いまごろ剛介は亜由美のベッドで寝ているだろう。
お尻の穴に、いまも痛みが残っている。
お尻を愛されて悦ぶのだから、変態そのものだと自覚する。だが、それ以上の関係が生まれたのも事実だ。
これは愛ではない。
剛介は自分を愛してはいない。
それはわかっていても、亜由美は二人の特別な結びつきが、うれしかった。昨夜から今朝にかけて、その結びつきはさらに深くなったように感じていた。
剛介は亜由美を傷つける。
酷い目に遭わせれば遭わせるほど、亜由美との特別な関係は深くなる。ほかの誰も、入ることのできない、二人だけの世界がそこにある。
剛介も亜由美も、ともに普通のカップルでは到達できないところへ向かっていくに違いなかった。
それがどれほど非常識なものだろうと、亜由美は気にならなかった。
携帯電話が振動した。
亜由美は自習室を出て、廊下で剛介の声を聞いた。
「言われたことは守っているだろうな」
「はい」
「言ってみろ」
「お、おまんこにすりこぎを入れています」
言いながら、思わず周囲を見渡す。
数人いる。亜由美を見ている者もいる。
それはそうだろう。バストを強調するブラをつけて、その上にTシャツ。そして股間が見えそうなほどギリギリのホットパンツなのだ。
すらりとした足。その白い肌が誰にとってもまぶしい。
「お尻の穴にマーカーを三本入れています」
違和感はあった。
講義の間、座っているうちに、マーカーは奥まで入ってしまった。直腸に深く飲み込んだ瞬間に、独特の痛みと快感がある。
「食堂で待ってるよ」
学生食堂へ行くと、剛介と、顔を何度か校内で見たことのある学生三人が待っていた。
「いっぱい食べて」
剛介がすでに頼んでいた中華丼、ホタテフライ、スープをすべて食べなくてはならなかった。
実質、一日一食なので、亜由美は選り好みするわけにもいかず、それらを詰め込むように平らげた。
「こちらは、亜由美の会のメンバーだから、よろしくね」
「ずっと目をつけていたんですよ。声をかけようか迷っていたんだけど……。いきなりやれるって言うんで、夢のようです」
「アナルを開発中なんだって? 楽しみだなあ」
学食でそんなことを平気で言う。
「今日の亜由美はケツの穴に三本、マーカーが入ってるんだよ」
「すげえ、そこまでいってるんだ」
剛介はすでに亜由美のお尻の処女も奪っているのだが、そんな余計なことは言わない。
「マーカーで、亜由美の体にスケベなことを落書きしちゃうっていうのはどうだろう」
「もちろん、外から見えない部分だよね」
「どこに書いてもいいよ。油性マーカーだから、簡単には消えないよ」
食後に、彼らを連れて、比較的すいている男子トイレに行き、昨日と同じように奉仕がはじまった。
亜由美からメガネを預かった剛介は、遠くから見守っているだけで、ニヤニヤと笑っている。
「ご挨拶しなくちゃ」
体を最低限しか隠していないTシャツとホットパンツを脱ぐ。
全裸になった彼女をはじめて見る三人の目は輝く。
この数日の虐待にもかかわらず、体は透き通るように輝いていた。
その白磁にも似た美しいものが、汚れたトイレの床に正座する。そして土下座をした。
「『亜由美の会』のみなさま。本日も亜由美を思うぞんぶん、かわいがってください」
三人は彼女の周囲を回る。
そして剛介に言われていたのだろう。尻を高く上げる。
「おや、マーカーがないよ」と剛介。
「奥に入ってしまいました」
「よし、じゃあ、オレたちの前で出してみようか」
亜由美は大便でもするようにしゃがんでみるが、簡単には出て来ない。
「うぐぅぐぅ」
「ほらほら、自分で指でも突っ込んで、出してみてよ」
「いきぃぃ」
歯を食いしばり、漏れそうになる言葉を押し殺し、自ら指を腸に入れて、出口がわからず横になってしまっているマーカーの先端を誘導する。
「はぁはぁ、出ます……」
ようやく産み落とした。
「よくケツに刺したまま座っていられたよね」
「恥ずかしいなあ。まともな女の子じゃないよ」
排泄するだけで亜由美は全身から汗を噴き出していた。
男たちは、産み落とされたマーカーを亜由美に水道で洗わせた。
「ほら、ちゃんとケツをこっちに見せろって」
三人は乱暴に亜由美の股間を指でまさぐり、秘部を押し広げる。
以前は半分以上飛び出していたすりこぎが、いまは先端部分をのぞいですっかり体内に入っている。
わずか三日で亜由美の女としての部分が開発されていた。
今日初めて口をきいた男たちの指で、性器を探られ、蹂躙される。
そして飲み込んだ異物を引きずり出される。
「おいおい、ぐっしょりなんてもんじゃないよ、淫乱だなあ」
男たちが笑う。
ジャンケンで順番が決まる。
剛介はコンドームを配る。全員が受け取った。
最初の一人と個室に入る。
「まずはお口でお願いしますよ、亜由美ちゃん」
十人十色というが、亜由美はまたも見知らぬ男根をながめ、口にする。
体臭がきつい。腐った牛乳のようだ。
吐きそうになるが、それをこらえて必死に奉仕する。
自身の唾液ですべてをきれいにできるのだと信じるしかない。
しゃぶりつくすと、バックスタイルで犯される。
荒々しく突き上げられ、体が浮きそうになる。乱暴なだけのセックス。
「おい、飲め」
コンドームに溜まった大量の精液をしゃぶり、むせないようにしながら慎重に飲み干す。
「すげえな。オレはオッパイに書いちゃおう」
マーカーのキャップを取り、男は亜由美の右の乳房に卑猥なマークを書き、「ドスケベ」と落書きした。
二人目は、異様なほど細長いペニスで、喉の奥にまで到達した。
げーっと声を上げながらも、しゃぶろうとする。
少しは慣れてきたとはいえ、その長さを収めるほど性器は熟れていなかった。
男は気持ちがいいのか、激しくピストン運動をするが、亜由美には突き刺さるような痛みだけの行為だった。
避妊具に溜まった精液を飲み干させられる。
この男は、左の乳房に「メスブタ」そして「便所」と書いた。
三人目は、皮をかぶっていた。
コンドームをすると、さらに醜悪に見えるが、少し助かったと亜由美は思う。
そして膣への挿入。
それはゆっくりと優しい。もしかしたら、いくかもしれない。
こんな仕打ちを受けながらも感じてしまうのか。
だが、突然、あっけなく射精してしまった。
男は満足だったらしく、下腹部に「淫乱・亜由美」と書いた。
最後に三人によって、すりこぎとマーカーを元あった場所にねじ込まれた。
「かわいがっていただき、ありがとうございました」
土下座する。
男たちが帰っていく。
「ずいぶん、楽しんだな。さっさと服を着ろ」
「今日から三人なんですか?」
「亜由美は人数とか気にしなくてもいいんだ。時間の都合がつく限りの会員にサービスしなくちゃね。だけど、あんまり多いとトイレってわけにもいかないから、考えなくちゃなあ」
学校から離れた繁華街まで連れて行かれる。
小さな飲み屋が並ぶ路地を入ったところに真っ赤な外装の店があった。いわゆるアダルトショップだ。
昼間なので、閑散としている。
「今日はおまえのために、ちょっと買い物してあげようね」
亜由美ははじめての経験だった。
入り口にコスプレ用の衣装が展示されている。セーラー服風、アイドル風、キャンペーンガール風、看護師風などなど。
その奥には小さなローターから、巨大なバイブまで、玉子のような形から獣のペニスのようなものまで、ありとあらゆる性具が並んでいた。
さらに奥へ行くとアナル用のバイブ、浣腸用の器具などが並び、SM用品も揃っていた。
「どう、スゴイよね? でも亜由美に必要なのはここにあるような、気持ちいいだけの道具じゃないんだね。そうでしょ? だってフツーの女じゃないもの」
亜由美は返事もできずにいた。
「こんな高級品はメス豚にはもったいないかもしれない」
ボンデージ用の小道具を亜由美に見せる。手枷、足枷、首輪、体をしめつける衣装、猿ぐつわ。
「いつかは、こうしたものも買うことになるかもしれないけどね。楽しみにしていてよ」
「はい」
「今日は、これを買いに来たんだ」
その棚には、膣を広げる金属の器具、肛門を広げる器具などが並んでいた。医療器具のコーナーだ。
剛介が見せたのは、ゴム色の管の末端が三つに分かれている器具だった。「ダブルピッカーカテーテル」と表記されていた。
三つの末端のうち左右には黒いゴムのポンプがついている。
「すみません」
剛介はわざとらしく店主を呼び、その器具を買うことを前提に、箱から出してもらう。
「使い方を一応、説明してくれませんか」
初老の男はうれしそうに亜由美をみながら、「使うのはお嬢さんかな?」と言う。剛介にうながされ、「はい」と亜由美はうなずく。
そして剛介がTシャツをまくりあげた。
乳房に書かれた漆黒の文字を店主に見せる。
卑猥なマークの書かれた乳房。ドスケベ、メスブタ、便所、そして。ホットパンツをずり下げて、「淫乱・亜由美」の文字も見せる。
「いいねえ。気に入ったよ」と店主は喜んでいる。
二つの風船
「これはね。このゴムの先に二つ風船があるんだよ。こっちの黒いポンプを押すと先端のやつが、ふくらむ」
アダルトショップの店主はうれしそうに説明を始めた。
ダブルピッカーカテーテルの名の通り、二つの風船のあるゴムの管だ。ポンプを押せば、たちまち直径六センチほどの球状に先端が膨らんだ。
「次にこっち」
もう一つのポンプで二つ目の風船が膨らむ。
「わかるかな? つまりこれをあなたのお尻に入れる。そしてこんな風に膨らます」
風船と風船の間を握る。指が肛門、手の平が直腸というわけだ。
「浣腸液は、この真ん中からそっちのエネマシリンジで入れるんだよ。だけど、この風船が小さくならない限り、お嬢さんはウンチができないわけだ」
恐ろしい器具だと亜由美は思う。
「どうなんでしょうね、彼女、ピンポン球を飲み込めるぐらいにはなってるんですけどね」
「だったら、ぜんぜん、問題ない。ローションはちゃんとつけてね。傷つきやすいからさ。それと、これだって万全じゃないよ。お尻の穴が広がってきたら、横から液が漏れることもあるんだからね。絶対に漏れないわけじゃない」
「その風船を二つとも入れたら?」
「いいんじゃないの? そういうことをしている人もいるみたいだよ。拡張にもなるしね。ピンポン球が入るなら、四センチぐらいだよね。うちなら、ほら、そっちにアナルストッパーがあるでしょう。それで最大のが直径八・五センチ。そっちのアナルビーズは、六センチあるからね。お嬢さんなら、それぐらいで許してあげたら?」
「いずれはフィストもしたいんで……」
「うんうん。最近はみんなそう言うね。ほらこれ」
最大のアナルストッパーは、真っ黒な砲弾型のシリコン製だが、どこかの国で開発された殺人兵器のように凄みがある。
店の男は、それと自分の拳を比べる。
「ほらね。ここまで広げればさ」
「なるほど。そうですね」
「でもね、くれぐれも焦ったらダメだよ。無理をすれば、お遊びの時間は即、終了。病院行きになっちゃうよ」
「ありがとうございます。じゃあ、これを」
剛介は亜由美に恥辱をたっぷりと味あわせている。
「ローションをおまけでつけてあげるよ」
剛介は現金で買う。
「そうだ。どうせなら、ここで、つけてみてもいいですか。よくわからないんです」
「いいよ」
店主はあっさり了承する。
「ほら、亜由美。ああおっしゃってるんだから、ちゃんとメス豚らしくしろよ」と剛介。
うながされて、亜由美は自らTシャツを脱ぎ、ホットパンツも足首に落とす。そして土下座だ。
「ありがとうございます。メス豚の亜由美にどうか、その器具の使い方をお教えください」
「いいねえ。よく調教してるね。ほら、じゃあ、ケツを見せろ」
店主は、亜由美の尻を平手で叩く。
亜由美は正座の姿勢から尻を持ち上げる。
「もっとだ」と剛介。
いつものポーズ。尻だけを高く持ち上げて秘部をさらす。
「へえ、こんなもの入れちゃって」と店主が、マーカーを指でつまむ。ねちっこく、上下左右にひねりながら引き抜く。
「ローションなんていらないでしょ」と剛介。
「いやいや、それでもね」
店主はローションを器具の先端にたっぷりと塗る。それから、スコスコとポンプを動かし、「六回握ると、これぐらいだけど」と説明する。
「入れる前に、何回握ればどれだけ膨れるか、必ず確認してね」
そして慣れた手つきで先端を亜由美の肛門に入れる。
マーカーで広げられた肛門は、完全には閉じずにいた。先端部分は簡単に入り、ローションの助けもあってつるりと最初の風船が体内に入り込んでいった。
六回、ポンプを握る。
店主は引っ張ってみる。
「ね? 抜けないでしょ」
亜由美は大きな塊が自分の中にできたことを知る。それが引っ張られても、どうにもならない。ただの空気で膨らんだゴム風船だが、それは恐ろしいものだった。
そしてもう一つのポンプも六回握ると肛門のすぐ近くで大きく膨らんだ。
「どう、苦しいかな?」
「大丈夫です」と亜由美。大丈夫ではないが、そう答えるしかない。
便意とはまた違う直腸の異物感があった。すぐにでも排泄したいが、あまりにも大きすぎる。
そして店主は真ん中のチューブにエネマシリンジを装着した。
「こうやってさ。こっちでスコスコやれば浣腸ができるんだよ」
オレンジ色のゴムのポンプを一度、握る。
「うっ」と亜由美。
「へへへ。空気が入ったろ。これ、空気浣腸っていうんだけどさ。拡張するなら、こういうのもアリだよ」
「なるほど」と剛介。
「だけど、どれだけ入ったかわからないよね。注意してやらないと、腸が破裂するからね。だいたいの目安だけど、このポンプなら、一握りで三十ミリか四十ミリリットルぐらいかな」
「ということは、五回で二百ミリリットル、十回で四百ミリですね」
「一度、水かなんかで、一握りにどのぐらい入るかチェックしてみるといいよ。それから、押した数を数える。女に自分でポンプを押させてもいいし、そのとき数を数えさせるのもいいな。何回か忘れたら、腸が破裂しちゃうんだからね。奴隷だったらよく覚えていとね」と亜由美を脅す。
「試していいですか?」
「いいよ。ほら、立ってごらん」
店主は、立ち上がった亜由美にポンプを渡す。
「握り潰して」
亜由美は自分で自分の中に空気を送り込んだ。ぐぐっと腸が押されるのがわかる。
「数えるんだよ」と剛介。
「一回、二回、三回……」
自分でもよくわからないままに、亜由美は自分で空気浣腸をする。
「これは逆流しないからね。苦しくなったらやめたほうがいい」と店主。
「七回、八回……。苦しいです」
「よし、そこまで。とりあえずこの子は八回ぐらいが限界ってことにしておこう。その方が安全だから」
「ありがとうございます。じゃあ、記念になにか、ここに書いてやってくれませんか?」
「いいの?」
「ええ。これからも、いろいろ教えていただきたいですから」
「じゃあ」と店主は、亜由美の体温を残しているマーカーで、亜由美の尻に「空気浣腸は八回」と書いて、ぴしゃりと叩いた。
「叩きたくなる尻だね」
苦しんでいる亜由美を眺めながら、二人は笑っている。
「ほら、服を着ろ」
「このままで、ですか?」
「決まってるだろ」
Tシャツを着たのはいいが、足下のホットパンツをずりあげても、チューブとポンプは隠しようがない。
まして肛門のすぐ外に大きく膨らんだバルーンがあり、そのせいで尻たぶが左右に押し広げられている。
「こうすればいい」
剛介が、亜由美のTシャツの裾でポンプをくるみ、それを亜由美の腕で抱えるようにして隠す。
そんなことをして歩いている女がいるなどと、世の中の人は想像したりはしない。
だが、亜由美は恥ずかしさで店から出られそうにない。
その先端は自分の肛門から直腸に入っているのだ。そして空気浣腸を自らしたため、大腸が大きく動いて苦しいのである。
お尻に入れていたマーカーは、尻が外のバルーンで左右に開いているためにピチピチになっているホットパンツのポケットに、剛介が強引にねじ込む。
「よし、行くぞ」
まだ明るい街を、そんな格好で歩かされる。
亜由美のマンションまではかなりの距離がある。大学の近くも通らなくてはならない。
苦しくてあまり歩くことができない。
「お願いです。お腹が……」
「部屋まで我慢できないの?」
「苦しくて……」
「よし。じゃあ、条件を出すか。いまここで緩めていいよ。だけど、それを出したあとに違うものを入れないとね」
「違うもの?」
「そうだ、いいことを考えた。いいか、目をつぶるんだ」
亜由美は道路の脇で目をつぶる。
剛介が手を引いて路地に入るのがわかる。
「まだダメだぞ、いいというまで目を開くなよ」
自販機だろうか。剛介がコインを投入した音。電子音がする。
「さあ、なにがいいかな。目をつぶったまま、どれかを選ぶんだ」
ビールの味
腹部の苦しさから逃れるために、目を閉じたまま、亜由美は、手探りで自販機のボタンに触れる。
なんの自販機なのかもわからない。容量もわからない。亜由美の記憶では最大で五百ミリの水。だが三百五十ミリの炭酸もある。
冷たい飲み物だけではない。温かいコーヒーもあるだろう。
しかし目をつぶっていたら、どれがどれだかわかるはずもなかった。
亜由美は適当に押すしかない。
大きな音がして、なにかが出てきた。
「よし、目をあけて自分で取れ」
苦しい腹を抱えるようにして屈み、取り上げて驚いた。
それは五百ミリのビールだった。酒屋の横にある自販機だったのだ。
「そんな」と亜由美。
「いいのを選んだじゃん。昼間からたっぷり飲みたい派だね。ほかにチューハイや日本酒もあったんだけどな」
どのボタンを押しても亜由美はアルコールを腹に入れなくてはならなかったのだ。
度数の少ないものか、強いものか。多いか少ないか。炭酸があるかないか。それによって苦しみは違うかもしれない。
だが、よりによって選んだのは炭酸たっぷりのビールだった……。
剛介は呆然としている亜由美の横に立ち、ポンプに付属している金属のネジを緩める。スーッと空気が抜けて、腸内の風船が萎んでいく。
「どうだ、ラクになったろ。よかったな」
苦しさから一時的に逃れる喜びよりも、これからビールを浣腸される恐ろしさに亜由美は震える。
「もうちょっとこっちにこいよ」
自販機の陰に剛介がすっぽりと隠れる。
路地裏なので、表通りからは見えにくい。だがすぐそこが商店街で、学生や教授、近所の人たちが行き交っている。
亜由美はみんなに顔をさらすようにして自販機の横に不自然に立っていることになる。
ときどき、怪訝そうな顔で亜由美を見る人もいるが、二歩か三歩で通り過ぎてしまう。立ち止まる者はいない。
そう思っても、冷静にはなれない。ゴム管が抜けていないのに、わずかに拡張された肛門は、腸内に溜まった空気を音を立てて排出する。
「ふひひひ」
剛介は笑っている。
「下品な音だなあ、亜由美ちゃんのオナラ」
ホットパンツをずり下げていく。しぼんだカテーテルが抜け落ちそうになっていた。
「もういい?」
「もう少し」
亜由美は自分の手で腹部を押してみる。最後にすっと空気が漏れた。肛門が開いたままになっているのが自覚できる。
なんとだらしない体になってしまったのか。
腸を押すようにして残りの空気も押し出す。それをせずにビールを注入されたらたまらないからだ。
「念には念をね。でもさ、いつまでもここにはいられないからね」
剛介はカテーテルを再び奥に押し込んだ。そしてポンプを操作する。六回膨らませる。
またしても、穴がふさがれていく。腸が膨れていく。
「うぐぅ」
体が変になりそうだった。
「これぐらいで弱音を吐くの?」
「きつい……」
そして手前の風船も膨らませる。
「よし、準備完了」
ホットパンツを再び履かせる。
ここでビールを入れられるのかと亜由美は思ったのだが、そうではないらしい。場所を変えてくれる気になったのなら、ありがたい。
だが、それは浅はかな考えだった。
表通りに出ると、剛介はこれみよがしに五百ミリの缶ビールを、音を立てて開けた。
「オレは飲まないよ。約束通り、亜由美の中に、一滴残さず、入れるんだ。ただし、入れるのはおまえだ。オレはこれを持っていてやるだけだ」
「そんな」
Tシャツと腕で隠しているエネマシリンジの末端を、亜由美は自ら剛介の持っている缶ビールの口に垂らし、自分でポンプを操作して体内に入れろ、というのだ。
大勢の人が行き交う商店街で。
「早くしないと気付かれるよ。オレがこうして缶ビールを持ってやってるからさ」
口の部分を持つことで、そこにチューブが入っていることは、見えにくくなった。
だからといって事態がいい方向へ転じたわけではない。
「早く」
亜由美は自らの手でポンプを操作した。
ググッと管に溜まった空気が押し出される。
二度目に、冷たい液体が流れ込んできた。
腸内に入ると同時にそれは発泡性特有の膨張力を発揮した。腸壁が内側から押されるように広がっていく。
三回、四回。
一度ポンプを握ると三十から四十ミリリットルを腸内へ送り込めると店主は説明していた。
五百ミリのビールは、十回以上、操作しなくてはならない。
チクチクするような刺激が腹を満たしていく。
汗をダラダラと流しながら、商店街を歩き、自らビール浣腸をする惨めな女。
剛介はその姿を写真に収めた。絵になる姿だ。
「おい、君」
初老の男が亜由美の前に立った。
亜由美は朦朧としながらも、見覚えのある顔だと思う。
「君はぼくの講義に熱心に出ていたが、ぼくの学生じゃないね?」
剛介に言われて出ている早朝の講義の
末
土
という名の教授だった。
「どうして、あんなに熱心にノートを取ってるのかな?」
「いえ、別に理由は……」
剛介がいつの間にか、かなり離れたところに立っている。
亜由美は缶ビールを腰に不自然な格好で持たされていた。
それを教授はちらっと見て「昼間から飲むのは、よくないと思うがね」と言う。
「すみません」
「来週も来るのかね?」
「はい」
「じゃ、そのあと、ちょっと時間をあけてほしい。話したいことがあるから」
「わかりました」
末土教授は、険しい表情のまま立ち去った。
剛介がやってきて「どうした」と笑いながら言う。
教授に言われたことをそのまま伝える。
「ふーん。なんだろうな。別に単位が貰えないだけで、履修していない講義だって、出てもいいはずだけどね。おまえに気があるのかもしれないぞ」
「そんな」
「楽しみがまた増えたじゃん。亜由美はメス豚のフェロモンを発散しているからなあ。おかしなやつが寄ってきちゃうんだねえ。すごいね」
商店街の終わりまでに、缶ビールすべてを腸内に入れた亜由美は、腹部があまりにも膨らみ、苦しくて歩くのもやっとだった。
アルコールが急激に回って、くらくらしていた。
「助けてください」
「なんだ、ビールをもっと味わったほうがいいよ」
「限界なんです」
全身から汗を流しているが、太ももに伝っているのは、汗だけではない。剛介はそれを見つけて、指ですくった。
「これはなーんだ?」
妊婦のように膨らんだ腹部に、ホットパンツが食い込んでいる。
バルーンでおさえられている肛門も、いまにもロケットのように中身をぶちまけそうなほどの圧力を受けている。
アダルトグッズ店の店主が注意していたように、完全に逆流を止められるわけではなく、わずかな隙間を縫って、ビールが噴き出している。
「いやらしい格好だよ。よく、昼間の街を歩けるよね」
「許して。もう限界です」
「オレはいいけど、おまえが大変なことになるよね。ここでやるの?」
「ああ、お願い、お願い」
亜由美は泣いて剛介にしがみつく。剛介はそのまましばらく連れ回し、駅裏の空き地を利用した細長い公園に出た。
「あそこにトイレがある」
「ホント?」
亜由美は必死に遠くに見える筒型のトイレを目指す。
「使いたい? でも、条件がある」
「え?」
「ドアを開けたまま、全裸になってやるんだよ」
「そんな……」
「普通にやったら、つまらないしね。写真にも撮りたいし」
剛介は携帯でムービーと写真を撮る。
時間がなかった。亜由美は急いでトイレに入る。丸ごと洗えるようにステンレスでできたトイレ。ドアを開けたままそこに入った。
午後の日差し。遠くで子どもが遊んでいる。それを見守る親もいる。ホームレスがベンチに寝ている。
限界をとっくに超えていた。
亜由美はホットパンツをズリ下げる。Tシャツを脱ぐ。
文字の書かれた裸体。バルーンと管が尻から垂れている。ポンプについているバルブを回し、中のバルーンの空気を抜く。
ほぼ同時に、激しいガスと液体が噴き出した。
「派手な音だなあ」
剛介は笑っている。
「ふえーん」
亜由美は思わず泣いた。
しぼんだバルーンごと、排泄し、その後は長くビールの発泡によってできた空気の塊がアナルを震わせる。
「街中に聞こえそうなだな、亜由美のオナラ」
「ひー」
亜由美は声を噛み殺す。
それでも、腹部がラクになっていくのを感じていた。
落ち着くまで五分ほどかかった。
「まじめそうな学生さんだなあ。大胆だけどね」
「恥ずかしい」
「さあ、じゃあ、ちゃんとまた元に戻すんだよ」
「え?」
「まさか、そのバルーン、持ち歩くつもりじゃないでしょう?」
「でも……」
「さあ、元に戻すんだよ」
亜由美は自分の手で、恐ろしいほど開ききっているアナルに再びカテーテルの先端を入れていく。
「むむむ、はっ」
「いままでは六回だったけど、今度は七回だよ」
七回ポンプを押す。
そして出口のもう一つのバルーンも膨らませてから、ホットパンツにお尻をねじ込んだ。
「まだ、許してくれないんですか?」
「許すとか、許さないとかじゃないよね。これは亜由美が望んだことなんだよ。オレはそれを手伝っているだけ」
「ああ」
亜由美はため息をつく。
同時に体の芯に熱いものを感じる。そうなのだ、これは自分が望んだことなのだ、と気付く。
その証拠に、体が反応している。こんな目に遭っても、なお。
「便利だね。いつでも、なんでも亜由美のお腹に入れることができちゃうんだからね」
指摘されるまでもなく、亜由美は酔いも手伝ってか、とろんとした眼差しになっていた。
「亜由美のお尻に、どんなものでも入れてください」
「そうだね。それがいいね。ただの肉の袋だものね」
剛介はニヤニヤと笑っている。
徹底的に亜由美を汚したい、ボロボロにしてやりたいと思うが、同時にまだ早いとも思うのだった。まだ、始まったばかりなのだから。
発熱の地獄
「はあ、はあ、はあ」
亜由美は、熱い息を吐く。
「もう、許してください。亜由美の体を、どうか、許してください」
懇願しても、会員は容赦がない。
すっかり馴染んだ男子トイレの個室。全裸の亜由美を背後から貫く、四本目の男根。
すでに亜由美は喉の奥まで使って激しくイラマチオをさせられ、三人の精液を飲み干していた。
尻を突き出し、前屈みになって、涙と涎と精液を垂れ流している。
できるだけ短時間に終えてもらえるように、亜由美は自ら尻を前後させる。
「へへへ、よかったよ」
ようやく男は果てた。
「ありがとうございます」
亜由美は向きを変えてしゃがみ、男の先端についている精液の溜まったコンドームを口に含んだ。
口の中できれいにして、四人目の精を飲み込んだ。
男はマーカーを手にした。
亜由美の白い肌に、「ドスケベ」「メスブタ」「便所」「淫乱・亜由美」「中出しOK!」「無料」「ご自由にお使いください」「ザーメン処理します」の文字が乱暴に書かれている。
古い落書きも、新たなになぞられて黒々とした文字になっていた。
腹部に男は「やりまん」と書いた。
亜由美は、くたくたになって剛介の元に戻る。
剛介が持っていたワンピースをかぶる。
「すいません。すごく熱っぽくて」
四日間。裸同然の格好をさせられ、十人もの見知らぬ男たちに犯されてきた。風邪を引いたようだった。
剛介は亜由美の額に手をやり「うん、熱がありそうだなあ」と言う。
「じゃあ、今日は早く部屋に戻ろうか」
「ありがとうございます」
早朝の講義のない日だった。
亜由美の会の会員への奉仕を終えると、学食に行き、熱っぽい中で、食べられるだけの食事を詰め込む。
「今日と明日で残りの会員全員に会わせようと思っていたんだけど」
剛介は当然のことのように言う。
「ムリです。とても……」
「でも、もうすぐ、生理が来ちゃうんでしょう? それまでに一巡しとかないとさ」
「……」
「ま、とにかく、戻ろうか」
ふらふらしている亜由美を連れて大学を出ると、商店街の薬局に亜由美を行かせた。
風邪薬とグリセリンを買うことを命じられた。
以前のチェーン店ではなく、ガラス戸で閉ざされた昔ながらの薬局だ。
恐い顔をして待ち構えている薬剤師に、剛介に言われたように、風邪薬を相談する。
「それから、グリセリンありますか?」
「はい、なににお使いですか?」
中年の薬剤師が、様子のおかしい亜由美をジロジロと無遠慮に見る。
「浣腸をするのに……」
亜由美が小声で言う。
「ああ、そうですか。ご自分で?」
「はい。浣腸が好きなので……」
「危ないですよ。普通のイチジクではダメなんですか?」
「ええ。原液が欲しいんです。あるなら、一番、大きなものを」
「うちじゃ、この五百グラム入りですけど」
「じゃあ、二本、ください」
恥ずかしい思いをさせるだけではない。全身から精液臭を発散している。薄いワンピースの下は全裸だ。
四人の男にトイレで犯されたままの姿だった。
薬剤師が露骨に顔をしかめる。
「あんたみたいな変態がいるとはね」
吐き捨てるように言った。
「すみません」
支払いをして泣きそうになりながら、店を出ると、剛介は笑って待っていた。
亜由美の悲しげな表情が、たまらないのだ。
「恥ずかしすぎますぅ」
「うれしいくせに。これから、この店、しょっちゅう利用するんだよ」
部屋に戻る。
具合が悪くても剛介の前では全裸でいなければならない。
亜由美はワンピースを脱いで、メガネも外した。
「汚いなあ。どろどろだね」
「申し訳ありません」
コップの水で風邪薬を飲む。
「次は浣腸だね?」
「はい」
亜由美はだるかったが、反論はしない。
「熱があるっていうから、冷やそうね」
剛介は洗面器にグリセリンをどぼどぼと無造作に入れた。
容器の三分の一ほどだ。
通常は水で薄めるはずだが、冷蔵庫から氷を出して浮かべる。
「たしかグリセリンは簡単には凍らないはずだよ」と剛介。「少しずつ氷が溶けていくから薄まると思うし」
「それを?」
「なんだ、イヤなの?」
「いえ、そんな。どうか、お許しください」
亜由美は正座して頭を床にこすりつける。
冷たいグリセリンの原液を入れられたらどうなるか、想像もできない。
「心配いらないよ。亜由美はすごい体をしているんだからね。ビール浣腸もできたんだしね」
「壊れてしまうかもしれません」
「平気、平気。ほら、お尻を出して」
亜由美はそのまま体を回し、お尻を突き上げる。
「そうだ、先に少し氷を入れておいたほうがいいかな」
洗面器に浮いている溶けはじめたアイスキューブを、剛介は手にして、亜由美のアナルに押しつけた。溶けながらそれが、ぬるっと入っていく。
「ああ、冷たい」
「いい気持ちだろう」
おそらく四十度近い熱がある。その体内に氷を押し込まれていく。十個も押し込んだ。
「足りないかも」
製氷機からさらに氷を洗面器に足す。
「ギンギンに冷えたグリセリンを入れてあげるね」
例のポンプをセットする。
この二日ほどの拡張で、アナルはすんなりと受け入れる。ポンプを八回、押した。二百四十グラム相当の風船が直腸で膨らんでいる。
そして氷で冷やされたグリセリンが注入されていく。
「ふー、ふー」
息を吐きながら、亜由美は震える。体の芯から冷えてくる。恐怖もある。
「楽しいね」
ズズズと音を立てて冷たいグリセリン原液が、洗面器から亜由美の腸内に移った。
溶けた氷も含まれている。残った氷水も入れる。
「五百ミリの缶ビールが入ったんだから、これぐらい軽いよね」
腸内は冷たさとグリセリンの反応で嵐のように動いていた。
吐き気もする。昼に食べたものを出してしまいそうだ。
亜由美は歯を食いしばって耐える。
「冷たくなったかな?」
冷や汗が全身の毛穴から噴き出していた。
「まだ熱いんだなあ。じゃあ、とっておきのやつをあげようね」
冷蔵庫からさらに氷を出し、それをコンドームに詰めて氷の風船を作る。
「亜由美なら、これぐらい平気だよね」
ゴツゴツしたそれを、性器にあてがう。
「こっちも冷やすと、効果がありそうだよね。いつも発情しちゃってて、発熱源だものね」
「苦しい」
ゴツゴツした氷の入ったゴム製品を、剛介が亜由美の中に詰め込もうとする。
「ぐうわあ」
必死に体を開こうとするが、腸内の苦痛と冷たさで、体は言うことをきかない。
それでも、剛介は冷たい氷袋を、じんわりと肉の中に押し込んでしまった。
「さてと。亜由美、今日、明日で残りの会員のみんなに会ってほしいんだけど、どうかな?」
「ううう」
返事にならない。頭は真っ白だ。苦痛に耐えるだけで精一杯だった。
「といっても、まだ会ったことのない会員はあと八人だけ。たったの八人」
「そんな……」
今日だけですでに四人の性処理をした。
体の具合が悪いのに、さらに八人に犯させるというのか。
亜由美は絶望的な気持ちになる。
「そうそう、そのままじゃ、亜由美が熱に浮かされて、突飛な行動を取ってもいけないからね。ほらほら、横になりなよ」
剛介にうながされ、床に横になる。
「手を出して」
剛介に言われるままに手を出すと、洗濯ロープで両手首をしっかり縛られ、そのまま首の後ろに持って行かれ、首に巻き付けて固定されてしまった。手首をムリに動かすと首が絞まる。
さらに右足をベッドの頭のほうの脚に、左足を反対側の脚に大きく広げられて固定された。
「あんまりうるさいとよくないし、風邪が伝染してもいけないしね」
口にタオルを押し込まれ、その上からさらにタオルで猿ぐつわをされる。
「うん、いいね」
ひとしきり、撮影をして剛介は楽しんでいる。
「まだ十分ぐらいか。まだまだだね」
十五分、二十分と経過する。そこにチャイムが鳴る。
亜由美の体は冷え切り、同時にグリセリンが腸を捩じ切ろうとでもするかのように、激しい痛みを与えていた。
「お、来た来た」
ほどなく三人の学生が亜由美の部屋にやってきた。
「すげえ、マジ、やばい」などと三人は興奮している。
「こんなことして大丈夫なの?」と心配している者もいた。
「大丈夫。自分から進んでやってるんだよ」と剛介。「じゃなきゃ、あんな格好で大学に来る女なんていないだろう?」
「そりゃそうだ」
肌にマーカーで黒々と卑猥な言葉を書かれた女が、全裸でのたうっている。
亜由美の体調など、彼らは気にしていない。
「こんなものを入れて喜んでたんだぜ」
剛介は手品でも見せるように、氷の入ったコンドームを亜由美の中から引き出す。
「むぎゅぃー」
猿ぐつわの奥で亜由美はうめく。
すっかり溶けて水だけになっていた。
そして赤く熟れた粘膜がぽっかりと口を開いて三人を誘う。
「じゃ、さっそく」
三人はじゃんけんをする。
「口は今日は使えないんだけど、そのかわり、好きな体位を試していいよ。それと、オッパイをもっと女らしくしてやりたいんで、強めに揉んでくれないかな。そのほうが悦ぶだろうし」
左足だけを自由にして、ポンプを背中にガムテープで留める。
「これは気にしないで。いまこいつに浣腸してるんだ。よければ、あとで出すところを見て行ってよ」
縛られたままの亜由美に、正常位やバックスタイルで犯す男たち。
落書きされている乳房を、ゴム毬のように握り、しゃぶりつくす。
そして、一人、また一人と挿入しては果てていく。
そのたびに精液の溜まったゴム製品が、顔に押しつけられ、どろりとした粘液が白く顔に垂らされ、淫らな化粧を施される。
三人は「牝犬」「亜由美はみなさんの便女です」「チンポ大好き」と書き足した。
「そろそろ限界みたいだね」
剛介は、洗面器を亜由美に見せる。体を起こし、そこにしゃがませる。
「よければ、見ていけば?」
「写真、いいかな?」
「いいよ、もちろん」
剛介はポンプの空気を出し、ガムテープを乱暴にはがし、カテーテルを引き抜いていく。
「ぐぐぅがー」
液状の排泄物が洗面器にぶちまけられる。
「うわ、すげえな」
「臭い、臭い」
三人ははしゃぐ。剛介は窓をあける。
「うぐぅ、うぐぅ」
亜由美はもだえ、苦しみながら、絞り出すように長い排泄をした。
「すげえもの見ちゃったな」
興奮している三人を、「じゃ、また連絡するから。よろしく」と送り出す。
「少しは熱、下がった?」
そんなわけはないのだが、剛介はかつて亜由美の服だった布の切れ端で、顔の精液を拭き取り、下半身を拭ってやる。
そして「ちょっと待ってろ」と言い、排泄物をトイレに捨てると、ついでに、コンビニへ行って大量のロックアイスを買って来た。
スティック状のビニールに包まれたアイスキャンディーも買った。
「もっと冷たくしてあげるよ」
洗面器にロックアイスを入れ、そこにグリセリンを三分の一ほど加える。
「氷が溶けるまで、これで冷やしてあげるよ」
青いアイスキャンディーを今日だけでも七人に犯されて赤く熟れきっている性器に一本、入れる。
口をふさがれて、体をくねらせることでしか反応できない亜由美が、いやがりながらも、敏感な部分を傷つけないように、なんとか飲み込もうとしている。
剛介にはそれがたまらなくおもしろい。
いやなことをされているのに、自ら進んで腰を突き上げて、キャンディーを奥深く飲み込む亜由美。
「んん、むふぅ」
「冷たいだろう?」
そして、剛介はキャンディーを亜由美の体温で溶かすように、前後に動かしてやる。
「いい感じになってきたね」
そしてアナルには角のとれたロックアイスを詰め込んでいく。
外からの風を受け、都会の騒音を聞きながら、剛介は夢中になる。
カテーテルを入れて風船を膨らませる。
「もっと亜由美も鍛えないとね。お嬢さんみたいに、柔らかなベッドで寝ていれば病気が治るような、そんな弱々しいんじゃ、ダメだよ。亜由美は苦痛の中で病気が治るんだ。めちゃくちゃにされれば、されるほど抵抗力が増すんだよ」
そしてポンプを握り、溶けた氷水とグリセリンを腸に入れていく。
「んが、んが」
ポンプを押すたびに、亜由美はうめく。
「こんな女子大生はいないよね? 処女を失って四日で十二人の違う男たちに犯されて喜んでいるメス豚」
剛介はぐいぐいとポンプを押した。
地獄のようだ……。亜由美は朦朧としながら思う。
それは、すべて自分の犯した重大な過ちのせいだ。
自分の体、自分の命、自分の運命。それをすべてゴミ箱に投げ入れるかのように、自ら落ちることを選んだ。その過ちは、地獄で償うしかないのかもしれない。
逃避する脳
亜由美は再び冷たくきつい浣腸液で腹を満たされ、くねりながら苦しんでいた。
病気のせいか、それとも剛介の仕打ちのせいか、区別がつかなくなっていた。
ふと、何度も意識が遠くなっていく。それは安らかで幸福な瞬間だ。
「おっと、まだまだお友だちが来るんだからね。失神しちゃダメだよ」
剛介は、亜由美が一人暮らしを始めてから購入した電動マッサージ機を取り出し、電源コードを接続した。
「スケベなメス豚・亜由美ちゃんは、こんな機械をどんなふうに使っていたのかな?」
スライド式の無段階のスイッチがあり、弱から強まで自在にコントロールできる。剛介はそれを、自分の手にあててみる。
弱は携帯のバイブ機能より少し弱い。そこから、徐々に強くしていく。
最初は手首で吸収できてしまう程度の振動だ。それが、しだに肘まで響くようになり、さらに強くしていくと拳で叩かれているように痛みが感じられるまでになる。最後には肩、そして上半身全体にまで削岩機のような振動が伝わる。
「なるほどね。こんなのでやってたわけか」
男たちにもみしだかれて、赤くなっている乳房に目を向けた。
片手でまず右の乳房をつかみ、絞り出すようにする。
「うがぁ」
その痛みにうめく。
最初に亜由美の熟れた乳房を握ったときの硬さに比べれば、やや柔軟になってきたのではないか。
パンと張った皮膚は若く、針を刺した跡もすでに消えていた。マーカーで卑猥なマークを書かれているからか、剛介は容赦なく物のように扱うことができた。
もし美しいままの乳房だったら、剛介はただそこに顔をうずめ、普通のセックスをし、愛情を感じていたかもしれない。
ふと、そんな想像もするが「それはないな」と否定する。
「こいつは、生まれつきのメス豚だもの」
さらにきつく握る。
乳首がツンと立っている。
処女を失い、多くの男たちに犯されてはいても、乳房はほとんど愛撫されることもなく、放置されてきた。
トイレで犯されながら、まさぐられたりもしただろうが、それだけでは足りないはずだ。
ここも亜由美の大切な性感帯に違いない。
緩く振動する機械の先端を乳首からやや遠い部分にあててみる。
ビクンと亜由美が反応する。
弱い振動から、徐々に強くしていく。やがて、暴力的なまでの強さにすると、魚のように、乳房が剛介の手の中で暴れる。
「がっげっ」
「これはおもしろいな」
そして機械をときどき、乳首に接触させる。
「ぐえー」
亜由美のうめき声が頂点に達する。
敏感な部分に、殴りつけるような荒々しい暴力。
わずか小指の先ほどの繊細な肉体の一部が、激しくいたぶられる。それは快感などではない。
「いいねえ。いい反応だ。どんどんメス豚らしくなってきたね、亜由美」
右の乳房は、たちまち真っ赤に腫れていった。人の手によるものとは比べようのない刺激なのだ。
続いて左の乳房。
「どうだ、こっちのオッパイも真っ赤にしてあげるよ」
「うぎゅーん、うぎゅーん」
サイレンのように亜由美は声をあげるが、猿ぐつわのタオルに吸収されてしまう。
全身でもだえながら、なんとか痛みから逃げようとする。
両足を開いた形で、再びベッドの脚に縛り付けられ、亜由美は逃げることもできず、激しい振動に体を震わせるしかない。
乳房を散々なぶった剛介は、汗だくの亜由美の体を撫で回す。
これほどおもしろいオモチャが自分のものになったのだ。オモチャを壊すことも、楽しみのうちだった。
どんな風に壊すか。
剛介は、衝動にかられても焦らず、時間をかけて楽しみたいと思っていた。
「どんどん、下に行くよ」
熱のある体に、容赦なく激しい振動が襲う。
「がっ」
亜由美が反応する。
乳房の根本。脇の急所。肋骨に沿って下がる。
暴れる亜由美に、ベッドが動くほどだ。相当の痛みだろう。骨に直接響いているはずだ。
脇腹。
そこも急所で、優しく触るだけでもくすぐったくなってしまう。そこに徐々に強くしながら電マを当てる。
体をよじっても逃げられない。
「さあ、じゃあ、ここはどうかな?」
浣腸でパンパンに膨らんでいる腹部。そこをまず手で撫でてやる。
「むむぅぅぅ」
「いっぱい入ってるよね。苦しいだろう。少し忘れさせてあげるよ」
電マをやさしく腹部にあてる。
「くがー」
悲鳴が上がる。
まだ強くしていないが、早くも亜由美はやってくるであろう痛みを想像して暴れている。
「まだやっていないのに、大げさだな。じゃ、もう少し強くしてみるよ」
スイッチをスライドさせる。
「ががーあ」
亜由美のうなり声と機械の無常な音が部屋に響く。
コンセントからの交流電源は、何時間でもフルパワーで振動し続けることができる。
硬いプラスチックとゴムでできた先端が、柔らかな腹部にめり込む。
亜由美は苦痛にもがき苦しんでいる。
「出そうか? だめだぞ、漏らしたら」
妊娠したかのような腹部を満遍なくマッサージする。
剛介は想像する。
大腸を満たしている冷たい浣腸液がまるで沸騰しているように振動している様を。
腸は蛇のようにのたくっているが、振動から逃れるすべはない。
「どうだ。マッサージは体にいいからね。これで亜由美ちゃんは、もっと健康になるね」
指先で下腹を探る。
じっとりと濡れている。新たな淫水があふれてる。
「亜由美。本当にスケベだね。これだけ苦しい目にあっても、まだ感じるんだね。本当にどうしようもないな」
機械をその周辺から尻、太ももへとあてていく。
円を描くように、しだいに鼠径部へ的を絞っていく。
「だぎぃ、だぎぃ」
「期待してるの? 何度もいかせてあげるよ。亜由美は、風邪ぐらい、セックスで吹っ飛ばしちゃうんだよね」
ついに中心に振動が迫る。
これまで剛介は意図的に陰核を責めることはしなかった。
亜由美のクリトリスはやや皮の陰にあり、あまり大きいとは言えない。オナニー三昧で大きく肥大していてもいいはずだが、もしかすると亜由美が言うように、本気で勉強だけに打ち込んで、オナニーはほとんどしていなかったのかもしれない。
「どうなの? ここでオナニーとかするんでしょう?」
指先で皮を剥き、ほんの小さなピンクの突起を出す。
「がぎぃ、がぎぃ」
なにをされるかわかって、亜由美は暴れる。
その胸の部分に剛介は馬乗りになって抑え付けた。
「うるさいな。催促するなって。じっくりやらないとね。すごく敏感なんだものね」
指で愛撫してから、やや肥大したところで、一番弱い振動を徐々に近づけていく。
「ぎゅえー」
亜由美は全身を機械による容赦ない愛撫に晒され、体内ではドロドロとした溶岩のような排泄感と灼熱感を味わいながら、自分の体が壊れていくのを実感していた。
なにも考えることはできない。
ちっぽけな肉体がひたすら刺激に反射しているだけで、のけぞり、うめき、涙し、分泌する。
こうして自分はすっかり自分でなくなるのか。それによって、なにが起こるのか。
あと一ミリでも接近すれば、失神してしまうのではないか。
亜由美はそう思う。


