年下の義母 第三章 肛姦に疼く義母 ~ 第四章 柔肌を火照らせる義母 (2/6)
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第三章 肛姦に疼く義母
ジジジジーッ。
七時にセットされてあった置時計のベルで、由貴子は十年前の忌まわしい記憶から現実に引き戻された。由貴子は複雑な気持で、あの時の痛みと、ターニング・ポイントともなった快楽の瞬間を想いだし、それを振りきるようにバスルームに飛こむと、急いで身支度をしてキッチンに向かった。
昨夜の今朝なので、智史と顔を会わせるのがはばかられたが、朝食の支度をしないわけにいかない。三十分ほどで軽い朝食の用意をして新聞を読んでいると、ほどなくして智史が入ってきた。
「おはよう」
いつもと変わらぬ挨拶に、由貴子は内心ほっとした。できるだけ冷静を装ってとりとめもない会話を交わすうちに、智史は何事もなかったように出勤の用意をしに自室に戻っていった。
心のどこかで拍子抜けした気分が残っている。昨夜はあんなに情熱的だったのに、やはりその場限りの遊びにすぎなかったのだろうか? かえってそのほうがいいという気持がある反面、ただ弄ばれたのでは腹の虫がおさまらない気もする。
いや、後悔しているのかもしれない。だとしたら、私はなおのこと身を縮めて、悔い改めるべきなんだ……。あれは一夜の夢だったのだ。それでいいではないか。そうは思ってみるのだが、なんとなく気持のうえですっきりしない。
喉の奥に魚の小骨がひっかかっているようなもどかしさがある。ぼんやり椅子に座りながら、昨夜の狂態を想い起こして人知れず赤面した。
八時半になると、いつものように出勤姿で智史が再び入ってきた。
「親父は今日じゅうに帰ってくるの?」
「今日の都合で電話を入れると言ってましたけど」
いつもより言葉遣いが丁寧になっているのは、昨夜のことにこだわっているからに違いない。もっとざっくばらんに、くだけた調子で話さなきゃ……。
そんなことを思いながら玄関ドアのところまで智史を送りに出てくると、いきなり引き寄せられて唇を塞がれた。とっさのことだったので、由貴子の頭の中は混乱し、判断がつかないまま、キスを受け入れていた。二人のこれからの進むべき道は肉体関係を前提としたのものなのか、それとも、昨日のことは過失として、今からきっぱりと突き離して毅然とした態度をとるべきなのか、心の整理がつかない。
その場限りの簡単な挨拶代わりのキスというわけではかなった。舌がどんどん口腔内に侵入し、歯の後ろまで濃厚に舐めまわすフレンチキスである。唾を送りこまれると、由貴子は何のためらいもなく吸い、返礼のように唾を送りかえした。
だが、年上の息子である智史の手が、ブラウスのボタンを外して乳房に伸びてきた時、由貴子は不意に自分の置かれている立場の微妙さに気づき、あわてふためいて智史の手を押しのけた。同時に体を突き離すと逃げるようにして奥へ駆けこんだ。追ってこないと思っていたのに、すぐ後ろに足音が迫ってくる。
結局、逃げたしたということが一つのきっかけとなって、二人は争った。リビングルームのソファの上に押し倒された由貴子は、争いながら、なぜ自分がこうまでして抵抗しなければならないのか、まったく見当がつかなかった。昨夜は、自分からすすんで挑発するような行動に出たくせに……。
また同じように智史も疑問に思っていた。どうしてこの女は、こうもかたくななまでに俺を拒もうとするのか? 昨夜の痺れるような由貴子の狂態を想い出すと、頭にカーッと血が昇った。争う必要のない二人は、むきになって格闘した。馴れあいという感じではなかった。
由貴子は男の強い力に組み敷かれながら、ふと自分はこういう愛のかたちを望んでいるのではないかと思っていた。男の暴力によって犯されるという愛のかたちを!!
「いやですッ
!!
」
由貴子の口からハッとするほど強い口調で拒絶の声が飛びだした。
「自分から誘ったくせしてッ」
言う必要のないことを言ってしまったと思いながら、智史は自分でも思いがけないくらいの力で由貴子の頬を殴りつけていた。
「ひどいッ
!!
」
由貴子はブルブルと震えたが、どこかで体がそれを待ち望んでいたような気がした。怒りと、何か高揚した気分が一緒くたになって、由貴子はしだいに興奮させられていった。頭のどこかで十年前の廃屋の風景がひろがり、次の瞬間、由貴子はタイムスリップして、そこに転がされ、無惨に行きずりの男に犯されようとしていた。
「いやよッ、やめてッ
!!
いや--ッ
!!
」
広い邸の中だったからよかったものの、ごく普通の一軒家だったなら、隣家にその絶叫は聞こえていたに違いない。
智史は昨夜とはまったく事態が違うことにとまどいつつも、由貴子のあまりにもすさまじい抵抗に、ついにはありったけの力をふりしぼって対抗した。衣服は引き裂け、露出した肌が、智史の欲望にいっそう油を注いだ。
カーッと燃えあがった炎のような情欲は、いつしか由貴子にも襲いかかっていた。反抗しながら、由貴子の股間は溢れでた媚液でビッショリと濡れていった。
それだけではない。あの時以来、決して男の手に触れさせたことのないアヌスの粘膜が、何かを望むように震え、由貴子の心の底に流れる犯されたいという気持をさらに深いものにしていった。
ようやく疲れて力の弱まった由貴子の股間に、智史の手が伸びた。身につけているものといったら、まくれあがったスカートと切れこみの深いパンティだけである。小さなパンティの下に智史の大きな手がもぐりこんだ。指の間から由貴子のそう濃くない繊毛がはみだして、何本かがフロアに舞った。
そこで、智史の指は多量の生温かい溶液をはっきり感じとった。
「こんなに濡れているのに……」
腹立たしげに智史の声が飛んだ。女の体の不思議さが智史をいっそう刺激する。それでも、疲れ果てた由貴子はぼんやりした瞳で、弱々しく智史を突き離そうともがいていた。
智史は乱暴に三本の指を束にして、濡れて息づく秘口に突き刺した。難なく由貴子の粘膜は迎え入れ、さらに媚液を吐きだして貝の触手のように絡みついた。
「あああ--ふあァ……」
その声は、それまで出していた拒絶の声とは明らかに異なっていた。
今になって身勝手なッ……。智史は優しさをかなぐり捨てて指を掻きまわし、掌を秘口の上部と陰核にグイグイと押しつけた。由貴子は跳ねあがって悲鳴をあげたが、お構いなしに、とうとう親指を除く四本の指をぬるついた秘裂の奥へ送りこむ。
自分の残忍さに驚きながらも、智史はやめようとしないばかりか、残る親指の腹で陰核を思いきり強く擦りあげる。
「ひえ--ッ!」
由貴子の抵抗もそこまでだった。すっかり疲れ果てた由貴子は、全身にうっすらと汗を滲ませながら荒い息を吐いて、ソファからフロアに転がり落ちた。
智史は素早く身につけているものをすべてかなぐり捨てると、ぶざまなくらい大きくなった怒張を揺らせながら、由貴子も自分と同じように素っ裸にしてしまった。智史にとって、それまでの義母の抵抗は許し難い謀反に他ならなかった。
人をコケにしやがって……という気持が強く智史を支配していた。こってりと仕置きをしてやらなけりゃ……。智史が長いものをブラブラさせて由貴子の横に立つと、年下の義母は暗い目で恨みがましく見つめている。
「どうしてこんなに手こずらせたんだ」
由貴子は無言のまま潤んだ瞳で睨みかえしただけである。
智史は顔の上にまたがると、由貴子の朱く濡れた唇に熱く充血した怒張を押しこもうとした。由貴子がパッと顔をそむけたので、頬から耳のあたりにかけて、剛棒の先から滲みでた男の露が一条の線となって走った。由貴子は目を閉じて、深く静かに智史のエッセンスの匂いを吸いこんだ。少女の頃の廃屋での忌まわしくも懐かしい想い出が、また瞼の裏側で昨日のことのように蘇った。浅黒い中年男の腰から突きでた、途方もなく大きなこわばりから匂いたった酸味が想い出された。
智史に髪の毛をつかまれ、無理矢理こわばりを口に押しこまれると、由貴子の舌は自然と先端の切れ口を掃くように舐めていた。充足した呻き声が頭上ですると、由貴子は、今までの抵抗が嘘のように従順になり、若い剛棒を夢中で舐めまわし、吸いたてた。
無理矢理やらされているんだわ……。由貴子は暴力に屈した女を演じた。そうすることで自ら性感を高めていった。もっと乱暴に扱ってくれないかしら……。おとなしくなった智史にちょっぴり不満だった。
突然、心地よさを全身に送りこんでいる肉茎が喰いちぎられそうになって、智史は仰天した。
「痛ッ、何をするッ
!!
」
智史はフェラチオをしている由貴子を突き放すと、思いきりその頬を張った。あまりの痛さに、由貴子はその場にうずくまってしまう。
痺れるような痛さと同時に、由貴子の股間の切れ目からまたしても熱い媚液がほとばしった。
智史はふと目をやった肉茎の表皮に、うっすらと血が滲んでいるのを見つけると、いっそう腹をたてた。さまざまに変わる女の態度が理解できなかった。乳房に喰らいついて血が流れるほど歯型をつけてやろうと思った。それでも父に見つかった時のことを考えるとそれもできない。
不意にあることを思いついて、智史は小悪党のような笑みを洩らした。怒張はその先端から、快楽の先走りの透明な汁を滴らせてうち震えている。
よし、こいつを……智史は由貴子のしなやかな体をかかえると、上半身を裏返しにしてソファにもたせかけた。腰から下がフロアに垂れて、可愛らしい膝が折れている。白く丸いヒップの双丘が、ツヤツヤした柔肌をさらして、すぐ目の前に突きだしていた。
びっくりするだろうな……。智史は自分が考えていることを実行した時の、由貴子の驚きぶりを考えるとわくわくした。背筋に唇を這わせながらそっと指先を双丘の割れ目に当てがうと、その時だけ義母の体がピクンと震えた。だが、あとはおとなしい。智史は相手を驚かせるようなことを極力避けながら、ゆっくりヒップのほうへ移動し、時間をかけて、ようやく割れ目の後ろに腰をすえた。
小さな花の蕾と深く切れこんだ溝が、白い肌と見事なコントラストを見せて視界に飛びこんだ。前から見るとあんなに可憐でつつましやかなのに、どうして、こういう位置から見ると淫靡でいやらしく見えるのだろう。だが、素晴らしい光景であることに疑いの余地はない。全世界の男性の目をこれほど楽しませてくれるものが、他に存在するだろうか!
目に染みる見事なまでの光景を充分に堪能した智史は、淡紅色にまくれあがって膨らみきった秘唇で指を湿らせると、用心深くクリトリスから会陰部にかけて、デリケートなタッチで撫でまわした。長い時間をかけて同じことを繰りかえしているうちに、由貴子の体がしだいにさざ波のように揺れはじめる。白かった肌も、うっすらと紅をはたいたようにほんのりと薄紅く染まっている。
まだだ……もう一息……。智史は出勤する時間も仕事もすべて忘れて、今は目の前にだけ展けている、小さくて偉大な女の世界に没頭していった。
あの時もこんなふうに恥ずかしい姿にされたんだわ。こういう格好をすれば女の秘所はすべてさらされてしまうのよ……。由貴子は心の中で呟く。
立っている時や座っている時なら、前をちょっと片手で覆うだけで、アクセサリーである恥毛だってその大部分が隠れてしまう。ましてや恥ずかしい部分などは、絶対に他人の目に触れることはない。しかし、いったん裏返しにされて犬のように四つん這いにされてしまうと、これほどものの見事に全容をさらしてしまうポーズはなかった。
由貴子は自分が今、淫らがましい状態に置かれていることをはっきり意識しながら、飛び立つような思いで全身を火照らせていた。何もかも見られている。目を閉じると、故郷の廃屋の崩れかけた壁土の前で、中年男に強姦されて、恥ずかしい姿をとらされている若き日の自分の姿が鮮明に蘇ってくる。刺すような男の視線がどこに向けられているかを考えると、そこの肉の一片一片が歓喜に震えてくるようだった。
トロリと溶けだした生温かい液体が、内腿を伝わって膝のほうへ流れ落ちてゆく。年上の息子の指がそれを追うようになぞり、また粘膜に戻って掃くようにくすぐる。
由貴子は耐えた。そして賭けた。きっと、智史の興味は私のあそこ--美しくすぼまった小さな花園に向けられる!!
期待に胸が高まり、体のすべての粘膜が嬉々として震える。それと同時に、いったいどこから湧きだすのか、またしてもトロリとしたものが内部から溶解して、押しだされるように溢れてくる。
智史の指は、薄くのばした糊に浸したようにぬるついた粘液でまみれた。智史は指先だけで観衆を酔わせる手品師のように、細心の注意を自分の指先に集中させた。手刀を切るように、まず五本の指を揃えて掌を縦にすると、すべて、由貴子の吐きだした粘液にドップリと浸し、充分に湿り気を与えた。
まず、人差し指、中指、薬指を密着させてから、少しずつ濡れた秘口の中に埋めこんでゆく。同時に小指の先で、充血してコリッとしはじめた陰核をくすぐったり弾いたりした。決して急いだりしない。焦らすのも女を攻略する戦法の一つだということを、智史は過去の女たちから学んだ。だから、たっぷりと時間をかける。
二分……五分……十分……。由貴子の体が少しずつ微妙に変化してゆくのを見るのも楽しみのひとつだ。
額をソファに押しつけながら、しだいに由貴子の口から切なくやるせないよがり声が洩れはじめる。その声は重く沈んだ室内の空気を間断なく震わせた。もうすっかり由貴子はその気になっているはずだが、智史は辛抱した。辛いが、ここで耐えればあとの楽しみも倍加する。
「ああッ……入れてッ
!!
」
とうとう堪えきれなくなった由貴子は、背をのけ反らして真実の声を放った。
だが、それですぐに女の尻馬に乗るようではまだ修業が足りない。むしろ、ここからが正念場といえる。男だって、無論、早く体をつなげたい。怒張の筒先からは歓喜の先走りの透きとおった露がプツン……と湧きあがり、粘り気のある糸を引いて落ちてゆく。確かに辛いところだ。
「あッハーン……もういやッ、入れてッ
!!
たまんないのよォ--ッ
!!
……」
とうとう由貴子は泣きだした。ここで、智史は次の企てをこっそりと実行に移した。五本の指のうち、親指以外の四本の指はすべてそれぞれの持ち場で一生懸命働いている。残るのは親指だけだ。これをいつまでも遊ばせておく手はない。
由貴子は四本の指の活躍ですっかりあおられて陶酔し、官能の渦の中に巻きこまれて歓喜に咽んでいる。
これでも充分満足に違いないのだが、女の体には限界というものがない。さらに何らかの工夫を施せば、より以上に歓びを喚起させられるというのが女の肉体なのだ。燃えたぎる圧倒的な性感に浮遊している由貴子は、もうろうとした頭の中で、もう一つの別の粘膜に異物を感じてゾクッとした。柔肌がサーッと粟立った。だがそれは、決して怖ろしさのためではない。むしろ、その逆である。
再び、由貴子の思考は十年前にタイム・スリップした。だが柔らかい可憐な蕾の上を這っている親指は、あの暴漢の節くれだったもののように、一気に押しこんできたりはしなかった。一定のリズムで、時には強く、そして時にはソフトに押しこんでくる。
由貴子の気持は、受け入れたいという部分と、この世のものとは思われない痛みから逃避したいという部分に二分された。
指は少しずつだが皺々の皮膚を押し分けて、奥へ進む気配をみせている。突然、由貴子の想像のなかで目の前に凶悪な強姦魔がヌーッと立ちはだかった。
「いや--ッ
!!
」
由貴子は叫んで逃げだそうとした。しかし、すぐに髪の毛を引きちぎられるほどつかまれて、グイグイとソファに顔を押しつけられてしまった。
鼻と口をスプリングのきいたソファに埋めこめられて、息ができなくなり、必死でもがいた。実際には凶悪犯など影も形もなかったのだが、そう思うことによって、由貴子は性感のなかに自分をどっぷりと浸らせようと試みたのだ。あの十年前の忌まわしい記憶のなかで得た金色に輝く性の歓喜を、再び得たいと願っている自分をはっきりと感じた。
だから、とてつもない声を出して叫び、逃げだそうとしたのだ。智史がもしも、ただ呆気にとられているばかりで、追ったり、押さえつけたりしなったら、由貴子の意図した性の遊戯は、それで中断され、二人は白け、気まずい思いをしたに違いない。
しかし、智史はうまく年下の義母の企てに引っかかった。だから本気で押さえつけ、怒り狂った状態で、最初に考えた由貴子に対する仕置きの刑をすぐさま実行に移した。怒張を、押さえつけた年下の義母のアヌスに埋めこもうとしたのだ。由貴子は腰を左右に激しく振って拒んだ。
もっと乱暴にやって
!!
……心の中でそう叫んでいた。おとなしく男を受け入れることはたやすい。だが、今の自分はそれを望んでいない。あの時の暴漢のように、グイッと盤石の力で押さえつけて、引き裂くほどに突っこんでもらいたかった。
智史は由貴子の心のうちを知ってか知らずか、左手でキュッとくびれたウエストをガッチリとかかえこむと、膨れあがった怒張に右手を添えて、何度も双丘の割れ目に当てがった。だが、智史が狙ったアヌスのすぼまりにはなかなか入らない。かえって、濡れそぼった肉の扉を押し分けて、当然すぎるほど当然の、女唇を突き刺した形になった。
そのたびに、言いようのない快感が由貴子をグングンと高みへと押しあげていった。にもかかわらず、由貴子は貫こうとする剛直から逃げまわった。
こうした遊戯のさなかに、由貴子の頭の中を何度も廃屋の光景が去来しては消えていった。あの時の激痛を怖れながらも、それをまた待ち望んでいるもう一人の由貴子がいた。
自分自身が不思議でならなかった。たった二日で、とてつもない人生の岐路に立っている不安と、これから先に展開する若い義理の息子との息づまる生活や、性の緊張した日々を考えると、ひとりでに体が震え、秘唇が疼いて、ドクドクと恥ずかしいほどの快液を吐きつづけた。
由貴子があまり執拗に暴れるので、ついに智史は諦めたのか、それとも再びおさまった膣口の快さに満足したのか、そのままの状態でゆらゆらと腰を使いはじめた。
ああ、こんなことなら、ほどほどのところでおとなしくしていればよかった……。由貴子はちょっぴり後悔したような気分に陥って、犬のように這いつくばり、智史の律動に合わせて腰を軋ませた。
これはこれなりにひどく気分のいいものである。いつしか由貴子は若い息子のものにすっかり馴じんだ股間の割れ目を押しつけて、ふつふつと湧き起こる性感を貪った。
頭の後ろで、智史の荒い息とウーンと唸る声がした。智史が洩らす充足の声は、徐々に由貴子を高ぶらせていく。
それまでの争いが嘘のように、二人は協力し合い、ひとつの目的に向かって律動をはじめた。由貴子はすっかり疲れ果てていたし、じんわりと股間から這いあがってくる快感に身を委ねることで、いっときの安息を得た。それなりに満足し、できることなら、このまま果ててしまいたい気分になっていた。
智史さんも私の中に一度おさめてしまったものから得る快さに、もうにっちもさっちもいかなくなってしまっているんだわ……。屈辱的な姿勢をとらされながらも、由貴子は勝ち誇った充足感のなかでほくそ笑えんだ。
智史の動きは一定のリズムに乗って、しだいに大波のように揺れだした。時折り女のようなやるせない声をあげる。ジンジンと痺れるような感覚のなかで、由貴子はその声を聞き、自分もまた唱和するように、いかによくなってきたかを訴え、年上の息子のものを深く迎え入れようと、柔らかな雪白の双丘をつきあげていった。秘裂全体にごわごわと当たる智史の剛毛が、また、なんともたまらない刺激を加える。由貴子は快感を全身でとりこみながら、たてつづけに叫び、クライマックスに向けて腰を振りたてた。
二人の密着した部分からドロ土をこねるような音が派生し、そのいやらしい音は、ますます二人を興奮の渦の中に巻きこんだ。いや、実際のところ、あられもなく乱れていったのは由貴子だけであるのを、彼女は知らない。
智史のそれまでのすべての行為は、まったくのお芝居にすぎなかった。彼はつくり声をあげて由貴子を油断させておいて、その視線を当初から狙っているものに向けていた。そこには美しくすぼまる小さな肉の花があった。由貴子が丸いヒップを振りたてるたびに、それはさまざまな形に歪み、変形して、見ている智史のよこしまな淫らごころをいやがうえにも燃えたたせた。
「あッハン……そろそろよ……私、そろそろなの。ああ、よくってよ……」
今にも折れそうに弓なりに反った背骨が痛々しいほど揺れ、髪の毛がわさわさと宙に舞った。智史は両手でしっかりと由貴子の腰肉を押さえこむと、肛門に腹の下まで密生した陰毛を意識的に擦りつけた。こわばりが軋んで出入するだけでも、イッしまいそうな状態に追いこまれていた由貴子は、豊かな胸やよく締まった丸い腹部を、ソファにぴったり押しつけて嗚咽した。
「いっちゃうわッ……きてよッ
!!
一人じゃいや。一緒に、あなたもよッ
!!
きてッ、出してちょうだいッ
!!
」
由貴子は智史がその気になってくれたなら、一気に吐淫するつもりだった。共に爆発し、一つの器の中にお互いが吐きだしたものを絡め合い、撹拌して、そこから生じる身も心も蕩けるような性の歓びを実感したいと願った。
それは、すぐそこまできていた。にもかかわらず、まったく唐突に、智史が融合していたものをサッと引き抜いてしまう。
「あッ……いや……」
由貴子は突然襲った空虚さに身を揉んで抗議した。しかし、それもほんの一瞬でしかなかった。引き抜かれたこわばりは、ほんの数センチしか離れていない締まりのいい肉のすぼまりに向かって一気に侵入した。
「うわわわ--ッ
!!
痛いッ……いや--ッ!」
由貴子はソファに両手を突っぱり、全身をのけぞらせて智史を振りほどこうとした。けれど、先ほどからの息の合った合体運動で、二人の体は隙がないくらいソファに密着して押しつけられていた。由貴子はそう簡単に自由になることができない。背後からのしかかっていた智史は、充分に計算しつくして行動していた。だから、やることにそつがない。
一度空気に触れた濡れ濡れの肉棒は、すっかり柔らかくなっていた蕾の中に、あっという間もなく先端が隠れてしまった。
「ギャ--ッ
!!
」
何万ボルトもの電気ショックを受けたように由貴子は全身を痙攣させ、その不当な痛みから逃れようともがいた。そうしながら、由貴子は明らかにもう一つの、痛みとはまったく異なった種類の感覚を、はっきりとアヌスに感じていた。
その瞬間、由貴子は再び十年前の心象風景のまっただなかにいた。恥ずかしい後ろのホールをうがつのは行きずりの中年男であった。突き立てられているものには、いくつかのゴツゴツした真珠が埋めこまれてあり、それが、狭い肉壁を遠慮会釈なく擦りたてた。
あの時と同じように由貴子は泣いた。泣きながら、ジワジワと全身を浸しつつあった肉の歓びに身悶えした。可憐な肉の花に突き立ったこわばりは、何のためらいもなく、さらに深いところへ突き進んできた。腸壁が破れそうな不安が由貴子を襲った。ところが、そんな不安や怖れまでもが、今や心地よさに転化されてしまうのだ。後ろのホールからも快感を取りこめるなんて……私って普通じゃないのかしら? 苦痛と快楽のないまぜになった不思議な空間を漂いながら、由貴子は自分が秘かに望んでいたよこしまな愛が実現してくれた歓びを、強く実感として受けとめ、まったく新しい官能の世界に酔いしれた。
智史が腰を動かすたびに、大きな袋の中の二つのボールが、ひたひたと由貴子の裂け目の充血した肉の扉を叩き、そこから得も言われぬとびきり上等な快感が体の隅々にまで散っていった。
「うわァ……ハァハッ、ああッ……気持いいッ
!!
……ああ、なんていいのオ
!!
」
由貴子の体が言わせた真実の声が次々と飛びだした。十年前に犯された可憐なすぼまりは、あの時に与えられた邪悪な快楽を覚えていた。あの時以来、由貴子はいかなる時でも、男の興味がそこに集まるのを拒みつづけてきた。恐怖が先にたって体が硬直してしまうのだ。由貴子の異常とも思える拒絶反応に、男たちは美しい彼女との愛が失われることを怖れて、二度とそこに興味を示そうとはしなかった。
時折り由貴子は、本当に自分がその部分を使うセックスを嫌がっているのかどうか、疑問に思うことがあった。女子大生の時、そこを犯されて、確かに感じてしまった。あの時の痛みが恐怖感として残っているのだろうか? いや、痛みを克服してしまえば、金色の輝く世界があったではないか。では、なぜ過去の男たちからそこを拒んできたのか?
あの穢らわしい部分で狂乱する自分を知られたくない……。いつも美しいと言われつづけてきた由貴子は、自分の忌まわしい秘密の快楽をひっそりと隠しておきたかったのだ。だからこそ、男たちの指や舌がアヌスを求めるのを嫌がったとは言えないだろうか。由貴子自身、考えてみても、いきつくところはそこなのだ。
結局、力によって犯した者だけが、由貴子のとっとておきの秘密--アナル・セックスの快楽を知ったことになる。それを教えたのが十年前の中年男であり、その秘密をひょんなことから知り得たのが、義理の息子である智史というわけだ。
由貴子は呪われた交合の歓びに泣いた。若い頃に感じたような罪の意識は、いつのまにか霧散していた。
複数の男たちによって性の歓びに近いものを教えこまれていた由貴子は、一年ほど前に、父と言ってもいいくらい年の違う修三によって、それまでの若い男たちからは与えられたことのない新しい性の世界を知った。ちょうど二十七歳という、女としてはこれから脂ののる時期だったことも重なって、急速に女として開花していったが、さて、これからという時に、肝心の修三が不能に近い状態になってしまった。快楽を知ってしまった熟れた女にとっては、まさに地獄の責め苦に等しい日々がつづいた。
女はすすんでそのことに関心を持たなければ、セックスはしだいに遠のいていくという俗説があるが、それは個人差にもよるのだろう。ましてや由貴子は、毎夜のように修三という相手によって、いかがわしい器具を試されたり、オナニーを強要されたりで、体は昼でも夜でも本物の男との抱擁感のあるセックスを求めていた。
修三の留守に、義理の息子にケモノの匂いを感じてフラリと倒れかかったのが、若く美しい人妻にとって、別の世界の扉を開くきっかけとなってしまった。義理の息子といっても、実際には二十一歳の年長者であるし、そこそこに女との経験もある、二十九歳の若く逞しい男性である。
実際に夫婦として通用するのは、倍も年の離れた修三よりも、智史のほうがはるかにふさわしいといえる。
陶酔していく頭の片隅で由貴子は、ひょっとすると、この肉の歓びから、自分は脱けだすことができなくなるかもしれないと思っていた。
皺々の粘膜をぎりぎりまで伸張させて、深々と突き刺さったこわばりは、しだいにピストンのスピードを速めていった。しかし、いくらなんでも前のホールのように伸張度に欠けるし、秘液が湧きだすわけでもないから、円滑に抜き差しするというわけにはいかない。実際にはこわばりの動きとともに、すぼまりの粘膜が表に膨らむように出たり、裏側に押しこまれて隠れたりする程度のものでしかない。それでも由貴子は確実にオーガズムの世界へと飛翔した。
「あああッ、もう駄目ッ……私、いっちゃいそう!……いっちゃうわッ。やって……やって、やって、やってッ!!
いっちゃうッ。いくわッ……出してェ--ッ
!!
ああーん……いくうッ
!!
いく……いく、いく、いってるゥーッ」
女でありながら荒馬のような息を吐いて、若く美しい義母は吼えまくった。その声に刺激され、智史もたまらず緊張の糸を切ってしまう。その瞬間、由貴子の狭い後ろのホールに、ドクドクと男の精が吐きだされた。
したたかに熱いものを受けた瞬間、由貴子の全身が痙攣し、括約筋が小刻みに収縮した。智史のこわばりは強烈な締めつけにあって、一滴も余さずエッセンスを放出した。
ゆっくり、ゆっくりと男のものが小さくて狭いホールから湯気をたてて脱けだすと、白く濁った液体が微妙な匂いを漂わせながら、ドロドロと流れだし、秘口の亀裂にそって、まだひくついている柔肉のすべてを濡らしていった。
智史は、たった今まで自分の肉棒がおさまっていた信じられないくらい小さい肉の花を見ながら、由貴子がかつてアナル・セックスの経験があったかどうかを考えていた。
自分が放出した白いものに混じって、うっすらと血が滲んでいる。あくまでも自分が初物をいただいたと思いたいが、それにしては相手のよがりようが余りに激しすぎる。ひょっとすると、由貴子は過去に誰かによって、後ろのホールを弄ばれたことがあるのではないか? そうでなければ、あんなにも強烈なエクスタシーを感じるわけがない。
ともあれ、智史は一応の満足を得た。
由貴子はひどくぶざまな格好をしたまま、死んだようにうつぶせになっている。父親の修三がかなり以前から糖尿病の気配があることを知っていた智史は、もしかすると修三はセックスが駄目なのかもしれない、という強い思いにとらわれて会社に向かった。
第四章 柔肌を火照らせる義母
由貴子が昼寝から目覚めたのは二時近くになってからだった。修三からの電話がなければ、そのまま夕方まで寝入っていたかもしれない。
ゴルフ場で仕事上の知己に出会ったので、ひょっとすると今夜もまた泊まりになるかもしれない、という内容の電話だった。聞いた途端、今夜も何かが起こる!!……と由貴子は思った。
智史が帰る時間に留守にすることも考えたが、かえってあざとい気がしてそれもやめた。結局、由貴子は普段と同じように夕食の支度をして息子の帰りを待つという、どこにでもある平凡な母親の役目を果たした。
だが、九時をすぎても智史は帰ってこない。修三が仕事を休んでいるのだから、社長代理として社内をとりしきらなければならないだろうし、お得意先の接待もあるだろう。
でも、電話ぐらいしてくれてもよさそうなものなのに……。いつもは智史の帰る時間など気にもかけないのに、こだわっている自分に気づくと、なんとなく腹立しくなり、いつしかブランデーを傾けていた。
昨日は智史に対して、自分から思いもしない行動をとってしまったが、今夜は絶対にあんなことがないようにしなければ……。由貴子は事態が急速に伸展していることを認めながらも、これ以上、義理の息子との関係がエスカレートすることは、ひょっとすると身の破滅につながりかねないと思い、やはり用心するにこしたことはないと改めて心に誓うのだった。しかし、その誓いを守りきれるかどうか、ちょっと心もとなかった。なにしろ性に飢えた女が、その肉体に火をつけられてしまったのだから。心と肉体が別のものであることを、由貴子はそれまでの異性体験や、友人、先輩たちの話などから、いやというほど知らされていた。
いつしか由貴子は、自分でもその量がはっきりしないほどブランデーを口にしていた。
「男なんて勝手なもんだわ……」
由貴子はけだるそうに呟くと、空になったブランデーの瓶を横目で見ながら、ふらりと立ちあがった。足がもつれるほど酔っぱらっていた。目の前がクラクラして、体の一部だけが妙に火照っているのを感じた。下半身の亀裂から、痛みをともなった疼きが、何かを訴えるように一定のリズムでひろがっていく。危険な兆候がはじまっていた。
部屋に入って、大きなダブルベッドに弾みをつけてひっくりかえると、天井がいびつになって、ふわふわと迫ってきたり、遠のいたりする。
「酔っちゃった……」
悪戯っ子のように由貴子はペロリと舌を出すと、ケラケラと笑った。笑いながら、妙に悲しかった。
「バカ……智史のバカ……あなたはとてもいけない人」
たった二十四時間で、人と人との関係が、これほど大きく変化をもたらすことが不思議でならない。
由貴子はもう一度、智史さんのバカと呟いてから、なにげなくドアのほうを見て仰天した。いつ帰ったのか、そこにワイシャツ姿の智史が立っていた。由貴子は自分の全裸を白日のもとにさらされているような恥ずかしさを覚えて、カーッとなった。身の置きどころがないとは、こういうことを言うのだろう。
「ただいま」
智史はちょっと照れたように言いながら、ゆっくり由貴子の脇に座ると、体をかがめて軽く唇を重ねた。
由貴子は、少女のようにおとなしい。アルコールと煙草の入り混じった智史の匂いが、なぜかとても懐かしい気がした。
「僕のどこがいけない? どんなふうに、僕は悪い人?」
「こんなふうに迫るから……」
「いやかい?」
「嬉しい……」
二人は長い間の恋人同士のように、歯をガチガチと鳴らして唾液を吸い、唇を押しつけ合った。そうしながら、智史の手は当然のように由貴子の薄いネグリジェの上から、豊かな盛りあがりをみせている乳房を揉んだ。それは、無意識のうちに由貴子が待ち望んでいた行為でもあった。
小さな喘ぎを洩らすと、由貴子はたちまち高揚し、あっと思った時には、自分でも下品と思わずにいられないほど肉の裂け目が疼き、甘酸っぱい蜜が溢れだしていた。
女の体って、こうも正直だからいやになっちゃう……でも、期待にすぐ反応するってことは、私の体が敏感な証拠……。由貴子はその時、敏感なのは智史も同じだということを、ぴったり彼と密着している柔らかな太腿で、はっきりと感じていた。硬く量感のある男の欲望が、熱をともなって脈々と伝わってくる。
由貴子はズボンの上から、そのものに優しく触れてみた。充実したものが解放されることを求めて、ドキンッ……ドキンッと正直に意志を伝えてくる。若く美しい義母は、痛切にそれを求めていることを知らされた。
こういう戯れも時にはいいもんだわ。由貴子は初めて性に目覚めた頃の、男の硬くなったものを珍しがって、オモチャのようにいじくりまわしていた時代を懐かしく想いだしながら、ファスナーを引きおろして熱いこわばりを引きだした。五指に余る雄大な男の象徴は、すでに先端から先走りの露を吐きだして、掌の中で躍った。
触ることの楽しさ、触られることの歓びを同時に満喫しながら、由貴子は性に満たされない人妻の不倫にも多少の理由があるんだと同情的な解釈をして、それから自分の置かれている立場を振りかえった。
智史は何を考えているのか、ひと言もしゃべらない。おだやかに愛撫の手を差しのべている。昨夜と今朝の闘争的な性宴に疲れてしまったのかもしれない。二人は、いっときの安息の中で、それぞれが愛と性を明確に意識していたが、また同時に、何か恐ろしいことの前触れをも予感していた。
智史の手が前開きのネグリジェのボタンをすべて外し、パンティの上から、すでにしっとり湿っている中心のふくらみを掌で覆って揉みはじめた。圧迫された亀裂の奥から、押しだされるようにして濃厚な蜜が溢れ、薄い布地に吸収されていく。智史の指先はしばらくすると、滲みでた蜜ですっかり濡れ、部屋の中の澱んだ空気に、媚薬にも似た匂いが混じった。
二人はお互いの性器をゆっくりとまさぐり合い、徐々に湧いてくる快さを、新鮮な空気でも吸いこむように全身にひろげていった。
その時である、電話が鳴ったのは。ベッドルームの電話の存在を知っている者は、ごく限られている。それだけに、重要な用事ということも考えられる。由貴子は、子供が楽しいママゴトを中断された時のような不満を感じながら受話器をとりあげた。
「私だ……」
電話の向こうで修三の声がした。
「ああ、あなた、ゴルフ場なの?」
どうせなら、もっと早く電話をすればいいのに、と恨みがましい気がしたが、そんなことはおくびにも出さずに甘い声を出していた。
「ああ、やっぱり明日もプレイすることにした。ちょっと、お前の声を聞きたくてな」
少し酔っているようだった。すぐ脇に寝そべっている智史にも聞こえたと思うと、由貴子は、まるで夫婦の交わりを見られたような気がして赤くなった。パンティの上に置かれていた智史の手が、再びもぞもぞと動いた。
夫が、今日のプレイは散々だったとか、明日も天気になればいいが、などと言っていた。それに生返事をしてるうちに、突然、横にいた智史の乱暴な指が、秘肉を掻き分けて肉路に突き刺さった。思わず甘い呻き声をあげてしまう。
「おい、何だ
!?
今の声はどうしたんだ」
性急な修三の追及に、由貴子はしどろもどろになった。
「由貴子ッ、そこに誰かいるのか
!?
いったい何をしてるんだ
!?
」
修三の声が厳しくなった。何かの疑いをもったらしい。
「そんな……誰もいませんわ」
「なんだ、今の妙な声は?……答えるんだ」
チラッと智史を見ると、陰茎を剥きだしたまま、相変わらず、由貴子の膨らんだ恥丘をパンティの上から撫でている。
「パパ……本当のことを言うと……」
「どうした
!?
」
「私、淋しくて……パパのことを想いだしながら、一人で……ああ、恥ずかしくて言えないわ……」
「じゃ、お前……マスかいとったのか?」
途端に、電話の向こうの声が明るくなった。
「ええ、一人で淋しかったし……パパが、この前、私に使った変なバイブレーターを見ているうちに……そこに電話なんかかけてきたから……ごめんなさい」
「バカ、謝らんでいいよ」
「恥ずかしいわ」
「いいんだ。生身の人間だものな」
二人の間に、ちょっとした沈黙の時間が流れた。電話のやりとりに耳を傾けていた智史が、今度は明確な意志をもって、膣内に侵入させた指を鉤形に曲げ、肉壁を削るように蠢した。
「あッ……」
耐えきれずに出した声だから、くぐもっているが真実味がある。
「由貴子、やってるんだね」
電話の向こうの修三の声も秘密めいた口調になっている。
「ええ……あなた……」
「やるんだよ。やっておくれ。お前のいい声を聞きたくなった。悪くない趣向だ。さ、やっておくれ」
智史を見るとニヤニヤしている。
「やるわ
!!
……やる……」
由貴子は受話器を持ったまま倒れこみ、智史にしなやかな体を委ねた。智史が、それまで胎内に潜らせていた指を、由貴子の目の前に突きだして見せつける。恥ずかしさと興奮で大きな呻き声をあげてしまった。
「由貴子、もっと……」
修三は何を想像しているのか、せっかちな声を出した。智史が上半身を被せるようにして由貴子の下半身に張りつき、パンティの上からふくらみをねぶった。由貴子はその下の秘められた門をせいいっぱい開いて、トロリとして濃厚な媚液をほとばしらせた。
まったく予想もしなかった展開に、由貴子はすっかり興奮した。このハレンチな姿を修三が知ったらどんな顔をするだろうか? 夫が知るということは絶対にあり得ないことだったが、この想像は忍び寄る肉の歓びを倍加させた。
とうとうパンティが脚から引き抜かれ、直接、柔肉が吸引された。
「あーッ! あッ、あ--ッ
!!
あああーン……」
由貴子の呻き声は、はっきりと歓びを表わすよがり声になり、ついには悲鳴に近い絶叫になった。
「やるんだ、由貴子。もっとだッ……」
せっかちな修三の声を由貴子は聞く余裕すらなかったが、智史はちゃんと聞いていた。父親に対する裏切り行為には違いないが、由貴子の被虐的な歓びを見ていると、さらに新しいものを掘り起こしてみたい気になっていた。尖ったクリトリスに歯をたてたり、陰唇の裾の薄く頼りない粘膜をチュウチュウと音をたてるほど強く吸いたてて、その反応をうかがった。由貴子は受話器を抱きかかえるようにして、表情をひきつらせている。よく見ると、受話器はしっかりと二つのふくらみに挟まれ、揉みしだかれている。
智史は、自分がしだいに凶暴になっていくのを感じた。不意に張りついていた下半身から離れると、電話器を由貴子の口もとに置いて、胸の上にまたがった。
由貴子は、いったい何をするのだろうといった目つきで、すぐ目の前に突きだされた疲れを知らぬ雄大なものを惚れぼれと見つめた。智史は由貴子の胸の真ん中に置いた肉棒を、乳房で両側から包みこむようにしてくるむと、大きくゆっくりと揉みたてた。由貴子はそれに手を貸した。そしていっぺんにこの遊戯が気に入ってしまった。感じやすい乳房を圧迫されながら揉みこまれる快感もさることながら、肉棒を挟まれて、目の前で女のように顔を紅潮させ、快さに耐えている若い息子の姿を見ることは、こよなく楽しかった。こういうことができない夫に、心の中でざまあみろと叫んでいた。
なにもかも男として役に立たないあなたが悪いのよ……。
初めはわざと、いかにも淫らな感じでよがり声をあげていたが、そのうち、由貴子自身も自分の演技に酔ってしまい、激しく乳房を揉みしだき、それによって男根がさまざまに変わるさまを、チカチカする目でうっとりと眺めていた。
智史の怒張は、かつて犯された中年男のものほど大きくなかったが、それでも雄に人並み以上はあり、獰猛さと上品さを兼ね備えていた。由貴子は急速に気分が高揚し、下半身の粘膜の部分がおろそかになっていることに耐えきれなくなってきた。
先ほどから、しきりに太腿の肉と肉を擦り合わせているのだが、とても我慢ができない。智史に触ってもらいたいのだが、後ろ向きにでもならない限り、それは到底できない相談だ。由貴子は頬の横に転がっている電話器に目をつけた。新しい機種のその電話器は民間の会社が開発したもので、受話器の部分がすごくスマートにつくられている。
由貴子は修三に、「私のあそこの音を聞いて」と告げると、いきなりそれを濡れた秘唇の間に埋めこんだ。
窮屈な痛さが感じられたが、それもほんの初めのうちだけで、あとは驚くほどスムーズに膣内に入っていく。
智史はしゃべることができない。ただ、呆れたように由貴子のすることを見つめていた。年下の義母の由貴子が、快楽を得ることにかけて、ここまで真剣であるのを知ると、改めて女の貪欲さに敬服の念を払った。
由貴子は受話器を挟んだ股間を夢中で擦り合わせながら、同時にまた、乳房に包んだ智史の一物にも快楽を与えようと躍起になっている。雪白の肌を火照らせて、全身に汗を滲ませながら熱中する由貴子の姿は、崇高でさえあった。
智史はとうとう終わりがきたことを、サインで由貴子に知らせた。
「あなたッ……パパッ……」
由貴子は股間に突き刺さった受話器に向かって叫んだ。
「パパ、いくわッ
!!
私、一人でいっちゃうのッ
!!
いっちゃうぅッ
!!
……」
由貴子の声は、智史にも一緒にいってという暗号であった。由貴子の意図を察した智史は、上体をのけ反らせて白い粘液を肉棒の先端から噴射した。
若く美しい人妻は、義理の息子の一物が、歓喜のしるしを噴きだす瞬間をはっきりと見た。それは宇宙の彼方から飛来する白い流星のように、由貴子には思えた。顔じゅうに白濁液を浴びながら、由貴子もまためまぐるしく腰を震わせて果てた。
「由貴子、すごいよ……すっかり興奮しちまったよ。もう何も言わんでいい……おやすみ……そのまま、ぐっすりおやすみ」
股間に突き立った受話器から修三のうわずった声が流れ、やがて一方的に電話は切られたが、死んだように折り重なった由貴子と智史は、ピクリとも動かなかった。
二夜連続の狂気を、智史は自室の闇の中で想いだしていた。人の道に外れているという気持がないわけではない。それでも、今まで付き合ってきた女たちとまったく異質な由貴子という新しい対象を、失いたくはなかった。
ほんの一時間ほど前、由貴子は、体を離す智史にはっきりとこう言った。
「パパはもうすっかり駄目なの。だからといって智史さんを拘束したりはしないわ。でも、今の私の淋しいどうしようもない気持はわかってちょうだい」
智史は、今後の自分のとるべき道を決めかねていた。いけないことと知りながらも、せっかく掌中におさめたものを失いたくないという、矛盾した気持にふんぎりをつけることはできなかった。
結局、なるようにしかならないというのが、智史のくだした結論だった。由貴子との関係を永遠の秘密にしておく自信はなかったが、ともかく、今の段階では誰にも知られてはならないことなのだ。
それにしても、あの女の狂態は男をとりこにする要素を充分に持っている。新しい毒をどんどんまき散らして男を狂わせていく、悪の華だ。そして俺は、それにがんじがらめにされて身動きのとれない哀れな男かもしれないな……。
智史だけが、二人の関係に思い悩んでいるわけではなかった。夫という負担があるだけに、由貴子の悩みのほうが大きかったといえる。しかも不倫の相手は夫の実子である。
それでも、由貴子は自分と智史のセックスの波長が合うことを、はっきり受けとめていた。昨夜からのどれひとつをとっても、充分に満足できる結果を得ている。これは今までにないことだった。ここに至って、由貴子は自分の持っているマゾ的な要素に、ようやく気づきかけていた。緊縛されたり、浣腸されたりすることはとてもできない、という気持が強かったが、ちょっと風変わりなセックスの手法--多少とも自分がいじめられたりするセックスとなると、ひどく燃えるのだ。
感じ方も強烈だし、陶酔の度合いも大きく長くつづく。ひょっとすると、智史さんはそのことに気づいているのかもしれない? あれこれ思いめぐらせているだけで、体が熱く、股間がまたしても潤ってくる。
ああ、私って変態なんだわ……。由貴子はそっと後ろのホールにしなやかな細い指を差し向けた。そこに、とんでもない秘密が隠されているような気がした。
けれどもそこには、蕾にも似た肉のすぼまりがひっそりと息づいているだけだった。膣口のように嬉し涙を流すような、はしたない状態にはなっていない。
ひどく拍子抜けな気がした。由貴子はそこを犯されたがっているわけではないことを、少しずつ理解していった。どんな形にせよ、力で屈服させられることを秘かに望んでいるようであった。
そういえば、由貴子には思い当たる節がある。由貴子はまだ病院に勤務していた看護婦の頃を思い浮かべた。
私立大学の総合病院に勤務して二年ほどたった頃である。由貴子は病院に出入りしていた薬品会社のセールスマンと熱烈な恋におちた。
それまでにも何人かの男と交渉を持ったが、どれも長つづきしなかった。
男たちは、初めのうちこそ美しい由貴子に夢中になるのだが、しばらくすると、誰もが白けた顔をして去っていった。いや、時には由貴子のほうから絶交を言い渡すこともあった。その原因はすべてセックスに起因していた。男と別れるたびに由貴子は、あの山梨県の山中で、オートバイに乗った中年男に犯されたことを想い起こすのだった。
あの時に感じた光り輝く金色の世界は、いったいどこにいってしまったのだろう?
なぜ、あの時はあんな状態になったか? 他人にそんなことをうち明けるわけにもいかず、由貴子は一人で悩んでいた。
そして知り合ったのがセールスマンである。独身だという彼は、なかなかの遊び人だった。由貴子は、その男とのセックスのとりこになった。それまで付き合ってきた男たちのやり方と、明らかに違うのだ。
股間に男根の形をした百目ローソクを突き立てて火をつけてみたり、前門に怒張を挿入しながら、後門に指を入れてみたり……。由貴子は、いつの日か男が後ろのホールを犯すに違いないという期待を持った。ところが、男はある時期を境にしてパッタリとこなくなった。いろいろ調べてみたら、なんと彼には妻子がいて、会社の金に手をつけてしまい、行方をくらましたというのである。
失意の由貴子が次に出会ったのが、入院患者の瀬戸口修三である。
数年来の激務から体調をこわしていた修三は、周囲の人たち、とりわけ一人息子である智史のたっての頼みで、いやいやながら人間ドックに入った。修三がそこで知らされたのは、糖尿の心配と心臓病の疑いなど、思ってもみなかった病状の数々だった。
若い頃から頑健を売り物にして仕事一筋に励んできた修三には、それ相応の女遍歴もあった。数年前に亡くなった最初の妻などは、そのことで苦労が絶えず、それが遠因となって短命に終わったという噂もあったほどである。
不動産業という、世間からはうさん臭い目で見られる仕事でそこそこの財を成した修三は、病院の担当看護婦になった由貴子に目をつけた。初めは、単に遊びの対象としか見ていなかったが、人間ドックの一週間にわたる検査の結果、医師から休養をとるようにと厳重注意を受け、それに従って一カ月余りを病院で暮らすことになった。
その時、修三はつくづく自分の肉体の衰えを知らされ、将来に対する不安を抱いた。智史が結婚しても、その嫁との折り合いがすべてうまくいくとは限らない。自分の老後を看てくれる妻の対象として、由貴子に白羽の矢をたてたのである。
確かに当初のうちは、まったくそんな気はなく、退屈まぎれの病院での欲望処理の相手としか見ていなかった。
ある夜、由貴子は力ずくで修三に体を奪われた。その日はちょうどうっとうしい生理が終わったばかりだった。そんな折り、病室を訪れた見舞いの若い人妻と患者である夫の性交場面を、ひょんなことから垣間見てしまった由貴子は、ひどく気分が高揚していた。
セールスマンの恋人が去って間もない頃だったからだろうか、肉の悦びを知ってしまった体は、始末に困るほどあさましく燃えさかってしまった。そんな夜に、由貴子は思いがけない修三の暴力に遭遇して、形ばかりの抵抗の末に屈してしまった。
由貴子はその時、襲われるということに確かに歓びを感じていった。それに、個室とはいえ病院内である。いつ、誰が、どんな用で部屋を訪れないとも限らない。そんな状態が、さらに由貴子の快感をあおりたてたことは否定できない。
ベッドに腹這いに押しつけられて白衣を胸のあたりまでまくりあげられ、廊下を通りすぎる足音を聞きながら力ずくでセックスを強要された由貴子は、はしたない声を必死で抑えたが、熱い秘口に二度、三度と男の精が注がれた時、狂乱の声をあげて修三と同化していた。それがかえって修三にひとつのふんぎりをつけさせたのだ。
こういう若くて美しい女を第二の妻に迎えたなら、きっと楽しい老後、安心した余生を送れるに違いない。そうなるまでには、まだまだ長い時間があるから、せいいっぱいセックスも楽しめる……。そういう気持から、正式に結婚の意志を伝えたのである。
由貴子は修三についての情報をいろいろな方法で仕入れると同時に、自分より年上にあたる一人息子の智史に関しても細かく調べあげた。
当時、智史には絵理というフィアンセがいた。結婚間近だったし、所帯を持ったなら、修三とは別居して暮らすといっていたので、結婚してもいいという気持になったのだが、それを決定的なものにしたのは、由貴子の誕生日に、ある事件があったからだ。
事件といっても、修三と由貴子だけの当事者だけの問題で、他の人は誰もそのことを知らない。その日、由貴子はそれまでの自分の生涯で初めてといっていいほど素敵なプレゼントを修三からもらった。ダイヤが美しく輝くフランス・ショーメのリングである。
修三は、それを小さなお守り袋にも似た皮袋に入れて由貴子に贈った。
由貴子は思いがけないプレゼントに嬉しさを隠しきれなかったが、修三は、それを贈るに際して、一つの風変わりな条件をつけた。三日間、指輪の入った皮袋を女の一番恥ずかしい柔肉の奥に押しこめて、いかなる場合でも取りだしてはならないと言うのである。
普通の女性なら、このおぞましい申し出をにべもなく断るはずなのだが、由貴子はそれを甘んじて受けた。高価な指輪が欲しかったのは当然だが、それにも増して、由貴子は修三の奇異な申し出を聞いた時、自分の体が衝撃と興奮で震えだすのをどうすることもできなかった。
そして由貴子は忠実に約束を守って実行した。常人では到底思いもつかないプレゼントの方法が、ある意味では決定的に由貴子の生き方を決めたといってよい。
三日間、由貴子はまるで思春期の少女が初めての生理をひた隠すように、指輪入りの小さな皮袋を胎内におさめ、タンポンを詰めてすごした。四六時じゅう興奮のしっぱなしで、病院へ出勤する途中とか、病院の廊下などで、なにげない人の視線に出会っても、恥ずかしいあたりをじっと眺められているような、いたたまれないほどの刺激を受けて、しとどに濡れた愛液がタンポンにどっぷり染みてくるのを感じるのだった。
ある時、定期回診の医師に従って修三の病室を訪れた際に、修三から、からかい半分に秘密のことをほのめかされ、あまりの恥ずかしさと高ぶりに、訝る医師の胸にあやうく倒れかかったほどである。
三日たって、皮袋は年離れた婚約者の手によって由貴子の秘孔から引きだされた。
その日が由貴子の宿直日だということをあらかじめ知っていた修三は、他の医師や看護婦たちが仮眠をとる時間をみはからって由貴子を病室に呼び寄せ、若者のように股間のものをエレクトさせながら、宝物でも扱うように皮袋を秘肉の奥から抜きだして、たっぷりと愛液で潤ったそれに音をたててむしゃぶりついた。
由貴子はその夜、妻になることを承諾したのである。修三は退院するまで、皮袋を枕もとに置き、匂いを嗅いだり、時には舐めもした。
その頃の修三は、糖尿の疑いがあったものの、まだ性機能は正常で、週に一度か二度のペースで由貴子を抱いた。だが、由貴子のしあわせは長くはつづかなかった。
物質面では何ひとつ不自由しなかったものの、一番望んだ性的な充実感を味わったのは、当初の数カ月にすぎない。
焦りが、いっそう修三の機能に影響を与えたようである。彼は由貴子に奇怪な形をした器具を使って、ぶざまな格好の自慰を強要し、もっぱら視覚による性的満足を味わった。
いや、満足とは言えないかもしれぬ。性的興奮と言うべきだろう。時折り半勃起の状態になると、修三は狂喜して、無理矢理それを若妻の肉の狭間に押しこもうとしたが、由貴子の秘唇は簡単に受け入れてくれなかった。半折れになった分身を、由貴子が夢中になって口に含んだり、両手でしごいてみても、雄々しくはならなかった。
口にこそ出さなかったが、由貴子は不満の塊りになってゆく自分をはっきりと感じ、何やら怖ろしいことが起こりそうな予感を持ちはじめていた。智史との関係は、そんな不安定な状態の時に起きたのである。


