ヴァン・ダークホーム(Van Darkholme、1972年10月24日 – )は、ベトナム出身、サンフランシスコ在住のゲイ・ポルノ俳優、映画監督、写真家である。2000年、タイタン・メディアの『Three Easy Pieces』でデビューした。『White Rope』やKink.comの『Bound Gods』シリーズなどにも出ている。監督作も出演作も、ボンデージと緊縛の比重が大きい。みずからボンデージを写した写真集『Male Bondage』は、Bruno Gmünder社から2006年6月に出た。男の身体に縄と革を掛け、それを商品にも芸術にもした人物である。
農家の少年から、ウェブの被写体へ
1972年10月24日、ベトナムで生まれる。10歳でアメリカ合衆国へ渡り、農家の子どもとして育ち、ケンタッキー州の高校を出た。1999年から開いていたウェブサイトに、自身を被写体にしたボンデージ写真を載せ、俳優になる前から話題になっていた。交友のあったタイタン社の俳優Keith Webbの死を契機に、俳優へ進むことを決める。同社の『Three Easy Pieces』が映画デビュー作になった。
タイタンとの決裂、Muscle Bound
もともとは一般映画の俳優志望だった。「100回も200回もオーディションを受けても、端役しか貰えなかった」と本人がインタビューで語っている。ポルノ俳優として本格的に動き出したのは『Three Easy Pieces』以降である。ヒットを受け、タイタン社はスターとして『Fallen Angels』シリーズへの出演を求めた。本人の意向と社の要請が折り合わず、契約は履行されず、関係は決裂した。その後、Muscle Bound Production社を設立し、監督として『Cam-Am』、『they’re lords of the Lockroom』、『House of Detention』などを撮り続けた。周囲にボンデージを理解されなかった経験が、のちの演技と観念に大きく効いた。
ボンデージやフェティシズムへのありがちな誤解を解くことを目標にしている、としたうえで、本人はこう語っている。アダルトビデオ業界は演技を抑えさせようとしてくる。「Van、そのルックスなら札束の山が築ける。ボンデージなんて今すぐ脱げ。誰も興味なんて示さない」——タイタン社をはじめとする周囲との確執を、後年こう振り返った。ルックスで売る側と、縄で売る側が同じ男のなかで衝突した記録である。ジェレミー・スティールと共演した『BONDO GODS vol.7』は2008年に公開された。
寄付とYouTube
2008年からKivaを通じ、故郷ベトナムやカンボジアなど途上国の家庭へ、自身のサイトから得た利益をすべて寄付する形で慈善を始めた。「ポルノを介して慈善をするなんて珍奇だと思う人もいるだろう。だが『持てるもので最善を尽くす』という言葉には、誰もが共感するはずだ」と述べている。2020年からはYouTuberとしても活動している。
主な出演作(いずれも Muscle Bound Productions)
- 2001年 White Rope
- 2002年 Black Rope
- 2004年 Raw Rope/Bondo Gods, Vol. 1/Bondo Gods, Vol. 2
- 2005年 Van-Nilla Reloaded/Rear Window/Once Upon a Time Reloaded/Bondo Gods, Vol. 3/Bondo Gods, Vol. 4
- 2006年 Bondo Gods, Vol. 5
- 2007年 Anatomy of Bondage
- 2008年 Bondo Gods, Vol. 6/Bondo Gods, Vol. 7
著書は『Male Bondage』(Bruno Gmünder、2006年)。縄の色を題に据えた初期作から、Bondo Godsの連続、解剖のようにボンデージを見せる『Anatomy of Bondage』まで、男同士の拘束を一本の線で残した監督兼被写体である。












