そして私に目隠しをします。皮製のアイマスクで、きつく締め付けます。
「おれは、キイチだ」と声がしました。そして、太ももに電気棒によるショック……。
「言え。おれはだれだ?」
「キイチ……」
またショック。
「飼育員のキイチ様、だろ?」
「失礼しました。飼育員のキイチ様」
「よし。次」
再びショック。
「おれはカズヒコだ」
「飼育員のカズヒコ様」
こうして、キイチ様、カズヒコ様、アツシ様、イサム様、ヨウスケ様、ヤスオ様、ヒロユキ様と、七人の飼育員が、私にショックを与えては名乗っていきます。
「さあ。じゃあ、これはだれだ?」
電気棒の先端が右の乳首に押しつけられます。
「うわ」っと叫びます。
そんなこと、わかるはずがありません。目隠しをしているのですから。
「タケシ様」と叫んでいました。
「おいおい、そんなやつはいないぞ」
目隠しをされて、声と電気ショックだけで相手が誰かなど、わかるはずがないのです。
「アツシ様」と当てずっぽうに言うしかありません。
「ハズレ。残念だな」
今度は左の乳首にショックが……。
「ぐぅぅぅ、痛い……」
不自由なまま、逃れようとばたつきます。
「誰だ? もう一度やるか?」
「キイチ様」
「ハズレ。おれはここだよ」
遠くからそれらしい声がします。
「じゃ、次」
彼らの遊びは、終わりがないのです。それが恐怖でした。
脇腹に、そして内腿に。左右の尻に。さらに腿の付け根に。
彼らの狙いがわかります。いつか、女の部分に押しつけるのでしょう。そうなったら、自分でも耐えられるかどうか、わかりません。
「おい、たった七人なのに、かすりもしないな」
「すみません」
「じゃあ、いまから、ヒントをやるからさ。欲しいだろ、ヒント?」
「はい。お願いします」
「だけど、けっこうきついヒントだぜ。どうする?」
「お、お願いします」
拒絶してもどうせやられるのです。選択の余地などないのです。
「よし。これから、もう一度、名前を言いながら、電気棒を押しつけてやる。名前を言いながら、だ。場所はそうだな。ここにしようか」
ビクっと体が反応します。誰かが長靴の先で私の股間を突いたからでした。
「いいな。ちゃんと聞いて、覚えるんだ」
「わかりました」
「よし、じゃあ、やろうか」
「まず、おれだな。おれの名前は」と言って、電気棒が股間に当てられます。
「ぎゅぅえぇぇ!」
スイッチが入ったまま、「ヨ、ウ、ス、ケ」とゆっくりと言うのです。「わかったか。おれはヨ、ウ、ス、ケだぞ」
四秒から五秒は電気を流され続けるのです。
敏感な部分だけに、焼けるような痛みを感じて、頭の中まで真っ白になります。
「ぐぇっ、ぐぇっ!」
叫ぶしかありません。とても、名前をちゃんと聞くことさえできないのです。
「次」
こうして、再び七人が、私に電気棒を押し当てながら、名乗りました。でも、覚えることなどできません。
体の中に電流が残って、細胞ひとつひとつを震わせながら、駆け回っているようです。それは私には黒い大きなネズミが、私の中で暴れているように感じます。
一巡するまで、長い、長い、拷問でした。
「もう電池切れだ。こいつを充電するのに時間がかかるんだよ」
やっと、誰かが目隠しを取ってくれました。
私はガクガクと震えていて、激しく感じていました。なんという苦痛でしょう。叩かれたり、殴られたりするのとはまったく違う世界です。かろうじて体をつなぎとめているのが不思議なぐらいです。
「つまらないな。でも、今日の授業はこれまで。おぼえて、ちゃんと当てられるようになるまで毎日、続けたいよな?」
彼らは笑いながら私を見ます。
「はい、恵美はみなさんの名前を覚えたいので、毎日、厳しく教えてください」
このやり取りのコツを、彼らはもう覚えたのです。どんなに酷いことを思いついても、それを私が望んだことにしてしまうのです。
私は言われるままに、いえ、彼らが求める以上に、自らお願いしなければならないのです。
楽しげに、彼らは部屋に引き上げていきました。
ようやく外は日が陰ってきたようです。一日が、長すぎるような気がします。
獣の臭い
外が暗くなるまで、彼らは来ませんでした。
私は布団にくるまって、束の間の休息をしていました。彼はいま、どこでなにをしているのだろう。もうこの家畜小屋には来てくれないのだろうか。私はこの生活に何日、耐えられるだろうか。
自分は狂って死ぬのだろうか。
そんな思いが、私の浅い眠りを中断させます。でも、手で全身を撫でてあげると、私はまだ私なのです。結婚する前の私と、髪の毛や体毛を除けば、なにも変わっていないのです。滑らかな肌。少し大きめの乳房。感じやすい粘膜。痛みが残っているお尻の穴……。
やっぱり、少しずつですが、自分が自分でなくなっていくような気がします。
同時に、日干しにされながら、苦しいはずなのに器具で何度も絶頂を感じさせられたことも思い出すのです。青い空に輝く太陽のように、まぶしいばかりの感覚。なにもかも忘れて、このまま死んでしまえるような……。
あれがあれば、私はつまらないことを考えなくてもいいかもしれない。早く、あれが欲しい。あれをして欲しい……。
でも、すっかり暗くなっても、だれも来ません。食事は一日一回。水はいくらでも飲めます。だから、彼らは飼育員としての義務はもう果たしたのでしょう。
明日の朝まで来ないかもしれません。
ものすごく、長い時間に思えます。
なにもないのでしょうか。
私は体を伸ばしてみます。スタンガンによる拷問からはすでに回復しているようです。
押し入れから出て、立ち上がると、否応なく、自分を責めるための道具が目に入ります。ディルドだけでも十本以上あるのです。一番太いものは、腰掛けるためにあるかのように太いのです。それに比べれば、昼間に使われたものなど、子どものように見えます。
細くて柔らかいものを手にします。ふにゃふにゃと頼りないのですが、かわいく見えます。
私はそれを立ったまま、自分の性器にあてていました。その先端を少し押しつけると、つるんと、本当になにも抵抗なく入っていきます。
昨日今日だけで、私の穴は、それだけだらしなくなっているのかもしれません。
こうしてゆるゆるになって、最後にはあの腰掛けのような太いものを入れるようになるのかもしれない……。
そんな想像をしていると、ドクドクとマン汁が出てくるのです。指にそれが伝い、ディルドに伝います。
奥まで入れます。子宮に当たります。
昨日、あれだけ犯されて、妊娠している可能性もありますが、そんなことはない、と想像しないようにします。
布団に横たわり、ディルドを出し入れします。天井付近にあるカメラを見ます。
あの向こうに彼がいるかもしれない。
そう思うと、マン汁がまたあふれます。
親指をしゃぶりながら、オナニーをします。
布団を汚したくないので、ビニールの床に行き、わざと体を開いて、カメラに見せつけるように、ディルドを操作してみます。
ほんのり甘い気持ちにはなりますが、この二日にわたる間に起きたことに比べると、とてもピークにまで達するような刺激ではありません。
だからといって、そこにある道具をいろいろと使ってみたい、という気にもなれないのです。
あなた、来て。
これを見ているなら、ここに来て。
そして私を思い切りなぶって、罰して。
私はそう願いながら、体を開いて見せます。彼がそんな挑発に乗らない人間だとわかっていますが、でも、止まらないのです。
やがて、ごく慎ましいエクスタシーがやってきました。まるで思春期のように……。
少し恥ずかしくなって、ディルドを引き抜くと、水で丁寧に洗いました。
ついでに顔も洗って、さっぱりとさせます。タオルがないので、濡れたままですが、少し慣れました。
ふいに、この部屋がいかにも獣臭いことに気付きました。布団から臭っているだけではなく、私自身が臭っているようです。
私は、どんどん家畜妻になっていくのです。
奉仕活動
長い夜です。まどろみながら、時間が過ぎていくのを感じていると、ふいに庭のサッシが開きました。
「恵美ちゃん、寝てるのか?」
飼育員さんが二人、立っています。
私はすぐに、四つ這いで彼らのところに行きます。
「散歩の時間だ」
彼らはチェーンを持ちます。外に連れだそうというのです。
恐ろしささが先に立ちます。こんな姿をこれ以上、ひと目にさらすことなどできない、と思います。
「じゃあ、こうしてからだ」
二人はずかずかと上がってくると、私の体に拘束具を取り付けます。そして目隠しをし、さらに猿ぐつわをします。手足は自由が利きます。
「さあ、来い」
ビシッと音を立てて、背中に鞭が振り下ろされました。
しなやかな棒状のものでしょう。その痛みが、瞬時に目の奥の方へ突き刺さって、私は自分が何者か、はっきり自覚するのです。
私は家畜妻なのです。
仕方なく、庭に降ります。
地面は冷たく湿っています。目隠しをしていますが、そこまでは私にも場所が想像できます。
四つ這いで歩かされ、時々、鞭で叩かれながら、いつの間にか、手足が硬く乾燥したアスファルトの上にあることに気付きます。
音も、遠くの車の走行音がしています。広い空間です。外に出たのだ、と思います。
怖ろしくなって体がすくみます。
「ほらほら、もっと速く歩けよ」
ビシビシと容赦なく打たれながら、私はしだいに彼らのペースについていくようになっていました。
家畜はこうして慣らされていくのでしょうか。見えないので、かえってよかったのかもしれません。
飼育員たちに頼り切るほうが楽なのです。
恐怖は薄れていきます。
どれぐらい歩いたでしょうか。
幹線道路の音は遠くなり、風の音が中心になります。手足に、小さな石が食い込むことが増えてきて、コンクリートの階段を上がります。
そこを登り切ると、滑らかな舗装がされた道に出ました。
わかりました。マンションの近くの土手です。普通に歩けば十分ほどで行けるところです。大きな川があり、上流にはキャンプ場もあると聞いています。
婚約中になんどか新居探しで訪れて、堤防に来たこともありました。川沿いのマンションを希望していたのですが、結果的に条件が合うところは少し町中のマンションだったのです。
冷たい夜風を全身に受けて、私は草の臭いを嗅ぎながら、彼らに引っ張られて歩きました。方向感覚はわからなくなります。
そしてスロープを下っていきました。自転車用のスロープがあって、河川敷に降りることができるのです。
そこには野球場などがあったと思います。
案の定、ほどなく舗装はなくなり、草と土の河川敷になりました。
幸い、手足に刺さるようなものはなく、柔らかな地面を彼らに必死についていきました。
パチパチとはぜる音がします。たき火でしょうか。人の気配もあります。
「さ、着いたぞ」
そして目隠しと猿ぐつわが外されます。風に乗って、私の部屋と同じような獣の臭いがしました。
暗い夜の河川敷。そこに一斗缶を使ったたき火があり、五、六人ほどの人影があります。
「わかるか。奥さんの大好きな、汚いチンポがいっぱい待ってるぞ」
飼育員がチェーンを引きますが、私は動きません。いえ、動けないと言うべきでしょう。恐ろしい、と感じていました。
「さあ、来い」
ビシッと尻に鞭が入り、ようやく少しずつ前に体が動きます。
「遅くなってわるかったな。昼間に話した人妻だよ。家畜妻の恵美ちゃん」
人影は六人どころではありませんでした。八人、いや十人……。
「今夜は望み通り、たっぷりやられるといいさ」
飼育員に促されて、私はたき火の横に進まされます。
「さ、お願いしたらどうだ」とビシッと鞭を入れられます。
「私、家畜妻恵美は、みなさんに満足していただくためにうかがいました」と自分なりに考えた言葉を言ってみます。
「だめだよ」と飼育員が言います。
「もっと、わかりやすく言わなくちゃ。はっきり言わないとわからないんだよ。なにをして欲しいのか、正直に言うんだ」
私は考えます。でも、考えてもダメなのです。
「私、家畜妻恵美は、みなさんのおチンチンをおしゃぶりさせていただき、私のおまんこに入れていただきたいのです」
再び鞭。
「おまんこだけかよ?」
「お、お尻の穴にも入れてください。お願いします」
ドッと笑い声がします。
思った以上に多いのです。十人どころではないかもしれません。
「じゃあ、みんな、そういうことだから」
「へへへ、うれしいね」
私は下半身を剥き出しにした男たちに囲まれました。
順番に口に含みます。
飼育員たちは、私の飼育にあたって手当をもらい、風呂屋などに行ったのだろうと思いますが、ここに集まった人たちは、そうではありません。
臭い。味。どれも、強烈すぎて、頭の回路が吹っ飛んでしまうほどでした。
自然に涙があふれます。鼻の中まで涙が伝わってきます。
嗚咽をこらえながら、みなさんのものを口に含み、舌をからませて、丁寧にしゃぶっていきます。
ほどなく私のしゃぶった男根が、バックで私の中に入ってきます。
「ひょー、気持ちいいねえ。ぬれぬれだね」
下品な声がして、また喚声が上がります。
一人、また一人。彼らは思いのほか早く果てていき、中には口の中に出してしまう人もいました。
なんとなく数えていたのですが、全部で十四人いました。大きな人、小さな人、皮のかぶった人、そうでない人など、さまざまです。
その全員が、結局は私の口か膣に射精していきます。
「ケツ穴もいいんだってな」
誰かがいい、飼育員が「もちろん」と言うと、二回目の勃起で、私のアナルに挿入してくる人も出てきました。
一巡すると殺気だった雰囲気が和み、私は彼らのオモチャとして、次々と手渡されて奉仕させられるのでした。
「いいねえ。毎日でも来てほしいよ」
誰かが言います。
飼育員が「毎日なんてやったら、おまえらがくたばるぞ」と言って笑うのです。
私の欲望が果てしなく、寄ってたかって犯しても満足しない、と言うのです。
「また連れて来てやるから、それまで溜めておけよ、奥さんは、臭くて濃いやつが好きなんだから」
飼育員の仲間だった人たちなのでしょう。
「おまえらが飽きたら、いつでも代わってやるぜ」
「ああ、そうなるかもな。とにかく、とんでもなくスケベな奥さんなんだよ、この恵美ちゃんは」
彼らが話をしている間も、私の体は休みなく、責められます。
「昨日、さんざんやりまくったのに、少し目を離したら、自分でオナりやがってさ」
やはり見られていたんです。
飼育員たちがあることないことを、仲間たちにおもしろおかしく話している間も、私の口、おまんこもアナルは、いつも肉棒をこすりつけられ続けるのです。
きっと真っ赤に腫れ上がっているでしょう。
帰りは、目隠しも猿ぐつわもなく、みなさんの精液で汚れた体のまま、深夜の町を四つ這いで歩かされました。
恥ずかしさよりも、肉体的につらく、倒れそうになりながら歩きました。
部屋に戻されて、私はストンと眠りに落ちます。残念だったのは、一度として、あの絶頂感を得られなかったことです。あれだけの人に犯されたのに……。
ねじり
夜も朝も昼もない生活。
三日目だとは思うのですが、自信がありません。
洗面器のまずい食事を食べ、浣腸をします。
飼育員さんたちも、かなり慣れたというか、飽きてきたようで、扱いがぞんざいになってきているように感じます。
「今朝は十四人に二回以上まわされたけどさ。あんまり感じてなかったな」
「そりゃそうだよ。毎日だぜ。いくら淫乱でも、感じなくなるだろ」
「違うよ。こいつ、普通のセックスなんて、もう感じないだけさ。もっと強烈なことがしたいんだよ」
「あれのどこが普通なんだよ」
そんなことを彼らは言っています。
私は十五分、脂汗を流しながら身もだえて、一リットルの薬液をがまんしました。
排泄を許され、ホースを肛門に入れて洗腸されます。
とうとう、そんなことができるようになったのです。顔を洗って歯を磨くように、お尻の穴を洗うのです。
授業が始まります。
電気ショックを受けながら、彼らの名前を叫ぶのです。
「ギャー、アツシ様です」
「お、こいつ当てやがった」
「まぐれだよ」
「じゃ、もう一巡するか」
「ウギャー、きつい……」
私はなにも考えられず、適当に答えているだけなのに、今日は二人、当たりました。
偶然でしょう。でも、偶然ではないのかもしれません。本能的な部分で、彼らを見分けているのかもしれません。
スタンガンの先端を肌に押しつける力加減、押しつけてからスイッチを入れるまでのタイミング、または接近してきたときの体臭、息づかい、かすかに漏れる声など。
そんなことを覚えても、なんにもなりませんが、家畜らしさは増したのかな、と思います。
身もだえる私に興奮したのか、そのあと、私は彼らに犯されました。
三つの穴に彼らを受け入れていきます。すっかり慣れ親しんだ行為のようにさえ思えてしまいます。
一通り終わって、みなさんも満足されたようなので、私は水で体や顔を洗いました。
そこに、思いがけず彼がやってきました。
ああ、彼。私の夫、ご主人。
私はこうして、ここにいます。たくさんの人たちに犯され、嬲られています。でも、それはなんのためなのか、もうわからなくなってきました。
そんなことをお話しする間もありません。
「どうですか、恵美は?」
飼育員たちは、口々に私に対する不満を言います。
「何人やっても満足しないですね」
「黙ってされるがままで、人形みたいですよ」
「感じていないみたいだし」
「あんまりおもしろくないですな」
彼は微笑みながら、それを聞いています。
「なるほど。困ったことですね。なんでも慣れてしまうんだなあ。でも、きっと、慣れていないこともあるだろうと思うんだけども」
すると飼育員の一人が、思いついたように言うのです。
「真夜中に外を歩かせようとしたとき、最初は抵抗しました。外に行くのが嫌なんじゃないですか」
それは、ズバリ、言い当てていたのです。こんな惨めな姿を人に見せたいと思う人などいません。
一度は妻としての座を得たと思い有頂天だった私ですが、いまは家畜妻なのです。下着も服も許されず、男たちに犯され、電流を流され、泣き、叫び、お尻の穴を洗う……。
どうして街中を歩くことなどできましょう。
彼は、部屋の隅で正座している私のところに来ました。
「恵美、外は恐いのか?」
私は黙っていまいました。
すると、彼は私の乳房を平手で思い切り叩きました。
パンと音がし、その衝撃に私は倒れます。見れば、乳房の横に彼の手形がくっきりと赤くついていました。
それを彼が鷲掴みにして、ぐいぐいと捻ります。さらに、私を引き起こそうと引っ張ります。
あわてて、体を起こします。そこを、また平手が乳房に。バシン!
もぎ取れてしまうのではと思う痛みに、今度は倒れないように、なんとか耐えました。
ですが、それがおもしろくないのか、続けて、左右に何発も、彼の平手が浴びせられます。
「あっ、うぐぅ」
あえて反応せずにがまんしようとしたのですが、声が漏れてしまいます。
彼の息が少し荒くなります。
私は耐えきれず、再び倒れました。
「どうなんだ? 自分で望んだことだよね。こういう生活。家畜妻になるってさ」
私は彼を見上げます。
涙がこみ上げています。乳房の痛みだけではありません。彼が言わせようとしていることを、言いたくないからです。
彼は、今度は乳首をつまみました。強くつまみ、ぐりぐりと潰そうします。
「い、いったぁぃぃ」
「こういうの、好きなんだよね?」
「はい」
私は答えていました。その方が楽だったからです。
「ちゃんとお願いしないとわからないな」
「恵美の乳首を、つねって、潰してください」
「そうじゃないよね。本心はどうなの?」
引っ張り上げるように、乳首が引き延ばされます。
「あっ、ぐわぁ」
ちぎれる……。
「恵美の乳首を、ちぎって、痛めつけてください」
慌てて言い直しました。
「そうか。じゃ、ともかく、やってみようか」
彼は押し入れに行き、ガラガラと音を立てて、道具類を漁りました。
「いつものかっこうをさせよう」
飼育員たちも迅速に動き、私に拘束具をつけると手を後ろに固定します。鼻クリップが、鼻孔に深く刺さり、まくり上げられます。まだ痛みの記憶が残っているところに刺さって、涙がポロッと流れます。
クリップのヒモは、後頭部を通って首輪に固定され引き絞られました。自然に口は開いたまま、上を見上げるような角度となります。
そのままお尻を洗い流すコンクリートの部分に連れていかれ、膝立ちになると、ちょうど乳房が床にのっかるのでした。
「だれか、後ろに乗っかってくれ」
彼のまじめそうな顔から、なにを思っているのか、私には想像はできませんが、自分の身にとんでもないことが起こるのだろうと予想がつきました。
飼育員が私の背後に立ち、ふくらはぎの上にゴム長靴で乗っかりました。七十キロ以上の男の体重を、私は足に受けたのです。
「ぎゅぇぇ!」
私の悲鳴など、彼らの耳には届かないようです。私が日々の苦痛に慣れるように、彼らは私の悲鳴に慣れていくのです。
彼は私を調教するだけではなく、飼育員たちも麻痺させていくことで、どんどん私への苦痛をエスカレートさせていくつもりなのでしょう。
体はまったく動かすことができません。
背後の男が、私の肩をしっかり掴み、自分は壁に背をあてて立っています。私は足はコンクリートに押しつけられ折れてしまいそうです。腹部は床下にくっついています。
彼は針のいっぱい入った小箱を出してきました。
「こういうことがしたかったんだろ?」
「あい」
私は口が閉じられず、ちゃんと返事ができません。苦痛に耐えるだけで精一杯なのです。
「じゃ、やってみよう。まずは私から」
彼は容赦なく、まち針を私の乳首に刺しました。
「うひっ」
皮膚がぷつっと音を立てて裂け、金属の部分を受け入れていきます。突き通った針の先端は、床に刺さりました。
「やってみろ」
飼育員たちも針を持ち、私のまだ幼いピンク色の乳首に刺していきます。刺激して立てたときでさえ、小指の先ほどもない乳首が引き延ばされ、床に虫の標本のように貼り付けられてしまいました。
みんなの目が、初日のときのように輝いています。
それが私には恐く感じました。もう引き戻すことのできない段階に来ているのです。
両乳首に、五本ずつ針が突き通っていました。
彼は乳房を握り、上に持ち上げようとします。
針は床まで通っているので、簡単には持ち上がりません。乳首が針によって引き延ばされています。
「あぎゅぅあー」
私は叫んでいました。
「どうだ。いいだろう。うれしいんだな?」
乳首がちぎれると思った瞬間、針先が床から抜けて左の乳房は自由になっていました。
小さな血の滴がついた乳首が、針をくわえ込んだまま、縮こまっています。もう美しいピンクの乳首には戻れないのではないでしょうか。
「次はこっちだ。こっちはうまく外れるかな?」
右側の乳房が掴みあげられます。そして、力任せに引き上げられます。
「あぐぐう」
声にならない声を上げて、失禁しました。でも、だれもそれには気付きません。
左右とも、針は刺さったままながらも、乳首はちぎれることなく残っていました。
「どうだ。気に入ったか?」
私は首を縦に何回も振ります。涎がだらっと垂れます。
「がっ、はい。ありがどうごだいまつ」
口が強ばって、うまく言葉が出ません。
彼の手に先端が尖ったペンチがあります。ワニのような鋭い歯がこちらをにらんでいます。
それで、乳首の先端を軽くはさみました。
「あっ」
新たな痛みに声をあげてしまいます。涙が、あふれて頬を伝い続けています。
「なんだ。まだ力を入れてないんだけど」
じわじわと先端が乳首に食い込んできます。潰されてしまう……。私は覚悟しました。
彼は乳首の先端の、もっとも敏感な皮膚をペンチでつまみ、引き延ばしていくのです。
「ぐぎぃ」
歯を食いしばって耐えます。
もう一つのペンチを飼育員に渡して、食い込んだ針を引き抜かせるのです。
「あああ」
声を出している私。
一本、また一本と針が抜かれていく快感。これは、いままで感じたことのない世界でした。
今度はマン汁を噴き出しました。足が生暖かいものでぐっちょりと濡れていきます。
私は白目を剥いて、怖ろしいほどに感じていたのです。
「これだけですむと思うなよ」
彼の冷たい声。
針が抜けた乳首全体にギザギザの鋭いペンチの歯を噛ませます。
「こうしたら、どうかな」
小さな万力を手にしています。
ペンチをぐいっと握って、敏感な部分を押し潰しながら、ペンチの先にその万力をはめこみ、くるくるとハンドルを回して締め上げていきます。
ペンチの歯が柔らかな乳首を引きちぎるほど、深く食い込みます。重い鉄の万力は加減を知らず、緩むこともなく、彼が操作したままに、がっちりと私の敏感な乳首を押し潰すのです。
左右の乳首に、重い万力とペンチが装着されました。
人間の力ではきっと手加減してしまうところを、道具を使うことで、彼らはやすやすと、思い切り乳首を潰してしまうのです。
「どうだ。素敵な飾りだろ。気に入ったか?」
「ふあい」
私は答えます。
涙と鼻水と涎で顔がぐちゃぐちゃです。激烈な快楽に下半身は痺れ、体が冷たい炎と化していました。
彼に促されて、飼育員たちは、ペンチの柄を引っ張ります。
「ほらほら、奥さん、こんな飾りつけて。みっともないね」
激痛が乳首に走ります。
彼がペンチを右に捻りました。一回転だけではすみません。二回転、そして三回転。
「ぐぎゃー」
自分でも聞いたことのない、ケモノのような悲鳴を上げてしまいました。
乳首の根本から乳房全体までもが雑巾でも絞るかのように捻れていくのです。
興奮した飼育員が、私の開ききった口に屹立した男根を突っ込みました。
それが合図だったかのように、私は床に引きずり出されて、再び彼らに犯されたのです。それもこれまでになく激しく。
彼らから優しさを取り去った、彼のやり口が、私には恨めしく思います。
散歩させてホームレスたちに犯させたときでさえ、名前を覚えさせるためにスタンガンを使ったときでさえ、まだしも飼育員たちは優しさが残っていました。
微かながらも、男が女に対する気持ちがあったはずです。
少しでも長く、私を犯し、快楽を共にしたいという気持ちも強かったはずです。
ほんのわずかだとしても、私のことを気遣ってくれる心が残っていたはずです。
でも、いまの彼らには、そんな情はないのです。
私を自分たちの欲望のままに破壊することも厭わない凶暴さしかありません。
私が家畜になることは、彼らを野獣にすることなのです。
彼の恐ろしい意図がわかり、私はそれでも、泡を吹きながら、絶頂を感じていました。
どこまでも登り詰めるような、激しい絶頂でした。
羞恥
全員が疲れ果てていました。
私は手を自由にしてもらいましたので、自分で鼻フックを取りました。鼻の粘膜をえぐり取るように食い込んでいたフックは、外すときも激痛なのです。
「はー、はー」
それだけで荒い息をついていました。
次に乳首です。
噛みついているペンチを外すのは、勇気のいることでした。万力を緩めていくうちに、麻痺していた先端部分に鋭い感覚が戻っていくのがわかりました。
「あっ」
もだえ苦しみながら、万力を外します。
がっちりと肉に食い込んだペンチは、それだけでは外れません。
そっと柄を開いて、ペンチの口を開けなくてはなりません。焼けるような衝撃に、体が震えます。
ですが、なによりも変わり果てた乳首を見ることが苦痛でした。
血にまみれた乳首は、波を打つように細かく鋭い歯の跡をくっきりと残していました。
これが元に戻ることなどないように思えます。小指の先より小さかったピンクの乳首は、親指ぐらいに広がって見えます。赤黒く腫れています。
こうして自分の体が壊されていくのを目の当たりにすると、恐ろしくなってきました。
もう、止めにしたい。家畜妻など、終わりにしたい。彼とも離婚しよう。
彼はニヤニヤしながら私を見つめていました。
「どうだ。やめるか? 離婚するか?」
こちらの気持ちを読まれたような気がしました。
「離婚させてください」
私も珍しく正直にそう言っていました。
「じゃ、まあ、離婚届ってやつを出そうか」
彼は用意周到に離婚届を持って来ていたのです。そこには彼のだけではなく、私の捺印もあります。あとは私が著名して提出すれば離婚できるのです。
「届けてきなよ。おれは行かないけどね」
「え?」
彼は、私にこのかっこうで役所に届けを出せというのです。
「どうするかな? 行くなら、おれの気が変わらないうちだよ」
精液にまみれ、乳首を潰された姿で、しかも全裸です。役所に行けるはずがありません。一歩だって、この部屋から出られません。
「そうそう。外に行くの、嫌なんだって? まず、それを克服しないとムリなんじゃないか?」
だいたい、身分証明も持っていませんから、本人確認もできないでしょう。恥を忍んで役所まで辿り着いたとしても、門前払いどころか、警察を呼ばれ、さらに恥ずかしい思いをするだけでしょう。
「家畜妻の意味が、やっとわかったみたいだな」
彼は、別の紙を取り出すと、壁に、乳首を貫いていた針で止めました。私の書いた契約書のようです。
「毎日、ちゃんとこれを読んだほうがいいぞ。念のために言っておくが、これは拡大コピーしたやつだから、破いたからって、無効になるわけじゃないんだからね」
のぼせあがってサインをしている自分を思い出します。
幸せなグアムの数日。いえ、婚約から結婚式、新居選び、なにもかもが、私の喜びでした。彼は限りなく優しく、だれもがうらやむカップルでした。
でも、私はその契約書に自分でサインをしています。それがコピーで拡大されてはっきりと示されています。
「家畜妻は、自らの肉体を傷つけ、または第三者などによって改造され、失うこともいといません」と書かれています。
その項目を読まなかったはずはないのですが……。
足蹴
「どうだ。久しぶりに外に出ようか?」
彼は昔のような優しい声で、そう言うのです。
押し入れに放り込まれたマイクロミニとTシャツ、そしてサンダルを取り出しました。
「普通に着てもおもしろくないから、それはそのままってことにしよう」
首輪とおっぱいを突きだしている拘束具はそのままだというのです。
「寂しいだろうから、これも入れるか?」
彼は私に小型のバイブを示します。
みなさんに犯されてぬるぬるの穴にそれを押し込みます。青いのを前に。黒いのを後ろに。
どちらも線が延びて小さな箱につながっています。
そしてこれまで使わなかった革のストラップを股に通して、そこに箱の部分を装着し、思いきり絞りあげました。
硬いバイブを飲み込んだ下半身。その上からマイクロミニを履きます。
Tシャツを着ると、拘束具が透けて見えます。奇妙な下着です。
彼は首輪からチェーンを外してくれました。
「おまえが先に歩くんだ。こうしたら右」
おまんこの中で、バイブがビーンと振動します。彼は小さなリモコンを手にしているのです。
「こうしたら左」
今度は直腸の中で振動します。
「そして、こうしたら止まれ」
両方が振動すると、激しすぎて、動くことはできません。しゃがみ込みたくなります。
飼育員の人たちに見送られ、私たちは部屋を出ます。
外の空気を吸うと、恥ずかしさがさらに大きくなります。私のようなものが外を歩くなんて……。
おまんこが振動し、道に出て右に行きます。
角にさしかかるたびに、振動があるのではとビクビクしながら歩くので、自分のかっこうの異様さなどは、それほど気になりません。
短くされた髪、化粧のない顔、異常な服装。
人々がギョッとしたように私を見ては、すぐに目を逸らします。
お休みなのか、人通りは多く、自転車もすれ違います。お尻が振動して、横断歩道を渡って左へ行きます。
住宅街を、右に左にと歩かされます。
そのうちに、堤防が見えてきました。
昨夜、目隠しをして行った場所。
まだ太陽の高い昼間にそこへ行こうというのでしょうか。
堤防に上がると、子どもたちが野球をしているのが見えます。自転車でサイクリングをしている若い人たち。私たちと同年代の夫婦が、楽しそうにしている姿もあります。
私と彼はいまはまだ夫婦なのだ、と思うと、こんなかっこうでの散歩でも、ありがたいように思えました。
でも、やっぱり……。
バイブの振動は、私に河川敷に降りて、ホームレスたちがいるブルーシートの家が並んだ場所へ行くように指示しています。
振り返ると、かなり後ろに彼はいました。表情はよくわかりません。曲がるまで振動は止まらないので、私はマン汁を腿に垂れ流しながら、橋に向かって行きます。
夜はわからなかったのですが、古いコンクリートの橋の下が彼らの家のようでした。
まっすぐその区域に入ると、一人が私を見つけました。
「お、あの姉ちゃんだ。また、可愛がってほしいのかよ」
「今日は、違うんです」
背後を見ると、彼は遠くから見ているだけです。
「昼間見ると、スゲエかっこうじゃん」
たちまち四人ほどが出てきて、私を囲みます。
「いい女だな」
「淫乱なんだね。見ろよ、なんか垂らしてるぜ」
バイブが両方ともに振動し、私はしゃがみ込みます。
「おれたちをバカにしてんじゃねえだろうな」
私は首を左右に振ります。
「悪いな、忙しくてな、相手にしてられねえぜ」
イキそうなのです。たまらなく、感じているのです。ホームレスにも無視され、バカにされながら、絶頂を感じていました。
「なに、ヨガってやがるんだ」と蹴り飛ばされました。
泥の中に倒れます。マイクロミニがめくれあがって、裸の尻が丸見えです。
うってかわって鬼のようになった彼らに、何度も蹴られ、踏みつけられます。
「どうなんだ。こうして欲しいのかよ」
倒れた私の顔を、彼らの靴が容赦なく踏みつけます。
「こうしてやろう」
昔の子どもたちが冗談でやっていたような、電気あんまです。男たちが私の足を持ち、スカートがめくれて剥き出しになった股間に、土足を押しつけて、ぐいぐいと踵で揺さぶります。
「ひぃー」
さんざん股間をいたぶられます。
「今度はこうしてやろう」
足を持った男たちが、私をうつ伏せにひっくり返します。今度はお尻から、電気あんまをかけるのです。
「あっあっ」
痛む乳首が地面に擦れて、再び私はアクメを感じていました。
バイブの勢いも止まりません。
「おいおい、こいつ、潮吹いてやがるぞ」
男たちが私の股間から吹きだした液体をおもしろがって見ているようでした。
「汚ねえ女だな」
地面に放り出されます。彼らは私のお尻や太ももを蹴り上げます。
「出て行け」
すぐには動けません。
「さっさとしろよ」
靴が私の口の中に入ります。鼻が踏み潰されそうになります。
転がるようにして、それから逃れました。
そして、なんとか立ち上がります。
「殴られたいなら、いつでも来い」
鬱憤が晴れたのでしょう。彼らは小屋に戻っていきました。
私は惨めな姿でした。
それなのに、半分飛び出した二つのバイブを、体の奥へ押し戻すのでした。
つるし
泥だらけのまま、堤防からまた町に戻りました。恥ずかしさよりも、惨めさで、なにも考えられなかったのです。
家畜妻恵美の部屋に戻りました。
すると、部屋の中が大きく変わっていました。私がいない間に、彼に命じられ飼育員たちが活躍したのでしょう。
部屋の中に、パイプを組み合わせて作られた大きな装置ができあがっているのです。
四角く囲まれた支柱、その上には横にパイプが平行棒のように二本。平行棒と違うのは、フックがかかるように輪がいくつもついていて、そこからフックとチェーンが下がっていることです。
四本の支柱のうち、壁側は建物の柱にボルトで固定されて安定性を高めていました。そして、手前の二本の支柱には、ちょうど腰をかけるぐらいの高さのところに一本のパイプが室内に向かって突き出ています。その長さも調整できるようでした。
「こんな具合でいいですか?」
飼育員が言います。みなさん、建設現場などの経験があるらしく、手際よく組み立てて、仕上がりに自信もありそうでした。
「よし。じゃあ、試運転だ。試してみよう。どうだ、やってみたいだろう?」
彼に言われて私はなにもわからないのに「はい。お願いします」と答えていました。
もはや、離婚のことを考えたり、この境遇からの脱出を考えてもムダなのです。
逃げるなら、さっき、まがりなりにもTシャツとミニスカートを着せてもらったときにすべきでした。
でも、できなかったのです。ああなると、すっかりそういったことを忘れてしまうのです。
頭から水を浴びて顔や体の泥を落とし、ついでに服も洗濯します。服は飼育員が、外に干してくれました。
拘束具とバイブを外しました。
「またまたトロトロになってやがるな」
股間を指ですくった飼育員が、その指を私に舐めさせます。
淫らな味がします。
「困ったやつでしょう」
彼はニコリともせず、苦悩する夫を装うのです。
淫乱で強烈な刺激を求めてやまない家畜妻を持った男として。
ガチャガチャと音が部屋に反射しています。
彼らが用意したのは手枷、足枷です。大きくて丈夫で、革の内側は柔らかな素材が使われています。枷には金具の輪がついています。
それを手首と足首にしっかりと装着します。
部屋に向かって突き出たパイプに腰掛けさせられます。冷たい金属がお尻に食い込んできます。ヒンヤリとした感触が股間に伝わってきます。
何カ所も穴が開いている太いパイプで、腰を下ろしてもびくともしません。
足首の枷を上から下がっているチェーンにフックで引っかけます。それだけでは不安なのかカラビナもつけます。
お尻だけで体重を支え、足を左右に限界まで開き、支柱に軽く背中がついている状態です。
ブランコのような板を、別のチェーンに取り付けます。長さを調整して、乳房の下にあてがいました。お盆にでものせたように、私の乳房がそこに乗っかるのです。
「これで、もっとオッパイを責めてやれる」
久しぶりに彼の笑顔を見ました。なんてカッコいいのでしょう。女にこんな仕打ちをしても表情一つ変えないような、とんでもなく冷たい欲望を抱えているなどとは想像もできません。
きっと、いまこの瞬間に警察がやってきたとしても、逮捕されるのは私なのではないかと思うのです。
「あんたがそそのかしたんだな」と警察は、私を責めるでしょう。
家畜妻として、誰も知らない彼の秘めた欲望の犠牲になるときだけ、私は彼を独占できるのです。
彼はいま、私だけの彼なのです。
足や手をいろいろな角度でパイプやチェーンにつなぎ、長さなどの調整がされました。また、私だけではなく、数人がぶらさがって支柱の点検をして、びくともしないことが確認されました。
「ほかのポジションも試そう」
いったん解放され、四本の支柱に囲まれた中に入ります。
飼育員さんたちが私の体を持ち上げて、足枷を平行棒から下がるチェーンに取り付けます。彼らが手を離していくと、あっという間に、開脚のまま逆さ吊りになっていました。
頭が床から数センチのところで浮いています。
みなさんが、私の股間に顔を寄せています。
「穴を責めるのが便利になりますね」
飼育員たちは、無造作に私の股間に手を置きます。
私の体を押すと、ハンガーラックに下げられた洋服のように、パイプの端から端までスライドしていきます。
部屋の一番奥まで移動すると、頭の真下がコンクリートの床の部分に到達して、排水口が真下に見えます。
「なるほど」
飼育員たちが喜んでいます。
「こっちへやってみよう」
今度は窓の方へすべっていきます。
体が完全に庭に出てしまいます。夕暮れの空。冷たい風を感じます。頭の下は湿った地面です。
「干すのも簡単ってわけだ」
部屋に戻されると、上体を持ち上げられ、海老反りの状態で、手枷にチェーンがかけられました。
これに吊されたら、私はもう壁にかけられた洋服と同じです。体のどこになにをされても、抵抗どころか、隠すことさえできないのです。
きっと、私は吊られて、これまで以上の苦痛を受け続けるのでしょう。
「飼育員のみなさんに、彼女からお願いがあるそうですが、これからこの装置を存分に使ってほしいのだそうです。そうだな?」
また、すべては私の発案で、私の希望なのだと宣言しなくてはならないのです。
「はい。家畜妻として、どのような責め苦も受けたいと思います。私を吊して、いろいろな道具で責めていただきたいのです」
なにもかも忘れるには、もっと酷い目に遭うしかありません。そもそも、自分からそうなることを望んだのです。やめるなら、グアムでも、成田でも、そして最初にここへ連れてこられたときでも、できたはずなのです。
すべてを忘れてしまったほうがいいのです。
そして私が苦痛の中にいるとき、彼は必ず微笑んで、私を見てくれているのです。その彼を失うことなど、いまの私には考えられないのです。
さっき外を歩いて、私はとてもいまの姿で役所まで行って離婚届を出すなんてムリだとわかりました。いえ、彼と別れたくないことがはっきりわかったのです。
このおぞましい装置、七人の飼育員たち、この古びたアパート。そのすべてが彼との強い結びつきなのです。
ここに縛られ、責めさいなまれている間、私は彼の妻なのです。
ホームレスの人たちに蹴り倒されて、泥にまみれてもまだ感じていたような女です。離婚したところで、普通の生活には戻れません。
ここで家畜妻として彼に責め殺されよう。そう決めたのです。
手首と足首だけで体重を支え、海老ぞりにされて、しだいに苦痛がひどくなってきました。
チェーンを握って、少しは姿勢を保とうとするのですが、とても維持していられません。
「いい覚悟だな。その覚悟が本当かどうか、確かめてみよう」
彼は私を外に向かってスライドさせていきました。
下半身が庭に突き出ます。
庭に降りた彼が、ヒュッと音を立てて、長い一本鞭を振り下ろしました。その先端が尻から内腿にかけて当たります。
悲鳴を上げそうになるのを、こらえました。
「どうだ。やめてほしいか?」
「い、いえ。もっとお願いします」
バシッと肉のはじける音が響きます。
「ひー」
肉が裂けたような強烈な痛み。
「数えろ」
「一」と私は、大声にならないようにして数え、鞭に耐えます。
「二」
鋭い刃物で切り裂くように、お尻に当たります。
「三」
腿にもからみつきます。
「四」
鼠
径
部
にも容赦なく当たります。
数えたあと、じんわりと痛みが全身を巡り、やがて声が出ないほどの苦痛になっていくのです。
三十数えたところで、終わりました。それは力ずくの折檻でした。いままで以上の苦痛がこれから始まる合図でした。
部屋に戻されます。
「どうだ。気持ちがよかっただろう」
彼はそう言うと、少し傷が回復しつつある乳首を、指でコリコリと潰します。
「ありがとうございます」
私はなんとか口に出すことができました。
股間がどうなっているのか。お尻の肉がどうなっているのか。おそろしくてなりません。
手枷の鎖が外されて、逆さに吊されます。手枷は支柱の下部に別の鎖で固定されます。
苦しかった背中が伸びて少しはよくなったのですが、今度は頭に血がのぼり、別の恐怖を感じます。
「どうせだから、もう少し叩き心地を試したい。みんなも練習が必要だからな」
彼は鞭を飼育員に渡します。
「好きなところに当てていいぞ。顔はかわいそうだから、やっぱりこのあたりがいいな」
手で、おまんこを撫でて、そこから下腹部、そしてオッパイにまで這わせていきます。
「やってみろ。一人、十発だ」
七人の飼育員がいますから、七十発も鞭を受けるのです。それだけでも気が遠くなります。
力加減が人によって違い、弱いとちゃんと音がしませんので、そのたびに彼が「ダメだ。もう一回」と追加していくため、いつまでたっても終わりません。
「ひっ、ひっ」
悲鳴を上げ続けます。
おまんこの芯の部分にはさすがに当たりませんでしたが、腹部や背中には容赦なく鋭い鞭が食い込みます。
気が遠くなっていたのでしょう。頭に水をかけられ、それがふいに鼻に入って、激しくむせて、正気を取りもどしました。
「まだまだ」
体中を
蚯
蚓
脹
れができるまで、打ちのめされて、頭がボウッとなっています。
全員が打ち終わると、私はようやく拘束を解かれて、ビニールの上に横たわりました。
「大したものだ。百叩きを耐えたんだからな。いい運動になっただろう」
夕方になってきたのですが、彼はそれで満足したのか、帰ってしまいました。
私は飼育員たちの手で、傷口に激しく染みる薬を塗られて、発熱したようになり、震えながら布団にくるまって横になるしかありませんでした。
このぶんなら、苦しみから逃れるのは、案外早いかもしれません。私は簡単に死ねそうな気がしました。
せいぜいそれまでの間、彼の激しく厳しい愛の中で悶え苦しもう、と思うのでした。
近隣迷惑
翌日、痛む体を抱えて、どうにか洗面器の食事を終えて、一リットルの浣腸を十五分耐えて排泄をし、水道で腸を洗われているときに、ふいにドアが開きました。
「すみません」と女性の声です。
飼育員の一人が「なんです」と慌てたような声で対応をしています。
「実は、私はこの近所に住んでいる者ですが、この頃、動物なのか人間なのかわかりませんが、悲鳴のようなものが聞こえて気味が悪いんです。今日は私とほかに二人、この町内の者が、事情を確認するためにうかがいました」
昨日、窓を開け放して鞭による百叩きをしたからです。私の声が漏れないはずもありません。
「困りましたね。そういうことはないんですけどね」
飼育員が答えます。
そして、飼育員の一人が庭から出て、隣の部屋に走って行きます。
私はコンクリートの流しで排泄しながら、じっとうずくまっていました。
いま、飛び出したら、どうなるでしょう。
すぐそこの、手が届きそうなところに人がいるのです。助けてくれるでしょうか。それとも、軽蔑されるだけでしょうか。
「中を見せていただくことはできませんか? このアパートって取り壊されるって聞いたんですが、最近、お住まいになっている方が急に増えたらしいというのも、なんだか妙だなってウワサされているんですのよ」
複数の女性の声。
助けてくれるかもしれない。
私は部屋に残っている飼育員が呆然としているのを見て、裸のまま、飛び出しました。
「きゃー」
女性たちが叫びます。
「やあ、すみません」
彼の声が響きます。
私は飼育員に首輪から伸びたチェーンを引っ張られます。
「あぐっ!」
ぶざまに転がされ、部屋の中に引きずり戻されます。
玄関のところにスーツ姿の彼が立っていました。こちらに背を向けています。


