本文へ移動Skip to content跳到正文跳到正文
日本と世界のBDSM映像アーカイブThe BDSM video archive — Japan & beyond日本与全球 BDSM 影像资料库日本與全球 BDSM 影像資料庫
小説Novel小说小說

小説『亜由美』第二部 亜由美シリーズ · 第5部

小説『亜由美』第二部 亜由美シリーズ 第5部 (5/5)
前の話

疲労、寝不足が重なり、自分が自分ではないように感じる。その紙片を広げるのさえおっくうだった。

しかし誰も紙を広げないので、亜由美はスプーンを置き、広げた。

「GW前の大セール 商店街祭り」と書かれていた。ピンとこなかった。思い出すのは自分を犯した店主たちぐらいである。それも、遠い昔のことのように思えた。

「まだ生理、きついだろう。出血も多いしね」

今朝のことを言っているのだ。今日もトウモロコシのような巨大タンポンを自ら秘部に挿入していた。

亜由美にプライバシーはない。

「昨日はやり過ぎたから、今日は少し違うやつだよ」

食べ終えると、彼らに囲まれるようにしてゲー研の部室に連れ込まれる。

「背中に新しいメニューを書かないとな」

Tシャツをめくりあげる。

マーカーを持ったゲー研のメンバーが、新たなメニューを言いながら付け加えた。

「貸出、輪姦、飲精、飲尿、尿浣腸。それから近親相姦」

最後の四文字を書いている間、亜由美はポロリと涙を流した。

ゆうべ起きたことが悪夢であればいいと思っていたのだが、誰もが認める事実だった。その事実が四文字の言葉として背中に刻まれた。

兄たちは、亜由美を犯していった。もう兄妹ではない……。

それだけのことを自分はしたのだ。

剛介によってそうされたと言えるが、自分からその道を選んだのも事実だった。

後戻りはできない。

これだけ汚れた自分は、おしまいだろう。壊れた人形のように捨てられるだけだ。

いま亜由美の存在がこの世から消えたとしても、世の中はなにも変わらない。

いま自分の周りにいる剛介たちは、亜由美のことを忘れて、普通の人生を歩むだろう。誰かに聞かれても、「忘れた」というはずだ。

「大げさだなあ。そんなことあるわけないじゃない。全部、ホラ話だよ。本当にやったら犯罪だもの」

彼らは亜由美を幻想にしてしまうに違いない。

「あの動画はすべて作り物だよ。全部ウソ。演出。合成。トリック。あんなことをする女がホントにいるわけないだろ」

そう言うに違いない。

現実をすべて引き受けるのは亜由美だけだ。

「すごいメニューになってきたな」

誰かが読み上げている。

「全裸生活/むだ毛全処理/排泄管理/大量浣腸/ケツ穴拡張/首輪/鼻フック/異物挿入/アナルセックス/トリプルプレー/レイプ/緊縛/股縄/ムチ/野外露出/三リットル浣腸/尿道責め/乳首・クリ拡大中/貸し出し/輪姦/飲精/飲尿/尿浣腸/近親相姦」

黒々とした文字が背中の半分ほどを染めていた。

「今日は、コスプレだよ」

部員たちが床に着ぐるみのようなものを並べた。

茶色いモコモコした部品である。

「亜由美はおサルさんになるんだ。そしてパレードに参加したあと、逃げるんだ。逃げたサルを見つけるゲーム。見つけた人に景品をあげる。以前にも逃げるのはやったよね。あれの、本気の仕事版」

アルバイトか。

亜由美は少し安堵しつつ、サルの耳がついた帽子のようなものを頭から被る。鏡で見ると、顔だけが出て、あとはすっぽり隠れて、少しかわいらしい。目が和む。

「そうそう、笑顔だよ、笑顔。今回のミッションは、パレードからかくれんぼが終了するまで三時間、笑顔を絶やさないことだからね。できるよね?」

「はい」

「亜由美は商店街のアイドルなんだぜ」

Tシャツを脱がされ、肌に直接、サルのコスチュームの上半身部分を羽織る。

乳房の部分はくり抜かれていた。やはりただのアルバイトではない。

背中のファスナーを閉じると、もこもこの茶色い毛皮風の衣装の中から白い乳房が飛び出す。

「エロいメスザルだな」

みんなが笑う。

「コスプレだからさ。隠さないとマズイんだよね」

茶色いマーカーで乳房を塗っていく。

「クレンジングクリームで落ちるから大丈夫」

すっかり茶色く塗ると、乳首だけが残った。

「ここは出しちゃマズイよね」

「隠すんだけど、普通じゃつまらないからな。ただいま『乳首・クリ拡大中』だし」

彼らが持っているのは直径三センチほどのプラスチック製の花飾りだ。中央が白く、ピンク色の花飾り。髪留め用ではないかと亜由美は思った。

「これをさ、外れないようにつけるから」

安全ピンで乳首にとめるつもりだ。

「なんだ、期待しちゃってるのか?」

亜由美のうったえるような目を、彼らは笑いながら見下ろしていた。

そして剛介が乳首を引っ張る。

もみしだき、淫らな乳首にするために指先でこね、眉間がハの字となって苦痛を感じている亜由美の表情を楽しみながら、立たせていく。

「どうだ、感じるか、少しは」

「はい」

昨日、あれだけの陵辱を受けたのに、体はまた新たな刺激に反応しようとする。

「じゃあ、やるよ」

安全ピンを突き刺した。

「ひー」

か細い悲鳴。

亜由美が顎をつきあげて、喉を上下させながら耐えている。

痛みをこらえることができない。握り締めた拳が震えている。

右、左と剛介は敏感で柔らかな乳首に飾りを取り付けた。

「ほら、これならヒワイじゃないよ」

サル用の手袋をすると、上半身は着ぐるみらしくなった。もちろんオッパイに花びらをつけたサルなどいないのだが。

「おつぎは、これ」

パンツもモコモコの毛皮風の生地だ。

亜由美は男たちの前でホットパンツを脱いで、それをはいた。

ところが、それはパンツではなかった。前はそけい部がまったくカバーされていない。後ろも大きな穴があいているのである。

「ここが丸見えになるとマズイからね。おまわりさんに怒られちゃう」

茶色のマーカーで肌が出ている部分に印をつけて、一度脱がせ、そのあたりを念入りにマーカーで塗りつぶす。敏感な部分にはピリピリと鋭い刺激があった。

亜由美はこれからさせられることを思うと、お腹に詰め込んだ昼食を吐き出してしまいそうなほど緊張していた。

昨日のように、キモい男たちになぶりものにされるのもつらい体験だったが、それでもまだ密室でのことだ。

今日は外に出る。

人が大勢いる商店街。売り出しの日なら、かなりの人が来るだろう。そこでコスプレと称して、堂々と露出プレーをしようというのだ。

もう一度、毛皮風のパンツをはく。腰のところでしっかりとヒモで止める。

「お楽しみはこれだよ」

巨大タンポンに、三角形の毛皮風の当て布が縫いつけられている。

「生理中だからね。これに取り替えてみて」

好奇心剥き出しの男たちの前で、膣奥に入ったタンポンを引き出す。大量の経血を吸ったものが出てくる。

そして新たなタンポンを押し込んでいく。すっかり中に入れると、ちょうど秘部を三角形の毛皮が隠すのだが、なんだか頼りない。

布はピンと張られているわけではなく、端がめくれてしまう。

「よーく、見てごらん、そこに小さな穴があるよね」

モコモコと起毛した布の間に、小さな穴があいていた。

「ちゃんと留める必要があるからね」

まさか、と亜由美は思う。

敏感な突起、三か所を責めるつもりなのだ。

針のない注射器のようなものを剛介が持っていた。

「計算上、うまく合うはずなんだけどさ」

亜由美は床に座らされ、足を広げた。

注射器が押しつけられて、剛介がポンプを引くと、いま拡大を強いられているクリトリスが吸い上げられていく。

「あっ、痛い、だめ」

「動くな」

手で払おうとしても、ほかの者が亜由美の手をつかむ。

ぐいっとえぐられるように吸い出された敏感な部分が、布の小さな穴から顔を出した。

「ほらほら、出てきたぞ」

ピンク色の肉芽が、とうとう外に飛び出した。

「よーし」

剛介はプラスチックの花飾りと安全ピンを用意する。

「だめ、それは……」

亜由美は乳首にされたことを思い、脅えた。

「拒否するの? それ、本気? ここですべて止まるよ。解散終了だよ」

考えることもできず、呆然としている亜由美の隙をついて、剛介はクリトリスに安全ピンを突き立てた。

「ぎゃー」

手、足をほかの者が押さえていなければ、部屋を飛び出していただろう。

「ほらほら、アクセントがついて、カッコいいよ」

股間をカバーする三角の毛皮。その上部に花びら。まさかそれが安全ピンで、亜由美のもっとも性的に敏感な部分に止められているとは誰も思わないだろう。

別に二つの安全ピンで、パンツ本体に布の端を留める。同じ布地なので、よく見ないとその部分が、当て布であるとはわからない。

「ほら、四つん這いになって」

彼らは容赦がない。

亜由美をうつ伏せにして尻を上にする。

ジンジンと痺れるような痛みが股間に広がっている。体を動かすだけで、股間の布が動き、クリトリスに刺激が伝わる。

陰核で布を止めた、というよりも、布が少しでも動けば強い刺激が肉体に伝わるように接続されてしまった感覚だった。

あまりの苦痛で、開いたままの口から、どろりと唾液が垂れ下がった。涙と鼻水も垂れていた。それを、サルの手で拭う。

剛介は尻尾を持っていた。

六十センチほどもあるサルの尻尾だが、根元に見慣れたゴムの管がついていた。

「亜由美、見ろよ。こんなのを作ってくれたんだよ」

尻尾の下にポンプをつけると、剛介がそれを握り締める。ゴムの先端部分が大きく膨らんでいく。

「ほらね、お馴染みだろ? ダブルピッカーよりも丈夫で大きなバルーンがついているんだってさ。アダルトショップのおやじがこういう材料を用意してくれたんだ」

そう言いながら、剛介は亜由美のアナルにローションを塗り込む。昨日の激しいアナルセックスによって、肛門は裂けたように開いており、ローションをつけなくても指が三本ぐらい簡単に沈む。

「すっかり淫乱な体になったよなあ」

たっぷりローションを塗り、尻尾を押し込む。

「ううう」

『亜由美の会』のメンバーたちに押さえつけられ、亜由美はその感触に耐えた。

スコスコとポンプが押されていくと、お腹の中でバルーンが巨大に膨らんだのがわかる。

「よし、立ってみろ」

ポンプを外しても、弁がついているらしく空気が漏れない。

がに股になってしまうが、亜由美のサルのコスプレは、男たちに大受けだった。

「いいね、亜由美ザル。アユザルだな」

パッと見たところ、ビキニのように、腹部は丸見えでセクシーながらも、警察にとがめられるほどの露出には見えない。

だが、乳房は剥き出しで、股間も外気に触れているのである。そして三つの敏感な場所には、花飾りが安全ピンで取り付けられている。

「歩いてみろよ」

お尻に刺さった尻尾は重く、ゆさゆさと上下に動く。そのたびに、腸を激しく突き上げる。

「言っておくけど、この尻尾、浣腸ができるんだからね」

剛介は、大量の使い捨てシリンジを見せる。注射器状のもので、針先の部分はただの突起の嘴になっている。

「今日の鬼ごっこは、表と裏があるんだよ」

「裏?」

「そう。商店街の鬼ごっこに参加している者に見つかったときは、割引券をあげる。だけど、『亜由美の会』のメンバーに見つかったときは、これで浣腸だよ」

「そんなー」

「あらかじめ、配っておくからさ。一本、百ミリリットル。楽なものだろ? 三千は軽く入るんだからさ」

計算ではそうだが、実際には違う。苦しみは百ミリリットルの浣腸液でも十分に苦しいのである。それが三十本も入ったら、とても街中を歩くことなどできないはずだ。

「見つからなければいいんだよ」

最後に足の部分。膝まであるブーツ状なのだが、靴底の部分がなかった。

「そうだよ。おサルは裸足だからさ」

それをヒモで膝のあたりに縛り付けていく。

裸足にすることで、逃げにくくしようというのか。

「さ、行くぞ」

部室を出たところで、足がすくむ。午後の日差しはまぶしい。柔らかな初夏の風。誰もが楽しそうに行き交っている。

「ほら、笑って!」

剛介が乳房を平手で叩いた。

「うっ」

「ちゃんと歩けよ。胸を張ってさ。コスプレアイドル、アユザルなんだからね」

アスファルトの上を歩き、商店街へ行くと、そこは祭りのムードに染まっていた。

夏を思わせる日差し。恥ずかしいほど照らされて、亜由美は足がすくむ。

激しいサンバが流れ、街灯も花で飾られ、店舗には「セール」の横断幕。歩行者天国になっており、子どもからお年寄りまで、人が埋め尽くしていた。

薬局の長崎、肉屋の二見が出迎える。

「いいねえ、亜由美ちゃん。すごいよ」

「ほら、自己紹介しろよ」

剛介に尻を叩かれる。

「コスプレ好きの女子大生、アユザルです。よろしくお願いします」

「アユザルか。いいねえ」

犯した記憶が蘇るのだろう。二人はいやらしい笑いを浮かべる。

「テープカットに参加して、そのあとパレードがある。ブラスバンドのあとに続いて、往復するんだ」

その間、会員だけではなく、たくさんの人たちに写真を撮られた。あくまでも、コスプレ好きの女子大生として参加しているのだが、ほかに誰もコスプレをしていない。それに、申年でもないのに、なぜサルなのかの説明がまったくない。

乳房が剥き出しになっていることもすぐにバレて、子どもたちがはしゃいでいる。

「あのお姉ちゃん、オッパイ丸出し!」

だが、先端に花飾りがついているため、なんとかコスチュームに見えなくもなかった。

「尻尾だ、尻尾だ」

子どもたちは、長い尻尾を触ろうとする。引っ張られると、アナルがめくれあがるのだが、そこまでは、ギリギリ見えない。

亜由美はお尻をギュッと締めて、耐えるしかない。

「ほらほら、笑顔だよ」

剛介に言われて、亜由美は笑顔をつくり、必死に「アユザル」を演じた。アスファルトを歩く間は、裸足であることはそれほど問題ではなかった。

乳房をマーカーで塗った一方、顔にはほとんど装飾がなく、女子大生の素顔のままだ。そのアンバランスなナマナマしさが、人々を驚かせる。

ただ、亜由美が笑顔なので、すべては仕組まれた冗談なのだ、彼女は承知でやっているのだとわかるからか、安堵する。

ブラスバンドは大学の学生たちによるもので、女子たちが露骨にイヤな顔をして亜由美をにらみつける。

「では、テープカットをお願いしましょう。商店会のみなさん集まってください。アユザルちゃんも参加して」

テープの前に亜由美を犯した商店街の重鎮たちが並び、その端に亜由美も立たされる。

テープカットが終わると、空砲の花火が鳴り、ブラスバンドが演奏を開始し、そのまま商店会の理事たちと亜由美も歩かされる。

アユザルは先頭に出される。笑顔で手を振らされる。

おやじたちは、すぐ横にいて、無遠慮に亜由美の体を触るが、亜由美は笑顔を絶やさないように努めるしかない。

そのうち、誰かが尻尾を持って、ゆさぶりはじめた。抜けることはないが、直接、腸をえぐられるような感触に体がすくみそうになる。

「ほら、手を振って」

言われるままに、手を振り、笑顔で歩くのだが、お尻に刺さった尻尾がぐいっと動くと、バルーンが膀胱、子宮、膣を内側から押し上げる。

性器を体の中から激しく刺激されるような感触に、亜由美はしだいに頬を赤くしながら感じはじめる。

「お、ほっぺたが赤くなって、ますますメスザルになってきたぞ」

オヤジたちはリズミカルに尻尾をゆさぶりながら、行進を続けるのだった。

逃走中

商店街を往復、歩かされ、亜由美の股間には、あふれ出た淫液が伝っていた。素足が陽光に反射するほどで、剛介や会員たちにははっきりわかった。

「アユザル、感じてますね」

「イっちゃうんじゃないですか」

そんなことを言いながら撮影も怠らない。

商店街は夜八時まで歩行者天国となっていた。

パレードが終わり、吹奏楽も解散すると、薬局の長崎がマイクを取った。

「みなさま、今日は商店街においでいただき、ありがとうございます。今日は年に一回の春の感謝祭ですので、どのお店もお得な商品の目白押しです。そして、さらに特別のクーポンを差し上げます。ただ差し上げるのではありませんよ。これから、ここにいるコスプレ女子大生・アユザルちゃんを商店街に解き放ちます」

少数ながら笑い声が起こる。

長崎はクーポンの入ったナップザックを亜由美にたすき掛けにかける。

「じゃあ、さっそく行ってもらいましょう。がんばってね、アユザル」

合図されて、亜由美は人垣から逃れるように商店街を歩いていく。

背後で長崎の声が響く。

「あの、かわいらしいアユザルちゃんを捕まえた方には、クーポン券を差し上げます。びっくり価格や豪華な特典がつきますので、ぜひ、アユザルちゃんを捕まえてください。見つけたら、『クーポンくれ』と言ってもらってください。クーポンはいっぱいありますから、慌てることはありませんが、なくなりしだい終了です」

亜由美は走ろうと思うのだが、股間の異物のせいで、スピードが出せない。

そもそも商店街の全容をそれほど詳しくは知らないから、逃げ場所がわからない。

「見つけた! クーポンくれ!」

少年たちに囲まれて、亜由美はクーポンを配った。

そこに剛介もいた。

「アユザル! 気前よくクーポンをくれてやれよ。だけど、罰ゲームもあるんだぜ。言うのを忘れていたけどさ」

「罰ゲーム?」

「ほらほら、笑顔だよ、笑顔。一つは、笑顔じゃない顔で写メ撮られたら罰ゲームがあるよ。もう一つ、クーポンを全部取られても罰ゲームがあるからね」

「だって、全部、配れって」

「ちゃんと逃げないとゲームにならないじゃん」

そうでなくても、会員に見つかれば浣腸なのだ。

「ほらほら、笑顔だよ、笑顔」

亜由美は笑顔を作って、その場からまた走る。

「見つけた!」

誰かが叫んでいる。

「あっちにいるわよ」

おばさんの声もする。

隠れることができないので、クーポンをあげている間に、ほかの人たちにも見つかってしまう。

たちまち十人ぐらいのおばさんに囲まれて、笑顔で配っていく。

そして素早く移動。

「痛い!」

見れば、歩道に金色の小さな金属が散らばっていた。誰かが画鋲を撒いたのだ。

足の裏に刺さった画鋲を抜いていると、「ほらほら、アユザルちゃん、みっけ」

会員が四人。浣腸液の入ったシリンジを手にしている。その中にはキモ男も混ざっていた。

どうやら、カラオケ同好会も会員になったらしかった。

彼らの手に画鋲の入ったケースがあるのを亜由美は見た。

わざわざ裸足にしたのには理由があったのだ。

会員たちは画鋲と浣腸液を手にしている。彼らが亜由美を見つけて画鋲を撒くことで、亜由美の逃げ道は限定されてしまう。

「一本目、入れちゃうよ!」

「そんなー」

「あ、泣き顔だ。写メ撮っちゃうぞ」

「ええ!」

笑顔で浣腸を受けろというのである。

彼らは尻尾から出ているチューブにシリンジを装着すると、いっきに百ミリリットルの液体を注ぎ込んだ。

「ひー」

半泣きの顔で亜由美は耐える。

「ほーら、もう罰ゲーム決まり!」

「次、次!」

二本目、三本目が注入されたところで、「クーポンちょうだい」とおばさんたちに捕まった。

亜由美は浣腸されながら、笑顔でクーポンを配っていった。身動きができないので、次から次へと人々がやってきてしまう。

「ほら、終わったぜ」

四本の注入が終わると、亜由美はまた必死で走る。どこかの路地に入って一息つかないといけないと思うのだが、どこも人目だらけだった。

人目のない路地で会員たちに捕まったら、なにをされるかわかったものではない。浣腸だけで彼らが満足するはずはないのだ。

生理中で体調が万全ではない。頭痛も腰痛もある。出血もしている。

クーポンは、商店街の端にある車両通行止めのバリケードに到達する前にすっかり奪われてしまった。一枚も残らなかった。

その間に、さらに六人に浣腸されて、合計九百ミリリットルの薬液が腹部に染み込んでいた。

「はー、はー、はー」

路地に逃げ込み、呼吸を整える。

下腹部がキリキリと痛い。しゃがんでしまう。

この上、どんな罰ゲームがあるというのだろう。

十五分ほど、そこに隠れていたが、運よく発見されなかった。

発見されるまでそこにいるつもりでいた。

「そこにいるのはわかってるよ、亜由美たーん」

キモ男会員が、亜由美を見つけた。

「出て来いよ」

出るしかない。

ゆっくり立ち上がる。浣腸液が、広がったお尻の穴からずずっと漏れていく感じがあった。

「さーて、残りの浣腸を全部、入れてもらおうかな」

路地を出ると、そこに十人以上の会員が待っていた。携帯を構えているので、笑顔を作らなくてはならない。

「あっ、痛い!」

「ははは」

路地を出たところにこれまで撒いた画鋲が集められていたのだ。

半径一メートルほどの画鋲地帯ができていた。そこを会員たちが囲んでいる。

「ほらほら、尻尾をこっちに向けろよ」

路地に戻ろうとしたが、会員たちが箒で画鋲をそっちにも広げていた。身動きが取れない。

何個もの画鋲が足の裏に突き刺さっていた。

「笑顔は?」

こんな状況で笑顔など出せるはずがない。

そこに警官がやってきた。

「おいおい、なにしてるの」

助けてくれるだろうか。

「あー、コスプレ好きの女子大生ね。まあ、そのカッコならギリギリOKだな。ま、やり過ぎないようにね。風邪ひくなよー」

明るくそう言って、白い自転車で走り去ってしまった。

救いはないのだ。

「亜由美に、たっぷり、お浣腸してください」

そう言うと画鋲の中に踏み込み、激痛に耐えながら尻尾を会員たちへ突きだした。

合計で三十本のシリンジがあった。その残りの二十一本が次々と注入されていった。

明らかに腹部が膨らんでいく。大きく波打ち、くねっている。

苦痛にもだえながら、半裸の亜由美が真昼の商店街の真ん中で、堂々と浣腸責めにあっているのだ。

その光景が、卑猥でないわけがない。公然猥褻に違いないはずなのに、体を覆っているサルのコスチュームによって、ごまかされているのだ。

もっとも、警官は実態を知っていて、わざと見逃しているのかもしれなかったが……。

「ここにいたのか。探したぞ」

長崎ら、商店街組合の理事たちがやってきた。

「おいおい、画鋲はちゃんと片付けておいてくれよ」

「はい、わかってます」

会員たちは率先して、画鋲を箒とちりとりで掃き集めた。亜由美の足の裏からも回収する。両足に十個以上、刺さっていた。

「亜由美ちゃん、クーポン、全部、取られたんだって? ダメだなあ。こりゃ、罰ゲームだね」

おやじたちがうれしそうに笑っている。

「こっちに来て」

足から血を流しながら、小さな公園まで連れ戻される。

その間も、商店街を練り歩いているようなもので、「アユザルちゃーん」と客から声がかかると、亜由美は必死に笑顔を作るのだった。

狭い公園だったが、屋台が並び、焼きそばやたこ焼きなどの香りが漂っていた。

日がだいぶ傾いてきて、商店街はさらに混雑を増していた。公園も賑わっていた。

「漏れちゃう……」

亜由美はつい、そう口にしていた。

「そりゃそうだ。おれんちの浣腸液は強烈だからな」

長崎がうそぶく。

「罰ゲームその一。あれだよ」

屋台のはずれに、粗末なベニアの板でできた箱のようなものがあった。ペンキで「ゴムパッチン」とだけ書いてあった。

箱には、三つだけ穴があいていて、亜由美にもその意図がすぐにわかった。

「ま、なにがあっても、やってもらうつもりだったけどね」

罰ゲームは、亜由美がどれだけ努力しても、必ず実施されることになっていたのだ。

亜由美は箱の後ろから中に入る。拘束具はない。穴のあいた丸イスが置かれ、その下にバケツがあった。

「出してもいいんだよ」

助かった、と思う。しかし、そんな甘いはずがない、とも思う。

背後で箱の裏側が閉じられる。

真っ暗というわけではなく、胸元に二つの穴があり、股間の近くにもあった。

裸にされたわけではないから、亜由美は少しばかり落ち着いていた。

問題は便意だ。

激しい苦痛に身をよじるしかないのだが、体内のバルーンから空気を抜いてくれなければ、完全な排泄はできない。

いまは、しょぼしょぼと、隙間から排泄物の混ざった薬液が、にじみ出しているだけである。

「どうだ、出したいか?」

剛介の声だ。

「はい」

「ここは、顔は見えないから泣いてもわめいても大丈夫だぞ」

「つらいんです」

「もう少し耐えるんだな。がんばったら、バルーンを抜いてやるよ」

「お願いします」

全身から脂汗が流れている。

「じゃあ、乳首にこれを引っかけるんだ」

二つの穴から、剛介の手が入り、輪になった太いゴムヒモを突きだしている。

亜由美はそれを安全ピンが突き刺さっている乳首にかけた。花飾りに引っかかる。

「両側ともやったか?」

「はい」

「つぎは、こっちだ。わかるよな」

震えながら、亜由美は股間付近の穴から入れられたゴムをもう一つの突起、クリットの花飾りに引っかける。

「あぅぅ」

それだけでも強い痛みがやってくる。

まさかとは思うが、きっとそうなのだ、と亜由美は覚悟するしかなかった。

いまからされることを知って、さらに汗が滲み、股間にだらだらと汁があふれてしまう。

屋台村の一角にあるゲームコーナー。そこに、「ゴムパッチン」と描かれた粗末なベニアの木箱。三つの穴から、ゴムヒモがだらりと垂れ下がっている。

「うまく悲鳴があがれば、景品をあげるよ!」

そんな声がしている。会員たちの声だ。

少年たちがやってきているようだ。

「やりたい!」

右の乳首にかかったゴムがぐいっと乱暴に引っ張られる。

もうそこで悲鳴をあげたいぐらいだった。ゴムは花飾りごと貫通している安全ピンをぐいぐいと引っ張るため、乳首が奇妙な形に伸ばされていく。

そして客となった彼らがゴムヒモを離す。

バシッと激しい音がしたものの、ゴムヒモは穴の縁に当たってしまい、亜由美は引っ張られる苦痛だけで済んだ。

「残念だねえ」

次は股間のゴム。

「あうっ」

あまりにもひどい。

亜由美はそう思う。クリトリスという敏感な部分に安全ピンを突き立てただけではなく、ゴムヒモで引っ張るのだ。

強い力でゴムヒモが伸びていく。

「あああ」

肉芽が引き延ばされていく。その下の部分までもすっかり布の小さな穴から飛び出してきている。

身をよじりながら、来るかもしれない激痛に耐える。

ビュッ。

ゴムが弾け、まともに股間に当たった。

「ぐぇぇ!」

花飾りがあったおかげで、まだしも威力は削がれたのだが、拳で殴られたような衝撃だった。

「当たり!」

こんなことを長く続けられるはずがない。亜由美はそう思うのだが、ゴムは次々と引かれていく。

最初は穴の縁に当たってしまうことが多かったし、ゴムが穴を抜けてきても花飾りにぶつかって、多少は衝撃が弱くなった。

だが、徐々にコツを覚えたのか、ゴムが柔らかな肉に突き刺さる回数が増えてくると、安物のプラスチックの花飾りそのものが壊れていった。

「ぎゃあ」

その声に、無邪気に大笑いしている客たち。

引っ張られる痛みを和らげるためには、体をゴムに合わせて突き出すしかない。

ところが突き出すと、命中率が格段に上がる。

「オッパイだ!」

無邪気な声がする。

穴からほとんど乳房が突き出ていた。

ビシッ、ビシッと鞭打ちと同じぐらい激しい苦痛が、亜由美の敏感な三か所を打ち据えていく。

とうとう三か所の花飾りはすっかり壊れて落ちてしまい、安全ピンを貫かれた秘部だけが赤く腫れ上がって、剥き出しになっていた。

そこをゴムヒモが正確に撃ち抜いてくる。

「あれ、声がしなくなったよ」

客が文句を言っている。

気絶しかかっており、それどころではなかったのだ。

浣腸の苦痛とゴムによる苦痛で、全身が腫れ上がったような感じがしていた。

「よーし、じゃあ、ここで終わり。もう日も暮れてきたから、終わりだよ」

「えー」

不満そうな声がしていた。

屋台のにぎやかな音は相変わらずで、そこに大勢の人たちがいるのだが、亜由美は、そんなことを気にしてはいられなかった。

「そこから手を出せよ」

胸を引っ込め、二つの穴から両手を出す。

ガチャリと手錠がかけられた。

「な、なに!」

くたくたになっていたが、恐怖が再びわき起こる。これで終わりではないのだ。

「罰ゲームはこれだけじゃないよ」

背後でガタッと音を立てて板が外された。

「丸見えだね」

箱から出ることはできない。首をねじって後ろを見ると、そこには大勢の人とカメラがあった。

外はすっかり暗くなっていたが、ビデオ用のライトと公園の照明が亜由美を照らし出している。

「みなさんお待ちかねだよ。アユザルの排泄ショー」

会員が呼び込みのように大きな声で言う。

「早くやれ!」

商店街の連中もニヤニヤしながらそこにいた。

屋台の並びからすると、その異様な箱の全面しか見えていない。その背後は、会員や商店街の男たちが人垣を作ってしまっている。

「さあ、よくがまんしたね。三リットル浣腸を、かれこれ一時間、がまんしました。拍手!」

男たちが「ヒュー、ヒュー」とからかい、拍手する。

「ひとこと!」

誰かが叫ぶ。

「そうだ、ひとこと、挨拶しろ!」

亜由美はなんとか振り向く。汗みどろの顔で、ふっくらとした唇を振るわせている。

「みなさん、アユザルの、みっともない排泄ショーをご覧ください」

剛介の姿を探すが、よくわからなかった。直感的に、ここにはいないような気がした。

「早くしろ!」

イスが取り除かれる。亜由美は箱の中で中腰のまま立たされている。

会員の一人が、亜由美の尻尾を持ち、その管から針金を入れていった。バルーンの空気の逆流を止めている弁を、それで押し開くのだ。

スーッと空気が抜けて、亜由美は腹部の圧力が減っていくのがわかった。

同時に、腸にたっぷり注ぎ込まれた浣腸による排泄の圧力が急速に増していった。もう限界を超えていた。

しぼんだバルーンが飛び出し、バケツに落ちた。会員が尻尾を手にして遠ざかる。

「ああああ」

なまめかしいあえぎ声が、喧噪にかき消されていく。

大きくなったアナルのせいか、かつてのような調整がほとんどできなくなっていた。

出始めると、止めることなどできず、ドドッと大量の薬液が噴き出した。それがバケツに当たる音が響く。

「すげえ」

薬液だけで三リットル。それに毎日、一食とはいえきちんと食事もしていたので、排泄物もそれなりにある。飲み込んだ精液もきっと含まれているだろう。

昨日からずっと溜めこんだ悪い思い出がすべて、いっきに排泄されていくような気が亜由美はしていた。

体が驚くほど軽くなっていく。

「みなさん、ご覧ください。メスザルのケツですよ!」

笑い声がしている。

「では、存分に、ご覧いただきましょう!」

まだ終わっていないのだった。

指サックが配られていた。

ライトで照らされた中、順番に大きく開いた亜由美のアナルを見て、そして指を入れてくるのである。

「でかい穴になっちゃって、かわいそうに」

「指三本ぐらい楽に入るな」

「いや、五本入るぜ」

「グリグリってひねってみたらどうかな」

男たちは、ぱっくりと開いて熟れた果実のようになっている亜由美をいじり回す。

会員が乳首のゴムヒモを引っ張って穴から出して画鋲で留めた。クリトリスからのゴムヒモも、引っ張り出して箱に画鋲で留めた。

三つの感覚器官を引き延ばされ、亜由美はもだえながら、男たちの指に蹂躙されていく。

そのうちに、体が軽くなったこともあるのだろう。これまでの苦痛が、甘い刺激へと変わっていった。

三か所を引っ張られ、お尻をいじられ、亜由美は本気でもだえはじめた。

「あぅぅぅ、亜由美、おかしくなるぅ」

男たちがはしゃいでいる。

誰かが尻を平手で叩いた。

「そんな言葉、どこで覚えたんだよ」

「違うんです。ホントに。ホントに……」

演技ではなかった。自分の中で弾けたなにかが、そう言わせるのだ。そうした言葉を発することで、さらに感覚が全身にまんべんなく行き渡るのだ。

「亜由美の、いやらしいお尻の穴を、みなさんでいじってください……」

兄の友人としての剛介と出会った頃に芽生えた妄想が、いま現実になっていた。

剛介に見ていてほしかった。危うく剛介の名を叫びそうになったが、それだけはこらえた。

「いくぅぅぅ」

その若い肌が震える。

布で隠され、巨大なタンポンを入れていた膣から、ビュッと血の混じった液が噴き出す。小水もあふれ出る。

「ホントにイキやがったぜ」

「ははは、ケツ穴いじられてイキやがったか、このメスザル」

「もっと狂わせてやれ」

男たちの指の動きがさらに激しくなった。

そこにバケツの中身を捨てて来た会員が、そのバケツに大量の水とシリンジを持って戻って来た。

「水遊びはいかがですか」

「いいねえ」

昼間に使われたシリンジを再利用しているらしかった。

水をバケツから吸い上げては、亜由美に注入する。抑制のきかなくなっている亜由美は、すぐに排泄してしまう。

「お尻をきれいに洗ってやるよ」

指での攻撃と水の攻撃が、延々と続く。

その中で、亜由美は溺れた。何度も何度も連続して絶頂を感じた。

自分の中で弾けた何か。それは本当の自分なのだ、と気づいた。

もう家族と顔を合わせることもない。なにもかも失った。残されたのは裸の自分自身だけなのだ。信じられるものは、快楽だけなのだ。

亜由美は腰を振り、男たちに嬲られ続けた。

打ち上げ

商店街組合の会館の二階。

亜由美は全裸にされて、横たわっていた。水分とお菓子など甘いものを補給されていた。

夜も更け、祭りは終わった。

だが、亜由美の長い夜はまだ終わらない。

ゲーム制作を建て前とした、二十四時間、性奴隷としての務めは、終わりがないのだ。

大量の縄を用意して剛介がそこに待っていた。使い込まれた縄ばかりだ。これまでどんな女を苦しめたのだろう。

「派手にイキまくったらしいね」

「はい」

「どこかネジが飛んじゃったんじゃないの?」

「大丈夫です」

大丈夫なわけがなかった。足の裏にできた画鋲による傷を、消毒と絆創膏で手当をした。

乳首とクリトリスは、安全ピンを抜き取られていたが、赤黒く腫れ上がっていた。

腰が抜けるまでお尻をいじられて、イキまくった。それは事実だった。いまの亜由美には、そこにしか逃げ場はないからだ。イクか失神するか。

刹那的な逃げ場にすぎない。それが来ることを待ち望み、苦痛や恥辱に耐えるのだ。

亜由美と剛介の二人だけだった。カメラもない。会員もいない。商店街の理事たちは、後始末と打ち上げの支度にとりかかっているのだろう。外で声はしているが、まだ二階まで上がってこない。

亜由美は剛介をじっと見つめた。剛介は縄を丁寧に並べていた。

「剛介様」

「ん?」

「楽しそうですね」

「もちろんだよ。亜由美だって楽しいだろ?」

すぐに言葉が出なかった。

「ま、いまは生理中だからね。情緒不安定になりやすいからさ。あまり深く考えるんじゃないよ」

「私、どうなっちゃうんでしょう……」

「バカだな。そんなこと、考えなくていいんだよ。このゲームの動画をすべて撮り終えたら一段落だから、その時に考えればいいさ。けっこうお金が入ってきてるんだぜ」

ガヤガヤと階下が騒がしくなった。

「おーい、手伝ってくれ!」

剛介と全裸に首輪だけの亜由美も階段を降りていく。

そのとき、剛介が自然に亜由美の手を取った。背後で亜由美は手を握られて、どきどきした。久しぶりに剛介とつながった。

もう汚れきった自分を抱いてくれはしないだろう。それでもいい。剛介の近くにいることができれば。

ぎゅっと思わず握り返していた。

「これを上に運ぶんだ」

食事の材料らしい魚介類や肉などが並ぶラップをかけられた皿。そのほかにポリエチレンのポール台が六個。店頭に飾る「のぼり」を立てるときに使う、水を入れる重石である。そのほかガーデニングに使う砂が十袋もあった。

会員たちも来ていたので、みんなで手分けして二階へ運び上げる。

「おまえは、これに砂をいっぱいに入れておいて」

剛介に言われ、亜由美は二階の小さな流し台で、十キロ入りの袋から砂をポール台に入れていった。

かなりの量が入るようで、二袋が入ってしまった。そうなると、亜由美の腕では持ち上がらない。会員たちが手伝ってくれる。

こうした道具は、きっとよくないことのために使われるのだと、亜由美はわかっていたが、淡々と作業した。

ほどなく二階もにぎやかになった。

集まったのは、カメラを担当する会員三人と、商店街の面々だ。薬局の長崎、精肉店の二見、スーパーの向山、洋服店の三井、レストランの泉、洋品店の遠山と、以前に亜由美を犯した顔が揃っていた。

低いテーブルが壁側に押しつけるように並べられ、そこに食べ物や飲み物が並んだ。鍋の用意もされている。ビール、日本酒、焼酎の瓶。

亜由美は正座をして、中央にいた。

その横に長崎が立ち「今日はみなさん、お疲れ様でした。おかげさまで例年より盛り上がりました。これもコスプレ女子大生、亜由美さんの功績が大きいですなあ」と言って、大笑いをした。

ほかの者たちも手を打ってふざける。

「とりあえず、乾杯しましょう。寿司がありますので、軽く腹ごなしをして、それからすばらしいショーがありますから、ゆっくり楽しむことにしましょう」

そのショーは、また自分の体をさいなむのだろう、と亜由美は想像した。

にぎり寿司の折り詰めが配られ、ビールのグラスが全員に行き渡る。亜由美も受け取る。

「かんぱーい」

亜由美は度胸を決めて、ビールを飲み干した。アルコールが入ることで、少し気が楽になった。にぎり寿司も食べる。通常、一日一食だったが、今日は半日外にいたこともあって食べ物はありがたかった。

しばらくオヤジたちはビールを飲みながら歓談していたが、「じゃあ、そろそろ」と長崎が剛介に合図した。

「では、はじめさせていただきます」

剛介はやや緊張しているのではないか。亜由美はそう感じた。

これまで何人もの女を縛ってきたはずだ。亜由美を縛ってもきた。ただ、このような席でははじめてだろう。

シュッと音を立てて、縄をしごいた。

亜由美の手首を取ると、背中で両手を縛る。その縄は、乳房を持ち上げるように胸にまわり、二の腕に食い込み、さらに乳房の上をはさむように横断する。

無言だが、きびきびと剛介が縄をさばく。

剛介の指先が肌に触れるたびに、亜由美にビリッと電気が流れた。

縄は首にもかかり、上半身がすっかり縛りあげられた。

剛介が持ち上げるようにして、亜由美を立たせた。

腰に縄を巻きつける。そこから腿、膝、足首と縛りあげていく。

立っているのがやっとで、ぎっちりと全身を縄で縛りあげられた。

「ほう」

オヤジたちが拍手する。

どうやら、剛介は亜由美をさまざまなポーズで縛って見せるつもりらしかった。

足の縄を解き、右足首だけに縄をかけると、そのまま持ち上げていく。縄が亜由美の肩にかかっている。片足立ちになって、巨大タンポンの入った股間を突き出す。

グラスを手にしたオヤジたちが、すぐ間近にやってきて、食い入るように亜由美の体を眺める。

「クリが飛び出しちゃってるよ」

「あんなに大きかったか?」

「とんでもなくいやらしいな」

「コスプレもいいが、裸が一番だな」

そんなことを言いながら、彼らは気分を盛り上げているようだった。

亜由美はしゃがませられる。足首の縄は、ポール台に結びつけられた。そして別の縄で左足首に縄がかかり、剛介はそれを徐々に引っ張っていく。

「ほほう、ご開帳ですね」

「ぱっくりと、スケベなまんこですな」

「お汁が出ているようですよ」

「あきれちゃいますね」

柔らかな亜由美ならではの百八十度の開脚で、ぺったりと股間を畳につける。

オヤジたちが拍手している。

ポール台に結ばれた縄が解かれ、剛介は亜由美をうつ伏せにし、両足を縛って背中へ反らせていく。肩と胸に縄を新たにかけて、逆エビにする。

「あっ、はぁ」

さすがに亜由美は苦悶の表情を浮かべた。

「おお、いい顔してますよ。笑顔もいいけど、その苦しそうな顔がたまらんですね」

「そうそう、もっといじめたくなりますよね」

剛介は、いったん、すべての縄を解いた。

「以上でウォーミングアップは終了です。どうです。亜由美はかなり柔らかいでしょう。ぼくも何人か縛ってきましたが、正直、これだけ縄の似合う肌ははじめてです。そこで、これから簡単に、主な縛りを実演していきましょう」

高手小手縛り。それを解くと、次は合掌縛り。背後で手を合わせた形で絞りあげるように縛るので、柔軟でなければ難しい。

「なかなかきれいなものだな」

「縛りって、海外でもKinbakuとかShibariという言葉は通用することもあるんです」と剛介。

ひとしきり見せて撮影を終えると、縄をほどく。

亀甲縛りをしていく。

「なるほど、似合うな。いやらしい体だ」

「ギュッと食い込んでいるところがいいですな」

オヤジたちは楽しんでいた。

縄をまとって座敷を練り歩かされる。

亜由美は汗をかいていた。縄が肌に食い込んでくるが、そのすべてが剛介自身の手ように感じる。体を動かせば、縄も食い込む。全身を締め付けられる感触に、ビールの軽い酔いが手伝って陶然となっていく。

このまま倒れてしまってもいい……。

セックスで得られるのとは少し違う快感に浸っていた。

再び中央に戻ると、縄と解き、乳房を絞りあげるように縛りあげる。

肘から先をやや細い縄で編み上げるように縛る。手首の先に長い縄尻が残る。

腿の付け根から、編み上げるように足をきれいに片方ずつ縛りあげ、足首から縄尻を垂らす。

いまのところ手足は自由だが、どちらも縄が衣装のようにからみついていた。

「では、第二部にいきましょうか」

剛介が宣言する。

会員たちも手を貸して、座敷の中央に低いテーブルを運んできた。

「仰向けに寝るんだ」

甘く朦朧とした感覚。催眠術にかけられ、これから胴体を真っ二つにされるマジックに登場する美女のように、亜由美は黙ってテーブルにのり、横たわった。

砂の入ったポール台が足の方に二個、両肩からかなり離れたところに左右に二個ずつ置かれた。

剛介は手から伸びている縄をポール台に縛り付けながら、その位置を決めていく。

両手が左右に伸びきったかっこうになった。

「あんなもんで大丈夫か」とオヤジたちが話している。

「あれは水をいっぱい入れれば十キロぐらいだが、砂だからな。二十キロあるぞ」

亜由美が流し台で砂を入れたとき、両手でも持ち上げることができなかったのだ。

磔にされる、と亜由美は感じていたが、まだ剛介に縛られる気持ちよさに浸っていた。抵抗をしてもムダだと観念したとき、不思議な安らぎがあった。

足首の縄尻を取って、持ち上げ、引き絞り、両手と同じ方向にある別のポール台に縛り付ける。

自分は人間ではなく、物なのだ、オブジェなのだと亜由美は感じた。

亜由美はテーブルの上で、海老のように体を曲げていた。すらりとした足は縄に彩られ、八の字にピンと伸びきっている。腹部が圧迫される。

無防備なお尻を天井に向けている。頭はテーブルの端にある。伸びきった手と足が、その左右に伸びている。

腰に縄を巻き、乳房を縛っている縄の背中側にも縄を通して、その縄の先を足元側にあった残りの二つのポール台に結びつけた。

亜由美が多少、暴れても、体は三方向に引っ張られているため、大して動くことはできない。テーブルもひっくり返ることはない。

ある会員が手にしているのは、金属の輪だった。

「これ、レストランの泉さんのアイデアです。なんて言いましたっけか?」

「セルクルです。料理の型ですよ」

直径五センチほどの薄いステンレス製だった。

「準備ができたようですね」

長崎が立ち上がり、「泉さんのアイデアに、二見さんと向山さんが協力して、珍しい鍋をすることにしました」と言う。

「今日はこのアユザルのコスプレ衣装に、三井さんと遠山さんが尽力してくれました。商店街の結束はみごとなものです」

拍手が起こる。

鍋料理に、肉屋ともともと八百屋だったスーパーが材料を提供し、レストランが料理にしていく。サルのコスチューム作りは、洋服屋と洋品店が協力した、ということだ。

寄ってたかって亜由美の責め道具を用意したのである。

新しい酒があけられ、亜由美の背中側に置かれたコンロに火がついた。大きな鍋には、牛肉、タマネギ、豆もやし、豆腐、ネギ、春菊などが盛られている。唐辛子とニンニクの香りが部屋に広がっていく。

「ちょっとお待ちください」

泉が階下へ行き、しばらくすると発泡スチロールを持ってきた。

「最近は韓流ブームですからね。ナクチジョンゴルをやってみましょう」

「なんですか、それは」

「鍋ですが、主役はこれです。産直で今朝、届いたんです」

発泡スチロールの蓋をあけると、ビニールの容器に大量のぐにゃぐにゃと動く灰色の物体がうごめいていた。

「手長タコです。こいつを踊り食いするのがサンナクチ。サンはナマってことで、この手長タコをナクチって言うんだそうですよ。二箱あるんで、まずは踊り食いはいかがですかね」

「いいねえ」

「すぐ用意しますからね」

泉に促され、剛介は肉屋が用意した白いラードを指にとると、亜由美のアナルに塗り込む。

さきほどまで、公園で水を注入されながら大勢の男たちの指になぶられたアナルは、すぐにほどけて腸壁を剥き出しにしながら盛り上がる。

やがて剛介は両手を使って指先で肛門をさまざまな方向に広げていく。ぐいっと、力を入れて広げる。

あきらめきっている亜由美は、力を抜いて協力した。剛介のすることを、どんなことでも受け入れるつもりなのだ。

剛介はそれを感じて、口元を歪め密かに喜んだ。

とうとうここまで来た。

何年も前に出会ったときから、こうなる運命だったのだ。引っ越しによって引き裂かれたかと思われたが、運命の力はもっと強いものだった。

亜由美は自ら剛介のいる大学を目指してやってきて、この体をさらけ出している。

そう思うと、あらためて興奮しないわけにはいかなかった。

ほぐれたアナルは、ついこの間までは想像もつかなかったほど大きく広がっていた。何十人もの男たちにアナル輪姦をされ続けてきたのだ。

五センチのセルクルを手にすると、押さえつけるようにその金属の輪を、アナルに埋め込んでいった。長さは四センチほどで、奥に入り込んでしまうとあとあと面倒なことになりそうだった。

「そこでキープするんだぞ」

剛介は、亜由美の耳元で残酷に囁いた。

ビクビクと反応するアナルを亜由美自身が耐えて、大きく開いたままにしておかなくてはならない。

「本当は両穴を使いたかったけど、前がダメらしいから、しょうがないですね」

泉がそんなことを言いながら、開ききった亜由美のアナルに赤い液体を注いでいく。

「なんですか?」

「チョコチュジャンですよ。コチュジャンに味噌、ゴマ油、砂糖、ニンニクとか入れたものでね、これをつけて食べてみてください」

泉の説明が終わる間もなく、亜由美が「うぎゃー」と叫んだ。

昼間から浣腸、そして男たちの指や水で責められたアナルに、唐辛子をベースにしたコチュジャンが入ったのである。

「ほら、ケツ穴に力を入れちゃだめだぞ」

剛介が囁く。

お尻に力を入れないようにしながら、焼けるような痛みに耐えろというのである。

「お尻が熱いです。焼けるようです」と亜由美がうわごとのように言うが、誰も耳を貸さない。

「じゃ、さっそく」

オヤジたちは生きたタコを取って、亜由美の中に入れた。

「あ、切ってから入れるんですよ」と泉が慌てている。

「そうか、そうだろうとは思ったんだけど」

小ぶりな手長タコとはいえ、アナルには入りきらない。小さな吸盤で抵抗するタコを、亜由美の尻の上で泉がハサミで切っていく。タコは逃げようとして腸内に入り込む。

「なかなかの見物ですね」

亜由美が泣き叫んでも、誰も振り向きもしない。

箸でタコを持ち上げると、吸盤で亜由美の腸にしがみつこうとするタコだったが、タレや粘液のせいで、おもったよりもすんなり離れる。

「おもしろいですね」

自分のお尻が食卓になっている。

「ほう、うまいですよ」

徐々に落ち着きを取りもどした男たちは、次々と切られていくタコを箸に取り、亜由美の中に入れるとタレをたっぷりつけるために、直腸の中でさんざんタコを暴れさせたあとようやく取り出して口に持っていく。

「あふぅ」

ただお尻を嬲られるだけではない。生き物が中に入り込み、刺激的なタレにからまって暴れるのである。

「ぐふぅぅ」

亜由美は快楽のような痛みのような、わけのわからぬ感触に下半身が痺れていった。

生食が一段落し、ようやく鍋だ。

男たちの酒宴が勢いづいていく中で、亜由美はようやく拘束を解かれた。

だが、剛介は余裕を与えず、両手を背中で拘束し直した。

座敷の隅で、会員によってアナルを洗われる。なされるがままだ。

当然のようにタンポンが取り出されて、スポンジタンポンを詰め込まれる。

これからなにをされるのか、亜由美にもわかりきっていた。

「さて、これからはアユザルが、みなさまのところへうかがいますので、よろしくお願いいたします」

オヤジたちは全員、ズボンも下着もおろしていた。そのまま座敷で飲み食いをしている。

剛介に後ろ手から伸びた縄をつかまれ、車座の中へ亜由美は引き立てられる。

酔っ払って、世間話を大声でしているオヤジたち。その股間に亜由美は自ら顔を埋めていく。

「それでさ、あいつがこう言うからね」

酔っていることもあるのだろうが、やや感覚の麻痺している男たちは、亜由美の懸命の努力でようやく固くなっていった。

そして、亜由美は自分からその太くなった男根を、体に入れていくのである。

昨日のキモ男たちに比べれば六人のオヤジたちは、亜由美にとって恐怖の対象ではなかった。

ただ、その鈍さゆえに、あさましい努力を精一杯しなければならない。それが屈辱だった。

まるで亜由美自身が男たちの肉棒が欲しくてしょうがないかのようだ。

一人がようやく放出したあと、亜由美は「ちがう」と感じた。

そうではない。自分はこの肉棒が欲しくてしょうがない、サカリのついたメスザルなのだ、と。

縄を持つ剛介を見上げると、知らないふりをしているが、その顔はどう見ても笑っている。喜んでいるのだ。

二人目にいくとき、亜由美は「欲しい」と心でつぶやいた。もっと欲しい。たくさん欲しい。なにをされてもいい。され続けたい。体が壊れるまで、ぶち込み続けてほしい。

やがて、それはうわごとのように、口から漏れ出していく。

「お願いです。亜由美に太い肉棒をください。しゃぶらせてください。犯してください。いっぱいください」

オヤジたちの笑い声を聞きながら、亜由美は夢中になって体を沈めていくのだった。

第二部 おわり

第三部の予告

ゲームの仕上げは合宿。「メス豚矯正所 輪姦十番勝負」と称して、さまざまなスポーツにかこつけた責め苦を負わせる。

亜由美に興味を持っているのは、剛介やゲー研だけではなかった。末土教授は亜由美に接近してくる。彼は壮絶な拷問実験を行なう。そして、ついにゲームのシナリオの最終段階。結末がやってくる……。亜由美シリーズ本編の完結作。

奥付

お読みいただきありがとうございました。

初出・二〇一一年一〇月~ブログ連載

刊行・二〇一二年三月一七日刊行

改訂・二〇一四年二月刊行(本書)

著作権 あんぷらぐど

荒縄工房の情報は下記サイトへ

ブログ「荒縄工房」

ホームページ

荒縄工房 SM研究室

荒縄工房 淫美

エロな気持ちの日々

コメント、メッセージ歓迎。みなさまからのご意見、ご感想、ご提案など随時、ブログで受付中。

小説『亜由美』第二部 亜由美シリーズ 第5部 (5/5)
前の話