奴隷牧場10 物色 【小説奴隷牧場】 第2部分 (2/3)
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もうひとつの洗濯バサミも弾けて飛んだ。
連続の痛みに眼の奥に火花が散る。
「有香さん、おまんこ痛い。おまんこ、痛いね。で、でも。何もしていただけない私たちよりうんと幸せ。代わってあげたいくらいダヨ」
美帆
が、欲情を隠さない色気たっぷりの目で有香を見つめて言う。
「一本鞭、あと四十八回。おまんこの真ん中ばっかり狙ってアゲマス。血まみれなっても、ワタシ舐めてあげるからね、安心するね」
「い、いいいっ、おまんこイキそうです」
隣の紫織が、母親の激痛など知らぬとばかりに、男根による女の歓びいっぱいの声をあげる。
バシーーーッ。
「さーーーん」
そうだカウントしなければ。最初の二発は、つい激痛のあまり声に出すのを忘れてしまった。
「ダメだ、今のを一にしろ」
「いーーち」
注意を受けて、慌てて修正する。洗濯バサミが飛んだために最も痛かった最初の二発はカウント外ということだ。
「あ、ああ、あぁん。もうおちんぽください」
五十発の鞭を受けきった有香の性器に再び
美帆
が顔を埋めて、焦らすように、あちこち切れて出血したところを吸っては舌を使っていた。
隣のアヤードは先程、紫織の膣内に射精している。
器具から解放された娘は今、鈴玉
に付き添われトイレに行かされていた。
結局、においの充満を避けて、アヤードは射精の瞬間に栓を抜くということをしなかったのだ。
もっとも男性が射精のする瞬間に排便を許されて気持ちがいいのは男性ではなくむしろ女の方なのだから、それをわざわざ臭いというリスクを負ってまでする必要がないと考えたのかもしれない。
自分は相変わらず、強制M字開脚台に固定されたままで、太腿の輪ゴムに付けられた洗濯バサミで再び大陰唇を挟まれ、満開を強いられている。もっとも男たちには美帆の尻と、その間の中国娘の無毛の性器しか見えていないだろうが。
リナリスの催淫作用は既に経口投与されてから四時間も経っているというのに、未だに持続しているようだ。
欲しくて欲しくてもう
堪
らなかった。ましてや娘が隣で、既にそれを十分に堪能し、歓喜の絶頂を繰り返して味わったのを見せつけられているのだ。性器直接鞭で有香も二度逝ったのだが、それは子宮の疼きを満たすどころか、益々の渇きをもたらしただけだった。
「ご、ご主人様ぁ。わたくしも、有香も有香のおまんこにもおちんぽ様のお情けをくださいぃ」
永年躾けられた自ら男根を望む言葉を口にするということも、言葉通り本気でしていただきたかったから、自分でもびっくりするほど情感のこもった懇願になっていた。
「お嬢ちゃんのオマンコも十分に素晴らしかったよ。これで母親はそれ以上というのだから、ミタムラが本当に羨ましい限りだ」
「あはは。君が次々に俺の嫁さんを奪っていくおかげでもあるよ」
「あはは。いずれは是非このふたりも下げ渡して貰いたいものだよ」
男たちがまたワイン片手に軽口を飛ばし合っているのが、なんとも小憎らしく思えてくる。
「そうだ。明後日から新しい秘書が来るんだ。仕事の方はリサが太鼓判押していたから問題ないだろうが、女としては少し教育してやってくれ。これから暫くは、毎週末の土日は病院に行かせて泊まらせるから集中的に頼むよ。美樹にも王保さんにも俺から言ってはおくが、君の担当ということでな」
会長は来週以降の仕事の事まで持ちだしてきたが、有香にはもうそんな先のことを考える余裕はまったく残っていなかった。
「は、はい。で、でも、今は、は、早く…。あ、あ、クリトリスそんなに吸ったらまた逝っちゃいますうぅ。よ、避けて、メイちゃん。で、出ちゃう、ご、ごめんなさい」
自分の意思ではコントロール出来ないイキシオをまた噴き上げてしまった。
身体が信じられないくらい過敏になっているのだ。男根が欲しかったが、もうこうなれば張り型でもなんでもいいから入れて欲しい。だが「ちんぽは欲しがってもいいけど、ほかのものを自分から入れてと言っては絶対に駄目。どうするか、何を入れて下さるかは相手が決めること」とここの先輩の女たちに何度か言われているため、それを口にすることも出来ない。
その時、ドアを開けて全裸の娘と
鈴玉
、二十代のふたりが戻ってきた。
「
鈴玉
、アヤードのをしゃぶるんだ。もうママが待ちきれないと腰を振ってお待ちかねだからな」
腰など振っていない。いや振る余地がない。それくらいがっちり鉄パイプにM字固定されているからだ。
「紫織は、パパにご奉仕させていただいてもよろしいですか。紫織にパパのおちんぽ様しゃぶらせてください」
「それは構わんが、そうだ、アヤード。
鈴玉
に大きくしてもらったら、この子のパイズリも味わっておくといい。紫織のGカップのパイズリは、うちの女たちの中でもピカ一だから」
また遠ざかるではないか。
だが数分後、有香は歓喜の絶頂にまた断続的にシオを噴き上げることになった。
「あ、あーーん。会長様、いつまでも有香をおそばに置いて、どんな辛いご命令でもお言いつけになってください。このおちんぽ様のためなら、有香はなんでも、どんなことでもいたします。逝くーーーーっ、おまんこ、おまんこイクッー」
アヤードの巨根が娘の美乳で
擦
られている代わりに、会長自身がそれを与えてくれたからだった。もちろん、それは有香にとって最高のご褒美、今日半日我慢に我慢を重ねた甲斐のある、何よりの誰のものよりも嬉しい男根様だった。
三
十月六日
エスタブリッシュメントホテル歯科医院特別治療室「その女、優菜という子なんだが、試すのは構わんがその子だけは連れて行かないでくれ。あとは昨日の女優はまだ一年先まで仕事の契約があるらしいから駄目なのと、有香と紫織の母娘。この四人以外なら、どの女を第五夫人に指名して連れてってくれても構わんが。まあそのくらい、優菜の教える技術は天性のものがあるんだ。もちろん本人のフェラチオも何がどうしてこんなに違うんだというくらい上手いから。折角こうして東京まで来てくれたんだ、是非試してはみてくれ」
会長とアヤード、そして有香の三人でエレベーターの箱に乗っている。
四十三階のボタンを押して動き出したところで、日本人の女の子のフェラチオの上手さと熱心さについてアヤードが絶賛して、それに会長が答えたのだった。
そう。
日本人の女が特別フェラチオが好きで上手で熱心なわけではない。ここの女たちは特別に訓練を受けているのだ。
その訓練士の役割を果たしているのが、優菜という女だった。元はピンサロ嬢で、会長が若い頃にスカウトしたのだと最近になって聞いていた。
「会長、ひとつ質問があるのですが」
アヤードは既に聞いて知っているのかもしれないが、そうじゃなければ興味があるだろうと思い、思い切って確認してみることにした。
「昨日、首のタトゥーは電話、女性器の…おまんこの上のは低周波からの電気責めとお聞きしましたが、胸の、おっぱいに焼いたのは、どんな役割なのですか」
会長は有香の言葉をまず、英語でアヤードに伝えた。そうか、自分も英語で聞くべきだったのだ。
「おお、それは私も気になっていたことだ」
アヤードがすかさず、反応する。
「乳房に焼いた電子プリントは、位置情報と高性能マイク、まああともうひとつ秘密の役割がある」
会長はもちろん英語で答えたため、有香も英語で続ける。
「秘密の…ですか。いずれにしても、自分の居場所は常に特定されて、そこで何してるかも音で拾われるというわけですね。娘の、紫織のも一緒ですか」
「そうだ、オッパイのはふたりとも同じ役割だ」
何故か会長は今度はおっぱいというところだけ日本語で言った。
そんな会話をしているうちに、エレベーターが四十三階に到着する。ホテルの一般のエレベーターではないので、扉が開くといきなりエスタブリッシュメントホテル歯科医院の特別治療室だ。
拷問職人エレーナの盟友であるという今年の四月に院長に就任したリリヤが、日本式に深々と頭を下げて立っていた。金髪の長い髪を複雑模様に頭の上でまとめているのが、美しく照明に輝いている。
「これは…すごいな」
「そう。調教や拷問の出来る部屋であると同時に、きちんと歯科治療が受けられる設備が整っている。アヤード、彼女はロシアから来て貰ってここの院長を任せているリリヤだ」
「アヤード様、はじめまして。リリヤ・アレクペロフです」
「ほう、ロシアですか。ミスター寒河江の成果ってことかね」
「まあそうとも言えるけれど、どちらかというと先に来ていた別の女、明後日千葉の病院の方で顔を合わせると思うが、エレーナというロシア軍出身の女の紹介でね」
「はい、わたくしもエレーナとともに、外科医として従軍していたことがございます」
リリヤの英語はとても流暢かつ丁寧だ。
「外科医。それがまた何故歯科医院の院長を…」
「ま、それはまたおいおい知ればよいだろう」
「そうだな。じゃ最後にひとつだけ、ロシアといっても広いんでな」
「あ、生まれも育ちも、サンクトペテルブルクです。一時、レニングラードと呼ばれていた古い町です」
リリヤの答えに、アヤードは右手を差し伸べて
「あそこはいい街だ。モスクワなんかより、私もよっぽど好きだよ」
「ありがとうございます」
故郷を褒められたリリヤは嬉しそうに微笑みながら、アヤードの出した手を握った。
「折角だから、歯の検査でもひとつしてみるかい」
会長が笑いながら、歯科女医・宍戸紗友里の左の乳房を丸ごと掴んで力を籠めている。身体にピッタリと密着したレオタードのせいで、高く盛り上がった右乳の真ん中に乳首を穿つ太いリングが露わに見えていた。このリングのせいで「乳が垂れてきている」と言われている女医だが、ぴったりと身体を締め付けているレオタードのおかげで透けている乳房はしっかりと形を保っていた。
「ううぅぅっ」
診察台の前に手を頭の後ろに組んで直立不動で立たされている紗友里は、会長の指の力に呻き声をあげた。
同じく白いレオタード姿の、歯科助手の若い女ふたりも同じポーズでその横に居る。紗友里だけが、口にたくさんの穴があいたプラスチックのボールを入れられ、革紐でそれを固定されている。ゴルフボールよりも少し大きい水色の玉は、完全に口の中に入っており、口を閉じることも出来ずにヨダレが玉の穴から垂れっぱなしになっていた。
「この子が噂の女医君だな」
アヤードは会長に
倣
うように、もうひとつの紗友里の乳房に手を伸ばしたが、会長とは違いレオタードの上から極太ピアスリングを親指と人差指でつまんで、左右に動かした。
「ううぅ」
ボールギャグの内側からさらに呻きが漏れる。
初めての客に、それも見慣れぬアラブ人の男に、女医の目には明らかに怯えの色が浮かんだ。
「女医さんが裸で診察してくれると聞いたが本当なのかい」
「ああ。もしそれがよければいくらでも命じるといい。助手に下半身をケアさせながら、口だけ開けていればしっかり診察して、簡単な治療ならすぐにやってくれる。こう見えても、歯科医としての腕も折り紙つきだ」
会長に目で合図をされて、紗友里は組んでいた腕をそのまま下にスライドして、股間にあるマジックテープを外して下からレオタードをめくり上げる。
「おおっ。確かにこれは…」
アヤードが感嘆しているのは、紗友里のふたつの乳首にぶら下がるリングだった。
レオタードで押さえられていた乳房が解放されると、リングの重さがいきなり乳首にかかり、重力の法則どおりに乳房全体を下向きに引っ張るのだ。女の宝ともいえる乳房を同じく持つ身には、それはあまりに哀れで同情を禁じ得ない。ましてや彼女は優秀な成績で歯科大を卒業し優秀な腕を持つ才媛だと聞いている。いくら奴隷は理不尽にされることが当然なこととはいえ、あまりに酷い仕打ちではないか。
「電気、流してみようか」
「いや、治療をして貰ってからでいい。電気流した仕返しに、ちょっと神経でも突かれてはたまらんからな」
冗談めかして、笑うアヤードの歯は浅黒い精悍な顔とは対照的に真っ白で、虫歯などとは縁がなさそうではあった。
「コワイコワイサディストニ、イタズラデキルハズナイヨ」
リリヤが何故か日本語で言った。
全裸になった紗友里が、アヤードに診療台に座るように促す。ネクタイを緩めてアヤードはそれに従おうとし、助手のうちのひとりがその前に屈んで、スラックスのベルトを外し、トランクスごと下ろして、下半身だけを早くも裸にしてしまった。
「病院とは思えないな」
「病院じゃなくて歯医者だからな」
会長とアヤードは本当に心を許し合っているのか、こうしてしょっちゅう軽口を交わし合っている。
診療台にアヤードが座ると、すぐさま背もたれが電動で倒されていく。そう命じられているのだろう。紗友里は足を肩幅ほどに開いてその前に立った。
「こっちも随分と太いんだな」
背もたれが倒れ、ちょうど紗友里の股のあたりで止まったため、クリトリスのリングを見てアヤードが言った。クリトリスが引きずり出されているのが上から見てもなんとも無惨だ。
「ほう、なかなかいい道具持ってるじゃないか」
無遠慮に指を女性器に入れて感嘆したアヤードは、抜いた指を自分の鼻先に持っていきにおいを嗅いだ。
「前にしばらく男の院長が居たことがあるんだが、そいつがこの女の膣を改良をしてね。ようは、ここに居る有香が天然の男殺しならば…」
「人工のキンチャクカズノコオマンコ」
巾着も数の子も日本語でリリヤが言ったがアヤードにわからないだろう。「おまんこ」は本人も昨日から使っていたから当然言葉を知っているのだろうが。
「ただ、定期的にヒアルロン酸の追加が必要。結構めんどくさいのよ」
今度は全て英語でリリヤが言い、ついでロシア語と思われる言葉で何かを付け加えた。
アヤードはどうやらその言葉もわかったらしく、短くだが声に出して笑った。
「しかし、ミタムラの配下の女は本当に誰もがフェラチオが上手くて驚く。あっという間にビンビンにされてしまったよ」
レオタードを着用したままの助手の片方が既にアヤードの巨根を口いっぱいに頬張っていた。
「ソウソウ、カイチョウ。ワタシモ、ユウナニ、フェラチオナライタイネ。エレーナトチガッテ、ワタシ、Mモデキル。ツヨイオトコニハ、ヒザマズキタイネ。カイチョウニ、ホウシスルタメ、ワタシモオシエルテンサイ、ユウナニ、デシイリシタイヨ」
アヤードの口の中をひと通り見た紗友里が、うんうんと頷き、そして三田村会長には首を何度か横に振った。
「虫歯ひとつない、健康な歯ということだ」
紗友里が再びアヤードを見下ろして頷くと、ボールギャグからツツーーっとヨダレがアヤードの口元に垂れた。紗友里は動揺したように慌ててガーゼでそれを拭き取る。仕置の口実はひとつでも少ないほうがいいのだ。
「オマンコホウシ」
リリヤがそんな紗友里を
一瞥
して命じる。
「ふぁ、ふぁい」
「この女、普段は四つん這いがデフォルト。後ろからしたいか、それともこのまま跨がらせていいか」
「うむ、このままで味わってみてから考えようか」
アヤードの言葉に、紗友里が白いハイヒールを脱ぎ、踏み台ごしに診療台の助手が奉仕をしているあたりに上がる。もとより「そのため」を考慮している特殊な台は、Mの字にしゃがんで足を乗せられるような作りになっており、助手が口から出したアヤードの男根を手で支えて、紗友里の穴へと導いた。
紗友里が腰をさらに落とすと、ずぶずぶと巨根が既に濡れそぼった女性器に埋まっていく。女医も充分に欲情しているのだ。
「先週、ヒアルロン酸を穴に打ったばかりね。人工の名器、でもいいオマンコはいいオマンコ。殿方はみんな大喜びよ」
女医に対して院長の権限は絶大のようで、紗友里にとっては支配者が男性から女性のロシア人に変わっただけということなのだろう。
奴隷としての性交作法。
腰をしっかり上下させて、男根の亀頭の下すれすれまで性器から抜いては、またずぶずぶと飲み込んでいく。最初はそれをゆっくりとやっていた。
「おおおお、これは凄い。有香奥様に勝るとも劣らぬ道具が注射一本で作れるということか」
アヤードは感激しているようだ。
「段々、スピードアップすると同時に、もっとオマンコよくする方法あるね」
リリヤの英語を聞き取って、紗友里が途端に許してくれとばかりに、懇願の目をしてイヤイヤをする。
「デンキ、イヤナラ、サッサトチンポ、イカセルネ」
命じられて、紗友里は一段も二段もギアアップして、腰をふる。乳房のリングも大きく揺れて、下向きになったFカップの乳房が大きく揺れる。クリトリスの方は膣内と連動して案外快感を得ているかもしれないが、乳首は相当の激痛だろうと思うと気の毒ではある。だが、いつ電気を流されるかわからないという恐怖が潜在している紗友里にしてみれば、その程度の痛みに構ってなどいられないのだろう。
ふたりの助手も診療台の下に潜り込んで、玉舐めなり尻舐めなりで協力している。歯科治療に使うためのものであると同時にそこに座った男性に奉仕をすることに配慮した優れものの性交台を兼ねた診療台というわけだ。
「うぐぐぐっ」
紗友里が急に身体を仰け反らせてくぐもった呻き声を出したのは、いつの間にか手にしていたリモコンのスイッチをリリヤが操作したためだ。乳首とクリトリスのリングに電気を流したのだろう。
「素晴らしい、これは素晴らしい。もうイクぞ、中出しでいいのかね」
アヤードが早口で言う。
「ううぅぅっ」
苦痛と快楽に紗友里の眉間にも皺が寄り、ボールギャグの穴からは大量のヨダレが溢れ、揺れる乳房にぽたぽたと落ちて流れている。
有香も女同士、いや同じマゾとしてその苦痛と快感の両方がもたらすものを身体でよく知っているだけに、思わず共鳴してしまいそうになる。それくらいに痛みに耐えて腰を振り続ける紗友里は淫らで、そしてマゾの極地に居るように見えるからだ。
「もちろんオマンコに出すね。この女のデンキ、まだ気持ちいい程度ね。チンポイキそうなら、強くする。オマンコ、ぎゅーっとチンポを握りしめてくれるそうよ。最高の射精出来る」
リリヤがリモコンをこれ見よがしに見せながら言う。
「ぐぎゃぁーー」
腰を振りながらも、自由な手を空中に彷徨わせて、直後顔を覆う。激痛なのだろうということは、傍目にもよくわかった。だが、リリヤの言うとおりであれば、男根に満たされ抉られ、擦りたてられている性器の快感も半端ないものだろう。締め付けるということは、それだけ女の側もおちんぽ様を味わい尽くすということなのだ。
「おおおーーっ」
アヤードが声をあげて、はじめて自分から腰を突き上げた。
腕組みをした三田村会長が、それを見て満足気に頷いた。
四
十月七日
ピンクサロン『天使牧場』
「昨日は、院長の方も楽しませてもらった、ありがとう。ドミナぶりもなかなかだが、どうしてどうして完全にマゾだね、あのロシアの女豹も」
アヤードが有香にとも美樹にともつかずに言う。昨夜は、三田村会長と院長のリリヤそしてアヤードの三人で夕食に行き、有香は同席せずホテルで別の客を取らされていた。
「まったく、わたし、これでもオクサンですからね、この人の。わたしとはいつするのよ」
怒っているような
拗
ねているような様子を見せて、美樹がアヤードの二の腕を抓っている。
「今日は日本の風俗店の見学、明日と明後日は例の女優さんの親子丼。ミキともしたいが残念ザンネン…」
日本人ならばイケシャーシャーとでも言うのだろうか。第二夫人のことなどやり飽きたと言わんばかりだ。有香としては、笑っていいのか一緒に憤慨するべきなのか、美樹の真意もわからないため、そっと黙っているしかなかった。
この数日、この中東の石油王と三田村会長のふたりの関係をつぶさに近くで見ていた有香には、法律的だとか形式的だとかのことはともかくとして、ひょっとしたらアヤードはこの美樹のことを会長に「返した」つもりなのではないか、そんな気もしないのではないのだった。それが美樹に手を出さない「理由」だとすれば、なんとなく辻褄が合う気がする。
何かそういう強い絆、それは男の友情というだけではないような、何かそういった「空気」をそばに居てひしひしと感じたのだ。
今日はその会長が一緒じゃない代わりに、後ろにもうひとりすらりと背の高い女がついて来ている。
ちょうど三十歳だという新しい会長の秘書は、「わたし、こう見えても結構淫乱な方なんです。今日の見学はとっても楽しみです、どうぞよろしくお願いいたします」
と、会長からの命令とはいえ、新人をいきなりそんなところに連れて行って大丈夫なのだろうかという、有香の懸念は本人のこの言葉で一応払拭された。
ある程度最初から因果は含まされているのであろうとはいえ、出勤一日目だという仕事がお客様の風俗店の見学のお供というのは、なんとも荒療治な気はするのだが。
有香自身でさえ、未体験ゾーンに足を踏み入れることに今もドキドキしているというのにだ。
「リリヤに聞いたのだが、あの歯科女医。女の口を完全な性器にするために全抜歯の手術をしたこともあるそうだね。ミタムラからはそんな話は聞き損ねていたけれども」
「あら。そうよ、あそこは決して男性会員の歯の健康のためと娯楽施設としてだけ作ったわけではないの。元々の最大の目的は、女の口をおまんこ代わりに使う、殿方のおちんぽ気持ちよくするために女の口を使えるようにする、その改造が出来る歯科医とその場所を確保するってことだったの。全部抜歯というのは今まで数えるくらいしか居ない筈だけれども、前歯を削ったり犬歯を抜いたりというのは日常茶飯事でやっているようよ」
美樹が答える。
やはりアヤードの第二夫人という立場は保ちつつも、日本に帰ってきてこちらでもそれなりの地位を確立しているだけのことはあるようだ。昨日行ったあの歯科医院を作ったのは、美樹が中東に渡っている間のことだと聞いている。だが美樹は、千葉の三田村病院の総婦長として、そしてまだ学生の男の子の母として、その両立をしながら、さらにそれ以外のことにもしっかり目配りをしているわけだ。
アヤードの妻というよりも、三田村のものに戻って自分の役割をしっかり果たしている。そう有香には見えた。日本で再会したアヤードと美樹がセックスをしたかどうか。そんなことよりも、美樹が今三田村会長のもとで果たしているその役割こそが『返却された』と思える理由なのかもしれない。
「総入れ歯にして、いざという時だけ外してするということか」
「ええ。口唇に舌、喉に加えて歯茎も使えるから、下手をするとおまんこよりもいい極上の性器になるらしいわよ」
「ふーむ」
そんな二人の英語での会話を、新人秘書はにこにこしながら聞いている。来週から週末の土日は三田村病院に入院させて教育しろという一昨日の会長の言葉では、彼女に奴隷経験などは、なさそうに思えたのだが。
「口をおまんこの代わりに使うという話。多分これから行くピンサロという業種もそうだし、日本では数多く存在するようなんだけど、フィニッシュまで口だけでするというのって外国の風俗ではあまりないんじゃないかなと思うの。アムステルダムだってマカオだって中国だって多分ロシアだって、おちんぽ大きくしたりするのに口を使うということはあっても、最後はまず必ずオマンコだと思うのよね」
美樹が誰にともなく言う。
「そうなんですか。日本ではフェラチオで逝って頂くのが普通で、膣を使用すると違法な売春ということになりますわよね」
なんとここで秘書が言葉を挟んできた。もちろんアヤードにもわかるように英語でだ。
「確かに、世界中の娼婦で性器を使わせることを拒むというのは常識的にあり得ないからな」
アヤードが答える。
「しかも今日行くところはハナビラカイテンという世界でもまずないシステム」
「ハナビラガイテ」
「違います。ハナビラカイテン。花びらを回すという意味よ」
美樹とアヤードのやりとりにも、秘書は屈託なく笑っている。
その花びら回転とやらをやらされるわけではないとはいえ、有香もこの新人の秘書もその場での見学のために、全裸になって見ず知らずの男に乳房と性器は見せるように命じられている。昨日のような閉鎖的な空間と違い、黙って横に立って見学させてもらうというわけにはいかないからというのがその理由だ。
考えないようにしても、それがどういう状況なのか見当もつかないために、有香ですらその場所が近づくにつれ、緊張が高まっているというのに、新人秘書は平然としているように見える。
「ひとりのお客様に対して、女の子が交代で何人か付くのよ。女の子がお客さんの間を回って歩くから回転。花びらはまあ女の子そのものを指してるのかな」
「花びら、持ってますしね。女は全員」
秘書がまた答える。
有香はついに小さくため息をついた。自分以上に、水が合っているのかもしれない。結婚しているのかどうかまでは聞いていなかったが、多分既婚だろう。人妻の色香のようなものを漂わせている。
「いらっしゃいませ、お待ちしておりましたっ」
「いらっしゃませーっ」
一人だけスーツをきちんと着こなした男が店長だろうか。その後ろで五人の白シャツに黒いズボンという男たちが一斉に唱和した。
「大野は元気にしてる」
「社長っすか。はい、毎日若いもんを叱り飛ばして、張り切って仕事してます」
旧知の間柄なのか、美樹とスーツの男が言葉を交わす。
開店は夕方五時だが、その一時間前に行ってくれ。店には店の都合もある。
会長からそう指示を受けて、きっかり十六時に六本木の路地にある店の、裏口と教わった場所で出迎えを受けているところだ。
「最近はどんななの」
「店、っすか。店は相変わらず盛況っすけど。表の行列、見て来なかったすか。開店一時間前から並ぶのは相変わらずっす。まあでも、繁盛させることが目的の店ではないのは奥さんもご存知の通りで」
男は、美樹に奥さんと言ったが、美樹はそんなことはどうでもいいのだろう。店内に入っても立ち話は続いている。
「で」
「月に多くても三人ってとこですねぇ。上にあげられる女の子っていうのは。もちろん稼げるって評判聞きつけてたくさん来るんですけどね。なんかこう、羞恥心も全くないような、面接の前に裸の写真、履歴書代わりだとか言ってメールで送ってきたりとか、随分世の中変わったなあと思いますね」
この店の真の目的は、奴隷の調達にあるという話を会長から聞いたばかりだ。VIPだけを相手にした高級SM倶楽部とは対極の風俗店の経営が、どのようにその役割を果たしているのかは有香の想像も及ばぬところなのだろう。
「あとですね。今日はこんな外国のVIPのお客様をお迎えしてなんですけど、このあたりにも中国人の観光客が物見遊山で客としてやってくることが増えましたね。ネットの威力で評判は何処に居ても見られるということなんでしょうけど。その方はもちろん別っすが、普段は外国人のお客さんお断りしてるんです。でもたまに紛れ込んでしまうんですよね。アジア人は見分けつかんこともありまして」
六本木という街を詳しく知っているわけではなかったが、バブルの頃から外国人が多い街だと聞いてはいる。
「で、今日の段取りは」
スーツの男が店の一番右奥の席を指差して、「お客の出入口が前方の反対側なので、あの席だけは奥に座っていただければ、ほぼ他の客の目には入りません。この暗さですからね。ですが店内の様子は見ていただけるし、前方のモニターテレビもばっちり見られる一番いい席なんす。なのでそちらでワンセットでもツーセットでも愉しんでいって頂いて。上からの指示では、優菜さんは三番目につけるようにと言われてますが」
フェラチオの達人でグループの女たちの指南役でもある神代優菜が、アヤードのためにやはり用意されているようだ。
「こちらのお二人が、見学学習ということですね。すっ裸、大丈夫なんすか」
「有香さんは大丈夫だろうけど、こちら…」
「
冬木
彩都沙
と申します。本日より、牧野リサさんが復帰されるまで三田村会長の専属秘書をさせていただくことになりました」
会長に紹介された時に聞いた本名を美樹と男に対して改めて新人秘書が名乗った。
「覚悟はしてまいりましたので、ご指導宜しくお願いいたします」
やはり肝の座った女性だ。
「風俗のご経験は」
「全くございません。でも牧野さんに言われて、ひと通りの知識はネットを見たりして学習して参りました」
ピンクサロン。
大部屋でテーブルごとに仕切られた区画の中、ソファに座らさせた客に社交と呼ばれる女がフェラチオと手コキ技で射精をさせるだけの明快なサービス。概ね他の射精産業店よりも客単価が安い。
同じく有香もインターネットで検索してきていた。
六本木「天使牧場」というこちらの店は、ホームページの中を見るためには、登録が必要だったため、さすがにそれはためらわれて、見ることは出来ていないが。
「うちの店は、よそのピンサロとは大きく違う点がひとつあって、客には最低ふたり女がつきます。ひとりがサービスつまりフェラチオなどを行い、もうひとりは客の目の前の椅子の背に座って、オッパイと性器を見せる役です。どちらも席では原則すっぽんぽん。店内を歩く時もそのまま、すっ裸なのが新人と上部組織の奴隷牧場…いやエスタブリッシュメント倶楽部からの派遣、研修目的ですね。パンツだけ履いてるのが準新人。半年以上の在籍で成績があがるにつれて、ブラだけ、ブラとパンツ両方、下着はなしだけど衣装またはバスタオルとなっていきます。ふたりとも全裸にはなってもらいますが、そううろちょろはしなくていいと思いますので」
「あら。折角だからふたりとも他の新人と同じように扱ったらいいわ」
美樹は目を光らせて有香と、そして彩都沙を交互に見た。
「はい。覚悟はしてまいりましたので、店長さんのお引き回しにお任せいたします」
有香は黙っていたが、彩都沙の方がそう答えた。
「あ、僕は店長ではありません。申し遅れましたが、副店長の水上と申します。それでは、多少裸で他のテーブルに移動もしていただきましょうか。できるだけフェラの上手い女のところにつけますので。あ、この見せ役の女の大事なことは、自分はあそこ拡げて客に見てもらいつつ、他の女のサービスの仕方をきちんと見て学習することにあります。自分のは見せつつ、客のモノから目を一刻も離すなというタテマエにしてありますが、ようは他の女がするフェラチオを見てその極意を学べということっすね」
ごくり。
思わず唾を飲み込んでしまった。別に欲情したというわけではないのだが、その単純なようで、客へのサービスという見せかけとは別に、女を成長させて奴隷にするためのエッセンスが見事につめ込まれている気がしたからだ。
「各テーブルの真上と後ろの壁にビデオカメラがあって、その映像を前方のモニターに流す場合もあります。それとは別に、ソファの背にもそれぞれ高性能カメラが仕込んであって、見せ役の女の様子も逐一撮影して、本部にもリアルタイムで送っていますから、一応そのことは予め話しておいてくれという上からの指示っすのでお伝えしておきますね」
表情や態度、あるいは見せてる時の性器の濡れ具合などをチェックして、奴隷として吸い上げる女を物色しているのだろうか。三田村病院の病室や特別室のカメラの多さと共通するところがあるのかもしれない。
「出勤してるキャストひとり、裸にして連れて来てくれるか」
副店長だという水上が、Yシャツ姿のスタッフのひとりに命じた。
「カメラは、顔もあ…あそこも写っちゃうんでしょうか」
「ええ。そのためのものですから」
カメラがあるということをわざわざ有香に知らせる必要はない筈であるから、理由はよくわからないが彩都沙のために通告したのであろう。
「わたし、結婚してから…、旦那様以外にそんなところ見ていただいたことないんです」
やはり既婚者、人妻であった。
「おっぱいもですか」
水上が驚いたような声を出すが、ここだって人妻が来ればそういう女だって居るだろう。
「お、おっぱいは温泉とかで他の女性や友達には見られてますけど、そこは足開いたりしない限り、よくは見えないじゃないですか」
「え。面接で
隼人
君…いえ、三田村会長の前で裸に…おまんこの検査されなかったの」
美樹が口をはさむ。
「は、はい。牧野さんには、面接の時に裸にさせられる筈だからと言われて覚悟はしていたのですが、面接そのものがなかったのです」
「あら、ふーん」
彩都沙は、本来の会長秘書で産休中の牧野リサの紹介だという。リサの目利きを全面的に信頼したということだろう。美樹もそう得心したに違いない。
「チーフ、連れて参りました」
アヤードを含めて、皆が一斉に声の方を見る。
まだ二十一歳にすらなっていないのではないか、制服を着せれば大学生どころか学生に見られてもおかしくないようなショートヘアの小柄な女の子が立っていた。あどけない顔立ちとは裏腹に、ふたつの乳房の膨らみは豊かで、娘の紫織のGカップまではいかぬものの、Fはありそうだ。少し大きめの乳首が生意気そうにまっすぐに硬くなってその存在を誇示している。おっぱいの膨らみをより強調するようにその腰はくびれており、足の付け根の薄めのアンダーヘアの下に一本の筋になって割れ目が正面から見ても透けて見えているのが妙にエロティックだ。
水上に指で示されて、女の子が一番手近のテーブルに上がった。その際、ヒールのある靴を脱いだためさらに小柄さが強調される。百五十センチあるかないかというところか。
「入店三ヶ月までの女の子は、全員この高いヒールを履いてもらっています。裸だと恥ずかしくてつい早足になったりということがないよう、フロアで客におっぱいや尻を見せるのもシゴトのうちっすからね」
高いヒールを履かされて、わざとゆっくりフロアを歩かされ全裸を客の目に晒されるのだ。
「うちのシステムは約二十分でワンサービスです。それを一回の来店で三セット受けてもらう花びら回転がウリとなっています。二十分ごとにサービスする女の子も見世物役の女の子もテーブルを移動して貰います」
移動のたびに、フロアの客達に身体を見せ、テーブルに付くたびに一時間に三人の客に性器の奥まで見せるか、フェラチオサービスというわけだ。
「一セットの間に曲が五曲流れます。席にはサービスする女の子が先に付きますので、見世物役は一曲目が流れている間にこうしてテーブルに上がり、足は閉じたままで前の席のソファのその窪みの部分に座って、手を頭の後ろに組んで胸を張っておっぱいを突き出すようにしてまずは客に胸を見せます」
説明通りに、女がその位置で乳房をこれみよがしに突き出して見せる。本人たちに意識があるかどうかはわからぬが、頭の後ろで手を組むそのポーズはあきらかに奴隷の服従を示す姿勢そのものであった。
「二曲目で手の位置はそのままにゆっくりと足を開いていきます。座り方も徐々に浅めにして、そして右足、左足の順で足もソファに乗せてM字に開いておまんこを客の目に晒します」
ソファに座った客の顔の位置に見世物役の性器がほぼ真正面に来るような高さになっているようだ。水上はズバリその部分を指す言葉で言った。
女が言葉通りにM字開脚で股間を晒すと、隣の彩都沙がこくんと小さく喉を鳴らして唾を飲み込んだのがわかった。
「わ、わたし。他の女の方の大事なところをこんな間近で見るのもはじめてです…」
「あら、だったらその客席に座って見せて貰いなさいよ。営業始まったらそんなこと出来ないんだから。いい」
最後は足を開いている当の女に美樹が問いかけた。
男性に見せる以上に同性にそこを見られるのは恥ずかしいに違いないからだろう。このあどけない顔をした女が、どういう素性の女かもわからないわけだし、気を使ったのかもしれない。
「お客様を立たせておくのはなんだけども、副婦長も横に座って見せて頂いたら」
お客様の妻である美樹にそう言われて、結局新人秘書と二人でほぼ真正面から、前席のソファの特殊な背もたれに座る女の性器を見ることになってしまった。
「三曲目がはじまったら、すぐにこうして手で大陰唇を左右に引っ張って、穴の中まで見せる。同時に親指でクリトリスも剥いて見せます」
再び、ゴクンと彩都沙が喉を鳴らした。
まだ少女といってもいい女のピンク色の女性器内部が、クリトリスの下の尿道口もそして複雑な襞を折り重ねたような膣口までが、露骨なまでに拡げられて目の前であからさまになっていた。ネットで解説されていたピンクサロンというのは、かなりの暗がり、店によっては真っ暗な場合すらあると書いてあったが、今は普通のお洒落なレストラン並みの明るさなのだ。営業が始まったら暗くするのだろうか。いや、女の胸や性器を見せることがサービスである以上は、一定以上の明るさは保つということだろう。
「時には、お嬢さん方のようにマジマジとそこを凝視するお客さんもいて、そうじゃなくても自分への視線は気になる筈っすけど、決してお客さんの顔を見たりしないこと。見るべきなのは、お客さんの下半身で行われている同僚のフェラチオ奉仕。客のちんぽから目を離してはいけないというのは、どんな場合にも女の子に顔を見たりさせないという店側のお客さんへの宣言でもあるんです」
「お客様のほうはどうなんですか。そこだけを見てないといけないのか、という意味ですけど」
臆せずに彩都沙が水上に尋ねる。
「まさか。お客の方は勝手におまんこだろうと乳だろうと、もちろん顔だって凝視したっていいっす。まったくの自由っすから。でも女の方は四曲目になっても、そのままそこをおんなじように拡げて見せてなければいけない。ただ四曲目ではクリトリスに限って自分で擦ってもいいことになってます」
「あ、ああん」
いつもとは違った変わったシチュエーションで性器を同性にまで見せつけているという現実に興奮しているのだろうか。女のクリトリスはピンク色の尖りをはっきりと見せているが、副店長の言葉に右手の人差し指でそれを捏ねて見せたため、女の口から初めて妖艶な声が漏れた。
「四曲目の後半から五曲目にかけて、サービスの女たちはフィニッシュさせるための態勢に入るっす。ちゃんと五曲目でフィニッシュさせることが自分たちの給料に跳ね返るシステムだし、倶楽部側から預かっている女たちに至っては、一定以上の成果がないと『お帰りの会』での厳罰…お仕置きが待っています」
お帰りの会などという学生のホームルームのような可愛らしい名前に似つかわしくない厳しい処罰が待っているのであろうことは、副店長の言葉からも充分に想像出来た。
「客をフィニッシュさせることが出来たら、下の女が合図をおくってくることになってます。そうしたらはじめてそこで客の顔を見てちょっとにこっと笑顔でも見せて、M字の足を出来るだけ拡げて、最後に手でぐっと穴を拡げて見せた上で離す。そしたら股を閉じて椅子から降りて退場ということになります」
「あら、これって…」
先程の更衣室での、彩都沙の脱ぎっぷりは大したものだと思えた。まるで女風呂で脱ぐかのようにサクサクとワンピースを脱ぎ、ブラを外してパンティもあっさりと取った。この場で男の目があるわけではなく、すでに裸の女もウロウロしていた中であるから、女風呂の脱衣室と何ら変わらないといえばそうなのだが、これからさせられることを思えば、素人の人妻さん、物怖じのひとつもしてみせても不思議はないと有香には思えるのだ。
その上で、露わになった有香の右胸を見て、反応したのだ。
「会長のオンナである
証
ってわけですか」
どういうわけか、少々挑戦的な、咎
めるような口調である。
「会長っていうか…」
有香は少々言い淀む。
「エスタブリッシュメント倶楽部所有の奴隷の
証
です」
私だって、ついこの前までは素人の人妻だったのだ。マゾとして少々特異な人生を歩んできたことは事実だが、お金のために脱いだり、サービスをするいわゆる風俗嬢の経験ももちろんない。それが今では一生消えない奴隷の証までこうして刻み込まれている。
「へーーっ。これで黒ければバーコードみたいだけど、実際の役割もそんなようなものってことですね」
「バーコード…」
そばに居る他の女が、何の話かと聞き耳を立てているのではないかと、気になってしまう。女たちの中には、エスタブリッシュメント倶楽部所属で派遣、いや研修ということで来ている女も居ると聞いているが、有香の面識のある女は今のところ居ない。
すでに他の女たちの準備は万端のようだった。有香たちのまわりはほとんど全裸の女だったが、皆若く、美しい乳房を手で隠したりせず、むしろ誇らしげにしているようにさえ見えた。もちろんそんな風に思っているのは多分有香だけ、あるいは有香と彩都沙だけで、彼女たちは、これが仕事なのだ。
有香は、心を決めてようやく最後の下着を脱いだ。恥丘にも電子タトゥーが入っているが、こちらはしゃがみこんで見なければわからないだろう。
シーンと静まり返った真っ暗な店内に、たくさんの人の気配だけがしている。
次の瞬間、照明がパッとついた。
有香と会長の新しい秘書彩都沙も全裸になって、四十人は居るであろう女たちに混じって裸で立っていた。照明の下では、半数以上の女が全裸、下半身だけ裸の女が数人、上半身裸で豊かな胸を見せている女たちが十人ほど、残る十人近くが思い思いの衣装を身につけている。Tシャツにショートパンツだったり、セーラー服の上下の見るからに美少女タイプ、衣装というよりは乳房全体がスケスケに見えているスリップの下着姿、ビキニの水着など、様々だ。
「おはようございまっす」
副店長の水上を中心に対面に立った男性スタッフのひとりが大きな声で言うと、おはようこざいまーす、と女の子たちもそれなりに声を張って挨拶を返した。
「本日前半、Z
席は大切なお客様が使われますので、宜しくお願いいたします。基本的には付ける女の子は決まってますが、延長や状況によっては、いつものように柔軟に対応するので、皆さんの方でも特に丁寧な接客、よろしくお願いします。Zのお客様はすでに席についておいでです」
水上から注意事項として、アヤードの席が紹介された。ついでにメンバー外で入っている自分たちについても何かひと言あるかと思ったが、そこには触れなかった。まあこういう店だ。新人の出入りなど珍しくもなんともないのかもしれない。
「でわぁ、今日のぉ、目標っ」
最初の挨拶の男が言うと、有香たちのそばの全裸の女の子のグループの方から「三十三番リナ、五本」
「六十一番シズカ、十本」
「九十七番クミコ、八本」
などと、サービスして客を射精させる数だと思われる「本数」を大きな声で唱え始めた。
その後、半裸の子から衣装組にもその宣言は移っていき、「一番ユウコ、二十一本」
というのがその最高本数であった。
「はい、ユウコさん。パーフェクト宣言。本日もパーフェクト連続記録更新よろしくおねがいします」
ユウコと名乗ったのは、セーラー服上下の女だ。先程、有香たちに性器の見せ方を実演してくれた女は、カヤコと名乗り目標本数は十二本だった。
「それでは、今日も一日張り切っていきましょう。なお、本日に限りまして、まかないは二十一時以降でお願いします」
「はいっ」
最後の返事は、女たちだけではなく副店長の水上と司会をしているこの男以外の男たちも加わり、それは見事なまでの唱和だった。
突然、大音量でビートの効いた音楽がかかった。十七時ちょうど。いよいよ開店するようだ。
「最初は、ユカさんが大事なお客様のテーブルにつくようにとの指示です。あ、もちろんテーブルといっても、上から見下ろす方です。普通は見せる方の子は、サービスの子たちが配置されてからなんですが、もう行きましょう」
副店長が有香に言う。
アヤードの座っている席と、ちょうど対角線の位置が女の子たちの「控所」のようになっていて、そこから指示されたテーブルにサービスか見世物かのどちらかの役目をしに行き、終わったらまた一度はここに戻ってくるというシステムのようだ。うがいをしたり、用をたしたりする手洗い所もその奥にある。
「なんか、女の人がビーカーみたいなのを持って座ってるの。口に出されたザーメンそこに出させて確認するらしいですよ、ちゃんと本当に射精させたかどうか。その女の人が教えてくれた」
「朝礼」が終わり、営業開始直前になってトイレに立った彩都沙が目を丸くして教えてくれた。
その彩都沙も既にどこかのテーブルに配置されて、先にこの場を離れている。
全ての席には既に客の男たちが座っていて、サービスの女の子がもう配置されているテーブルもあった。次々にスピーカーからは、女の子の番号と名前、そして行くべき席が指示され、女の子がその席へと向かう。
サービスの女の子がまだついていないテーブルの客は、一様に値踏みするような餓えた目で歩いている有香の体を堂々と見つめてきた。テーブルの側は若干暗いが、通路を歩く女は顔から身体までよく見えるように天井と床の両方から絶妙な明るさの照明が当てられている。見られるために、見せるために女たちは裸にされているのだ。
席の横に立つと、アヤードが白い歯を見せて有香に微かに笑いかけてきた。既にアヤードの膝の上には白いセーラー服を身に付けた女が跨って、夏服の上着の裾から両手を入れさせて乳房を揉ませていた。有香が見た瞬間はちょうどキスをしていて口唇を離したばかりの様子だった。
作法通りにテーブルに上がる。実はこのかなりの高さにあるテーブルに登るときにも、最初から全裸の場合はかなりきわどいものを客に見せることになるだろう、と有香はその時に気がついた。ソファのサービスの女の子も付いたばかりなので、そちらに気を取られていればいいが、後ろからいきなり股の間が覗いてしまうのではないかと、思わずドキドキしてしまう。
テーブルにあがると、目の前に新人秘書の彩都沙がまだぴたりと閉じた膝から下の足を揃えて片側に流し、先程言われたとおりに胸を張って、双の丸い膨らみを客に見せつけてまっすぐこちらを向いて座っていた。一瞬、有香と目が合ったが、思わず目が泳いでしまったのは有香の方だった。
他の女に先んじて真っ先に案内された彩都沙は、それだけ通路ではその裸の胸や腰の下の生え揃った陰毛に男たちの視線を受けたことだろう。
「うわっ、おっきい」
有香が前席の幅一メートル近くあるのではないかというソファの背もたれの中央の少し凹んだところに腰をおろそうとした瞬間に、セーラー服の女が声をあげた。そこらじゅうに聞こえるというほどの大きな声ではないが、有香にははっきり聞き取れるトーンだった。
「えーー。こんなのすごーい。といってもお客さん、日本語はおわかりにならないんですかね」
女はマジマジと既に勃起した男根を見つめている。
「そかあ。えーとえーと、ザッツ、ビッグサイズ、お、おちんちんはなんて言うんだったっけな。あ、ペニスか」
髪の毛をゴムで留めながら、女がアヤードに言っている。
「滅多にいないなあ、ここまで大きい人。さすがは外人さんだあ。わたし今、新記録更新中なのよね。六日間連続パーフェクト。連続記録もあとちょうど一本で百三十本連続発射成功なんだけど。これは張り切って頑張らないとだぞぉ」
女は結局、日本語でのひとりごとに戻っていた。
朝礼の時に、二十分ずつ一時間に三人の客を七時間連続、合計二十一人完璧に射精に導くと宣言して、「連続記録」うんぬんと副店長に言われていたユウコという女だった。
いきなりナンバーワンをつけてアヤードを歓待しつつ、そのナンバーワンのテクニックを有香が上から見学出来るように取り計らってくれたということだろう。
そうか、一晩に二十一人もの男のものをしゃぶって発射させているのだ。それは確かに凄いことかもしれない。
人気があれば、常にサービスの側になって、前席のソファに上がっての性器を見せる役目は回って来ないのだろう。仕事とはいえ、七時間ずっとフェラチオしているというこの仕事は、確かにどこかMの素質でもなければ出来ないことかもしれない。それが組織としての見極めということなのだろうか。
ここ出身の女も、それなりの数がエスタブリッシュメント倶楽部には在籍しているらしい。だが、強制入院から副婦長になった現在に至るまで、有香はずっと三田村病院に居たわけで、話としては聞いてはいたが、そういう女と会ったことがあるわけではなかった。エスタブリッシュメントホテルの上階で運営されているという「倶楽部」に、何人の女が所属していて、何人の、そしてどんな会員が居るのかということさえも知らないのだ。
三田村会長の妻だった乃里子にしても、そして三田村の最初の妻からアヤードの元へ行き、そして今また戻って来ている美樹にしても、そういったほとんどの事情を知っていたのではないか。自分はこれから色々と教わることになるのだろうか。
「じゃ、失礼いたします」
女は、右手を床についてソファにしどけなく身体を横たえると、まずは男根の先端にチュッとキスをした。同時に腰を浮かせて左手で大胆にスカートを思い切り捲りあげる。スカートの下は何も身に付けておらず、小さな白い尻が有香の目に飛び込んでくる。
「おっぱいも遠慮なくめくり上げて見てくださいね、ってわかんないか。じゃあ自分で」
そういうとセーラー服の上着も横のホックを外して、大胆に乳房を剥き出しにしたようだ。左胸の白い膨らみが乳首まで上から見ている有香にも見えた。
「好きなとこ、触ってくださいね」
それも日本語で言いつつ、アヤードの右手を左手で乳房に導くと、ユウコはいきなりアヤードの膝のほうへ首を沈めた。
玉舐めか、あるいは尻穴舐めから入るようだ。
即尺。
風俗店で、拭いたり洗ったりせずに男根へのサービスに入ることをそう呼ぶということは、どこで知ったのだったろうか。
暫くして長い一曲目が終わった。同時に店内が一度真っ暗になり、続いて有香の頭上から眩い光が降りかかってきた。どうやら暗い店内で、サービスの女の子の触感を楽しませつつ、ここで一度は「見世物」の女に視線を取ろうという演出のようだ。
作法。
曲の開始から、少しずつ足を開いて、最終的にはお尻をつけている背もたれに足を乗せてM字に開脚してそこをお見せする。
自分自身の視点は随分と高い位置にあり、アヤードつまり客の視線の真っ正面が今見せようとしている自分の股間の中心、女性器そのものだ。客から見ると、乳房を見る時は少し目線をあげ、顔の表情まで見ようと思えばさらに上を見なければならないということだ。その代わり、顔の高さになる見世物役の女性器は、その全容を余すことなく見ることが出来るわけだ。
天井から浴びせかけられている光は強く、それが店内に何人もの女を浮かび上がらせているのだろう。有香の位置からは、右側の真横の席の三人の女だけが見えている。
ものの一分か二分で、照明は元の明るいものに戻された。ユウコは未だアヤードの股の下に潜り込んで、玉舐めをしては尻の方まで舌を這わせるというのを繰り返していた。左手は軽いグーを作った感じで、亀頭を包み込んで手のひらで先端をサワサワとしている感じだ。この手の使い方は、有香には少し新鮮に思えた。
照明が元に戻ってさらに一分以上が経ち、ようやくユウコが下から男根を舐め上げて亀頭の裏筋舐めに移った。ここが男のウィークポイントであるというのは、随分前に有香も学習している。手はすかさず先ほどまで舐め回していた玉裏に持って行っている。アヤードの男根は既にパンパンという感じだ。
曲が三曲目に変わった。
ここでただ足を開いてるだけではなく、手で大陰唇を拡げることで性器内部までお見せする。まったくもってマゾ女そのものの作法である。
これまで何人もの奴隷から奉仕を受け、何人もの奴隷にこうして性器を自ら開帳させて見てきたに違いないアヤードも、異国の風俗店の独特な雰囲気にすっかり興奮しているようで、真正面にある有香の性器と下で奉仕をしているユウコの顔との間を視線が何度も行き来しているのが気配でわかった。もちろん作法通りに、有香はアヤードの顔を見たりはせずに、ユウコの熟練した作業をじっと見つめ続けた。


