「くねくねしてごらん。オナニーができるわよ」
少しでも動けば、オナニーどころか、剛介たちに乱暴された股間に激しい痛みが走る。それに、彩芽が示唆したお尻にも当たっているので、いやでも意識させられてしまう。
誰もがわたしに痛みを与える。肉体的な痛み、そして心の痛み。それをみんなが「快楽」だと決めつける。体が反応しているのが証拠だという。
信じられない。そんなことがあるだろうか。こんなことに浸りきる者などいるのだろうか。
奴隷として
数時間の間に、体のあちこちが敏感にさせられていた。
「このままで朝までいなさい」
ぐいぐいと鎖を寮長が引っ張る。
「安里咲、オナニーしすぎないでね」
バタンとドアが閉じられた。
しばらく寮長と彩芽の笑いの混じった声が聞こえていたが、それもなくなった。
自分の呼吸する音しか聞こえない。
朝までそのままで磔にされていた。
意識がなくなって、手首だけで吊られていることに気づき、足に力を入れて体を伸ばすと、股間に鎖がグイッと食い込む。
「ぐぅ」
何度もそんな目に遭いながら、朝を待った。
薄明かりが、ドアの隙間から入り込んできた。
手も足もガクガクしている。
戸が開けられると、寮長と彩芽がいた。
悪夢は終わらない。
「眠れた? そんなわけないか」
彩芽が手首の鎖を外してくれた。
「暴れなければ、こんなことはしないわ。かわいそうに」
皮が剥けている手首。彩芽の指先がそこをやさしく撫でる。
足に力を入れているつもりだが、上体を支えられないので、彼女にもたれかかってしまう。
「まあまあ、大丈夫?」
足枷の鎖も外され、そのまま部屋の中央に引き出された。
窓にはカーテンがあり、明るくなったのは電気をつけたからだった。
ニセ物かレプリカかわからないが、もしホンモノなら三百万円ぐらいはするはずのマイセンの置き時計があった。天使のような子どもたちが四人、時計のまわりに配置されていて、それぞれが、水、火、土、空気、つまり世界を作っている四元素(と昔は信じられていた)をあらわしている。
その時計は午前六時まであと二十分ほどあることを示していた。
日の出前なのだ。
なんとか、数時間でいいから、ベッドで寝かせてもらえないだろうか。
「少しだけ休ませてあげましょうね」
二人はわたしを奥の部屋へ連れていく。
ベッドがある。乱れた毛布。なにもかもピンク色に囲まれた寝室だった。寮長の趣味とは思えない。
そこに投げ置かれた。
やわからなベッドの感触。寮長の臭いだろうか。だが、文句は言えない。うつ伏せで、そのまま眠りにつきたくなった。
「ふふふ」
ジャージを着た寮長と彩芽が、笑いながら、わたしの左右に一緒になって横になった。
「寝てていいのよ」
彼女たちは体を密着させてくる。
「おとなしくて、言うことを聞く安里咲って、かわいい。これからもずっとそうしていなきゃ、ダメよ」
暴れる気力はない。手にも足にも力が入らない。
「まだ寝かせないわよ」
寮長がわたしの鼻をつまんだ。
「息ができなくなるかな? じゃ、させてあげようか」
力が無いとはいえ、呼吸ができなくなれば暴れる。
彩芽は横向きのまま背後から腕を持ち、膝を背中にあてて、足をからませ、プロレス技のようにする。
「言うことをなんでもきくいい子になるのよ」
海老ぞりにさせられ、腕が引き抜かれるようだ。
「ぐがあ」
「呼吸しやすくしてあげましょうか」
つまんでいた指をやっと離してくれたが、今度は親指で鼻を押し潰してきた。
「ブタちゃんよ。ブーブー言いながら息をすればいいわ」
悔しいが呼吸をしないわけにはいかない。
鼻が鳴ると、二人はケラケラと笑う。
「あー、おかしい。これからこのつまらない女子寮も、安里咲のおかげで楽しくなるわ」
「ゲー研も新しいゲームを作ることができるしね!」
「安里咲はみんなの役に立つのよ。みんなに喜ばれるの。すばらしいことだと思わない?」
顔をいじられ続ける。
ブタに似ているのはむしろ寮長の方だ。わたしのような顔の女に恨みでもあるのだろうか。
くたくたに疲れていて、眠ることもできない。
彼女たちはゆっくり休んで力がみなぎっている。
このままでは、反抗することも、逃げ出すこともできない。
絶望。
いや、あきらめたら負けだと思う。あきらめたら……。
「うぐぐぐぐ」
寮長はわたしの顔を舐めはじめた。頬、鼻、目……。開かされた唇も。
背後の彩芽は、うなじや腕を舐めている……。
「安里咲。あなたが従順な奴隷になって、わたしたちの言うことをなんでもきくようになったら、もっと楽ができるわよ。痛い目に遭わせたいからやってるんじゃないのよ。あなたが反抗ばかりするから。悪い子は罰するでしょう?」
寮長は太った外見に似合わない甘い声を出す。
「今日は土曜日。ゆっくり楽しみましょうね」
そんな……。
「大丈夫よ。男たちは忙しいらしいから、今日は来ないかもしれないし」
彩芽が言う。彼女はわたしの両手の枷を縛り、いまは足の枷をベッドに縛り付けている。
枷というもので、自由が簡単に奪われてしまう。
体はもはや汚れきってしまった。だけど、彼女たちは、心までも汚そうとしている。
どうすれば、この地獄から逃れられるのだろう。出口が見えない。
「わたしは一番遅く参加したゲー研メンバーだから、よくわからないんだけど、今日はゲー研も休みだって言っていたわ」
「あら、知らなかったの、彩芽。教授たちは港で撮影があるって言っていたわ」
「え? 撮影?」
寮長も彩芽も知らなかったのだ。わたしもずっとあとで知ったのだが、亜由美を国外へ連れ出すための船は、この日の出航だったのだ。
五月七日、土曜日。拷問実験を終えてわずか二日で、亜由美を海外留学に出すために、彼らはパルダ王国へ向かう貨物船に乗せたのである。
船旅の間に傷を癒えさせつつ、船員たちの慰み物とされるのだ。
その同じ日に、わたしは……。
「とっちゃうわよ」
ブラを外し、スカートを取った。どうせ役に立たない服だが、ジャージのままの二人にはさまれて、裸でいるのはつらい。
「泣いてるの? まだ涙が出るの?」
彩芽が後ろから舌を伸ばして目尻を舐める。
寮長がジャージを脱ぎはじめた。
「安里咲。ゆうべは男たちのオモチャにされたらしいけど、あなたはまだ経験が浅いから、女の悦びを知らないでしょう?」
知らなくていい。おまえたちから悦びなんて、得られるはずがない。あるのは憎しみだけ。
「恥ずかしがることないのよ。わたしたち、みんな同じ体の構造なんだからね」
男だけではなく、女からも強姦されるのだろうか。
「これ、わかる?」
ぶらぶらとした肌色の棒。それは典型的な男性器の形。
「シリコンでできているから、優しいのよ。これでみんなでつながると楽しいわよ」
吐きそうになる。
寮長がそんな趣味だったとは。
わたしが犠牲になる前は、彩芽と楽しんでいたのだろうか。それともほかの寮生が犠牲になっていたのだろうか。いや、もしかすると女子柔道部員の中から犠牲者を選んでいたのかもしれない。
なにげなく暮らしていたこの寮が、実はとんでもない場所だったのだろうか……。
とうとう寮長が裸になった。下着はパンツしか履いていなかった。丸い体は筋肉質で見た目と違い、固い。
おぞましくも、彼女は肌色の器具を舐めている。ベタベタと唾液をつけていく。
それで、わたしの顔をピタピタと叩く。
「欲しい? だめよ。まだまだ」
彩芽も背後でジャージを脱いでいるようだ。
「もう一本あるのよ」
同じような器具。こちらは黒く、不気味にゴツゴツとした形をしていた。
それも彼女が舐めてから、顔に押しつけてくる。
「わかるでしょ? 安里咲には二つのステキな穴があるの」
彩芽の指がお尻を割って入ってきた。
「痛くしないように、ワセリンを塗ってあげるわ」
指でお尻を揉まれる。
寮長の指は性器に入っている。
「彩芽、先に入れてあげて」
お尻に堅いものが突き当たる。
「ぐぅぅぅ」
そこが広げられる。自分の体でありながら、そこは基本的にはタッチしない場所なのに。
排泄するための器官に物を押し込むなんて。
「ぐぐぐぅ」
抗議のうめき声をあげても、粘膜を蹂躙しながら堅い棒が押し込まれる。
「もっと力を抜きなさいよ。切れちゃうわよ」
そんなことを言われても、力が入る。
「半分ぐらい入ったわよ」
「へえ。なかなか素質がありそうね。まさか、これまでも、お尻でオナニーしていたのかしら?」
そんなこと!
「じゃ、飴と鞭。つぎは甘ーい飴ね」
寮長が柔らかな器具を性器にあてがう。
「安里咲。ちゃんと濡れてる。お尻で感じたの?」
彩芽がふいにお尻の器具を動かす。
「がはっ」
おぞましい。鳥肌が立つ。
入れた器具を動かすつもりなのだ。
「ほーら、こっちがギュッと締まるわ」
寮長の指が膣を広げようとする。先端をあてた器具を押し込んできた。
「すごいわね。狭いわよ。こりゃ、男たちは大喜びだったんじゃない?」
恥ずかしい言葉で嬲られ続ける。その気持ちを彼女たちも知っているはずなのに。
「奥まで入れてあげるわ」
寮長と彩芽に、同時に二つの穴を突き上げられる。
叫んだつもりでも、二人には届かない。喉を鳴らしたところで、子犬ほどの鳴き声も出ない。
「さあ、安里咲。これからステキな時間を一緒に過ごしましょうね」
中に入れた器具はかなり長いもので、その末端にもペニスのような形があった。
寮長は丸々とした体を機敏に動かし、ベッドの上でしゃがむと反対側を自らの中に入れていく。へらへらと不気味な笑いを浮かべて。
「これで安里咲とつながったわ」
彼女はかなり深くまで入れてしまったようだ。
その器具を通して、彼女の持っている悪いものが、伝染してくるのではないだろうか。
「彩芽。楽しい話を聞かせてよ。安里咲の話」
「はい」
背後にいる彩芽がなにか準備をしている。彼女は足を使ってお尻に入れた棒を刺激している。
そして寮長はわたしを強姦するのだ。
「そこに、珠緒がいたので、どれだけ驚いたことか」
彩芽の声が響く。
珠緒? なに!
「憧れのマーコフ様に告白をして、ようやく彼の家に招待された。有頂天になっていた。ロシア系のバレエ教師。特別講師として夏だけ教えてくれるというのだが、ほかのみんなも夢中になっていたと思う……」
やめて!
この二人は、どれだけわたしをいじめれば気が済むのか。
勝手に人の部屋に入り、古い日記を見つけたのだ。彩芽たちはそこにおもしろい記述があるのを見つけたに違いない。
「マーコフ様との甘いキス。彼はわたしの体を触ってくれて、やさしく抱っこしてベッドに連れていってくれた。服を脱がされて、すてきな時間がはじまった。夢中だった。それなのに」
なんと惨いのだろう。
いくら嗚咽していも、彼女たちは許してはくれない。
「終わったと思ったら、そこに珠緒がいた。そして、今度は三人でしようという。マーコフは珠緒とも熱烈なキスをした。ショックだった。珠緒は彼と関係があったのだ。それだけじゃなく、わたしの告白に彼が応えてくれたのは珠緒がそうしろと勧めたからだと、あとでわかった。珠緒はわたしと深い関係になることを望んでいたのだ。マーコフは男女ともに愛することができるという。どちらかといえば男性が好きだとさえ言う。珠緒もそうらしく、どちらかといえば女性が好きなのだと言う……」
寮長が激しく体を動かし、彩芽はわたしの日記を読みながら、鼻で笑いつつ、お尻の棒を操作する。
横になったわたしは、二人に激しく責められて、泣き叫ぶばかりだ。
「安里咲。おまえは自分が変態だって気づいていないんだね。かわいそうに。だけど、その珠緒って友だちが見抜いたように、おまえはそもそも変態で淫乱な女なんだよ」
寮長はうわずった声でそう言う。
「はああ、なんて惨めでドスケベな子だろう。安里咲。すごくいいわ。あんたも感じなさい。素直になるのよ」
そんなこと、できない。
日記を置いたらしい彩芽が背後から抱きついてきた。うなじにキスをして、乳房を揉む。
「安里咲って、スゴイわ。いやらしい人たちを引きつける才能があるのね」
寮長はわたしの足を抱えて、膝や腿を舐める。
殺してほしい。
こんな目に遭うなら、死にたい。
「ねえ、安里咲。日記はこれしか書いていないけど、三人でやったの? あなたの日記、初潮とかいろいろ書いてあったし、告白した男も何人かいるけど、肉体関係についてはっきり書いてあったのはここだけだったわ。まさかこのマーコフってのが最初の男?」
彩芽が耳元で囁く。
「かわいそうに。最初の男が両刀だなんてね。あなたのことなんてなんとも思っていなかったのね」
傷つくことには慣れているつもりだった。だけど、心の古傷をえぐられるのは耐えられなかった。
「あー、あー」と寮長が声をあげている。
「三人でやるって、楽しいと思わない? 安里咲は慣れているわけよね? 前のときもこうしたの? マーコフとしながら、お尻を珠緒って子にいじられていたの? それでどうだった? イッたの?」
そんなわけがない。
あのとき、珠緒に誘われたあと、逃げるようにして帰ったのだ。そんなことがあったから、バレエ教室へ行くのもやめてしまったのである。
子どもの頃から純粋にプリマに憧れ、夢の中で過ごす大切な時間だったのに、彼と彼女によって、すべて潰されてしまった。
「イクわよ、あー、すてき。安里咲もイキなさい」
寮長はアクメに達したらしく、大きく体を揺すっている。
「イキなさい」
彩芽が耳元に囁き、耳たぶを舐める。
こんな状態で、なにかが起こったり、感じるなんてあり得ない。
そう思っていた。
ところが、彩芽がお尻の中の棒を、激しく揺すりはじめた。体の中で、前と後ろから棒が擦りつけてくる。
その異様な痛みに、なにかおかしなスイッチが入ってしまった。
いや、肝心の部分へ電気が流れないようにブレーカーが落ちてしまったのではないか。
ガツンと脳髄を蹴られたような衝撃。
息ができない。
「がああああ」
硬直する。
彩芽が気づき、猿ぐつわを外してくれた。
「あはあぁぁ」
ケモノのように声を上げる。体が動かない。痺れている。このまま死ぬのだと思う。
だとしても、かまわない。死んでしまえるのなら。これ以上の苦痛や屈辱は受けずにすむし、ここでわたしが死ねば、困るのは彼女たちだ。
すべての悪事が明るみに出るだろう。
それでいいのだ。
残念だけど、わたしはもうこれ以上は生きていてもしょうがないと思う。運命に委ねよう。
ふっと体の力が抜けたとき、その隙に忍び込むように。そして染み込むように、まったく違う感覚の波がやってきた。
「あふっ」
息ができた。
それだけではない。体が熱くなり、下半身が燃えてきた。
汗がいちどに噴き出す。恥ずかしいがおしっこも漏らしているのではないか。
なにかに飲み込まれていく。いやではない。むしろ気持ちがいい。
気持ちがいいなどという生やさしいものではなくなってきた。
「あひっ」
体をくねらせると、その感覚が全身に行き渡る。
二人が激しく棒を動かしていた。
そのせいなのだ。
これは、望んだことではないが、オーガズムなのだ。
「安里咲、イクのね。イキなさい」
白目を剥いていたのだろう。
「ひぃー」
長く細い悲鳴。
快楽の淵で、わたしは踊っていた。
真っ白な衣装を身につけて。マーコフに腰を持ってもらい、宙に舞った。
白鳥のように。
夢だ。
夢の中に溶け込むのだ……。
「すごく長いアクメだったわね」
背後の彩芽がつぶやく声に、ようやく我に返った。
「もしかして、安里咲。はじめてだったんじゃない?」
「そうよ、この子、めちゃくちゃ感じてたわよ」
恥ずかしさがこみあげてきた。
「やめて。お願い」
二人に頼み込むしかない。
死ぬこともなく、もちろん、白鳥にもなれない。
醜い女。恥ずべき肉体を持つ女に過ぎない。きっとそういう女だけが持つニオイを発していたのだ。それが末土教授や剛介を引き寄せてしまったに違いない……。
珠緒やマーコフに出会ったときに気づいておくべきだったのかもしれない。
「いいのよ、安里咲。女の悦びを知っただけのこと。よかったわね」
寮長が頭を抱え、慰めてくれた。
彼女の筋肉質の腹部。大きな堅い乳房。万力で押し潰されるような恐怖。母のように優しく抱いているのに、そうは思えない。
「助けて……」
「ごめんね、安里咲。もう助けるなんてムリよ」
寮長は笑っている。
「そう。スケジュールがびっしりなんだからね」と彩芽。
「安里咲。あとで、すごいアクメのときの姿をみんなで見ましょうね。安里咲はおまんことアヌスで感じまくったわけよ」
「そんな……」
彩芽がベッドを飛び降りて、「ほら、ここでしょ、それにここ。それからここ」と、壁、天井などを指さす。あの陶器の時計も。
「ぜーんぶ、カメラが仕込んであるのよ」
「おまえの淫らな姿がすべてライブでネット中継されているのよ。会員しか見ることはできないから安心して」
「そんなー」
「安里咲はデビューしたのよ」
彩芽はうれしそうだ。
「性奴隷としてね」
とても受け入れられない。
「きっとみんな、喜んでるわ」
「ふざけないで。わたしはそんなものは認めません」
「ええ、そういう設定だもの。それでいいのよ。安里咲は抵抗して反抗していい。シナリオ通り」
「訴えるわ」
「どうぞご自由に。ただし、自由はないけどね」
二人が高らかに笑う。
「ケツとマンコからディルドを生やして、よく言うわよ」
抜き取ることができない。
「取ってほしい? それとも、もうワンラウンドやる?」
悔しい。
寮に戻りさえすれば終わりにできるだけではなく、こちらから反撃できると思ったのに、むしろ罠に深くはまりこんでしまった。
どうやれば抜け出せるのか、想像もつかない。
「取ってあげるわ」
寮長は服を着て、乱暴に膣に突き刺さっている器具を引き抜いた。
「うっ」
「こんなにベタベタにしちゃって。しっかり舐めてよ」
その先端で頬を叩く。
「やめて! いや!」
「彩芽。あれを」
「はい」
背後に回った彩芽が素早くベッドに乗って、口に堅いものを押し込んできた。またボールの猿ぐつわなのか。
「大きく口を開けて」
寮長の手が伸び、鼻をつままれた。
暴れてみても、寮長に押さえ込まれると動けない。息をするために口を開くと、彩芽が金属の環を口に押し込んできた。
「ちゃんと噛んで。そうしないとかえってつらいわよ」
固いゴムでできた噛む部分がある。後頭部でベルトが締め付けられるのは猿ぐつわと同じだ。
「ああああー」
ただ、この装置は口が開いたままになる。
「これから、奉仕というものをしっかり覚えてもらうわ」
寮長がディルドの先端を口に向ける。
「まずはこれをしっかりしゃぶることよ」
押し込まれる。
「どう? 自分のおまんこに入っていたのよ。あんたの味がどういうものか、よーく覚えておきなさい。淫乱娘の味がするわよ」
「あがっ」
喉の奥まで突っ込まれる。
「おいしいでしょ? そのうちこのニオイだけで、あそこが熱くなるわよ。みんなでそういう風に調教してあげるわね」
彩芽が笑いながら言う。
女子寮のペット
口いっぱいに、不気味な器具が押し込まれていた。
寮長はそれを動かす。
「あわわわ」
喉を鳴らすと、思いがけなく深くまで突っ込まれる。
「げー」
反射的に吐き出したくなるのに、すごい力で押してくる。
「これぐらい飲めないとだめよ」
げーげーと苦しくて泣きわめくが、許してはくれない。
どれぐらい、そんなことをさせられたのだろう。
「最初だからね。とりあえずこれはいいわ。彩芽。そっちも取ってあげて」
お尻の棒に手がかかる。
そんな……。
絶望に身もだえする。そんなこと……。
ぴっちりと閉じた肛門をえぐるように棒が抜けていった。
「あーあ、見てください、寮長。こんなに汚れてしまったわ」
「そうね。お腹をきれいにしないで入れたから、しょうがないわ。安里咲のものだから安里咲に始末してもらいましょう」
彩芽が前に回り、背後に寮長がきた。
寮長はわたしの両手を背後にひねり、両足に足をかけ、身動きできないようにした。
「あが、あがっ!」
拒絶したくても、できない。
彩芽が髪を掴み、顔を上げさせた。
見れば、黒いディルドに茶色い物が付着している。目をそむけたくなる。それがなにか、はっきり知りたいとは思わない。汚物……。お尻に入れたのだから当然なのに……。わたしのせいではないのに。
「きれいにするの。わかる?」
「あがあが」
なんとかやめてほしい。
「舌を出してごらん。自分できれいに舐めるなら、突っ込むのはやめてあげてもいいわ」
できるわけがない。
「突っ込んでほしのね?」
彩芽は無情にもその棒を口に入れてきた。
「がぁぁぁ」
「すぐ慣れるわよ。自分のウンチぐらいどうってことないのに」
気絶するか死ぬか。
なにかとてつもないことが起こっていいはずなのに、なにも起きない。
彩芽が棒で口の中をえぐる。
「げぇぇ」
「きれいにしてちょうだい」
ひどすぎる……。
「洗剤が足りないみたいね」
寮長が横からツバを垂らしてくる。彩芽も真似をする。二人の唾液が糸を引いておぞましい淫具にからみつく。それが口の中に……。
「もっと擦って洗うのよ」
寮長が手を添えて激しく動かす。
「あぐぅあぐぅ」
喉まで突かれて、死にそうになる。
「自分のクソの味はどうなんだ?」
寮長はうれしそうだ。
「やっときれいになったみたいだね」
引き抜いた淫具をわたしの顔に押しつける。
「あー」
抗議したくてもできない。
「かわいい顔して。あんた、こういうの、はじめてじゃないんだろう? 珠緒とかマーコフとかと、さんざん楽しいことをしたんじゃないの?」
亜由美の苦痛と喜悦が少しわかるような気がした。
わたしの日記には具体的な行為を書いていない。マーコフはわたしの初めての男だし、恋人同士のセックスはしていたが、それ以上の発展はなかった。エクスタシーといっても、憧れの男性に抱かれて彼が喜ぶから満足していたのであって、それ以上の快楽を求めたことはない。
もちろん、その後、眠れなくて、異常に燃えた夜があって、あの二人のことを想像して自慰をしたことはある。あれは苦しく、恥ずかしく、間違った快楽だったと思う。
小柄な珠緒を貫くマーコフの非情なペニス。珠緒はお人形のような顔つきで、あえぐのだ。
それはわたし自身でもある。
オナニーをするときは、あの二人のことを想像するだけで長年、感じてきたのは事実だし、性的な衝動で想起するのはあの二人なのだった。
「ああっ」
彩芽がわたしの股間に顔を押しつけている。そしてその唇と舌で、敏感な部分を舐め回している。
さきほど熱くほとばしったあとだというのに、体がおかしくなってきている。すぐにまた、じわっとした快感に下半身が痺れたようになっていく。彩芽の舌が縦横無尽に性器を愛撫し、しゃぶり尽くしていく。
「あああああ」
軽く達してしまう。想像と現実がクロスしていく。マーコフと珠緒が笑っている……。「なんだ安里咲、あんたも結局、わたしたちと同じだったんじゃないの」
その想像によって気分がさらに
昂
ぶってしまう。
「またイッたね」と寮長。「何度、逝
けば気が済むのかね」
「へへへ」
顔をベタベタにした彩芽が頬ずりしてきた。
「安里咲、かわいいよ。ホントに好きになっちゃった」
「彩芽。おまえのペットにすればいいよ」と寮長が言う。「ただし、独占はダメだよ。寮全体のペットだよ」
「もちろん、わかってまーす」
「手始めに、こっちを満足させてほしいものだね」
「いいですよ、寮長」
ベッドの上の方へ行った寮長が大きく足を開いた。
彩芽に髪をぐいっと引っ張られた。
「これをしっかりくわえるのよ」
双頭のディルドに似ているが、その半分ほどの長さしかないものを開いた口の中に押し込まれた。
「これからはしょっちゅう、やることなんだから、上手にならないといけないわ」
乳房を後ろから彩芽に握られて、体を寮長の股間まで引き上げられる。
おそろしい。そこは固い毛に覆われている。浅黒い肌のままに、その部分も色素が濃い。さきほど、双頭ディルドでつながったこともあって、ぬめぬめと光り、愛液が陰毛に滴となって残っている。
自らわたしの口から生えた器具を手にすると陰部にあてていく。
腰をずらしながら、こちらに迫ってくる。
グロテスクなその縦に裂けた唇の中から、赤い粘膜が見えている。
入り口に先端をあてて、腰を使いながら奥へと入れていくのだが、そうしながら少しずつこちらに迫ってくる。
寮長、渡辺奈美の体臭が迫る。吐きそうになる。
「もっと奥まで」
腰が引けている。それを背後から彩芽が力尽くで押してくる。
ふいに寮長の股間が完全にわたしの顔に接触した。口を閉じることができない。こうなると器具を吐き出すこともできない。
「イクまでやってね」
「いいわ」
彩芽がわたしの背中に乗って、髪を掴み、頭を揺さぶる。
器具の底部が喉に刺さらないように、なんとか押し戻すのに必死になる。口の中を削られているような気がする。
「あぐあぐあぐ」
涙が出て、鼻水まで出る。その鼻に寮長の愛液がつく。
こんなにつらいことだとは……。
「いいわ。だんだんよくなってきたわ。安里咲、おまえもここが大好きにならないとね」
どれだけ同じことを繰り返しただろうか。
ただの道具とされていく。
ふいに、顔をはさんでいる寮長の足に力が入ってきた。
イクんだ。こいつ、こんなことでイクんだ。
「ああ、はぁぁぁ、彩芽ちゃん!」
寮長らしからぬカワイイ声。彩芽は、わたしを踏み台にして乗り越え、寮長にしがみつくようにしてキスをしたり、乳房を揉んだりしている。
醜いケモノたち。
「イクわ!」
強制されたわけではないが、ピストンのような動作を続けてやった。ストロークを長くゆっくりにしていくと、彼女の足が痙攣したように震えるのがわかった。
「はあああん」
甘い声を出して、イッた。
ビュッと小水のような透明な液体を噴き上げた。それが目のまわりにかかった。思わず後ろに引いた。漏らしたわけではないようだが、顔はビシャビシャになっていた。
「ハハハハ」
彩芽がわたしを見て笑った。
「ふふふふ」と寮長も笑った。
悔しい。マーコフや、好きではなくなったが親友だったことには変わりのない珠緒は美しさの塊だった。
寮長や彩芽には、美しさの欠けらもない。
こんな連中に快楽を与える道具になるなんて……。
「舐めろよ」
淫具を取り出され、猿ぐつわをようやく外してくれた。
寮長の股間を顔で拭かされた。彩芽が頭を掴んでグイグイと雑巾のように使うのだ。
「おいしいでしょう? 寮長のあそこ」
彩芽は笑う。
「大好きです、と言いな」
寮長が怒鳴る。
「だ」と言って、自分の声が自分のものではないような気がした。
「ほら」
顔を寮長の足にはさまれる。
「大好きです」
「寮長様、とつけないと」と彩芽。
「寮長様、大好きです」
「安里咲は、でしょ?」
「安里咲は、寮長様が大好きです」
言わせられながら、頭がボーッとなった。こんな醜悪な人たちを好きだと言わされる……。
「安里咲。逆らえばつらいことばかりになるんだよ。心からわたしたちに尽くすことだね。それが一番、賢くて楽しい方法だからね」
彩芽がぐいっと髪を引っ張った。
「はい」
返事を強要された。
「安里咲、わたしのことはどうなの?」
見た目はかわいらしい彩芽だが、もはやわたしにとっては悪魔にしか見えない。
その顔が近づいてきて、頬ずりしてくる。
「安里咲は、彩芽様が大好きです」
同じことを繰り返すしかない。そして吐きそうな言葉を強要されることが、いまのわたしの快楽の芯を刺激する。わたしも同じなのだ。彼女たちのように下品で醜い女……。
「そう。じゃ、キスして」
強要されるのではなく、わたしからしろ、という。
彩芽と珠緒はまったく違う。珠緒は幼い頃から一緒にバレエを習っていた親友で、なにもかもお互いのことは理解しているつもりだった。
彩芽のことはなにも知らない。
これは、なにかわたしに与えられた罰なのだろうか。
唇をすぼめて、彩芽に向けた。
「だめよ、そんなんじゃ」
頬を平手で叩かれた。
「笑って」
ぎこちなく表情までも作る。
「そう。安里咲。かわいい」
わたしから唇を彼女に重ねた。残念なことに、いやしい快楽の芯がそれを求めていることがわかった。
珠緒の声が聞こえる。「安里咲はわたしたちを軽蔑していたんじゃないの? だけどなによ。そんなブタみたいな連中を好きなの? そんなやつらに強いられて感じてるの?」
そう。安里咲はマーコフや珠緒に蔑まれても仕方がない恥知らず……。
ベッドの上で、彩芽と抱き合う形になった。寮長はわたしたちを足ではさんでいる。その足でわたしたちを揺さぶる。
「ほらほら、もっとエッチな雰囲気でやりなよ」
この仕打ちに終わりというものはないのだろうか。
彩芽に抱きつかれながら、ディープキスを繰り返す。その舌を何度、噛んでやろうと思ったことか。
だが、もし彩芽に危害を加えたら、寮長はなにをしでかすかわからない。おとなしく耐えるしかないのか。
いま寮長の手がわたしの髪を掴んでいる。
「安里咲。いいわ。もっと笑顔で……」
すべてはウソなのだが、体には間違いなく汚れた快楽が付着して皮膚から染み込んでいく……。
寮長にキスされた。
犯される以上に屈辱的だった。もう先ほどのような激しい快楽はない。疲れ果てているからだ。
肉体の限界を超えつつある。これまで、わたしは何人に凌辱されたのだろう。そして、これからは……。
「うぐぅぅぅぅ」
涙を流しながらむりやり快楽に火をつけようとしている自分がいた。せめてそれでもなければ、つらすぎるからだ。
訓練
「おやまあ。ノックしても誰も出ないから、おかしいと思ったんだけど……」
ふいにドアが開いて、人が入ってきた。わたしはビクッとした。
「お楽しみなのね?」
明るい日の光を浴びている女性は、スリムで背が高い。スポーティーなベージュのスラックス、フリルのついたブラウス、上着。襟に黒っぽいバラを思わせる飾りがついている。
「陽子さん」と寮長。「一緒に楽しみます?」
「だめよ。わたしは忙しいの。今日は出かけないといけないから、あなたたちに安里咲のトレーニングをしっかりやってもらおうと思って」
勝手を知っているのだろう。寮長の部屋に入り込み、机の引き出しから画鋲を手にすると、適当な場所を探し、入り口のすぐ横の壁に、持って来た紙を貼り付けた。
「これを見てちょうだい。しばらく安里咲にはこれを毎日、やってもらいます。心は簡単には変わらないけど、きちんとやれば成果も出るわ」
寮長はゆっくりとベッドから降りて、ガウンを羽織り、その紙を見にいく。
「彩芽。見てごらん」
寮長に言われて、彩芽もようやくわたしから離れ、裸のままそこへ。
小声で話しながら、ときどき彩芽が笑う。なにがおもしろいのか。
三人がこちらを向いた。
陽子と呼ばれた女性は、ゆうべ入り口で会った末土教授夫人だと気づいた。ムダな肉のない、ともすれば女性らしさも削り取られてしまいそうなほどスリムだが、鋭角で魅力的でもあった。
「安里咲。同情するわ」と彩芽。「これほどきついメニューだなんて……」
「ズブのシロウトなんだから、きちんと仕込まないと。それに最初が肝心よ。しっかりやってちょうだい。それじゃまた見にくるわ。たまにはオモチャにしてもいいけど、あなたたちのものじゃないんだから」
「はい」と寮長が珍しくきちんと返事をする。
陽子が出て行くと、二人はホッとしているようだ。
「よく考えたわねえ、このスケジュール。びっしりよ」と彩芽が言う。「耐えられるかなあ」
「耐えるわよ。あれだけの体。それに根性もあるみたいだしね」
「だけどさあ」
「見せてやろう」
二人がわたしのところへ来る。
「なにするの」
「おしゃべりの時間は終わり」
鼻をつままれ、寮長に体をおさえつけられる。口を開くと、あのボールを口の中にまた押し込まれた。
「あぐぅぅ」
抗議したくてもできない。
うつ伏せにされ、背中で両手首、両足首を鎖で繋がれた。
「せーの」
二人に腕を掴まれて、ベッドから持ち上げられる。
背中にねじられた腕の間に、固い木の棒が通された。それを二人が両側で持つ。
物のように宙に吊り上げられる。
「重いわ、安里咲」
「このメニューをこなせば、軽くなるよ」
二人は棒を肩に担ぎ、わたしを陽子が貼った紙の前に連れていった。
安里咲の日課
AM五時
起床。
往復びんた十回。
お尻パドル打ち十回。
浣腸一リットル(二〇%)で三十分。
その間、器具によるフェラ練習。
フェラの目標~二十センチ。
AM六時
シャワー。
寮内を犬歩き十周。
AM七時
朝食(メニューは別途)。
AM八時
浣腸一リットル(二〇%)で三十分。
奉仕訓練。十分休憩。
AM九時
寮の清掃。風呂、トイレ、外周り。
AM十一時
逆さ吊り。鞭またはスパンキング。
PM十二時
昼食(メニューは別途)
PM十三時
野外訓練。散歩。
PM十四時
昼寝。
PM十五時
乳房パドル打ち十回。
性感訓練。
PM十六時
シャワー。買い出し。
PM十八時
夕食(メニューは別途)
浣腸一リットル(二〇%)で三十分。
マシーンセックス。
PM十九時
拘束訓練。
PM二十時
アヌス拡張訓練。
PM二十二時
膣圧訓練。
PM二十三時
シャワー。自由時間。
AM二十四時
消灯。
※このプログラム実施要項
安里咲は常に監視下に置くこと。安里咲は常に拘束されていること。全員が卒業と認めるまで続けること睡眠時間は五時間。あとは、ひたすら責められる……。
よくわからないものも多いが、わかるものはどれも暴力的な行為ばかりだ。
本気でこんなことをするつもりなのだろうか。
「よかったじゃない。陽子さんが直々にあなたのことを見込んで作ったプログラムだもの」
寮長は舌なめずりをしている。
これでは大学に行くこともできない……。
「もう八時ね。じゃ、いまからやりましょうか」
「はい!」
彩芽は元気に返事をする。
「奉仕訓練のかわりにフェラ訓練をさせようね。じゃ、これからお目覚めの儀式だよ」
床におろされた。ベッドに立て掛けられる。
腕に通していた棒を引き抜き、足首に取り付けていく。足を開いたまま閉じられなくなる。
「彩芽、やってあげな」
「安里咲、おはよう!」
彼女は小さな手で、バンバンと、頬をはたく。往復びんたを十回。かわいらしい手でも、加速したそれは、頬の肉を激しく叩きのめす。頭がぼんやりしていく。
「つぎはお尻だわね」
ボキボキと寮長が指を鳴らす。手にラケットのようなものを持っている。二人はわたしを反対向きにさせる。ベッドにもたれかかる。足首の棒を押さえつけて、パドルを尻に叩きつけた。
ビシッと肉の弾ける音がする。
「ぐー」
寮長はわたしの反応が気に入らないと力を強くする。
演技で痛いふりをした。すると喜ぶのだ。
「浣腸の用意をしな」と寮長が彩芽に命じた。
どこでするつもりかと思ったが、風呂場に連れていかれる。暴れてみても、寮長に背後から腕を組むように持ち上げられ、足の棒を彩芽に掴まれると、大した抵抗はできない。
「イキがいいねえ」
寮の廊下を運ばれる。数人の寮生に目撃されるが、彼女たちは驚いてはいても、なにもしてくれない。
それがショックだった。
どういうことなのか。わたしをなんだと思っているのか。
さらに暴れたものの、肩やあちこちが痛いだけで、まったく成果はなかった。
「そんなに浣腸が好きなのかい」
冷たいタイルに腹ばいにさせられた。
悲しいことに、まったく抵抗できない。
「見てよ、かわいいお尻。こんなにちっちゃくても、やることはやれるんだから不思議だね」
「安里咲、楽しんでね」
シャワーヘッドを掛ける金具に大きな容器がぶら下げられ、そこから延びたゴム管を彩芽が持っていて、わたしの背後に。
背中にまたがるようにした寮長がお尻を開いた。
「じゃあ、いくよ」
「ぐぅぅぅ」
管が肛門に押し込まれていく。
ディルドといい、管といい、どれだけやれば気が済むのか。
「いくよー」と彩芽が言い、しばらくして管から液体が体内に入ってきた。
最初はどうということもない。だが、水量は容赦がなく、終わりがない。
ミシミシと腸が鳴り、動く。
「ぐふふふぅ」
お腹が押し上げられ、苦しくなっていく。
同時に腸の感覚が麻痺したようにもなって、排便したい気持ちなどないのに、中からどんどん押し出されていくような感触があり、とても焦る。
必死にガマンしようとするのだが、あまりの量の多さに、お腹はパニックになっている。
「すごいわ。ちゃんと飲み込んだわよ」
「じゃ、これだ」
寮長は黒い、トランプのスペードのような形のゴム製品を持っている。
管が抜かれ、浣腸液でぬるぬるの肛門に、そのゴム製品があてられる。
「ぐがぁぁぁあ」
強烈な力で押し込まれていく。
「お尻に栓をしてあげたからね。じゃ、いまから三十分」
木の枠に入った砂時計を逆さにする。
「いまからフェラの練習だからね」
タイルの壁に吸盤のついた肌色のディルドが取り付けられた。マーカーで目盛りがついていた。
「最終的には二十センチまで飲み込むようにならないとダメってことよ」
彩芽が言う。
引きずられ、ディルドの正面に。
「外してあげるけど、わめいたってダメよ」
猿ぐつわがようやく外される。頭を振って「やめてー、誰か、助けて―」と大声を出した。
しばらく叫んでいたが、なにも起きない。がらんとした浴室に声が反射するだけだ。
「残念ね。安里咲はまだ自分の立場がわかっていないのね」
彩芽と寮長は笑っている。
「さあ、口で男をイカせる練習をしなさい」
フェラチオ強制調教
男性器を模した太いシリコンの棒には、横に目盛りがついている。物差しのように。五、十、十五、二十、二十五と書かれ、その間に一センチ刻みの印がついていた。
「さあ、お口を開けてごらん」
それがホンモノではないことはわかっているが、させられていることの意味があまりにも露骨なので、とても抵抗がある。こんなことをするために生まれてきたんじゃない……。
「お腹が苦しい……」
抵抗はムダなのか。
「それがなによ。延長してあげようか?」
「だめ。破裂しそう」
お腹を冷たいタイルに押しつけている。背中に彩芽の足がのっていて、髪の毛を掴んでいる。
「破裂したらいいじゃない」
「こわいの。助けて……」
「大げさよ」
一リットルもの浣腸液が押し込まれたのだ。怖くて仕方がない。
ぐいっとお腹が動いて噴き出しそうになるのに、その圧力は穴が塞がれているので、行き場がなくまた戻って来る。
そっちが気になって仕方がない。
「くわえろ!」
寮長が足を掴んで押した。
「大きく口を開けなさいって」
鼻先に棒がくっつく。
「やらないと終わらないんだけど……」
やらせるつもりなのだろうが、自分からは口を開きたくない。
「強情だね。楽しいわ」
寮長がペタペタと風呂場を歩いてなにかを取りに行った。
カランと音がして、彼女が持って来たのは、デッキブラシだ。立て掛けてあったものを取るときに、倒したようだ。
「いつまで強情はってるのかなあ、安里咲」
「いやよ。先にお腹のものを出させて」
「あんたは頼み方も知らないみたいだし」
寮長がデッキブラシでわたしの顔を、ゴリッと押した。
「ふざけないでよ。あなたたちが勝手にわたしを……」
すごく頭に来ていた。暴言を吐いてやろう。でも、その口にデッキブラシが押しつけられてしまう。
「黙れ! 何人の男にやられたんだよ、え? 忘れたわけじゃないだろう? さんざんマンコをやられ放題にやられてさ。よがり狂って、裸のまま街を練り歩いて寮に戻ってきたくせに。そんな破廉恥な女、外に放り出してやってもよかったんだよ!」
寮長はぐいぐいとデッキブラシを口に押しつけてくる。
「ぐぅぅぅぅぅ」
言いたいことの半分も言えない。手足を掴んでいる彩芽が上に乗っていて、体重をかけてきた。
お腹が破裂するのは時間の問題だろう。ぐぃっと腸がねじれる感覚がおぞましい。
「さあ、くわえろよ」
やっとデッキブラシが外れた。
ペッとツバを吐いてやる。大した量は出ないが……。
「ふふふ。安里咲はホントにおもしろいわ」
上で彩芽が動く。お腹がいまにも破けそうだ。
寮長は黙って背後に移動した。
カンカンとデッキブラシの柄が、タイルを叩く音。
「安里咲。おまえは思い違いしているね。文句を言ったり拒絶すれば許されると思ったら大間違いだよ。おまえのスケジュールはびっちり決まってるんだからね。こっちだって、余計な手間をかけさせられるのはゴメンなんだ」
柄でタイルを叩き続ける。その音が浴室に響きわたる。柄が折れるのではないかと思うほど、激しくなっていく。
「黙ってくわえろ。五つ数えるから。一、二、三」
カン、カン……。数に合わせてタイルを叩く。
「四、五」
口を結んでいた。
彩芽がぐいっと髪を引いたが、負けるつもりはなかった。
しかし次の瞬間。
「ぎやぁぁぁあ」
デッキブラシの柄が、開いた秘部に当たった。ぐいっと肉をわけて粘膜の中に潜り込んできた。
「だめ! そんなことしないで!」
ぐいぐいと奥まで入ってくる。
「さあ、どうするんだよ。お腹が破裂するんだろ? だったら、子宮も突き破ってやるよ!」
「ああああああ」
気が狂いそうだ。
話が通じる相手ではなかった。
「彩芽。くわえさせな!」
「了解!」
彼女はわたしの横にきて、髪と顔を両腕でロックしてく。いざとなれば首を折るつもりか。
「安里咲。やるのよ」
「ひぃぃぃぃ」
寮長が突き入れた柄を押したので、わたしの体が壁から突き出ている棒にぶつかるほど前に出る。
そして彩芽がむりやり、棒を口に押し当てた。
「なにやってるの。頬張りなさいよ」
口を閉じようにも、寮長がわたしの中に深く入り込んだ柄を、ぐりぐりと突き動かすので、思わず悲鳴を上げる。
「ほらね!」
開いた口に亀頭部分が入り込んだ。
そうなると、もう、わたしの力では吐き出せない。後ろから押されていて、彩芽にがっちり頭を掴まれているのだ。
「まだ五センチじゃない。目標は二十センチ」
彩芽が叫ぶ。
「押してやろうか?」
寮長がデッキブラシを操る。
お腹が破裂し、女性としての大切な器官まで破壊されたら、わたしはもうこの世にいないだろう。
そのほうがいい。このまま死んでしまおう。
この人たちに殺されるのは悔しいが、このまま屈辱的な日々を送ることよりずっといい。
さすがにここでこんな姿で死ねば、わたしを襲った全員の悪事が明るみに出て、みんな罰せられる……。
「ぐげえええええ」
寮長がわたしの腿の上にのっかる。そしてデッキブラシを不自然な角度まで持ち上げていく。
膣の奥まで入った柄は、斜めになっていく。タイルに押しつけられているので、体を浮かせることができない。
「ほらほら、破けちゃうよー」
寮長のやり方はあまりにも乱暴だ。
本当にやる気だ……。
ふと、酷いことをされ続けた亜由美を思い出した。黒人たちに傷だらけにされながら、拷問実験をやめなかった……。なぜ。
わたしには理解できなかった。あんな苦痛、なんの意味もないことだった。
「ぎぃぃぃいっ」
あそこを柄でこねられて、激痛に泣き叫ぶ。
だけど、少しだけわかったような気がした。
死にたくない……。
あさましいかもしれない。だが、どんな姿になっても、わたしは生きたい。
そう思ったとたん、体に熱いものがこみあげてきた。
涙が止まらない。
生きたい。まだ死にたくない……。
「ね、安里咲」
彩芽の声が、一瞬、亜由美の声のように感じた。
「言うことを素直に聞けば、ずっと楽しくいられるの。今朝みたいに、いっぱい楽しいことをして、天国みたいに気持ちのいいことをいっぱいできるのに……」
そんな汚れたこと……。
「げぇぇぇぇえ」
デッキブラシがまた深く入り込んだ。本当に子宮が潰されるのだろうか。
助けて……。助けてほしい……。
「自分で考えるのよ、安里咲。みんながあなたに夢中なの。あなたがきっとやってくれるって思っている。あなたはそういう期待を背負っているのよ。さあ、口を開いて、もっと飲み込んでごらん」
「あうっ」
怖いので、つい、目盛りのついた棒を喉まで入れていた。
「よーし」
寮長はデッキブラシを引き抜いて投げ捨てた。わたしから降りてくれた。
すぐ横にきて、目盛りを読んでいる。
「十センチ。まあ、最初だから、それでもいいわ。これを大好きな男の人だと思って、しゃぶってごらん」
嗚咽が止まらない。
「安里咲、こうするのよ」
彩芽が頭を前後に動かす。言われなくてもすべきことはわかっている。しかし体はすぐには動かない。
自ら、ディルドをしゃぶった。彩芽の腕が離れていった。
楽になった……。うれしかった。負けたこと以上に、自分の体がまだ壊されていないことに感謝した。
その涙を彩芽が指ですくう。
「わたし、安里咲の涙、大好き」
舐めている。
「簡単なことだろ、安里咲」
彩芽と寮長が見下している。
必死に前後に動かした。
ひりひりとする股間。安堵したのも束の間、お腹の苦しみは新たなピークを迎えていた。
「がまんしてよ。いまから、こっちの砂が全部、戻ってから三十分、計り直すからね」
寮長はかなり落ちている砂時計を逆さに戻した。すっかり戻るまでやらされて、さらにもう一度、あらためて三十分というのだ。
文句を言う気力もなかった。
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