二人の叔母・淫の血脈 第一章 性の魔宮に魅せられた少年 ~ 第二章 彩子叔母、深夜の倒錯自慰 (1/5)
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目次
第一章 性の魔宮に魅せられた少年
第二章 彩子叔母、深夜の倒錯自慰
第三章 叔母の肉を貫く若き剛直
第四章 彩子を蝕む禁断の愉悦
第五章 餓えた人妻の歓ばせ方
第六章 標的はもう一人の叔母・知亜希
第七章 甥に向けられた三十一歳の牝欲
第八章 憎悪と嫉妬に狂う叔母二人
第九章 淫らがましき相姦の三角関係
第一章 性の魔宮に魅せられた少年
奈保子と名乗った女は、やさしそうに微笑みながら振りかえった。
紀彦は部屋に足を踏み入れたものの、片隅に敷かれている布団を見ると、途方に暮れたような顔をして、女の部屋を見まわした。小さな化粧台と三面鏡、それに桐の衣裳箱が六畳の和室の調度品のすべてだった。
「さあ、ここに座って」
奈保子は掛布団をめくると、白いシーツの上を軽くトントンと叩いた。
ゼンマイ仕掛けの人形のように、紀彦はぎくしゃくと指定された場所に腰をおろした。しかし動揺のあまり、座っているという感覚がない。まるで宙にふわふわと浮いているようである。
「本当に初めてなの?」
奈保子の声は柔らかい。
紀彦は、岡部が女に話したのだな、と直感した。岡部も今ごろ、この家のどこかで別の女とこうして向かい合っているはずである。いや、もう抱いているかもしれない。岡部はこういうことに慣れているのだから。しかし、紀彦は十七年間生きてきて、これが初めての経験になろうとしている。
思わず体が震えた。
「あらあら、怖くなんかないのよ」
奈保子は呆れたような声を出した。決して馬鹿にしているような響きはない。それが紀彦にとって、唯一の救いだった。
「少し暗くしたほうがいいかしら」
奈保子はひとりごとのように言うと、電気スタンドの明かりを豆電球に切り換えた。
室内が暗くなったことで紀彦の気持ちはいくらか鎮まった。それでも胸の動悸は早鐘を打っているように速い。
「もう二人きりなんだから、誰にも遠慮することはないわ。わずかな時間だけど、私たち、恋人同士になるのよ。さあ、リラックスしましょうよ」
奈保子が着ているものをするすると脱ぎはじめた。紀彦の目の前である。狭い部屋なので、ほかに視線の向けようがない。紀彦は息を呑んで見守った。
白いブラジャーが現われた。小さな布切れに包まれた乳房は、いかにも量感豊かそうに揺れている。
奈保子はチラッと紀彦を見たが、何事もないようにブラジャーのフロントホックをはずした。紀彦は女の胸もとへ視線を向けていることに、ある種の後ろめたさを感じた。しかし、まるで催眠術にでもかけられたように視線が貼りついてしまい、離れようとしない。
奈保子は一刻の時間も惜しむかのようにスーッと立ちあがると、なんのためらいもなくスカートをとり、申しわけ程度に腰をおおっていたパンティも脱いでしまった。
ふさふさとした恥毛が、紀彦のすぐ目の前でそよいだような気がした。
「紀彦君といったわね、あなたが脱ぐ番よ」
奈保子がシャツに手をかけた。紀彦の肩がビクッと震えた。
紀彦は女体から立ち昇るほのかな匂いに酔いながら、すべてを女にまかせた。シャツを脱がされ、ジーンズに手がかかると、紀彦は不意にいたたまれない恥ずかしさを覚えた。そのときになって、ペニスがすでに痛いほど勃起していることに気づいたのだ。
女に見られることが、こんなに恥ずかしいなんて……。
催眠術から覚醒したように、思わず逃げ腰になった。
「だめ……私にまかせるの。いいわね」
岡部に連れられてこの家に来たときから、奈保子は親切な態度で接してくれている。
岡部があらかじめ、紀彦のために奈保子を選んでくれたようだ。岡部とペアになった千春という女は、奈保子と同じ二十一歳ということだったが、派手好きな感じで、紀彦にはどうも苦手のタイプだった。
「さあ、これでも触っていなさい」
奈保子に引き戻された紀彦は、乳房に手を導かれた。そのまろやかで微妙な感触にボーッとなって、つい握る手に力をこめてしまった。
「あーっ」
奈保子の声の甘さに、紀彦は切ないほど気持ちを揺さぶられた。紀彦が二十一歳の日々を送る全寮制の男子大学では、絶対に聞くことのできない声であった。
「あ、ごめん」
「そっとね……いい? これから女のどこに触るにしても、そっとやるのよ。これ、忘れないでね」
「はい」
「あら、いやだ。そんなに固くなっちゃだめ。さっきも言ったでしょう、リラックスしてって。さあ、脚を前に伸ばしなさい」
紀彦の脚が、言われた通り長々とシーツの上に伸びると、奈保子はジーンズの裾を力いっぱい引っぱった。自然と紀彦の両手は、ブリーフの前をおおっていた。
「みんな脱ぐのよ。私みたいに」
奈保子の手が紀彦の手首をつかんで、おおっている部分から遠ざけ、ブリーフを引きおろした。若々しい肉茎が宙をにらむように飛びだした。
「男らしいわ、とっても……」
奈保子のそのひとことが、若い紀彦の気持ちをおだやかなものにした。そして、大きな自信と励ましとなった。
奈保子は紀彦に体をあずけた。紀彦はその重みに耐えかねて、崩れるように横たわった。
奈保子の手が、今度は紀彦の手を下のほうへ導いた。どうしていいかわからず、少し湿りがちな陰毛の上に紀彦はただ手をのせていた。
「いろいろ触ってごらんなさい。女の体が少しずつわかってくるわ。見て、触って、それからあとは私にまかせるの。さあ、見ていいのよ」
そうまで言われても、紀彦はぎごちなく恥毛をまさぐるだけだ。
「恥ずかしがらないで……二人しかいないんだから。さっき言ったように、やさしくね。どんなことをしてもいいの。さあ、起きて。見るのよ」
奈保子の言葉にうながされて、紀彦はのろのろと起きあがった。起伏に富んだ女体を、言いようのない感動に衝き動かされながら観察した。奈保子が目を閉じたので、裸を見られているという恥ずかしさからは解放されていた。
二十一歳しか違わないのに、奈保子の体がとてつもなく年上のように感じられた。綺麗とか、美しいとかいう感覚ではなく、ただもう、すごいという感じである。ゆったりと左右にひろがった乳房に触っていると、心がなごんできた。
そっと触るんだな……。
そう気づかいながら両の乳房を交互に撫でていくうちに、紀彦は大きく目を見張った。乳暈に埋もれて目立たなかった乳首が、明らかに硬く尖ってきたのである。
人差し指の腹でそっとこすってみた。奈保子の体がゆったりとうねり、眉根に皺が寄る。
何かが起こりそうな気がした。だから紀彦は、慎重に何度も乳首をこすりあげた。
半開きになった奈保子の唇から、熱い溜め息がもれた。いつのまにか白い肌が赤く染まっている。
「もっとやって……変になってしまいそう……とってもいいの……」
少し震えを帯びた奈保子の声は、紀彦に自信と勇気を与えた。紀彦は辛抱強く単調な行為を繰りかえした。
「上手よ。その調子でやって……」
奈保子の手はもどかしそうに脇腹から腰骨のあたりを往復していたが、突然呻き声をあげると、自らの陰毛の上を撫でまわしはじめた。
それは少年の目に、このうえもなく淫らな光景に映った。しかも、少しずつ両脚の間隔が開いていく。
「あ、あの……そんなに気持ちいいの?」
そう聞かずにはいられない。声が震えた。
「そうよ、そうなの……ねえ、今度はここを触って。こっち……」
奈保子の手が恥毛を左右に分けた。大きく開いた両腿の間から、サーモンピンクの肉裂がはっきりと見えた。
「ここよ、ここ……早くして……」
紀彦の喉がゴクリと鳴った。複雑な女陰の構造を、好奇心いっぱいの少年はまばたきもせずに見つめた。
奈保子が切なそうな声をあげて、くねくねと陰阜を突きあげた。しなった淫肉の奥からトロリと愛液が溢れて、内腿を伝わる。
紀彦は自分の行為がもたらした結果に目を丸くした。奈保子は明らかに昴った状態になっているのだ。
身をかがめながら、裂けた肉の間に手を差し伸べた。つるりとすべるような感じが指先に伝わった。奈保子が甘い声をあげて体をうねらせる。
やさしく触れと言ってたな……。
そのことを念頭に置いたが、なにしろ生まれて初めての体験なので、指先に力が入ってしまう。しかし、そうしても奈保子は何も言わないばかりか、ときとして腰全体をガクッと振動させ、黄色い声をあげることさえある。
紀彦は何度か試行錯誤を繰りかえすうちに、どういうときに女が腰を跳ねあげたり、悩ましい声を出したりするのかに気がついた。指先が陰毛のすぐ下の小さな肉の突起に触れると、必ずといっていいほど奈保子は切なげに腰を揺さぶり、喘ぎ声を出す。
紀彦は首を折り曲げるようにして、その突起を見つめた。
「それ、クリトリスよ……」
突然、頭の向こうで奈保子の声がした。
ハッとして顔をあげると、奈保子が潤んだような目でこちらを見つめている。愚かな行為を見つけられたような気がして、紀彦はひどく恥ずかしい思いを味わった。
「ねえ、お願い。もっとよく見て……私、見られるととても興奮するのよ。さあ、もっと顔を近づけてのぞいてちょうだい。遠慮しなくていいの。さあ、よく見てよ。私、見てもらいたい!」
電気スタンドに手を伸ばした奈保子は、豆電球から再び普通の明かりに切り換え、はしたなく両脚を開いた。
恥ずかしいところを見てもらいたいだって?……
奈保子のその気持ちを理解するには、紀彦はあまりにも子供であった。理解できないまでも、奈保子の言葉に誘われるように、もっとよく見てみたいという強い欲求が頭をもたげてくる。
さいわい、奈保子はすぐにまた目を閉じてしまった。いかにもうっとりと酔っているという表情である。
紀彦はいつのまにか、奈保子の両膝の間に入りこんで腹這いになっていた。かすかに匂いがする。何の匂いかわからない。けれども何かに似ている気がした。
「見て……見てェ……」
奈保子の声に急かされて、紀彦は陰毛を指先で分けた。今度は肉の突起がはっきりと見えた。想像をはるかに超えた女の構造を直視しながら、紀彦はそれが現実のものだという気がしなかった。
夢を見ているんだ……。
そう思ったとき、いきなり伸びてきた奈保子の手が、後頭部を強い力で押さえつけた。それまで十センチと離れていなかった紀彦の顔は、そのまますっぽりと奈保子の女陰にかぶさった。
ゆるく溶かした糊のなかに顔を突っこんだような気がした。苦しさのあまり、思わず顔をあげようとしたとき、「舐めて! そこ、舐めてェ……気持ちよくってたまんないの。お願い、舐めて!」
くぐもった声がした。
「ねえ、早くゥ……」
奈保子の声に急かされるように、紀彦の舌は自然に動いた。
チーズだ……チーズの匂いに似てるんだ!……
そのときまで瞹眛だった匂いの正体が、ヴァギナを舐めたことで、はっきりと紀彦の鼻腔に甦った。
「あーっ、ああああっ……」
奈保子が興奮状態にあることは、絶え間なく発せられる悩ましい喘ぎ声で察することができた。
口のなかがすぐにベトついたが、少しも気にならない。それどころか、むしろその味は、紀彦にはとても好ましく思われた。
紀彦はふだんから、舌先が鼻の頭に届くという特技を持っている。その特徴ある長い舌が、奈保子の陰部のあちこちをまんべんなく這いまわった。
「ううっ、たまんないわ! そうよ、その調子よ……ああっ、イキそう!」
イキそうという言葉は初めて聞いたが、紀彦にはなんとなくその感じが理解できた。ひたすら舐めまくった。無我夢中だった。
奈保子の腰が跳ねた。紀彦は窒息寸前にまで追いこまれた。
奈保子の両脚が首に絡みつくと、紀彦は必死で振りほどき、女陰から顔をあげた。そこは濃厚な蜜の湧出で、水でもぶちまけたようにぐっしょり濡れそぼっていた。媚肉の粘膜が、まるで独立した生き物のように蠢いている。
「ごめんね、あんまりよかったものだから……」
奈保子はうっとりとした声で言い、「ここに入れていいわよ……私、今とっても入れてもらいたいの……さあ……」
てのひらで恥毛をくしけずり、上へ撫で揃えた。すっかり濡れていた黒い茂みは、まるで海苔のように恥丘に貼りつき、媚肉の淫裂がすべて丸見えになった。
「ここよ、ここ……さあ」
奈保子の指が濡れた裂け目を下から上へとなぞった。
誘われながらも紀彦は、どういう姿勢をとればいいのかさえ何もわからない。膝立ちして中腰になったが、勃起したペニスは奈保子の示した淫裂とは方向違いの上のほうを向いて、ピクピクと震えている。
「私の両側に手をついて」
言われるままに紀彦は両手をひろげて、奈保子の肩の左右についた。太腿と太腿がこすれるだけでも、肉棒は爆発しそうだった。
だが、まだ剛直はあらぬほうを向いて、肝心の割れ目にはほど遠い。ダラリとさがった玉袋が、かろうじて割れ目のあたりに触れていた。
「私が入れてあげる……いいと言ったら、ゆっくり押すのよ」
紀彦は極限の興奮状態のなかで、頼りなくうなずいた。奈保子の手が太腿をこすって、肉茎を握った。
「あああ……」
それだけで脳髄が痺れ、腰骨が砕けたように痙攣した。ペニスの先端部に何かヌルッとしたものが感じられた。
「いいわよ。押して」
だが、その声は一瞬にして遠くに消えた。ものすごい勢いで分身が爆ぜるのを、紀彦はぼんやりと自覚した。
「仕方ないわ。初めてなんですもの」
いたわるように抱かれながら、奈保子が耳もとで囁くのが聞こえた。
「ふいてあげるから、私からおりて、仰向けになるのよ」
数分間の余韻を楽しんでいると、奈保子が肩を叩いた。
電気スタンドの明かりの下で、赤ん坊のようにすべてをさらけだすのは恥ずかしかったが、その反面、母に甘えるような安らいだ気分にも浸った。
飛び散った樹液を奈保子がティッシュペーパーでふき清めるのを、紀彦は目を閉じながら感じとっていた。
「みんな外に出しちゃったのね」
目を閉じていることで、恥ずかしさが半減していた。だから、紀彦は思いきって聞いてみた。
「じゃ、入らなかったんだ?」
「ええ、残念だけれど。でも気にすることはないわ。あなたはまだ若いんだし……たいていの人がそうなのよ。あらあら、まだ出ているわ。綺麗にしましょうね」
まるで母親が子供に言い含めるように呟くと、奈保子は縮んだ肉茎をひょいとつまみあげ、根元から絞るようにして、出てきた残滓をティッシュでぬぐった。
「岡部さん、どうしたかな」
照れくささを隠すように、紀彦は自分をこの家に連れてきた上級生のことを口にした。
「あの人のことだもの、うまくやってるわよ。人のことなんか気にしなくていいわ。まだ一時間もあるのよ。ゆっくりしましょうね」
それはいきなりだった。奈保子の手でふき清められている分身が、たったいま放出したにもかかわらずムクッと立ちあがりかけたとき、もう生温かい奈保子の口腔におさまっていた。思ってもみなかった奈保子の行為に、紀彦は狼狽した。
しかし、その狼狽も、全身を揺るがすような鋭い快感の襲撃で、すぐにどこかへ吹き飛んでしまった。
なんていい気持ちなんだ……。
いきりたった分身が、すぐにも女の口のなかで溶けてしまいそうだ。
「あ、あーん……ハア……」
思わず女の子のような声を出して腰をいやらしく突きあげ、もっと強く吸ってほしいというように、奈保子の口に陰茎の根元までを夢中で送りこんでいた。
だが、その強烈で鋭い快感も長くはつづかなかった。奈保子が分身を口から解放してしまったからである。
二人の視線が交錯した。
「もっとやって……」
この家に来てから、紀彦がすすんで要求らしいことを口にしたのは、このときが最初であった。
「ええ、いくらでもやってあげるわ。でも……」
奈保子は言葉を切ると、ちょっといたずらっぽい笑みを浮かべた。
「またちゃんと入らないうちに出てしまうかもよ。それでもいいの?」
「大丈夫……今度は大丈夫だ。我慢するから、ね」
紀彦はそう言ったあとで、自分がひどく熱心にしゃべっていることに気づいた。
紀彦は、奈保子の言った「二人きりなんだから」という言葉を思いだし、恥ずかしくてもなんでもいいから、この際、自分の望むことはすべて言ってしまおうと心に決めた。拒否されてもともとである。それに、この奇妙な家に連れてきてもらうため、三万円を払っている。しかも、時間は二時間に限られているのだ。
奈保子はやさしく笑いながら、屹立したペニスをゆっくりと口に含んだ。
「あっ」
思わず声が出てしまう。それほど奈保子のやり方は巧妙であった。そのうえ、ふたつのボールを包んだ袋までデリケートな手つきでいじられると、体が女の子のようにくねくねとうねった。ぐんぐん内部から突きあげてくる熱いものがある。
まだ大丈夫……。
我慢できると紀彦は思った。
しかし、それは性にうとい少年の、甘い判断でしかなかった。
いきなり肉茎の表皮が奈保子の手によって思いっきり根元まで剥かれた。今度は言葉を発する暇もない。腰とその周辺が一挙に粉砕されるような痺れが生じたと思ったときには、肉棒がパッと弾けて、そのまま奈保子の口のなかに精液を噴射していた。
奈保子はそれをすべて吸引してしまった。まったく思いがけない新しい快感に身をゆだねて、紀彦はただ荒い呼吸を繰りかえすだけだった。
次第に勃起が萎えていくのに、奈保子の舌は肉茎に吸いついて、いっときも離れようとしない。はじめのうちは、うっとうしいようなくすぐったさがいやだったものの、それもほんの一分か二分ほどで、すぐに萎えたペニスから染みるような快感が噴きあげてきた。それは肉茎の芯を突き刺すような感じで、これまで以上に強烈で新鮮なものだった。呻き、喘ぎながら、紀彦は夢中でこの快感を取りこもうと踏んばった。
たび重なる放出のあとにもかかわらず、分身はたくましく甦った。
「硬いのねえ……とても立派よ」
一度口からこわばりを吐きだした奈保子は、感心した口調で言ってから、再びそれを咥えこんだ。根元のあたりをやさしい手つきで摩擦し、同時に咥えた部分を巧みに舌で舐めまわした。
「ふふふ。これでいいわ」
奈保子は上気した顔で、硬くなったペニスを見つめた。
紀彦は「もっと舐めて」と言いたかったが、あまりにも欲ばりに思われそうなので、その言葉を無理やり喉の奥に封じこめた。次はどんなことが起こるのだろうかと、ドキドキしながら奈保子の表情を見つめる。
「絶対にあわてないこと……いいわね」
奈保子のその言葉は、また何か新しい驚きが起こることを予感させた。はやる気持ちを抑えながら、紀彦はさりげなくうなずいた。
「あなたはじっとしていればいいから」
奈保子は期待を抱かせるように謎めいた微笑みを向け、立ちあがった。
紀彦は女体を真下から振り仰ぐ格好になった。年のわりには幼く見える表情や、なだらかな肩のラインに較べ、腰から下が大きく張って、いかにも圧倒的である。紀彦はワクワクしながら、次の奈保子の行動を心待ちにした。
「ジロジロ見ちゃ、いやよ……」
奈保子はほんのり羞じらいの色を浮かべながら両手で股間を隠すと、紀彦の体の上をまたいで、両脚で少年の脇腹のあたりを挟みつけるようにした。
視線をあげた紀彦は、奈保子の両手のさらに下の部分に、赤い亀裂が走っているのをはっきりと見た。
「ねえ……」
思わず意気ごんだ。
なあに?……と言うように、奈保子が小首を傾げる。
「その手をどけて」
「まあ……」
それは、本気で呆れている声とは異質のものであった。やんちゃ坊主のいたずらを、好意的な眼差しで見る母親の趣きがあった。
「ねえ、どけてったらァ」
奈保子の好意を本能的に感じ取った紀彦は、甘えたなかにも少し強い調子をこめて迫った。
「もう、しようのない子ね」
そうは言ったものの、奈保子は初めから見せるつもりであった。マジシャンのようにもったいぶった表情をしながら、奈保子はゆっくりと両手を股間からはずした。
それは、下から仰ぎ見た少年を驚かせるに充分な構図であった。
紀彦は息を呑んだ。
紀彦の表情に、むしろ奈保子のほうが柄にもなく羞じらいの色を浮かべた。
「やだァ、そんな顔しないでよォ」
「え……ああ……」
こわばった紀彦の顔には、作り笑いさえ浮かばなかった。
「そうやって見ると、なんだかとても変な感じじゃない?」
腰をもじもじさせながら、奈保子は自分でも首を曲げてのぞきこむような仕草をした。
「なんだか、とても大きく見えるよ」
女性器が想像していた以上に大きいことを、紀彦はこのときになって初めて知った。
「そうね。赤ん坊が出てくるところですもの」
紀彦は奈保子の弁解がましい言葉に、赤い裂け目から赤ん坊の頭が飛びだしているシーンを頭に思い浮かべ、思わずブルブルッと身震いした。
「あら、怖くなんかないわよ」
明るい奈保子の声に、そんなつもりじゃないというように、紀彦はあわてて首を振った。
そうさ。ちっとも怖いところなんかじゃないんだ。夢にまで見た、憧れの対象じゃないか……。
紀彦は、どちらかといえば決して美しくは見えない女陰の魔力のようなものを、そのときはっきりと感じた。
「もういいわね。さあ、今度は落ち着いてやりましょうね」
やるという言葉は端的であり、きわめて煽情的に紀彦には聞こえた。
そのまま便器にでもしゃがむようにして、奈保子が腰を落とした。一瞬、パックリと割れた肉裂が、新鮮な衝撃を紀彦にもたらした。
奈保子は肉路の入口に、つかんだペニスの先端を導き、あてがった。
まるで他人の情事をのぞきこむように、紀彦は目を凝らして、生温い女体に包まれる自分のペニスを見つめた。スーッと入っていく。
しかし、女肉に囲まれた剛直に心地よい摩擦感が生じると、もう紀彦は落ち着いていられなくなった。夢中で奈保子の張りだした腰をつかみ、グイッと引き寄せた。奈保子の恥毛と自身の恥毛が絡み合い、性器のあらゆる部分がピタリと密着した。
さっきのような一気に昇りつめるほどの切迫感はないが、ジーンと快感がゆっくりと全身にひろがっていく。
「どう、感じは?」
ゆったりと腰をうねらせ、奈保子もまた赤い顔をして喘ぎながら聞いた。
「気持ちいいよ」
ほかに適当な言葉がない。
紀彦はより強い接触感を求めて腰を突きあげた。それは本能によって衝き動かされた仕草にほかならない。
「私もよ。とってもいいの。うんと楽しみましょうね……あー、いいっ」
奈保子は左手の指でクリトリスをいじっていた。ペニスを挿入されながら、自らクリトリス・オナニーをしている……。それは少年にとってあまりにも淫らで、刺激的な光景だった。
急激に噴きあげる予感がした。
「あー、また出そうだ」
今度はそれを告げるだけの余裕があった。しかし、腰骨を痺れさせた快感の波は、体の隅々にまでぐんぐんと拡大していった。
「まだ出さないで……待って! 私と一緒にイッて!」
奈保子の汗ばんだ表情を、紀彦は今までに見たいちばん美しい顔だと思った。そして、奈保子と一緒にイキたいと、痛切に思った。
奈保子の腰の動きがいちだんと速くなった。円を描いているときはそうでもなかったが、上下運動をはじめると、膣口からペニスの一部が見え隠れする。
紀彦はそのときに生じる、ぶよぶよという淫水の弾ける音を聞くと、もう我慢できなかった。
「あーっ、ぼく、出ちゃう!」
気ばって腰をブリッジ状に持ちあげた。
奈保子が押しつけるように腰を落とす。
分身の先にコリッとしたものがあたった。
「いいっ! 出してっ! イクわ……私、イッちゃうゥ! いっぱい出してーっ!!」
初めて聞く奈保子の絶叫だった。何か熱いものが分身に浴びせられ、まわりがギリギリと絞りあげられた。
その瞬間、紀彦は白いスペルマをしたたかに吐きだした。奈保子の声が間遠くなった気がした。
童貞喪失がこうしてきわめて順調に終わったころ、衝撃的な事件が発生していたことを紀彦は知る由もなかった。
第二章 彩子叔母、深夜の倒錯自慰
男になった歓びの余韻を引きずりながら、夕方近くになって寮へ戻った紀彦は、いつもよりさらに厳しい表情をした寮監に呼ばれて、寮監室に入った。
日曜日だったし、門限より二時間近くも早く帰ってきたので、注意されるようなことは何もない。一緒に戻った岡部が呼ばれないところをみると、どうやら個人的な用件らしい。
「すぐにここへ行きなさい」
体育教師でもある中年の寮監は、紀彦に一枚のメモ用紙を渡した。神奈川県下の、ある総合病院の所在地と電話番号、それに病室が記入してある。
怪訝そうに寮監を見た紀彦の耳に、「ご両親が交通事故に巻きこまれて……」
重く沈んだ声が聞こえた。
「父や母はどうなんですか!」
そのとき、紀彦はもう立ちあがっていた。
「詳しいことは何ひとつわからない。ともかく早く行きなさい」
病院に着くまで、紀彦はそれまで信じたことのない神に必死で祈りつづけた。
近代的な病院だった。病院特有の匂いがない。紀彦がナースステーションで来意を告げると、若い看護婦が緊張した面持ちで立ちあがった。
「あの……どうなんですか」
病室へ行く途中で紀彦が聞いても、看護婦は「担当ではないので、わかりません」と言葉少なに言うだけだった。
病室の前に顔見知りの人たちが立っているのが見えた。
そのなかから、紀彦に真っ先に気づいた叔母の知亜希が走り寄ってきた。
「お父さんは、どう? なんでもないんだよね」
不安を払拭するように、紀彦は大きな声を出した。知亜希は父の妹だった。叔母の目は真っ赤に充血していた。
「ねえ、どうなの?」
紀彦の胸のなかに、言いしれぬ不安が衝きあげてきた。
知亜希はいきなり紀彦を抱きしめた。ふわっとした胸が震えている。
「まさか
!?
……」
紀彦は叔母を突き離すようにして、まともに顔を見た。
「たった今……」
その声が終わらないうちに、紀彦は病室に向かって駆けだした。
廊下に立っている人たちは、紀彦のあとを追おうともせず、押し黙って顔を伏せた。
病室に飛びこむと、母の体にすがって叔母の彩子が激しく泣きじゃくっていた。彩子は母の妹である。
ふたつ並んだベッドの周囲の空気は凍るように冷たかった。人々の慰めの言葉も、紀彦の耳には入らなかった。父と母、どちらの遺体に寄っていいのかもわからず、紀彦は彫像のように立ちつくした。
葬儀から初七日まで、紀彦は抜け殻のように暮らしていた。一人っ子の紀彦が頼れるのは、知亜希と彩子の二人の叔母だけだった。すべては、二人の叔母が代行した。
両親の交通事故の原因は相手方であるテレビ局のロケバスの不注意で、相当額の金が支払われることになった。それもすべて叔母たちが交渉にあたった。
事故が契機となって、紀彦は寮生活に別れを告げることになった。それは事情を持った生徒だけにとられる特例措置で、全校に数人しかいなかった。
それまで父母しか住んでいなかった北青山の古くて広い二階家に紀彦が戻り、彩子が吉祥寺のマンション生活を切りあげて移ってきた。勤務先のテレビ局に近いということもあったが、一人残された紀彦のこまごまとした面倒を見るというのが最も大きな理由だった。
しかし、現実には、人気ニュースキャスターである彩子の生活はきわめて多忙で、不規則だった。彩子は二十八歳という若さにもかかわらず、その美貌と知性が評判を呼んで、ニュースキャスターとして着実な地歩を築きつつあった。
そこで、近所の和江という小母さんが食事と洗濯や掃除の世話をしてくれることになった。和江は住みこみでもいいと言ってくれたが、家は歩いても十分ほどのところにあるのだからと断った。何よりも彩子が、孤独な紀彦との絆を深めたいという希望を持っていたので、必要以上に他人が二人の生活のなかに入りこむのを嫌ったのである。
彩子は時間の許す限り紀彦の相手をした。
紀彦の暗さは彩子の努力で一日ごとに薄れていった。
父方の叔母である知亜希も、紀彦の生活と将来に関しては彩子以上のこだわりと責任を感じていた。
もともと北青山の家は、知亜希が生まれて育った場所でもある。そこから歩いて十四、五分ほどのところにあるA大学を卒業するまで、二十二年間をすごした、深い馴染みと愛着のある家である。彼女がアメリカ人の貿易商と結婚したあとでも、兄である紀彦の父は、知亜希の部屋をそのまま残し、里帰りしたときにはいつでも使えるよう、何も手を加えなかったほどである。
不幸にしてアメリカでの結婚生活に破れて二年前に帰国したとき、兄は家で一緒に生活するようにすすめたが、莫大な慰謝料を受け取った知亜希は、数年は一人で気ままに暮らしたいからと、赤坂の一等地にあるマンションの一室を購入し、そこで生活するようになった。
知亜希も彩子以上によく紀彦の面倒を見た。毎日のように北青山の家を訪れては、何かにつけて紀彦の良き相談相手になった。
知亜希の頭のなかでは、将来、叔母と甥という関係からさらに一歩進んで、紀彦を養子縁組したいという気持ちが芽生えていた。一生食べていけるだけの財産はある。紀彦が一人前になるまで面倒を見ることは、叔母という立場上、当然の義務と思っているし、死んだ兄に対する供養とも考えていた。
それに、自分が再婚するしないにかかわらず、小さいときから世話をしてきた紀彦を手もとに置きたいという気持ちを抱いていた。ただ、現在の状況では、彩子の気持ちがはかりかねたので、その件についてはもう少し紀彦が成長してから切りだすつもりであった。
二人の叔母の努力によって、紀彦の気持ちは少しずつ明るさを取り戻していった。自分を可愛がってくれたテニス部の先輩である岡部が、父親の転勤で九州にある兄弟校に転校したのが、唯一、紀彦を悲しませた出来事であった。
「紀彦さんも淋しいでしょうけど、またお母さんができたようなものだから、早く元気になってくださいね」
和江は二人の面倒見のいい叔母のことをそういう言葉で表現した。
確かに両親のいない淋しさはいつの場合にもついてまわったが、それとはまったく別の華やいだ雰囲気が、この北青山の古い神村家に入りこんだ。とりわけ、同居する彩子の存在、である。男子生徒だけの寮生活に馴らされた鼻腔に、香水と女だけが発散する独特の匂いが漂うと、男の本能が思いがけないときに突出して、紀彦をとまどいの淵へと追いやるのだった。
年末年始の特別番組もすべて終了して、その日、彩子はスタッフだけの簡単な打ちあげパーティでほろ酔い気分で帰宅した。時間は十一時をすぎていた。
彩子は帰宅すると、必ずといっていいほど紀彦の部屋を訪問した。起きていようが寝ていようが、可愛い甥の顔を見るのは日常の習慣となっていた。
もう寝てしまったかしら……。
彩子は軽くドアをノックした。返事はない。そっとドアを開けてのぞくと、ベッド脇のフロアスタンドの大きな明かりが点いたままになっている。
紀彦はぐっすり眠りこんでいた。寝顔があどけない。
いつも紀彦が部屋を暗くして眠ることを知っている彩子は、足音を殺してベッドに近づいた。
スタンドのスイッチに指を伸ばしかけて、彩子はハッと身をすくませた。枕もとに大版の写真集があり、開いたままのページには、天下を騒がせた美少女タレントのヌードが載っていた。彩子自身、職業上知っておくべき範囲のものという名目で、番組のスタッフから見せられたことのある写真集だった。しかもそのページだけに、美少女に似つかわしくない黒々とした恥毛がはっきりと写っていた。
見てはいけないものを見てしまったという、一種の後ろめたさを感じながら、彩子はきびすをかえそうとした。そのときベッドのすぐ下に落ちている白いものを踏んだ。足の裏にぐしゃっと冷たいものがこびりついた。
かがんだ彩子は、白いものがブリーフであることを知り、さらに、そこに付着した粘液状のものが男の欲望のしるしであることを、その独特な匂いで敏感に嗅ぎとった。目の前のあどけなさの残る顔が、にわかに欲望に膨らんだ生臭い男のものに見えた。
紀彦が美少女のヌード写真を見ながら何をしたかは明白だった。
オナニーをしたんだわ、紀彦ったら……。
気持ちも体も震えながら、彩子は何ひとつ手を加えずにその場から離れた。
酔っていたので、気分の昴りも早い。あの精液特有のきつい匂いが鼻腔の粘膜にこびりついて、なかなか消えなかった。
まだネンネだとばかり思っていた甥の隠された秘密を垣間見たことで、彩子の脳裏に、ようやく忘れ去ろうとしていた一年前までの恋人の面影が鮮烈に甦った。
彩子とその男との関係は、四年近くにもわたってつづいた。彩子はその男から女の悦びを教えられた。その彼に、籍こそ入っていないが、妻同然の女と子供までいたことを知った彩子は、ちょうど仕事が軌道に乗って面白くなってきたこともあって、断腸の思いで別れる決心をしたのだった。
だが、一度覚えた肉の悦びは、男の面影がほとんど消えかかったあとにも、決して消滅することはなかった。生理のときに男の求めに応じてあげることができず、フェラチオし、精液を呑みくだしたことが何度かあった。そのときの強烈な匂いが今、彩子の体にしっかりと甦った。
彩子はあわててブランデーをあおった。酔うことですべてを忘れようとした。しかし、これがかえっていけなかった。淫らな妄想が次から次へと現われ、頭のなかを満たしていくのだ。
恋人のペニスをやさしく握りしめて、求められるままに摩擦すると、彼は子供のように甘えた仕草で下半身をくねらせ、白いものを目の前でほとばしらせる。
そのときの姿に、紀彦がダブった。すると孤独な戯れに没頭する甥が、不意に哀れに思えてきた。
いつから大人の世界に足を踏み入れていたのかしら……。
彩子はハッとした。女陰が恥ずかしいほど熱く火照り、すでにじっとりと潤んでいることに気づいたのである。
どうかしているわ……。
彩子はよろめきながら浴室に向かった。
よじれた股間に、ベタッとパンティが貼りついていた。
こんなに濡れたなんて……。
久しぶりのことである。脱衣場でパンティのクロッチ部分を詳しく調べた。明らかに愛液と断定できる粘り気のある汁にまみれていた。
自分の体が、久しく遠ざかっていた男を求めていることに気づいた彩子は、あわててパンティを洗濯機に放りこんだ。しかし、すぐに思い直して引きあげると、浴室のなかに持ちこんだ。
丁寧に汚れた箇所を洗っているうちに、また下腹部が疼きだした。その段階で彩子は、次にすることをはっきりと決めた。
こんなに欲しがっているんだもの……。
ニュースキャスターという堅い仕事に徹していても、やはり生身の女である。
オナニーしよう!……
そう決めた瞬間から、彩子は言いようのない淫らな気分に浸っている自分に気づいた。思いっきり溺れたかった。
指先を濡れた股間に這わせた。全身がガクンッと揺れた。感じやすくなっている。
人差し指と中指で、敏感な突起をくるんだ薄い包皮を剥いた。その刺激だけで子宮が疼き、膣肉が心地よさそうに震えた。
どこからともなく生温いものが、火照った膣口の裏側に溜まった。粘膜を外側にひろげると、溜まった蜜液がスーッと外に流れた。タイルの上に、一滴また一滴と落ちていく。
驚いたことに、脳裏に映しだされたのは別れた恋人ではなく、まだ見たこともない紀彦の若い肉茎だった。ツクシンボウのようにピンッと背筋を伸ばして天に向いている。その幻影は、追い払っても追い払っても、決して脳裏から去ろうとしなかった。
彩子は久しぶりの自慰を心ゆくまで楽しみ、味わうつもりだった。だから、決してオナニーを覚えたばかりの学生や大学生のように、性急にはならなかった。
知性と教養にあふれ、美貌のニュースキャスターとして人気の自分が、深夜の浴室で秘めやかな行為にどっぷりと浸っている……。そういう淫蕩な感じが彩子は好きだった。
「淋しいのよ、私だって……」
壁面にはめこまれた鏡に向かって呟いた。
この鏡がテレビ画面になって、そこに映しだされた自分が、ニュースの時間にいきなりそう言ったら……。
その妄想は彩子の淫らな気分をいっそう昴揚させ、性感帯を快く揺さぶった。二本の指は溢れでた愛液でぐちょぐちょに濡れた。
私は、こんなにしたがっている……やりたいの、やりたいの、やりたいのよ!……
心のなかで叫びつづけていると、身も心も娼婦のように淫乱になっていくのがわかる。
彩子は鏡のなかの自分と淫らさを競い合うように、バスタブの縁に腰かけて大きく両脚を開いていった。
誰も見ていないんですもの……。
安心感が二十八歳の女を大胆にさせた。
この十分ほど前、紀彦はオナニーのあとの睡魔からようやく解放されて、目を覚ましていた。少年は部屋のなかに彩子の残り香が漂っているのに気づいて愕然とした。
開いたままの美少女タレントの全裸ヌード写真集や、ベッドの脚もと近くに脱ぎ捨てたままにした精液まみれのブリーフ。一連の秘めやかな行為の歴然たる証拠は、部屋に入ってきた者なら誰だって気づかずにはおかないだろう。
彩子さんに見られてしまった……。
紀彦は絶望的な気持ちになって、頭をかかえこんだ。
同時に紀彦は、我慢できないほどの尿意をもよおしていた。
彩子さんがまだ起きていたら、顔を見られてしまう……ええい、知らん顔でとおしてしまえ!……
紀彦は耐えられずに階下のトイレにおりていった。
突きあたりにある浴室の明かりが点いている。それは、まだ彩子が起きているということを意味していた。
紀彦は音をたてないように用をすませると、水を流さず外に出た。
そのとき、浴室から彩子の声がした。紀彦はギョッとして暗い廊下にたたずみ、耳をすました。
誰
!?
誰かが彩子さんと一緒に風呂に入っている
!?
……
全身に緊張感が走り、膝がガクガク震えはじめた。廊下にしゃがみこんで、震えがとまるのを待つうち、紀彦の頭に恐ろしい考えが湧きあがってきた。
いま叔母が浴室に一緒に入っている相手が男だとしたら、それを確認することで、オナニーしているのを知られてしまった引け目から立ち直ることができる。つまり、人に知られたくない秘密を共有することで、叔母と対等になれるのだ。
紀彦はその考えに勇気づけられた。
若く美しい叔母には、言い寄る男もきっと多いに違いない。彩子の姉である母が生前、『あれこれ目移りしているうちに、婚期を逃がしてしまうかもしれない』
よくそう言っていたものだ。男を連れこんで不思議はない。
よし、確かめよう!……
不思議と体震えはおさまっていた。紀彦は立ちあがると、ゆっくり脱衣室に近づいた。夜中という安心感からか、廊下との仕切りのガラス戸は開け放しになっていた。
すぐ向こうに、脱衣室と浴室を仕切るもうひとつのガラス戸がある。曇りガラスだが、湯気に濡れて、彩子の姿がかなりはっきりと浮かびあがっていた。
叔母はバスタブの縁に腰かけている。ほかに人影はない。叔母の裸身がかすかに揺らめいていた。
なんだ、一人じゃないか……。
失望した瞬間、彩子の声が聞こえてきた。
「ほら、こんなに欲しがっているというのに……」
確かに彩子はそう言い、顔を天井へ向けた。それまでかすかに動いていた肩が、激しく上下した。
「いいわっ……あーっ、いい……イキそうよっ……」
紀彦の脳裏に、初体験の相手だった奈保子という女の、切羽つまった悦びの声が甦った。
あの人も同じことを言った
!!
……
「あーっ、あーっ……イクウッ!」
彩子の動きがとまった。
紀彦はこのときになって、やっと彩子が何をしていたかを理解した。
オナニーだ。彩子さんはオナニーをしていたんだ……ぼくと同じことを……。
興奮とともに、連帯感のようなものを感じた。
曇りガラスの向こうでは、彩子がタイル貼りのフロアにずるずると崩れ落ちるのが見えた。
紀彦は慎重な足どりで部屋に戻ると、さっきから痛いほど屹立しているペニスを取りだし、激しくこすりたてた。かたわらにある美少女タレントのヌード写真集には目もくれずに、ひたすら彩子の全裸オナニーを思い浮かべて……。
爆発寸前になると、そのイメージは、自分の体の下で悶え狂い、「イクッ、イクッ」と叫ぶ姿へとエスカレートしていった。
二人の叔母・淫の血脈 第一章 性の魔宮に魅せられた少年 ~ 第二章 彩子叔母、深夜の倒錯自慰 (1/5)
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