女教師と母 背徳の構図 第二章 女教師・屈服の構図 ~ 第九章 女教師・強姦の構図 (1/4)
次の話
目次
プロローグ
第一章 女教師・挑発の構図
第二章 女教師・屈服の構図
第三章 女教師・調教の構図
第四章 実母・覗姦の構図
第五章 美少女・羞恥の構図
第六章 実母・相姦の構図
第七章 実母・耽溺の構図
第八章 美少女・邪淫の構図
第九章 女教師・強姦の構図
プロローグ
君津万里亜が教壇に立つと、急に教室のなかがシーンと静まりかえる。
万里亜が英智学院高等部に赴任した四月以来、どこの教室でも繰りかえされている光景だ。特別に二年A組に限ったことではない。理由は、万里亜が美しすぎるからだ。
この教室では、流暢に英語を操る万里亜の視線は、窓際に座る色白の美少年、矢田部智明に必要以上に向けられる。生徒たちは熱心に教科書に目を向けているので、それに気づく者はほとんどいない。智明と、一人の少女をのぞいては。
智明は、初めて万里亜がクラスの授業を受け持ったときから、その美しい瞳の色に特別なものを感じていた。あたたかくやさしい色。しかし、ただやさしいだけではない。
そのやさしさの奥にあるものが知りたい……。智明は時折り教科書から目を離して、こっそりとうかがうように万里亜を見る。すると、なぜかいつも万里亜と視線が合ってしまう。智明は胸の高鳴りを感じ、息苦しささえ覚えるのだ。
万里亜の授業が終わると、男子生徒たちの間にざわめきが走る。それは、束縛から解放された喜びというより、君津万里亜という美の象徴と別れなくてはならない失望、落胆の気持ちの表われである。
女子生徒の間でも万里亜は人気の的だ。誰もがその美しさと洗練された物腰やファッションに、憧憬の念を抱いている。
そんななかで、藤波梨加子だけは違っていた。梨加子は万里亜に対して嫉妬の感情を抱いているからだ。万里亜の視線が智明にいつも向けられることに、梨加子は最近になって気づいた。智明に対して淡い恋心を抱いていたからこそ、万里亜の普通ではない目の色に気づいたといってよい。
それが、なぜなのか……と考えるよりも、まず万里亜先生に嫉妬したところは、梨加子もまた、甘い初恋を夢見る平凡な二十一歳の少女であった。
第一章 女教師・挑発の構図
土曜日の放課後、智明は図書室で英文法の復習をしていた。視線は教科書に向けられていたが、頭のなかは君津万里亜のことでいっぱいだった。
あんなお姉さんがいたらいいのにな……。
一人っ子の智明は、幼い頃から姉妹がいないのが不満でならなかった。学生の高学年になると、とりわけ「姉がいたら」という強い思いを抱くようになった。
近所に住む同級生の姉が、智明にも実の姉のように接してくれるのがうれしくてならず、その気持ちはいつしか淡い初恋のような感情にまで発展していった。しかし、同級生の父親の転勤で、智明の初恋は朝陽の前の霧のように、はかなく消えてしまった。
やはり一人っ子だったという母の美里は、智明の淋しさをよく理解していただけに、やさしく、甘い母だった。しかし智明は、その甘さを、ときにはうっとうしく感じることがあった。母はあくまでも母であって、姉という存在にはほど遠かった。
智明は暗いとはいえないまでも、おとなしい少年として思春期を迎えた。そんなときに、まるで自分が理想の姉として思い描いていたような君津万里亜という女性が目の前に現われたのだ。智明の心は激しく揺れた。二十一歳の智明にとって、万里亜は、年齢が離れすぎていた。だがそれだけに、憧憬の念はつのった。
万里亜の自分に向けられる目が、ほかの生徒を見るときにはない色をしていることに気づいたのは、初めて万里亜が教壇に立った日だった。それ以来、智明はいつも目で万里亜と会話をするようになった。
今日の万里亜先生、すごく綺麗だ……。
そういう目で見ると、万里亜の目の色もまた活きいきして自分を見かえしているような気がした。
先生、ひどく悲しそうだよ……。
そんな目で訴えると、教壇の万里亜も、そうなのよ、とてもつらいことがいっぱいあるの……。
と目で答えているように思えた。
今日の先生の肌の色は、なんだかつやつやと輝いていたな……。
英語の教科書を閉じた智明は、頬づえをついて図書室の白い天井を見あげた。そこに万里亜の顔が浮かんだ。まだ見たこともない万里亜の裸身を想像すると、まるで条件反射のように若い肉茎が荒々しく屹立した。つられて生じた痛みは、むしろ心地よいものだった。
智明はトイレに立とうとした。勃起はとてもおとなしくおさまりそうもないので、自らの手で始末するつもりだった。
そのとき、いきなり肩に手が置かれた。
「感心ね、土曜日の放課後も勉強だなんて」
万里亜先生のやさしい声がした。背後に立った万里亜から、うっとりするような匂いが漂ってくる。智明は緊張した。
「さっき、矢田部君が図書室に入るのを見かけたの。もういないかなって思ったんだけど。ねえ、一緒に帰らない? いろいろお話したいことがあるの。ね、そうしましょうよ」
智明に不満などあるはずがなかった。智明は美しくくびれた万里亜の腰と、その下につづくラインの強調された豊かなヒップに目を奪われながら、図書室を出た。
外はもう春を通り越して、次の季節への新しい息吹きが感じられる。
いったい話って、なんのことだろう?……
校門を出て、学校の壁伝いにつづく並木道を歩きながら、智明の緊張はまだつづいていた。
「今日はね、私の二十六回目の誕生日なの」
いきなり前を歩いていた万里亜が振りかえった。それまで漠然と万里亜の後ろ姿を眺めていた智明は、顔を赤らめた。
「それは……あの、おめでとうございます」
ぎごちないおざなりの返事しかできない自分が情けない。
「女の二十六ってね、微妙な年齢なのよね」
万里亜のいたずらっぽい笑顔に引きこまれて、智明も初めて白い歯を見せた。
「ねえ、私って年齢相応に見える?」
すっかり葉ばかりになった桜の木の前で、万里亜がモデルのように腰に手をあてて艶めかしいポーズをとった。大きく突きでた胸に、智明は圧倒された。
「若く見える? それとも老けて見えるかしら?」
「わ、若く見えます……とても若いですよ」
恥ずかしいほど声が震えた。
「本当? あなたのお姉さんぐらいにはなれるかな」
ええ、理想的なお姉さんだ……。
智明は大声でそう叫びたかったが、うなずくのがやっとだった。
「家に帰って、もう一度出直してこない? 私の部屋で、今夜、パーティをやりたいの。家族の人に断って、六時頃にいらっしゃいよ」
思いもしなかった万里亜の誘いに、うれしさが智明の心臓を突きあげた。
「はいっ」
あとの言葉がつづかない。何か言うべきだと思ったが、ふさわしい言葉が見つからないのだ。
「じゃ、約束していいのね」
智明の顔をのぞきこみながら、万里亜はうれしそうに言った。
「矢田部君の家は、確か南麻布だったわよね」
「そう。先生、どうして知ってるの?」
智明は万里亜が自分の住所を知っていたことがうれしくて、思わず友だちにしゃべっているような口調になっていた。
「矢田部君の学籍簿を偶然見たの。私のマンションからそう遠くないのね」
「先生の家はどこ?」
「白金台。同じ港区よ。それも車で十分ほどのところ」
万里亜は鞄からメモ帳を取りだすと、簡単な略図を描き、住所と電話番号を丁寧に書きこんだ。
「これでわかると思うわ。なくしちゃだめよ」
メモを手渡されるとき、万里亜の指と智明の指が触れた。
ああ、なんて白くて細い指なんだろう……。
智明の胸が妖しくざわめいた。
「じゃ、家まで送るわ」
「え
!?
先生、車なの?」
「ええ。私の叔父がこのビルのオーナーなの」
万里亜は目の前の大きなビルを見あげて微笑した。
「地下の駐車場を無料で借りてるの。学校からいただくお給料じゃ、とても借りられないもの」
ビルに入って行くと、守衛らしい中年の男が愛想よくお辞儀をした。万里亜も丁寧に礼をかえしたのを見て、智明はなぜかホッとした。
車は落ち着いたモスグリーンだったが、型はスポーティで、それがジャガーXJ―Sクーペと知った智明は、万里亜の意外な面を見た思いがした。
「先生、こんなすごい車に乗ってるんだ」
「みんなには秘密よ。ほかの先生方は保守的だものね」
助手席に座った智明は、フロントガラスを見つめたまま大きくうなずいた。
赤坂から南麻布までは、ほんのわずかの時間だ。智明はずっとこのままドライブをつづけたいと思った。
「六時頃、待ってるわ」
家の前でおりてジャガーが走り去るのを、智明はひどく複雑な気持ちで見送った。
誕生日に招待されたのは、いったいどんな人たちなんだろう?……
それにしても、今までほとんど口もきいたことのない万里亜が、なぜ急に親しげに接近してきたのか、智明はうれしさまじりに疑問に思った。
ドアを開けると、母の美里が玄関の飾り棚の上に新しい花を活けているところだった。今までとは違った甘い匂いがする。
「お帰りなさい。遅かったのね。お母さん、お昼をまだ食べてないのよ」
「待ってたの?」
「遅くなるときは、いつも電話してくるじゃないの。どうしたの? 今日に限って」
「ごめんなさい」
智明は図書室で勉強していたことを話さなかった。
あれは勉強じゃない。物思いにふけっていたんだもの。万里亜先生のことを……。
食事の席では、いつものように美里だけがよくしゃべった。智明は聞き手にまわった。
近所のマンションに、よく当たる占い師がいること。土地っ子だった町内会長が今年いっぱいで土地を売って郊外に移り住むこと。ゴミの回収車が老人をはねたこと……など。そして、そのあとで、「パパが再来週の水曜から日曜まで帰ってくるわ」
一番肝心なことを言った。
父の茂昌は、大手商社の札幌支店長として単身赴任している。支店長になったのが智明の大学進学の時期と重なったため、妻子を残しての赴任となった。まだ四十歳になったばかりで、社内では将来の重役候補と噂されている。赴任期間は、前例からいって三年だろうと言われていた。あと二年である。月に一度の割り合いで本社で開かれる支店長会議に出席するため東京に戻ってくる。しかし、今度は半年に一度の、純粋の休暇であるらしい。
道理でお母さん、張りきってるんだ……。
智明は美里と食事をしながら、その表情を盗み見た。
智明が父母の秘めやかな行為を初めて見たのは、ちょうど一年前である。茂昌が北海道へ出発する前夜、夜中に目を覚ました智明は、乾いた喉を潤そうとしてキッチンに入った。そのとき、浴室で抱き合う両親の姿を偶然にも見てしまったのである。
大人のセックスの激しさに仰天すると同時に、慎み深くてやさしい母が、娼婦さながらに悶える姿を見て、激しく動揺したものだった。智明の思春期の開花は、そのときにはじまったといっていい。その少し前にオナニーを覚えていたが、以来、母がオナペットになった。裸で抱きすくめられ、あられもなく身悶える母の痴態を頭のなかに思い描きながら、硬くなったペニスを握るのである。
ところが、最近になって、オナペットは母から万里亜へと変わりつつあった。といっても、実際にセックスしている強烈な姿を見ているだけに、母を思ってのオナニーの快感は強烈で、それに較べると、万里亜をオナペットにしてでは、いまひとつ物足りない感じだったが。
智明は、母の話がひと段落すると、万里亜先生に招かれていることを話すべきかどうか迷った。結局、友人と会うから夕方出かけるとだけ言った。そして、すぐに父親のことに話を切り換えた。
美里は、茂昌が帰ってきてからのプランをしゃべりはじめた。
父さんのこととなると生きいきしてくるな……。
智明はうれしそうな母にあいづちを打ちながら、浴室で両親のセックスを見て以来の、何度かの覗きを思いだしていた。
夫婦の寝室はL字型の棟の飛びだした一階部分にある洋間だった。その洋間の窓ガラスには二重のカーテンがかかっているが、和室のように雨戸はない。智明は父が赴任先から帰ってくる前日になるとカーテンレールに細工をして、ほんの一センチ程度、カーテンが完全に閉まらない状態にしておくようにした。
二重といっても、一枚はレースである。レースの編み目を通して見る両親の部屋は、セックスのときになると、フロアスタンドの明かりがピンクに変わっていた。それは二人のセックスのサインのようなものかもしれないと智明は思う。実際、茂昌が札幌へ戻ってしまったあとは、ピンクのシェードはベージュに変わっているのだ。
『お母さん、ずいぶんうれしそうだね』
そう言ったら、母はどんな顔をするだろうか、と智明はふと思った。
『お母さん、セックスが待ち遠しいんだろう』
そんなことを言ったら?……
智明はにわかに体が熱くなってきた。
「どうしたの? 熱でもあるの?」
美里が不審そうな表情で、智明の額に手を当てた。冷たくて気持ちのいい手だった。
智明は母の手に自分の手を重ねた。
「お母さんの手、冷たくてとってもいい気持ち」
そう言いながら、智明は上目づかいで母の表情を見た。父の体の上に全裸でうちまたがって、しきりに淫らな喜悦の叫びをあげていたあられもない姿を思いだしながら。
智明が重ねた手を離すまで、美里はそうするのが母親としての義務のように、我が子の額に手を当てがったままだった。
智明は二階の自室に入ると、内錠をおろした。下半身が熱く猛り立っていた。
ティッシュペーパーをあてがいながら軽く何度か肉茎を擦ると、呆気なくスペルマが噴きだし、内部に膿のように溜まっていた熱っぽさが消えた。
ちょうどそのとき、ドアがノックされた。
「洗濯するから、下着を出してちょうだい」
ドアがガタガタと音をたてた。
「錠なんかかけなくてもいいでしょう?……寝てるの?」
素早くティッシュペーパーをベッドの下に押しこんだ智明は、机の上に積んであったスポーツタオルを腰に巻くと、ドアを開けた。
「あら、どうしたの、その格好?」
脱ぎ捨てられたパンツを見て、美里は拾いあげた。
「ちょうど下着を替えようと思ってたんだ」
「そう……シャツもついでに洗うわ。さあ、早く脱いで」
ぐずぐずしている智明の前に立った美里が、丸首シャツを裾から引っぱりあげた。頭からスッポリ抜けると、目の前に美里の顔がある。いい匂いがした。
智明はまるでキスでもするかのように顔を近づけ、小犬のようにクンクンと匂いを嗅いだ。
「お母さん、とてもいい匂いがするよ」
美里は照れたように笑うと、智明の鼻を小突いて部屋を出ていった。
智明は五時半に家を出た。九時頃には戻ると母には言ったが、本心ではもっと遅く帰宅したい気持ちだった。
誕生日だというからには、プレゼントが必要だと思い、広尾まで歩いて商店街で蘭の花を買い求めた。一万円という出費は痛いが、万里亜先生のためなら惜しくはなかった。
タクシーを拾うと、ほんの七、八分でめざすマンションの前に着いた。
「ここは金持ちが住んでいるんだろうねェ」
運転手が溜め息混じりにエントランスゲートを見て言った。
確かに智明も、その偉容には圧倒された。
万里亜の部屋は最上階にあった。玄関ドアを開けた智明は、たくさんの靴が並んでいるものと想像していたが、その予想は見事にはずれた。昼間にはいていたローヒールの靴が置いてあるだけである。
出迎えた万里亜先生は、色鮮やかな花柄のプリントのワンピースに身を包み、頭に同色のターバンを巻いていた。若々しさと美しさに、智明はあらためて目を見張った。
部屋には万里亜先生以外に誰もいない。
もしかして、招待されたのはぼく一人だったのかな?……
それを聞いてみると、「一人でお祝いをするのは寂しいから、矢田部君を招待しようと思ったのよ」と言う。智明は叫びたいような歓びを覚えた。
テーブルにはワインのボトルが数本並び、和洋折衷のディナーが用意されていた。
「私だけ飲んじゃ悪いかしら?」
二人でテーブルに向かい合って座ると、万里亜がうれしそうに言った。小首を傾けた表情が、まるで外国映画に出てくる女優のようにキュートである。
「ぼくもワインくらいなら飲めるよ」
智明は気負って言った。
「知らないわよ」
とがめる顔ではなかった。万里亜は思い直したように軽く睨んでから、智明の前にグラスを置き、ワインを注いだ。
「ねえ、何に乾杯しましょうか」
「もちろん、先生の誕生日にだよ」
一瞬、万里亜の表情に複雑な影が浮かんだ。智明はそれに気づかず、「じゃあ先生、お誕生日おめでとう」
「ありがとう」
グラスの触れ合う小さな音が、智明の心を浮きたたせた。
二人は会話を途切れさせることなく、楽しく飲み、食べた。
「矢田部君は一人っ子よね」
三十分もしないうちに二人の顔はほんのり赤くなっていたが、万里亜は智明のグラスが空になっているのを見ると、またワインを注いだ。
「お父さんやお母さん、可愛がってくれるんでしょう?」
智明は肯定しかけて思いとどまった。
「そうでもないよ」
わざと逆を言った。
万里亜が、信用していないような顔で微笑んだ。
「先生の家族は?」
「私も一人よ」
「へえ、そうなの」
「本当は弟がいたの。生きていれば二十一になるわ」
「じゃ、その……」
死んだの? と聞くのが残酷なようで言葉が出ない。
「その弟が矢田部君によく似てるの。矢田部君と同じくらいの歳に交通事故で亡くなったわ。今日と同じ日……」
「
!?
…………」
「だから、私の誕生日は弟の命日でもあるの。ごめんね、暗い話をして」
「ううん。ぼくが変なこと聞いちゃったから」
「さ、陽気にやりましょうよ」
そう言って万里亜は新しくブランデーを持ってきた。それをグラスに注いでブランデーをあおったが、もともとあまり強くないのか、すぐにむせてしまった。
すぐに智明が万里亜の後ろにまわって、背中をさすった。
ワンピースの下にブラジャーのストラップが指先にはっきり感じられた。落ち着かなかった。けれど、万里亜が許すなら、もっと長い時間、こうしてさすっていたかった。背中の柔らかい肉の感触が、少年のほのかな欲望を衝きあげてくる。
「もう大丈夫よ。ありがとう」
「先生、もう飲まないほうがいいんじゃない?」
智明はそう言って、すぐに後悔した。『そうね。そうしましょう』と万里亜が言ってしまったら、もう楽しい二人だけのパーティはお開きになってしまう。
「私ね、アルコールは強くないけど、雰囲気は好きなの」
「ぼく、つきあうよ。ただし、ワインだけど」
「でも、おうちの人にわかったら、私の責任問題になってしまうわ」
「平気だよ。なんなら泊まっていってもいいし」
智明はそこまで言って、自分の言葉に驚いた。
「本当に? 泊まっても大丈夫なの?」
「友だちの家に泊まること、あるもの」
「私、友だち?」
「今夜は……」
「電話しなきゃだめでしょう、お母さんに。嘘がバレるわ」
「うまくやるさ」
「私、どうしたらいいの……生徒をそそのかすような悪い先生になりたくないわ。でも、矢田部君ともっと話がしたいし……」
万里亜は智明のなかに死んだ弟を見ていた。智明は弟の高広に生き写しだった。二年A組の教壇に初めて立って智明を目にしたときの衝撃は大きかった。
似ているという思いは、日に日に強くなった。いつか声をかけてみようという気持ちが膨らんで、とうとう図書室で声をかけた。今日という日を選んだのは、自分の誕生日だからというのは口実で、弟の命日ということが頭のなかにあったせいであった。
「ぼく一人の判断でやることにすればいい」
「それ、どういうこと?」
「先生はぼくと何も相談しなかった。ぼくが勝手に理由をつくって、うちに電話をするってことさ」
「いけない子ね」
「先生と一緒にいられるのなら、どんなに悪い子にだってなれるよ」
ワインのアルコールが、智明の舌の回転を滑らかにした。
智明は卓上のコードレスホンを取りあげると、家の電話番号をプッシュした。呼出音が二回鳴ると、すぐに留守番電話のテープの声が聞こえた。
「あれェ
!?
」
智明の声で、そばにいた万里亜が不審そうな目を向ける。
「留守番電話になってるんだ。きっとお風呂に入ってるんだ。ちょうどいいや」
智明は送話口を手で押さえながら、万里亜を見て笑い、今度は真剣な顔で送話口に向かって言った。
「あ、ぼく……今夜は友だちの家に泊まるよ。勉強で遅くなりそうだから。じゃあね」
すぐに電話を切ってしまった智明は、いたずらっぽく万里亜に言った。
「どこの友だちだかわからないから、探しようがないよね」
「本当にいけない子なんだから」
そう言いながらも、万里亜もまた、うれしそうだった。
「いつもよりたくさん飲めそうだわ」
万里亜が脚を悩ましく組み変えながら、ブランデーを舐めた。ほんのりと紅を射した唇を、智明は美しいと思った。
「矢田部君はディスコなんかへ行くことあるの?」
「全然。リズム感がよくないんです」
「そうは見えないけどな……矢田部君が踊ったら、素敵だと思うな」
「先生は?」
「アメリカに留学していた頃は……」
そこまで言って万里亜は遠くを見る目をしたが、すぐにまた智明に視線を戻した。
「アメリカ人の恋人がいてね、よく一緒に踊りに行ったわ。私の青春時代……矢田部君はこれからね」
「先生、その恋人はどうしたの?」
「もう私の青春は終わったの」
その言葉は、恋人との別離をはっきりと言い表わしていた。
「先生だってこれからじゃないか」
智明は心からそう思った。
「先生は綺麗だし、こんな素敵なところに住んでいるんだし、それに若い」
「でも、人間はそれだけじゃだめ。一番支えになっていたものを二つも失ってしまったんだもの」
「二つ?」
「恋人と弟……」
「ぼく、先生の弟になってあげるよ!」
万里亜の寂しそうな表情に、咄嗟に口を衝いてでた言葉だったが、智明は本当にそう思った。そして、できるなら恋人にも……。
「ありがとう。うれしいわ」
万里亜の手が伸びてきて、テーブルの上の智明の手を掴んだ。
「矢田部君の手、とっても暖かい」
万里亜はその手を頬にそっと押し当てた。
智明は不思議な感動を覚えながら、万里亜の仕草を見つめた。
先生がぼくを招待したのは、弟にどこか似ていたからだろうか?……
不満があるわけではない。むしろ、それで親密になれたのだから、よかったと思う。
「ぼく、先生の弟になるからね」
智明は一方的に宣言した。
「ええ……」
万里亜の小指が智明の小指に絡みついた。
「約束よ」
「うん、約束」
「そろそろ休みましょうか」
「ぼく、もっと起きていたいな」
「私、眠くなってしまったの」
万里亜は生理が近くなったことを悟った。いつもこうなのだ。
「智明君、先にお風呂に入ってちょうだい」
「先生、先にどうぞ」
「男が先よ。弟は、私の言うことに絶対に逆らわなかったわ」
「はい」
智明は本当の弟になったようでうれしかった。
薄いブルーのタイルで統一された浴室はかなりひろい。智明は心地よい気だるさを味わった。浴室から出る頃になると、体が思うように動かないほど酔いがまわっていた。足もとがふらつき、目を天井に向けると、ゆっくりまわっている。
それでもなんとか浴室を出て服を着、ダイニングキッチンに戻った。万里亜はテーブルに顔を伏せて眠っている。
「先生」
呼びかけに万里亜はすぐに応じた。
「あら、ごめんなさい……矢田部君の寝るところは、その廊下の右側の和室。もうお布団は敷いてあるし、パジャマもあるわ。ただし、女物だけれど」
「先生、お風呂は?」
「これから入るわ。先に寝なさい」
智明は八畳間に入った。ほとんど使用されていない感じの和室で、布団も真新しい。
パジャマに着替えながら、これ、先生がいつも着ているものなんだ……。
そう思うと、体が熱くなってくる。布団の上に大の字になって、火照った体を冷やしているうち、眠気に誘われた。
掛布団をかけていなかったからだろう、しばらくして、ふっと目が覚めた。眠っていたのはわずかな時間だったような気がする。布団に潜りこもうとしたとき、浴室のほうで何かが倒れるような物音がした。そして、長い静寂……。
気になった智明は、布団から起きだして浴室に向かった。脱衣室で、バスタオルを体に巻いた万里亜が、壁にもたれるように座りこんでいる。
先生が倒れた
!?
……
あわてて駆け寄った。外傷らしいものはない。バスタオルに隠されたバストのあたりが、息を吸うたびにゆっくり上下している。
「先生……」
小さく呼びかけた。返事はない。規則正しい寝息がかすかに聞こえてくる。
ひとまずホッとした。もう一度声をかけようとした。その瞬間、心のなかで別の智明が囁いた。
そのままで放っておけばいいじゃないか……。
もう一人の智明の声が聞こえた。
何を考えてるんだ、ばか……。
智明はその声を頭から払いのけると、ありったけの力を発揮して万里亜を抱きあげた。胸の前で重ね合わせたバスタオルが解けて、半分ほど乳房のふくらみが露わになった。智明は血がたぎってくるのを覚えた。
本当に眠ってるのかな?……
寝室に入ると、智明はわざとベッドの上に放るように万里亜を置いた。
「うーん……」
万里亜は二度三度と頭を振ったが、すぐに体を幼児のように仰向けに投げだして、スヤスヤと寝息をたてはじめた。
バスタオルの前がさらに開き、両の乳房の大部分がのぞいた。
智明の頭のなかで、たちまち数百の鐘が鳴り響き、血が奔流のように血管のなかで渦を巻いた。体はカーッと火がついたように熱くなっていく。
「先生……」
小声で呼びかけた。万里亜が熟睡しているかどうかを確かめるためだった。
万里亜はピクリとも動かない。
智明は落ち着かない思いで部屋のなかを見まわした。
室内は明るい。ピンクのシーツが、光に映えてなまめかしかった。
照明を落としたほうがいいな……。
フロアスタンドをベッドの近くまで引き寄せ、眠っている万里亜の顔が影になるようにシェードに覆いをかけて明かりを点け、室内灯を消した。そうすることで、室内は薄暗く沈み、落ち着いた雰囲気が流れた。
智明は万里亜を見つめたまま、しばらくじっとしていた。時間の経過とともに、好奇心が破裂するほど膨らんでいく。それは、若い体に具体的な形となって現われた。女物のパジャマズボンの中心は見事に盛りあがり、勃起したペニスの形がすっかり浮きでていた。
激しい欲望が智明の理性を破壊した。劣情だけが先行していった。
美しい獲物は手のとどくところに深い眠りについたまま横たわっている。
智明はバスタオルの裾を指先でそっとつまみあげた。白く盛りあがった太腿の付け根に、縮れた黒い恥毛が貼りついているのが見えた。
「…………」
智明の喉がゴクリと鳴った。その音の大きさに、智明自身が驚いたほどである。
万里亜の寝息をうかがいながら、静かに顔を近づける。ほんのりと甘い香水の匂いが立ち昇った。
恥毛の量の少なさに智明は驚いた。それだけに、ヴィーナスの丘がひどく分厚く盛りあがって見える。膝から下は少し開き加減だが、太腿はピタリと密着している。付け根の奥は閉じられていて、何も見えない。
この、ぴたりと閉じられた奥にあるものを見たいと、智明は痛切に思った。
智明の顔は恥毛と二十センチと離れていない。黒く光る縮れた毛先の一本一本が克明に網膜に焼きつけられた。
智明は今、興奮の極致にあった。夢でも見ているような気分に陥っていた。
これは現実のことなんだろうか……。
智明は震える指先で黒い茂みの表面を撫でた。
胸がつまった。
かすかに触れる毛先の感触は、何ものにも代えがたい心地よいものだ。つい夢中になって、てのひらを押しつけてしまった。
「う、うーん……」
一瞬、息がとまったような感じで、万里亜が軽い呻き声をあげた。智明は飛びあがるほどびっくりして、ベッドの陰にしゃがみこんだ。
万里亜がゴソゴソ動いている。智明は這いつくばって、部屋の外に逃れでた。そのままダイニングキッチンに入って息をひそめ、水で喉を潤した。
すぐ戻る気になれなかった。万里亜が起きていて、自分に声をかけてくるような気がするのだ。だが、いつまでたっても万里亜が目を覚ましたらしい物音は聞こえてこない。
智明は足音を忍ばせてダイニングキッチンから出た。浴室の明かりが廊下にもれている。脱衣室に入ってスイッチを探していると、篭に脱ぎ捨てられたままになっている万里亜の衣服に気づいた。
花模様の色鮮やかなワンピースをめくる。その下にひっそりと薄紫色のブラジャーとパンティが並んでいる。ためらわずに手にとって、小さく丸まったパンティをひろげた。
小さな透き通った三角形。その中心が、少し湿っている。
鼻に押し当てた。香水とは違う匂いが、鼻腔を妖しくくすぐった。
女の匂いだ……。
智明は勃起したペニスを引きだした。鈴口から透明な粘液が溢れている。肉茎に薄紫色のパンティを巻きつけた。
「あああ、万里亜先生……」
さっき見た恥毛を閉じた瞼の裏に思いだし、静かにペニスを摩擦した。
一分もたたないうちに、智明は小さく呻いて射精した。樹液が強烈な匂いをまき散らしながら宙を飛んだ。
いつもなら、これで終わりである。だがこの夜は、これがはじまりだった。
小さく縮んだ肉茎は、雫を垂らしながらもまだ物欲しそうだ。
智明は再び寝室をのぞいた。
万里亜は眠っていた。体に巻きつけたバスタオルはほとんどはだけ、本来の用をなさなくなっている。寝息はさっきよりも深く、規則正しい。
智明は女体を見おろしながら、着ている物すべてを脱ぎ捨てた。ペニスがたちどころに猛々しく膨らみ、その存在を主張する。
智明はバスタオルをベッドの足もとに放り捨てた。これで万里亜は一糸もまとわぬ裸体をさらした。
ベッドの脇にしゃがんでてのひらをそっと太腿にのせ、そこから伝わる女体の脈動を味わった。太腿の次は下腹。そして乳房。恥毛にてのひらをかぶせたとき、もう我慢できなくなった。
智明は万里亜の足もとまでさがると、足首を掴んで両脚をゆっくりと左右にひろげた。さわさわっと恥毛が揺れる。重い扉を開くように陰唇がひろがっていく。そして、ついにピンク色の一条の亀裂が現われた。
初めて見る女陰に、二十一歳の少年の胸は張り裂けそうに高鳴った。
これが女のオマ×コなんだ……。
智明はベッドにあがると、万里亜の両脚の間に割りこもうとした。万里亜を起こさないよう、神経を使った。
両手を万里亜の両脇について、腕立て伏せのような格好をするのは、なんとかできる。しかし、両手がふさがると、ペニスを握って挿入することができない。まず、亀頭を膣口にあてがうのが先である。それなのに、その膣口の位置がわからない。
太腿と太腿が擦れ合った。万里亜が少し動いた。
ペニスの先端を柔肉に触れさせることができた。全身に震えが走った。
次の瞬間、バランスが崩れた。ガクッと肘が折れ曲り、体の重みが万里亜にかかった。
「あっ……」
智明と万里亜が同時に小さく呻いた。万里亜は驚きのために。智明はペニスが憧れの媚肉に包みこまれた快感のために。
「何
!?
どうしたの
!?
」
万里亜が、まだ事態を把握できないでいるうちに、智明は女体にすがりついて激しく痙攣した。
「あーっ、だめっ
!!
」
ようやく何が起こったかを悟ったとき、万里亜はほとばしるザーメンを浴びていた。
万里亜の子宮はおびただしい量の樹液の洗礼を受けて、とまどいつつも久しぶりに心地よく反応し、女の歓びを甘受するのだった。
第二章 女教師・屈服の構図
浴室に駆けこんだ万里亜は、少年の白い精液にまみれた恥毛を複雑な思いで見つめた。この事態を予期しなかったといえば、それは嘘になる。
あの子もそうだったわ……。
万里亜は智明のスペルマをシャワーで落としながら、死んだ高広のことを考えた。
弟は交通事故で死んだ。だが、自殺ではないかという疑いを、万里亜は消し去ることができずにいた。
高広は、万里亜と一緒にロサンゼルスに留学していた。大学と大学が離れていて、それぞれ別に暮らしていた。
万里亜はその頃、恋人に夢中になっていた。南米から来たその留学生の肌は褐色だった。
ある日、高広が姉を訪ねてきたとき、万里亜はたくましい褐色の男に組みしかれ、歓びの声をあげていた。
弟に見られたことを知った万里亜は、翌日、弁解ではなく、理解を得るために高広を訪問した。そして、目の前で道路に飛びだす高広を見たのである。
私が殺したようなものだわ……。
残された日記から、高広が姉である自分を熱烈に恋していたことを知った万里亜は、一生十字架を背負って生きていこうと思った。
こうして日本に帰り、恋にも結婚にも背を向けて教師として生きてきた万里亜は、新しく赴任した大学で出会った智明のなかに、高広の面影を見た。自分を見つめる智明の瞳は、自分を慕ってくれた弟の瞳にそっくりだった。
だから、弟の命日に智明を招待したのである。そして、たった数時間で、女教師と生徒が男と女の関係に飛躍してしまった。
しかし、智明を非難する気にはなれなかった。現に、射精後、呆然と立ちつくす智明を和室まで連れていってから、浴室に来た万里亜である。
ときがすぎるのを待つしかないわ……。
それが万里亜の結論だった。過去の強烈な恋愛経験があったからこそくだせた、大人の女の結論だった。
それに私ったら、弟に似ているあの子にまだ好意を感じているんですもの……。
智明にレイプされたとは思わないことにした。
シャワーを浴びながら、恐るおそる膣口に指を入れた。ヌルッとした精液がまだ膣道に残っている。それを丁寧に洗い流した。
万里亜は、自分の体にまだ残り火のようなものがあることに気づいた。
刺激されたからだわ……。
火照りを鎮めようと、シャワーの水温をさげた。だが、くすぶりつづけている疼きはなかなかおさまらない。いつもならオナニーするところだが、智明が現われるかもしれないという不安から我慢した。
気分も体もどこか不安定のまま部屋に戻り、明かりをすべて消してベッドに入った。
女陰がむず痒かった。仕方なくパンティの上からそっと押さえた。今にも官能に火がつきそうだった。
万里亜はそれを必死になって耐えた。無理やり目を閉じているうちに、いつしか深い眠りに落ちていった。
目覚めたとき、万里亜はパンティのクロッチの部分にぬめりを感じた。両腿をきつく閉じると、締めつけられた女陰から疼きが生じた。
ああ、思いっきり癒やしたいわ……。
カーテンがうっすらと明るんでいる。夜が明けたのだ。
万里亜はガウンを羽織り、和室をのぞいた。
智明が掛布団を抱きかかえるようにして眠っている。かけ直してあげようと部屋に入りかけたとき、智明が寝言を呟きながら、寝がえりを打った。
「
!?
…………」
万里亜は動揺した。
女物のパジャマの股間部分が盛りあがっている。勃起しているのだ。
あれが、私の割れ目を貫いたんだ。だから私は濡れてるんだわ……。
万里亜はふらつく足どりで寝室に戻ると、ベッドに倒れこむように横たわった。自然と指が恥肉へ動いた。
智明の勃起を思って指を這わせると、快感が二倍三倍と膨らむ予感がした。パンティの薄い布の上から爪を立てて敏感な突起を触る。奥の肉が弾けて、さらに熱い媚液が噴きでた。
「あああ、気持ちいい……」
声に出すと、一段と快感が上昇した。
肉の歓びを知る若い女教師は、男から遠ざかった日々の積み重ねのなかで、自分の肉体がさらに熟成していることに気づかないでいた。指で得る快感はきわめて底の浅いものであったが、万里亜はそれで満足していた。
パンティがベッドの足もとに落ちた。まつわりつく毛布を足で蹴落とす。まくりあげたネグリジェから現われた二十六歳の女体は、今が盛りであり、旬であった。
万里亜の体は今、左手で乳房を弄ぶだけで、めまいが起こりそうだった。硬くしこった乳首を指先でつまむと、ツーンとした痛みを覚えた。同時に下半身を刺激する疼きが生じ、体の奥深いところからトロリとした生温かい愛液が溶けだした。
深い溜息をつくと、大きくそげたような下腹がくぼむ。右手がそこを通りすぎて、恥毛の生えたふくらみを愛おしそうに撫でた。すでに淫裂の粘膜は充血して分厚く膨らみ、わずかな刺激にもすぐ反応した。
万里亜の美しい唇から切なげな声がもれ、女体が波打ちながらうねった。閉じた瞼の裏に、さっき見た智明のズボン越しの勃起が浮かんだ。
シルクの布地を内側から突き破らんばかりに突きあげていたものが、夕べ、確かに自分の下腹部に一撃を加えて去っていったのだ。そのときの感覚の曖味さが、今の万里亜には腹立たしい。
深く寝入っていなかったなら、やっぱり拒んだかしら?……
その回答を求めるかのように、万里亜は激しく指を使った。二本の指で最初の快感を突起から引きだした。それからは膣口の濡れた縁どりを左右から擦ってみたり、ときには花弁の裾をつまむようにして引っぱり、痛みを与えることで、より強い快感を得た。
かすかにベッドが軋み、それが格好のBGMとなって、指の動きを活性化した。
ああ、欲しいわ!……
指の刺激では、もはや物足りなくなっていた。それは、一度でも本格的な性経験を積んだ女の業ともいえた。強くたくましい抱擁感が欲しい。太くて長くて硬いものを待ち望んで、女の胎内は熱い熔岩ですっかり埋めつくされていた。
「入れて……入れてちょうだいッ」
そばに男がいるように、万里亜は身悶えて訴えた。
中指と人差し指をまとめて徐々に秘口の奥へと沈めていく。腟壁のざらつきが指を庄迫した。溢れでた女の快液が指の根元を濡らし、てのひらをヌルヌルにした。
指先が膣奥の軟骨状のものに触れた。万里亜はそのくぼんだ部分をやさしく撫でまわした。かつての恋人がやってくれたように、やさしく淫らに。そうすることで、さらに濡れ方が強まり、頭のなかがチカチカするような快感が噴きあげた。
「ああああ、気待ちいいの」
思いきって薬指も入れてみた。両腿をきつく締めつけると、実際にペニスが挿入されているような錯覚にとらわれる。
しかし、何かが足りなかった。男の熱くなった体にすがりつきながら、激しく身悶えるときの結合感が欲しい。はしたなく腰を振りたてるにしても、我が身をしっかり支えてくれる男の肉体が存在しなければ、むなしいだけだ。
「イキたいッ……イキたいの……」
三本の指が、愛液で溢れかえった女の胎内を縦横無尽に撹拌した。不満を抱きつつも、快感は確実にやってきた。たとえそれが一人芝居のむなしさを振りきれないまでも、もう目の前まで頂上は迫っていた。
「イクわ……イッちゃう……」
万里亜の美しい眉は吊りあがり、半ば開いた唇の間から、悩ましい喘ぎ声が断続的にもれた。ピーンと張りつめた全身が反りかえったとき、万里亜は「イクゥーッ」と長く尾を引くように叫んで、おびただしい愛液を三本の指に浴びせていた。
しばらくの間、万里亜は目を閉じたまま動こうともしなかった。
むなしくてやりきれない。
まだ三本の指を呑みこんだままの女の構造は、そこだけ独立した生き物のように、収縮を繰りかえしていた。
時間がたつにつれて、むなしさが言いようのない哀しさに変わろうとしていた。そんな気配を振りきるように、万里亜は目を開けた。
空気が重く澱んでいる。
枕もとのティッシュペーパーの箱を取り寄せようと首を曲げた。そのとき、万里亜の目に飛びこんできたのは、部屋のドアの前に立っている智明だった。
万里亜は喉奥で、声にならない悲鳴をあげた。
智明が突進してきた。
万里亜が身を起こすよりも早く、智明がのしかかった。硬直したペニスが、パジャマを通して万里亜の肌に触れる。
「だめっ」
万里亜の声は弱々しかったが、少年を振りほどこうとする力は強い。
「先生だって、したいんじゃないか!」
「いけないわ! そんなつもりで泊めたんじゃないのよ。やめなさい!」
「先生が挑発したんじゃないか。本当はぼくに見せつけようとしたんだ!」
「ひどい……違うわ……」
万里亜は狼狽した。言葉が見つからない。あたふたしていると、智明が勢いを得て、さらに追い討ちをかける。
「夕べは、ちゃんとさせてくれたじゃないか。本当はぼくがしたとき、先生は起きていたんだッ」
「違うわ。絶対に違います、そんな……」
反論の言葉が見つからないうちに、隙が生じた。
智明は左手を万里亜の首の後ろにまわすと、上半身の重みを胸にかけて動きを封じた。右手で、必死に閉じようとする万里亜の両脚の付け根をこじ開ける。
万里亜の股間は、オナニーによって湧出した愛液で、まだねっとりと濡れそぼっていた。それが潤滑油になったように、智明の指はいとも簡単に股間へ滑りこんだ。
万里亜は智明の指が偶然にも突起を直撃するやいなや、甲高い叫びをあげて両脚を開いてしまった。あわてて閉じ合わせたものの、そこに誤算が生じた。女陰を手中におさめた智明が手を離さなかったから、かえってその手を挟みつける結果となってしまったのである。
智明の指が肉の狭間をうかがった。ねっとりした愛液が満ち溢れていたので、指はズブズブッと肉路の奥に潜りこんだ。
「だめッ、イヤ--ッ
!!
」
腰を振ると、かえって奥深くに入った指が膣壁全体を摩擦する。摩擦は快感を生んだ。自分の指で得るのとはまったく異質の快感が、万里亜の抵抗を鈍らせた。
「お願い、やめて……」
万里亜は泣き声で哀願した。抵抗も弱まっている。
「先生がいけないんだ」
「ごめんなさい。泊めるべきじゃなかったんだわ」
「泊めてくれたことは、ぼく、感謝しているよ。先生がいけないのは、綺麗すぎるからさ。学校中の生徒が先生に憧れてる。ううん、生徒だけじゃないよ。男の先生たちだって、きっとそうだ。ぼく、先生が好きだ!」
智明の指は万里亜の熱く湿った胎内に挿入されたままだった。
「でも、好きだからって、こういうことは許されないわ」
「ぼくたち、初めてじゃないよ」
「無理を言わないで」
「先生だって、したかったんだろう。だからあんな格好をして……」
「もう言わないで」
「好きだ、好きだ、好きだっ!」
駄々っ子のように激しく顔を振った智明は、胸の谷間に鼻を押しつけた。少し汗ばんだ肌から、ミルクのような匂いが漂う。智明は夢中で乳房を頬張った。
強い吸引力に万里亜は顔をしかめながらも、その一方で、少年のひたむきでぎごちない愛情表現がうれしくもあった。思わず智明の頭をかかえこんだ。
ああ、私たち、どうなってしまうの?……
レイプされ、オナニーを覗かれたというのに、万里亜はまだ智明に対して好意以上のものを抱いている。
「お願い……指を抜いて」
音をたてるほど乳首を強く吸っていた智明が、乳房から顔をあげた。
「確かに私にもいけないところがあるわ。でも、このままではどうしようもないの。だから……」
万里亜はその先をつづけるのが急に恥ずかしくなった。
「ともかく、指を外に出しなさい」
「?…………」
智明の表情は怪訝そうだった。
指がゆっくりと胎内から去ると、万里亜はホッとするよりも、むしろむなしさを感じた。
「私が……これを……」
「何、先生?」
万里亜は手を伸ばして、猛り立った少年のペニスをパジャマの上から握った。智明はそれだけで声をもらした。
「楽にしてあげる。オナニー、手伝ってあげるわ。それで今日は我慢して」
万里亜は握っている指に力をこめた。
智明は密着していた体を離すと、ベッドに座りこんで、万里亜の顔を見つめた。
万里亜は胸もとを隠しながら起きあがり、ガウンを羽織った。
「さあ、ここに横になって」
智明は素直に従った。パジャマの下でペニスがキリキリと痛む。
万里亜は智明のパジャマズボンとパンツを引きおろした。
若々しい肉茎は、少しだけピンク色の亀頭を包皮から露出させて、春の野のツクシのように突きでていた。
万里亜は息を呑んだ。ふと智明を見ると、万里亜を見つめている。
恥ずかしさを押し隠して、万里亜は言い含めるように言った。
「いいこと、矢田部君が望まないなら、やめてもいいの。ただ、こんなに苦しそうに勃起しているから、お手伝いするだけ。わかってるわね」
智明はうなずいた。
「早くやってよ、先生」
「目をつぶりなさい」
万里亜はティッシュペーパーを手に取り、教え子のペニスを静かに握った。
熱い。それに、弾むような脈動が新鮮である。
私、本当はこんなこと、やってみたかったのではないのかしら……。
万里亜は淫らがましい考えを否定できなかった。
万里亜は思いを断ち切るように、サヤサヤと表皮を上下に擦った。
すぐに智明が腰を浮かせて振りたてた。
亀頭全体がさらに勃起したような気がした。
「ああ、先生っ」
女の子のような智明の切なげな声が万里亜の女心を揺さぶり、官能に火をつけた。
あああ、可愛い!……
万里亜は弟の日記の一節を思い浮かべた。
『近頃は姉のことを思いながら悪癖をつづけている』
あの子は私のことを思い描きながら、オナニーをしていたんだわ……。
それを思うと、哀れな弟の代わりに智明に、自分がしてあげられる範囲の快楽を与えたかった。
「ああっ、先生……ぼく……」
智明の手がガウンの前を割って恥毛をまさぐる。しかし、このときすでに智明は我慢の限界を超えていた。
いきなり肉棒の先から、白い噴出がはじまった。それはまるで速射砲のように、白濁の塊りを宙に放った。
万里亜はあわててティッシュペーパーを亀頭にかぶせたが、第二、第三とつづく噴射によって、てのひらにまで溶液がへばりついた。万里亜は少年のペニスの力強さと、樹液の多さに驚嘆した。その表情を、智明は薄目を開けて盗み見た。
智明は、自分の恥態を見せたことで興奮していた。
万里亜がべっとりとザーメンを吸ったティッシュペーパーを持って部屋を出た。浴室で手を洗い、恥ずかしいほど濡れた股間をシャワーで洗い流していると、空気がそよぐ気配を感じた。
振りかえると、素っ裸の智明が立っている。たった今、おびただしいエキスを射出したばかりだというのに、智明のペニスは見事なまでに勃起して、ピタリと下腹に貼りついていた。
浴室に入るなり、しゃがみこんだ智明は、やにわに万里亜を抱きしめた。温かくて柔らかな、そして甘い女体の感触に、二十一歳の少年は今まで以上の慕情をつのらせ、夢中で乳房に吸いついた。
万里亜は邪慳に突き離すことができない。
「待って……今日はもう我慢してくれるはずでしょう。こんなことばかりしているわけにはいかないのよ。やめなさい!」
強い口調で万里亜は言い、智明を振りほどこうとした。
しかし、智明は聞く耳を持たない。それどころか、女教師をタイルの上に押し倒しにかかった。ところが、智明自身がタイルに足を滑らせ、ぶざまに転がった。
その隙に、万里亜は立ちあがろうとした。
智明がすぐさま足首を掴んだ。振り仰いだ視線の先に、大きく開いた万里亜の股の付け根を見た。
「
!?
………」
女陰のすべてが丸見えだった。その醜さに、智明は仰天した。真正面から見れば、黒い飾り毛に覆われて美的感覚を刺激する女の構造が、この角度からだとまったく別物に見えた。
智明は強く足を引っぱった。凶暴な気持ちに駆られていた。性器の醜悪さに対する反動であった。
万里亜が両手でバスタブにしがみついた。尻肉の合わせ目から、小さなアヌスとその下に大きく裂けた柔肉が垣間見える。素早く体勢を立て直した智明は、やみくもに背後から女体を抱きすくめた。
万里亜は思わぬ形で迫られたことで、驚くと同時に、たまらない恥ずかしさを覚えた。にもかかわらず、羞恥が官能を刺激する。
智明の猛々しい肉茎が、今にも女陰を突き刺しそうに迫った。
「いけないっ。やめなさい!」
そうは言ったものの、万里亜の動きは鈍くなっていた。
「先生、ぼく、したいんだよ!」
それだけを口にして、智明はぎごちなく腰を振り、ペニスを押しつけてくる。
ああ、教師と生徒でなかったら……。
そのとき、智明のペニスが淫裂にツルリと呑みこまれてしまった。
「ああっ!」
万里亜の口から悲鳴がほとばしりでた。智明の耳には悲鳴と聞こえたが、禁断の木の実をとうとう手中にしたときの、快感の声にほかならなかった。
智明は、挿入した瞬間に生じた摩擦感に我れを忘れた。ペニスを包みこむ柔肉の蠢動が、たちまち智明を桃源境へと誘う。
智明は本能の命ずるままに腰を使った。ギクシャクとした動きにもかかわらず、快感は確実に肉棒を伝わって、腰骨を揺るがした。
それまで拒みつづけていた万里亜が、いつしか口をつぐんで、智明の動きに身をまかせていた。切なそうに頭を振りたてると、長い髪がざわざわと揺れ、甘い匂いがあたり一面に漂う。
「先生……あああ、ぼく、気持ちいいよォ」
そう言わずにはいられなかった。万里亜のくびれたウエストにしっかり掴まりながら、智明はひたすら腰を打ちつづけた。
もっと長くこうしていたい!……
智明は息を整えた。自然と動きが小さくなる。そうすることで快楽の大きな波は一時的に引いたが、快感そのものは消えることなく持続している。
いやよ。もっと強くしてッ……。
万里亜はそう訴えたかった。言葉の代わりに体が動いた。反動をつけるように後方に腰を打ち振った。より深い密着感が得られた。ペニスの先端が子宮に突き刺さるようだ。
ああ、これよ。この感じだわ……。
万里亜は女のたしなみを忘れた。そんなものは体のなかに湧き起こっている歓びの前になんの意味があるだろう。
一方の智明も、万里亜の思いがけない反応に狂喜した。この淫らな腰の動きこそ、今までの強引な行為を許容するサインではないか。
「先生……先生……」
智明は喘ぐように名前を呼び、視線を落とした。
「ああ、こんなになってる……」
豊麗な尻にペニスが挟まれている。万里亜の腰がうねるたびに、膣から出そうになり、また深々と突き刺さるペニス。女の濃厚な蜜に濡れている肉茎の、なんという卑猥さ。ペニスを咥えこんだ万里亜の柔肉は、外にめくれかえったかと思うと、今度はペニスとともに膣の内側に巻きこまれる。少し濁った愛液が大陰唇の外に溢れ、ますます淫靡さが増していく。
「先生、これ、すごいよ……ほら、見てごらん!」
智明は両手で女教師の腰をがっちり押さえて、動きをとめた。
智明の声で、万里亜は首を後ろにひねった。何も見えない。それでも智明がどこを見ているかはわかった。羞恥に体がカーッと熱く燃え盛った。
「こんなふうに入ってるんだ」
智明はその淫らな光景を独り占めしたくなかった。あたりを見まわすと、壁面に大きな鏡がはめこまれている。万里亜の脇腹から両手を前にまわして、乳房の下をしっかりとかかえこんだ。
「
!?
…………」
万里亜が動きをとめた。
智明は膝をつきながら重心をとり、ゆっくりと万里亜の体を移動させた。万里亜はわけがわからないまま智明に合わせて動いた。
目の前の鏡に揺れる乳房が映っている。うねる下腹が映っている。
「先生、体を前に曲げて、犬みたいに這うんだ」
智明の指示に従った。体が前に倒れ、鏡のなかに後ろから獣の交尾のように挿入している智明の上半身が現われた。
智明は鏡に映る二人の体が真横に映るよう、さらに移動した。
「ほら、こんなふうにぼくたち、繋がっているんだ」
「ああ、いやッ
!!
」
万里亜は鏡に映る姿を見て、あわてて顔をそむけた。
「だめだ、先生も見るんだよ」
なんとしても万里亜に見せたいと、智明は思った。
「見てったらァ」
苛々と叫びながら智明は腰を引いた。ペニスが抜ける。
「ほらほら、先生……」
教え子のペニスに貫かれた自分の女陰……。万里亜はその光景を見てみたいとは思う。だが、その気持ちを智明に知られたくはなかった。万里亜はかぶりを振って拒む意思を表わした。
「だめだよ! ちゃんと見るんだ!」
苛立つ智明が再びペニスを挿入して、駄々っ子のように腰を振った。膣口が歪む。
「ああああ……」
痛みをともなう快感に、思わず万里亜は歓びの声をあげた。
「わかったわ。わかったから、乱暴にしないで」
体に受けた快感を悟られまいと、心にもないことを言って、万里亜は鏡を見た。
ああ、なんていやらしいの……いやらしすぎるわ……。
自分でもゾクゾクするような淫らな構図に顔を赤らめながら、万里亜は目を離すことができなかった。
智明は満足げにうなずいて、大きくペニスを抜き差ししはじめる。
万里亜は体の芯を揺さぶられて、トクトクと淫水を溢れさせた。智明の抽送によって外に媚液が引きだされるとき、実に卑猥な音がする。それが智明には面白いらしく、頬を膨らませて、うなりながら腰を使う。
「先生、ぼく……出そう……」
万里亜はなんと答えていいのかわからない。
だめよ、もうちょっと頑張って!……
万里亜は、はしたない意思をこめて腰を振りたてた。
「あああーッ」
切なく喘ぐ智明が無性に可愛い。だから万里亜も、我れ知らず叫んでいた。
「待って……先生も一緒……もうちょっとなの……先生と一緒にイッてェ」
万里亜の腰の動きが急ピッチになると、智明もピストン運動を速めた。
やがて、万里亜の耳に少年の甲高い歓びの声がとどいた。智明が「出る!」と叫ぶのとほとんど同時に、万里亜も「イクわ! 私もイク! イクッ!」と絞りだすように喜悦の声をあげた。
次の瞬間、万里亜は子宮口に奔流のような教え子のザーメンをぶちまけられていた。
女教師と母 背徳の構図 第二章 女教師・屈服の構図 ~ 第九章 女教師・強姦の構図 (1/4)
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