『この男は人生最大の過ちです』は、九瀬しきによる日本の漫画である。『コミックシーモア』内の電子コミック誌『恋するソワレ』(ソルマーレ編集部)で2017年Vol.3より連載中。ラテン語めかした副題として konootoko ha jinseisaidai no ayamachi desu と併記されることもある。「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2019」で女性部門賞を受けた。2019年には石川恋と井浦新主演の実写CMが、映画館限定の劇場予告として流れた。2020年1月19日から3月22日まで、朝日放送テレビ制作の「ドラマL」枠でテレビドラマ化された。クールなOLが自社の社長をバーで転ばせた翌朝、社長室で「僕を奴隷にしてください」と頼まれる話である。
バーの足と、社長室の懇願
製薬会社で事務をする佐藤唯は、愛犬を亡くした夜にバーでやけ酒を飲む。隣の男に嫌味を言われ、正直者の唯はキレて、席を立つ瞬間に足を引っかけて転ばせる。やりすぎたかと後悔して帰り、翌朝出社すると、社長・天城恭一が自分を探していると知る。バーの男は自社の社長だった。社長室に呼ばれ、クビを覚悟する。提示された話は解雇ではなく、「僕を奴隷にしてください」だった。平穏を好むリアリストのOLと、ありのままの意見をぶつけてくる人間に飢えていた研究者社長。主従の契約が、転倒の延長で始まる。
佐藤唯(実写PVでは石川恋)はクールなリアリストで、平穏な生活を愛している。長年の愛犬の病死、バーでの仕返し、それが社長だったこと。人生がそこで折れる。天城恭一(同・井浦新)は天城製薬の社長で、役職だけでなく研究者としても社内随一。周囲に本音をぶつける人間が少なく、自然体の唯に好意を抱く。名取蒼は天城の秘書。優秀だが、飲み屋で女の子と酒を飲むのが何より好きで、作中でもライフワークと明言される。天城には、唯を手に入れるための駒として日夜こき使われる。社長の服従願望と、秘書の夜の飲みと、OLの平常運転が、同じ社内で噛み合わない。
スフレコミックス既刊
九瀬しき『この男は人生最大の過ちです』は、Jパブリッシング〈スフレコミックス〉から既刊10巻(2024年11月19日現在)。第1巻・第2巻は2019年1月25日(ISBN 978-4-86669-168-8 / 978-4-86669-169-5)。第3巻は2019年8月16日(978-4-86669-220-3)。第4巻は2020年2月10日(978-4-86669-268-5)。第5巻は2020年12月18日(978-4-86669-356-9)。第6巻は2021年9月17日(978-4-86669-429-0)。第7巻は2022年6月10日(978-4-86669-497-9)。第8巻は2023年3月17日(978-4-86669-556-3)。第9巻は2024年1月19日(978-4-86669-643-0)。第10巻は2024年11月15日(978-4-86669-718-5)。電子連載から紙のスフレへ移し、大賞の翌年から毎年巻を重ねている。
ドラマL、速水もこみち
テレビドラマは2020年1月19日から3月22日まで、朝日放送テレビ制作によりテレビ朝日ほか一部系列局の「ドラマL」で放送された。主演は『ハンマーセッション!』以来10年ぶりとなる速水もこみち。天城恭一を速水、佐藤唯を松井愛莉、三島冴を田中道子、名取蒼を入江甚儀、石川麻美を片山萌美、藍田航之郎を平岡祐太が演じる。原作の主従を、連ドラの社内恋愛へ載せた。
原作は九瀬しき。プロデューサーは山崎宏太(朝日放送テレビ)と清家優輝(ファインエンターテイメント)。監督は菊地健雄、桑島憲司。音楽は池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)。主題歌は川口レイジ「I’m a slave for you」(アリオラジャパン)、エンディングは同「STOP」。脚本はさくのり限、伊澤理絵。制作協力はファインエンターテイメント、制作著作は朝日放送テレビ。放送日は制作局の朝日放送テレビ基準。ドラマ側では三島冴、石川麻美、藍田航之郎が加わり、原作の秘書・名取に社内の人間関係が厚くなる。バーで転ばせた男が社長で、社長が奴隷を志願する。電子コミックの女性部門賞作が、劇場予告の井浦新・石川恋と、ドラマLの速水もこみち・松井愛莉へ分かれて映像化された。スフレコミックスは2019年から2024年まで10巻。連載は2017年Vol.3から、いまも『恋するソワレ』で続いている。












