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小説『亜由美』第三部 亜由美シリーズ · 第1部

小説『亜由美』第三部 亜由美シリーズ 第1部 (1/6)
次の話

SM小説

亜由美

第三部

あんぷらぐど著

荒縄工房・発行

本作品はすべてフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません。また、特定の個人、団体、宗教、人種、性別などを誹謗中傷する意図はありません。

あんぷらぐど

SM雑誌に「仲ゆうじ」名でSM小説を執筆して作家活動をスタート。その後、作家活動は休止し、編集の仕事に携わる。ネットでは「ふにゃふにゃ」「あんぷらぐど」名でSM小説を執筆。独自の自虐的SM、一人称による告白形式の作品、伝奇SM小説などを発表し続けている。東京在住。

これまでのあらすじ

主な登場人物

便所犬

メス豚矯正所 輪姦十番勝負

プール対決

テニス対決

バスケ対決(合宿二日目)

剣道対決

ラグビー対決

バレーボール対決(合宿三日目)

柔道対決

野球対決

トライアスロン対決(合宿四日目)

卓球対決

サッカー対決

拷問の日

登美子の打(ちよう)擲(ちやく)拷問

佐智子の釘打ち拷問

安里咲の灼熱拷問

映奈の針刺し拷問

拷問許可(拷問実験二日目)

安里咲の決断

最終拷問

二つのエンディング

第三のエンディング

奥付

これまでのあらすじ

亜由美は念願の大学へ入学したが、そこで兄の親友だった剛介と再会する。剛介は亜由美の特殊な性的願望をすべて理解し、開発しようとしていたときに引っ越していったのだった。

亜由美は剛介に処女を奪われ、抑えていた自身の被虐的な欲望に目覚めていく。大勢の男たちに身を任せ、ゲーム作りと称して犯されていく。

ゲーム作りはいよいよ終盤を迎え、ゴールデンウィークを利用した輪姦合宿が始まった……。

主な登場人物

亜由美

剛介

村木猛 警備員

岡山宗二 アダルト店店主

末土佳祐 教授

長崎義隆 薬局店薬剤師

武雄、勇二 亜由美の兄

宇辻 うつじ内科・消化器化の医者

会員(登場順)

園田達夫(ゲー研 監督)、梅木勇(居酒屋店員)、小島太一、北山信一、塚田克也、榊原真治、勝俣政行、藤沢明、小山研二ほか。

便所犬

警備員の村木が運転する二十九人乗りの小型バス

ゴールデンウィークがはじまったのだ。道路が混雑するからと、商店街組合の連中に輪姦されたあと、ほとんど休む間もなく、亜由美はこのバスに乗せられたのである。

夜中の道を走る。

くたくたの亜由美は、うつらうつらしていた。裸のままで毛布だけをかけられていた。

一番後ろの席に四人座ることができ、その奥に亜由美はいた。剛介やゲー研の連中に加えて、カラオケ研究会のメンバーの顔も見える。

補助席を使わないと二十二席だ。そこがほぼ満席になっていた。

亜由美はなにも聞いていなかった。商店街のパレード、着ぐるみでのゲーム、そして夜店で行われた淫らな露出。

最後には打ち上げと称して、商店街組合の理事たちのために、緊縛ショーを見せ、体を開いて女体盛りならぬ、人間鍋。コチュジャンを入れられ、そこに手長タコを入れられ、敏感な器官を器として使われた上に、奉仕、そして輪姦の地獄を味わってきたのだ。

いまさら、なにも考えることができるのだろうか。

「どこへ行くと思う?」

「どこですか?」

「合宿だよ。さすがに大学の施設はもう予約でいっぱいだからムリだったけど、村木さんがいいところを見つけてくれたんだ。楽しみにしてくれよ」

女友だちたちと、湖畔の大学寮へ行く、という夢。

それとはまったく違う世界。合宿といっても、亜由美は撮影の対象であり、嗜虐の対象でしかない。

「ここで少し休むぞ」

運転席の村木が野太い声を出す。

高速道路を降りて、道の駅に入っていく。店舗は夜中なのでシャッターが降りていたが、自販機が並んでおり、駐車場には多くの車があった。トイレを使う人影が見える。

「ほら。おまえの好きな野外だぜ」

剛介ではなく、ゲー研の男に馴れ馴れしく言われて、亜由美はびっくりする。

名も知らない男が、昆虫じみた顔で、亜由美になんでも命じることができる優越感に浸っている。

首輪に鎖がつけられ、カメラが用意される。

亜由美の毛布が剥ぎ取られる。

エンジンが止まり、ドアが開く。春にしては、山間部が近いのだろう、冷たい風が入ってきた。

亜由美は身震いする。鳥肌が立っていた。

なんとか立ち上がって、震えながらバスを降りる。後ろからくるカメラだけではなく、すでに降りて待ち構えているカメラもあった。

照明を使っていないが、撮影できるらしい。

「ほら、四つん這いだろ」

誰かが言う。

「はい」

亜由美はアスファルトに手をついた。

お尻を高くあげる。

鎖を引かれて、男のあとをついていく。

眠くてだるい。

わずかな救いは、昨日までのような全身を包む不快感が減少していたことだ。生理の峠は越えたらしい。

「なんだ、あれ」

「AVの撮影かな」

「すげえ、裸だぜ」

「まだ若いんじゃないか。大人なのかな」

「そう見えるだけだよ。さんざん、男とやってるに決まってるさ」

「そりゃそうだな。あんなかっこうで歩くなんて、フツーじゃないぜ」

ヤジウマが集まっていた。

亜由美は、そんな状況をよくわかっていない。苦しい姿勢で歩くことに集中していた。

「小便しろよ」

街灯の下。そこは昼のように明るく、近くにゴミ箱や自販機が並んでいるので、ほかの客たちもうろうろしている。

羞恥心がなくなったのならともかく、恥ずかしくて逃げ出したいほどなのだが、夢中になっているフリをする。わずかな経験ながらも、そうすることで、少しは耐えられることを学んでいた。

「おお、なんか書いてある」

「淫乱メス豚、二十一歳 亜由美、撮影中」の文字を読み上げる。

「『遠慮なく嬲ってください』だってさ」

「おもしろそー」

若い男の声がする。人垣が倍ぐらいに膨らむ。

「片足あげてやってみろ」

メス犬ならしゃがんでするものだが、彼らはオス犬のようにすることを命じていた。

片足をあげてしたことはなく、バランスも難しければ、おしっこを出すのもコツが必要だった。

男たちに恥ずかしい姿をじっくりと観察されながら、体を震わせて、膀胱に力を入れる。

「くうぅぅぅ」

やっとちょろっと出たが、そうなるとあとは、普通におしっこが出た。

商店会の輪姦後に大量の水分を取っていた。それが全部、出ているようだった。

「トイレでまわそうぜ!」

「いいね!」

聞き慣れない声がしていた。

鎖が引かれ、男子トイレに連れ込まれる。

見回すと、いつもの顔ではない。見知らぬ男たちが五人いた。知っている顔はカメラマン二人だけだ。

ゲー研の連中は、駐車場にいた若者たちに亜由美を引き渡したのだ。

「ほらほら、メス犬。舐めてくれよ」

若者がズボンを下げる。

はじめて会った男のものを、無条件で口にしろという。

心が「できない」と叫ぶ。

手が動き、口が開く。

「ムリ、絶対、ムリだから……」

亜由美はそれを口に含んだ。

ああ、やっぱりこうしてしまうんだわ。これがメス豚亜由美なんだわ。

心より先に、体が反応するようになっていた。

もう何本目かなど思い出せない。

口で含む瞬間に、体が強い拒絶反応をみせるのは相変わらずだった。

反射的に顔を背けたくなる。吐き出したくなる。そんな自分をむりやり、相手に向けて口を開き、飲み込むのである。

「お、けっこううまいじゃん」

「ホントかよ」

次々と五人の若者は亜由美の口を試す。

「ケツ、あげろよ」

亜由美が尻をあげると、唾液で濡れた男根が、スポンジタンポンの入っている膣に侵入してきた。

「うひぃぃ」

さんざんもてあそばれ続けて来た器官は、その残像が色濃く残っている。わずかな刺激でも、粘膜が引き剥がされるような痛み。

ところが、その痛みに亜由美の脳髄が反応し、愛液をダラリと垂れ流すのである。

ぐいぐいとピストンがはじまる。

その間に、口内に男が射精した。それを飲み込んでいる間に、後ろの男も「うっ」と言って果てた。

「すげえ締めるぜ」

「マジかよ」

次の男が入ってきた。

「お、いいねえ」

肉棒を突き、さまざまな角度を試しながら亜由美の肉体を味わう。

そして、中に出していく。

コンドームを使っていない。亜由美は違和感を抱いたが、そのことを深く考えるゆとりはなかった。

剛介たちが次のステージに進んでいることを、亜由美はまだ知らないのだ。

「もう、亜由美の体を気遣う必要はない」

剛介はバスの中で会員たちと話し合っていた。

「徹底的にやる。どうだ?」

反対する者はもういなかった。それぐらい、亜由美の体は彼らにとって、まったく違う存在になっていた。女ではある。性別としては。

それでいて、「彼女」ではない。恋人や恋人の代償になる存在ではない。

バーチャルな世界と現実の世界の両方に棲む、特別な存在。

汚れることだけのために存在しているアイコンなのだ。

自分たちの手で汚せば汚すほど、輝く不思議な物体……。

会員たちは、合宿でとことん亜由美を汚す計画を立てていた。

当初は大勢を占めていたレクリエーション的な計画を、剛介がすべて否定してしまったからだ。

「そんな、生ぬるい映像に誰が納得するんだ。亜由美の本当の価値はそこじゃない」

その言葉に会員たちは、自分たちが言い出せずにいたことを、剛介が代弁しているのだと感じた。

「これからの五日間で、亜由美を潰してしまったっていいんだ。そのぐらいの勢いでやらなくちゃダメだ」

その会話を亜由美は眠りこけていたので、ほとんど聞いていなかったのである。

五人の見知らぬ若者たちに肉体を捧げたあと、カメラに汚れた性器をクローズアップで撮影してもらう。

「亜由美をもっと犯して。亜由美はみなさんの便所です」

亜由美の苦しげな、それでいて男をその気にさせずにはいられない不思議な笑みが浮かぶ。

「よーし、便所の亜由美だぜ」

小便器の横に座らされ、会員たちがつぎつぎと亜由美に小便を浴びせていく。

「ほら、飲めよ」

口を自ら開き、放射状に落下する小水を受け止める。かなりの量が胃まで入っていった。

亜由美は男たちの小便を浴びながら、精液があふれ出ている性器を指でかき回すのだった。

トイレの外にある水道の水を頭から浴びせられた。

濡れた体に冷たい夜風が当たる。寒くて凍えそうだ。

「立てよ」

亜由美は立ち上がる。

会員たちが並んで、バスまで道を作っている。みな手に短い棒を持っていた。

「バスへ戻れ。急いで」

走るしかない。列の中に飛び込む。

バシッ、バシッと尻や背中に棒が振り下ろされる。

「あぅ、いたぃ、ひぃ」

悲鳴をあげながら、なんとかバスに辿り着いた。

「おまえにはもう席はないんだよ」

剛介が毛布を床に敷いていた。

濡れた体をくるみ、横になる。

ゴーゴーと騒音を耳元に聞きながら、激しい振動に耐えて、目的地までじっとそこにいた。

みんなは仮眠をしていたが、亜由美はろくに眠れなかった。

なにかが変わった、ということだけがはっきりわかっただけだった。

会員たちとの間にうまれた特別な関係。それは家族を裏切り、孤独になった亜由美にとっては唯一の救いだった。

犯されて、苦痛を感じているとき、すべてを忘れることができた。

しかし、剛介や会員たちは、あえて、そのつながりも断ち切ろうとしているように見えた。

兄弟に見捨てられ、この上、剛介や会員にも捨てられたら……。

肉体的な苦痛以上に、つらく感じられた。

メス豚矯正所 輪姦十番勝負

夜が明ける前に、谷間にある合宿所に到着した。

そこは、テニスコート、グランド、プールの揃った保養施設だった。まだ暗くて全貌は見えない。ヘッドライトに照らされた案内板に、広大な敷地の全貌が見てとれた。

ゲー研の数人が先に別のレンタカーで来ていて、電気を通し、食糧なども運び込んでいた。

「とりあえず、寝よう。話は朝だ」

亜由美はお湯の出るシャワーを使うことが許された。ボディシャンプーも使うことができた。

二段ベッドが二組ある部屋を一人で使うように言われた。

「どうだ、その柔らかな布団で眠っていいんだよ」

剛介がそう告げた。

撮影がはじまってから一度もないような優しい扱い。

それも不吉な前兆にしか思えないが、くたくただった亜由美は深い眠りに入った。

夢を見ていた記憶はなかった。

ただ暖かでおだやかな気持ちに満たされていた。柔らかな唇の感触。

薄く目をあけると、目の前に剛介がいた。

「ごめん、目が覚めちゃった?」

もしそれが幻想だったら、消えないうちにもっと感じておきたい。

亜由美は手を伸ばした。剛介の硬い髪に触れた。

ホンモノだ。

耳。顎。優しい笑顔。

あの頃のようだ。

亜由美のことを「お人形」のように扱い、全裸にして、いろいろないたずらをした……。亜由美に眠る被虐性を、薄紙を剝ぐように、少しずつ剛介は明らかにしていった。

二人だけの秘密の儀式。

あの頃の純粋な気持ちは、いまもまだ残っているのだと気づかされた。

亜由美から求めて、もう一度キスをした。

深い深いキス。舌がゆっくりと重なり、言葉にならない意思を伝え合った。

長く続いた。

自然に二人の唇が離れていくが、離れがたい気持ちが乗り移ったかのように、上唇がくっついてしばらく離れなかった。

「相変わらず、かわいいね」

つられて、亜由美も笑った。

久しぶりの本心からの笑顔だった。このまま剛介がベッドに入って、抱いてくれるかもしれない……。

「あんまり時間がないから、起きてくれるとうれしいな」

剛介はゆっくりと布団をはがした。

亜由美は黙って従った。夢の続きがあるのだろうか?

「おいで」

手をつないでくれた。

剛介が連れていったのは大きな浴室だった。

誰もいないが、カランが左右に五個。それぞれにシャワーがついている、銭湯のような風呂だった。

そこに湯がたっぷり入っていた。

「残念ながら温泉じゃない。ここは何十年も前に開発された保養所なんだ。その会社が倒産してから、いろんな人の手に渡って、今年の正月までリゾート施設として営業していたんだよ」

剛介も裸になった。

そして湯船に二人でつかった。

夜が明けたばかりなのだろう。天窓に水滴がいっぱい付着して、その向こうはぼんやりと白くなっている。

「だけど古いから立て直さないといけない。夏までには取り壊しになるんだ。村木さんの知り合いが管理しているので、使わせてもらうことができたんだよ」

亜由美は黙って聞いていた。

なんだか幸せな気分がしていた。

本当に二人だけで旅行に来ていたら、どれだけ楽しかっただろう。

面倒なことはいらない。亜由美は剛介になら、もっと恥ずかしいことでも耐えられるし、苦痛でもなんでも悦びになっただろう。

ほかの人たちや、面倒な機材などいらないのに……。

「先にゲー研の連中が乗り込んで準備してくれたんだ。風呂はここだけなんだけど、ずっと湧かしておくからいつでも入ることができる」

剛介が立ち上がり、亜由美を引っ張りあげる。

「その文字を全部、消しちゃおう」

「はい」

クレンジングクリームを大量に使って、マーカーで書かれた文字、まだ乳房や臀部に残っているサルの色などをきれいに落とすのだ。

それを剛介が自らやってくれる。

すばらしく気持ちがいい。

スポンジは傷口を押し広げ、クレンジングクリームや石鹸が染みてくる。それでも、亜由美はうれしかった。

「私たち、結婚したみたい」

思わず、亜由美はそう言っていた。

剛介が驚いた顔をした。ピストルで撃たれたように体が固まっていた。

怒られるだろうか。殴られるのだろうか。亜由美は脅えた。

しかし剛介は無言でスポンジを持つ手を動かした。

「結婚なんてつまらないよ。ぼくたちの関係はそれ以上にすばらしいものだから」

「ホント? ホントにそう思う?」

「二人だけなんだし。カメラもないし。ウソじゃないし」

抱きつきたい、と亜由美は思う。

しかし、剛介は押さえつけるようにし、ゴシゴシと亜由美の体から文字を消していった。それを払いのけることはできなかった。

「今日は亜由美を驚かせることばかりだと思うよ」

「なにをするんですか?」

「このあと、食堂に行けばわかる。そこからスタートだからね。よし、きれいになった。鏡を見てごらん。ほかにも洗いたいだろう? 毛も剃っておいてね。呼びに来るまで、ここでゆっくり温まって、体を洗っておいて。そうだな、十分ぐらいしたら、来るからさ」

浴室の時計を湯気越しに見上げる。六時二十分。

剛介が先に出ていく。その背中を亜由美はじっと見ていた。

剛介はわかっている。私のことをすっかり、わかっている。すべてを信じることにした。

亜由美は鏡に自分の体を映した。文字のない首輪だけの体。

いろいろなことがあったが、ごく普通の人間の女性に見える。かなりほっそりとして、腰がくびれ、肋骨が少し浮き上がっている。

痩せたらしい。

細すぎるかもしれない。

道の駅で出会った若者たちが、大人の女じゃないのではないかと勘違いしたのもわかる。

それでも、乳房と乳首は別物のように突きだしている。いつからそんなに女らしくなったのか、亜由美にも不思議だった。

お尻もそうだ。一回り大きくなったようだ。

「すごく、いやらしい」

自分で見てもそう思う。

そういうことだけをしてきたから生まれた、崩れた美しさだ。

心はまだ十代で、体だけ四十近い女性になったような感じがする。

それでいて、あまりにも無防備にも見えた。

これまでは体の文字が自分を守ってくれていた。その飾りを失って、弱々しく見える。

陰毛と脇の毛をカミソリで剃る。襟足も剃る。

髪も体も洗う。シャワーを浴びる。

湯船に入る。

これだけの施設を使わせてもらうのにどれぐらいの費用がかかるのだろうか。

あの警備員の村木の知り合いだからといって、電気代や燃料代もバカにならないはずだ。

ということは、これだけの投資に見合う結果を、剛介たちは求めるだろう。

それは、さらに過酷な要求に違いない。

「おーい、行くよ」

外で剛介の声がした。

「はーい」

亜由美は湯船を出た。夫婦みたいだとまた思う。

脱衣室へ行くと、服を着た剛介が太い鎖を持っていた。

「体を拭いて」

目の粗いコットンのタオルを渡された。全身を拭く。髪は完全には乾かないが、それでいい、という。

鎖を首輪にかけた。ガチャンと音がした。その重さに首が前に傾く。

「手」

手を出す。鉄の枷。首輪からの鎖をそこに通す。ジャラジャラと冷たい音がこだまする。

剛介は足首にも鉄の枷をつけた。そこに鎖を通す。その先端に、丸い鉄球が取り付けられる。

「歩いてみて」

足を前に出す。重い。ドラム缶を叩くようなものすごい音。それが耳の中をいっぱいにしてしまう。

「よし。じゃあ、いくよ。ここからは、ノンストップだからね」

「はい」

答えたものの、涙がにじんでくるのを止められなかった。

剛介がそれを見つけた。

指で優しく拭う。

「大丈夫。亜由美は最高にかわいいよ」

軽く口づけをしてくれた。

それはベッドでのキスとはもう違うものだった。

魔法の時間は終わったのだ。

剛介は恋人でも、夫でもない。

なにがあっても、なにをされても生き抜いてみせる。亜由美はそう自分に言い聞かせて、足を前に出した。

壊れたロボットのような音を立てて、コンクリートの廊下を歩き、食堂と書かれた部屋に行く。

広い学食のような部屋で、テーブルとイスが整然と並んでいた。

全員がいた。カメラが回っていた。

食堂の厨房の上に、看板が掲げられている。

「メス豚矯正所 輪姦十番勝負」とある。

「さあ、いよいよメス豚の登場です。名前を名乗ってもらいましょうか!」

会員の中で声のいい者が司会役になっていた。全員が亜由美を見ている。

「亜由美です」

「どうしてここへ来たんですか?」

もう始まっているのだ、と亜由美は思う。だが、なにが始まったのか、よくわからない。

「どうして来たのかな?」

「あ、亜由美はメス豚だからです」

「メス豚って?」

カメラが接近してきて、洗い立ての輝く裸体を舐めるように撮影していく。

「どんなメス豚なのかな? 言ってみて!」

「数え切れない男としました!」

「なにをしたんでしょうか!」

「セックス。アナルセックス。オーラルセックス。おしっこを飲んだり、浣腸してもらったり、何人もと同時にしたり……」

「どうしてそんなことをしたんですか?」

亜由美は絶句してしまう。どうして? 理由などあるだろうか。

「したくて、したくて、しょうがないからです」

「なるほど、聞きしに勝るメス豚ぶりです。しかーし、このメス豚矯正所に来たからには、その根性を徹底的に叩き直すことになりますよー。いいですか。泣いてもわめいても、終わるまで帰しません。覚悟はいいですか?」

「はい」

「今回は、十の勝負をしてもらいます。負けたら毎回、参加者による輪姦ということになります。もしホンモノのメス豚なら、輪姦が三度の飯より大好物なわけですから、きっとわざと負けるでしょうねー。でも、もしかしたら、メス豚というのは仮の姿。本当はごくフツーの女性かもしれません。つまり女性として矯正できるかもしれないのです。そのチャンスを賭けた戦いとなります」

亜由美にはその言葉がよく理解できない。

「よし。まず朝ごはんを食べてくださーい」

別の男がやってきて、床にご飯と汁、肉片などを落とし、長靴で踏みつけた。

「うわー、ぐちゃぐちゃだー。でも、メス豚なら喜んで食べるんでしょうねー」

「はい」

亜由美は重い鎖に引っ張られるように屈み込むと、這いつくばってそれを口に入れた。

「はふ、はふ」

荒い息をしながら、ゴミのような食べ物を口に入れ、飲み込んだ。そしてすっかりきれいになるまで、床を舐めた。

「うわー。まさしくメス豚ですね。これから全部で十の試練があります。亜由美がそれをすべてこなせば、結果しだいで三つの可能性をつかむことができるんです」

それは撮影用の言葉であると同時に、亜由美に教えるためのものでもあった。リハーサルなし、予備知識なしで、ひたすら生身のままぶっつけ本番をさせる。それが剛介たちの選んだ撮影方法だった。

「第一の結果。それは十番すべてに亜由美が勝利したとき。亜由美は実はメス豚ではなかったのです。日常社会に戻って女子大生として楽しいキャンパスライフを送ってください。恋愛も自由です!」

それは撮影のシナリオの話なのか。それとも本当のことなのか、亜由美には区別がつかない。

十の勝負をして、勝てば自由ということなのか。

その自由とはなんだろう。

「第二の結果。勝ったり負けたりして、何度か輪姦されちゃった場合。それはメス豚であり続けることを意味しています。やっぱりただのメス豚だった! 矯正の可能性ゼロです。ということで、これから使い物になる間は、男たちのために肉体を与え続けることになりまーす」

飼い殺し、という言葉が浮かぶ。性的な魅力、商品価値がなくなるまで、彼らのオモチャとして使われ続けるということか。

「第三の結果。全敗した場合です。なにも努力せず、勝つ気力もなく、メス豚であることを望んだ場合。十番勝負の間に、延べ二百人以上の男に輪姦されてしまうのです」

その数字を亜由美は実感が持てないまま、耳にしていた。二百人に連続で犯される……。

そんなことが可能なのだろうか。

「そうなってしまったら、残念ながらもはやメス豚以下ってことになっちゃいます。汚らわしい献体として、拷問実験を受けることになります」

あっと声に出そうになる。

最後の結果を剛介たちが望んでいることは明らかだった。

ゲームのシナリオは最後に拷問のパートがあった。これは、そこへつなげるために作られているのだ。

男たちに奉仕しているだけの亜由美を、いきなり拷問にかけたのでは、ストーリーとしてのつながりが悪い。拷問にかけるためには、なにか理由があるべきだ。

そのために勝負をし、それに負けたらメス豚以下という烙印を押す。そして拷問にかける……。

ということは、剛介たちは、どの勝負も圧倒的に亜由美が不利なように作っているに違いなかった。

努力しようがしなかろうが、全敗させて拷問にかけることは決まっているのである。

だが、全勝はムリだとしても、何度かは逃れることができるのではないか。

拷問を受けるより、メス豚で飼い殺しにされるほうがマシなような気がした。

「いいですか、亜由美。全力で戦わなければ第三の結果になっちゃいますよー。覚悟はできているな?」

「はい」

「よし。でははじめましょう。最初はプールでの対決。メス豚をプールに連れて行っちゃってくださーい」

鞭を手にした男たちが現れ、床をビシッ、ビシッと叩く。

それに追われるように亜由美は食堂を出る。

金属の枷と錘を引きずっているのだから、すでに体力が奪われている。それも計算のうちなのだろう。

外に出ると、山風が吹き下ろしてきて、いっきに亜由美から体温を奪っていった。唇が紫色になる。

早朝のプール。四月の終わりとはいえ、山の中だ。

それも計算のうちだ。連日の辱めで体力的には、常に限界の域に入ったままになっている。回復しないままに次々と凌辱され続けてきたのだ。

蓄積された疲労。その上に、気温差をはじめとする自然の厳しさが待ち受けていた。

剛介が風呂に入れてくれたのは、せめてもの情けだろうか。

ガタガタ震えながら、砂利道を裸足で歩かされる。まるで古代の囚人だ。

石が足に食い込む。鉄球がガンガンと石を砕く。立ち止まると、後ろから鞭が背中に……。

「ひー」

泣き出したくなる。

アスファルトの道を横切り、スロープを降りていくと、ようやくプールだった。

細い川がすぐ横を流れている。

川の水がそのままプールになっているようだ。山からの水だ。どれほど冷たいか、想像もつかない。

プールサイドには海パンを履いた体格のいい男が十一人立っていた。今回、はじめて見る男が大半だ。

「勝負は、この五十メートルプールを、この十一人がリレーで泳ぎ切る間に、亜由美は一往復、つまり百メートル泳ぐことです」

震えが止まらないが、単純に勝てそうな勝負だと亜由美は思った。

体格からして、水泳の経験のある者ばかりだ。男たちは早いだろう。

しかし十一人がリレーするのである。五百五十メートルも泳ぐのだ。その間に、亜由美が百メートルを泳ぐのは簡単なことだ。

まさか、この手枷、足枷と鉄球をつけたままプールに放り込むわけではないだろう。

「もし亜由美が男たちより早ければ勝ち。負ければ、輪姦タイム。この男達全員に三時間、犯され続けることになっちゃいます」

三時間も……。

カラオケ店のことを思い浮かべてしまう。人数はあのときのほうが多かったが……。

今回は勝負が連続する。そのたびに対戦相手はフレッシュな男たちに入れ替わるのだ。

亜由美はそれに一人だけで立ち向かうのである、最初の勝負で負けたら、そのダメージのまま次の勝負に挑まなければならない。

負ければ大きなハンデを背負う。それだけ負け続ける可能性が高くなる。それは、そのまま拷問への道となってしまう。

「枷を外してくださーい」

男たちがきて、亜由美から手枷、足枷、重い鎖、鉄球を取り除く。

手首と足首はすりむけて赤くなっていた。

「このルールだと、亜由美が簡単に勝てそうですから、亜由美にハンデをつけましょう」

ゲー研の男が、ビート板を持って来た。ビート板が使えればもっと楽ではないか。

そのビート板には細い鎖がついていて、先端にクリップが取り付けられている。

「それを、敏感すぎるクリちゃんに装着してください」

「ええ!」

羽交い締めにされ、股間を剥き出しにされる。

ギザギザの歯がついたクリップがグイッと押しつけられた。

「ううぅ」

包皮を含めて強力なバネの力ではさみつける。

「いぃぃぃぃ」

痛いという言葉にさえならない。全身が麻痺したような痛みだ。

震えも止まらない。寒さのせいだけではない。

恐ろしかった。

プール対決

「プールに入ってください。亜由美はプールの中からスタートとなります」

男たちに追われるようにしてプールにいく。足をそっとつけると、氷のように冷たい。

見ると、水泳をする男たちも水をかぶるなどして、準備をはじめている。その仕草は水泳部の選手そのものだ。泳ぎの得意な男たちを揃えたのだ。

勝てない、と突然思う。

「いいですか、ビート板が外れたら、そこからまた装着して泳ぐんですよ。外れたまま泳いでしまったら、ビート板のところまで戻って泳ぎ直さなくてはいけません」

なんというハンデだろう。

「位置について!」

いきなり言われて、亜由美はプールに入る。深い。足が立たない。ビート板が浮いていく。鎖が伸びきってクリを引っ張る。

このハンデがいかにきつかよくわかった。

急ごうとしてバタ足をしたくても、できないのである。

足をへたに動かせばビート板を叩くかもしれない。ビート板を叩けば、クリトリスに噛みついたクリップが、敏感なその部分を削りながら、外れていく……。

それがどれほどの痛みか、想像もつかない。

「スタート!」

亜由美がちゃんと用意をしていないのに、最初の男は飛び込んでクロールをはじめた。かなり速い。やはり競泳選手のようだ。

亜由美も遅れてスタートする。

平泳ぎをする。足が水中にあるなら、ビート板を足で叩くことはない。だが、これではビート板はアンカーのように作用して、前に進みにくくなってしまう。

もがいても、なかなか進まない。

だめだ。うまくいかない。

男たちはもう二番手が飛び込んでいた。

亜由美はまだ四分の一にも到達できていない。

必死に考えていた。なんとかできないか。もう少し速く泳げなければ、勝てない。

仰向けになってみた。ビート板をお腹の上にのせ、背泳で進むのだ。これが正解だった。

亜由美は必死に泳ぐ。

「第三泳者スタート!」

焦らせるような声が聞こえてくる。

ようやく亜由美が二十五メートルすぎたところで、ビート板が外れてしまった。

「痛い!」

クリをはさんでいたクリップが外れていくとき、激痛が走った。引きちぎれてしまったのではないかと思うほどで、体が痺れ、溺れそうになる。

「メス豚にアクシデントです。よもやの途中棄権でしょうか。その場合、無条件に亜由美の負けとなります」

痛みにもだえている間にも男たちはどんどん泳いでいる。

「第四泳者スタート」

水の中でクリップを再び取り付けるのは難しいことだった。

仰向けに浮いて、手探りでなんとかつける。

「取り付け確認しました! 泳いでよし!」

再び亜由美が泳ぎはじめたが、焦るあまりまっすぐ泳げず、ムダなあがきをしてしまう。

「第五泳者スタート」

まだチャンスはある。五十メートルを泳ぎきり、ゆっくりターンをする。そうしないと、またビート板が外れてしまうからだ。

「第六泳者スタートしました」

ものすごい勢いで男が泳いでくる。亜由美は、ゆっくり泳ぐしかない。

第六泳者は突然、角度を変えてコースを外れそうになった。その手が思い切り隣のコースの亜由美の顔に当たる。

「ひー」

仰向けで背泳ぎをしていたので、反対側から突っ込んで来た男の手を、まともにくらってしまう。

体が回転してしまう。溺れそうになるだけではなく、水中で体をひねったために、またビート板が外れてしまった。

「泳者がぶつかった! 亜由美、溺れています!」

ぶつかってきたのは男の方だ。亜由美に非はないはずだが、男にはほとんどダメージはない。

「第七泳者スタートしました」

ザブンと飛び込んでできた波が、焦る亜由美を揺らす。

相手がわざと亜由美にぶつかったのだとしても、亜由美には検証できない。抗議をしていたら、その間に負けてしまうだろう。

血のにじむクリトリスに、必死でビート板を取り付けて、再び泳ぎはじめる。復路の二十五メートルを過ぎた。

「第八泳者スタート。このままなら、亜由美の勝利か!」

きっとまたぶつかってくる。亜由美はそれが怖い。そのために手足が縮んでしまい、体が沈んでしまう。

またしてもビート板が外れる。

「もっとしっかりつけないと、簡単に外れちゃいますよ!」

麻痺してくれればいいのに、敏感な器官は激しい痛みを繰り返して発してる。

気絶しそうになりながら、亜由美は再び仰向けになってビート板をつけようとしている。

「第九泳者が接近しています」

あっという間に、今度の男は、亜由美の腹部にぶつかり、手でビート板を吹っ飛ばした。

まだちゃんと取り付けていなかったので痛みは免れたが、板が遠くへ流れてしまう。

「おっと、ビート板をつけずに泳いだら失格ですよ、メス豚君!」

それを取りに戻り、再び仰向けになっている間に、第十泳者が飛び込んでいた。

焦るからか、体が寒さで動かなくなってきているのか、亜由美はいままでのようにうまく装着できないでいた。

隣の男子のレーンからくる波に翻弄されながら、必死にクリップを股間に食い込ませる。しっかりつけなければ、簡単に外れてしまう。

しっかりつければ、外れるときの痛みも激烈になるのだが……。

「男子チーム、最終泳者スタート!」

無情にも最後の男が飛び込んだ。

あと十メートルほどのはずだ。亜由美は必死に泳ぐ。

「亜由美、反則ですよ! ビート板が外れた地点から泳ぎ直してください!」

ビート板をつけている間にも動いてしまっていたのだろうか。

それとも、フェアではないジャッジなのか。

亜由美はそのままの姿勢で足の方へ戻るように泳ぎ、それからまた泳ぎはじめた。

それに対する審判の文句はない。

いまならまだ、勝てるかもしれない。勝ちたい。勝たなくては。

「ゴール!」

亜由美の手がプールの壁面に触れるよりも早く、声がした。ほんの一瞬の差で、亜由美の頭の上で見ていた男が「亜由美、ゴール」と言った。

ひとかきの差。

「なんだなんだ、いきなり負けかよ、メス豚さん。やる気があるのかな? それとも拷問大好きか? あがってこい、亜由美!」

泣きながら亜由美はプールから出た。体が冷え切っている。動けない。

「メス豚の負け。ただいまの時間、八時五分。三時間後の十一時五分まで輪姦しちゃってください!」

「うわー」

裸の男たちに担がれて、宿舎に戻ると浴室に運び込まれた。

全員で風呂に入るが、男たちはすでに全裸になっている。

ここで犯すつもりなのだ。

カメラもやってくる。

「ほらほら」

男たちは、亜由美をボールかなにかのように湯船の中でやり取りしはじめた。

手足を持ってほかの男へと渡すだけではない。尻や乳房、股間をつかんで「ほーらよ」と隣の男に渡すのである。

「きゃー」

亜由美の叫び声がこだまする。

「しゃぶれ」

お湯の中に沈められ、頭を抑えられる。手足や肩もだ。

そして男のものを口に含まされる。

ときどき息をさせてくれるのだが、彼らの手は緩まず、次々と水中フェラチオをさせていく。

「いただいちゃおうぜ」

尻だけを水面近くまで持ち上げて、さっそく最初の一人が突き上げてくる。

「がー」

水面に頭を引き上げられたときだけ、息を吸うことができる。

「まだまだ」

十分に呼吸できないうちに、また沈められてしまう。

激しい輪姦が始まった。

男たちは水中フェラと中出しセックスを繰り返していく。

ほぼ十一人が満足したらしく、亜由美は床に投げ出された。

「ゲー」

飲んだ湯を吐く。

「はじまったばかりだぜ」

「そうだ、ケツ穴がやれるんだって言ってたな。次はケツ穴輪姦だぜ」

「ちょっとは掃除した方がいいな」

「よーし、こっちに持って来いよ」

シャワーヘッドを外した男が、お湯の吹き出たホースを持っている。

「よーし、浣腸輪姦だぞ!」

男たちが、亜由美を神輿のように担いで、ホースに近づける。

「いやー、助けてー」

ホースが肛門に接続される。勢いよく湯が腸に入っていく。

みるみる腹部が膨らんでいく。

「よーし」

トイレでカメラの見守る中、排泄をさせられる。

それを何回も繰り返される。

「だいぶ、きれいになってきたぞ」

「体を洗ってやろうぜ」

手や体に石鹸をつけた男たちが、床に倒れた亜由美の上に乗り、乱暴に体を洗う。

「ここにシャワーをあててやれ」

剥き出しにされたアナル、そしてヴァギナに、激しくシャワーを浴びせていく。

「ひぃぃぃ」

「感じてるんじゃねのか?」

誰かがローションをふりまき、亜由美の体をぬるぬるにしていく。

「やっちゃえ」

膣もアナルもおかまいなしに犯しはじめる。

十一人の男たちは全員が逆三角形で、筋肉質。スタミナもあり、回復力もあった。

全員が二度以上は、その柔らかな排泄器官への挿入をたっぷりと味わっていく。

残り三十分ほどになったところで、ようやく風呂から外に出された。

ローションはすっかり落ちてしまっていた。濡れた体を拭かれ、脱衣所で最後のラウンドがはじまった。

三時間の間、やれるだけやらなければ損だとばかりに、男たちは亜由美の体をはなそうとしない。

「あうあうあう」

うめいていると、その口にも突っ込まれる。

誰も避妊具を使っていない。

やはりそうなのだ、と亜由美は思う。このステージは最終的に拷問されて廃棄物になるシナリオだった。廃棄物にとって、避妊具など不要なのだ。

奈落の底へまっしぐらに進んでいくのだ……。

テニス対決

三時間の輪姦タイムが終わり、撮影も、床に精液だらけで倒れ込んでいる亜由美のシーンで中断した。

男たちは風呂に入って体を洗って、出ていく。

亜由美はしばらく動けずにいたが、やがて風呂に行くと、シャワーを浴びて体を洗った。水泳のあとということもあって、全身がだるい。

剛介たちと食堂へ行くと、昼が用意されていた。温かい味噌汁があった。

なにごともなかったかのように、みんなが食事をしていた。

その人数はかなり減っている。次の準備もあるだろうし、いまの水泳に参加したものたちは、部屋で休んでいるのだろう。

男たちはいくらでも休むことができる。

亜由美は一人だ。もう負けると決まったようなものだと亜由美は思う。

「午後は軽いゲームだから、勝てるかもしれないよ」

ゲー研の連中が笑っている。

亜由美は、釣られて笑顔を作るが、本心ではない。彼らは傍観者だ。この痛みも震えも実際に感じているわけではない。

二時間、ベッドで横になることが許された。

眠れないが、疲れを取りたくて布団にくるまった。外では遊んでいるらしい男たちの声がしている。

楽しいゴールデンウィークなのだろう。

「時間だよ」

剛介が迎えに来た。それがせめてもの慰めだった。

枷や鉄球の演出は最初だけだったのも助かった。

「次はテニス」

裸の上に、白いフリルスコート。スポーツブラは許されたものの、ショーツはない。少し動けば、犯され続けているおまんことアナルが見える。

四面あるテニスコートだが、手入れが悪く雑草が生えていた。

ネットを張って、十二人のテニスウェアを着た男たちが練習をしていた。

「十番勝負、その二。テニス対決!」

パチパチと拍手。下手なバラエティ番組のようだ。

「ルールを説明しまーす。こっちの十二人が二球ずつサーブをします。合計二十四球。インの球だけをカウントします。それを亜由美が三球以上相手のコートへ、ちゃんとネットを越えて打ち返せば亜由美の勝ち。できなければ、三時間の輪姦タイムです」

ゲー研の男が持って来たラケットを見て、亜由美は首を傾げる。

それはグリップの下に、ハンドルのような曲がったパイプがついたラケットだった。

「亜由美の使うラケットを説明しましょう。そのラケットのグリップにはパイプがついています。それは、二本のエッチなグッズに合うように設計されています。メス豚が大好きなディルドです。二つの穴の奥深く、入れちゃってください。そこにラケットを装着できるのです。ちょうど、自分の体の前にラケットがくるはずです。手で握って操作してください。ただし、ディルドが抜けたら、ボールをうまく返しても無効になりますよ」

二本の太いディルド。まずそれを装着させられる。

亜由美はお尻を突きだして、埋め込んでもらう。

さんざん犯された穴はゆるくなっていて、太いディルドもなんなく飲み込んだ。

ディルドの末端にはネジが打ち込まれている。男たちがラケットのグリップからのびたパイプを、そこに合わせる。パイプには溝があり、そこからディルドのネジが飛び出す。それをナットで止めるのだ。

男たちは、力まかせに膣に入れたディルドはへその方向へ、肛門に入れたものは尾てい骨の方向へできるだけ寄せて止めていった。

亜由美が体を起こすと、食い込んだディルドはがっちり止められてしまい、まったく自由度がなかった。

二つの穴は開ききり、亜由美を裂いてしまいそうだ。

ラケットを傾けると、穴をディルドにえぐられる。

「うひっっ」

穴が引き裂かれるような痛み。

それを逃れるには、体ごと傾けるしかない。

「練習時間をさしあげまーす」

目の前から、テニスボールを投げてもらう。

亜由美はワンバウンドした球に向かっていく。緩いボールなら当てることは不可能ではない。ただ、はじき返すことはできない。

「いぎっ!」

ちょっとでもムリな角度にすると、穴をディルドがえぐり、激痛が走る。

「ムリ……。立っているだけで精一杯だから……」

「おやおや、泣き言ですか? ここでやめたら、負けが決定ですよ」

しょうがなく、練習を続けた。

「亜由美、練習はあと十球」

とうとう、最後まではじき返すことはできなかった。

「では、はじめましょう!」

歩くのさえ不自由なのだ。股間が裂けていく感覚に脅えている。

ネジを少しでも緩めてほしいが、相手の男が位置についていた。

本格的なサーブが飛んできて、亜由美は一歩も動けなかった。二発目も、あっという間に横を飛び抜けていった。

二人目は、亜由美を狙ってサーブしてきた。剛速球が向かってきて、思わず避けてしまう。しかし、避けきれず、ラケットに当たった。

「あっ」

その衝撃が股間に響く。穴の中でなにかが破裂したのではないかと思うほどだ。

三人目も、亜由美が動けないことを見越して狙ってくる。打ち返すどころではない。

「きゃー」

避けきれないので、ラケットをしっかり持って、その陰に隠れるように前に出した。

腰を突き出すかっこうになる。するとまたしても激しい衝撃。気が遠くなる。立っているのがやっとだ。

ただ、今回は少し違っていた。ガットにきちんと当たったのだ。

ボールは鋭く跳ね返り、ネットを越えて相手コートまで飛んだ。

「やった!」

思わず亜由美は叫んでいた。あと二球。できるかもしれない。

ところが、これを見た男たちは作戦を変えた。

狙いを変えたのだ。

足元を狙ってくるようになった。サイドライン、ギリギリだったり、ネット近くに落ちるようなクセのあるボールも打ってくる。

亜由美は走って球を追うが、とてもラケットに当てるところまではいかない。

いや、そもそも全速力では走れないのである。

戻りきれないうちに足元に打ち込まれ、そのボールが激しくスピンして下から股間にぶつかる。

「ひっ」

パイプにぶつかって、衝撃が体を震わせる。

立っていられず、コートに倒れてしまう。その横を虚しくボールがバウンドしていく。

あっというまにゲームは終わっていた。

「終了。またしてもメス豚の負けです。これで二連敗。しょうがないですね。ホントに拷問好きなんでしょうか」

笑い声が谷間にこだまする。

「ただいまの時間、二時十五分。これより五時十五分まで輪姦タイム、スタート」

男たちがテニスウェアを脱ぎながらやってくる。

へたっている亜由美をコートに仰向けにすると、深く突き刺さっているラケットを操作する。

「ほらほら、お汁が出るまでこうしていようか」

「あうぅ。きついです。どうか、外してください」

「ガバガバになってもつまらないからな」

ズボッと二本同時に抜かれる。

「ぎひぃぃぃ」

倒れたまま、腰を突き上げるかっこうで亜由美は固まっていた。

痛みをやり過ごすことができず、自由がきかない。

カメラを持った男が思わずテニスの男を押しのけて近づくほど、亜由美の二穴がぽっかり広がっていた。

「すけべなメス豚め」

「おれたちの肉棒をしゃぶってみろ」

「あふぅぅぅ」

二度目の輪姦がはじまった。明るいテニスコートで。

その場で正常位で挿入してくる男、口に入れてくる男に対応し、次にはネットにつかまって、背後から。さらに両穴を立ったまま犯されていく。

太陽がまぶしい。

「どうだ、肉棒の味は」

「ひぃぃぃ」

感じていた。体が暴走している。歯止めがきかない。

「あうぅ、くるっちゃう」

「いいぞ、くるっちゃえよ。もっともっと、おかしくなっちゃえ」

頑強な男たち十二人に次々と犯されていく。

「ほら、歩け」

アナルに肉棒を突き刺されたまま、コートを一周させられる。

「しゃぶりたいか」

エサのように自分のものをぶらぶらさせている男を追いかけさせられる。

ちょっとでも言うことをきかないと、ラケットでお尻や乳房を打ち据えられる。

「気を失うんじゃないぜ」

犯されながらラケットのグリップが乳房を押し潰す。

「うぅ、痛い……」

「痛いのが大好きなメス豚のくせに」

「亜由美は、痛いのが大好きなメス豚ですぅ」

気が遠くなりそうになると、髪の毛をつかまれて、激しくゆさぶられる。

「まだ時間はあるんだぞ」

三人に空中に抱き抱えられ、足を大きく広げさせられる。そこに固くなった男たちが次々にやってきては、挿入を繰り返す。

だいぶ鈍ってきた男たちは、延々とひざまずいた亜由美にしゃぶらせていく。

「おちんぽ欲しいか」

「はい。欲しいです」

「じゃあ、もっとがんばれよ。固くしてみろ」

「ああぁ、固くなって。もっと亜由美を犯して」

夕日が山の陰に隠れてもしばらくテニスコートでの輪姦は続いた。

犯すことに飽きてきた男たちは、亜由美の二つの穴に、ラケットのグリップ部分を押し込んでいく。

「ぎぃえぇぇ、やめてー、裂けちゃう……」

拡げ続けられてきた穴も、限界があるのだろう。

亜由美は二本のラケットを股間に埋め込まれ、男たちが、それを乱暴にねじり、動かしている間に、口から泡を吹いて失神した。

情け容赦のないカメラは、失神している亜由美の肉体にめり込んだラケットと、それをえぐるように引き抜いて楽しむ男たちの姿をとらえた。

そして、確実に昨日より大きくなった穴を克明に記録していった。

バスケ対決(合宿二日目)

五月になった。

食堂のテレビで亜由美は知った。

あれから二週間。

わずか二週間のことなのだ。

それなのに、すっかり人生は狂ってしまった。男たちに犯され続け、膣も肛門も、同年代のほかの女性の誰もが経験していないほど酷使され、大きく拡げられていた。

これからの二週間はいったい、どうなってしまうのだろう。

すでに数人が食事をしていた。

「メス豚矯正所 輪姦十番勝負」の文字の横に「一日目 二敗 二十三人」と書いてあった。

カメラを持った会員がやってきた。

「メス豚亜由美、今朝の気分は?」

小説『亜由美』第三部 亜由美シリーズ 第1部 (1/6)
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