キンク(kink)とは、人間の性において、型破りな性行為、概念、空想を用いることをいう。語は、人の性行動における「屈折」(bend、kink)という考えに由来し、そうした行動を「ストレート」または「バニラ」の性的風俗や性癖と対比する。非規範的な性行動を指す口語である。21世紀では、BDSM、レザー、フェティシズムなどの表現とともに、性的倒錯という臨床語より一般に使われるようになった。一部の大学では、LGBTQの文脈のなかでキンクに焦点を当てた学生団体が組織されている。
バニラの向こう、フェティシズムとの切り分け
キンクの性行為は、性的パートナーとの親密さを高める手段として、従来の性行為と考えられているものの向こうにある。キンクとフェティシズムを区別し、前者をパートナーとの親密さを高めるもの、後者はその代わりとなるものと定義する人もいる。性的価値観自体が時代と場所で変わるため、何がキンクで何がそうでないかの定義も大きく揺れる。臨床のパラフィリアと、コミュニティの自称キンクは、同じ行為を指しても枠が違う。
2016年の調査
2016年に発表された調査では、回答者の半数近くが何らかの性的倒錯に興味を持ち、約3分の1が少なくとも一度は性的倒錯行為を行ったことがある、と報告された。少数者の病理として語られがちだった行為が、調査の数字では珍しくない関心として出てくる。大学の学生団体がLGBTQの議論のなかでキンクを扱うのも、病理語よりコミュニティ語としてこの語が使われていることの現れである。バニラの外側を、倒錯ではなくキンクと呼ぶ言い方が、21世紀の口語では先に立っている。
屈折(bend、kink)という語源は、まっすぐな性——ストレート、バニラ——からの折れ曲がりを指す。BDSM、レザー、フェティシズムは、その折れ曲がりの代表としてこの語と一緒に使われる。パートナーとの親密さを高める手段として従来の性行為の向こうへ出る、というのがキンク側の自己定義に近い。フェティシズムを「親密さの代わり」と切り分ける人もいる。何がキンクかは、その土地とその時代の性的価値観で変わる。臨床のパラフィリア、口語のキンク、大学のLGBTQ学生団体が扱うキンク。2016年調査の「半数近くが興味、約3分の1が実行経験」は、倒錯を例外視する語りを、数字の側から崩す材料として残っている。











