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小説『亜由美』第一部 · 第2部

小説『亜由美』第一部 第2部 (2/4)
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嫌悪さえも、快楽になるのではないか。嫌悪を感じる行為は、すべて亜由美の悦びになる。そんな期待感があった。

学食で、しっかりと食べろと、食事をさせられる。

体力だけではなく、亜由美が恥ずかしがる排泄を強要するためでもある。亜由美はそれをわかってはいたが、剛介が機嫌のいいときでなければ、満足に食事もできそうになく、食べるしかなかった。

恥ずかしい格好で学園内を歩かされるだけではなく、街中も歩かされる。

もはや、亜由美に声をかける友達はいない。剛介と歩いている亜由美が、すっかり雰囲気を変えたことに驚き、好奇と蔑みの眼差しを、こっそりと向けるだけで、同級生たちは近づこうともしなかった。

一夜にして、自分の人生が終わったのだと亜由美は身に染みた。これからは、どれだけ長く生きられるかは剛介しだいとなる。すべてをゆだね、一匹のメス豚になりきる。

果たして、そんなことができるだろうか。

「まだ、稼ぎがないからさ。いろいろ買ってやりたいけど、今日はここにしようかな」

百円ショップに入る。剛介は亜由美にカゴを持たせ、そこに商品を入れていく。

「これなんかどうだろう」

プラスチックの柄のついたドライバーを手にする。

亜由美は工具がこれほどいろいろあることに初めて気付いた。ストレートの柄、握りやすく曲線のついた柄など。そして細いものから太いものまで、数種類並んでいる。

「おまえ、これ、入る?」

平気でそんなことを言う。

「このぶっとい柄のやつがいいかな。それとも、これなんて、すごく長いぜ」

肘から指先ぐらいまでありそうな長いドライバー。そんなものを、自分の体に使うのかと亜由美は想像する。

「これはどうかな?」

工具の棚から、ペンチ、小さな万力を手にして、亜由美に見せつける。

店内をゆっくりと回り、すりこぎ、ツボ押しと、少しずつ太くなっていくようにいくつかの道具を買う。

日常用品を買っているカップルに見えるだろうか。

それともメス豚に使うための責め道具を漁っているように見えるだろうか。

亜由美は全身が熱くなっていた。

洗濯挟み。洗濯用のロープ。荷造り用のヒモ。たこ糸。細い針金。ダブルクリップ、まち針。生活用品が、亜由美を責める道具として、次々とカゴに入っていく。

そうしたものを、自分の体に使うのだ、と思うだけで亜由美は耳まで赤くなる。体が震える。きっと痛いだろう。苦しいだろう。

股間から、剥き出しの太ももにつっーと液体が流れていくのがわかる。

どうしようもない女に成り下がっていることを実感せずにはいられない。

レジに持ち込み、人目に晒されながら千五百円ほどの支払いをして亜由美が店の外に出る。

先に出て待っていた剛介は満足そうだ。

「うずいちゃってる?」

そう言われても、亜由美には返す言葉がなかった。

そのまま、亜由美のマンションに剛介は付いてきた。ベッドに買って来たものを並べる。

「おまえが稼いだら、もっと本格的な道具を揃えることもできるね。あんまり高級なものは、もったいないかもな。おまえみたいなメス豚には」

買って来たものを袋から出して並べる。洗濯用ロープの束で、亜由美の太ももを叩く。

「いつまでぼっとしてんの。メス豚は、いつでも裸だろ?」

「すみません」

そして再び叩く。

「違う!」

「ごめんなさい」

また叩く。

「お許しください」

「そうそう。これからは、口のきき方に注意しないと。いつ、どこでも。大学でも、街でも。わかった?」

「はい」

バシッと叩く。

「お許しください」

慌てて、Tシャツとホットパンツを脱いだ。メガネをはずす。

「おまえさ、まだまだ、ダメだよね。なにがダメかわかる?」

「わかりません、お許しください」

振り上げたロープの束が、激しく乳房に打ち据えられる。その痛みに声も出ず、うずくまる。

「そう。裸になったら正座。いつでも、どこでも。わかった?」

「わかりました」

「じゃあ、もう一度、聞くよ。よく考えて答えてよ。おまえのダメなところは、どこ?」

亜由美は考える。一秒、二秒。焦る。

「遅い!」

思った通り、激しい痛みがもう片方の乳房に襲う。狂犬にがぶりと噛まれたようだ。

「即答しなくちゃ」

「お許しください」

「おまえのダメなところは、どこ?」

「頭です」

「違う」とロープが左の乳房に。

「心です」

「違うって」と次は右の乳房に。

痛みで、抱え込むような姿勢になる。剛介は足で顔を押し上げる。

「おまんこです」

「そう。おまえのおまんこは、どうしようもないよ。やっとわかったの?」

「はい、亜由美のおまんこは、どうしようもありません」

「どう、ダメなんだろう?」

即答できないため、容赦なく乳房打ちが続く。

「おまんこの穴が小さいからです」

ようやく出た言葉に、剛介は満足したようだった。

「どうすれば、おまえのおまんこは大きくなると思う?」

「もっといじめてください」

「違うよ!」

「もっと、太いものを入れてください」

「正解。いじめてるわけじゃないんだから。じゃあ、さっそく、今日から、毎日おまんこ拡張、やるよ」

「わかりました」

両乳房は、真っ赤に腫れあがっていた。

ロープで剛介はその乳房を一つずつ根本で縛りあげる。ロープは首に回される。青いビニールのロープが亜由美の正面を三角に飾る。

「おまえのオッパイはまだまだだなあ。もっと鍛えて、ふわふわのマシュマロみたいにしないとね」

洗濯挟みをばらまく。

「使い方はわかる?」

「はい」

必要以上に明瞭に返事をし、亜由美は自ら秘部に指をはわせる。驚くほどぬるぬるになっていた。感じているのだ、もう、どうしようもなく。

「自分でもよく見たいんじゃないかと思って」

剛介はメガネをかけさせた。そして正面に鏡を置いた。

「どうやるか、教えてあげるよ」

びらびらについた洗濯挟みに、荷造り用のヒモをつけて引っ張る。

「ほら、やってみて」

あとは亜由美にやらせる。

剛介の許しが出るまで、痛みを忘れて自分の性器に洗濯挟みを飾る。八個の洗濯挟みにそれぞれ荷造りのヒモをつけて、引っ張る。

「もう少しきちんと引っ張らないと」

ほとんどの女性が、もしかすると一生、外にさらしたりしない部分を、自ら限界まで広げさせられる。

ヒモを太ももや尻に通して結ぶ。食い込むほどきつくしなければ許されない。

真新しい洗濯挟みは、粘膜をがっちりとくわえ込み、それを八方へと引き延ばした状態にしていく。

「よーし。じゃあ、拡張開始。細いやつから、順番に奥まで入れて、十回、出し入れするんだ。ゆっくりやるんだよ」

細いドライバーの柄を子宮に当たるまで入れる。柄の部分がすっぽり体内に入った。

それをピストンするのではなく、完全に引き出してからまた奥まで入れる。これを十回、繰り返す。

少し太いドライバーの柄。次はツボ押し用の棒。

少しずつ、体が緩んでくる感じが亜由美にもわかった。

すりこぎの細い側。一番太いドライバーの柄。そして最後にすりこぎの太い方から。

何十回、秘部を自ら嬲ったことだろう。だが、ゆっくりとやること、そして完全に出し入れすることを求められたので、快感をどっぷり楽しむことはできない。

「お願いです。いかせてください」

亜由美は頼んでみる。自分の体に出入りした道具、そして両手もびちゃびちゃになっていて、床に汁が溜まっている。

このうずきを取り除かなくては、気が狂いそうだった。

「だめだめ。これは拡張訓練なんだぞ。スケベなことはわかってるけど、いまはいっちゃだめ」

「でも、いきそうです。お願いです。いかせてください」

「だめだ。どうしてもいきそうで、がまんできないなら……」

剛介はまち針を亜由美につきつけた。

「十二本ある。これを自分でおっぱいに打ち込んだらいいんじゃないかな」

「そんなこと、できません」

「左右、二本ずつ刺すんだ。一本は貫通させて」

「ムリです。自分では……」

「ほら、少しは気が紛れるよ」

亜由美は手渡されたまち針を、しばらく眺めていた。落ち着いてきた。

「大丈夫です。いかなくてもよくなってきました」

「だめだめ、もう、それは許さない。おまえに命じたんだ。命令は取り消せないからね」

「お許し下さい」

「ダメ。やって」

できるだろうか、と亜由美は思う。強引にやられるとしても耐えられないのに、自分で自分の体を責めることなど、できそうにない。

「どうするんだよ。そのまま夜までじっとしてるんじゃないだろう?」

「お願いです。刺してください。自分ではできません」

「ふざけるなよ」

平手で、まだ腫れの残る乳房を叩く。

「やれよ」

その眼光に、亜由美は覚悟を決める。やるしかない。

一本の針を取り出し、左手で左の乳房を支え、比較的、安全そうな脇の部分にゆっくりと先端を押しつける。

若く張りのある皮膚は思ったよりも強く、簡単には通らない。

しだいに力をこめていく。先端は肉の中にめり込んでいるが、まだ刺さってはいない。

「あああ」

声を出してさらに強く押す。

プツッと音がしたように思えた。

皮膚が裂けて針の先が肉に入り込んだ。痛いだけではない。熱く、鈍い感触が体の内側から脳に達し、指先が震える。

「おいおい、日が暮れるぞ。まだ一本じゃん」

とてもできそうにないが、少しコツがわかったのか、二本目を右の乳房の乳首から脇に下った、比較的、柔らかそうなところに刺す。

「はーはーはー」

荒い息を肩でする。

ぐっしょり汗をかいている。

ピンク色の乳首。薄い乳輪。まだ幼さが残っている。しかし、性器への刺激と、ロープで打たれたこと、そしていまの針刺しによって、乳首は硬くしこっていた。

「ほらほら、貫通させちゃえよ」

やるしかないだろう。左の乳首を指でつまみ、引っ張る。そのピンクの肌に針先を押しつける。ゆっくり押す。

「うううう」と、もだえる。これまでとは違う痛みだ。

やさしく撫でられるだけでも感じる部分に、針の先端はこれまでのどの部分よりも大きな痛みを与えた。

太い釘を押し込まれるようで、そのまま乳首がちぎり取られてしまいそうだ。

汗と涙が顔からしたたっている。

「ひーひー」と悲鳴にも似た呼吸をしている。

「早くしてよ」

指先よりも小さな突起部分。そこを貫通させるのに全身に力を入れながら、汗だくになっていた。

「おっ、見えた見えた」と剛介。「もう少し深く」

針の先端が下に抜けたが、それでは不十分らしく、針の真ん中あたりまで深く刺す。

「右もだよ」

小さな乳首を垂直に刺し貫く針。

「うがー」と声をあげて、亜由美は針をとうとう、左右に二本ずつ針を打ち込んだ。

「うん。最初にしては上出来だね。だけど、これじゃ、浅いなあ。これからは、もう少し深く刺さないとね」

指先で、乳房に刺さっている針を確認しながら、剛介はそううそぶく。

「死んでしまいます」

「死にやしないよ。大丈夫さ」

笑いながら、スプレー式の消毒液を乳房に振りかける。傷口に染み込み、亜由美はもだえながら耐える。

「大したことないのに。大げさなやつだな」

床は、したたった愛液と汗で水たまりができていた。

洗濯挟みで強制的に開かれた女の秘部は、なにもしていなくても赤黒さを増し、ひくひくと亜由美の気持ちと関係なく反応していた。

「昨日、はじめて男を知ったにしては、けっこうスゴイよね。生まれながらの変態女、どスケベじゃなきゃ、こんなことできないよ」

自ら乳房にまち針を突き刺してあえいでいる亜由美の姿をケータイで何枚も撮影していく。

「なんだか暗いな。もっとこっちに来いよ」

髪を掴んで立ち上がらせると、窓の方へ引っ張っていく。

「だめ、それは、やめてください」

「叫ぶと近所に聞こえちゃうかも」

サッシを開く。春風が汗だくの亜由美を撫でる。外の音が部屋を満たす。平日の昼間だ。多くの人たちがまじめに働いている。まじめに勉強をしている。

それにひきかえ、亜由美の姿は、人間としても最低ではないか。そう自分で考え、みじめさが募る。

剛介が小さなベランダに出て、そこから立っている亜由美を撮影する。

「来いよ」

ベランダの手すりは腰ぐらいまでしかない。周囲に高い建物は少ないが、ないわけではなく、地上からでも、角度によっては胸から上が見えるはずだ。

声を出すわけにもいかず、震えながら亜由美は室外機の横に立った。物干し竿の影に立っても、たいして体は隠れない。

何枚か写真を撮り、短いムービーも撮影して剛介はようやく、室内に戻ることを許した。

「ははは。これぐらい慣れないとダメだよ」

「お許しください」

「かわいいな」

剛介は思わずそう言って、亜由美の唇を奪う。そして体を密着させながら、サッシを閉めた。

針が刺さっている乳房に、服を着た剛介の体がぶつかってくる。浅く入っていた針がぐっと奥まで入る。

乳房がちぎれてしまう、と亜由美は焦る。

乱暴に洗濯挟みを外した剛介は、亜由美の中に男性を挿入した。亜由美をそのままベッドに倒す。

「どうだ。痛いか? 悔しいか? でも、うれしいだろう。いきたいって泣いていたからな。好きなだけいけばいいさ」

昨日はよくわからないままに終わったようだが、今日はじっくりとピストンを繰り返している。

その硬さ、太さに亜由美の体が燃える。

許しが出て、乳首や乳房の痛みを忘れ、激しく腰を浮かせて奥まで飲み込む。

とうとう剛介とこうしてセックスできるようになったのだ。亜由美は、これが自分の夢だったのだと実感した。

剛介のムチャで強引で自分勝手で、しかも女を女として見ていない、ある種の幼さはガッカリする面もあったが、恐怖と快楽にも結びついていた。

「すごいな。締め付けがいいね」

剛介は、膣の拡張が、亜由美の女性器をよくしているのではないかと勝手に思っていた。自分の創り出すメス豚の感触は、思った以上にすばらしかった。

亜由美は何度か、絶頂を感じた。その手応えを得て、最後に射精し、剛介が離れると、亜由美の全身が桜色に染まり、淫らな股間はヒクヒクとあえいでいた。

この美しいものを自分の手で、どんな風にでも汚すことができ、貶めることができると思うだけで、剛介は悦びがわきあがってくる。

「勘違いしちゃ、ダメだよ。オレはおまえの恋愛の相手じゃないんだから。オレは、おまえのことが好きでもなんでもない。だけど、おまえにとって、この悦びを与えてくれるのは、オレしかいないんだよ。そうだよね?」

「はい。その通りです」

「よし。わかってるじゃない。ちょっとでかけてくるからさ。自分の使う道具は、おまんこも含めてきちんときれいにしておくんだよ。わかった?」

「わかりました」

亜由美は、針を一本ずつ抜きながら、涙を流していた。

乳首を貫通していた最後の一本を引き抜いて、消毒液を傷口にスプレーしていく。どうしようもない痛み。だが、左手がいつしか股間に伸びている。

自分の性器をこれほどまでに意識したことはなかった。穴をすぐにさぐりあてて指先でいじる。さきほどまで剛介が愛してくれた部分。

愛ではないと剛介は言う。だが、亜由美にとっては、これこそが求めていたものだった。

がまんできなくなり、ドライバーの柄を入れて、ぐいぐいと責める。

「お許しください」

泣きながら、亜由美は激しい快楽に包まれた。

ひとしきりむさぼるような行為をして、それなりの快感を得たものの、さきほどまでの剛介による激烈ないたぶりに比べれば、満足度はあまりにも低かった。

亜由美は自分がどうなってしまうのか、恐ろしくなった。剛介の命じるままに苦痛と快楽を味わっていけば、いずれは自分を自分で滅ぼすことになるかもしれない。

だからといって、いま、これを止めることはできない。もう知ってしまったのだ。幻想の正体を。

この部屋から出て、大学を去り、剛介の前から消えることなど、できないことだった。

もしそんなことをしたら、自分自身が消えてしまうのではないか。生きているためには、苦痛と快楽が必要なのだ。

亜由美の会

その日の夕方、大学に呼び出された。

雨が降りそうな曇り空で、風が強く、冷たい。

剛介に指定されたように、薄汚れたワンピースを着ている。おまんこにすりこぎを入れて、お尻には細いドライバを突き刺して。

異物が二つの粘膜を刺激する。

亜由美は自分にそんなイヤらしい穴が二つあることを意識しないわけにはいかない。

内間股になり、思った以上に歩くのに時間がかかってしまう。

校舎の三階のトイレ。

それが剛介の指定した場所だった。学生はほとんどいない。部活や研究棟とは遠い場所で、二部の学生が来るのはもう少しあとだ。

エレベーターはなく、階段を三階まで上がっていく。

粘膜に伝わる刺激。自分がとんでもないことをしているという自覚。剛介が待っているという期待。それが亜由美を急がせる。

三階のトイレは、節電で薄暗い廊下の奥にある。剛介が指定したのは男子用だ。

女子用と男子用は廊下をはさんで反対側にあるので、女子が間違って男子用に入ることはありえない。

廊下にいると、男子用トイレから笑い声が聞こえた。剛介の声だ。ほかにも誰かがいる。

入っていいものかどうか、迷う。しかし、顔を出さないわけにはいかない。

亜由美は顔だけ、入り口からのぞかせた。剛介とほかに二人、人影があった。

「遅いじゃないか」と剛介。「早く来て」

亜由美はうながされてトイレに入った。

小便器が左右に三個ずつ、個室が奥に二つある。小さな窓が開いていて、風が吹き込んでいる。

「コイツ、知ってるよね」

剛介が紹介するのは、居酒屋の店員だった。

「うちの学生なんだよ」

するとニヤニヤ笑って「ノートも助かりますよ」と言った。

もう一人もノートの利用者だという。

「今度、『亜由美の会』ってのを作ったんだ。ノートを利用するユーザーの会だね。二十人ぐらいいるんだ。おまえのファンなんだから、サービスをしなくちゃね」

どういうことか、と亜由美は思う。

「さ、ほら、いつものように服を脱いでさ。おまえ、オレたちの前で服なんて着て、ボーッとしてちゃいけないんだぞ」

剛介は最初から亜由美にまともな愛情は抱いていない。亜由美の嫌がることをするのが好きなのであって、剛介の思い通りにさせるのが好きなのだ。それは愛情とはまったく関係がない、と剛介は考えていた。

「はやく、しろって」

「そうだ、オレたちは客なんだぞ」

ほかの二人も、笑いながら言う。

学校で、しかも男子トイレで裸になれというのだ。ここで裸になれば、また一歩、亜由美は地獄への道に進むことになる。

三人のギラギラとした眼。歪む口元。悪魔のような男たち。

こんなシーンを夢想したことはある。

だが、いまは現実だ。

トイレの消毒液の臭い、男たちの小便の臭い、そして風、校内の音。

じゅっと肉の奥から濃い液体が分泌された。それがすりこぎに押しとどめられている。

亜由美はワンピースを自ら脱いだ。

「ホント、いい体っすね。これでCカップ? もうちょっとあるんじゃないかな」

「それだけじゃない。ド変態だ。ほら、向こうを向いて、足を開いてケツをこっちに向けろ」

以前、取り壊しになる校舎で剛介と警備員に処女を奪われたときのように、亜由美は尻を突き出した。

「見ろ。これがなんだかわかるか?」

剛介がドライバーの金属部分をつかむ。全長十五センチほどなので、プラスチックの柄の部分が直腸にすっぽりと入っていた。

歩いているうちに、かなり奥へ収まったのだろう。金属の部分が五センチほど突き出ている。尻たぶに挟まれているので、立って歩いているときには、外からは気付かれない。

金属の部分を剛介は指でつまみ、前後に揺すったり、捻るように回す。

細いとはいえ、直腸の粘膜に絡まれた柄の部分が大きく動く。肛門を軸にしてぐりぐりと腸壁をえぐる。そのおぞましさに亜由美は耐える。

「こっちにも、ほら、これ」

すりこぎの先が性器から飛び出している。薄いピンクのひだ。その奥に隠された穴をこれみよがしに見せつける。

十センチのほどの木製のすりこぎを挿入することに亜由美は苦労したが、クリームをつけて奥まで押し込んでいた。

歩いている間に抜けないように、太い部分を奥にしたが、それでも彼らに向けて股間を突き出すと、半分以上が飛び出した。

「よくこんな格好で学校に来れたよね」

二人が笑う。

「まったく、変態女ってのは困ったものです」

剛介は二つの穴をほぐすように、ドライバーとすりこぎを、指で動かす。これは自分が自由にしていいものだ、という実感。

亜由美をどんなふうにでももてあそぶことができるのだ。

「ああ」

亜由美が声を出した。

二つの穴だけが極度に敏感になり、恥ずかしさと苦痛が入り交じり、快楽のスイッチを一つ、また一つと押していく。

「亜由美ちゃん、声もイイね」

男たちは喜んでいる。

剛介は、ドライバーをゆっくりと引いた。

「こっちはまだ使わないでほしいんだ。すっげえ小さいから、切れちゃったらマズイだろ。ちょっとずつ拡張するんだよ。ね、亜由美」」

細いドライバーの柄が、ピンクの粘膜の中から顔を出す。

「はい。亜由美のお尻の穴を大きくします。でも、ううう、つらいです」

「うるさい」

剛介は引き抜いた。どろりとした粘液が付着していた。その柄を亜由美に見せつける。

「ほらほら。おまえってやつは。まだちゃんと開発していないケツの穴でも感じちゃうんだよね」

「それは、違います」

「いいって。もう正体はわかっちゃってるんだからさ。これからゆっくり広げてやるから、楽しみだよね。このおちょぼ口で、何人も男をくわえてみせるんだ」

「そんなー」

次にすりこぎをつまみ、性器をえぐるようにしながら引き出す。

どろりとした液が、膣口から流れ出した。

剛介は、汚れた二本の道具を手洗い場に置く。

「ジャンケンで決めてよ」

剛介に言われて、亜由美の二つの穴を食い入るように見ていた二人はジャンケンをした。

店員が負けた。

一人が「お先に」と言い、亜由美を連れて個室に入る。

「これは『亜由美の会』だよ。淫乱なおまえを満足させてあげる会なんだから。わかってるよね」

剛介の声が響く。

和式のトイレだった。

そこに跪かされて、亜由美はその細い白い指で、学生のズボンのチャックをおろした。指を中にしのばせる。そこに固くなっているものがあるのがはっきりわかる。

固くなっていると、なかなか外に出せない。亜由美はやったことのないことを、必死でやる。

ようやく太く、やや短いものが出てきた。すっかり皮をかぶっている。亜由美は彼の顔を見上げ、口をそっと近づける。

唇で触れる。指をしゃぶるように、それは味がまるでない。かすかにチーズのような男の臭いがする。

興奮しているのがわかる。

舌で触れ、少し口を開いたとき、男は亜由美の頭を持って強引に押しつけてきた。包皮の中からの酸っぱい臭気が口の中に広がった。

鼻で息をしながら、必死で亜由美は喉まで達するものを受け入れ、歯を立てないようにしながら愛撫した。

味のないはずの肉棒だったが、男から分泌されている液体が口の中で、亜由美の唾液と溶け合い、苦く感じられた。

鼻で息をしなければならず、トイレと男の臭いをめいっぱい吸い込むことも苦痛だった。

こうしたことに慣れていない。

それでも懸命に本能でもあるかのように、男の部分を口いっぱいに含み、唾液をからませて、舌で味わうように愛撫する。

これが自分の中に入ってくる、と想像するだけで、体に電流が走る。

「立て。向こうを向け」

男は思わず達しそうになり、慌てている。

尻を突き出す。

避妊具をつけずに、不特定多数の男と交わることになる。今後ずっと。毎日……。体が壊れるまで。

すりこぎで広がっていた性器に、亜由美の唾液で湿った男性器が侵入する。

「おお」

男が声をあげる。

まだ処女を失って間がない。器具で乱暴に扱われても、そこは強く締め付けている。

男は経験が浅いようで、数回のピストンで果ててしまった。

精液がしたたる男根を亜由美はふたたび口にした。

精液の味に顔をしかめる。まずい、としか形容できない。これを好きになるのだろうか、と亜由美は思う。

きれいにし、ズボンの中におさめる。

「ありがとうございました」

亜由美から礼を言った。

次は店員だった。

彼は自らズボンを脱いで、包皮の剥けきった赤黒い性器を見せびらかし、亜由美の口で遊んだ。

味のない肉棒に、亜由美は拒絶反応を示す自分の体を必死に抑えて奉仕した。

嫌なもの、受け付けないものを受け付けることが、快感になっていく。

同じようにバックスタイルでセックスする。店員は経験があるらしく、リズミカルに動かし、しかも長く保たせる。

倍以上の時間をかけた。

「フィニッシュは口だぞ」

向きをかえて亜由美は店員のものを口にする。それは男の味と自分の味が混じったものだった。

口でしごいている間に大量の精液を放出した。

「飲め」と命じられる。

なかなか喉を通ろうとしない。はじめての口内射精だ。ツバを貯めるようにして、ようやく飲み込んでいく。

個室を出されたとき、外は真っ暗になっていた。

剛介は亜由美の髪の毛を掴むと、ひきずるようにしてトイレの中央に立たせて、「ほら、忘れ物だ。ちゃんと入れないと」と言った。

亜由美は震える手でドライバーをアナルに入れる。そして陵辱された膣に、すりこぎを押し込む。

「しばらくは、毎日、二人ずつかな」と剛介。

「ちくしょう、十日に一回かよ」

店員が残念がる。

「贅沢言うなよ。少しずつ増やそうか。そうしたら、きっと毎日二十人ぐらい平気になるかもしれない」

「よせよ。それじゃ公衆便所だぞ」

「いつか、そうなる」

「おい、生理が来たらどうするんだ?」

「休みかな」

「バカ言え。その時はアナルだろ」と店員。

「そうだね。それまでには使えるように鍛えておかないといけないね」と剛介。

男たちは帰って行く。

剛介と二人でトイレに残された亜由美は、泣きそうになる。

これから毎日、ここで、『亜由美の会』のメンバーの性処理をするのだ。それ以外に剛介によってアナルの開発をされる。

そして、ほかの苦痛の伴う仕打ちにも耐える必要があるだろう。

最終的には公衆便所として、毎日、たくさんの男に体を与えることになる。

「うれしいだろう」

「はい。ありがとうございます」

亜由美は、涙を拭いながら答えていた。

肉袋の悲哀

会員二人に奉仕させる程度では、剛介は亜由美を許さなかった。夜の部ははじまったばかりだ。

「次の生理はいつ?」

「普通なら、来週ぐらいです」

「あまり時間がないね。ケツの穴でも男とやれるようにしないと、『亜由美の会』の連中が怒り出しちゃうかもしれない」

「もし、できなかったら、どうなるんでしょう」

「わからないよ。約束が違うとか言って、おまえのことを大学中に言いふらすかもしれない。おまえの親や兄貴たちにもバレちゃったりして……。やつらをおとなしくさせるには、おまえが言うことを聞くしかないんだろうな」

「本当に、そこまでやらないと、いけないんでしょうか?」

「え? これって、おまえの夢でしょ? 穴という穴を使って男に責められて、毎日、快楽に浸るって」

「そんなこと、考えたこともありません」

「でも、そうなんだよ」

そんな会話をしながら、亜由美は剛介に連れられて、マンションに戻った。

「とりあえず、ケツ穴修行をしないと」

剛介に怒られる前に、亜由美は全裸になって正座した。

その乳房を剛介が握る。

「どう? 痛い?」

「はい。まだ少し」

「ふーん」と鼻で笑う。「こうして握り潰してみたら、どうかな」

剛介を見上げる亜由美の目に涙が光る。

「お許し下さい」

「まだまだ揉んでやらないとダメだね。もっとメス豚らしいオッパイにしないとな。まんぐり返しの形になってごらん」

ためらってる亜由美を仰向けにさせ、足を持ち上げて亜由美の肩に押しつける。

上体、腕と足を洗濯用のロープで縛り付ける。秘部を突き上げたような形で転がされている。

「まる見えだ」

そこに突き刺さるドライバーとすりこぎを、剛介は彼女の体の一部のように動かす。

「ああっ」

「これだけで感じちゃうの?」

「お許しください」

「今日は、どこまで入るか、やってみよう」

ドライバーを引き抜く。

「口をあけろ」

大きく開いた亜由美の口に、直腸に入っていたドライバーを入れる。

亜由美は顔をしかめる。たとえようのない味がする。

「ケツの穴の味がするんじゃない?」と言いながら、指先ですりこぎを引き抜く。ねっとりと濡れている。その太い方をアナルになすりつける。

「いきなりはムリかなー」

どろっとした亜由美の愛液をピンクの粘膜にこすりつけてから、細い方を押し込む。

三センチぐらいは簡単に沈んだ。

ドライバーと同じぐらいの太さまで、スムーズに入る。クルマのシフトレバーのように、剛介はすりこぎを動かして、固い蕾を押し開こうとする。

ピンクのすぼんだ唇が、ふわっと開いていく。

ねじりながら入れていくと、五センチは入った。それでもまだ全体の半分ほどだ。

「けっこう広がったかな」

引き抜いて、剛介は自分の指を入れる。

明らかに感触が違うからだろう。亜由美の体がビクッと震える。

人差し指を深く入れていく。

「どうかなあ。浣腸好きの亜由美のケツは……」

首を横に振っている亜由美。

浣腸が好きなのは事実かもしれない。しかし、マッサージ機によるオナニーも、一人暮らしをはじめた三月末からのことで、まだ数回しか経験していなかった。

ずずっと剛介の人差し指が根本まで入る。その指先が曲がり、直腸を引っ掻くように動く。

ドライバーを入れて歩くだけでも感じていたが、あまりの刺激に亜由美は大きな声を出してしまいそうになっていた。

「感じてるんだね」

揺れる尻と、性器からあふれてくる愛液を見て剛介は笑った。

「クリトリスよりも先に、ケツ穴で感じてたんだよね。ド変態だね、亜由美は」

おかしくなりそう、と亜由美が思ったとき、剛介は指を引き抜いた。

「次は二本。さっきの広がりぐあいなら、二本は楽勝かも」と言い、「こっちのおつゆをたっぷりつけて」と、こぼれて出ている愛液を指になすりつけた。

人差し指と中指でほぐすようにしてアナルの周辺をなぶりながら、徐々に静めていく。

指を重ねて捻るように入れると、第一関節まで吸い込まれた。

そしてなおも捻るようにし、指を少し広げるようにいろいろな角度で慣らしていく。

ぐぐぐっと押し込むように第二関節まで入れる。

「締め付けてくるね」

括約筋が力強く反応する。

指を中で広げることは難しいが、こねるように動かすことはできる。

「あああ」と亜由美が声を出し、口の中からドライバーを吐き出してしまう。

「気持ちいいの?」

「はい」

「いつも、自分でやっていたんじゃないの?」

「やっていません」

「本当?」

「本当です」

剛介は少し指を止める。

懐かしい感覚がよみがえり、亜由美を抱きしめたくなる。

乳房が倍以上に大きくなり、むっちりとした肉感的な女の体形になっているが、恥じらう表情にかつての面影も残っている。

剛介はその気持ちを振り切る。

これは自分の愛の対象ではないのだ、と言い聞かせる。

処女を奪ったときにも、口封じの意味もあるが、他人である警備員に亜由美を与えた。そして今日も二人の男に亜由美を与えた。

冷酷になれ、と剛介は自分に言い聞かせていた。

亜由美は愛の対象にはならない、もしそんなことをすれば、取り返しのつかないことになるだろう。

ぐずぐずしていたら、亜由美に絡め取られ、愛という名の地獄に縛り付けられてしまうだろう。

剛介はそれだけは嫌だった。

一人の女に縛られる人生など最低だと思っていた。美しく可愛いい亜由美だが、彼女は剛介のどす黒い部分だけを愛している。剛介は自分が、そんな邪なだけの男だとは認めたくない。

亜由美に見つめられると、剛介は締め付けられるそうな気持ちがした。そこから逃れることができて、引っ越したあとはしばらくホッとしていた。

だが、一秒たりとも、亜由美のことを忘れたことはなかった。

これまで何人もの女性と付き合ったが、亜由美を重ねてしまう自分がいた。ノーマルな恋愛もした。特殊な嗜好の女性とも関係した。プロの女性もいた。それだけの経験をしても、夢に現れるのは亜由美なのだ。

さまざまな思いを断つように、ぐいっと指を根本まで押し込んだ。

「ううっ」

亜由美がうめく。

肛門を抜けた指先が、直腸の中で自由になる。伸ばしてばかりでは疲れるので、握るように曲げてみる。

「尻の穴の形がよくわかるよ。ほら、ここが直腸だよね。こっちに広がっていくよ。この奥に結腸があって大腸につながってるんだろうね」

「ひー」

亜由美は体を震わせている。

明らかに感じている。女の部分で感じる以上に大きく。

腕を大きく動かしながら、剛介は亜由美の体内をかき回す。

ビュッと亜由美の割れ目から汁が吹き上げた。

「あうあう」

失神寸前になっている。

指を引き抜くと、肛門はすぐに閉じることなく、直径一センチほどだが、開いたまま、ぬめぬめとしたピンクの生き物のようにあえいでいた。

「三本入るぐらいまで拡張してあげるよ。それが第一段階。第二段階は手がすっぽり入るぐらい大きくするからね」

剛介はそう決めた。

誰が不特定多数の男とセックスし、尻の穴に手の入るような女と一生付き合うだろうか。

亜由美をボロボロにして捨てる日を、剛介は想像して微笑んだ。

そこまでやれば、亜由美という悪夢から逃れることができるはずだ。

親指、人差し指、中指が一度に入るには、直径五センチぐらいまで広がらなくてはならないだろう。いまはせいぜい三センチだ。

一晩でそこまでいけるものかどうか、剛介にもわからなかった。

いまここにある道具ではそこまで太いものはない。

亜由美が落ち着いたところで、「でかけるよ」と命じる。

一度洗ったすりこぎをおまんこに、三センチほどの太さのあるドライバーをお尻に入れて、ワンピースを着る。

柄が太くなり、全長も長くなったので、先端は尻たぶから突き出てしまう。前屈みになれば、ワンピースを下から押し上げるだろう。

「サイフ、持ってきてね」

「どこへ行くんですか?」

「黙ってついてくればいいんだってば」

百円ショップだった。

種類の豊富なマーカーに剛介は目をつけた。

「オレの指と比べてどうかな」

ほかに客が大勢いる中で、剛介は指とマーカーを比べる。

「少し細いぐらいだね。これでおまえのケツの穴を広げてみようかな」

その言葉に、亜由美の近くにいた若い女性がびくっとして、亜由美を見る。やがて汚いものでも見るような顔をしながら、遠ざかっていく。

油性マーカーを十本、ピンポン球六個、さらにゴムホースも買う。

「これを全部、亜由美のケツ穴に入れてやるんだよ」

「そんな」

亜由美は真っ赤になって周囲に目をやる。

幸いにも近くに人はいなかった。

実際にされる苦痛以上に、誰が聞いているかわからないところで、言葉でなぶられることが怖ろしい。

買い物をすませると、歩くのがさらに遅くなった。はじめての太さのドライバーのせいだ。

足を動かすたびに、その固いプラスチック部分が腸の奥へと動いていき、尾てい骨のあたりに先端を感じている。

長い金属部分が当初より目立たなくなっている点はいいのだが、苦しさは増した。

「薬局にも行こう」

チェーン店の外で剛介は待ち、亜由美一人でイチジク浣腸を買ってくる。四十グラムのものが十個入った箱を二箱。そしてコンドームの百四十四個入りの大きな箱を二つ。

中年男の店員は無表情だったが、レジに並ぶほかの女性たちが奇異な目で亜由美を見る。

明らかに下着をつけず、あまり清潔とは言えないワンピース。素足。おまけに妙な臭いがしている。

それは男の精液だけではない。亜由美の愛液、さらにアナルから滲み出ている腸液がまじっている。

恥ずかしさの中で、買い物をすませると、今度はコンビニで夕飯の弁当を買わされた。

いずれもマンションの近くの店で、亜由美の顔はしっかり店員に覚えられただろう。そう思うだけで、さらに恥ずかしくなってくる。

マンションに戻るなり、「恥ずかしい」とつい亜由美は漏らしてしまう。

「なんだって?」

剛介は裸になった亜由美の乳房を握った。爪が柔肌に食い込む。

「おまえはまだ、自分のことを普通の人間みたいに思ってるみたいじゃん。違うんだよなあ。おまえはただの肉の袋なんだからね、このコンビニの袋と同じで、なんでもオレが命じたものを詰め込む袋ってわけ。わかった?」

「申し訳ありません」

「だったら、自分はなにか、言って」

「亜由美は、人間ではなく、ただの肉の袋です。剛介様のお望みのものをなんなりと、私の中に詰め込んでください」

「よーし」

乳房を離すと、亜由美はその場に正座した。右の乳房にくっきりと爪痕が残っていた。

徹夜の訓練

「ひーひー」

亜由美は泣いていた。

まんぐり返しの姿勢をすでに三時間以上もさせられていた。

ドライバーの柄、すりこぎ、そして油性マーカー。合間に剛介の指。この間、肛門に入れては広げさせる。

その繰り返しが続いていた。

「そろそろ、ピンポン球にいってみようか。これは直径四センチだからね。これがラクに出し入れできなくちゃ、次の段階には行けないと思う」

そういうと、剛介は浣腸を四本、続けて注入する。

つい昨日まで浣腸のノズルでさえもきつそうにくわえていた亜由美のアナルが、本体の一部まで飲み込みかねないほど広がる。

人差し指、中指、薬指をすぼめた状態なら第二関節まで入るようになっていた。

しかし、剛介は苛立っていた。

親指、人差し指、中指の三本だと第一関節をすぎたところで限界なのだ。

なにかをつまむような形のまま深く入れたいのである。そうすることで、もっと自在に広げることができるのではないかと剛介は思っていた。

浣腸液でぬるぬるになったところに、ピンポン球を押し当てる。

「もっと力を抜いて」

「ひー」

汗だくで耐えている肉の袋。

口を大きく開いて、肛門を自ら開こうと意識しているのがわかる。

ぐいぐいとボールを押していく。

やがて半分ほどが埋まる。括約筋が伸びきる限界に近い。直径四センチの球体を呑み込むための準備は、まだできていないのではないか、と剛介は恐れた。

そんな冷静な気持ちがある一方で、剛介は押し込む力を抜くこともできずにいた。

「ううう」

「もう少しだぞ。半分入ったんだからさ」

ぐいっと思わず押してしまう。

「ああっ」

白いボールが肉を広げた。いける、と剛介は思い、半分以上沈んだボールを指で押した。

「ひー、入っちゃう!」

亜由美が叫ぶ。

自ら飲み込んでいるかのように、ピンポン球は体内に消え、すうっと肛門がすぼむ。

完全には閉じきらず、白い球が少しだけ見えている。

剛介は指を入れてみる。すぐのところにつっかえている。それを押すと直腸へすとんと落ちていった。

「入っちゃいました」

亜由美がべそをかきながら言う。

浣腸液が逆流して剛介の指先を濡らす。

「よし。その調子。三つ入れちゃおう」

二つ目も同じように苦労しながら押し込む。三つ目は前の二つがつかえているのか、完全には入っていかない。

「ムリして裂けちゃっても、しょうがないからからなー」

手足を自由にしてやり、亜由美をバスルームに連れて行く。

「本格的な浣腸ははじめてだよね」

「少し休ませていただけませんか?」

「だめに決まってるじゃん」と尻を叩く。

縁に腰かけるようにして、尻をバスタブに向ける。髪の毛を握り、顔を上に向けさせる。

「ほら、出しなよ。がまんできないんでしょ?」

激しい便意が荒れ狂っている。だが三つのピンポン球にふさがれて、すぐには排泄できない。

「こうしてあげてもいいよ」

剛介は亜由美の乳房を両手で鷲づかみにする。

「ほらほら、おっぱいがちぎれちゃうかもよ。早く出せないと、もっと痛くなるよ」

「うぎゃー」と亜由美の悲鳴。

「うるさいって」

「します。しますから、おっぱいは許してください」

針責めの跡がまだうずいている。爪を立てられた跡も生々しい。

ポンと音がして最初のボールが落ちた。

それは括約筋に挟まるように中途半端なところにあったので簡単に出たが、あとの二個は直腸にすっぽり入ってしまっている。

しょぼしょぼと液体だけ漏らしても、腸内の圧力は減らない。

「ほらほら。出して、出して」

亜由美は恥ずかしげもなく、いきみながら、ピンポン球を出そうとするが、なかなかうまくいかない。

「あああ」

うわずった声。

腸の奥から押し寄せてきた便意が出口に殺到した。メリメリと音を立てたような気さえするほど大きく広がっていくのがわかる。

「出ますぅー」

亜由美の脳内がスパークした。

二つのボールが続けて飛び出し、汚物がどっとあふれ落ちた。

バスルームはとてつもない臭いに満ちた。

「相変わらず亜由美のウンコは臭いんだね」

「すみません」と言いながらも、亜由美は汗をかきつつ、明らかに排泄の快感に酔っていた。

とめどなく腸内から流れ出る液状の排泄物。

「いつまで出るの? 壊れたの?」

しばらく排泄は止まらなかった。

剛介はホースを水道の蛇口につなぎ、水を出すと、「中に入って」と命じる。

汚物の溜まったバスタブに足を入れるのは生まれて初めてのことだ。

亜由美はおぞましさの中で、命令に従う。

「ケツをこっちに向けて」

壁に胸を押しつけるようにして、亜由美は尻を突き出す。

そこにホースから勢いよく水が当たる。尻に飛び散った汚物を洗い流す。

ホースの先端をアナルに押しつける。

「ふひー」

亜由美はもだえる。

激しい水流が直接、腸に突き刺さった。噴流が腸を押し開き、切り裂くような痛みを与える。

「はい、出して」

剛介はホースを外す。

亜由美は水を排泄する。腸内に残っていた汚物も出てくる。

「もう一度いくよ」

「んひぃぃい」

都合、三回、水で腸を洗われた。

腹の底まで冷たい水を浴びて、ガクガクと震えている。

「風呂をきれいにしないとな」

排水口には、わずかな固形物とボールが溜まっている。亜由美に命じて、ボールを取り出させ、溶けきらない固形物を素手ですくってトイレに流して処理させた。

バスタブをきれいにし、亜由美自身も洗った。

「よくがんばったじゃん。一緒に風呂に入ってあげてもいいよ」

「お願いします」

剛介も裸になり、シャワーカーテンを閉じると、熱い湯を出した。亜由美はボディーシャンプーを剛介の体に塗る。

「全身で洗うんだよ」

二人は狭いバスタブで抱き合うようにしてお互いの体をこすりつける。明らかに固くなっている剛介を、亜由美は手にとって丁寧に洗う。

泡がすっかり流れたあと、口に含んだ。

「いいぞ。もっと舌を使って。ときどき、球もくわえてさ。そうそう。まだまだ下手だなあ」

オーラルの訓練も、アナルの訓練も、かつてやりかけたことがあった。本格的になる前に、剛介の引っ越しで中断されたままになっていた。

剛介はたまらなくなり、亜由美の体をくるりと裏にすると、バックから挿入した。

「もっときつく締めてみなよ」

尻や乳房を平手で叩く。そのたびに、きゅっと締め付けてくるのがわかる。

激しく中で暴れたあとに思い切り射精した。

この二日で、亜由美の体が、少しは女らしく、柔らかくなっていることに驚く。

体を拭いて部屋に戻ると、剛介は缶ビールを飲み、亜由美にも少し飲ませた。

「どう、つらい?」

「いいえ」

「これから、もっともっと酷い目に遭うんだよ」

「お願いします。亜由美は淫乱なメス豚です。どんなにつらいことでも、どんなに恥ずかしいことでも、剛介様のご命令には、いつでも、どこでも従います」

「よし、いいよ。じゃ、ケツの穴をやっつけるからね」

「はい」

ベッドの上に四つ這いになって尻を剛介に向ける。

剛介は指にツバをつけてから、ぷっくらと膨らんだおまんこに沈める。

ねばねばした液体が指にからまる。それをアナルになすりつけて、三本の指で広げていく。

浣腸とピンポン球、そして洗腸で広がった肛門は、三本の指を第二関節までようやく受け入れた。

「いけそうなんじゃない?」

剛介は勝手に判断する。

そしてキッチンからオリーブオイルを持って来ると、それを亜由美の尻に塗り込んだ。三本の指を使って、括約筋の奥まで塗る。

その動作にメス豚は早くも反応をしている。

今日一日、くたくたになっているはずなのに、まだ快楽を求めている。

剛介は再び固くなった自分のものにコンドームをつけると、先端をピンクのアナルにあてた。

わずか二日で、前と後ろの両方の処女をいただくのだ。

肉棒を押し込む。

最初はあらがった括約筋だが、亜由美が深く呼吸をすると、これまでになく柔らかく開いていった。

それに誘われるように、ぐぐっと深く進入する。亀頭部分が括約筋を抜け、みっちりとした肉壁に包まれていった。

「よし、やった!」

「はい」

動かしてみる。

剛介は思わず声が出そうになってしまった。

夜の大学で奪った処女よりも、そしてさきほどのバスルームでのセックスよりも、数倍も快感が強かった。

指と口を合わせたような複雑な感触だ。女性器とはまるで違う。

最初はピストン運動をゆっくりと数えるようにしていたが、すぐに夢中になってしまい、剛介は荒々しく果てるまで強くアナルを犯した。

わずかな時間で、亜由美が娼婦のようになるとは、剛介にも信じられなかった。

これほどの快楽は一度も経験したことがなかった。どんな女と関係しても、つまらなさと後悔ばかりが残った。

だが、どうだろう。亜由美の体は。どこまでも、とことん、剛介の快楽中枢を豊かに刺激して止まることがない。

すばらしい肉の袋だ。とんでもないメス豚だ。

やはり、亜由美は徹底していたぶり、罰しなくてはいけない。

そうしなければ、剛介自身が溺れてダメになる。身勝手だが、そう考えるのだった。

漆黒の刻印

ほとんど寝ていないが、早朝の講義に出て、その内容をデータにして、昼までに亜由美の会のメンバーにメールで送信する。

自習室でそこまでやり終えると、亜由美は眠気から、うとうとした。

小説『亜由美』第一部 第2部 (2/4)
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