自分でその首輪をつけます。人間のほうが首が太いからか、襟元にゆったりつけるようにはいかず、首のもっとも細い中程にきつく締めることになりました。
「お似合いだよ」
「いいな。スケベなメス猫ってことだ」
二人が笑っています。
「行くよ」
ヒデキさんも意地悪で「おい、尻尾がないぞ」と言うのです。
「そうね。なにかいいものある?」
「そうだなあ」
また棚を漁るヒデキさん。この店はコンビニというよりも、なんでも屋です。お弁当やパンのコーナーだけがコンビニ風に新しいけど、奥は雑貨です。それも売れ残りばかりで新しい商品なんてありません。
「これでどうだ」
トイレで使う「すっぽん」です。木の柄に、ホコリを被って変色したラバーカップがついています。
「いいじゃない。お似合いだわ」
尻尾だから、それを……。
なにをされるかわかって、わたしは脅えます。だけど、リードを清美に握られていて逃げられません。
首が引っ張られると、思わずリードを手で掴もうとしてしまうのですが、清美がその手を蹴るのです。
「四つん這いだよ。あたりまえだろ」
「手伝ってやるよ」
ヒデキさんが、馬乗りになってきて押さえつけられてしまいました。彼が両手でお尻を開くのです。
「いや、だめ、やめて」
「うるさいね」
清美は柄の先端をお尻に突きつけてきました。
「そのままじゃ、かわいそうだ」とヒデキさんが、「ぺっ」とツバを吐きました。それが尾てい骨あたりに飛び散ります。清美が柄をそこになすりつけます。「協力してやるよ」とツバを吐いて、足しました。
「お願い、そんなことは……」
「まだ、叩かれたいの」
サンダルの裏で腫れたお尻を擦られました。
「ひー、わかりました。わかりましたから……」
「じゃ、お願いするよね、普通……」
「お願いします。お願いですから、風夏に尻尾をつけてください」
「どこにつけようか?」
「お、お尻の穴に突き刺してください」
「しょうがないね。痛そうだけど、やってあげるよ」
「ありがとうございます」
ヒーヒーと泣きながら、お願いをさせられるのです。
「うまくいくかしら」
ぐりぐりと穴の付近を、二人のツバがついた柄で探ります。
「へへへ。小さいけど、ゆっくりやれば、大丈夫だ」とヒデキさんが適当なことを言います。
ぐぐっと柄が押し込まれてきました。
「あああっ」
逃げたいのですが、彼が上から体重をかけて押さえつけているので動けません。足をバタバタさせるのが精一杯です。
「あばれると余計痛いぞ」と彼が怒鳴ります。
じっとなんてしていられません。
「うっ、ぐぅぅぅぅ」
なんとも言えない屈辱的な感覚。
ああ、これもきっと、わたしが求めていたものです。とても酷い目に遭う。そして理不尽なことをされ続ける……。清美、ステキよ。
だけど、誉めたら彼女はやめてしまうでしょう。
「やめて! 壊れる! 痛いの、がまんできないの!」
確かに痛いのですが、けっこう大げさに叫びます。
「黙れ!」
清美は怒って、いっきに押し込みました。
「あっ」
かなり奥まで入ってしまったのです。
「ふひひひ」とヒデキさんが笑っています。
「手を離してみろよ」
「あぐっ」
すっぽんが支えを失って跳ね上がったので、体の中の先端が腸を上に押し上げるような感覚があって……。
「もうちょっとだね」
「はひぃぃぃ」
ぐいぐいと、入れてきます。
「どう、こんな感じ?」
「いいんじゃないか」
下からえぐられるように、柄が突き刺さっている……。
「これも忘れているぞ」
あそこに入れていたスプレー缶。
「戻しなさい」
「ううううん」
汚れたそれを膣に入れます。
「それじゃ不便だから、これで縛っておけばいい」
荷造り用の紐で、腹部を縛られて、そこから紐パンのように、スプレー缶、すっぽんの柄に紐をしっかりかけて縛られました。
「風夏。これから帰るけど、抜け落ちたらお仕置きだからね。しっかりケツを締めて歩くんだよ」
「はい」
返事するのが精一杯です。
雨は止むどころか、ますます激しくなっています。
清美さんは傘を借りているのですが、わたしはずぶ濡れです。お尻に刺さった柄が痛いし。口にはお弁当の入った袋をくわえさせられて、大股で歩く清美についていくのが大変です。
四つん這いで歩いていると、膝が痛いので、少し膝を浮かせるのですが、そうするとお尻が高くなって、歩くたびにラバーカップの重みで揺れるせいで、ぐいぐいとえぐられてしまいます。
上に突き上げれば痛みが走り、下向きになると、スプレー缶を押すので苦痛と抜け落ちる恐怖に捕らわれます。
柄は、少しずつ抜けているような気がしてなりません。紐を巻き付けていても、完璧ではないのです。
抜けたらお仕置き……。
清美はきっとお仕置きがしたいでしょうから、いつも以上に足早に歩いているのです。たまにリードがぴーんと張ってしまうと、喉が締まって「えっ」となりますが、それで立ち止まればさらに苦しいので、がんばってついていきます。
ずぶ濡れになってアパートにたどりつくと、弁当の袋を取り上げました。それを部屋に置くと、中に入れてくれるのではなく、今度は反対方向へ歩くのです。
これは、抜け落ちるまで歩かされる……。
アパートの裏から隣の駐車場へ。
そこは舗装ではなく一面に砂利が敷かれて、ボロボロになったロープで区画されています。トラックや建設機械、壊れた乗用車もあります。
その間を歩かされます。
手のひらと足のつま先に、鋭い砂利が突き刺さります。
目的などないのです。ただ、歩くだけ。
「飼主さま。お許しください。もう歩けません」
聞こえないふりをしています。
「どんなお仕置きでも受けますから……」
「尻尾が抜け落ちたらって言っただろ。まだ抜けてないよ」
「もう抜けそうです」
「そうは見えないよ」
こうなったら、なんとか抜け落ちてくれたほうがいい……。
わたしは、ウンチをするようにいきんでみました。すると、ぬるっとした感触があって柄が押し出されたと思います。
だけど……。
カランと音がして、とうとうスッポンが落ちましたが、同時に別のものが落ちてしまいました。
「あーん、ごめんなさい。すみません。飼主さま、お許しください」
固形物が落ちたのです。それも思った以上に大きくて太いものが。柄にもべったりとついていました。
「そんなにお仕置きがほしいの?」
「なんでもいたします。恥ずかしくてつらいので、お部屋に入れてください」
「汚いくせに、入れるわけにはいかないわ」
リードを近くのトラックの荷台に縛り付けました。
「そこで待ってるんだよ」
清美はアパートへ行ってしまいます。
雨の中、びしょ濡れになって、四つん這いのまま待ちます。お尻の穴が拡がって、便意がまだあります。
殺風景な場所です。アパートは無人の廃墟のようですが、明かりのついた部屋もあります。誰かいるのです。窓を開ければ私が見えるでしょう。
こんなところに放り出されて、見知らぬ人たちに連れ去られたら……。
さすがにそのときは抵抗してもいいと思うのですが、勝てる気がしません。柄が抜け落ちたので、股縄が緩み、スプレー缶も落ちそうなので、手でしっかり押さえます。
それをぐっと押し込むと、がまんできなくなって、お尻からぼたぼたと臭いものが落ちてしまいました。
傘が動いています。清美です。飼主さまです。早くきて。なにをされてもいいから。
清美はお弁当を一つ、手にしています。
「お仕置きだよ。おまえはここで食べるんだ」
乱暴に弁当を投げたので、中身が地面に。
わたしが漏らしたものや、汚れた柄の上に飛び散りました。
「あーあ、汚しちゃってさ。すっかりきれいになるまで、食べないとね」
ひどい。いくらなんでもそんなこと……。
「ここがきれいになったら、考えてやるよ」
そして清美さんはアパートへ戻ってしまうのです。
「飼主さま……」
雨に打たれているお弁当と汚物を眺めて、震えているのでした。
外飼い
窓を開けて、清美はこっちを見ながらお茶を飲み、お弁当を食べています。
わたしは……。
雨に打たれながら、砂利の上にぶちまけられたお弁当と自分のものを……。
「ひー、ひー」
喉が奇妙な悲鳴を上げています。
だって。それは、通常は口にしないものだから。
「ふええええん」
泣いても誰も助けにはきてくれませんし、もし誰か来たら、こんな状態ですから、どうにかされてしまうでしょう。早く清美が望むようにして、彼女に助けてもらうしかないのです。
口にしました。
気絶しそうになりながら。
雨が救いでした。すべてが濡れ、ある意味、洗われていくようです。砂利も食べてしまいましたが、そんなことはどうでもよくて、一度食べ始めたらあとはひたすら、食べ残しがないようにと頑張ったのです。
清美が手でなにかの合図をしています。
忘れていました。ラバーカップ。その柄をきれいにしろというのです。ガタガタと震えながら、口にしました。
清美が奇妙なかっこうをしています。戻せと言っているようです。
「飼主さま……」
自分でその長い柄をお尻に突き刺す……。うまくできません。不器用なのでしょうか。
カップを地面に置いて、垂直に立てて、そこにお尻を持っていくことにしました。
そうすると思った以上にスムーズに奥深く入ってきました。
歩いている間、さんざん擦られた部分がうずくので、そこよりもさらに奥まで入れました。やや、安定したような気がします。
だけど、四本足になったら、やっぱりぐいっと突き上げられて、きついことには変わりありません。
ザクザクと音がして人が近づいてきました。
見ると大柄な男の人でした。作業着を着ています。暗い目です。無精髭。髪はボサボサです。
「ちぇっ」
そう言って、いきなりお腹を蹴り上げられました。
「ぐえっ」
いま食べたものを吐き出しそうになります。
「なにやってんだよ」
「ハア……」
息ができません。地面に転がっています。雨が激しく降り注ぎます。傘をさしているその人は、重そうな安全靴を履いているのです。
「汚ねえことしやがってさ。誰の許可を得てるんだって聞いてるんだよ」
その靴が脇腹にめりこみました。
「ぐうっ」
体を縮めて苦しみます。今度は頭に靴がのりました。砂利に押しつけられます。
「ひー。助けて。お願いです」
「答えろ。誰の許可を得てるんだ」
「飼主さまです」
「うん? かいぬし? なんだそりゃ。ふざけたことを言うとぶっ殺す」
「ああーん、本当なんです。お願いです、殺さないで」
砂利を蹴るような足音がして、「クマキさん。悪いね。そいつ、風夏って言うんだよ。あたしんとこにちょっといるんだけどさ」と飼主さま、つまり清美が言ってくれています。
「なんだ、清美。おまえのところで? へえ。珍しいな」
やっと頭から足をどけてくれました。
「すっかりこのあたりを汚したから、きれいにさせていたんだよ」
「わかった。そういうことなら、なにも言わない」
クマキさんは立ち去ろうとしました。
「待ってよ。クマキさんは、こういうの趣味じゃないの?」
「あん?」
立ち止まってこっちを見下ろします。
そしてしゃがみ、わたしの髪を引っ張って顔を上げさせます。
「クソ生意気そうじゃねえか。おれの趣味じゃねえよ」
「こいつ。昔、話した女だよ」
「おまえの学生時代の?」
「そう」
「へえ。お嬢さまだったんじゃなかったのかよ」
「あの頃はね。いまは違う。哀れなもんよ。ウチなんかをあてにしてきたんだからね」
「昼間からこんなかっこうで駐車場にいるとは、いい度胸だよな」
「だからさ。昔から私になにかさせようとしていたんだ。面倒だからあんまり相手にしなかったけどさ」
「ふん。つまり、とんでもない変態女ってことだな。なにをしてもいい。なにをされてもいい。そういうことだな?」
「そうよ」と清美が答えるのです。
クマキ
クマキさんは「腹を蹴った。悪かった」と清美に謝っています。わたしにではなく。
「いいよ、別に。っていうか、そういうのが好きなんだから」
「まあ、けっこうきちゃってるよな。おれの愛したやつらだって、なかなかこんなことはしなかったぜ。させるのも、つきっきりで無理やりだからさ。おまえがいなくても、こいつ、やってたぜ」
「あっちから見ていたの。ちゃんとやらないと家に入れてやらないって」
「ははは。そりゃいいね。どうだ。外で飼えば?」
「できるかしら」
「できるさ。こんなの外で飼えばいいんだよ。たまに入れてやればいい。うんと厳しくしてやれば、そのうち、言葉も出なくなるし、なんでも言うことをきくようになるぜ」
「やってみようかしら」
「あそこに、放置された車があるだろう。あれがいい」
恐ろしいことを言っています。いやです。いくらなんでも外だなんて。死んでしまいます。
二人にリードを引っ張られ、犬のようについていきます。
「ダメだな。思ったより壊されていないし、ドアが開かないや。そうだ。おれが犬小屋を作ってやるよ」
「ホントに?」
「あの辺に廃材があるからさ。あれを拾ってこようぜ」
運ばされるのはわたしです。うち捨てられている廃棄物。そこから壊れたパレット、ベニア板、トタンなどを運ばされました。手がジガジガになります。その間も、スプレー缶とお尻のスッポンはつけたままです。
彼女の部屋の窓の下。地面は雨でぬかるんでいますが、そこにパレットを敷きました。
雨の中、クマキさんは電動工具を使って、あっという間に犬小屋を作りました。普通の犬小屋と違うのは、屋根から出入りする点。小屋というよりは箱なのです。四隅から長いパイプが伸びています。横棒がついていて、そこにつかまり、箱の中へ入るのです。
アパートの軒下なのでかろうじて雨の直撃は免れますが、少し風向きが変わればびしょ濡れになります。パレットのおかげで地面から少し浮いていますけど……。
「入りな」
飼主さまに言われて入りました。わたしのスーツケースから、持ち歩いていたジャージや下着が投げ込まれました。
屋根は軽いトタン板で、簡単に開け閉めできますが、閉じられると、ほぼ真っ暗。廃材なので隙間がありますから、外が明るいか暗いかはわかります。
「いいんじゃない?」
小屋の中に首輪からの鎖を取り付ける金具があり、南京錠で留められます。
小屋を蹴る清美。「けっこう丈夫じゃん」
すっぽんをお尻に入れて、スプレー缶も入れたままなのです。抜いていいと言われていません。忘れられているのかもしれません。
屋根が閉じると、体を横にして丸めているしかなくて、動くとラバーカップが当たって痛いので、不用意に動くこともできません。
雨の音。そして二人が清美の部屋に入って、楽しそうに話をしている声。笑い声。足音。清美はクマキさんと関係があるのでしょうか。
ガラガラと窓が開きました。
屋根が開けられます。屋根にはロープがついていて、窓から引き上げることができるのです。
「寝てるんじゃないよ。屋根を開けたら、すぐに立ちな」
急いで体を起こします。鎖がぴーんとなってしまうので、まっすぐは立てません。すこし前屈み。
「どう? 憧れていた生活よね?」
外で飼われるなんて……。そこまでは考えていませんでした。
「気に入らないの?」
あ、怒らせてしまう。怒らせれば、かまってくれる。
「だって……。いくらなんでも、外じゃ……」
「生意気だな」とクマキさんが笑っています。「普通、そこは『ありがとうございます、飼主さま。一生、側に置いてください』とか言うんだろうが」
クマキさんは笑っているけど、清美より怖いです。
「罰を与えないと。向こうを向いてお尻をこっちに突き出せ」
言うことを聞かなければ……。
お尻を突き出します。窓枠のところに近づけました。
クマキさんの無骨な指が、お尻の肉をつまみます。
「へへっ。けっこういい感触じゃないか」
「でしょ。叩きたくなるでしょ」
「そうだな。理由なんていらないさ。ぶっ叩いてやればいいのさ、こういうメスは」
バシンと叩かれました。
「はうっ」
飼主さまにサンダルで叩かれたのと同じぐらいの衝撃。彼は素手なのです。
叩き
「ちょっと待ってろ」
クマキさんがまた表に出てきました。工具と縄を持っています。そんなものが清美の部屋にはあったのでしょう。
小屋の下の方にとめてあった鎖を外すと、パイプの横棒に巻き付けて首をそこに固定しました。手首を左右のパイプの柱に縛り付けます。お尻を突きだしたかっこうで、逃げられなくなりました。
「叩いてみろよ」
飼主さまがお尻を軽く叩きました。
「そんなんじゃ、ダメだよ。強烈なやつを一発、お見舞いしてやれよ」
「じゃ、これでやってやろうかしら」
「いいよ」
見えませんが、清美はなにかを引っ張りだしてきたようです。
「いくよ」
「あぐう!」
なんだか脳内に強烈な火花が飛びました。なにをされたのか、あまりのショックでわかりませんでした。お尻に強烈な痛み。ジンジンと余韻が残ります。ものすごく固いものを打ち込まれたようです。
「どうだ。ケツバットの味は」
首を動かせませんが、クマキさんは清美から凶器を受け取り、わたしに見せつけたのです。
金属バット……。
「どうだ。強烈だっただろう。こいつを食らえば、忘れられなくなるぜ」
「あわわわわ」
怖くて、言葉がでません。
工具を使って、パイプの柱や井桁部分を彼はしっかり締め付け直しました。さらに、サイドへ筋交いのパイプを取り付けました。
「もう一回やってみろ」
「ああ、それは……」
やめて、というより早く、清美はクマキから受け取った金属バットを振り下ろしたのです。
「ぎゃー」
二発目は、骨が砕けるような衝撃で、わたしは反射的に暴れたのですが、パイプはびくともしません。だから、お尻を突きだした姿勢も、まったく変わることなく、痛みだけが全身に残っているのです。直接、ぶたれたところはもちろん、全身に痛さが染み渡ります。
わなわなとなっている自分……。
気付くとクマキはいなくなっていて、雨はさらに強く、顔に降りかかります。小屋の屋根を開けているから、足元も、服を敷かれた床も濡れてしまいます。
「もっと楽しく叩いてやろうぜ」
金属バットは終わりにしてくれるようです。
「安心するんじゃないよ。おまえが言うことを聞かなかったら、ケツバットで制裁だからね。わかった?」
清美はそう言いながら、抜け落ちそうになっているすっぽんを奥深く、突き入れました。
「はい。飼主さま。どうか、風夏が聞き分けのないときは、ケツバットを打ち込んでください……」
ガクガクと震えながらお願いしました。二度とやってほしくないと強く思いますが、いつまでも残るこの痛みは魅力的でもあるのです。
「ぶっ壊れちゃうぜ」
「いいのよ。見てよ、これ」
清美がスプレー缶を乱暴に引き抜きます。
「ぐっちょりだわ」
「感じてるわけだ。うまそうな穴じゃないか」
「試してやってよ」
「まだだ。もっと汚いケツにしてやらないとな。ギットギトにしてやるよ」
「いいわね」
「いま、取ってくるからさ。それまで、こいつで叩いてればいいよ」
クマキがいなくなりました。そして清美は、ガツンのなにか金属をお尻にぶつけてきました。
「どう、この味は?」
「くぅぅぅ」
すぐに言葉になりません。
「もう一発やってやるよ」
「ぶはっ、きつい……。すごく、痛いです」
「気に入ったってこと?」
「はい、ありがとうございます」
「これだよ」
ガチャガチャ鳴ると思ったら、さっきクマキが使っていたレンチだったのです。
お尻の肉が削げてしまうかもしれない……。
「そうだ、こうやってあげるよ」
レンチの先端でお尻の肉をはさむと、つねるように、ひねったのです。
「はああふぅぅぅぅ」
焼ける……。お尻が熱く焼け焦げていく……。
「うわ、あんた、ホントに変態だわ」
清美の指が、ぽっかり開いた性器に入り込みました。なんて気持ちがいいのでしょう。そこをスリスリしてほしい……。ぐちゃぐちゃしてほしい。
「どうだ」
クマキが戻ってきました。
「見てよ、これ」
「そうだろう。こういうやつらは、追い込めば追い込むほどうれしくて涎を垂らすんだよ。甘くしちゃダメなんだ」
「ホントにそうなのね」
ハッとしました。
クマキがいるとき、清美はより女らしい……。清美とクマキはどっちもドSなのでしょうけど、だからこそ理解し合っている部分があるのかもしれません。
それに清美が本気になるのは怒ったときだけだから、クマキがいると、清美はむしろ穏やかになっているのです。
「これでぶっ叩くんだ」
「ふふふ」
清美のうれしそうな声。レンチはこれで御役御免になるのならいいのに、と思ったんですが、クマキはその柄の部分を蜜壺に押し込んできました。
「ほらよ。風夏。気持ちいいか? え? どうなんだよ」
「うっ、きっ、あふぅぅ、気持ちいい」
なんとか「気持ちいい」と言えましたが、すごく抵抗がありました。固い金属が子宮をガツンと押しているので、気持ちがいいわけではないのです。それに恐ろしいのです。
機嫌のいい清美と、どんなときでも冷酷なクマキ。その取り合わせは、わたしにとっては地獄なのです。そしてもし、清美が怒り出したら……。
殺される……。
バシンと切り刻むような痛みがお尻に……。
「うきっ!」
二人で、短い鞭を使い始めました。クマキと清美で交互に叩くのです。競うように連続で攻撃してきます。
バシバシバシバシ……。声も出ません。お尻が二倍ぐらいに腫れ上がってきている感じ……。
二人とも力は有り余っているので、終わりがありません。
何分、打たれ続けたでしょうか。何十発、打ち込まれたでしょうか。
彼らがなにかを飲んで、楽しそうに笑っている間、わたしはその痛みを噛みしめながら、あえぐのです。涙と雨と汗、そして鼻水が口に入ります。
「だいぶ、いい感じになってきたな」
クマキがレンチとすっぽんをぐりぐりと動かします。
「ふあああああ」
「感じてるのか、風夏」
「はいぃぃぃぃ」
「じゃ、一発、使ってみるか?」
「やっちゃいなよ」
彼がすっぽんを引き抜いて、それをわたしにくわせさせると、窓越しに挿入してきました。
「いいね。まだあまり使い込まれていないようだな」
「変態女の相手をしてくれる男なんて、そうそう出会うわけないしね」
腫れて傷ついたお尻を触られると、皮がぺろんと剥けていくような痛みがあるのです。だから、快楽だけではなくて、なにがなんだかわからない感じなのですが、そこがまた、すごくいいのです。
もう戻ることはできません。死ぬまで飼っていただくのです。
「あん」
かわいい声が出てしまいます。
「ふん」と清美が不機嫌そう。
「中に出しちゃうぜ」
どくどくと注いでいただきました。体が震えています。なんとも言えない気持ちです。
「どうだったの?」
「まあまあだな。締まりはいい方だから、貸し出せば喜ばれるかもよ」
「ホントに? じゃ、貸し出す?」
「ボロボロになるまで使っていいんだろ?」
「もちろんよ。ここにずっといられても迷惑だから」
「おれの友だちに興味のあるやつがいるかもしれないから、あとであたってみるよ。そうだ。小便は飲めるのか?」
「もちろんよ。なんだってするわよ」
したことないのに……。
「やらせてみようぜ」
手首をパイプから外すと、後ろ手に縛られました。首輪の鎖も外してもらい、窓の方に向きます。すっぽんを小屋に置くことが許されました。
「こうしろ」
頭を乱暴に引き寄せられ、オッパイを窓枠にのせるようにしてくっつけると、彼がいま精液を発射したばかりの男性器を目の前に。
「口を開けろ。小便の飲んでみろ。こぼしたらぶっ殺すぞ」
やったことがないのですが、口を開けます。
「少しずつ出してやるからさ」
ちょろちょろっとオシッコが口の中に入ってきました。生温かく、薬品のようなニオイがします。トイレのニオイです。こんなに温かいんだ……。
ごくりと飲みました。すぐに注がれます。
また飲んで……。必死にやって、ようやく許していただきました。
「なるほどな。やる気はあるようだな」
「でも、なんか腹が立つわ」
清美が持っているのは短い房の鞭。何本もの革を束ねたようになっています。それをふりあげると、オッパイに叩きつけてきました。
「うっ」
痛いので、かばうように体を曲げてしまうのですが、「きょうつけしろ!」とクマキに頬を叩かれました。
「飼主に叩かれるときは動くな!」
「はい」
「もっと胸をはれよ」
乳首をつまんで、ひねりあげられました。
「うっ、はいぃぃぃ」
二人が今度はオッパイを連打します。バシバシと小気味いい音を立てて。
標的
「まだ足りないな」とクマキさんが言います。
両方の乳房が腫れていますが、彼は満足してくれないのです。
「こいつをつけてみよう」
乳首をつままれました。つねるように。
「くうぅぅ」
「痛いか? 気持ちいいか?」
「気持ちいぃぃぃぃ」
脂汗がどっと出ます。直接ぶたれる痛みとは違い、先端を潰される痛みです。そしてそこはやさしく愛撫されれば感じる場所でもあるのに。それを、虫でも潰すように、情け容赦なく指に力を入れるのです。
「そうか。じゃ、これも気に入るぜ」
黒いダブルクリップ。それで乳首をガツンをはさみました。
「はうぅぅ」
「感じるか?」
「はああ、感じますぅ」
「おまえ、ホントに変態だな」
脳天まで突き抜けるような痛み。
「こっちもやってやるよ」
当然のようにもうひとつの乳首もグリグリと指で潰したあと、ダブルクリップの餌食にされました。
そこにつけた紐を部屋の中に引き込み、飼主さまとクマキが引っ張って遊ぶのです。
「うぎぃぃぃ」
ちぎれそうです。
「外れないわね、案外」
ムリです。そのまま引っ張ったって外れません。その前に乳首がちぎれる……。
「どっちが先に外れるか、競争してみようか」
「ぎゃっ、ぎっ、ひっ」
叫んでしまいます。腕を思いきり振り下ろすようにして紐を引っ張るのです。
「なによ。気持ちいいんでしょ?」
「がはああ、気持ちいいいいい!」
「じゃあ、うるさくするんじゃないわよ」
外は暗くなってきて、雨がまた降りだしました。
「ダメだな。外れないもんだね」
知っているくせに。
「乳首が伸びたかもよ」
「かまわないわよ。変形したって、ちぎれたって」
「乳首がなかったら、貸し出せないぜ」
「あ、そうか」
「でも、もうちょっと、こいつのオッパイ、いじめてやりたいな。どうなんだ」
クマキがふらふらのわたしの頬を叩きます。
「ぐふぅぅう。お願いです。風夏のオッパイを、もっといじめてくださいぃぃ」
「いいぜ。そんなに楽しいならな」
「楽しいですぅ」
痛みに酔ったようになっています。
「これ、どうかしら」
ジャラジャラと音。清美が手にしているのは、透明のプラスチック容器に入った金色の画鋲……。
「いいね。おもしろいじゃん」
「こうしてやろうかなって」
部屋の内側へ、乳首が引っ張られます。それだけでも痛いのですが、窓枠を支えている木の部分に清美は、おっぱいを貼りつけるつもりなのです。
「どうだ。やってほしいか?」
「はい、お願いしますぅぅぅう」
涙をいっぱい流していますが、その顔がおかしいのか、二人は笑っています。
遠くで雷が鳴っています。
清美が画鋲を手にして、左のオッパイを薄く引き伸ばそうとしますが、それほどの巨乳ではないし、案外、固いので簡単には伸びません。皮膚の部分を引っ張るようにして木にあてると、画鋲を押し込みました。
「ふぎゃっ!」
「それだけじゃ、外れちゃうぜ。もっと打ち込まないと」
クマキは、右のオッパイを手にして、男らしく力ずくで、次々と画鋲を打ち込み、木の部分、その下の壁のベニア板へと、オッパイを貼りつけてしまいました。
「はー、はー、はー」
強烈な痛みと悲しみで声も出ません。
清美は下手くそで、不器用で、適当にやるのですが、それがさらに痛いのです。何度も差し直したり、グリグリと潰したり。
まるで窓枠を乗り越えて、乳房が自分の意思で部屋の中へすべり込んだようなかっこうです。引っ張られて苦しいですが、上体を伸ばして窓枠に体重をかけながら耐えます。
「よーし。サインペンかなにかないか?」
「あるわよ」
「赤いのがいいね」
クマキは平たく伸ばされた乳房に、二重の円を描きました。左右とも。そしてセンターに赤く点をつけました。
「ちょっと待ってろ」
またしてもクマキは自室に行ったようです。彼が歩き回る音がしています。
外で大声で誰かと話をしています。笑い声がします。
そして戻ってきました。
「こいつも連れてきたよ。暇なんだってさ」
「久しぶりね、ゴンちゃん」
「おっ、マジすげえな」
新たな男が登場しました。ゴンちゃん。クマキよりは少し若そうですがきっと三十は超えているでしょう。社会人風です。無精髭に髪はボサボサです。
ゴンちゃんはわたしのオッパイを指で触って、乳首のクリップを引っ張って。それから頬を撫でました。
「かわいいじゃん。いくつなの?」
「タメよ」
「そうか、清美と同じ年? じゃあ若いな。ピッチピチじゃん」
「だけどかわいそうに、とんでもない変態なのよ」
「いいねえ。かわいくて変態なんてさ。清美が飼うわけ?」
「クマキさんが外に小屋を作ってくれたから、しばらく置いておこうかって。貸し出しもしようかなって」
「借りるよー。絶対に。いいだろ」
「おまえ、金ねーだろ」とクマキにからかわれます。
「金取るのかよー」
「取るさ。こいつだって、なにか食ったりするじゃねえか」
「そうかー。まけてくれよー」
「いきなり値引きはムリだね。まだ新品同様だし」
「新品の女のオッパイにこんなことするかよー」
ゴンちゃんは笑っています。適当な人。無責任な雰囲気を漂わせています。日々、楽しければそれでいい。そんな感じです。
「見てろよ。ちょっと遊ぶからさ」
「いいよ。見るならタダだな」
「そうだ」
クマキは清美の部屋を片付けて、空間を作りました。
「ここから狙うんだよ」
オモチャのピストルを持っています。
カシンと軽い音がして、直後にオッパイに強烈な痛み。
「はうっ!」
気が遠くなります。
おそるおそる見ると、黒い跡がついていました。
「いまのは的の外だからゼロ点。内側が十点。その内側が五十点。真ん中が百点。五発ずつ打って、多い方が勝ち」
乳房に当たっても、描いた的の部分以外はゼロ点というのです。
「いいわ。やってみましょうよ」
ただ彼らの退屈しのぎに、標的にされました。
「これをつけてやろう」
クマキは汚いタオルで顔をぐるぐる巻にしてくれました。
「こうすれば、顔や目に当たっても平気だし、顔が見えないほうがやりやすいぜ」
じゃんけんして勝った清美が先行です。
カシン、カシン、カシン……。
「はぐっ、ふぎっ、ひぃぃぃ」
左のオッパイを集中的に撃たれました。ボコボコにされた感覚です。見えませんが、きっとひどい跡がついているでしょう。
「うまいじゃん。八十点だな。じゃ、今度はおれだ」
ガツン、ガツンを食い込むプラスチックの弾。当たって畳に転がる音がします。
いちいち反応できなくなって、ずっと「ふひぃぃぃ」と泣いています。ほかにどうしようもないのです。
「やった、百二十点」
「ずるいわよ。あんたはもともと上手なんだから」
「いいじゃねえか。ゴンちゃんもやるか?」
「いいね」
「じゃ、清美。もう一回やらせてやるよ。どっちか勝った方とおれで勝負しようぜ」
彼らははしゃぎながら、残酷な遊びを繰り返しました。
「優勝はやっぱりおれだったな」とクマキ。
「もう一度やりたいわ」
「だけど、もう跡がいっぱいで、わからないよ」とゴンちゃん。
「じゃ、次はケツでやろうか」
「いいわね!」
クマキと清美に縛り直されます。もう力がまったく入らないのですが、耳元で清美が「風夏、うれしいでしょ。こういうの」と囁きます。
返事ができません。
「クリップ、はずしてやるよ」とクマキがやっと乳首のクリップを取ってくれます。
「ぐああああああ」
すごく痛くてうめいてしまいました。
「やらせて」と清美がもう一つを外します。
「ぎぃぃぃぃぃ」
ちぎれたのだと思うほどの痛みです。画鋲を乳房から外すのも乱暴で、傷口が広がったようでした。
今度は外を向かされ、お尻を窓枠にのせました。仰向けで、パイプを腕で抱えるように縛られ、足を高く上げるように固定されました。
「今度はクリップをそこにつけてやろうぜ」
クマキは陰唇を指でつまんでいます。
「そうか。今度は的を書かなくてもいいじゃん」とゴンちゃん。
遊戯
クマキも清美も、手加減がありません。普段は優しい清美です。これまではわたしが怒らせたときしか、酷いことはしませんでした。だけど、クマキといると、それだけで清美は酷いことを平気でできるらしいのです。
二人でまんこをいじります。
「いやらしいわ、ここ」
「ふふふ。あんまり経験がなさそうだけど……」
「腐れまんこよ。どうなったっていいのよ」
「ぶちのめそうか?」
「やってあげてよ」
クリップを一つ、二つと増やし、内側にあるビラビラに左右四つずつ取り付けたのです。それを細い針金で引っ張るようにして、先ほどの画鋲を窓枠や壁につけて針金を巻き付けました。
わたしのあそこは、八つの方向にひっぱられて剥き出しなのです。
「穴に当たれば百点。リップで五十点。お尻の穴は百点。ほかは当たれば十点な」
「いいわ」
二人の声が遠くなっていきます。
「あんまり派手に泣きわめかないでよ」
部屋の奥までいったのでしょう。飼主さまの声は遠いのです。
ですが、最初の一撃で、「ぎひぃー」と叫んでしまいました。
顔に大粒の雨が降り注ぎます。叫び声はこもってしまうでしょう。多少の消音になっているはずです。
「ぎゅえー」
陰唇に当たっても痛い。そして膣口はもっと痛い。お尻の穴も痛い。その間の部分も痛い……。股間はどこに当たってもえぐられるように痛いのです。
「ぎゃん!」
クリトリスに当たりました。火花が出たような痛みですが、「惜しいな、そこは十点だぜ」とクマキが言っています。
「先に三百点取った方が勝ちだからね」
そんな……。
二人は次々と撃ってきます。くいこんだ弾は、座敷に落ちますので回収も簡単です。
「ちくしょう、おれが負けるなんて。もう一回だ」
二ゲーム目に入りました。
もう、股間はボコボコでしょう。
結局、三ゲーム。血だらけになっているように思うのですが、そのあと二人はいちゃついて、長いこと放置されました。ゴンちゃんもあきれて帰ったようです。
「あたたかいわ、あなたの」
清美が甘い声を出しています。
「おまえ、きれいだよ」
ケモノ同士の愛。
気が遠くなりながら、薄目を開けると雨が上がって、青空が見えていました。黒い雲が急速に流れていきます。わたしがこんな目に遭っていても、地球は普通に回っていて、大多数の人たちは飼主さまたちのように、愛し合って幸せなのです。
みじめすぎる自分。
また気が遠くなり、気がつくとあたりは暗くなっていました。
「いやー、もしろかったな」
クマキの声。
「ホント」と飼主さまの声。
「窓を閉めようぜ。虫が入るからさ」
いいニオイがしています。食べ物を仕入れてきたのでしょう。
「あとでね」
二人はロープを外し、小屋の中に押し込み、鎖でつなぎ屋根を閉じました。
しばらくは楽にしていられます。
傷ついた乳房を股間。
濡れた服を抱きしめながら、痛みと寒さに震えています。いまはこれ以上、苦痛が増えることはないでしょう。
外国のゴミ捨て場で自殺した父母。二人は苦しんだでしょうか。ホテルとかそういうところではなく、なぜゴミ捨て場なんでしょう。自殺するのにそんな場所を選ぶなんておかしい……。
もしかしたら、殺されたのではないでしょうか。
だとしても、証明できるわけではありません。
もしいま、ここでわたしが死ねば、やはり自殺となるのでしょうか。飼主さまはどうするでしょう。ゴミ捨て場に捨てるでしょうか。海に投げ込むでしょうか。
ひりひりする股間に指をやると、ヌルヌルになっています。痛いけど気持ちがいい。不思議な感覚です。かさぶたを剥がすような感じです。
見ることはできませんが、触ると粘膜が何ヵ所もボコボコになっていて、気持ちが悪いほどです。膣の中に弾が二発入りましたが、それは抜き取られました。お尻の穴には入らなかったけど、周辺が切れて血が出ているようです。
この傷は治らないのではないでしょうか。
治療もしてくれそうにありませんし。
小屋が蹴られ、屋根が開きました。
部屋からの明かり。クマキがそこにいるのはわかりました。
「退屈だろ。遊んでやるよ」
足首にロープを巻き付けています。
「引っ張るから自分で逆立ちしろよ」
手で突っ張って、彼が足を引っ張りあげるのに協力しました。
膝をパイプにひっかけ、足首のロープは小屋の下の方で結びました。両足を開くように縛られて、逆さ吊りになりました。手で支えていられますが、その手も取られ、背中で縛られました。
「おまえさ。二十一歳になるんだって? なったのか? まあ、どっちでもいいや。今日は誕生日のお祝いをしてやるからさ」
「誕生日……」
そんなものは、忘れました。
「いいタイトルを見つけたんだよ。折檻奴隷の風夏ちゃんってわけだ。言ってみろ、自分でさ」
「折檻、奴隷、風夏……」
「でーす、よろしくお願いしまーす、と言うんだよ、アイドルみたいにさ」
「折檻奴隷、風夏でーす。よろしくお願いします」
「そうだ。明日から貸し出すからさ。ちゃんと言うんだ」
貸し出す……。
「折檻奴隷、風夏でーす。お尻の穴を虐められると感じるの。おまんこにもたっぷり鞭を入れてね、ぐらい言えるようになれよ」
「はーぁぁぁ」
気が変になりそうです。そんなことを自分で見知らぬ人に言うことを想像するだけで、体が熱くなります。
「おまえのために、二十本の花火を用意してやったからさ」
「ひっ」
ぐさぐさとお尻に花火の柄の部分が突き刺さります。そして次は膣にも。
そして腕を背中で縛ったときに乳房の上下に縄がかかったのですが、そこに残りの花火を刺しました。
「すごいぞ、おまえ。ロケットみたいにどこかに飛んで行くかもな」
窓が開きました。飼主さまの影。
「できたの?」
「ああ。どうだ。いっぺんに火をつけようぜ」
二人がチャッカマンを持って、火をつけていくのです。
「急げよ」
二十本の花火に点火されていきます。最初は紙が燃えているだけ。そして最初の花火がシューッと音を立てて火花を散らしはじめました。
「すげえ」
「ぎぃぃぃぃ、熱い! 熱いぃぃぃい」
「ハハハ! すごいじゃん!」
清美の笑い声。
火の粉が全身にふりかかり、どこもかしこも熱いのです。ギシギシとパイプが鳴ります。激しく体を動かしているからです。そうしないと耐えられません。
「はっぴ、ばーすでー、つーゆー」とクマキが歌い始めました。
「はっぴ、ばーすでー、折檻奴隷風夏」
くらくらします。火傷だらけになっていると思います。
花火は一瞬だったと思いますが、わたしにとってはとても長い時間でした。
「あー、もう終わりだわ」
「もっと買ってくればよかったな」
充分です。もう、これで充分だから……。
「さあ、お礼を言うんだぞ。これからは、なにをされても、必ずきちんとお礼を言うんだ」
クマキが花火の柄の部分を動かして、二つの穴をえぐります。
「あああ、ありがとうございます。折檻奴隷風夏の誕生日を祝っていただき、感激ですぅぅ」
二人がまた笑っています。
「ケツ穴で飲ませてやろう」
花火を乱暴に引き抜かれ、瓶を逆さに突っ込まれました。強烈な炭酸。じわーっと熱くなる液体……。
「どう、うまい? ビールだよ。ホンモノのビールなんだからね」
「ありがとうございます。おいしいです」
すかさず言わないとクマキがなにをするかわかりません。
「いい子だ。あとでメシもやるからさ。明日、楽しみにしてなよ」
「ありがとうございます」
ようやく小屋に戻され、おにぎりを二個いただきました。
お尻から飲まされたビールで少し酔ったようです。
「口を開けろ」
クマキのおしっこを飲まされて終わりました。
ドーンと小屋を蹴られて、びっくりして起きました。
すでに屋根は開いていて、空は青く、明るいのです。眠ったことも覚えていませんし、よく眠れたと自分でもびっくりです。
全身が痛く、熱があるようです。
「今日から貸し出しだからさ。きれいにしてやるよ」
クマキはいません。清美だけです。
昨日の雨でどろだらけの地面。歩かされて、部屋に上げてもらい、狭い風呂に入れてもらいました。
お湯が染みます。いろいろなところに細かい傷があります。弾を撃ち込まれた股間は腫れ上がっています。火傷のあとも数ヵ所あります。
髪を洗い、顔を洗って口をゆすぐと、すごく人間っぽく感じられました。
「いきなり遠くの客ってわけにはいかないからさ。今日はすぐ近くの客だよ」
「ありがとうございます」
「必ずお礼。忘れてなかったね。えらいよ」
パンと牛乳をくれました。すごくおいしくて、みっともないほどむさぼり食べていました。
清美だけなら優しいのです。
「服を着せていただけますか?」
「ああ。そのつもりだよ」
色褪せた青いジャージです。
「クマキのお下がりだよ。大事にしなよ」
「ありがとうございます」
男のニオイが染みついたジャージを、素肌の上に着ました。だぶだぶですが、ないよりはマシです。
目元に清美が軽くメイクをしてくれました。口紅は自分でつけました。
「じゃ、行こうか」
「もうですか?」
「そうよ。いつまでもここにいられたら目障りだもの。明日の朝までの契約だからね」
「ありがとうございます」
怖いけど、きちんとお礼を言わされていると、なんだか本当に飼主さまに感謝する気持ちが出てくるから不思議です。
貸し出し
目隠しをされて、裸に男物のボロいジャージを着せられ、粗末なサンダルをはいて、アパートを出ました。
ぐいぐいと鎖を飼主さまが引っ張るので、必死に歩きます。
手をうしろで、余った袖で縛られています。
ビュンビュンと間近をすごいスピードでトラックが通過していくのです。あの大きな道路でしょう。風圧を感じます。
「こうしてあげようか」
そこで、飼主さまは、ジャージの前を開いて、下は膝までおろしたのです。
「ええーん」
泣きます。
誰に見られているかもわからないのに、路上で肌を露出するなんて。
それも、風呂も満足に入れてくれないし、化粧もさせてもらえていないし、火傷や傷や痣だらけのみっともない体なんです。
「ほら、手を振ってるわよ。お尻をふってあげなよ」
乳首を指で潰され、引っ張られ、お尻を振るのです。バーンと強烈なホーンが間近でしました。
「じゃーね、気をつけて!」
彼女はドライバーに声をかけているようです。このあたりはみんな知り合いなのでしょうか。
「おいで」
そのかっこうのまま、歩かされます。道路を急いで渡らされているようです。
よちよち歩きで倒れそうになりましたが、彼女が腕を取って支えてくれました。
「クルマに轢かれたいのかよ」
ゴーっとトレーラーのような大きなクルマが通過していったようで、ゾッとします。
「ここだよ」
かなり歩かされて、静かなところに来ました。ピーピーピーとなにかがバックしてくる警報が聞こえています。あれは、フォークリフトかもしれません。
軽快なモーター音がしてキビキビ動いている感じ。ガチンとパレットにフォークが刺さる音。


