奴隷オークション【令夫人と哀姉妹】 第一章 罠に堕ちた令夫人 (1/6)
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目次
第一章 罠に堕ちた令夫人
部屋の扉が閉じ、がちゃりと鍵が掛かった。
呆然としていた代議士夫人は、はっとして顔を上げた。
小太りの、元同級生の男はいつの間にかスラックスを脱いでいた。たるんだ肉の層から、ドイツの腸詰のように太い肉茎がでろんと垂れ下がっている。
「ああ、い……いや」
驚愕のあまり、悲鳴を上げることすらできない。
三十五歳、コンサルタント会社社長であり、学生時代にミスコンテスト世界2位を獲得した長身の美女、林田奈美。
現在は中国地方選出の与党代議士の妻でもある美貌の経営者は、異様な事態の推移に、硬直して反応できなくなっていた。
「別に逃げ出して、契約を反故にしてもらっても構わないんだぜ」
腰を浮かせた女は、股間を丸出しにした龍禅グループ社長、龍田禅次郎の言葉に再度固まった。そして、がっくりとカウチソファーの上にくずおれた。
窓の外には新緑が凶暴なまでに芽吹いている、初夏の午後。
グループ所有の温泉保養施設の最上階にある迎賓館は、今や無惨な凌辱の舞台と化そうとしていた。
(こいつの身体を見るのは二十年ぶりか……ちきしょう、なんて熟れきってやがるんだ)余裕を見せていた禅次郎だが、口中はカラカラに乾いていた。
高級そうな海外製の真っ白なスーツは戦闘服のつもりだったのか。深い谷間を形作る胸元から覗く生白い乳房は、Gカップはありそうだ。
きゅっとくびれたウエスト、むっちりした腰つきは、いくらでも男の突きを受け止められそうな重量感と雌の匂いを醸し出している。
抜けるように白い肌は、とても三十代とは思えないきめ細やかさだ。大きく潤んだ瞳、柔和に弧を描いた眉、通った鼻筋にぷっくりと男を誘うような紅い唇。
(息子がいるってえのに、なんだ、その大学生みたいな顔は)「お、おねがい、龍田君。話し合いましょう」
震え声で上げた美貌に、手入れの行き届いたセミロングの黒髪がはらりとかかった。禅次郎の背中がぞくりとする。半袖のスーツから突き出た、成熟した丸みを帯びた腕がなんとも柔らかそうで、艶めかしい。
「まあ、お前みたいなプライドの高い女が、いきなり俺に抱かれるわけがねえとは思っていた」
「え?……あッ」
ソファーの座面に突いて、身体を支えていた手からなぜか力が抜け、倒れ込んでしまった。美貌の人妻は、うろたえた声を上げた。
(なに?……力が入らない)
「さっき誠也がお前に出したカクテルには、薬が仕込んであったのさ」
「ああッ……なんてこと……この卑劣漢!」
浴びせられる罵詈を気にも留めず、男は半勃ちになった長棹をぶらつかせながら近づくと、がっしりと女体を抱き込んだ。
「褒め言葉と受け取っておくぜ」
「いやあああ!……やめてええッ」
大学時代に手ひどく振った、まったくタイプではない男。爬虫類を思わせるぬめった手に触られるおぞましさに、奈美は全身を総毛立たせた。
頭を垂れた、明らかに成人したばかりの少女が、括られた両手首を天井から吊られている。着衣は白のブラジャーとショーツのみ。ふらふらと前後に身体が揺れる。
「二十一歳、M系、処女保証、NGなし、学歴……」
金色に輝くステージを囲んだ、濃紺の革張りのソファーに埋まった男たちが小声で言葉を交わす。
「きょうの出物はこれくらいですか」
「前回譲っていただいたから……」
端にいた老人があたりと目線を交わし、手を上げた。
「八百万」
十数人が立ち上がり、出口へ向けてゆっくりと歩を進める。中央に座っていたのは龍禅グループ総帥、龍田巌その人だ。白髪を綺麗に短髪に揃えている。
ほとんどの客が引き上げ、巌が最後に腰を上げたところに、頭髪の薄くなったジャケット姿の中年男性がすっと寄った。
「特捜部が動き始めましたよ。例の発電所の件で」
周囲に向けた愛想笑いが消え、老齢の顔にさらに皺が刻まれた。
「……そんなはずは。まさか?」
「そのまさかですよ。会長、何かあったんですか」
しばらく顔を寄せた立ち話を続け、握手を交わして高級官僚が去っていく後ろ姿を見つめていた巌は、壁際に立っていたスーツの男に顎で合図をする。
鍛えた上半身を誂えた背広に包んだ男が近づくと、苛立った表情を浮かべた白髪の男性は、目の前にある盛り上がった胸をどんと押した。
「会長?」
「林田が本当に裏切った。地元秘書を人身御供にして、俺を蹴落とそうと画策してるらしい」
「はあ……思い切りましたな」
感心したような声を上げた男を、頭一つ小さい高齢の総帥が睨み付ける。
「肉を切らせて患部を切除しようってわけか。龍田巌と丁半勝負をしようってわけだ。さすが党代表を狙うだけはある」
「面白がってる場合か。対処しろ。むろん切り札を使っても構わん」
言い終わるやいなや、巌は大股で歩き去った。
瀬戸内に浮かぶ、龍禅グループ所有のN島。
不定期に行われる「オークション」は女性の闇売買に他ならない。蜜に群がる各界の著名人を性癖の部分から拘束し、内部情報を得るためだ。
今回の出品は、外見は別にしてほとんどがプロ女性だったために低調だったが、本来の狙い通り、グループの存亡に関わるリークを手にできた。
(本当にあいつの情報通りになりやがった)
ステージの片付けを眺めながら、大明建設社長の肩書きを持つ若作りの中年男、大城誠也は考え込んだ。
昨今のニュースは地元の代議士、林田英明の党代表選出馬でやかましい。閨閥も門閥もない五十四歳の政治家が、首相を狙える地位まで来た。
もともと県下の交通とレジャー産業を牛耳る龍禅グループとは持ちつ持たれつの関係だった。ただ、英明が奈美を伴侶にしてからは、急激に疎遠になった。若妻の意向だというのは一目瞭然である。
それにしても、戦争を仕掛けるとまではまったく予想もしていなかった。
電話が鳴動した。
(噂をすれば、か)
「はい、大城です」
「見てもらえたかな」
スマートフォン越しの声は、ボイスチェンジャーをかけて年齢性別不明だ。
「林田奈美の会社……林智コンサルタンツが秘書を通じて役所から入札情報を手に入れたってやつか。本物かどうかわからん」
「捜査当局が役所とオフィスのデータ形式を照合すればすぐわかる。誰が関与したかはともかく、林田奈美側の不正は証明できる」
「……あんた、何者だ」
数カ月前、誠也のSNSに動画が送られてきた。仮装した若者が喋るという仕立てだ。中身は発電所認可にからむ龍禅グループの闇取引を明らかにすることで、林田議員が龍田巌を告発するはずだという衝撃的な内容だった。
公共工事の利権に絡んで、龍禅が無理をしたのは事実だった。清廉を旨とする林田議員が、身内を犠牲にしても告発に踏み切ったとなれば、効果は絶大だろう。
「俺の素性が重要なのか?」
「いや……」
誠也はグループ内の土建会社を経営しているが、その実、巌の側近として多くの汚れ仕事を担当している。いまどき、反社会勢力は使えないために内製しているわけだが、彼が情報の中心にいることを知るものは決して多くはない。
「条件は示したはずだ。林田奈美を潰して、その結果を見せてくれればいい。こちらの正体などどうでもいい話だ」
「わかったよ。ありがとう」
誠也は素直に礼を述べた。巌に指示される前に、情報で先行できたのは謎の男のおかげだ。しかも内部データまでついている。
(官庁か、政界の人間か……いや大胆過ぎる。林田に恨みがある近くの者か)龍禅にとっては救いの神のような存在だが、正体が気になる。
「しかし、嫁が犯罪に関わっちゃあ、代表の目もなさそうだな」
「離婚して切り捨てればいい。悪の根を断てば再生できる」
(おや?)
大胆不敵で、冷静な謎の男が妙にきっぱりと言い放った。
「奈美の後ろ暗い過去も教えてやる。退路をふさげ」
「ほう……」
誠也は電話の声に耳を傾けながら、考えが形になっていくのを感じていた。
「きゃあ!……もう社長ったら、乱暴なんだから」
「減るもんじゃねえし、もったいぶるなよ」
腕の中から逃れようとするホステスを抑え、ぱっくり割れたドレスの前から手を差し込み、生白い乳房を揉みたてる。
「いやあッ……」
水商売の応対では抗しきれぬと悟った女が、怯えた声を上げる。龍禅グループの後継者、龍田禅次郎は市内随一の高級クラブのVIPルームを占拠し、いつものように暴君の如き振る舞いに及んでいた。
「相変わらず手癖が悪いな」
「……なんだ、なんか用か」
煽情的な照明を透かして大城誠也の顔を判別した禅次郎は、不愉快そうに女を放り出した。三十五歳にしてグループを率いる、といえば聞こえはいいが、現実には巌がすべてを仕切り、息子は傀儡そのものだった。周囲もそれを知っている。
恐ろしい父親の側近を務める、二十一歳上の腹違いの兄の存在も気に食わなかった。
後継ぎの重圧もなく、妾腹の子として気ままに生きているように見えた。同じ遺伝子を持つはずなのに、容貌も体型も対照的なのも腹立たしかった。
「木暮奈美。覚えてるだろう」
「……さあな」
青白く小太りな男の、たるんだ頬がしかめられた。忘れるはずがない。いまや代議士夫人となったかつての同級生。
二十年前の大学生時代、全校生徒の前でこっぴどく振られた。
放送室で襲いかかり、平手打ちを食らい、這いつくばった惨めな思い出だ。スイッチが入っており、一部始終が放送されていた。
気がある振りをした奈美にまんまと引っかかった。後から考えれば、あり得ないほどの美醜の差だ。しかし大物の後継者として図に乗っていた大学生は、膨れあがった自負を制御する術を知らなかった。
克服したと思っていたが、誠也に名前を告げられて嫌な汗をかいた。
「あいつを抱けるとしたら、やるか?」
「なん……だと」
想像もしていなかった問いかけに、男は愕然とした。
「議員の嫁をやれるわけがないだろう。俺でもそれくらいはわかる」
ぽかんとした表情の弟を見て、誠也は笑った。手段は持っているのに、自力で情報を集めることすらしていない。
「状況が変わったのさ。お前の助けが必要だ」
(いったい何の用かしら……油断できないわ)
龍禅観光の温泉リゾート施設の最上階、迎賓館に林田奈美はいた。
見渡す限り、仕切りの見えない窓が広がっている。部屋側の壁には巨大な鏡がはめ込まれているあたり、俗っぽさ一歩手前の部屋だった。
大明建設社長の誠也から、林智コンサルタンツ社長である奈美へ会談の申し込みがあった。ビジネスの話ではないことは承知の上だ。ただ、想像より早く龍禅側が動いたことが意外だった。誘導した捜査は端緒にも就いていない。
(会長を守るために別の人間を用意するとか?……無理よ。もうシナリオはできあがっている)奈美が英明議員の三番目の妻として輿入れしたのが五年前になる。
国立大を出てすぐにミスギャラクシー準グランプリを獲得した。民放のキャスターにスカウトされ、社長たちのアイドルとなったのも束の間、有名代議士の妻に収まるという、華麗な転身が大きな話題となった。
真っ直ぐなセミロングの髪に癒やし系の顔立ちという風貌に似ぬ、グラマラスな肉体が人気の要因だったと言われる。
今日も大きくS字カーブを描く身体の線に沿った、真っ白な立て襟のスーツが匂うような色気を醸し出していた。
自ら立ち上げた建設コンサルタント会社の業務も、地元の政治活動も板についてきた。党代表をうかがう夫とともに、セレブカップルとして登場する機会も多い。
「遅れまして……ああ、そのままで」
バーカウンターの止まり木に腰掛けていた奈美を制して、ジャケットを羽織った中年男はテーブルの内側に入った。
「お作りしますよ。結構長いことアルバイトをしてましたからね」
「お任せするわ」
「じゃあ、簡単に」
男はブラッディマリーを手早く仕上げると、奈美の前に押し出した。美女は緊張をほぐすためか、一気に半分ほどを飲み干す。
「さすがね」
誠也は肩をすくめた。
「これくらい、誰でも……」
「選択の話よ。心得てるわ。味はもちろんだけど、お酒の意味も」
武器と言うほかはない太腿を組み替え、大きな瞳を瞬かせた。
「『あとには退かない』って……宣戦布告ってことかしら」
「夫人、お里が知れますよ。カウンターレディー時代は秘密なんでしょうに」
危うくタンブラーを落としそうになった女は、顔面蒼白になった。誠也は残されたカクテルを取り上げると、中身をシンクに流した。
「調べたの?……でも、それくらいで動じるとは思ってないでしょうね」
一時は怯んだ夫人だったが、すぐに態勢を立て直した。大きな胸を隠すように手を組むと、男を睨み付けるように見上げた。
誠也は両手を前に出し、宥めるような仕草をした。
奈美の実家の企業は買収に買収を重ねていたころの龍田巌に詐欺同然に取り込まれ、解散したことは周知の事実だ。大学時代の禅次郎へ企んだ辱め騒動もそれが原因だと、地元の人間であれば誰でも知っている。
そして奈美が成人後に、父親は自決したとのもっぱらの噂だった。
「感心しているんですよ。会長と真っ向勝負をしようなんて、最近では珍しい」
「証拠も、人も用意したわ。もう逃げられないわよ」
「あなたも一緒に捕まるとしても?」
余裕ありげな男の姿を見て、奈美は腕組みを解いた。
「構わないわよ。一緒に牢に入ってやろうじゃない」
誠也はため息をついて、カウンターから出ると夫人の前に立った。
一戦交えんとする美女の瞳は爛々と輝き、透明さを感じさせる頬は上気して、吸い込まそうになるほど魅力的だった。
「そう興奮しないで。これから取引の話をします」
「わたしが譲歩するとでも?」
「協力すれば、確実に会長を排除できるとしたら?」
意表を突かれた奈美は、混乱した表情を浮かべた。
「練り上げただけあって、あなたのシナリオはほぼ完璧だ。一点だけを除いて」
「聞き捨てならないわね」
男は、きっとなった夫人の視線を軽く受け流した。
「こちらは、社長の禅次郎が自首します」
「え?……それって……」
思いも寄らぬ答えに、議員夫人は激しく動揺した。
「特攻ができるのは自分だけとでも?」
「ああ!」
ふらついた身体を支えようと、美女は手をカウンターについた。そして理解した。
奈美の仕掛けは、龍禅「側」が実際に金を出したという部分にとどまっていた。物的証拠はあり、巨額の金を動かせるのはトップだから会長に責任があるという筋立てなのだが、巌個人とのつながりまでは証明できていない。
意思決定の罪を息子がかぶれば、巌はほぼ無傷でいられる。特捜部も不審に思ったとしても、立件できて社長の首が取れれば文句はないだろう。
しかし、それでは奈美にはなんの意味もない。
「……実の息子を犠牲にすると言うの、あの男は」
「そんなことも考えなかったのか。バカな女だな」
我慢できなかったのか、突然応接間のドアが開いて、小太りのシャツ姿の男が大声で喋りながら入ってきた。龍田禅次郎その人だ。
「あ、あなた……」
「久しぶりだな、奈美」
頬をゆがめる癖は直らないのか、昔を思い出して奈美はぞっとした。
「大城さん、どうしてこいつが……」
「こいつとはなんだ、こいつとは」
かっとなったグループの社長が拳を振り上げるが、議員夫人は睨み返して平然と頭を上げ、殴打を受け止めようとする。
「だから、取引の話をするんですって……おい、やめろって」
誠也は慌てて、いきり立つ二人の間に体を入れ、弟を目線で制する。
「ふん……お前が取引に応じれば親父を守るのはやめてやる。代わりに検事に親父の悪事をばらしてやろう。発電所だけじゃなく、その他もろもろのな。大騒動になって、お前の思惑通りってわけだ」
美女は滔々とまくし立てる元同級生を見つめたまま、無言でいた。
「俺も……兄貴も親父は邪魔なのさ。下手すりゃ子供以上に生きるぜ、どうするって相談していたところに事件が降ってきた。渡りに船ってとこかな」
「あんたが仮にも自首するなんて……信じられないわ」
「これくらい危険を冒さないと、実権が手に入らないからな。いままでは裏切る大義名分がなかったが、ちょうどお前が作ってくれたんで万々歳なのさ」
「それはあなた方の家の話でしょう。わたしとは……」
「親父の過去の悪事は林田も大いに関わってる。お前が協力しない場合はあることないことぶちまけるって手もある。まあ時効だろうが、マスコミは大喜びだろうな」
「なんてこと……そんなウソは許さないわ!」
奈美は、相手を射殺さんばかりの視線を、憎き禅次郎に送った。誠也が弟の後を引き取って続ける。
「あなたの計画は動き出してもう止められない。会長は禅次郎を切り札として使うつもりで安心している。裏切るわけないって。あとはこいつがどちらにつくかだけだ。あなたは我々に協力するしかないんですよ」
「いやだと言ったら?」
挑戦的な目つきで、代議士夫人が言い放った。
「林田もつぶれる。お前もだ。そして……息子の英太朗もな」
「ひッ」
悲鳴を上げそうになった奈美は口を押さえ、がくがくと身体を震わせた。
「ずいぶん歳の離れた弟だって話だったが、まさかお前のガキとはな。ミスなんとかがヤリマンだったとは、とんだ笑い話……大スキャンダルだぜ」
「い、言いがかりよ。侮辱だわ……」
大学時代、担任教師に籠絡されて婚約を交わした幼い恋愛。すったもんだの挙げ句、別れた後で生まれた子を、恥じた両親が歳の離れた弟として届け出たのだった。生涯の秘密として隠し通してきたのを、この男たちはなぜ知っているのか。
(家族しか知らないはずなのに)
動揺しきった美貌の夫人は、立っているのがやっとだった。
「全てを失うか、仲間になるか?」
「ああ……」
見せかけの強気すらも装えなくなった奈美は完全に打ちのめされ、ソファーに倒れ込んだ。誠也と禅次郎は目配せをして、にやりと笑い合った。
「悪い話じゃないぜ。林田家は安泰、俺らは実権を得て親父だけを排除できる。そのあと総理でもなんでもなればいいさ」
唇を噛んで窓の外を見つめていた夫人は、頭を垂れた。
「……どうすればいいの」
「俺と契約を結んでもらう。逃げられないようにな」
「ううッ……いやあ」
美しすぎる貌を恥辱の冷や汗で濡らした人妻は、広大な部屋の中心に置かれたカウチソファーの上に転がされていた。
手足の自由が効かなくなる薬を盛られた奈美から、禅次郎は高級なスーツを引き裂いて脱がせた。何事にも粗野な男は、絶世の美女の下着姿を味わうこともなく、上から下まで引きちぎって全裸に剥き上げる。
そして慣れた手つきでGカップの乳房を黒のゴム縄で絞り出し、上半身をホルターネックの水着のように縛り上げた。乳白色の肌は透き通るようにきめ細かく、食い込んだ縄が無惨さを強調する。
「こ、こんなことしなくても契約に応じるわ」
「これくらいハイレベルな契約はな……お前のマ
×
コに俺様の肉の実印を捺さなきゃ、とても成立するもんじゃないんだよ」
「なんて……なんて下品なのッ……」
耳を疑うほど卑猥な物言いに、奈美は慄然として身を捩らせた。
「それに薬を盛っておいて、縛るなんて!」
「女は縛って犯すのが一番だからな。自分の無力さと淫乱さを、死ぬほど思い知らせてやるぜ」
「こ、この変質者! 異常者!」
罵倒など気にならなかった。幾人もモデルや女優を拘束して凌辱した経験のある禅次郎にして、元同級生の肉体は仰天するほどのレベルだったからだ。
(やっぱ世界クラスの女はこうなのか……)
上向いた豊乳は本来であれば量感たっぷりに流れるところを、縄で括られてさらにかさを増し、天を突き上げる。
濃いピンク色の乳首は、しゃぶればすぐに尖るだろう。荒い呼吸で上下する腹肉は生白く息づき、吸い付くような触感を与えてくるに違いなかった。
「奈美、悔しいが最高の身体だぜ」
「い、いやらしい目で見ないで……卑怯者のくせにッ」
動かぬ太腿をよじり合わせ、茂みに覆われた秘部を隠そうとするもたつきが、かえって欲望をそそることに気付いているのだろうか。
「大学の時から百七十近い背に、アホみたいにでかい胸だったからな。お前を抱こうなんて奴は俺しかいなかったな」
「あのとき、身の程知らずを教えてあげたじゃないッ」
「けッ……でかい口たたけるのも、今のうちだけだぜ」
「いやあッ……いやよ!」
禅次郎は女体を縛めた結び目をぐいと引っ張り、あぐらの上に抱え上げた。
不自由な身体を背後からがっちりと抱き締められ、美貌の経営者は全身を震わせ、いやいやをするように頭を振った。
「くそう、なんて柔らかいパイオツしてやがるんだ……」
「やめてえッ……揉まないでえ……いやあああ!」
背中からむんずと掴み上げられた乳房を、指の間から肉がはみ出るほど強く揉みしだかれる。敏感な豊乳を絞り上げられながら首筋をべろべろと舐められ、美女は嫌悪に全身を震わせた。
「あうッ……いや……うむむッ」
仰け反った顔を押さえられ、唇を塞がれる。いきなり舌が腔内に侵入してくるが、身体が痺れたような状態になっている奈美は、拒むこともできない。
(いやああ……気持ち悪いッ)
開かされた両脚には男の毛むくじゃらの足を絡められ、閉じることを許されない。
「うああああッ」
男の手が茂みに隠れた股間に無造作に伸ばされるや否や、秘芯を二本の指が抉ったのだ。最も敏感かつ秘められた粘膜を侵犯され、美しき人妻はぱくぱくと口を開けて仰け反った。
「やっぱり濡れてやがる。奈美、お前のマンコが簡単に指を呑み込みやがったぜ」
「お、女の身体は防御反応でそうなるだけよ!……だれがあんたなんかに」
ぱっくりと口を開けた大陰唇から覗く膣口には、ずっぷりと太い指が埋め込まれていた。奈美は動揺しつつも、気丈にも言い返した。
(どうってことないわ……これは事故みたいなもの。こんなやつにやられたって、きっと耐えてみせるわ)「まあ、じきに分かるさ」
「ううッ……くッ……動かさないでッ」
禅次郎の指が無遠慮に膣道の奥まで挿入され、内部を探るような動きを始めた。愛撫もなしに粘膜構造をなぞられ、押し上げられる。
体内から凌辱されるような触診に、美貌の経営者は脂汗を流し、唇を噛み締めてこらえる。想像以上に男の行動は暴力的で、奈美は萎えそうになる心を必死に奮い立たせた。
(息子もここまで粗暴な男だったなんて……龍禅グループはやっぱり許しておけないわ)「あうッ……くううッ」
クリトリスの下部を内側から指の腹でぐいと突き上げられ、腰がくんと跳ね上がった。その瞬間、膣奥から熱い粘液が蕩け出た。指の動きに合わせて、じゅぷっと水音が立った。
「へへ……お前もここが好きみたいだな」
「ば、ばか言わないでッ」
美しき夫人はうろたえ、かっと頬を紅潮させた。
「お前の言う通り、女の身体はそうなってるんだ。諦めろ」
「いやッ……やめてッ」
野卑なはずの男が思った以上に早く女体の急所を捉え、集中的な責めを始めたことに奈美は動転した。素裸に剥かれ、ロープが肌に食い込む。絞り上げられた乳房はいよいよ巨大で、常にふるふると揺れる。
M字開脚にさせられた身体は未だに自由が効かず、元同級生の男に背後から抱かれたまま、蜜穴に深々と指を打ち込まれているのだ。
(どうしてこんなことに……)
昨日までは全てが順調だった。三年かけて準備した計画が軌道に乗り出した。借金で首が回らない男を地元の政策秘書として雇い、龍禅グループをまんまと罠にはめた。
夫である林田は嫌いではなかったが、結局は道具だった。復讐のために、天から授けられた容姿を使って籠絡したと言っていい。
男など、女体に群がる蠅に過ぎない。どこかでそう思っている自分は好きではなかったが、ほとんどの男は奈美の言うままになった。
(こんなことで邪魔されないわ。こいつだって、出してしまえば終わりよ)穢されれば、契約は成立する。そうすれば、龍田巌を撃ち落とせる。一時の暴虐を耐えさえすれば。
代議士夫人は悲愴な覚悟を固めた。
「はあうッ……あくッ……いやあッ」
懸命に美しい唇から漏れる声を抑えようとするが、規則的に膣上底に打ち込まれる指が、成熟した人妻の性感を追い込んでいく。抜き差しのたびにくっちゃ、くっちゃと蜜音が高まり、奈美の心を恥辱で苛む。
「そんなに気に病むな。三十半ばの女だ、何されたって感じるお年頃だろ」
「違うッ……そんなんじゃないッ……くううッ」
指で膣壁を擦り上げられるたびに、腰が浮き上がってしまう。
心では拒否していても、経験を積んだ女体は、最も感じる部分からの快感を防げない。尿意に近い痺れが下半身に回っていく。
完璧に整った眉がしかめられ、紅く濡れた唇は半開きのままだ。
乳首は硬く尖り、男が思い出したように引っ張ると、甘い刺激が全身に走る。美しすぎる経営者は、よがり声を懸命にこらえた。
「いやああッ……うむむッ」
艶やかにブローされた黒髪を振り立て、横を向いたところで口を吸われる。ぬめっとした唇で覆われ、息が詰まりそうになる。
(ああだめ……きっと出ちゃう)
がくがくと揺れる腰に合わせ、男の指突きが急テンポになってきた。水音がさらに激しくなり、美女は秘穴から盛大に汁が漏れ出し始めたことを悟った。
(なんてえエロい顔しやがるんだ、こいつは……)禅次郎は抱え込んだ女体が急に震え出し、外人並みのボディーが華奢になったように感じた。くっきりと整った眉と大きく澄んだ瞳がいまや快美感に潤み、悔しそうに噛み締める唇が劣情をそそる。
「そらそら、たっぷり噴かせてやるぜ!」
「いやあッ……いやあああああッ」
しなやかな肢体がぶるぶると震え、くんと仰け反る。Gカップの乳房が宙に突き上げられ、指を埋め込まれたままの腰が浮き上がった。
「おおっと」
膣壁を押し上げる指が強烈に締め上げられ、元同級生を驚かせる。その瞬間、割れ目からびゅびゅっと潮が噴き上げられた。
「い……や」
噴出する勢いの液体は禅次郎の腕を濡らし、布製のソファーに垂れ落ちていく。美貌を真っ赤に染めた人妻は硬直し、口を開けて喘いだ。
「おいおい、高級なイタリア製が全部びしょ濡れじゃねえか」
「ご、ごめんなさい」
あきれたような男の声に、夫人は思わず謝ってしまった。
(なにを言ってるの……無理矢理、出させたんじゃない)「く、くすりか何か入れたんでしょう。だから……」
「おいおい、そんな魔法の薬があるわけねえだろ。あれは縛る時の面倒を省くためだ……それにもう手足も自由に動くだろ?」
「あ……」
どきっとした人妻は、後ろ手に縛られた拳を開き、握った。感覚が戻っている。
(じゃあ、わたしはこいつの指で感じちゃったっていうの?)「淫乱すぎる身体を持った自分を恨むんだな」
「違うわッ」
怖れていた部分を指摘されてきっとなりながらも、美女の表情に動揺が広がる。
「かわいいな、お前は」
引き攣ったような笑みを浮かべた禅次郎は、奈美の美しい顔を無理矢理ねじ曲げ、再び口を吸い立てる。
「ンむむッ……あむッ」
舌を吸い上げられ、本格的なディープキスが始まる。薬のせいではなく、潮吹きで達した肢体はまだ自由が効かない。男のなすがままに口内を蹂躙される。
(いやあ……)
唇を奪われているのにぼんやりとした動きしかできず、奈美は思った以上に自分がショックを受けていることに気付いた。
嫌いな男から愛撫もなしに指を挿入され、さらに傍若無人なピストン運動で一気に絶頂に追い込まれた。ここまでセックスの道具のように扱われたのは初めてだった。
(なのに、どうして……)
暗澹たる思いが、気力を萎えさせる。強制的に快感を覚えさせられた以上に、人としての尊厳を打ち砕かれたことに打ちのめされたのだ。
(本当に耐えられるの?)
代議士夫人は、先刻までの自信と矜持がもろくも崩れ去ろうとしていることに、心底怯えた。
「け、けがらわしい……絶対にゆるさないわ」
「なんとでも言うさ。ここを出るとき、お前は別人になっていることを保証してやるよ。感謝してもらいたいくらいさ」
中国地方の一大グループを率いる男は、最後の結び目を繋ぎ終えた。
上半身を後ろ手に緊縛された全裸の人妻は、ソファーの上で背中を反らして仰向き、乳房を突き出し、震えていた。
下半身は限界まで開かされたM字開脚で固定されていた。
禅次郎はまず、ソファーに座らせた奈美の背中にクッションを押し込み、反り上がる格好にさせた。さらに両の膝裏に新しいロープを括り、縄尻をソファーの背板に回してつなげ、百八十度開脚の姿勢を取らせたのだ。
(こんな……こんな破廉恥な格好をさせるなんて)ピンで留められた昆虫標本のように、肉体を完全に固定された代議士夫人はぐっしょりと冷や汗をかき、白い喉を見せて喘いだ。
むっちりと充実した尻は座面から浮き上がり、上付きの女芯が完全に上を向いた状態だ。秘めやかな菊門も襞まで露わにされている。
反らされた上半身からは、ロープでぱんぱんに張り出された双乳がロケットのように上向いていた。口も、乳房も、そして膣穴も、正面から襲いかかるだろう男にはまったく無防備な状態で準備されている。あとは存分に犯されるほかはない。
奈美にとっては、性器を男に捧げるだけの、屈辱的過ぎる体位を強制されたのだ。
「どうだ、こいつはなかなかのもんだろう」
「いやあッ」
禅次郎が勃起した自身の肉棒を握ってぶるんぶるんと振り回す姿に仰天し、代議士夫人はがくがくと身体を震わせた。
(なによあれえ……)
生白く長いペニスは通常の日本人とは形状が違っていた。顔面にはまったく反映されなかった東欧人の母親の血が、陰部には色濃く出たのだろうか。
優に二十センチ以上はある長さもそうだが、根元から先端まで、ドレッシングの瓶ほどの太さがある。硬度はさほどなさそうだが、その迫力に奈美は呆然としていた。
「こいつで狂わなかった女はいねえ。お前も大学時代に味わっておけばよかったと、きっと後悔するぜ」
「馬鹿馬鹿しいッ……そ、そんなものでわたしが怯えると思ったら」
強気に言い返す声が、上ずってしまった。
「能書きはなしだ。すぐにぶち込んでやるから安心しろ」
男はバカラのピッチャーに入れたローションを、無造作に肉棒の上に垂らし始めた。犯すときのいつものルーティンだ。女に奉仕する前戯は面倒くさいとあって、潤滑剤を使って手順を省くのだ。
「いや……いやよッ」
怯えきった人妻の表情に、いつも以上に雄根が硬化する。巨根に貫かれて絶叫する女どもの顔こそが、禅次郎にとっては最大の興奮剤なのだった。
「あうッ……くッ」
元同級生の男は左手で無造作に乳房を掴み、上半身を押さえつけた。代議士夫人の美貌が苦痛にゆがむ。
禅次郎はにやつきながら、全開にされて赤肉の内部構造を露わにされた肉裂の上を、右手で握った禍々しい肉刀でぺちぺちと叩く。奈美は気力を振り絞って、覆い被さった男を睨み付けた。
「認めてやろう。ずっとお前が欲しかった」
「……わたしは、鳥肌が立つほど嫌い」
ぐっと詰まった禅次郎は怒りに顔を引き攣らせ、滾り立つ剛直の先端をいきなり女の亀裂に埋め込ませた。
「うああああッ」
ローションが塗られているとはいえ、十分にほぐされないうちに極太の男根で膣口を突破され、美人妻は黒髪を振り乱して悲鳴を上げた。
「あぐううッ」
メロンのように大きな双乳をそれぞれの手で握られて、奈美は痛みに顔をゆがめる。男は乳房を手綱のように掴み、亀頭だけを埋め込ませたままの中腰で、掌中の美女を見下ろした。
「生意気言いやがって……これからどうなるか、わかってるんだろうな」
大きく切れ込んだ瞳を涙できらめかせ、柳眉をしかめた元同級生は、ぎりりと歯を食いしばって睨み返した。
「こんなの……虫に刺されたようなものよ」
それを聞いて、禅次郎はようやく平静を取り戻した。憧れだったかつての美少女が、ただ強がっているだけであると分かったからだ。
「そうかい。じゃあ遠慮はいらねえな」
禅次郎はGカップ乳を掴み直すと、一気に腰を突き入れ、二十センチ砲を奈美の恥裂に打ち込んだ。
「はああああああああああああーーーーーーーーーッ」
部屋中に鳴り響くほどの絶叫が上げられた。美貌の人妻は全身をぐんと反り返らせ、ぱくぱくと口を開けて痙攣する。
(な……に……これえ)
股間が切り裂かれたような鈍痛に襲われる。割れ目が限界まで開かされているだけではない。極太のソーセージで、体内の空隙全てを埋め尽くされたような圧迫感なのだ。子宮が突き上げられ、位置を変えていることすらわかる。
「あ……あ……あ」
言葉にならない喘ぎが、奈美の口から漏れる。なんという挿入感なのか。膣道を全て占拠されてしまったという敗北感が募ってくる。
(だめよ……このまま気力を失ったら、好きなようにされちゃう)しかし、男の股間の陰毛を恥丘で感じてしまう。あのおぞましい腸詰が、いままさに自分の体内に入っているという現実をいやほど思い知らされる。
「ミスなんとかの時も、外人とはしてないみたいだな。ただ、俺はあいつらみたいに単調に突くことはしねえ……」
「あッ……あッ……あッ……」
ずるずると淫棒を抜き上げられ、膣壁をこすられる違和感で、こらえても声が出てしまう。開いたままの口から男を悦ばせる嬌声を上げてしまい、奈美は羞恥に身をくねらせた。
「そうら、見えるだろう?……お前のマ
×
コにぶっといチンポが突き刺さってる様子がな」
「いやあ……知らないッ」
卑猥な笑みを浮かべ、禅次郎が目線を下半身に誘導しようとするが、美しき経営者はふるふると頭を振って拒絶する。
「まあしかし、やっぱり人妻なだけはあるな。俺のチンポをさほど痛がりもしねえとは、身体がでかいだけが取り柄じゃないみたいだな」
「ひ、ひどいわ……」
元モデルの代議士夫人は、きりきりと眉を逆立てて男を見上げるが、視線からはもはや先ほどまでの強気は失われていた。
「どうやら遠慮はいらないみたいで安心したぜ。俺たち相性ぴったりだな、奈美」
「ふ、ふざけないでッ……くあああああああッ」
言い返す前に、再び根元まで淫棒を打ち込まれ、人妻は限界まで背中を反り返らせて叫んだ。今度は膣道を走り抜ける肉杭の表面の感触まで分かった。
(このまま続けられたら……)
奈美は呆然として口を開いたまま、天井を見上げていた。
赤くなるほど乳房を強く握り締めたまま、禅次郎がゆっくりと覆い被さってきた。
股間から小太りの腹肉まで密着され、額を額で固定された。美女は脂汗を流し、緊縛された肢体を嫌悪感に総毛立たせながらも、完全に男に圧倒されていた。
「死ぬほどイカせてやる」
「い……や」
囁くように吐かれた悪魔の言葉に、奈美は自分の子宮がきゅうっと収縮して、じんわりと熱く火照ってきたことに狼狽した。
「うう! ああ! ああ! ああ!」
乳房を手綱のように掴まれたまま、股間を叩き付けるようなスラストが続いていた。二十センチの極太腸詰がぎりぎりまで抜き上げられ、根元まで抉るように打ち込まれる。そのたびに合わせ目から粘液が弾け飛ぶ。
「はあ! あん! ああ! いやあ!」
全身にびっしょりと汗をかいた百七十センチ近い女体が、仰け反り、跳ね上がる。抜き差しされる巨棹は白濁した愛液に覆われ、ソファーの座面が黒く見えるほどの濃い染みが広がっている。
「どうしてッ……どうしてえッ」
後ろ手に緊縛され、反り上がった格好でM字に大開脚を強いられている人妻の上に小太りの男が覆い被さり、大腰を使って責め棒を突き入れ続けていた。
粘液にまみれた剛柱はなんの抵抗もなく蕩けきった淫裂を割り裂き、面白いように姿を隠し、また現していた。
縊り上げられた豊乳は既に感覚がなく、いいように揉まれ、引き絞られて真っ赤に充血している。
(腰があッ……腰が痺れちゃってる!)
ソファーに釘付けにされた奈美は、犯され始めたときに禅次郎が体重を乗せてくれば、押しつぶされることになると覚悟した。
ところが男は腰をリズミカルに使って子宮を激しく突き上げるが、身体はぎりぎりのところで重みがかからない体勢を維持していた。
「ああ!……ほんとうにだめ!だめです!」
人妻は最初こそ正気を保ち、肉の蹂躙に耐え続けた。しかし三十分以上も子宮口を突かれ続け、閾値を超えた瞬間に肉体が陥落した。いまではぐずぐずに溶けてしまった自身の秘裂を制御する術を失っていた。
(なんでこんなに感じちゃうのッ……こんな男に)緊縛レイプにも関わらず、禅次郎の抽送は剛茎だけに限られ、肌と肌がほとんど接触しなかった。従って感覚が犯されている割れ目ばかりに集中し、研ぎ澄まされて、加速度的に快美感が増していくのだ。
どうして自分の肉体が反応してしまうのか理解できず、奈美はむせび泣いた。
「へへ……俺のセックスは思ったよりイイだろう?」
「あくッ……ふうんッ……そんなこと、ないわッ」
喘ぎ声の合間に、力弱く反論しても説得力がない。人妻は涙に濡れた顔を紅潮させ、悔しさに横を向いた。
女の数だけなら県下一をこなしている禅次郎の責めは、さほど経験のない代議士夫人には老獪すぎるものだった。暴飲暴食で腹はたるみ切っているが、日々のスクワットと腹筋を欠かしたことはなく、脂肪の下には鍛えられた筋肉が隠れていた。
女を犯すためだけのトレーニングだ。
長大な肉棒を生かすために、疲れを知らない下半身が必要だった。そして経験から、最初は女に圧迫をかけないほど快感を引き出しやすいと知った。
押し潰されて犯されると思っているところに、優しく包まれるようにのし掛かられ、動揺しているところを花芯だけを容赦なく突かれる。大概の女はこれですぐに猥りがわしい声を上げ始めるのだった。
(こいつも例外じゃなかったな……だが反応も締め付けも段違いだ)「くッ……こんなあッ……いやッ……いやよッ」
汗で張りついた前髪を振り払うように、美貌がぶんぶんと振られた。しかし表情は霞がかかったように蕩け、時折はっとしたように真顔に返る。そんな無駄な努力が繰り返されていた。
「はむッ……うむむッ」
ひっきりなしに喘いで、開きっぱなしの口を塞がれ、舌を吸われる。きつく吸い立てられると、女の沼地がじゅわんと熱く溶け出す。
蛇蝎のごとく嫌っている男なのに、傍目には恋人同士が甘やかなディープキスを交わしているように見えるほど、密着されての責めだった。
(なんで抵抗できないのッ……しっかりして、奈美)内心で必死に自分を叱咤するが、下半身を割り裂かれると、抵抗する気がなくなってしまう。極太の肉鉾は上から、正面から、あるいはくねるように美人妻の果肉を貫き通し、どの角度からも疼くような刺激がもたらされた。
「ああ!……そこ!……いやああ!」
奈美は自分では知らなかったが、性器が上付きのために挿入が極めて容易なのだ。しかも膣口とクリトリスが近く、快感の源泉である神経叢を肉棒で突き上げやすい。男を喜ばせる天性の肉体を生まれ持っていたのだった。
「突いちゃイヤッ……奥は突かないでえ!」
快感の源泉を打ち抜かれ続ける悦楽と恐怖。いまさら涙目で猶予を願っても、許されるはずもなかった。
禅次郎の性への執着を甘く見過ぎていた。男が実は鍛えた身体をしていることにはすぐに気付いた。腰の動きが激しすぎ、奈美の蜜壺を破壊しかねない勢いなのだ。
「おねがいッ……ほんとうにッ……はあああ!」
ずるん、ずるんとぬらぬら光るウナギのような肉棒が、美貌の経営者の股間に刻まれた快楽の源泉を貫く。姿を消すたびに女体が仰け反り上がり、あられもない嬌声が部屋にこだまする。
膣壁から子宮口すべてに密着し、擦り上げ、突き上げる。抜き差しごとに、奈美の全身に電流のような疼きが走り抜ける。
「もうだめ!……ほんとうにだめなの!」
感電して手足が痺れるような快感に、これ以上は耐えられそうにない。人妻は慎みも誇りも捨てて、元同級生に必死で許しを乞うた。
「もう引き返せねえよ。もうちょっと我慢しろ」
「いやんッ……いやいやッ……」
喜悦に耐えきれず、甘く悶えるようなよがり声が混じり始めてしまっている。
代議士夫人の肉の裂け目は愛液でとろとろに溶け、男の股間が叩き付けられるたびにぱちゅん、ぱちゅんと卑猥過ぎる音を立てる。
ぶるぶるっと小刻みな震えが奈美の背中を駆け上がった。
「ふふ、奈美……そろそろ気をやるのか?」
「違うッ……違うわッ」
羞じらってふるふると頭を振る美女からは高慢さが消え、可愛らしい顔になっている。そこが男の嗜虐心をさらにそそった。
「旦那に恥ずかしくないのか?……俺に犯されて絶頂なんかしたら」
「いやあッ……ゆるしてえッ」
はっと気付いた顔になった人妻は、哀願するような眼差しで、自分をレイプしている男を見上げた。
「しかも、たっぷりと中出しされるんだからな……お前のために禁欲していたから、どろどろに濃いやつを流し込んでやるぜ!」
「いやあ! いやあああ!」
いずれそうなると分かってはいても、男の口からはっきり言われると、絶望のどん底に突き落とされる。奈美は残った力で全身を捩らせ、縄目から逃れようとはかない努力をする。
「ああッ……待って、龍田クンッ……なんでもしますから、それだけは」
上気した美貌をゆがめ、美人妻は最後の哀訴を試みる。
「魅力的な提案だが、もう遅いな」
「いやッ……いやよッ……たすけてッ」
禅次郎は腰の動きを止めると、はあはあと喘ぐ女体をぐっと抱き込み、太棹を奥深く埋め込んで固定した。
奈美はぎくりとした表情になり、不安そうに見上げる。
緊縛された上半身を抱え込まれ、恥裂には杭のように二十センチの欲望が丸々挿入されている。すべての希望を失った人妻は、呆然として男の言葉を待った。
「奈美……お前の子宮を、俺の子種汁で埋め尽くしてやる」
「ひいいッ……」
かすれたような悲鳴を合図にしたかのように、男は美女を完全に押しひしぎ、激烈な高速ピストン運動で腰を打ち込んだ。
「いや! いや! いや! いや! いや! ああ! ああ! ああ!」
種付けプレスの姿勢で、禅次郎はここを先途と、どろどろの蜜沼に肉茎を打ち込み続けた。一差し、一抜きごとに代議士夫人の腰が跳ね上がり、痙攣した。
「だめ! だめ! だめ! だめ! だめ! だめ!」
抱えている女体が震え出し、美人妻はひっきりなしに絶叫した。ソーセージのような淫棒が膣を埋め尽くし、子宮口をずんずんと突き上げられ、奈美の腰は痺れ切って自力では動かせなくなった。
「いや! もう! だめ! そこ! だめ! だめ!」
泣き叫ぶようなよがり声を上げ、ぼうっとした視線で男を見つめ続ける美貌にたまらず、禅次郎はついに埒を空けた。
「奈美! 出すぞ!」
「いやあッ……いやあああああああああああ!」
たまりにたまった毒液が、消火栓から噴出する水のような勢いで膣奥へ叩き付けられた。子宮口でザーメンの体温を感じた女体が、組み敷かれていた重みを跳ね上げるほどの勢いで反り上がった。
「だめえ!……」
がくんがくんとソファーが揺れるほどの振動が起き、奈美の脳内で白光がスパークした。
(イッちゃう!……イッちゃってる!)
憎らしい男の放精にもかかわらず、人生最大の快感に全身が満たされ、指先まですべてが痺れた。身体が浮くほどの屈辱的な絶頂で、しばらく硬直状態が続いた。
視線は宙をさまよい、口は完全に開いたままで美人妻はブリッジを続けていた。
子宮口に打ち当てられた精液が逆流し、音を立てて合わせ目から吹き出す。
「死んじゃう……」
そうつぶやいた三十五歳の人妻の肢体から、ようやく力が抜けた。女優のような美貌は淫らな悔しさに染まり、いつまでも喘ぎ続けていた。
「うう! ああ! いや! いや!」
夕方になっても、禅次郎は飽きずに奈美の肉裂を貫き続けていた。ソファーにつなぎ止めた緊縛姿勢のまま、数え切れないほど人妻を絶頂に導き、その間に抜かずの五発をしていた。
「きょうは何度出してもいけるぜ……こんなのは初めてだ」
「いやあ!……けだもの!……ゆるさない!……ああ!」
セックスを覚えたてのころ十回くらい出したことはあるが、数分で射精する甲斐のない行為の繰り返しと、休み休みの挑戦だった覚えがある。
(これだけ時間をかけて追い込んで、満を持して出してるのにまるで衰えない。これも奈美のせいか)憧れの女を、その身体から引き出した肉欲だけで追い込んで、とことんアクメで打ちのめす。男としてこれほどの勝利があるだろうか。
禅次郎は悦に入っていた。しかも美人妻は何回達してもスラストが再開されれば再び感じ始め、セミロングの髪を乱して新鮮なイキ顔を見せるのだ。
(林田の野郎、こんな身体をいつも味わってやがったのか。許せねえ)理不尽な憤りを夫にぶつけながら、目の前の熟れた女体を貫く。喘ぎ、悶え、痙攣させる。なんという幸福だろう。禅次郎は、奈美への執着がいよいよ強まっていくのを感じていた。
「ああ! いや! いや! だめ! だめ! だめ!」
たらたらと流れる汗をまき散らし、代議士夫人の肉体がびくびくと震える。完全にスイッチが入った女体は、セックスから無尽蔵に快美感を生み出せるようだった。
「くそ、奈美。またイクぜ」
「だめえ! 出さないで!」
何度も射精し、薄まり始めた汚辱の生殖液は膣内はおろかソファーから床まで濡れている。あたりに栗の花の香りが漂うほど精液が垂れ落ちているというのに、胎内で受け止めるたびに美人妻はうろたえるのだ。
「そら、そら、いくぜ!」
「いやッ……いやああ!」
さすがに拒否の叫びにも力がない。膣内で膨らんだ剛棒から白濁が出されたのを感じたのか、奈美はがっくりと頭を垂れた。
「あうッ……くッ」
男は傍らに置いてあった万年筆で、人妻の裸の肩に六本目の線を引いた。
奴隷オークション【令夫人と哀姉妹】 第一章 罠に堕ちた令夫人 (1/6)
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