志摩紫光(しま しこう)は、日本の男性AV監督であり緊縛師である。志摩プランニング代表取締役。SMという言葉を嫌い、みずからの表現をBD(ビンディング・ディシプリン)と呼ぶ。奴隷との徹底した信頼関係と徹底した責めを「究極愛」と名づけ、他のSM系メーカーとは線を引いた調教映像を作り続けてきた。これまでに調教した女性は約4000人。出演する女性たちは「志摩ガール」と呼ばれ、いずれも本人が口説いて出演交渉する。一度恋人同士の関係を築くのが基本だという。
奇譚クラブから雑誌、そしてビデオ
東京都の貧しい家庭に生まれる。中学生のとき古本屋で見つけたSM雑誌『奇譚クラブ』に、「頭のてっぺんからドーンと電流が流れたようなショック」を受ける。以来SMを独学で探求し、高校2年のときに好きだった女の子を縛ったのを皮切りに、さまざまな女性遍歴を経て独自の女体調教理論を確立する。大学卒業後は新聞社の政治経済部記者として働き、その傍ら斯界の雑誌に投稿・寄稿し、独自に獲得した女性の調教を続ける。大共社の『スペシャリーS&M』創刊に携わり、編集長を務めながら斯界の写真誌を毎月制作・刊行した。廃刊後は『S&Mスペキュラム』『愉芽倶楽部』を出し、その後ビデオ制作へ移行する。2002年12月、ソフト・オン・デマンドグループに参入し、精力的に作品を出している。
BDという呼び方と映像以外の仕事
みずからの表現をSMではなくBDと称するのは、 Sadism / Masochism の図式に収めたくないからだ。縛ること(binding)と規律(discipline)を軸に、信頼を先に置き、そのうえで責めを極限までかける。AV制作だけでなく、SM雑誌での連載も多い。大阪よみうりテレビの深夜番組「11PM」に出演したほか、映画・テレビドラマの演出も手がける。武智鉄二監督の映画『白日夢2』を演出、江戸川乱歩原作・土曜ワイド劇場(天知茂主演)のSMシーン、にっかつ映画「伊集院 剛」監督作品の制作・演出・出演、ジョイパックフィルムの映画『キング・オブ・SM』の監督・演出・出演がある。スクリーンの縄と、自社ビデオのBDは、同じ手から出ている。
三和出版の月刊誌『マニア倶楽部』創刊から参画し「志摩紫光調教シリーズ」を連載。ミリオン出版の『SMスピリッツ』『S&Mスナイパー』では「野外調教シリーズ」を連載した。笠倉出版社の「レズビアン&マゾヒズム」連載のほか、『スポーツニッポン』『日刊スポーツ』『サンケイスポーツ』各紙に1〜2年連載している。写真集は笠倉出版、三和出版、英和出版、ミリオン出版、ワイレア出版、明文社などから出し、30誌に及ぶ。同好の士が集まるサロン「愉女倶楽部」を主宰する。X(旧Twitter)は @simasikou511、ブログは『愛奴日記』。
4000人を超える調教数は、メーカーの単発キャスティングではなく、本人が口説き、恋人関係を一度作ってからカメラの前へ出す、という手順の累積である。志摩ガールと呼ばれる女性たちは、その関係を経たあとで縛られ、責められる。信頼を先に置き、責めを極限までかける、と本人が言うBDの中身は、ここに具体的にある。『奇譚クラブ』で電流が走った中学生が、記者をしながら斯界の雑誌を出し、廃刊のたびに媒体を変え、2002年末にSODグループへ入った。11PMの露出から『白日夢2』『キング・オブ・SM』、乱歩ドラマのSMシーンまで、映像の縄は雑誌の連載と同じ手で繋がっている。SMという言葉を使わずBDと呼ぶ監督として、野外調教と誌面とビデオを並行して残した人物である。











