇を愛撫している。
ーああ、ど、どうにかなりそうー
萩原佳奈はお座敷に出ると知らされた時、腰が抜けそうな驚きを覚えたが、そんな驚きと羞恥心はいつのまにかどこかへ消えてしまっていた。下半身が熱く火照り、いつもより多い蜜液が流れ出ているのを感じた。
「ああ、そ、そこは、ああ、あああ」
男の舌が自分の敏感な部分に触れ、そこをゆっくりと刺激し、そして優しく口づけする。佳奈の視界にはもう大勢の観客は見えなくなっていた。いつもより早く、そして、深く、全身がトロけてしまいそうな愉悦が背後に湧き上がってきた。
ーもう、どうにでもしてー
いつもの夜と同様、男に抱かれる至福を感じ出し、男の唇を求め、貪る。
小森はそんな佳奈の乱れぶりをまた信じられない思いで凝視した。ゆっくりと自分の前を回るベッドの上で、佳奈の体は興奮にブルブルと震え、身を捩って快感にのたうちまわっている。
ー本当に興奮している! 演技じゃないんだ!ー
そのことも驚きだった。
男は、一度萩原佳奈から体を離し、身につけていた下着をさっと脱いだ。
おお! というどよめきが湧き起こる。小森も、今夜何回目かわからないほど、またしても目を見張った。
なんという立派なもの! 男の一物はこれまで見た誰のよりも、もちろん自分のものは論外で、実に素晴らしいものだった。カリが十分に張り、血管の浮き出たそれは、名人が至極の芸で彫りきった彫刻のような逸品だった。
佳奈もうっすらと目を開け、それを見ると、ーああ、ほ、欲しいわ! は、早く! ーそうまた身をよじるのだった。
男は、萩原佳奈を仰向けにさせ、足首を持つとこれ以上ないほどぐっと開脚した。またそのままの姿勢で、一回転ほど。佳奈嬢のそこはすでに濡れそぼっていた。サーモンピンクの肉襞まではっきりとわかるパックリ割れた陰唇どころか、奥深くの菊門まではっきりと晒されている。
「ああ、早く、私、もう、」
熱い吐息交じりの哀願を、懸命に行っている。男の一物を見た佳奈嬢は、観客のことはもう目に入らないようだった。
ようやく男が佳奈にのしかかった。自分の竿をヴァギナにこすりつけたり、奥の美しいと言える菊座をちょっとつついたりと、まるで佳奈嬢を焦らしているようだ。
「いや、お願い、は、早く!」
萩原佳奈は男の背中に手を回し唇を貪っている。
ーも、もう、だ、ダメ! 本当に上り詰めそうよ。ど、どうにか、ああ、ー佳奈は自分の身体がとろけそうになって、気が遠くなりそうだった。満座の中、一糸まとわぬ姿で男に凌辱され、愉悦でのたうちまわっている羞恥など全く感じなかった。今は、ただ、ただ、男のものに貫かれ、絶頂を迎えたい、それだけが佳奈の思いだった。
男が小さく囁く。
「いいか、一気に行くぞ」
佳奈はウンウンと頷き、そして男がゆっくり入ってくる。
「ああ、いい、すごいわ、愛している、本当に愛してる!」
そこでふうっと目をつぶった。
小森はそんな二人の交合を、そして、男のものが、大きく開脚された佳奈嬢の綺麗なヴァギナにゆっくりと没入されていくのを間近に見て、また信じられない思いだった。萩原佳奈は一世を風靡した経済キャスターだったのだ。そんな女性が、一介の男に嬲られ、喜悦の大声を上げ、のたうちまわって悦びにうち震える、という狂態を一般人に晒している。
なぜなんだ! という思いだ。この男、この素晴らしい一物を持つ、この相方の男が萩原佳奈を狂わせたと? 華麗なる経歴をすてて、お座敷ショーに喜んで出演するまで身を堕とさせたと?
人妻淫獣地獄 ベサメ・ムーチョの夜 第1部 (1/2)
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