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折檻部屋の風夏 · 第3部

折檻部屋の風夏 第3部 (3/3)
前の話

間違いありません。道路をはさんだ向かい側の倉庫街に入ったのです。

わたしはサンダルをズルズルいわせて、肌に生温かい空気、微かに潮のにおいを感じます。それにオイル。機械でもあるような。

「連れてきたわよ」

「おお」

低い声。ガツガツと重い足音が複数。そしてさきほどのフォークリフトがすぐ近くに来て停止しました。

「明日の朝まで。好きなようにしていいわ」

「マジかよ」

「退屈しなくていいな」

若い声、老けた声。三人いるようです。

「中に連れ込んで」

清美がわたしの腕を押しました。

「あっ」

ごわごわした作業着に乳房が触れます。タバコのニオイ。汗。体臭。

「ほら、見てよ。小鼻ふくらませて発情しちゃってるわ」

「マジかよ」

ゾクゾクしてしまうのはしょうがありません。

「なんだ、ずいぶん、痛めつけてるじゃん」

「そうでもないわよ」

「なにをしてもいいんだね」

「ええ。死んじゃったら、海に放り込めばいいわ」

男たちが笑いました。

「もっといい方法があるんだよ。向こうにでっかい焼却炉があるからさ」

「へえ。使えるの?」

「夜、そっちのやつも呼ぶからさ。いいんだろう?」

「別に、構わないわよ」

男が腕をつかみました。それだけで折れそうに痛い。

「こっちに来い」

「目隠しは……」

「顔を見られたら困るからな。外してやらないよ、明るいところじゃな」

そういうことなんだ。わたしが生きて朝を迎えても、誰になにをされたかわからないようにするつもりなのです。

倉庫らしき建物の中に入りました。外の騒音が遠くなり、清美は誰かと話をしているようですが、その声もずっと向こうに。

「ふふふ。ウワサには聞いたことがあるが、本当にこんな女がいるとはな」

清美のした目隠しの上からさらにきつく布を巻き付けられました。

「いい体だ」

ざらざらした指で撫で回されます。

「こんなものいらないよな」

ジャージの下は脱がされ、サンダルも脱がされ、裸足で冷たいコンクリの上に。

「こっちだ」

どこかわからない場所に連れ込まれました。

狭い部屋のようですが、音が反響します。全部、コンクリートなのかもしれません。物がほとんどないようです。

ジャージの上着をほどかれ、手をもうひとりが掴み、四本の手で体を触られます。

「どうだ、期待してるんだろ。うれしいか」

「あ、あ」となかなか言葉が出ません。

「ありがとうございます。風夏と申します。変態女です。どうか、メチャクチャにしてください」

なんとか言い切りました。

浣腸

指が二つの穴に入り込んできます。

「どっちもOKってホントかよ」

「はい。お尻の穴もお使いください。だけど、できれば、洗ってから……」

「わかってるさ、それぐらい」

そこにもう一人が遅れてやってきました。

「順番はわかってるよな」

「ああ」

男たちは興奮してきているようです。

「かわいい顔して、エグイことするらしいな」

「なんでもしていいんだって?」

男たちのはしゃぐ声。

「それじゃ、ケツを出して、開いてみせろよ」

目隠しをされているので、どんな場所か、本当は何人いるのか、どんな人がいるのかもわからないのです。清美がいるのかどうかもわかりません。

だけど、ちゃんと務めないと清美は許してくれないでしょう。

おもいきりお尻を突きだして、自分で広げました。

「どうぞ、風夏の汚いお尻をご覧ください」

「ホントだ、汚ねえなあ」

オモチャの銃の標的にされたり、花火や蝋燭で焼かれて、きっとひどいのでしょう。

広げた穴に男たちの指が触れてきます。

「へへへ。おもしれえな」

「ひくひくしてるぜ」

「そうだ、こいつを使ってくれって言われたな」

固くて細いものが当たります。するっと中に入ってくると、チュッと音がして液体が中に入ってきました。

「はっ」

声が出ます。

「だめだぞ、すぐ出すんじゃないぞ」

二個、三個と男たちはおもしろがって、市販の手軽な浣腸をお尻に入れてくるのです。

「何個、入れようか」

そんなことを言いながら、もう五個を超えています。

「ああ、苦しいです。がまんできなくなりそうです」

「ここでしやがったら、ぶっ殺すぞ」

「そうだ。自分の指を突っ込んでがまんしろよ」

誰かがわたしの手を取って、お尻の穴に押しつけます。

「入れてみろよ」

「入れたら出ちゃうぅぅ」

「ハハハ。かわいい声出しやがって。変態のくせに」

首輪を引っ張られ、どこかへ歩かされます。みっともないです。お尻を突きだして自分の指で穴を押さえて、よたよたと歩くのです。

ドアが開き、外の音。トラックのエンジン。走行音。風。

「いいぜ、そこでやれよ」

足が草や小石を感じます。外なのです。

「できない……」

「できるまで入れるぞ」

その場で、三個追加されました。お腹がグルグル鳴って、自分の意思と関係なくお尻の穴が開いて漏れてきます。

「いいぜ、早く出せよ」

「ひー」

指で押さえていることもできず。しゃがもうとすると男たちが抱えて、それを許さず、中腰でお尻を突き出すようなかっこうで排泄を始めました。

「臭えなあ」

「変態女のクソだからな。ろくなもの食ってないぜ」

ほとんど浣腸液だと思いたいのです。でも、ポタポタと固形物が落ちていくのがわかります。ジーンと穴が痺れていて、どれだけ出してもお腹は痛いのです。

「終わりかよ。もう一回だ。まだまだあるからさ」

何箱も用意されたのでしょう。男たちは袋を破ってまた、浣腸をしてきました。

「今度は十本だぜ」

「ああああん、きつい」

「甘えるな、バカ」

お尻を叩かれました。

「おもしろいぜ、みんなでぶっ叩きながら入れてやるからよ」

バシバシを男の力で加減せずにお尻を手で叩かれながら、浣腸されます。

誰が見ているかもわからない外で。裸にされて。

みじめすぎます。

「泣いてるのかよ?」

目隠しの下に涙がにじんでいるのでしょうか。

「だらしねえな。この程度で」

もう一度、排泄をさせられると、今度は彼らが指を穴の中に入れてきました。

「おもしろいぜ」

何本もの指を入れられ、最後にはそこに指を引っ掛けてお尻全体を吊り上げるようにし、部屋に戻りました。

「じゃあ、楽しませてもらおう」

彼らはしゃぶらせて、性器に入れたり、お尻の穴に入れたり。お尻を叩いたり。オッパイをつねったり、舐めたり、噛んだり……。

三人ぐらいいるようです。

「もっと泣けよ」

首を絞められ、泣きわめくのですが、笑われるだけで助けてもくれません。

「飲め」

精液を三人分、飲まされました。

「なるほど、楽しいな」

「まだまだたっぷり時間があるし」

「まだ浣腸もたっぷり残ってるしな」

チュッと音を立てて、お尻に熱い浣腸液が流れ込んできました。

嬲られ人形

「風夏って言うんだな。こんなことが大好きなのか?」

「はい」

男たちがからかいます。

何度も浣腸されて排泄させられ、異物を入れられ、肉棒で犯されました。

「変態で、貸し出される体ってわけか。清美は『うんと懲らしめてやってくれ』って頼まれたんだけど、そうなのか?」

「はい。お願いします」

声が震えています。

凌辱に飽きた男たち……。

「じゃ、自分でまんこを開いて見せろよ」

「はい。風夏のおまんこを見てください」

ざらざらとした床に背中をつけて、腰を浮かせ、指でそこを広げました。彼らを見ることができませんが、すごく顔を近づけているようです。

「痛いか?」

傷がいっぱいあるからでしょう。

「はい、少し」

「中まで見せろよ、指を入れてさ」

割れ目を開くだけでは許されないのです。さらに深く、指を進めて膣口にあてて、剥き出しにします。

指先にザーメンがからみつきます。そこはたっぷり注がれたままです。

「おお、中はきれいじゃん。若いね、やっぱ」

「またやりたくなってきたぜ」

「何発やってもいいんだってよ」

「それじゃ、やらなきゃ損だよな」

一人が足をがっしり掴み、腰を押しつけてきました。

「自分で入れるんだぜ」

「ああん」

経験が浅く、触り慣れていないのに。

彼のものを自分で入れさせられます。

「そうだ。もっと腰を突き出せよ、好きなんだろ」

「はい、おチンポ、大好きです」

自分から腰を当てていくのです。

そのとき、別の人が、頬に腰を押しつけてきました。

平手で頬を叩きます。

「しゃぶれよ」

顔を横に向けてそこにあるペニスを口にします。片手は股間、片手は口もとで二本のペニスを同時に支えます。その人が、乳首をつまんできました。

「まだまだ、発達してねえな。男、あんまり知らねえだろ」

ぎゅっと潰されて、引っ張りあげられます。

「んぐぐうぐぐ」

「ちゃんとしゃぶるんだ、なにをされても」

叫びたい痛さ。

股間の手を誰かが掴みます。もう一人いたのですが、その人が自分のものを握らせます。柔らかくて少し濡れています。

膣に入れた男がピッチを速めてきました。

それに合わせるように、手を動かし、そして口を動かすのです。

息もろくにできません。しだいに朦朧となっていきます。ちゃんと眠ることもできず、昨日から酷使された肉体は、限界に近いのかもしれません。

男たちがなにかを楽しそうにしゃべりながら、口、手、性器と、場所を代わりながら楽しんでいるようですが、わたしはただひたすら、身をまかせるだけです。

「あふっ」

なにかしら感じています。それがアクメのようなものなのか、ただ、だるくて反応しているだけなのかさえ、よくわかりません。だけど、少しでもぴくっとするだけで、彼らが悦ぶのがわかります。

「感じてるんだぜ、この変態」

オッパイを平手で叩かれました。

「うっ」

目が覚める痛さ。やっぱり、痛くないとダメなのです。ガクッガクッとあそこが収縮していくのがわかります。

「おー、いいねえ、締めてくるな」

「そうか」

三人がかわるがわる、オッパイを叩きます。

最初はピタピタという感じだったのに、だんだんバシバシと激しくなっていきました。

「がうっ」

「噛むんじゃない、バカ」

拳で乳房を殴られました。

「ぐっ」

思わず体が縮まってしまいます。

「舐めてるんじゃねえか、こいつ」

「躾けてやらないとダメだな」

彼らは思いきり乳房を握り潰したり、バーンと音がするほど叩いて、真っ赤にしてしまうと、次々を射精していきました。

最後の男は再び、わたしをうつ伏せにするとお尻を使いました。

乳房が痛くて痛くて……。

ぐーんと音がして、誰かが部屋の近くにフォークリフトを止めました。

「よーし」

何度目かの射精が終わったようです。

三人が満足したのなら、そこで終わるはずですが、彼らは性的に満足したあとも、わたしを嬲り続けるつもりなのです。

「来いよ」

髪の毛を掴まれて、引っ張られます。

「いやー」

叫んでも、引きずられます。四本足で歩こうとしますが、彼の足が速すぎます。痛いおっぱいだけは地面につけたくなくて、必死で転がるようについていきました。

「これからが、風夏ちゃんのお楽しみだよ」

「そうだな、おれたちだけ楽しんだんじゃ悪いものね」

「清美からくれぐれも、おまえの大好きなことをしてやってほしいって頼まれているからな」

手首を太い縄でぎゅっと縛られました。それをフォークに通します。

そして一人がフォークをあげていくと、わたしはそのまま吊り下げられたかっこうになります。

積み上げたパレットを一つ運んでくると、足元にバタンと倒しました。両足を開いて、そのパレットに縛り付けました。

さらにフォークが持ち上がります。

「うぎぃぃぃぃ」

パレットはけっこう重いのです。そのまま、吊されてフォークリフトが走ります。

「ひぃぃぃぃ」

見えないこともあって、ものすごく怖いのですが、やがて空気と音がはっきり変化して、外に出たことがわかりました。

倉庫の外を走ってるのです。

体が引き裂かれそうな感じです。その前に手首が折れるでしょう。

足元のパレットがぶらぶらと激しく動くので、よけいに手首に負担がかかってきます。

いくら叫んでも、彼らはやめません。

外に連れ出され、彼らは笑い転げています。

「お願いです、手が……、手が折れそうですぅぅぅ」

フォークの側面が手首にくいこんでいて、そこからポッキリと折れてしまうでしょう。

「そうか、腕だけじゃダメってことか。もう少し縄を足してやろう」

やっと降ろされて、地面にパレットがガサッと音を立てて落ちました。ホッとしたのですが、彼らが縄を乳房の根元に巻き付けはじめたので、再び恐ろしくなってきました。

「いや、怖い、お願い、やめて……」

なにを言っても彼らは無視します。

ぎゅっとちぎれそうになるほど、叩かれたり殴られて腫れている乳房を絞り上げるように縛られました。その縄を引っ張りあげて、もう片方のフォークにひっかけたあと、なんとパレットに結んだのです。

見えないけども、彼らの動きでわかるのです。

「よーし、上げてみようぜ」

「お願いぃぃぃぃ、やめてぇぇぇえ」

ガクンとちょっと持ち上げられただけで、手首の痛みが再び。そして斜めに乳房が引っ張られていきます。

「おもしろえな。芸術的じゃねえか?」

「ハハハ」

なにも軽減されていません。新たに乳房の強烈な痛みが加わっただけです。

「これを使おうぜ」

「いいぞ」

二つの穴にそれぞれ太い器具が押し込まれました。どちらもグングンと振動し動くのです。そしてパレットに立てたらしい棒で下から支えるのですが、わたしの位置と棒の長さを調整するために、無理やり押し込まれてしまい、快楽どころではありません。内臓を突き破ってしまうのではないかと恐ろしくなりますが、彼らは、「これをやりたかったんだ」とはしゃいで、道具をまた用意しているようです。

なんだろう。なにをするんだろう。

すぐ答えがわかりました。

肉を弾く強烈な音。

鋭い痛みをお尻やお腹に次々と感じたからです。

彼らは鞭を使っているのです。

器具が入った股間、引っ張り上げられている乳房も、彼らの標的です。

あれだけ、彼らに奉仕したのに、わたしが得られるのは痛みだけなのです。

「ぎやー」

がまんしていても、痛みが重なっていくと、情けない声が出てしまいます。

「いやあ、けっこう楽しいぜ」

「そうだな、いい運動になるし」

「おれも、メタボとか言われてるからなあ。女をぶっ叩いてメタボ脱出だ」

何十という鞭。三人が間を置かずに打ち据えるのです。

完全に壊されていく感じがしました。

手加減無用

「悪かったな」

やっと解放され、彼らに担がれ事務所らしい部屋に連れ込まれました。手首がちぎれそうですし、全身が痛くて痛くて。

「しばらく、休ませてやるからよ」

そう言いながらも、小さなテーブルにのせられて、再び手足を縛られるのです。

腫れているらしく手首は外して、肘のあたりをテーブルの脚に縛り付けました。脚も、膝と脛のあたりを何重にもテーブルの脚に縛り付けました。みっともないほど横に大きく広げて、です。

「休んでいいよ」と言いながらも、本当の意味では休ませるつもりはないのです。

しばらく仕事をしていたらしく、誰もわたしのところには来ませんでした。ですが、ドタドタと靴音がして、下卑た笑い声を響かせながら、彼らが戻ってきました。

「昼にするか」

「おお」

そんなことを言いながら、支度をしているようです。

「おまえがテーブルだからな、暴れるなよ。こぼれて熱い思いをするのはおまえなんだからな」

見えないので余計に怖いのです。

お腹になにかをのせられました。性器をいじられて、「箸立だ」と言いながら、割り箸を入れてきます。

「ほどよい上付きってやつだな」

「まともな女だったらモテただろうに」

「動くなよ」

熱いカップが乳房にもたれるように置かれました。動くなと言っても、呼吸もするので、どうしても動くのです。

「さて食うか」

彼らはわたしをテーブルにして食事をはじめました。カップ麺、お茶などがのっかっているので、できるだけ動かないようにしているのですが、彼らがからかうように、箸で乳首をつまんだり、性器やクリをいじるので、つい動いてしまいます。

わざとあふれるほど入れていたお茶がこぼれて、乳房にかかります。

「ひっ」

「動くな、バカ!」

ガマンできないほどの熱さ。

「火傷しちゃうぅ」

「火傷ぐらいなんだ。おまえ、自分の肌を見ろよ。火傷や傷や痣だらけだぞ」

「そうだ、いまさらこれぐらいなんだ」

バシャッと熱いお湯をオッパイにぶちまけられました。

「ひぎっっ」

歯を食いしばって耐えます。

「腹がふくれたら、一発、やりたくなりましたよ」

開かれたそこに、いきなりペニスが突き立てられるのです。

「ふうぅぅぅん」

思わず泣きます。

「うれしいくせに。おまえにもなにか食わせてやるよ」

口に、なにかが入れられました。

「食えよ」

柔らかいものです。くちゃくちゃと噛んでも味がありません。

「飲み込め」

ごくりと飲みました。

男たちが笑っています。

「まだあるからな、いっぱい食えよ」

なんだかわからないものを、次々と入れられて、ひたすら食べさせられました。

その間も気が向けば犯されるのですが、それよりも胸の火傷が気になります。ヒリヒリと痛くて、辛いのです。

「かわいそうだからな」と誰かが乳首に歯をあてて、噛みながら吸いあげました。

「うぅぅぅ」

「どうだ。感じるか」

痛いのですが、「はい、感じます」と答えました。

「コリコリしていて、うまそうな乳首だ。食っちゃいたいぐらいだぜ」

「じゃ、おれも」

左右を別々の人に囓られながら、膣に男を受け入れる……。

死にたくなるほどの辱め。清美はなぜ、わたしをこんな人たちに貸し出したのでしょう。やっぱりわたしのことは嫌いだから、あそこに置いておきたくないのでしょうか。

これでは、せっかく清美にすべてを捧げようと決意したことが、ムダになってしまう気がしました。

だけど、いまは、明日まで彼らを満足させ続けなければ、清美と再会することもできそうにありません。

これはすべて彼女の命令。彼女のためにやっているのだ……。

そう思うことで、少しは気持ちが落ち着きました。

たっぷりの精液を体内に注がれて、いったん、みなさんも仕事をしたり、電話をしたり、バタバタしているようでした。

仕事の場なので、当然でしょうが、それからしばらく誰も部屋に戻ってきませんでした。

うとうとしていたのかもしれません。

またしてもガヤガヤと声がして、彼らが戻ってきました。

「あー、疲れた。一度に言って欲しいっすよね」

「しょうがないじゃないか、お客さまの都合ってのもあるから」

仕事の話でしょう。

カチンカチンとオイルライターのふたを開ける音。

「ふー」

部屋にタバコのニオイが充満します。みんなタバコを吸っているのです。お腹に重い灰皿が置かれました。

みんなが雑談をはじめました。

適当な話のようで、笑いが起こります。なぜかわたしは集中力がまるでなく、言葉をほとんどスルーしていました。というのも、彼らが来るということは、なにかされるに決まっているからです。

その不安と恐怖で頭の中が真っ白になっています。

「風夏だっけ。おまえ、タバコ吸うのか?」

「いいえ」

「一度も吸ったことないのか?」

「はい」

「じゃあ、吸わせてやろう」

「えっ」

「ここに差し込んでやるよ」

「あー」

鼻の穴に二本のタバコを押し込まれました。

「そうだ、こいつ灰皿になるんじゃないっすか?」

「そうだな。これを汚すこともないか」

腹部の灰皿がどこかへ持ち去られます。

口だけで呼吸しているので、開けているのですが、そこに彼らは灰を落とします。

「ゲホッ」

むせてしまいます。

「おい、暴れるなよ。テーブルが壊れるだろ」

ムチャなことを言われます。じっとなんてしていられません。

「口を開けてるんだよ。使えないやつってことなら、このかわいい乳首を焼いてやってもいいんだぜ」

「ぎゃっ」

タバコの先が押しつけられました。一瞬だったのですが、切り裂かれるような痛み。

彼らは笑っています。

口を開けていると、「舌を出せ」と言われました。

怖いことが起こるとわかっていますが、逆らえないのです。舌を出します。

「もっとだよ」

「あれ持って来い」

一人が動いてなにかを持ってきました。それが舌に。

「うっ」

クリップです。それも大きくて強烈で、舌がちぎれそうなほどです。

「おれが引っ張っててやる」

誰かがクリップを持って思いきり引いているのです。

「うげっ」

「ピンクのきれいな舌だな」

「かわいそうに。無傷のところがなくなっていくな」

タバコが押し当てられました。

「うぎっ」

熱くないと言えばウソになります。鋭い痛み。そして苦い味。次々と三本のタバコが押しつけられて、捻るようにして消されました。

「おっと、まだ二本あるな」

わたしの鼻に刺さった二本。それも、自分の舌で消すのです。

そこにドタドタと足音がして「おはようございまーす」と野太い声がしました。数人の男が加わりました。

「おっ、マジ、すげえっすね」

部屋はいっきに男くささが倍増し、わたしは恐怖が四倍にも五倍にも膨れました。なんとか、三人のみなさんは満足いただいたのではないかと思うのですが、そこに新たな男たちが加わったのです。

「じゃ、あとは頼むぜ」

交替らしいのです。

「風夏ちゃんて言うんだよ。けっこう激しく使っていいからね」

「すげえっすねえ」

これまでの人たちより若い人たちのようです。

「目隠しだけは絶対に外すなよ。それと殺さないようにな」

「わかってますって」

三人はロッカーのある場所へ行き、着替えて帰っていくようです。もう夕方なのでしょうか。

新たにやってきたのは四人の若者たちです。

「グロいっすね」

「おい、風夏」

頬をピタピタ叩かれ、舌のクリップを引っ張られます。

「ふあい」

「朝まで可愛がってやるからさ。楽しんでいきなよ」

「おねはいへまふ」

「なんだ、かわいいなあ、こいつ」

そう言って、ほっぺたを思いきりつねられました。

「手加減しなくていいからな」と言って三人は帰って行きました。

便器

交替した相手。四人は若者で、昼間の三人よりも乱暴です。

体力的にも限界に近づいているように思うのですが、彼らはとても興奮していて、私ひとりでは対応できないのではないかと不安になります。

「けっこういい体、してるじゃん」

「とりあえず、一回、まわしてみようぜ」

「あああん」

体がきついとは言えませんし、言ったところで、聞いてはくれないでしょう。

男たちの汗くさい股間が顔に押しつけられます。

「舐めろ。きれいにしろよ。大好物なんだろう」

クリップを外してもらったのですが、火傷をしたに違いない舌はピリピリと痛みます。それでも、彼らのものを舐めます。目隠しをされているので、見ることはできませんが、臭くて、湿っていて、大きいのです。これでまた貫かれるのかと思うと、切なくなります。清美に叩かれるほうがどんなにいいか。

「次はこっちだ」

見えないのでわかりませんが、男たちはお尻を押しつけてきました。

「はぐぅぅ」

ニオイが強烈です。

「もっとちゃんと舐めろよ」

乳房を叩かれます。そして、別の人が、うしろから入れてきました。いきなりお尻を突いてきたのです。

「すげえぞ、こいつのケツ穴」

「じゃ、次、おれ」

尻の穴に舌を這わせていると、髪の毛をつかまれて「もっと奥まで舐めろ」と言われました。

「ふぐぐぅぅ」

鼻を鳴らしながら、必死に舌を伸ばします。毛がはえていて、そこにトイレットペーパーみたいなものがからみついていて、カスのようなものが口に入ってきて……。

お願いです、一生懸命、やりますから、殺さないで……。そう願いながら、本当に殺されてしまうことがないように、いまは自分で自分を殺すのです。風夏は男の人のお尻が大好きで、大好物で、おいしいから舐めているのです。もっといっぱい欲しいのです。

痛む膣や肛門を、ペニスで擦られるのも大好きです。ギャーっと叫びたくなるような痛みがやってくると、同時にどうしようもなく感じてしまって、風夏はアクメに浸るのです。だから、もっといじめて……。

口に精液のしたたるペニスが入ってきました。いつしか四人のお尻を舐めきり、私の中で炸裂したペニスの掃除をさせられているのです。掃除だけではなく、彼らは口の中でも二発目を出そうと、頭をつかんでオモチャのように揺さぶります。

なにも考えられません。ただの道具として、口の中にいっぱいペニスを突っ込まれて、あえぎました。

「風夏だっけ? おまえって、マジ、大人のオモチャだな」

からかわれても、逆らいません。

えずきながらも、喉まで亀頭を受け入れます。

「うげええ」

「もっと奥まで飲めよ」

玉の部分が唇にあたるまで、鼻が男の陰毛の中でひしゃげるまで、押し込まれます。

「おっ」

彼が射精しました。

「まず、見せるんだ。それから飲むんだぜ」

喉の奥にへばりついた粘液を、舌で掻き出すようにして、口を開けて確認していただきます。

「いいぞ、飲め」

ごくりと飲みます。

「おれもだ」

休みはありません。アヌス、ヴァギナ、オーラル。四人いるので、彼らの一人は休めるわけです。

どれぐらいの時間、そうしていたのかわかりませんが、一人、また一人と仕事に出ていき、最後に一人が残りました。

「いいか、おまえ、おれたちが仕事をしているときは、こっちに来い」

その人のものを飲み干したのに、彼は髪の毛を引っ張って、部屋から連れ出されました。そして、別のドアを開けました。独特の臭いの部屋。

「おまえがいま、一番、ふさわしい場所だぜ」

最初はわからなかったのですが、冷たいなめらかな陶器に背中をつけて、両手をその陶器を抱えるように縛られました。そして足を頭につくほど上に上げられて、縛り付けてくるのです。股間は、でっぱっている陶器に押されて、突き出すように。

苦しくて痛いだけではなく、それが男性用の小便器なのだと気づきました。息が出来ないぐらい興奮しています。この興奮は、哀しくて、怖くて、つらいからこそのものです。

「こうすると、本当の便器ってことになるからさ」

指で性器を触り、その下のアヌスを触ります。

「かわいそうに」

男はそう言いながらも、「口を大きく開けろ」と命じました。

これから起こることはわかりきっていました。

震えながら口を開くと、激しい勢いで彼の小水を浴びせられました。

「ちゃんと飲めよ、風夏。おまえの大好物だろ」

「ぐはっ、がはっ」

むせながら飲みます。体が濡れていきます。

もっとひどいことに、そのおしっこをしたペニスを、性器になすりつけてきたのです。

「お礼だよ」

そう言って、笑って出ていきました。

便器になる……。お尻を叩かれるよりも気持ちとしてはつらいです。それに恐ろしいのです。体がもうボロボロになることが決定的になっているから。

腐り果てていくのです。

そして、最後にはゴミ捨て場に放り出されるのでしょうか。遊び飽きたお人形のように。使い終わったオナニーグッズのように。

仕事の合間なのでしょうか。私は気絶することもできず、くいこむ縄に苦しみながら、なんとか少しでも楽な姿勢になろうとしていたのですが、つるつるする便器は、その滑らかな造形にもかかわらず、苦しみしか与えてくれません。

それに、私が下手に動くと、便器ごと外れて床に落下しそうで、それも怖いのです。気のせいか、ずれたり動いたような気がするのです。

「お、いたいた」

男がやってきて、チャックをおろし、私におしっこをします。

「もっと飲めよ」

「すみません」

「もう一度だ。口を開けろ」

途中で止めたのでしょうか。先を唇につけるようにして、残りを注ぎ込まれました。

「だいぶ、上手になったんじゃないか。まだこぼしているけどな」

「ありがとうございます」

「いいね。しゃべる便器だな」

半立ちになっている彼は、そのまま膣に入れてきて、数回、抜き刺ししました。

「さみしいだろう。これをつけてやるよ」

鼻に金属が入れられて、上へ押し上げられます。

「うっ」

「豚みたいでかわいいよ」

鼻フックらしいです。それをどこかに縛り付けて、顔を自由に動かせなくなりました。

苦痛が増えただけです。

次の男もたっぷり小便を飲ませてくれました。

「こっちが寂しそうじゃないか」

汚い手で、おしっこにまみれたクリトリスを触り、包皮をめくりあげていきます。

「感じるか?」

「うぐっ、はいぃ」

「小さいな。もっと大きくしないとね」

「ぎゃっ!」

クリップでしょうか。その小さな敏感な突起をギュッと潰されました。

そしてクリップをぐいぐいと引っ張るのです。

「ぎひっっ、いたい、いたいですぅ」

「うるさいぞ。もっとかわいく泣けよ」

「そんなぁあ」

「大事なところが、ちぎれちゃうよ、きっと」

「お願い、許して」

「さあね」

そこからは、男たちは時々やってきては、小便を飲ませるだけではなく、クリップを激しくいじって、わたしを泣かせて喜んでいました。

「さあて」

男たちが四人、そろっています。

「今度はなにをして遊ぼうか、肉便器の風夏ちゃん」

「痛いの大好きなんだよね?」

「はい、風夏は痛いのが大好きな変態です。もっと、クリトリスやおまんこやお尻の穴をいじくって、いじめてください!」

自分の声が狭いトイレで反射します。涙がボロボロと流れていますが、目隠しに染み込んでいくだけ。

「じゃ、遠慮なくやるよ」

誰かのペニスが性器の中に入ってきました。

「便器ちゃんだからね。どこでも小便を受け入れるわけだろ?」

「あっ」

ひどい。もしかして、この姿勢でするつもり?

「飲みますから、お口にお願いします」

「下の口でも飲めるよね」

「あああ、そんな」

「もし、出してほしくなければ、ぎゅっと締めてみろよ。男ってさ、感じてしまうと、小便は出なくて、精液が出るかもしれないぜ」

彼は中に入れただけで、動かさないのです。

「だめ、お願い。それだけはしないで」

「じゃあ、もっと力を入れろよ」

「できないーー」

「泣いてたって許されないだからさ。ほら締めて」

男は乳房をぎゅっと握りました。

「あっ、痛いぃ」

「お、少しは締めてきたじゃん。もっと痛い目にあわせてやろうか」

「お願いします。どんなことでもしてください。だけど、そこでおしっこをするのは……」

「あ、悪い。もうガマンできなかったよ」

「ひぇぇぇーん」

男は性器から抜きながら、中に大量の液体を注ぎ込んでいったのです。

「あーあ、ダメだったかー。とうとう、そこも便器になったね」

「おれもやらせてもらおう」

つぎつぎと男たちが、その中におしっこを入れたのです。

「どうせ、まともな女に戻る気はないんだろう? いいよな、壊れても」

もう壊れてしまっています。

「トイレが汚れちゃったな。掃除してもらおうか」

「そうだ、掃除しろ、掃除」

縄を外してくれますが、手足が痺れてしまい、そのままタイルの床に倒れこみます。そこは彼らのおしっこで濡れています。

「わかってるんだろうな。全部、きれいに舐めるんだぜ。ここが終わったら大便器があるからよ」

「見えないんです」

「それは外すなってことだからさ。だいたいわかるだろ」

手を後ろ手に縛られます。こんな状態で掃除なんて……。

「朝までにきれいにしていなかったら、もう一日、延長するぜ」と鼻フックを引っ張られます。

覚悟をきめて、床を舐めはじめました。

ドライブ

お尻に男のペニスを受けながら、モップのように床を這わされて、彼らの言うところのトイレ掃除をさせられます。彼らが、汚れたところに顔を向けさせるのです。

床と小便器を全部、舐め取らされて、個室にある和式と洋式の二つの大便器に向かいます。

男たちは交替で、わたしを見張るついでに、お尻を犯しながら、掃除をさせ続けます。

「うっ」

便器はどちらも、おそらくわざと彼らによって汚されていました。水を流さずに、汚したまま放置されているのです。

「どうだ。臭いだろ。だけど、おまえの大好物だって聞いてるからさ。こっちも苦労していっぱい出しておいてやったんだぜ。ありがたいと思えよ」

「水で流してはいけませんか?」

「バカ言え。おまえ、全部、処理するんだろ? 流すのはそれからだぜ」

そう言って、便器に顔を押しつけられました。

「ぐぅうっぅぅ」

顔がぐっちょりと汚れていきます。口の中、フックで上に向けられた鼻の中にも。

必死で飲み込みます。なにも考えられません。朝までにここをきれいにしなければ、延長されてしまう……。もう、彼らはわたしの体には飽きているのです。延長されたら、殺されてしまう……。

「風夏。大丈夫なの?」

清美の声がしました。

トイレ掃除のあと、外に出されて、用水路で体を洗われました。ホースで強烈な水を浴びて、頭から体の中まで。何度も何度も。

そして、アスファルトの上に大の字に縛られて、天日で干されていました。朦朧としていましたが、清美の声で意識がはっきりしてきました。

「どうでした、うちの子は」

クマキの声もします。

「しっかり便所女にしてやりましたよ。大小、どっちも平気で口にしていましたから、驚きましたね」

「そう、よかったじゃないの」

清美のサンダルが顔にのります。そのとき、自分が道路のすぐ横にいるのだと気づきました。クルマが激しく通っています。

「どう、風夏。うちに戻りたい?」

「飼主さま。お願いします。どうぞお戻しください」

「そう。じゃあ、連れて帰りましょうか」

縄を解かれ、首を引っ張られて、四つ足で道路を横断し、しばらく歩かされてから、お馴染みのアパートの敷地にやってきたことがわかりました。そこではじめて目隠しを外してくれました。

「臭いわよ、まだ」

「すみません」

「そこで、もう一度、洗いな」

外の水道で、わたしはもう一度、体を洗いました。石鹸をくれたので、髪から口の中、膣の中、お尻の中も、すべて洗い直しました。

だけど、ニオイは抜けないような気がしました。

「あんたさ。その髪の毛、いる?」

「そうだよ、いらないだろ? 臭いだけだぜ」

クマキがハサミとカミソリを手にしています。

二人を見ていると、わたしからお願いするしかないようです。

「飼主さま。どうか、風夏の髪を切ってください」

「切るって言ってもさ、ショートって難しいんだよ。いっそのこと、剃っちゃおうよ。ほかの毛も全部さ」

清美が宣言します。それは絶対の命令と言ってもいいでしょう。

「はい。お願いします。風夏の毛をすべて剃ってください」

二人の飼主さまによって、髪の毛も、陰毛も、すべてを剃り落とされていきました。

涙はもう出ません。多少はニオイが消えたように思いました。

そして小屋に戻されて、長い間、放置されました。初夏の晴天で、強い日差しのせいか、猛烈に暑いのです。文句は言えませんが、できるだけ体を休ませるしかないのです。

気絶するように眠っていたのだと思います。

「いつまで寝てるんだよ」

清美が耳を引っ張ったので、目が覚めました。とっても楽しくてすてきな夢を見ていたはずですが、すべてを忘れてしまいました。

クマキだと思ったら、別の男でした。そのあとから、クマキもやってきました。三人で陽光で熱くなっているパイプにわたしを縛りつけました。

「明日から、おまえ、旅に出るんだよ」と飼主さまが言います。

「家はここだからね。忘れないようにしてあげようと思ってさ」

痩せた初めて見る男は、わたしの左の乳房を持ちました。そこに奇妙な機械を押しつけました。

「あっ」

ジジジと振動しながら、その機械の先端にある針が、左の乳房に「風夏」と黒い文字を刻んだのです。そして、今度は赤い文字で、その上に「便器女」と刻みました。

タトゥーです。

右の乳房には「糞尿娘」と書かれました。そして赤い文字で携帯電話の番号が彫り込まれました。

「おまえ専用の電話だよ」

だけどわたしに電話が渡されるのではなく、それは清美たちが管理するのです。

「旅が終わったら、また、おまえにふさわしい文字を入れてやるよ」

ショックで、言葉が出ません。

一生、消えないのです。

「おい、便器。こっちに来い」

熊のように思える大男。毛むくじゃらです。その股間に口をつけます。

ジョーっと、男は小便をしました。わたしは夢中で飲み干します。これをいただかないと、いつ水分をいただけるかわからないからです。

激しく振動する車内。二人のドライバーで長距離の運送だそうです。三日間。わたしはこの二人の便器となります。

ちゃんと務めて帰らないと、清美に捨てられてしまいます。

「おっぱいをよこせ」

自分の乳房を両手で持って差し出します。男はタバコをくわえているのです。

「どっちがいい?」

すでに灰皿として二人に何回も押しつけられて、火ぶくれができているはずです。

「こ、こちらで」

右を差し出しました。

「うあああああ」

強烈な痛みにもだえます。

「へへへ。おもしれえもの、貸してくれるな、清美もさ」

「あの女、クマキと連んでるからな。もうおれたちの相手はしてくれねえしな」

「だけど、こいつの方が上玉じゃねえか?」

「まあな。便器だってさ。汚ねえ女を押しつけられたけど、楽しめるからいいか」

そんな声が聞こえますが、目隠しをされているわたしは、とにかく考えることができず、痛みと戦うばかりなのです。

「ここで休むぜ」

何時間、ノンストップで走ったのでしょうか。

トラックはようやく減速して、左側へ曲がっていきます。もう夜は明けたのでしょうか。

「来い」

チェーンを引っ張られて、手探りでトラックの高い運転席から降りました。

風が冷たく、シーンとしています。まだ夜明け前なのかもしれません。

「おい、便器ってこれかよ」

ほかのドライバー仲間が声をかけてきます。

「使っていいぜ」

「ああ、また……」

休憩所に行けば、そこで誰ともしれない人たちに犯されます。口、性器、お尻。好きなところを使って、射精されます。

それだけではありません。

「みなさん、わたしは便器女の風夏です。汚いおまんこですが、ぜひ、使ってください」とお願いして回るのです。

乱暴にペニスを入れられ、「もっと痛くして」とお願いしなければなりません。

精液を飲ませていただくこともあります。中に出してもらうこともあります。

いずれにせよ、終わったあとはしっかりペニスをしゃぶってきれいにし、おしっこを飲ませていただきます。

「むしゃくしゃするんだ、ぶっ飛ばしてもいいか」と言われることもあります。

「どうぞ。お好きなように扱ってください」とお願いします。

バーンと頬を思いきり張られ、お尻を蹴られ、オッパイを掴まれます。全身が痣と生傷だらけなので、気味悪く思われるようですが、こういうことが好きな人にとってはむしろ遠慮がいらないと思うらしく、気絶するほど殴られます。

顔はお願いして平手だけで許していただいています。そのかわり、一番、かわいそうなのはおっぱいです。灰皿がわりにされ、殴られ、掴まれ、叩かれます。色が変わっているはずですけど、誰も気にしません。

「いくつなの? まだ若いのに、これじゃ、使い物にならないね」

同情されながら、その人は乳首を思いきり噛んできました。

「ぎひぃぃぃ、ちぎれるぅ」

七転八倒させられます。でも、その人にとっては、それが楽しいのです。

休憩が終わると、またトラックに乗せられます。そして二人のドライバーの言うことをきいて、奉仕しつづけ、ようやく清美のところへ戻ることができました。

ドライバーたちが、降ろしてくれ、三日ぶりに目隠しがはずされました。

ああ、自分の体が……。

夜です。ヘッドライトの中で、自分の体を見下ろして愕然としました。変わり果てた乳房。灰皿として使われ、乳首を噛まれて、叩かれて。自分のものとは思えない、どす黒い肉塊になっています。

「ふうううう」

激しく泣きましたが、涙はあんまり出ません。

みんなが使うからか、陰部はテラテラになって、少し腫れているようで、不気味にピンクの粘膜が飛び出し、クリトリスも大きくなったまま、だらしなく顔を出しています。この間に陰毛が少し生えて、頭も少し生えています。うれしいというより、みじめで悲しいです。

「清美! 返しにきたぜ」

アパートは真っ暗です。

「いないのかよ」

ずっと一緒でしたが、初めて見るその男は、長身で痩せていました。もう一人はトラックに乗って走り去りました。

男がドアを叩いていると、自然に開いてしまいました。

「あれ、いないの?」

暗い部屋。懐かしい清美の臭い。愛おしいほどです。ここにずっといたい。清美と二人だけで死ぬまでいたい。体はもっとボロボロになってもいいから、彼女となら……。

中へ走り込んで、電気をつけようとし、なにかに躓いて転んでしまいました。ゴミ屋敷みたいに乱雑だったことを忘れていました。

だけど、素肌のままなので、そこにあるものが、ゴミではないことがわかりました。彼が電気をつけると、それはおそらくクマキです。顔がありません。

「うげっ」

女にひどいことをし続けていた男でも、その凄惨な姿に腰を抜かしてしまいました。

「なにがあったんだ」

わたしは清美を探してトイレ、風呂を見ましたがいません。窓を開けたら、なんということか。

裸にされた清美が逆さに吊され、小屋はバラバラに壊されていました。

「清美!」

まだ息をしています。急いで地面におろしました。目、鼻、口から大量に血が流れています。顔はボコボコで、体も傷だらけです。

「逃げな」と清美が言いました。

「え?」

「怖い連中があんたを捜しに……」

そこで清美は血を吐いて、気絶しました。いえ、心臓はもう止まっていました。

酷い目にあったわたしが生きていて、清美がこんなことになるなんて……。

「逃げようぜ」

男が言いました。

「関わりにならないほうがいい」

誰かがわたしを捜している……。父母の死と関係があるのでしょう。父母に恨みのある人でしょうか。こんな酷いことをするなんて。

逃げるといってもどこへ?

彼は先に逃げてしまいました。

わたしは、自分のスーツケースを探し出し、残っていた服をかき集めました。清美のものも入っているかもしれませんが……。クマキと清美のサイフが転がっていました。どちらも何も盗られていません。万札が十枚以上ありそう。そのまま貰いました。

そしてTシャツとジーンズを履いて、素足にスニーカーで外に出ました。

真っ暗な道。とにかくどこかへ。仕方なく歩きはじめたのでした。まったくあてもなく、傷ついた体を引きずりながら……。

たぶん、死に場所を探すことになりそうです。清美のいた部屋に戻っていたほうがいいのではないか。そこで彼女を殺した連中がやってくるのを待てばいいのかもしれません。そして、清美がされたよりも、数倍も酷いことをされて死ぬのです。

戻ろうとしたとき、ズシンと地面が揺れ、真っ赤な炎が上がりました。

燃やされている……。清美たちの遺体も一緒に。

「なんで?」

自分だけ残してみんな行ってしまうのでしょう。

しばらく夜空を焦がす火柱を見ていました。

だけど諦めました。どこかへ行くしかないようです。

重い足を引きずって、体がバラバラになりそうなのですが、必死で歩きました。

遠く、サイレンが聞こえてきました。

そのもの悲しい音に、涙しました。

こうなったら、もう少しだけ生きてみることにします。ほかにすることもないので。

奥付

お読みいただき、ありがとうございました。

二〇一四年十二月刊行 第一版

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