凌辱三姉妹 第四章 章子 無残な侵入 ~ 第五章 章子 非情な強姦 (3/5)
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第四章 章子 無残な侵入
「章子姉さん」
「どうしたの?」
「お姉さんは好きな人でもできたんじゃないかしら?」
一番下の芙由子は、章子のことを「章子姉さん」と呼び、長女の菜津子のことは「菜津子姉さん」あるいは「お姉さん」と呼んで区別している。
「そうねえ……」
章子はちょっと思案した。
恋人ができた気がしないでもないが、喜多村家の長女としての自覚と、菜津子自身のプライドを考えると、簡単に男をつくったり恋愛に走ったりするとは思えない。
「近頃、よく秘密の時間を持ってるし、なんだか綺麗になったみたい」
「お姉さんは前から綺麗よ」
「それもそうだけど……でも、肌の輝きが違ってきたと思わない?」
「女性ホルモンが活発になるようなことをしている、とでも言いたいの?」
二人は声をたてて笑った。今、二人の間で話題になっている菜津子は、大学時代の友人と旅行に出かけていて、家にはいない。
「そろそろお支度してくださらないと……」
そのとき、お手伝いが居間に顔を出した。本人はもう外出支度をしている。腕時計を見て、芙由子はあわてて部屋を出ていった。
お手伝いと二人で、帝劇でやっているミュージカルを観に行くことになっている。指定席だから時間ぎりぎりでもいいのだが、観劇など何年ぶりというお手伝いは、朝早くからはりきっていた。
私立S学院は、三姉妹がいわば学校経営者だから、教師といってもたいした授業数を受け持っているわけではない。それでも毎日のように学校に行かなくていい夏休みはホッとする。
菜津子は大学生の頃からホームステイでアメリカやオーストラリアに何度も行っている。それだけに、英会話は抜群だった。章子は社会、芙由子は保健体育を教えていた。
実は、章子も本当は英語を担当したかった。彼女もまた語学は得意中の得意で、英語の教員免許をもっていた。それに、大学大学と連続して英語弁論大会で優勝した実力の持ち主である。だが、大学では史学を専攻していたこともあり、大学の部の歴史を教えているのだ。
一番下の芙由子は、かつては新体操の花形であった。だがオリンピックの前年、まだ大学生だった頃に、練習中にアキレス腱を切ってしまい、五輪候補からもれてしまったという苦い経験がある。
姉妹は三人三様に美しいが、やはり二十三歳という若さで、もっとも肢体に自信を持っているのは芙由子ではないか。個性の強さでは章子、総合点で菜津子というところだろう。
芙由子たちは昼の部のミュージカルを観るために、昼前に出かけた。
広い家にひとりで残された章子は、ロダンとの散歩を思いたった。敷地が広いので、ロダンはのびのびと走りまわることができるが、やはり外に出ると活気が違う。
元麻布の自宅を出て有栖川公園から広尾、そして地中海通りから南麻布を経て戻ってきたときには、汗びっしょりになっていた。ロダンも疲れたのか、藤棚の日陰に入って寝入ってしまった。
章子は浴室に直行した。シャワーで汗を洗い流すと、生気が甦る。
誰もいないから、素っ裸のまま二階の自室に入った。ほどよく効いたクーラーが心地よい。章子は大胆な格好で姿見の前に立った。
「あーあ、いやんなっちゃうな」
下腹部の黒い茂みを見て独りで呟いた。三人姉妹のうち、どういうわけか章子だけ体毛が濃い。深い切れこみのパンティを着用すると、脇からチョロチョロと恥毛がはみでてしまう。
つい先日ハワイへ行ったときも、ハイレグの水着を着るのに苦労した。カミソリを使っているのを見た芙由子が、「章子姉さんは情が深いのかもね」と言ってからかったものだ。
情が深い、か……。
ひょっとして、それは当たっているかもしれないという気がする。
章子は大学三年生のとき、好きな男と無理心中をはかろうとしたことがある。睡眠薬が少量だったのと、発見が早かったので生命はとりとめたが、それ以後、男性不信に陥っている。といっても、学生の頃はかなり派手に遊びまわった。ただ、どんなときでも相手に対して心を開かず、単なる遊びと割りきるのが常であった。
現在、章子に特定の男はいない。章子自身、喜多村家の相続とか、祖父や父の遺してくれた私立S学院の将来を思うと、安っぽい男と遊んではいられないという気になっているのだ。
「もったいないなァ……」
章子は大きく張った両方の乳房をそっと持ちあげた。たっぷりした重みが手のひらにのしかかってくる。章子はもう、その気になっていた。
最後の男との肉体関係を絶ってから二年近くがすぎている。散歩のあとの快い疲労感が、二十四歳の健康な肉体を欲情させたのだ。
親指の腹で乳首を撫でてみる。すぐさま軽い電流が走りだした。
両脚を少し開いた。目では見えないが、左右の粘膜がじんわりと開いていくのがよくわかる。自分の手を男の手に見立てて、ゆっくりとやさしく乳房を揉む。甘い気分が徐々に全身にひろがってゆく。
今日は思いきり淫らになろう……。
誰もいないのをいいことに、章子は化粧台の前のストゥールに片脚をのせた。それから、のせた脚の膝をグーッと開き加減にする。淫裂がゆっくり割れてゆく。恥毛地帯の面積が、やや広くなる。
なんだか『嘆きの天使』に出てくるマレーネ・デイトリッヒみたい……。
章子の頭のなかに、名画のワンシーンが浮かんだ。ハワイから戻って間もないので、灼けた肌と水着の跡がはっきりと分かれている。
両手で恥毛をまさぐりながら、割れ目を境にして右と左に分けた。柔肉にピリリッと疼きが走った。
どうせ誰も見ていないんだから……。
章子はツンと尖ったクリトリスと、その下でパックリ割れている花唇に目をやった。しっとりと露に濡れた淡紅色の肉片が、ひくつきながら重なり合っている。
男の人って、どうしてこんなものが欲しいのかしら?……ちょっとおかしい気もするけど、私だってときどき、あのグロテスクな長くて硬いものが欲しくなるんだもの……。
クスッと笑った。右手だけを離すと、割れ目が左側のほうに歪んだ。粘膜の間をぬうようにして、透き通った露がゆるゆると流れてくる。
さらに硬く尖りはじめた陰核に指を這わせた。思わず目を閉じてしまいたくなるような快感が生まれる。でも、章子は大きく目を見開いて、股間の様子を見ていた。淫らな自らの姿を見ることによって、もっといやらしくなりたかった。そうすることによって欲情が昴る。快感も深く強いものになるのだ。
芙由子の言うとおり、私は確かに情の深い女かもしれない……。
それでいいと思う。
どうせ今日は一人なんだわ。もっと大胆にいやらしくなろう……。
中指と人差し指が、陰核の上でしだいに活発に躍りはじめた。
だが、章子が思っているように、部屋には章子一人だけしかいないのではなかった。フロアとダブルベッドの隙間に這いつくばって、もう一人の人物が、まるで夢のなかの出来事でも見ているように、まん丸く目を見開いていたのである。
その男の名は米倉という。三十歳を少しすぎている米倉は、今までの人生のなかで、これほど刺激的な光景に出会ったことがなかった。
深窓の令嬢と呼ぶにふさわしい女が、いくら自分の部屋とはいえ、娼婦さながらに素っ裸で立ちはだかり、大鏡に向かってオナニーをしている!!
章子と男との距離は四メートルほどであるから、何もかもよく見える。米倉は、今にも飛びだして行きたい衝動に駆られるのを、どうにか耐えていた。
令嬢然とした女の私生活は、とことん見物していたい気がする。これから先の人生でも、おそらくこんなシーンに出会うことはないに違いない。
淫蕩な空気が、徐々に若い章子の部屋に充満していった。
なぜ、米倉が章子の部屋に侵入することができたのか--。
それは、一番若い神谷が私立S学院裏の駐車場で菜津子を襲ったとき、暗がりから飛びだして助けたのは竹田である。すべてが計画どおりであった。このとき、菜津子のハンドバッグが落ちて、中の物が路上に散らばった。竹田は暗がりを利用して、こっそりとキーホルダーをポケットに忍ばせた。二つのキーがあったが、ひとつは車のもの、もうひとつは玄関のキーである。竹田はこれでスペアキーをつくり、米倉と神谷に与えた。
男たちはそれぞれ、一定の時期をおいてから女たちを襲うことに決めていた。一度に襲うと、何かの企みを感じとられる怖れがある。じっくりと一人ずつ犯していけば、姉妹といえども秘密にすると考えたのだ。
そして竹田の思惑どおり、長女の菜津子は、竹田との関係を二人の妹に話さなかった。
米倉は竹田の成功を聞かされてから行動にとりかかった。今日の昼すぎに章子がひとりになることは、竹田の調査でわかっている。もちろん竹田は、それとなく菜津子から情報を仕入れたのだ。
章子が愛犬を連れて散歩に出た隙に、米倉は難なく喜多村家へ侵入した。女だけの匂いのこもった家のなかに足を踏み入れたとき、米倉はひどく気持ちが高ぶるのを感じた。
愛し抜いた妻の不倫という裏切りにあって以来、米倉は女に対して敵意にも似た感情を抱いていた。彼は職を転々とした。どういうわけか、行く先々で女にはよくもてた。どこか暗い影のある無口な米倉に、女は母親のような愛情を抱くのかもしれない。だが、両者の仲は長くつづいたためしがなかった。米倉に誠意がなかったからだ。
こんな状況のなかで、米倉はホステスと知り合い、そして別れ話が持ちあがった。ヒモのような存在だった彼は、女に手切金を渡さなければならなかった。ヤクザと名乗る男が米倉と女の間に入ったとき、現われたのが竹田である。
竹田はどこで小耳に挟んだのか知らないが、ともかく手切金を都合してくれた。たった五十万円ではあったが、ヒモである米倉にはその金もない。こうして米倉は竹田の支配下に置かれたのだ。
米倉は近頃になって竹田の本当の職業をうすうすわかってきた。聞いたことはないが、銀座界隈を根城にしているスカウトマンらしい。だから、米倉と女とのいざこざも、どこかで聞き知ったのだと思っている。竹田が菜津子に言った職業は嘘である。
今度の仕事に乗ったのも、五十万円に対する義理もあるが、成功裡にはもう百万円が出るという。それだけあれば、少しは食いつなげると考えたからだ。初めはちょっと危険な仕事だと思った米倉ではあったが、これは面白くなりそうだ……という気に変わってきている。
章子の指の動きが少し速くなった。鏡を見ている目が霞んだように潤んでいる。
美しい裂け目だ……と米倉は思った。それにしても、なんと卑猥な光景だろう。いかにも勝気そうな顔は鏡をじっと見つめている。上気していて赤い。自分の痴態をくまなく観察して、興奮の度合いを高めている風情だ。
なで肩でありながらたっぷりと張った乳房は、見事という他ない。キュッと削いだような下腹にかけての美しい線と、上方にプリンと盛りあがった尻肉の対比も、女の色気に満ちあふれている。
そして、濃い恥毛は、章子の性的欲求の強さと勝気な性格を如実に表わしていた。大理石の円柱を思わせるすべすべした太腿なのに、膝上のあたりから足首にかけてはカモシカのように細くて、締まりがよさそうだった。
章子が指を使うごとに、プルプルと胸の隆起が揺れる。ときどき腰がくだけそうにガクッとなる。快感に痺れて、立っていられなくなるのかもしれない。
しばらくして、やにわに立ちあがった章子が、ふらつきながらベッドのほうへ歩み寄った。一瞬、米倉は自分の存在を気づかれたかと思ったが、そうではなかった。
椅子に坐っていることが困難になったらしく、ベッドにストンと腰を落とした。米倉のすぐ目の前で、ベッドからたれた脚が揺れている。すぐ頭の上でベッドがぎしぎしと軋んだ音をたてた。
「あああ、いいわァ……」
感に堪えない声がした。激しく指を使っているらしい。
米倉は、もっと見たいと思った。だから、少しずつ這うようにして身を乗りだした。
ぐちゃぐちゃと淫らな音がする。粘膜と指が淫水を介在して擦れ合うからだろう。
とうとう米倉はベッドの下から完全に這いだした。そっと頭をもたげてみる。
だらんと脚を投げだして、ベッドに横たわった章子が、両手で陰部を揉みたてていた。よく見ると、右手の親指が付け根の部分まで膣の奥に消えている。左手の指は、剥きだしになった肉芽をつまんだり擦ったりしている。
「あああ--ッ!」
大きく裸身がよじれたかと思うと、反りかえった。親指と陰唇の隙間から、少し濁った秘液が流れていく。ストンッと尻が落ちる。乳房と下腹が荒々しく息づいている。
のっそりと米倉が立ちあがった。
章子は、閉じた瞼の上に黒い影がさしたのを感じた。興奮状態から醒めていないから、夢でも見ているような気分だった。もの憂げに目を開いた。
「
!?
…………」
最初に黒い影が目に映った。そして徐々に目の焦点があってきた。目の前で男が見おろしている。
「…………」
叫ぼうとしたが声にならなかった。
男は半袖のシャツにパンツという異様な出立ちである。白っぽいズボンは、もう足首のところまで落ちている。パンツの中心は大きくテントが張り、今にも布地が破れんばかりである。
「とてもよかったよ、お嬢さん」
男がかすれた声を出した。
ああ、夢じゃない! 現実なんだ!……
このときになって、章子は初めて悲鳴をあげた。跳ね起きようとしたが、すぐに飛びかかってきた男に枕で顔の上に押しつけられた。強い力である。
両手両足をバタつかせた。苦しい。どんなに力をこめて暴れても、男は少しも力をゆるめない。意識が遠くなり、身体から力が抜けはじめた。
死ぬ……と思ったとき、男が枕をどけた。
恐怖で声が出ない。ゼイゼイと息をした。素っ裸ではあったが、毛布を引き寄せる気力もなかった。いや、裸でいることを忘れていた。
「おとなしくしていれば、乱暴はしないよ」
男の声は穏やかである。しかし表情は厳しい。
やにわに、男は枕もとにあったティッシュペーパーの箱から大量のペーパーを取りだすと、団子状に丸めて章子の口のなかに突っこんだ。
唾液がペーパーに吸い取られるせいか、妙に息苦しい。それは布切れで声をふさぐよりも、はるかに効果的だった。
章子は男を見据えた。初めて見る顔だ。着ているものも清潔で、泥棒といった感じはしない。
どうやって侵入したのだろう
!?
……
章子は困乱と不安と恐怖のなかで、ふと思った。しかし、まともに思考回路が働かない章子には、米倉の侵入した手口がさっぱりわからない。菜津子がキーを紛失した一件を知らないから、なおさらである。
「今度はおれも仲間に入れてもらうよ」
米倉がニヤリと笑い、自信たっぷりに言った。女の秘められた行為を見たから、最初から呑んでかかっている。逆に章子はすっかり萎縮してしまった。死んでしまいたい心境だ。
「おとなしくしているんだ。いいね……おとなしくすれば、殺したりしない」
言いつつ、米倉はパンツを脱いだ。勃起が跳ねる。
ここまで露骨に目的を剥きだしにされると、性格が勝気な章子に、ある反発心が生まれた。恐怖はある。しかし、このまま相手の思い通りになってはたまらないという気持ちが芽生えてきたのだ。
上半身を起こそうとした。しかし、すぐに男の手によって押し戻されてしまった。
「あんたみたいないい女が、独りであんなことをするなんて、もったいないよ。ほら、おれの息子がこんなに欲しがってる」
米倉は見せるのが楽しくてたまらないというように、肉棒に手を添えてしごいた。赤黒くみなぎった亀頭の鈴口から、欲望のしるしがプクッと滲みでている。それほど大きくないが、エラだけは異常なくらい張っている。しかも上反りだ。
目を開けていればいやでも視界に入るので、章子は目を閉じようとした。
「見るんだ! さっきまでおれがあんたを見ていたみたいにね」
米倉は章子の上にまたがると、身体の両サイドに膝をついて立った。
乳房の上あたりで肉棒が腹を見せている。米倉が肉棒を擦ると、ダラリとさがった袋がブラブラと揺れる。
「あんたみたいに最後までいきたいところだが、せっかく目の前に格好の相手がいるんだ。なかで出させてもらう」
米倉はフーッと大きく息をつくと、手を休めた。鈴口の露がスーッと乳房の上にたれる。
ひんやりとしている。ゾクッと悪寒が走り、章子は震えた。
米倉がズリさがった。章子のぴたりと合わさった太腿をこじ開け、その間にできた隙間に座る。章子はあわてて下腹部を隠そうとしたが、やはり無駄だった。恥丘に伸びた手をいとも簡単に払うと、彼は黒い恥毛で隠された肉の裂け目をまさぐりにかかった。
章子の割れ目は、ついさっき、自分の指で慰めて終局までいったので、ぐっしょり濡れていた。米倉はそのぬるぬるの愛液を利用して指に塗りたくり、それで柔肉や粘膜を愛撫しはじめた。
章子はその屈辱に耐えた。米倉は章子の表情の少しの変化も見落とすまいと凝視しながら、巧みに指を使った。触るのではなく、スースーと表面を掃く。極端な言い方をすれば、空気をそよがせているような手つきである。これはじかに触られるよりはるかにつらい。章子の身体がブルッと震えた。秘肉は章子の気持ちなどおかまいなしに、すぐに反応しはじめたのだ。
いけない……。
息をつめて無視した。男と女の視線がからみあい、火花が散った。意地と意地の張り合いである。
だが十分もすると、米倉が視線をはずした。
「毛が濃いんだね……」
今度は下腹部の一点を見つめている。相変わらず指はゆるゆるとした動きだ。このままなら耐えられるかもしれない……と章子は思った。だが、結局は章子の甘い判断だった。
まったく唐突にクリトリスが逆撫でされた。今までのようなやり方ではなく、はっきりと愛撫という形式をとっている。
途端に、章子の腰全体がガクンッと弾んでしまった。そこをいじられたら負けは明白だ。これはただのゲームではない。自分は囚われの身だということを、章子は思い知らされた。
「ほう。感じやすいんだね。もうプクッと尖ってきた」
嘘だと思った。だが、そのことを意識した途端、米倉の指摘したとおりに、クリトリスがこそりと蠢いてしまっていた。
ああっ、いやだ……。
必死でコントロールしようと試みたが、充血しはじめたクリトリスは、さらに強くしつこくいじられることで急速に膨張した。
米倉の表情に、してやったりの色が浮かぶ。逆に章子は狼狽し、それが惨めな敗北感に変わっていく。だが、その気持ちが強くなればなるほど、身体は性の歓びを意識し、徐々に燃えあがっていった。このままでは自分を見失ってしまうことは明白だ。
「いやよ……許してちょうだい」
抗っても無駄なことはわかっているが、やはり言わなくてはいられない。だが口に紙きれが詰まっているので、声はくぐもっていた。
米倉の返礼は残酷だった。いきなり二本の指を花弁に突き立てた。
拒むような動きがあったのは初めだけで、花弁はすぐに左右に割れて、スルリと指を呑みこんでしまった。そこが濡れていなかったら、章子は苦痛を与えられただけかもしれない。しかし、秘唇は章子自身の自慰によって、すみずみまで熱く濡れていた。
もはや章子に逃れるすべはない。絶望的だった。だが絶望的ということは、身体が男を許容することを意味する。
男の指は秘唇にはりついて離れないばかりか、膣の内部をさまざまな方法で愛撫した。肉壁を擦ったかと思うと、重なり合った肉片を一枚一枚こそぐようにする。外では別の指が陰核をつまんだり圧迫したりもする。
秘唇の内部は否応なしにぬめりを増し、男の指の活動をますます容易なものとした。
そうなると、章子の脚は知らないうちに開いてしまう。身体ははっきりと歓びを表わした。嗚咽までもれてしまう始末だ。初めこそ口惜しくてすすり泣いていたが、いつしかそれはすすり泣きに変わっていた。
「すごいね。毛までびっしょり濡らしちゃって」
米倉は妻に裏切られて以来、女に屈辱を与えることが歓びとなっていた。米倉の本質は、女に歓びを与えることではなく、辱しめを与えるということである。ただ、それが結果として、女に歓びを与えているにすぎないと思っている。
突然、米倉は秘口からスポッと指を抜いた。やりきれない空虚さが章子に訪れた。
愛撫をねだる立場ではないから、身体を切なく揺さぶるしかない。
そのとき、妙な匂いがしたので目を開けた。鼻先に米倉が指を突きつけている。
「あんたのおま×この汁だよ」
ことさら偽悪的な言葉を弄する。
「やめてッ
!!
」
喉の奥で金切り声をあげた。米倉が章子の口からティシュペーパーの塊りを引きだした。
「ひどい……」
そう言った途端、粘っこい愛液にまみれた指が口のなかに押し入ってきた。
「うぐっ……」
「あんたのものだ。汚いことなんかないさ」
指でかきまわされると、章子は自身の愛液の混じった唾をゴクリと呑みこんでしまった。
勝ち誇ったように米倉の表情がゆるむ。
「ザーメンの味とは、ちょっと違うんじゃないかな」
章子は羞恥で全身を赤く染めた。大学時代、かつての恋人だった男に精液を浴びせられたことが頭に浮かんだ。
米倉が顔をのぞきこみながら、硬い勃起を恥毛の上に擦りつけた。また頑なに目をつぶる。
今度はのしかかるようにして唇を求めてきた。逆らっても仕方がないので受け入れる。舌を使いながら、これみよがしに下腹部に硬くなったものを押しつけてくる。恥毛の下で、膨張したクリトリスが悶えた。
いっそのこと、早く入れてくれればいいのに……。
章子はもう、犯されてもいいという気になっていた。溢れでた濃厚な蜜は太腿の付け根から後ろにまわって、ヒップの合わせ目を伝わり、アヌスまで濡らしてしまっている。濡れてよじれたシーツが、尻肉の下で皺々になっていた。
「さっきはひとりで恥ずかしげもなく慰めてたね。やっぱり女だって、やりたくってたまらないときがあるんだ。そうだろう。どうなんだ?」
返事をうながす米倉の言い方を、章子は無視した。こんなところにも、勝気な章子の性格がよく表われている。
「そうかい、そうかい……気の強そうなお嬢さんだ。でも、おれはこの目であんたが楽しんでるのを見たんだからね」
米倉は少し腰を引き、こわばりの先で恥丘をチョンチョンと叩いた。
ともすれば、肉棒の先端が滑って、濡れた割れ目にはまりそうになる。必然的に太いエラが敏感な陰核を圧迫する。
「うっ……うっ……」
口惜しいけれども、膣口がキュンッと締まるような突発的な快感が生じるので、章子の口からついつい声が出てしまう。
ああ、このままズブッと入ってくれれば……。
章子は、女だけが知るインサートの瞬間の快感を思いだして、ブルルルッと身震いした。
「したいかい?」
米倉の声が妙に馴れなれしくなっている。
言うもんですか!……
したいなどと言えば男は狂喜するに違いない。そんな気分にさせてなるものかと思う。
不意に米倉が章子の上体を引っぱりあげた。そして自分も章子の前に両脚を大きくひろげて座った。章子が両膝を揃えようとすると、無理やり両脚を開かせる。二人はまともに相手の性器を見る格好になった。
「いじりっこをしようや」
言うなり、まず米倉が章子の手を取ってこわばりに誘い、握らせた。
「どうすれば男がいい気持ちになるか、よくわかってるよな」
無骨な手がスーッと陰部に差しのべられた。クリトリスと淫裂を同時に愛撫しはじめる。
アヌスがキュンッとすぼまった。刺激がそれだけ強いのだ。すでに先ほどから濡れそぼっている陰部は、男の指の動きに応えて、さらに多量の蜜を吐きだしている。
「おい、動かしてくれよ」
米倉が催促するようにこわばりに力を入れた。章子の手のひらにビクンッと衝動が伝わる。
「さあ、早くしな」
二度目の催促で章子はようやく手を動かした。本当は、もっと早くそうしたかったのであるが、安っぽい妥協的な女とみられたくなかったので、ぐっと我慢していたのだ。一度そうしてしまうと、章子の手の動きはまことにスムーズだった。男に歓びを与えるということには抵抗があるが、久しぶりに自分が肉棒の感触を楽しむと思えば、どうということはない。相手の男は憎んでもあまりあるが、手のなかに握りしめている猛々しい肉塊の触り心地は決して悪いものではない。
章子が握った手を動かしはじめたことに満足したのか、米倉は章子にさらに強烈な快感を与えにかかった。前だけでなく、会陰部からアヌスまでくまなく指を這わせたのである。
章子の身体はのけ反り、手の動きがいっそう速くなった。括約筋が勝手に作動して、肉路の奥をうがつ男の指を離すまいと絞りあげる。淫水が勢いよく湧出し、指に注がれた。
「あッ、はーん……ふうン、ハァ……」
章子の腰が、実際に性交しているように、指を相手に前後に揺れはじめる。
「指とのファックはどうだい?」
米倉のからかうような声にも、もはや反発できる状態ではない。それほど気持ちよくなっていた。
「たまらないわ!」
短いひとことだったが、章子の声に嘘はなかった。
章子は、なぜ男が自分を押し倒して挿入しようとしないのか、不思議な気がした。手のなかの肉塊は、今にも爆発しそうに高まっている。その証拠に、ひくつきの周期が短くなっているし、筒先からは透明の露が糸を引くほど流れだしている。そのぶん、握っている手のひらがべっとり濡れているから動きがとても滑らかである。
しかし、もう肉棒の感触を味わっている余裕は章子になかった。米倉によってすさまじいばかりの快感がもたらされているから、それを取りこむことに夢中になっている。
「ああっ、変になっちゃう」
「いいぞ。そのまま終わってもいいんだぜ」
親指を除く四本の指が、手刀を切るような形でグサッと玉門に突き刺さった。そのまま膣のなかで、さながらヒラヒラと魚が泳ぐように動きまわる。淫裂が軋み、愛液が噴きでた。
「いっちゃう……いくわッ
!!
」
もうストップがきかなかった。四本の指を膣におさめたまま股間をぐっとよじり合わせたとき、章子は子宮を熱くして愛液をほとばしらせた。そして、同時に米倉も、章子の手で握られたまま樹液を放った。
四十五度の角度を保ちながら擦りたてられていた陰茎は、イッた瞬間の章子の強い握りしめによって、それまで溜まりに溜まっていたものを一気に噴出させた。まさに爆発という形容がふさわしい。白い樹液の第一撃が、恍惚状態に陥っていた章子の顔にまともに命中した。つづく第二弾はゼリー状のまま、ビキニ跡の残る胸の双丘に飛んだ。
二人は同時に、ドサリと別の方向に倒れこんだ。割れ目はまだ未練そうに淫水を噴きだしていた。強い性臭にまみれて、二人はしばしまどろんだ。
第五章 章子 非情な強姦
二人が快楽の余韻にひたっていたのは、時間にして十分くらいだったろうか。
先に現実の世界に引き戻されたのは章子である。冷静さを取り戻すと、勝気な章子は自分の置かれている立場に慄然とした。相手は見も知らない不当な侵入者である。唯一の慰めは、まだ完全に肉体関係を持っていないという事実であった。
章子はそっと男を見た。あお向けになったまま、軽い寝息をたてている。びっくりしたのは、こわばりは少しも衰えることなく、勃起したまま一定のリズムでひくついている。
章子は静かに起きあがった。顔や胸にはべっとりとザーメンが付着して、強い匂いを放っていた。
ああ、これくらいで自分を見失ってしまうなんて……。
後悔したが後の祭りだ。
今なら逃げられる……。
用心しながらベッドからおりた。昼間だったが、ベッド脇に置かれたナイティを手にすると、ドアノブに手をかけた。カチャッという小さな音を、このときほど恨めしく思ったことはない。
後ろを振りかえった。男が目を醒まし、顔をもたげてキョロキョロしている。まだ完全に醒めきっていないらしい。
二人の視線が合った。男は目をこすっている。
章子はドアを開けると、一目散に廊下を走り、階段を転がるようにおりた。玄関口から飛びだそうとしたとき、初めて素っ裸であることに気づき、急いで手にしたナイティを着た。
玄関先の門まで二十メートルほどある。夏の暑い昼下がりである。しかも、まわりは空地と駐車場だ。普段でも人通りの少ない場所なので、果たして誰かと出会えるかどうか。
玄関のチェーンまでが怨嗟の対象となった。ガチャガチャと音がするだけで、なかなかはずれない。階段を見上げた。男はまだ追ってこない。
ようやくチェーンがはずれたのでドアを開けた。ロダンがものすごい勢いで走ってくるのが見えた。
助かる……と思って外に出た。
悲鳴をあげる間もなかった。そこに素っ裸の米倉が立っていたのだ。いきなり胸をドンッと突き飛ばされた。章子は玄関口で転び、したたかに腰を打った。
息がつまって身動きができない。章子は伏目がちに顔をあげ、ロダンが男に飛びかかるのを見た。
雑種のロダンはそれほど大きくない。しかもかなり老いている。それでも主人の異変に気づいたのだろう。激しく叱えたてながら、男の下半身に飛びかかった。
だが、男はロダンの両前肢をむんずとつかむと、まるでハンマー投げでもするように頭上高くブンブンと振りまわした。章子は恐怖で目をひきつらせた。
男はそのままロダンを放り投げた。壁とか玄関ドアに叩きつけられていたら死んでいたかもしれない。さいわい、放りだされた場所は花壇になっている一角だったので助かった。悲鳴をあげながらロダンは庭の片隅に逃げた。そのまま尻尾を身体の下に隠すようにして小さくなっている。
米倉は家のなかに入るとドアを閉め、内鍵とチェーンをかけた。そして、やにわに章子の髪の毛をつかんで引きずった。
「待って! 許して! 痛いッ……」
階段の下まで引きずったところでようやく手を離した米倉は、ナイティをむしり取り、顎をしゃくって二階へあがるようにうながした。
素っ裸の章子は、手すりにつかまりながら片足を引きずるようにして、一段、また一段と登りはじめた。したたかに打った腰が痺れるほど痛い。
その後ろを丸裸の米倉がつづく。米倉の目は、すぐ前で揺れるヒップを見つめ、薄笑いを浮かべている。女の後ろ姿を一段さがったところから見あげれば、一番恥ずかしい部分が丸見えになることは、よく知られた事実である。二人の構図は、ちょうどその位置にあった。
章子が片足を一段上にかけると、尻肉の狭間からクレヴァスがはっきり見える。痛みと恐怖で、章子はそのことに気づいていない。元来が毛深い章子だから、肉裂の縁近くまで短毛が密生している。後ろから見えるそれは、あまりにも卑猥な感じがした。そのぶんだけ男の目を楽しませる。歪むたびに、奥のピンク色の一部がチラチラと垣間見える。
一度勢いを失っていた米倉の分身が、階段をあがる短い時間に、また元の元気な姿に復活していた。階段をあがりきったところで米倉は、章子の後ろからのぞく秘唇がいかに素晴らしい眺めであったかを言った。
「あっ……」
章子の全身が羞恥に染まった。そんな屈辱を与えることによって、米倉の肉棒はますます硬度を増し、長大なものとなった。
「あんたはおれを裏切ろうとした。今からたっぷりとお仕置きをしてやるからな」
実際には、具体的な仕置きなど思いついていなかったが、そう言って脅すことで米倉は満足した。
部屋へ戻ると、章子はすべてを観念したようにベッドに横たわった。素直になるのが、男の怒りを和らげる唯一の方法だと気づいたからだ。
「少しは利口になったようだな」
男の声は優しいが、その奥に隠された本性が恐ろしい。
米倉はいきなり剛棒の先に滲んだ露汁を指先ですくい、左の乳首に塗りつけた。ただ塗るのではない。愛撫というテクニックを弄してである。
恐ろしさですくんでいた乳頭が、指先からもたらされる刺激で切なく疼きだすには、そう長い時間がかからなかった。すぐに反応してしまう自分の身体、そして女の性を、章子は恨めしく思った。
右の乳首が、男の上下の唇に挟まれてゆるゆる揉まれると、二つの胸の隆起にすぐさま熱い血が流れてくる。ツーンと張ったようになるから、章子自身も、感じてきたとすぐにわかる。
独りで指と戯れたり、好きな男に身を任せているときなら、じわじわと愛液が湧きでる感触や時間が楽しくてならないが、見も知らない男によってもたらされる快感には、おぞましさを感じる。
しかし、それも初めのうちだけなのだ。いつかは溺れてしまう自分の身体が恨めしい。情けなくて哀しい。女の身体とは、しょせんそうしたものなのだろうか?
章子は耐えた。抗えないなら、感情を表に出さずにいることが、今の章子にできるすべてだった。相手の言うがままになるのはいさぎよしとしない。そういった感情が、単なる自分自身に対する自己弁護だということに、章子は気がついていない。歯を食いしばって堪えることが使命とさえ考えたのだったが……。
結果は無惨だった。気持ちとは逆に、身体は期待しているのだ。乳首はすぐに硬く膨らんだ。もっともっととせがむように、せりだしてくる。
女の身体は、反応しはじめると、ラストの頂点を迎えなければおさまりがつかなくなる。ましてや、性体験もそこそこある感度良好の章子のことだ。いったん走りだしたらとまらない。
あっ、駄目……。
そう意識すると、頑な気持ちは一挙に崩れ去ってしまった。米倉に表情を盗みとられているなどとは思ってもいない。このあたりにも章子の甘さがあった。
米倉はビンビンにみなぎった肉棒を、いかにも切なげに章子の太腿に擦りつける。それは挑発にほかならない。
擦られている部分がヌルヌルしているのに章子は気づいた。男の太い肉棒の先から先走りの露が流れだしていることは明白である。鈴口に露のたまった肉棒を思い浮かべると、呼応するように股間が震えだした。余震はそのまま子宮に伝わる。トロリとチーズが溶けだすように生温かい秘液が膣口を伝わり、外に向かって押しだされてゆく。
これには当然、疼きがともなう。疼きは何かによってよい方向に解決しなければならない。例えば、自分の指とか、オモチャとか、好きな男の逞しい勃起によってとか……。
女にとって、放置されるほどつらいことはない。貫かれるなり、愛撫されるなり,なんらかの確かな手ごたえが欲しくて、身体がもぞもぞと動いてしまう。男の目には〝身悶える〟と映る。実際そうなのだから仕方がない。
ときどき章子は低く呻いた。口をつぐめばつぐむほど、口をついて出る声には真実味がこもっている。それがまた、男には極楽の声に聞こえた。勝利は手中にしたも同然だ。だから、やることなすこと、すべてに自信があった。
米倉が章子の上に馬乗りになった。章子がボーッとした視線を米倉に向けた。このまま身体をつなげてしまうのは簡単だ。
章子は下腹に当たる肉棒の脈動をはっきりと感じた。これが間もなく、疼く膣を切り裂くようにして入ってくる。
ああ、なんてことなの。私はそれを期待しているんだわ……。
いやらしいと思う反面、仕方ないんだわ。女の身体って、誰でもこんなことをされれば反応してしまう。力ずくで犯されようとしているときでも……。
そうも思った。だが、米倉はすぐに入ってこなかった。
女体にまたがったまま、クルリと向きを変えた。章子は、またがった男の背中と尻を見ることになった。
米倉が座っている位置を少し後ろにずらし、乳房の上に乗りかかった。そして、そのまま身体を前に倒した。つまり、米倉の顔前には章子の黒々とした茂みが位置し、章子の顔前には、米倉のむくつけき尻と、ダラリとさがった皺々の袋、そしてそそり立つこわばりが現われた。
章子は男の企みを知って、いったんは目を閉じた。しかし、男の視線からはずれているのを知ると、すぐに目を開け、間近に男の性感帯ともいえる下腹部の全容を見た。
今まで、こんな形で男と相対したことはない。妙にワクワクした。はっきり言って、男の尻は、真下から見ると穢い。アヌスのまわりにも毛が生えているし、双丘の合わせ目は赤黒い。醜悪とも思えるのだが、その近くで大木のようにそびえ立つ男根には目を奪われた。赤、青、紫といった極細の血管が幹の細部まで縦横に走り、芯のようなものがドキンッドキンッと脈打っている。袋まで筒先から溢れた先走りの露で濡れていた。
章子はそっと鼻を蠢かせた。無色透明の露には、ほとんど匂いもない。二つのボールをくるんだ袋にも、よく見るとチリチリした短毛が生えている。
「おい、舐めてくれ」
重い男の声が、足もとのほうからする。章子にはやはり、ためらいがある。
しばらく何もせずにいると、何か言われるかと思ったが、男は何も言わない。その代わりに、ゾロリと淫裂が舐められた。
「ひい--ッ!」
あまりにも突然だったので、思わず腰まで突きあげてしまう。男の舌は股間一帯を万遍なく舐めまわした。一定の順序というものがない。わざとそうしているのだが、章子にはそこまで考えがおよばない。
舐めるだけではなく、クリトリスを吸ったかと思うと、陰唇の裾をコリッと噛む。そのたびに、自然と身体が反応してしまう。だが、肝心の膣には何もしてもらえない。
もっと強い力で掻きまわしてもらいたい……と思った。
「こんな具合にやってくれ。やるんだよ。いいな」
優しいかと思うと、脅しのような口調になる。
「みんなやってくれ。サオだけじゃなく、尻の穴もな」
サオ……尻の穴……なんていやらしい言い方なの。
身体のほうは、その言葉を聞いた瞬間に、衝きあげられるような喜びを感じていた。
ああっ、出ちゃう!
あわてて括約筋に力をこめたときには、生温かい愛液が溶けて、舐めまわしている男の舌に絡みついていた。米倉は、それをチュウチュウ音をたてて吸っている。淫水だけでなく、粘膜の裾まで口腔に引っぱりこんでしゃぶる。
「うーッ……うッうーん……」
股間一帯が何度も痙攣する。そしてまた多量の蜜を吐きだしていた。
快感が高まるにつれて、章子は何かにすがっていなくては不安になってきた。なんとなく心もとないのだ。それまでシーツを鷲づかみにしていた手が、いつの間にか眼前の米倉の尻にまわされていた。
米倉が腰を低くしたので、袋が章子の口の上にたれた。章子は濡れた袋を咥えた。なんとなくそうなってしまったのである。酸っぱいような味がしたが、嫌悪すべきものではない。
「うまいぜ。その調子だ」
男の唸る声が章子を挑発した。しかも、下半身に絶えず刺激を与えられているから、知らずしらずのうちに返礼のつもりで舌を動かしてしまう。丸いくるみのような玉が、口腔でころころと転がる。
下半身を攻める米倉の舌の動きが活発になってきた。相手もそれだけ感じていると思うと、妙にワクワクしてくる。
男の言う、いわゆるサオを握った。精気に満ちている。指先で鈴口をさぐると、粘っこい露がどんどん流れている。手のひらになすりこんで、サオを擦ってみた。尻肉がプルプルと震える。
「たまらんよ……いい……とてもいい」
米倉はそう呟く間も、顎の先で突起をグリグリと擦った。少し痛いものの、それまでの苛立つ気分がいくぶんすっきりする。
だが、肝心の膣奥がまだなのだ。そこを舐め貫いてもらうには、一刻も早く男をその気にさせなければ駄目なことに気づいた。袋をしゃぶり、サオを擦り、もう一方の手で会陰部をくすぐった。
目の前でアヌスがキュンッと縮まった。同じようなことが断続的に起こり、肉棒の先から出る露の量が多くなる。
いい傾向だわ……。
頭の隅でそんなことを考えたが、冷静に男の動きを感じとっていたわけではない。
章子自身も、激しく肉芽を攻められて、いきつくところまでいかないことには、おさまりがつかないまでに高められていた。だから、舌や手を使ったのも、本能の命ずるままに従ったにすぎない。
とてもいい気持ちだった。落ち着いて男の動きを観察する余裕などまったくなかった。むしろ落ち着いていたのは米倉のほうだ。なにしろ米倉は一度たっぷりと放出している。章子の身体がどの程度まで高揚しているか、湧出する秘液の量や秘肉のひくつき、あるいは身体全体の仕草で、ある程度は把握していた。章子をとことんその気にさせてから、一気に肉棒を埋めこみたかった。出し惜しみというわけではないが、女芯に舌や指を突き刺すことは避けた。
章子のやるせなさが手にとるようにわかる。切なそうに腰を揺さぶると淫裂が歪み、そこから女の欲情のバロメーターともいうべき淫水が噴きでる。実にそそられる光景であった。
入れたい……と思ったが我慢する。章子のほうが我慢しきれなくなるのを待つつもりである。章子の口から「入れて」とか「はめて」と言わせたい。
そうそう、かつては女房にもそんなことを言わせた時期があったなあ……。
恋愛で結ばれた女房とはうまくいっていた。性的に未熟な女だったが、米倉の教え方がうまかったのか、あるいはもともと好色だったのか、セックス・テクニックを次々とマスターしていった。子供こそできなかったが、幸せな期間は長くつづいた。
何もかもうまくいっていると思ったのに、女房が浮気をしていたのだ。その事実を知ったときの驚きを今でも忘れない。
自分は、他の男がさんざん舐めたりいじったり、はめたりしていた女房の下半身を、こよなく愛していたなんて!!……
そこから生じた米倉の女性不信は、以来ずっとつづいている。
許せない!……
目の前で息づく女陰に貪りついた。しとどに濡れた股間に、またも媚液が湧く。米倉の顔はすぐにベチョベチョになってしまった。
そっと舌先をすぼめて、ほんの少しだけ肉襞の間に差しこむ。グググッと括約筋が締まる。同時に腰がせりあがった。
やりたくてたまらないんだ……。
もう少しだと言い聞かせて、また粘膜の縁だけを舐めた。
いったん入りかかった舌がスーッと後退してしまったので、章子は苛立った。
入れてッ。そのままグッと入れてッ!……
今にも言葉が口をついて飛びだしそうになる。
米倉の尻も陰部も、章子の唾液でべっとり濡れている。章子は、ただ快楽の波に揉まれながら、幼児がキャンディでもしゃぶるように肉棒を舐めつづけた。
そのうち章子は、ボーッとした意識のなかで、あることに気づいた。男のテクニックに翻弄されて、ついつい夢中になって舌を使っているうちに、自分でも気づかずに舌先がアヌスに触れてしまうことがある。そんなとき、あわてて舌を後退させるのだが、米倉の尻がブルブルッと震え、肉棒に緊張感がみなぎるのだ。
ひょっとして気持ちいいのかもしれない……。
章子は初めて、目的をもってアヌスに舌を這わせた。途端に菊の蕾は、イソギンチャクが身を縮めるようにキュンッとすぼまり、内腿のあたりの筋肉がひときわ大きく痙攣する。
もうその時点で、章子には穢いとか不潔とかいう気持ちはなくなっていた。自分も快感がぐんぐんと大きく強いものになっていくから、それにつられるように、男のアヌスに向かって堂々と、そして夢中で舌を使った。そのたびに米倉は、まるで女のようにやるせなさそうに腰を振る。そんな姿をもっと見たくて、章子はかつてない積極さで立ち向かった。
下半身に痺れが走ると、すかさず舌で返礼する。もう口のまわりがベタベタであった。穴をくすぐるうちに肉棒は一本の樫の棒のように硬く、ビール瓶のように太くなった。さして大きくなかった肉棒が、限界のないように膨張していく。
すごいわ。なんてすごいんでしょう
!!
……
章子の興奮はいやがうえにも増した。舐められているという受け身の気持ちと、よくしてあげているという攻撃の気持ちが複合して、今にも舞いあがりそうである。
匂いが漂いはじめた。男女の性器から発散する名状しがたい香気は、二人を限界点にまで高めるのに役立った。
「ああ、あなた……」
とうとう章子が叫んだ。敵意を抱いている相手に、いくら夢中とはいえ「あなた」と言ったのだ。
「してっ!」
切羽詰まった声でそれだけを言った。
「はめて欲しいんだな」
自分も極限まで追いつめられていたが、それでも米倉はもったいをつけて言った。
「そうよ、そのとおりよ!」
「はめるんだな」
「はめて! 私のなかにはめてっ
!!
」
いまわしい言葉は、一度言ってしまうと、あとからあとからエンドレス・テープのように出てくる。爽快感が章子をめくるめく世界へ誘った。
くるりと向きを変えた米倉が、猛り立つ剛棒に手を添えて、咲き誇った女の花びらに近づけた。大きく両脚をひろげた章子が、もう一度「はめて」と甘い声を出した。そのまま自ら両膝の後ろに手を当てがい、グイッと持ちあげる。
米倉の目の下で、パックリと割れた裂け目が今や遅しとひくつき、甘美な蜜をしとどに流していた。米倉は肉棒の先の丸い雁首で、陰唇をぞろりとなぞった。割れ目がまるで生きた赤貝さながらにぬるりと動いて、左右にひろがった。
「押して……押してちょうだい」
章子がたぐるように雁首をつかんで自分のほうに引き寄せた。
ズブズブ……。音こそしないが、段差のある幹近くまでが胎内にめりこんだ。
米倉の目は充血したように赤くなっていた。黒い恥毛に縁取られた割れ目の中心に、肉棒の先が突き立っている。まわりを取り囲む肉唇は、さらに奥へ取りこもうと、せめぎ合うようにぬらぬらと動く。
「して、してッ
!!
たまらないの
!!
」
「してるじゃないか」
「いやいや、焦らさないで。思いっきり押しこんで!」
「どこに」
「決まってるでしょ!」
一瞬、言葉が途切れたが、すぐにうわずった金切り声が美しい口から飛びだした。
「おま×こよ! おま×こッ
!!
」
その声を聞くや、米倉はしゃくりあげるようにして腰を押した。
「わわわわッ……」
太いこわばりが肉片をかきわけて、一気に子宮を突いた。ズシンッと脳天に響くような快感に、章子の感性は完全に狂った。性欲の牝と化した美貌の女は、すぐさま娼婦のように腰を持ちあげた。男の恥骨と、より強い接触を持つことで、快感はさらに増巾した。
「ああ、すごくいい
!!
なんていいの
!!
」
ぐんぐん上昇するオーガズムのなかで、章子は我れを忘れて叫んだ。快感という魔物が、慎み深い二十四歳の女体を、忘我の彼方へさらっていこうとしていた。
米倉の陰湿な性格は、セックス技術にもいかんなく発揮された。抽送だけにとどまらず、横揺れ、縦揺れ、上突き、下突きと、まったく意表をつく。
「あーん……ああ、どうしよう……変になっちゃう……」
章子のあげる声が、男をますます猛り狂わせてゆくことに、章子は少しも気づいていない。もっとも、章子自身も自分が何をわめいているのか、わからないのかもしれない。歓びの声は長く尾を引いた。
章子の絶頂が近いと判断すると、米倉は今までの激しいやり方を徐々にスローダウンしていった。
ある一定の高さまで性感を高められていただけに、章子はあわてた。これではおさまりがつかない。そのままいってしまいたい。男の動きが少なくなった分、今度は章子の動きが活発になっていった。快感を低下させることなど、とんでもないといった貪欲さで。
自分の思いどおりになったので、米倉は内心でほくそ笑んだ。性を貪るときの女は美しい。章子が無我夢中で腰をせりだしてくる。わざと少し腰を引く。
「ああっ、駄目よ……」
腰というよりも、陰部そのものが追いかけるように突きだされる。
少しだけ開いたふたつの性器の隙間を、米倉は目を細めて眺めた。ヌレヌレの肉塊が、女の秘められた蜜壷からはみでているのが目に入った。
咥えこんだ割れ目の構造も捨てがたいものである。淫裂がひくつき、そのまわりにチョロチョロと生えた恥毛がイソギンチャクのように見える。恥毛を押しのけるようにしてツヤツヤに輝いたクリトリスが、今にも破裂しそうに顔をのぞかせている。小さな豆粒は自身の存在を誇示するように小刻みに震えつづける。
そっと肉芽を指で押す。
「わ--っ
!!
」
いったん落ちた腰が、またもグンッと突きだされる。グチョッ……。妙な音を出して、二人の性器が深くまで結合をはたした。
「動いて……もっと動いて!」
切なく悶える章子を見ると、いつまでも我慢できなくなってくる。米倉は、できるだけ長く女の狂乱する姿を眺めていたいから、心のなかでわけのわからない呪文を唱えながら、やおら腰を使った。
肉襞がキュッキュッと締まる。括約筋の力に耐えるため、米倉自身も尻肉をすぼめて括約筋を絞る。性感は途中でさまよっていた。
「してよ、してッ……もっと動いて。お願いよ
!!
」
美しい表情を歪ませて章子が訴える。わけもなく目尻を涙が伝わっていた。しかし、それは決して犯されているが故に出る口惜し涙ではない。あまりのよさに我れを忘れたとき、涙線がふっと緩んでしまう結果、そういうことが起きるのだ。だから、歓びの涙にほかならない。
「すごくいいよ。あんたのヴァギナ……」
「ああ……」
そんな単純な言葉でも、章子を震えさせるほどの効果はある。
「どうだい。ペニスの味は」
言いつつ、米倉は腰をいやらしく、そして効果的に躍動させる。
「いい……とってもいい」
米倉はニンマリして、女の上から上体を起こした。
それまで圧迫されていた章子のふたつの乳房が、解放された悦びに震えた。擦れたせいで赤くなっている。乳首はせいいっぱい張りだしていた。
米倉は女の両脚を小脇にかかえ、そのままゆっくりと両肩にかつぐようにした。ふたつ折りに曲がった章子の身体は苦しげに見えるが、実際にはそれほどでもない。尻から折りかえされた太腿が、下腹と重なり合うようにして左右にひろがっている。当然のことながら、その付け根の女陰はまともに米倉の視線のもとにさらされる。その真ん中を、長大な肉棒が深々と突き破っていた。周辺は何もかもぐっしょりと濡れ、性臭が漂っている。
「ほら、見るんだ……見ろよ!」
下顎を上に向けて突きだしていた章子が、霞んだ目を開けた。
「あっ!……」
折り曲がった自分の下腹を、章子は悲鳴をあげながら見た。
「いやだわ……こんなのいや」
そう口走るのだが、いっときたりとも視線はそこから離れない。
オナニーのとき、自分の身体を鏡に映しながらしたことがある。あれでも充分に刺激的だったのに、なんという卑猥な光景だろう。その主役が自分なのだ。意識が恍惚としてくる。
「何よ、これ……いやだわ」
形式的に顔を両手で覆うが、男にうながされると、心の内の見たい気持ちを悟られまいと努めながら、また眺める。
「いい眺めじゃないか」
米倉が少しだけ腰を上下に揺さぶる。
あんなに太いものが身体のなかを抉っている……。
そう思えば思うほど、剛棒を左右からぴったり押し包んだ女陰が歪む。同時に、腰の神経を針で突つかれたような快感が湧く。
「どうなんだ」
いいわ、とってもいい……。
だが、そう思っても口には出せない。
「見てろよ。しっかり見てるんだぞ」
米倉が念を押して、これみよがしに、ゆるりゆるりと抜き差しを開始する。
途端に章子は、ケモノが唸るような歓びの声をあげた。
「ウ--ッ……うううッ……うーん……」
章子の視線はぴったり二人の絡み合う粘膜にはりついたままだ。股間からすさまじいまでの快感が突きあげてくるが、目から受ける刺激的な感覚も、それに負けず劣らずすごいものがある。脳が溶けそうになる。
陰唇の端がビラビラと男根に絡みながら胎内に消えてゆくかと思うと、今度は抜かれた男の幹とともに、掘り起こされるようにめくれあがってくる。子宮がつかみ取られてしまいそうな感じは初めての経験だ。いくら口をつぐんでも、切なくやるせない声が唇の間からもれてしまう。
米倉の動きが再び激しくなった。つられて乳房もゆさゆさと重そうに揺れる。
「いいわァ……とってもいいの!」
章子は両手で乳房を支え持つようにして揉みたてた。それまで頼りなげに揺れているだけだった二つのボールをくるんだ袋が、ようやく勢いを得たかのように、女の内腿からアヌスにかけての柔肉をヒタヒタと叩く。それさえも、章子の快感をぐんぐんと高める要因となっていた。
ピタピタ……グチャグチャ……さまざまな音が心地よいBGMとなって、二人の動きを助ける。
「駄目だわ……もう駄目!」
今にも章子の首が折れそうにのけ反った。
「きちゃう……くるわ……ああ、もうッ」
「待てよ。おれもいく……一緒だッ
!!
」
米倉が、まるで機関車のピストンばりにスピードを速めた。
「うわあッ、いいーッ
!!
して、して、もっとして
!!
」
章子の両脚が男の肩からはずれ、ぴったりと吸いつくように男の尻に絡みつく。密着した二人は激しく性器を擦り合わせた。
ググググ--ッ。猛烈な括約筋の締めつけがはじまった。何もかも絞り取られるような感覚だ。ペニスが千切れる……そう思ったとき、章子の動きがハタとやんだ。
「いく、いく、いくゥ--ッ
!!
」
章子の脳髄は完全に麻痺し、すべての感覚は性感ひとつに統一された。
米倉は声も出さずに、溜まりきった熱い樹液を一挙に放出した。
熱い樹液が子宮に注がれ、女の愛液がペニスに絡んだ。きつい匂いが室内を充たしていく。そして、ふたつの肉体はみじろぎもせずに、石のように転がったままだった。


