奴隷牧場10 物色 【小説奴隷牧場】 第3部分 (3/3)
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四曲目でクリトリスも剥いてお見せする。いや、本当は三曲目で、性器を拡げるときにクリトリスも自分で剥けと言われたかもしれない。ここではクリトリスを触ってオナニーしてもよい、と言われたのだった。
今さらどうすることも出来ず、ここで有香は右の親指でクリトリスの皮剥きをして、敏感な突起を剥き出しにして見せた。
性器を拡げる以上の独特の恥ずかしさと、いよいよスロートに入ったユウコのテクニックを真剣に見ていることで、自分自身の興奮もよくわかっていたが、さすがに副店長が言ったように、オナニーまでは出来なかった。
多分、他の子だってわざわざそこでオナニーを、クリトリスを擦って見せるのは恥ずかしいだろうと思う。
ところが有香の後方のあちこちから、微かに女の喘ぎ声が聴こえてきた。副店長の言うとおり、自分で触っている女がいるということか。全部で二十四のひしめき合った席のそれぞれで、淫靡なことが行われ、部屋の空気がますます濃密で桃色がかったものになっていく気がする。
ユウコは口だけを使うスロート、それもアヤードの巨根をほぼ丸呑みしているためかなり口元をパンパンにしながら、速度をあげつつあった。この子のテクニックが本当に凄いと思ったのは、一番深く飲み込んだ時に、舌を口から出して玉の方まで舐めようとするかのように動かせることであった。極太のアヤードのものを呑み込んでいるにも関わらずである。
上下のスロートの際にも、口の中で舌が自在に動いているようだ。
五曲目になった。
ユウコは乳房を揉んでいるアヤードの手を握り、股間へと導いた。そうしておいて、左足を高く自分のソファの背もたれにあげて足を開く。
有香からもユウコの割れ目にアヤードの野太い指がずぶずぶと挿入されていくのが白い尻の間に見て取れた。
こんな風に、指まで入れさせるのだ。
有香は思わず、自分がこれを見てどうなっているか確認してみたくなってしまい、薬指を中心部に持っていく。案の定そこはしとどに濡れている。
一気にユウコのディープスロートの振幅度があがり、高速になったと思った瞬間から三十秒とかからずアヤードを射精まで追い込んでいた。
「ふぅーー」
まるで自分が射精させたかのようにため息が出てしまう。
そこでアヤードを見つめると、ニヤリと笑い返してきて、それまでユウコの穴をほじくり返していた右手の指を抜いて、わざわざ有香に親指と人差指で丸を作って見せる。
非常にグッドだ。アヤードの目がそう言っていた。
ユウコもこちら側に終了の合図をアヤードと同じ仕草で送ってきたため、有香はようやく拡げていた性器の指を開放して、ゆっくり足を閉じた。
五
十月八日
三田村病院
「それで結局、何回射精したの」
千葉の三田村病院に向かう車の後部座席に、アヤードを挟んで座っている美樹が英語で尋ねた。
車に乗り込んですぐに、有香はアヤードのズボンとトランクスを膝まで下ろし、フェラチオを続けていた。
「射精させない程度に楽しませてあげて。病院着いてから、女優さんか娘に思いっきり中出しさせてあげたいから」
と、美樹に言われていた。
「二回、二回。最初の女と、三番目のミタムラが自慢する優菜という凄いテクニックの女のね」
「あら、普通ね」
「二人目の女は、ビックビックと驚いたように言ってて、口に入れると歯が当たってね。まあ舐め上手だったし、昨日同行してくれたミタムラの新しい秘書のあそこをじっくり見て、休憩とウォーミングアップをしたよ」
「で、三人目。優菜で満足出来たということね」
エスタブリッシュメント倶楽部の入会基準とやらによって、このところ巨根のそれしか見ていない有香にとってはそれが当たり前になってしまっているが、そういう規制のないあのお店ではアヤードほどの男根はむしろ少数派なのだろう。
有香の方は、二人目に「見世物」で付いた男に、三サイクル目で「サービス」をさせられていた。当初の予定にはなかったことだが、その客は実はピンクサロン「天使牧場」の責任者だという大野という男だったのだ。
有香を相手にすると、大抵の客はその「噂」を試したくて女性器を使用して射精するから、口で精液を受けたのは久しぶりのことだった。ルール通りの「時間」で射精に導けたことに安堵し、自分も満足出来た。
「飲みこまずに手洗いに行って、出してきてください。三サイクル目は客を見送るためにもう一度席に戻って来て下さい。まあ私は帰りませんが」
という大野の言葉に、精液を口に含んだままお手洗いの場所まで裸で歩いた。
滅多に口に射精されることのない有香だったが、口に出された場合に飲んではいけないと言われたのは初めてのことだ。過去に口に射精された場合は、その全てを飲み込んできた。そうすることが奴隷として当たり前だったし、膣に出された精液を掻きだして飲まされることは日常茶飯事なのだ。
吐き出すことを前提に口の中に貯めながら、ソファに座る客の目の前を、お尻を視姦されることを意識しながら歩いた。
全く経験のない、不思議な状況だ。
彩都沙に聞いた通り、口に含んだ精液は、トイレに入ってすぐの洗面のところに立っていた女性がビーカーで集めていた。
三人ほど並んでいる店の女の子たちを見てピンときたのは、たまに「浣腸用」だの「飲精の練習用」だと言って持ち込まれる白濁し強烈なにおいを放つ大量の「本物の精液」の出処がここだったのだ、ということだ。
女の子たちは、順番が来るとまず最初に口を開けさせられて、確認を受けた上でビーカーにその液体を吐き出す。無駄にヨダレなどで薄まっていないかを確認しているのだろうか。
「あら、新人なの。はい、口開けてね…、あ、はいいいわよ、出して」
随分と優しげな雰囲気を持った女性だった。三田村会長の配下の運営側の女には見かけない珍しいタイプかもしれない。
大抵は自分もマゾで、何でもさせられている、出来る、その代わりに他の女にも容赦がない。そういうタイプが多い気がする。
「あの子のフェラチオは本当に凄い。舌も口唇も喉も常に総動員してくる、まさに極上の性器だ。フェラチオだけの娼婦は日本だけという話を昨日もしたが、プロフェッショナルというのは、こんなに凄いものなのかと感心したよ」
「日本は、元々おまんこ使うのは非合法だからね」
「いやいや、これは素晴らしい文化だ。非合法であるが故に素晴らしい成果が上がっているということなんだろう。なにごとも制約というのは、発明を生む素晴らしい母なのかもしれんね」
アヤードと美樹の夫婦が話し続けている間も、有香はゆるゆるとその「フェラチオ奉仕」を続けている。優菜には及ばぬであろうが、そこそこの自信もある。
車は既に山道に入っており、まもなく三田村病院に到着するだろう。
「あの二人もいい親子丼が楽しめそうよね。有香さん、紫織ちゃん母娘に負けないくらい…。しかも娘の方は生意気だけど、マゾとしてはエレーナ好みの痛いの大好きマゾちゃんのようだしね」
美樹がそう日本語で言った。
「向こうの病棟を含めて、ナース全員集めなさい」
美樹が、整形科病棟の「主任」と書かれた名札をつけている女に命じた。
三田村病院整形科病棟。
有香は少し前に、元芸能人アイドルタレントからAV女優に転身させられた朝比奈梨乃の母親役としてAVに出演したことがある。その時に、ここの病棟の広めの部屋で撮影を経験しているのだが、モハメド・ジェイ・アヤードが案内されたその部屋は、さらに広くて豪華で、ホテルでいうならばロイヤルスイートルームというような部屋だった。
「そういや、昨日日本の科学者がノーベル賞を受賞したようだな」
アヤードは全然関係のない話を唐突に美樹にしている。
「あらそうなの。夕方まで貴方にお付き合いして、帰ったら息子の世話。ママしてると、テレビなんてゆっくり見てる暇、全然ないわ」
「ミタムラが開発させている新薬にしてもそうだが、日本人の頭脳は素晴らしいものがある」
ふーん、と鼻白む美樹に
「向こうで使っていたようにベビーシッター付ければいいじゃないか。ダイスケは日本の学校には慣れたのか」
と、アヤードは美樹の私生活の方に話題を変えた。
「うーーん、日本人のメイドさんってちょっと面倒なのよね。向こうで使ってた女の子ナズリとかそういう意味では本当によかったわあ」
「じゃあ呼び寄せればいいだろう。本人だって日本で君のもとで暮らせるのは喜ぶんじゃないのか。ダイスケのことも可愛がっていたんだろう。君だって随分とかわいがっていた筈だが」
「お舐めは上手だったわね、確かに」
夫婦の会話といえばそれまでだが、やはり普通とはだいぶ違う特殊な関係なのだ。
「メイドといえば、今日から明後日までこのお部屋に泊まって…いえ入院していただきますけれども、お世話をする専属のナースを二人付けますから、今から来る子たちの中から選んで頂戴。使ってみてダメだと思ったら、遠慮なく申し出てくれれば何人でも交換していいし、もちろんダメ出しされた女の子はしっかりお仕置きするから、まあせいぜい使い倒して楽しんでね」
休んでいる子もいるのだろうが、二十人近い若いナースたちがずらりと並ぶ。その人数が入っても狭いという感じがしない部屋というのが凄い。
「君やユカでもいいのか」
「わたしたちじゃ面白くないでしょう。あ、それから誰エレーナまで呼んだのは。貴女はこっち来てなさい」
白衣を着たナースたちの横に並びかけた、ひとりだけ黒のスーツを着こなしたロシアの女を美樹はそばに呼び寄せた。
「どっちみち私も副婦長も折につけ貴方のお世話はします。それよりももっと若くてかわいい子をお選び遊ばせ。それとアヤード紹介しておくわ。うちの拷問担当のエレーナ。会長から話は聞いているわよね」
エレーナの方から右手を出して、ふたりは握手を交わす。中東とロシア、それぞれに挨拶のしかたもあるのだろうが、握手は万国共通なのだろう。
「遅れてすまん」
さらにもう一人部屋に背の高い男が入ってきた。
「私の話をちゃんと聞いてるの。ナースを呼びなさいと言ったのよナースを。エレーナまではともかくとして、王保さん呼んでどうするの。後からちゃんとこっちから連れていくわよ」
「まあまあ、いいじゃないか。うちの部屋にも看護婦ちゃんの招集が来たので、僕の方から勝手に付いて来たってことで。三田村の親友なんだろう。ならば僕だって挨拶のひとつくらいはするさ」
肛門科の医師王保とアヤードも握手を交わし、その後でこちらは何故か男同士抱き合って背中をぽんぽんと叩き合った。これが中東の本来の挨拶なのだろうか。
「ええと、これで今日出勤している全員」
「はいっ」
女たちの何人かが同時に返事をした。
「じゃあここからふたり、取り敢えず選んで頂戴」
美樹が夫でもあるアヤードに、含み笑いをしながら言う。
「今はズブズブの新人もいないし、技術的にこの子はヒドイわって子もひとりもいない。どっちにしたって三日間で何人交換してもいいんだし。気に入ったらその子たちを三日間、使い倒すもよし、片方だけ交換するもよし。といっても、こっちの方はナース以外にも使い勝手のいい患者だっているし、今回の目玉商品の女優母娘とも当然やらないとだしね。忙しいわね」
こっちの方は、と言う時に美樹は口元に握った右手を持って行き、軽く握って上下する動作を示してみせた。
「その子とあの子、胸見せてもらってもいいかな」
「あらあら。いつからおっぱいにそんなに
拘
るようになったんだか」
美樹は日本語で言った。
アヤードの指名を受けたのは、整形科のナースの一番若く見える髪の長い子と、今はショートヘアにしている姪の麻衣だった。
二人は素直に白衣の前ボタンを外して乳房を露出する。
白衣の下はノーブラ、というよりもナースたちは基本、素っ裸に白衣を纏っているのだ。白衣を着る時の婦長以外はストッキングすら履いていないのが普通だった。
ふたりとも細い割にはふっくらとした乳をしている。麻衣の方は、夏の休暇分とか言って先日一週間の休みを取って、グアムに行ってきたばかりで、焼いていない白い顔と水着に覆われていたと思われる乳房の中心を除いては、小麦色に日焼けしていた。もうひとりの子は、身体も色白でふたり並ばせるとなかなかのコントラストだ。
「いいね。このふたりをそれでは遠慮なくお借りするよ。それでここでは入院した場合は…」
「あら、なんにもないわよ。患者としてはね。どこか整形したいところがあれば、明日にも超一流どころの医師を用意しますけど、ないわよね。ここはエスタブリッシュメントホテルのリゾートタイプと思っていただければいいわ。サディスト様にとっては極上のサービス付きのね」
アヤードは、歯科医院では実際に検査も受けたために質問したのだろうが、妻の美樹は一蹴した。
「ちょうど娘のほうも生理でね。昨日から私の部屋に来ているわ。ママの方も一昨日、ショーの途中で生理になったらしいわね。まだ三日目でどばどば血が出てるから、大切なお客様がメンスの女がお嫌いじゃなければいいのだけれど」
エレーナがアヤードにもわかるようにだろう、英語で美樹に言っている。
整形科病棟から精神科病棟への連絡用の廊下を、アヤードに王保、美樹とエレーナ、そして自分、その後ろにアヤードが選んだ二人のナースという順で歩いていた。
「うふふ。なんか先月もあの子、杉原
美桜
と貴女の生理はリンクしてたって聞いたけど」
「そうよ。私も今二日目。今日の午前中は美桜に、三時間ぶっ通しで舐め倒させたわ。ニッポンのレズのSMのAVを見ながらね。でも、何度か噎せて勝手に口を離したりしたからね、まずはそのお仕置きからよ。オッパイト、クリトリスガアルコト、コウカイサセテヤルワ」
エレーナが最後のひと言だけを日本語で言ったため、なんだろうという顔をしてアヤードが振り向いた。エレーナが言ったのは、彼女の親友でもあるリリヤ・アレクペロフの口癖の真似だ。
「女に生まれたことを後悔するくらい、厳しい折檻ショーを見せてくれるらしいよ」
王保がアヤードに意訳した。
「イイタイコト、ナニカ、アルカ」
エレーナが女優沢木萌の娘、杉原美桜に居丈高に問いかけた。
仁王立ちのエレーナに対して、全裸の美桜は四台ある開脚女性器検査台のひとつに括りつけられている。
美桜が拘束されているのは、性交台を兼ねた他の三台のように産婦人科の検診台を模したようなものではなく、きちんと背もたれに真っ直ぐ起こされた上で、電動で足をほぼ百八十度の極限まで開かせることが出来る最近導入されたばかりのものだった。
幸い身体はかなり柔らかいほうなのだろう。ほぼ真一文字に両足は拡げきっている。
その上で、太腿に巻かれた革ベルトに連結した飴色をしたゴムの先のピンチに大陰唇を挟まれて、その部分も極限まで拡げられていた。剃り落とされたばかりなのだろう。無毛の丘の下にぷくんとクリトリスが顔を出し、拡げられた襞に経血が滲んでいるのが見える。
斜め上から見ている有香たちにさえも、それはあまりに卑猥な光景だが、その娘の股の間に正座させられている母親、沢木萌には娘の性器のはだけきった穴の中まで全て見えてしまっているに違いなかった。
やはり全裸にされ後ろ手に縄で縛り上げられ座らされている女優は、それでも顔を背けることなく、そして目を閉じることもなく、娘の女の部分をじっと見つめている。もちろん誰かにそのように命じられてのことだろう。
美桜の両腕は、ほぼ万歳の形で手首を枷で検査台に固定されていて、動かすことが出来るのは首から上だけという状態だ。そのはだけきった股間からは、時折ぽたりぽたりと経血が垂れていた。
「せ、せっかく、エレーナ様のおまんこ舐めをさせて頂いていたのに、エレーナ様の神聖な血に、噎せてしまった悪い子の美桜を、二度とこのようなことのないように、厳しくお仕置き…折檻してください」
美桜は、エレーナを真っ直ぐ見て言った。
入院して来た日に、初めての公開浣腸で王保と自分をなんだかがっかりさせた、あの娘と同じ女とは到底思えないマゾっぷりだ。三田村病院のスタッフの教育の賜物とでも言うべきなのか、それともエレーナの凄さなのか。
マゾの女はより激しく、そうじゃない女はマゾにならなければ退院出来ないと、入院の際に宣告されるだけのことはやはりあるということか。有香は、改めて感心しつつ、すぐ傍に立っている長身の王保の横顔を見てしまう。
王保は、にこにことしてヨシヨシとでもいうかのように頷きながら、美桜のその様子を見つめていた。そこには彼女の「教育」に少なからず携わってきたのであろう、自信のようなものが垣間見えた。
「スギハラミオニ、オンナノ、ジュンキョッケイヲ、モウシワタシマス」
準極刑。
エレーナの言う「女の極刑」とは、乳首かクリトリスの切り落としだ。元々それが彼女の口癖でもある。
失神は二回まで。それ以上失神した男、ロシア軍では「チンポキリオトシタ」。女は切り落とすところ三箇所もあるというやつだ。
とするとそれに次ぐ厳しい刑を、まだ少女といってもいいこの若くて美しい女は自ら望んだことになる。
「マッチ、サンボンノケイネ」
エレーナの言葉に、アヤードのお世話係に指名されて付いてきた姪の麻衣が、鞭やペンチ、何種類もの太さの注射針の入った箱などがこれ見よがしに並べられている棚から小さな箱を持ちだしてきた。
「チクビトクリトリス、コレデタップリ、ロースト。オンナニウマレタコト、オッパイト、クリトリスガアルコトヲ、シッカリ、コウカイシテ、ハンセイシナサイ」
箱から取り出され、エレーナの手に渡されたのは、マッチと言っても、通常目にするものの倍近い軸の長さのあるものだ。それだけ燃え尽きるまでには時間がかかるだろう。
黒い火薬芯がついているマッチを、呆然とした目で美桜が見つめる。
「や、やめて。む、娘にそんなことしないで。や、焼くなら、わたしの、わたくしのあそこを、おまんこを焼いて下さい」
「シンパイシナクテモ、ママニモ、タップリ、タノシイ、クツウダンスヲ、アトデオドッテモラウカラ。ソレマデ、オトナシク、ムスメノオマンコ、チャントミテルネ。クチ、アケサセナサイ」
アヤードが選んだもうひとりの看護婦が、正座をしている萌に、口を大きく開けるように命じ、金属製の開口具をねじ込んだ。これ以上余計な口をきかせないためと、娘が苦痛のあまり失禁した場合には、母親に口で受け止めさせるつもりかもしれない。
「マズ、ヒダリノオッパイ。オッパイハ、ジュウ、ジブンデカゾエルネ」
「は、はいっ」
責めからは逃れられぬと観念したか、美桜が健気に半泣きの声で返事をする。
「ジュンビ」
麻衣が、今度は緑色の細長い瓶を持ってきた。バージンオリーブオイルの英文字のラベルが見える。
既にこの責めをする際の段取りは決められているようだ。
「あ」
美桜が小さな声をあげて、不自由な身体をわずかに身動ぎさせたのは、麻衣が左の乳首に吸い付いたためだ。
ちゅぱっ、じゅる、チュパと音を立てて吸いたてながら、右手に持った瓶を麻衣は自分の口元に向けて傾ける。見学者に見えるようにという配慮だろうか、十センチほどの高さからだ。
びちゃびちゃと音をたて、麻衣のピンク色の舌が薄緑色の液体を乳首全体に塗り立てつつ、またもじゅる、ちゅぱっと口唇でそれをついばむ。
「あ、あ」
この後に行われることへの恐怖もあろうとは思うが、直接的な刺激に感じてしまうのか、荒い息に胸を上下させて美桜が喘ぐ。
さらに麻衣は、美桜の乳首を口の中に含んだままで、オリーブオイルが乳首からそのまわりの乳輪にまで行き渡るようにと、ピンク色の舌を這わせ満遍なく舐め回している。見ている側にはなんとも卑猥な光景だ。とろとろとオイルが美桜の乳房から足元に落ちていく。麻衣が惜しむことなく上から垂らし続けているせいだ。
「麻衣ちゃん、右のおっぱいは、アヤードにやらせてあげてね」
「あ、はーい」
言われてようやく乳首を開放された左の乳首は、明らかに右よりも硬くなり尖りきっていた。
もう一方は自分がやると、アヤードが美樹に言わせたのだろう。にこにこと、さも嬉しそうに白い歯を見せながら、石油王が美桜の右前に立つ。正面からの視線の邪魔にならないように、麻衣も左側に立ち位置を移動して、今度は右の乳房の上で緑色の瓶を傾けた。
「そういや、彼ね、オリーブオイルが大好きなの。サラダとか、いっつもオリーブオイルと岩塩だけで食べていたわ」
美樹が有香にとも王保にともつかずに言う。
「あ、あ、あん」
アヤードに右乳を吸われた美桜が、さらに悩ましい声を出した。
折角硬くした左乳首が小さくならないようにということか、麻衣ももう一方の手で、オイルに光る乳首を摘んでくりくりと左右に動かす。
アヤードは、まるで飽きることなくオリーブオイル漬けの乳首を五分以上楽しんだ。
「そろそろ始めさせなさい」
それを見ていた美樹が、さすがにしびれを切らしたかのように少し苛立った様子でエレーナに命じた。
アヤードと麻衣が有香たちの方に場所を移し、代わりにエレーナが美桜の前に立つ。
それを見て美桜は目を閉じ、居ずまいを正したようにも見えた。
絶対的な支配者と責めを甘んじて受けるしかない奴隷。このふたり、エレーナと美桜の間には、既にはっきりとその関係性が出来上がっているのだ。
「オッパイハ、テンカウントデ、ユルシテアゲルヨ。メヲアケテ、チャント、ミナサイ」
シュッと音をたてて、エレーナがマッチを
擦
った。マッチ箱のようなものではなく、細長い金属の棒状のものを左手に持ち、それにマッチの黒い芯を擦りつけたのだった。
ポッとついたオレンジ色の火が、すぐに小さな炎になって上に向かって燃え上がる。
「ぎゃーーーっ」
「うぐうぐうぐぅ」
母親の方が半狂乱になって身をよじるが、開口具を入れられていて叫び声は言葉にならない。それでも萌は正座をした状態は崩さなかった。
「い、一です。ニです、三です…」
美桜はゆっくりとカウントを取り始める。こういう時に下手に速く数を数えても無駄、いや無駄どころかやり直しなどで余計に痛い目に合うということを、既に熟知しているようだ。
いっぱいに見開いた目で、自分の乳頭を下から炙る炎にしっかり目線をやりながらだった。チリチリと火に炙られたオリーブオイルが音を立てる。
「七です、八です、九です。じ、じゅーーーっですぅぅ」
ふっ、とエレーナが息を吹きかけて火を消した。
炎はその先端が乳首に届くか届かぬかというギリギリのところだった。この場合、オイルを塗られていたのとそうではないのとでは、果たしてどちらがより辛い折檻なのだろうか。
さすがにこんな経験のない有香にはわからなかった。
「はい、今度は右よ」
再びシュッという音とともに火のついたマッチの先が、美桜の反対の乳房の下にかざされる。
「い、一です、ニです…、さ、三です四ですうぅぅっ」
今度は美桜は耐えられなかった。四つまで数えたところで、股間からチロチロと液体が漏れ始めると、シャーーッと失禁が始まり、首ががくりと垂れて失神してしまった。
娘のその様子を見て、金属製の開口器に大きく開けさせられた口の中で沢木萌も何事か叫んだが、すぐにその口には娘の股間から勢いを増した黄色の液体が溜まっていった。
これを予想してかいつの間にか移動していた麻衣が女優の頭を逃げられないように押さえつけて、娘の股間に顔を近づけさせたからだった。
「シッシン、ユルサレナイネ」
エレーナはそう言いながら、その後も五秒ほど乳首の火炙りを続けたマッチを、火がついたまま直接美桜の右乳の乳首の少し下に押し付けた。
「熱ーーーーーっ」
その熱と痛みに失神からあっという間に呼び戻された美桜が叫ぶ。
マッチの火は消えたが、美桜の白い乳房に黒い跡が残った。
「オッパイヤキ、チャント、ガマンデキタラ、クリトリスモ、テンカウントニ、シテアゲタカモシレナイケドネ。クリトリスヤキハ、マッチガ、モエツキルマデネ」
麻衣の手でオリーブオイルがそこにまたたっぷりと垂らされたが、今度は舐めたり擦ったりということはなく、ただただ一分間ほど上から垂らしただけだった。
エレーナの手で火をつけられた三本目のマッチが、麻衣の手に渡される。
「しばらく、大好きなクリオナができなくなっちゃうわねぇ。それともたっぷり炙られて火ぶくれになったクリトリスにすぐに電マ当てて慣らしてあげようかしら」
麻衣は容赦なく、マッチを美桜の百八十度開脚された股間に持っていった。やはり炎の先端が、勃起して莢から顔を出しているピンク色の恥核に触れるか触れぬかというギリギリのところだ。
こんな時に
躊躇
でもしようものなら、自分がエレーナにどんな折檻をされるかわかったものではないからでもあろう。最悪の場合、美桜に代わって自分の敏感な秘核を焼かれかねない、とわかっているのだ。
「つーーーーーッ」
「シッシンシナイデ、ガンバル。ホノオヲ、チャントミナサイ」
エレーナはそう言うが、胸元の場合と違い、窮屈な格好で括りつけられている美桜には、そう簡単な話ではない。
「お、おまんこ焦げちゃうぅぅ、痛い痛いいぃぃっ」
太腿のゴムに連結したピンチで大陰唇が左右に広がり、それに連れてラビアも開ききっているが、そこにもオレンジ色の炎の熱が容赦なく浴びせられる。
チリチリというオリーブオイルが焼ける音と共に、僅かに焦げくさいにおいが漂ってきた。
もう一度失神してしまいなさい。失禁すればそれで火も消えるかもしれない。ハードな責めには人一倍慣れ、やわな責めならむしろされない方がましとさえ思っている有香でさえも、この折檻はとても直視できないほどの過酷なものだ。
「交代しますか」
麻衣がアヤードに英語で問いかける。
無言でアヤードが頷く。
マッチのクリーム色の軸はまだ半分以上残っており、それが今度はアヤードの手に渡った。
「あらあら、後でアヤードのぶっといのに使われる穴のほうまでちょこっと焼けちゃったかしらね。でも、傷めつけられたおまんこ使われるのはマゾ冥利に尽きるというものよ。若い美桜ちゃんも、それを身体がよーく覚えるように、太いちんぽで穴、しっかり擦っていただくのね」
美樹が美桜の股間を覗きこんで言った。
マッチを手にしたアヤードは、危うく自分の指先を焼いてしまうのではないかというほど、ぎりぎりまで三本目のマッチでクリトリス焼き入れを敢行し、筋金入りのサディストという話も伊達ではないというのを証明してみせた。
ただ、そうは言ってもエレーナの折檻怖さにやっている麻衣に比べると、わずかだが炎の位置は下がっていた。彼のほうが手加減はするだろうと思って、麻衣もその役目を譲った可能性もある。だが途中で交代したことについて、特にエレーナは何も言わなかった。
もし先ほどのペースで数えていれば、倍の二十くらいの時間だっただろうか。美桜も、二本目の乳首の時とは違い、今度は最後まで目を見開いて耐え切った。
「コレハ、ヨキョウネ。アクマデ、ゴゼンチュウノ、ミオノ、ソソウニタイスル、オシオキ。ホンバン、コレカラ」
粗相などという言葉をエレーナはいつの間にか使えるようになっている。美樹がその言葉をアヤードに通訳した。
「アノオンナモ、ツレテキナサイ」
エレーナが内線電話を手にして、誰かに指示を与えた。
「ここから先のショーは、とりあえずこちらに座ってご覧ください。多分ご経験のないと思われる、特殊なご奉仕をさせていただきますので」
植草杏奈という、三田村病院精神科病棟のナースの中では最年少だという女が、精神科の入院着である白いロングのタンクトップを着た女を連れて入ってきて、そう言った。
美樹が、英語でアヤードに通訳する。
女は、黒い布で目隠しをされているため、顔ははっきりとはわからない。だが、有香の知らない女のような気がした。ここ何日か新宿に行ってる間に、新たに入院した女だろうか。
「経験のない奉仕…」
英語ですぐにアヤードが返してきた。
「一昨日新宿のホテルにある歯医者に行かれたとお聞きしていますが、この女は、あそこで手術をして、口を完全性器化した人妻奴隷です。三田村会長からのご指示でご用意させて頂きました。是非この人妻の特別なフェラチオを堪能しながら母娘折檻ショーをごゆるりとお楽しみくださいとのご伝言です」
再び美樹がそれを訳してアヤードに伝えた。
「十五分以内に、あちらの端っこまで行ってここへ戻ってくるのを二回、つまり二往復してください」
最年少ナースの杏奈が、自分よりはるかに年上の女優沢木萌に、言葉は丁寧だが反抗は許さないという毅然とした態度でルールの説明をしている。
逆に萌の方は、驚きに固まっている様子だ。
「十五分で二往復出来なければ、より厳しいもう一本の綱渡りをもう一往復、追加でやっていただくことになります」
部屋の中にピンと張られたロープを端から端まで股間に食い込ませた状態で往復する。
M女ならば経験があったり、むしろそのシチュエーションに憧れたりすらする、定番の調教方のひとつだ。
だが。
エレーナが用意したものは、ひと味違っていた。
通常は綿ロープや麻縄で渡される股間に食い込むそれが、直径一センチほどの金属のワイヤーだった。銀色に鈍く光り、斜めに細かくギザギザの入ったワイヤーが、性器の割れ目に食い込むことを考えただけで、そこが擦られる痛みを女ならば誰でも想像出来てしまうだろう。
そして全長七メートルほどのそれには、ほぼ一メートル半ほどの間隔であの見慣れた「電マ」が振動部分を上にしてぶら下がっているのだ。もちろんそこからはコードが延びて電源タップに繋がっている。
生贄が性器に食い込むワイヤーの苦痛に耐えながら前に進むと、今度はぼこんと膨らんだ電気マッサージ器の上を通過しなければならないというわけだ。
しかもワイヤーは反対側の壁に向かって、僅かながらそれでも目測ではっきりわかるくらいに傾斜している。もちろん行けば行くほど、それは高さを増して、割れ目への食い込みもきつくなり、また、電動部分を乗り越える時のクリトリスに押し付けられる具合も強くなっていく仕組みだ。
「コレハカワイイホウネ。オマンコキモチイイヨ。デモ、ジュウゴフンデゲーム、コンプリートシナケレバ、ツギハ、ゴウモンツナワタリ。ムスメノクリトリスヤキイレガ、カワイクオモエルクライ、ツライツナワタリサセルカラネ。カクゴシテ、ガンバリナサイ」
次が用意されている。
でも頑張れば、一往復七分半、二往復で十五分、一見充分になんとかなるかもしれないようにも見える。
いや。
これは会長の親友という超VIP客への見世物なのだ。エレーナがそんなに甘いとは思えなかった。次が用意してあるとほのめかした以上は、絶対にその「拷問綱渡り」も女優にさせる筈だ。
アヤードは膝の上に目隠しの女を抱いて、キスを楽しみながら服の上から乳房を揉んでいる。ここや新宿のエスタブリッシュメントホテル東京の上階フロアにやって来るサディスト様たち同様、揉むというよりは鷲掴みにして潰すような強い愛撫だ。
口の中を歯科医に改造されているという触れ込みだが、今のところ人妻といかにも濃厚なキスをしているアヤードから特別な反応はない。
「ソレカラ、チョット、コッチミナサイ」
エレーナは、先ほどのマッチの火による「公開処刑」のまま、変わらずに足を百八十度開いた状態で固定されたままの美桜の横に立っていた。
「あ」
有香の口から思わず小さな声が出てしまった。エレーナが手にしていたものを見た驚きからだ。
それを見たのは、これでまだ二度目だった。
前にそれを見たのは、以前同じ病室に入院させられていた朝比奈友梨が、それを使用した厳しい折檻をエレーナに受けた時だ。その鞭で狙われた友梨の乳は、あっという間に血まみれになった。その凶暴過ぎる…鞭というよりはもはや武器と呼んだ方がいい恐ろしい特殊な鞭だった。
「フヒツヨウニ、ママガ、トマッタリ、チュウチョシタリシタラ、コレデムスメノ、オッパイ、オシオキ。ハハオヤノソソウハ、サキニニュウインシテイタ、ムスメ、ソノセメオウネ。オッパイ、イタイ。チモイッパイデル」
ただ、十五分以内に二往復終わらせればいいわけではないのだ。もちろん振動する電マの快感に浸る暇もないということだ。
あの鞭が、細い有刺鉄線を三本束ねたあの凶器が娘の乳を襲うとすれば、母親の沢木萌はますます頑張って前に進み、そして後ろに戻りとするだろう。
だが、やはり見せてしまった以上はあの武器が、美桜の乳に一発も見舞われないとは、まず考えられない。エレーナはそんな生易しい女ではないのだ。しかも生理の時は特にだ。
女拷問人の名が決して伊達や酔狂ではないことを、有香は骨の髄に染みわたるほどによく知っているのだった。
「ハジメナサイ」
「ほら、行くのよ」
普通の九尾鞭ではあったが、杏奈が手にした赤い鞭が女優の尻にバーンという音をたてて炸裂した。
同時に、麻衣がストップウォッチのスイッチを入れ、室内にあるモニターの画面が全て暗転し14:59という白い数字が浮かび上がり、カウントダウンが始まる。
沢木萌が跨がされたワイヤーは、既に最初の位置で足の付け根ギリギリである。一メートル半先の電マに達するまでには、早くもワイヤーのギザギザが性器を擦りはじめるだろう。
「ううぅぅーーっ、い、痛っ…」
手を背中で縛られた全裸の萌が、少し爪先立ちになった分おぼつかない足取りで前に進み始める。つま先立ちした分だけ、ワイヤーが擦りつけられるのをなんとか回避して、最初の電マの前まで来た。
「でも、細いわねー。おっぱいがそれなりに大きいからそうは見えないけど、あの腕の細さも、足首の細さもさすがは女優さんね」
そんなことを言いながら、麻衣が大きめの黒い布を持ってきた。
「ほら、はじめなさい」
言いながら、麻衣が人妻の目隠しを無造作に外す。三二十代の半ばくらいだろうか。やはり見たことのない女だった。
入院着も麻衣が裾から捲り上げて脱がしてしまった。Dカップくらいだが綺麗な乳をしている。
「
花純
さん、相変わらずおっぱい綺麗ね」
裸にした人妻に麻衣が言うと、女は少し悲しげな顔をして僅かに微笑んで見せた。
アヤードのスラックスをトランクスごと人妻の白い手が下ろしていく。既に勃起しているアヤードの巨根が一瞬見えたが、人妻がそれに顔を近づけると同時に、麻衣は持っていた黒い布を人妻の頭に被せて覆ってしまった。
「うーーーーっっっ、だ、だめーーっ、これだめっ」
精一杯つま先を立てて、萌が一つ目の電マを乗り越える。
「く、くいこむぅ」
マッサージ器の先端の膨らみ分だけ高くなっていたその先は、既にさらに高さが増しているのに、乗り越えた勢いで踵が床についてしまい、ワイヤーは見事に萌の女性器の割れ目に本人の申告通り無惨に食い込んでいた。
「ほら、進むのよ」
それでも容赦なくバシッと女優のお尻が杏奈の鞭で鳴らされる。
「痛ーいっ、き、きつい。きついです。いやーーっ、ビデオ撮らないでぇ」
王保がいつの間にか小型のビデオカメラでその様子を撮っていた。
だが、この部屋や精神科病棟はカメラだらけである。今、王保が別角度から撮らずとも、当然何台ものカメラで女優の様子も、その娘美桜の様子も、そしてアヤードに奉仕を始めようとしている花純という名の人妻も、すっかり記録されているに違いないのだ。もっとも人妻だけは黒い布の下に隠れてしまったわけだが。
そのカメラの数と、撮影され会員に公開されている患者たちの痴態。
その実態を、副婦長になって初めて知って愕然とした有香であった。
「僕も、おかげさまでその綺麗なおっぱいを映画館で拝ませてもらったクチだが、生で見られるとはなあ。いや、自分のビデオカメラに撮って持って帰れるというのは、本当に光栄なことだよ」
王保がうそぶくと
「いやーーーっ。こんな恥ずかしいの撮らないでぇ」
と、女優は股間の苦痛のせいかはたまたその屈辱感にか、両目が潤んで涙を溢れさせた。
「いいねぇ、女優さんの涙」
「グッ、クゥーー」
突然アヤードが奇妙な声をあげた。
見ると、黒い布が激しく上下している。布の下で女が高速でピストンする激しいフェラチオ奉仕をしているのだとわかる。二十回ほどでそれがゆっくりとした動きに変わった。
「如何ですか。まったく歯のない女のディープスロートフェラは」
麻衣の日本語をアヤードがニュアンスで理解したのか、しきりにウンウンと頷いて見せた。
そうこうするうちに萌の方はなんとか二つ目の電マの前に辿り着いていた。
ブーンという唸りをあげて振動するそれに、敏感なクリトリスを擦られることなくそれを通過するのは完全に不可能だ。女優の体重がかかりほんの僅か電マが下方向に動いたものの、ピーンと張られたワイヤーそのものはびくともしていなかった。
「あ、あーーーーん」
これまでとは違う質の声が女優の口から漏れる。
所詮は既に男の調教を受けているマゾなのだ。刺激に感じないわけにはいかない身体にされているということだ。
バチーン。
「こんなんじゃ、十五分で一往復だって終わらないわ。さっさと行きなさい。あんたのせいで私までお仕置きされたらどうすんのよ」
バシッ、バシッ。
杏奈は叫ぶと、立て続けに鞭を入れる。
「い、やーーん。で、電マ、と、止めてぇ」
三つ目を乗り越え、四つ目を乗り越えたあたりで、ポタリポタリと薄赤い液体が床に点々と落ち始めた。
金属製のワイヤーが女性器の襞に擦れて出血しはじめたものが、萌の愛液で少し薄まったものだろうか。それとも三日目だという生理の血か。
「も、もう無理です。く、食い込んで、ロープがお、おまんこに食い込んでこれ以上進めません」
女優が叫んだその時だった。
グシャッという鈍い音とともに
「ギョエーーッ」
と、美桜が
怪鳥
のような悲鳴をあげた。
有刺鉄線の鞭が美桜の乳房を襲ったのだった。
一斉に萌以外の全員の視線が女優から娘の美桜に移る。萌もハッとしたように動きを止めて、恐る恐る娘が縛り付けられている台の方を向いた。
たった一発のその鞭で、娘の美しい胸の膨らみの数カ所に、赤く血玉が盛り上がってきていた。美桜は先程、乳首をロシア軍の野戦用マッチで焼かれたばかりである。火傷をしている乳首は、例えばシャツが擦れた程度でも激痛と思われるのに、襲ってくるのはあろうことか有刺鉄線である。しかもエレーナは、特に手加減しているわけでも何でもなかった。
それでも、往路に四分半、バックで帰ってくる復路に二分と少し、合計でなんとか七分を切って、萌は最初の場所に戻っていた。その間に、娘の美桜は、もう一発、乳に有刺鉄線鞭を浴びている。
「うふふ。バックして来る時は、電マの威力が角度的に半減するってわけね。さ、もう一往復よ」
バシッ。また杏奈の鞭が女優の尻に炸裂する。沢木萌の小さな尻は、既に多数打たれた鞭のせいで真っ赤になり、腰のくびれの部分には鞭の先端が薙いだ痕が、何箇所かどす黒く残っている。
「は、はいっ」
一往復出来たという安心感もあるのか、萌は素直に返事をした。
だが歩き出してすぐに
「う、うううっ。さ、さっきより電マがキツくなってますぅ。クリトリスが、クリ…あ、あ、お、おまんこ逝きます」
一つ目の一番手前の電マの上で、萌の股間から派手に淫液が噴き出した。
「モチロン、カッテニイッタトキモ、オシオキネ」
グシャッとでも形容したらよいのだろうか。普段聞き慣れている鞭が女体を叩く音とはまったく異なる鈍い音が、美桜の胸の上で鳴る。もちろん母親の粗相は、娘の有刺鉄線鞭というわけだ。
既に美桜の乳房には無数の血玉が浮き、何箇所かは胸の膨らみを辿って、床に流れ落ちているが、元々が生理の患者を晒し者にしたり性交させたりするための部屋である。リノリウムの床は、いったいこれまで何人もの女の経血やこうした折檻の血を吸っているのだ。
「ほら、グズグスしていると今度は七分半で帰れないわよ。貯金は三十数秒しかないのよ」
杏奈が再び鞭を入れた。
「このちっちゃい少女のようなお尻がまたたまんないなあ。後で肛門科でしっかりお尻の穴の検査もしような」
相変わらず王保はビデオカメラで女優を追っている。途中からは、尻が好きと公言しているとおり、もっぱら後ろからばかり撮っていた。
「あ、あん。だ、ダメです、美桜ちゃん、ごごめんなさい。逝き、イキ癖がついちゃうと、ダメ、ダメなの。みだ、淫らなママを許してぇ」
三番目の電マの上でまた萌の股間が水しぶきを
迸
らせた。
当然、美桜の乳房を有刺鉄線が襲う。
「ムスメノオッパイ、ズタズタニ、スルツモリカ。スコシホンニンニモ、オシオキ、シテヤリナサイ」
アヤードが選んだもうひとりの整形科のナースが杏奈に棒状のものを渡す。
先端が二股に割れているそれは、その部分がそれぞれ電極になっていて、スイッチひとつでその間に電気を発生させることが出来る電流棒だった。
「ぐぎゃーーーっ」
必死のつま先立ちでの電マ乗り越えからワイヤー部分に女優が降りた瞬間に、杏奈はその電極の先をワイヤーにあてがった。
「デ、電気、いやーーっ」
「ほら、ぐずぐず言わずに歩く」
電流がワイヤーに流されたのは一瞬のことだったと思われるが、女優は完全に足が止まってしまった。ただでさえ割れ目に食い込んで激痛が走るその部分に、たとえ短い時間でもいきなり電気を流されては、足がすくむのも無理はない。
「おーーーっ」
その時、声を出したのはアヤードで、その瞬間に麻衣が人妻の頭に被せていた布をパッと外した。
バキュームフェラという言葉を、有香も知ってはいた。
しかしこれほどその言葉を体現したフェラチオを見たのは初めてだった。
花純という名の人妻は、先程見た時に思った印象よりも随分年上に見えたが、それは歯を全て外しているからだとすぐに気づいた。
歯がまったくない口を
窄
めて、真空状態にして激しく首を上下させているのだった。口唇と舌と喉、フェラチオの基本であるそれに、歯茎という通常の女には使用出来ない部分も使われる究極のフェラチオは、受ける男にはどのように違って感じるのだろうか。
「うっっ」
アヤードが再び声をあげた。
やがて花純のピストンが徐々にスピードを落としていく。
「アヤード様、昨日はありがとうございました」
いつの間に部屋に入ってきたのか、アヤードと人妻の横に進み出てしゃがんだのは優菜だった。
「花純ちゃんお疲れさま。あとは私が替わるわね、任せてちょうだい」
そう言って、優菜がアヤードの右手を取り花純の喉に当てた。まだ男根の先は花純の口の中である。
コクンと喉を鳴らして人妻が精液を飲み込む。
同時にまた麻衣が花純の頭上から黒い布をかけた。
折角一回目で七分を僅かながらも切っていたというのに、女優沢木萌の二往復目は十分以上の時間を要し、都合十五分を超えてしまった。
もっとも、萌が一回目と同様の時間でニ往復目を終えようとすれば、例えワイヤーに電気を流しっぱなしにしてでも、それを阻止したであろう。電流棒は間違いなく、そのために用意されていたのだ。
「いやーーーっ」
ワイヤー綱渡りから開放された女優は、杏奈の手で黒い目隠しをされていた。
それでも、新たな金属の「ロープ」が自分の股間に通された時、それを見た客人のアヤードをはじめとした見学者全員が息を飲んで呆然となった、その気配だけは伝わったのではないだろうか。
にも関わらず、目隠しを外された瞬間に、沢木萌は悲鳴を押さえることは出来なかった。
「いやいやいや、無理無理無理、絶対無理。こんなの…死んじゃう」
足を開かされ、冷たい金属が割れ目にあてがわれた時は、また同じようなワイヤーロープに似たような「素材」だと思っただけかもしれない。今現在、萌の女性器にわずかに触れているのは、ねじれた数本の細い針金に過ぎないからだ。
だがその目が確実に捉えたであろうものは、自分の目の前一メートルほどから、ニ十センチ間隔で並んでいる、大小様々な金属の凶暴な棘だ。横を向いているものもあったが、中にはそのトゲトゲの先端が鈍い光を真上に向けているものもいくつかある。
有刺鉄線。
あの上を渡らせて歩かせようと言うのか。
散々、歴代のご主人様をはじめとするサディストたちに苦痛と快楽をマゾとして味あわせて貰ってきた、自分でもドのつくマゾヒストだと自覚している有香をして、この有刺鉄線の上を跨いで歩かされるという責めは、想像を絶していた。
「思いっきり背伸びをしようと、ジャンプして飛び越そうと構いませんので、ともかくあっちの端まで行って戻って来て下さい。さすがに見えないのはかわいそうなので、向こうの端まで行ったら、さっきと違ってバックしてくるのではなく、回れ右させて貰えるそうよ」
杏奈が萌に指示をしているうちに、美樹が液体の入った注射器を持ってきて訊いた。
「わたしからの温情でおまんこにリナリス打ってあげるわ。クリトリスがいい、それとも有刺鉄線に擦られるおまんこの穴の中に直接にする」
終章
三日間のアヤードの入院と、そして一週間にわたる日本滞在もそろそろ終わろうとしている。
最終日には、また美樹とともにエスタブリッシュメントホテル東京のある新宿まで、アヤードを乗せて車で移動した。一昨日の往路ではゆるゆると口で奉仕をしながらだったが、新宿に戻る帰り道では、真ん中に座るアヤードに交代で跨がって女性器での奉仕もさせていただいた。
美樹と有香で、全部で五回ずつアヤードに跨がったが、美樹が性交している時には、有香は積極的にその結合部に舌を這わせ、玉舐めで協力もした。会長の親友を名乗るだけのことはあり、十回擦らせない女という、ありがたいんだかありがたくないのだかわからない異名を取る有香に、その都度三十回ずつピストンさせてくれ、思わぬご褒美に有香も充分に満足させていただけていた。
最後は美樹の希望を優先して、アヤードには美樹の膣内で射精していただいた。
美樹の女性器に没したアヤードの男根を伝って逆流してくるザーメンと美樹の淫汁の混ざり合ったほの白い液体を、久しぶりに肉体の満足を得ている有香が嬉々として啜りたてたのは言うまでもない。
入院中の三日間、と言っても実質は昨日までの二日だが、アヤードを充分におもてなし出来たと、婦長の美樹と副婦長の有香は大変満足していた。
アヤード自身からも今朝、「ここは素晴らしい。天国のような三日間、いや本当に素敵過ぎるこの一週間の最上の締めくくりだった」
と、お褒めの言葉を頂戴している。
昨日も沢木萌、杉原美桜母娘を初日同様に、今度はアヤード自身が鞭を持ち、針を持っていたぶった。だが初日と違い、試供品の例の錠剤を飲まされ、さらには乳と女性器にも最初からリナリスを打って貰い、母娘揃って苦痛も快楽に変えてのた打ち回っていた感じだ。
女優の沢木萌は、今回のアヤードが連れて帰るという「第五夫人」候補に、最初から入っていないそうだし、実は自分と娘の紫織、そしてあの神代優菜も対象外とのことだ。
そうなると。
昨日の様子からいっても、アヤードが連れて帰るのは、まだ十代だというのにも関わらず、相当ハードなことも受けきることが出来ると証明された、美桜で決まりなのではないか。
若くてかわいいし、おっぱいも張りがあって綺麗だ。なのに超のつく淫乱で、ドのつくマゾなのだ。サディストの男にとって、それは何よりも素晴らしいことに思える。まして五番目の奥さんなのだ。対外的にも美しいというのは、大切な要素だろう。
後始末と称して、逞しい男根が抜かれたばかりの美樹の性器から溢れるザーメンを音をたてて啜りながら、頭のなかではそんなことを考えていた有香だった。
会長室で三田村は三人をにこやかに迎えた。
アヤードが日本を発つのは、今日の深夜、羽田からだという。
つまりは、今日第五夫人を「お持ち帰り」するわけではないのだ。後日周到に用意をした上で旅立たせるのか、まさか人間なんだから、荷物のようにパッケージして送りこむというわけにはいくまい。
応接セットのゲスト側にアヤードが、ホスト側に三田村と美樹が座る。有香は三田村たちのソファの後ろに立ち、手を頭の後ろに組んで奴隷の服従のポーズだ。命じられたわけでもなんでもないが、これがなんとなく自然に思えるからだ。もちろん命じられればいつでも裸になる覚悟もある。
「どうだった」
席に着くなり、三田村はひと言、短く訊いた。
「まずは、例のご婦人用のバイアグラの実験の話。大いに可能性はあると思うね。ぜひ我々の方でも出来る限りの協力をしたいし、必要とあらば資金提供ももっとさせて貰ってもいい」
アヤードのその言葉に、三田村は満足そうに頷きながら「ありがとう、そう言って貰えると心強いよ。あれの効き目が実際、確認出来たということだな」
と、尋ねる。
「ああ。昨日もそのおかげで本当に楽しませてもらったよ。日本の一流女優だというあの母親も、それからその若くてキュートな娘の方も大変素晴らしい。そしてそれはもちろん、あの薬の効果も含めての話だ」
アヤードは、本当にという部分に力を籠めてそう言った。
マゾは、いや女は貪欲である。昨日、女優母娘をそばでずっと見ていた有香の感想でもあったが、アヤード自身は充分に楽しめたということなのだろう。
「電子タトゥーも何年か後には普及は間違いないだろう。特に奴隷に使うのには何かと役に立つから、それについてもしっかり協力せてもらうよ」
アヤードはにこやかに言い、互いに座ったままで会長と握手をした。
「で、決めたかね」
「五番目の妻の話か」
「ああ」
自分の所の女をひとり連れていくという話なのだが、三田村はまるでアイスクリームをバニラがいいかチョコレートか、それともストロベリーかラムレーズンか。まるでそんな選択でもさせているような、のんびりした雰囲気だ。
「うん。では、二日目のあの歯科医を、サユリと言ったか。電流ピアスをおっぱいと性器につけた。あの女を貰い受けたい」
え。
思わず有香は身を乗り出しそうになった。
歯科医の宍戸紗友里といえば、確かにまだまだ色気はムンムンとしているし完璧なマゾに仕上げられてはいるのだろうが、既に三十八歳の筈である。自分の年令をタナにあげて言うわけではないが、どう考えてもこれから女としてもますます輝くであろうティーンエイジの美桜の方がいいのに。
おっぱいだってあんなに綺麗で、女優の母親の美しさを充分に引き継いでいる。
それを考えると、年齢だけではなく、紗友里の方はここに飼われて重たいピアスを乳首に入れられて、あきらかに乳房だって形を崩してきている。しかもアヤードは一昨日病院に着いて、専属の看護婦を選んだときには、わざわざ白衣の前を開けさせて乳房の形まで確認したではないか。
「わかった」
三田村はそう言うと、立ち上がりデスクの上の電話を取って、内線ボタンを押した。
「急で申し訳ないが、一時間後に十分間だけホテル全体が停電するというお詫びを、フロントと客室係を通じて、お客様にお知らせしてくれ。部屋に居る可能性のあるのがほぼ連泊のお客様だけになる、十二時半から十分間だ。そして、その十分の間に、宍戸紗友里をホテルの外に出すんだ。服だけ着せて、車に乗せておけ」
それだけ指示を出すと、受話器を置き、机の上の封筒を手にしてまた美樹の隣に座った。
「多分、紗友里だと思ったよ。この中に彼女のパスポートと、万一のための電源ボックス付きのリモコンが入ってる。籠の中の鳥から、自由の身になって石油王の第五夫人だ。逃げ出したりなど決してしないとは思うが、折角の電気ピアスだからな」
アヤードが謝辞を述べてそれを受け取る。
有香の思いに反して、三田村もアヤードが選ぶのは紗友里だと思っていた様子だ。現に机の上に用意されていた大判の封筒は、アヤードが手にしたそれひとつである。
「ただ」
アヤードは、そこで言葉を切ると、対面に座る三田村と美樹の顔をじっと見た後でこう続けた。
「本人、サユリにとっては残念なことがある。予定では、空席になった五番目の妻の後任を見つけて連れ帰りたいと申し上げたが、彼女にはその席は与えない。これまで通り歯科医として、そして奴隷として、いや妻達だって奴隷という立場には違いないのだが、サユリには人権を認めない家畜以下の最下等奴隷としてあちらでさらに過酷な暮らしをしてもらうことになる。そんなわけだから五番目の妻の席は、今しばらく空席のままにしておくよ」
アヤードのまるで獲物を見るかのような、妖しい光を放つ目と有香の視線が一瞬だけぶつかった。
だが、何事もなかったように三人は立ち上がり、ドバイからやってきた石油王モハメド・ジェイ・アヤードは三田村、美樹とそれぞれ固い握手を交わし、テーブル越しに肩を抱き合って別れの抱擁をしたのだった。
奴隷牧場10 物色 【小説奴隷牧場】 第3部分 (3/3)
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