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奴隷牧場4 ハニートラップ · 第3部分

奴隷牧場4 ハニートラップ 第3部分 (3/5)
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「というわけで、そろそろ女優さんの方も本当に限界っぽい感じになってるみたいですので、次に参りましょう」

五つの光の輪の中に、五人の美女たちが再び浮かび上がる。

女優角川ともみだけは、真ん中に据えられた大きなテーブルの上で、擬似男根にまたがり半ば悶絶しているが、ほかの日本人三名はスポットライトを消された時のままだった。ここまで時間をかけるとは、安田舞衣の片脚立ちをリサが解放したのも道理だった。いくら鍛えられているとはいえ、暗闇でこの時間片脚で立っているのはまず無理だろう。

「四人とも素っ裸になりなさい。裸になったら、テーブルに上がって女の部分を見ていただくのよ」

四人ともその命令には即座に反応した。

ここで恥ずかしがってもたもたして、罰を与えられることの方が怖いのだろう。

濡れた白いレオタードを剥き下ろして豊かな乳房を露出させたフィギュアスケーター安田舞衣はお腹のところまで下ろしたそれを、一度止めて一瞬自らの股間に目をやった。そこの部分には経血が真っ赤に円を作っており、まるで日の丸のようだった。

「いやーっ、一度拭かせてくださいぃ」

そのままで台に上がって性器を見せるのは嫌だと、泣き喚く。

左から二番目の水川明日香は元々上半身には何も身につけておらず、かわいそうなくらいあっけなく全裸だ。

真ん中の女優の前バリは、リサが引き

毟

ったが、本人の愛液でますます粘着性は落ちてしまっていたようで、こちらもあっけなく性器が露出する。女優のそこは、肛門に極太のものを収めているためか、しゃがんで脚を開いているだけで、女の穴がはだけきり、内部のピンク色とその上部にルビー色の尖りがはっきりと見えてしまっていた。

四番目の女、村上友紀も既に下半身は裸で、左右に拡げられて布切れと化しているブラウスを脱ぐとこれまたあっさりと全裸になった。

二十一歳のロシア娘も、乳房の上まで捲り上げられた白いスリップを首から抜いて、続いて両手を抜く。

こうして見ると、立っている四人はいずれも実に素晴らしいプロポーションをしている。

スポーツ選手のふたりは独特の筋肉質だが、二人とも胸は豊かだし、反対側の二人の肉感的なGカップ、稚い細い身体に砲弾のように実ったG乳と、こちらもともに素晴らしい。

「ああ、もう駄目。おトイレ行かせて。後でどんなことでもしますから。うんち出してから、たっぷり痛めつけられてもいいわ。おまんこもお尻の穴も自由にしていいから、お願い」

女優はいよいよ本当に限界らしく、額に脂汗を浮かべ、心なしか元々白い美しい顔が青ざめているようにも見える。

「全員がおまんこ見ていただくのが終わったら、タライ持ってきてあげるから、もうちょっと我慢なさい」

リサが冷たく言い放つ。

今度は向かって右側の女ロシア娘のソフィアから、ステージ袖から再び現れた大男に抱きかかえられ、既に女優がその中央で肛門に擬似男根を自らねじ込んで、排便の我慢に脂汗をたらしながら腰を蠢かせている大テーブルに乗せられる。

「乗ったらすぐお尻ついて、膝立ててテーブルの端ギリギリまで腰を突き出しておまんこ見ていただくのよ」

言葉が全部はわからぬかもしれぬソフィアには、その言葉通りのポーズを男が力づくでとらせる。

金髪の陰毛の下、色素の薄目の性器の見た目とは裏腹に、手を添えさせられ自らの手で「解剖」させられた内部は充血して、異国のホテルの中にある特異な空間でこんなことをさせられている少女の想像以上の興奮が見てとれる。

前方の三人からまた拍手がおきた。

続いて村上友紀がテーブルに乗せられる。

先に乗せられて性器見せのポーズを取らされているソフィアと肩を寄せ合うような距離で、数ヶ月に及ぶレッスンで幾度となく取らされたであろうしゃがんだ開脚ボーズで、さらに自らの指先で小陰唇を左右に拡げて性器内部を晒す。

中央の角川ともみは、さらに切羽詰まり、もう声も上げることすら出来ない状況まで来ているようだ。

テーブルのほぼど真ん中に位置している擬似男根に肛門を串刺しにされているともみより、女達は一メートル程前に並ばされていく。

シンクロナイズドスイミング選手だったというショートヘアの水川明日香は、黒々とした陰毛を女の土手の部分には残していた。

最後の安田舞衣は少々手こずらせた。

レオタードを身につけていた時には、性器が透けて見えているのも厭わず命じられるままに片足を高く上げるポーズを取ったものの、テーブルで自らの手でそこを拡げるということがなかなか出来なかった。

「ひ…

酷

いです。貴女もおんなじ女なら、生理の時に自分で拡げるなどという惨いことをどうして…」

リサに抗議をする

M字に拡げた股間からは、そう言っている矢先にも赤い血がぽたりとひと滴テーブルに落ちた。

「いいから早くしないと、ほら、後ろの女優さん見てごらん。びっしょり脂汗かいて、もう口も聞けないくらいなのよ。貴女も同じ目にあってみたい、浣腸されて」

リサの脅し文句は、単なる脅しではないであろうことは、自分を調教した瑞花の厳しさで思い知っているのだろう。

懸命に首を横にふって、それだけは許してほしいと哀願しつつ、ようやく両手を自らの性器へと持っていった。

一眼レフのカメラを持った女がふたり出てきて、女達のそんな様子をカシャカシャとシャッター音をたてて無造作に撮影していく。こちら側からの視線を遮ることを気にするように、動きは素早かった。

そのうちの一人がカメラを置くと、五人の女が乗っているテーブルの下に潜り込んで行った。

「さあ、よくおまんこの奥まで見て頂いたら、全員女優さんの位置まで下がって、それぞれの擬似おちんぽを今自分が見せていたところに、根元までずっぽり入れるのよ。全員この訓練はたっぷりさせられていると思うけど、入れたらいつもの様にゆっくり出し入れして腰使いの訓練成果をお見せしなさい。それぞれのおまんこのサイズに合わせたちんぽをセットしてあるからね。気持ちよかったら遠慮無く声あげていいわよ」

命じられて、それぞれが後ろ向きに這って、女優の位置に残り四本、リサの言うとおりそのサイズ様々にテーブルからにょきりと生えてるかに見える、張り形のところまで行って、こちらに背を向けたまま、尻を見せて跨る。

それぞれ腰を持ちあげて、それが性器に刺さる瞬間に、尻穴が膨らむところまでが丸見えになった。

あくまで男根を自分の性器を使って楽しんでもらうための「訓練」であるから、膝をつけずしゃがんで出し入れをさせるのだ。

隼人が二年行っていた、ドバイの調教施設でもこれと同様に、十数人ずつの女が向き合って床から生えた擬似男根に騎乗位奉仕を行うレッスンを日夜やっていたが、やはり膝はつかせてもらえていなかった。

それを真似た形で、調教の一環として取り入れているわけだ。

全員がそのやり方に、既に充分馴らされているというのが見ていてよくわかる。

ひとつドバイの設備と違うのは、例え動きを止めたところで直接は何も起きはしないということだろう。

ドバイでは動きを止めた瞬間に、電流が流れて女の性器内部を感電させる仕組みになっていたのだ。したがって一旦スタートしてその「罰」のためのスイッチを入れられたが最後、許可が出て電流のスイッチを切って貰うまで、腰を振り性器への出し入れを続けなければならないという、もっとも過酷な調教のひとつだった。

ここではそんなペナルティはないのだが、それでも女達は背中を見せたままで、尻を上げ下げし続けている。

「

外

れました、オッケーです」

先ほどテーブルの下に潜った女が出てきてそう言った。

「そうよね、あの様子ではディルドー抜いた瞬間に噴き出しちゃうもんね」

隣の乃里子が独り言のように言う。

テーブルから生えているように見える擬似男根は、ネジか何かで固定してあり、その女はそれを潜り込んで外してきたらしい。

もちろん女優の分だ。

トイレに連れて行くにせよ、公開で排便させるにせよ、その瞬間まではもう彼女の肛門に埋まったそれを抜いてしまうわけにはいかぬということだろう。

それほどの限界まで我慢している様子だし、抜いた瞬間に自らの意志と括約筋だけで漏らさぬように締め付けるというのは、そもそも栓に使ったそれが太すぎるため、到底不可能なのだ。

「太いところで、直径八センチあるからねえ。普通の女の子なら後ろどころか前の穴にだって入れるの一苦労ですから」

沙織はため息でも漏らさぬばかりだ。

ステージではリサがテーブルの手前を通って、ひとりだけ客席側を向いて擬似男根に跨っている女優の前まで来た。

「それ、手で押さえて自分で立ち上がれるかしら」

角川ともみは、小さく頷き右手を擬似男根の根元に持って行った。

「あっ…」

だがそこで小さな声をあげて、僅かによろめくと左手を床につく。暫くしゃがんだままで居たわけだから、ただでさえすんなりは立ち上がれないところ、薬液が限界まで彼女の便意を高めていて、なかなか急には動けないのだ。

例のふたりの大男が再び舞台袖からあらわれ、リサの横に立つ。この男たちに台から下ろしてもらうにせよ、彼女は数歩は自分の力で前に出てこなければならない。

ともみはようやくよろよろと立ち上がったが、太ももを擦り合わせてのへっぴり腰だ。

「おトイレまで行けそう」

ようやく目の前まで来た女優にリサが聞いたが、ともみは首を横に振り、「ココで見ていただきます」

か細い声でそう答える。

トイレといったところで、このラウンジ階のフロアには、女性が個室にひとりで閉じこもって用を足せるいわゆる普通の「トイレ」は用意されていない。

ここで出すにせよ、元々観賞用に区切られて便器だけはあるというところで出すにせよ、見られながらさせられることにはかわりがない以上は、ともみの答えは妥当かもしれなかった。

乃里子も彼女の気持ちを察したのだろうが、「誰も見に行かないかもしれないじゃないの」

と、笑いを含んだ声で呟く。

ふたりの女が、重たそうにガラスの箱を運んできた。巨大な四角い金魚鉢だ。

男たちがともみをテーブルから下ろし、その金魚鉢に後ろ向きに足を開かせ跨がらせる。巨大ディルドーが相当深く女優の肛門に埋まっているのが、跨ったともみの上体を男たちが前倒しにしたためはっきりと見て取れた。その根元はともみの右手が、まだしっかりと押さえていたが、その手はプルプルと小刻みに震えていた。

「もう出してもいい、という態勢にされてから、許可が出ないのはとても辛いのです」

リサは

他人事

のように、いや事実他人事なわけだが、こちらを向いて言いながら、両手で前屈みになったともみの両乳首を持て遊ぶ。

「みなさんにもう一度お願いしなさい」

本当に限界なのだろう。手だけではなく、尻全体を震わせて女優は耐えている。

「ああ、お願いします。出させてください」

「うふふ。そんなんじゃ駄目に決まってるわよね」

「ひぃーーーっ」

リサが乳首を

捻

りあげたための悲鳴だ。

「なになに、まだそんな大きな声が出るじゃないの。ほら臭いの我慢して見てくださる皆さんにちゃんとお願いするのよ」

言いつつ乳首を解放して、今度は左手でともみが自ら擬似男根を押さえていた手を掴み背中に捻り上げると同時に、右手で彼女に代わって巨大擬似男根を掴んで、さらに突き入れながら左右に捏ね回した。

「リサさんてば、残酷でステキ」

乃里子がうっとりとした声で言う。

「みなさま、どうか女優角川ともみの排便をお目にかけますので、よろしくご鑑賞ください」

先ほどまでのか細い声から、いきなり張り上げるほどの声をともみが出した。

「いい子ね」

言いながら、リサは手にした巨大男根を肛門粘膜が一緒に飛び出てしまうのではないかという勢いで一気に抜いた。

バシャーーーっ。

結果はしかし、開いた肛門から一気に水流が噴出してきたため、ともみの肛門の惨状まではこちらからは見えなかった。

「あーーーーーっ」

薬液が金魚鉢の底を叩く音に負けないほどの声を女優があげる。

「ぶってぇ。人前でうんこを出す恥ずかしいともみを思いっきり叩いてくださいぃ」

リサは驚いた顔を一瞬するが、すぐに反対側に回って、女優の髪の毛を掴んで顔を上げさせると、バチーーーンと思い切りビンタをした。

「ああ、うんちが出ますぅ。ごめんなさいぃ。もっとぶってぇ」

驚いたことにともみは、自ら手を尻に持ってきて、勢いにより既に広がって丸見えの尻穴をさらに指先で拡げて見せた。

バチーーン。

リサが再び女優の頬を打つ。

肛門からは、どろどろになった固形物が溢れ出してくる。

「嬉しいです、あああ。

写真撮

ってぇ、ビデオに

撮

してぇ。おまんこからおしっこも出ますぅ」

「しかし、一人で持っていきましたな。さすがはトップ女優を長く続けてるだけあるってことか」

実際、その女体とて他の四人は細くても乳房が大きい抜群のプロポーションなのに対してBカップ程度しかないわけだし、下は二十一歳で残る三人も女が美しい盛りの二十代だというのに、年齢より若く美しく見えるとはいえともみは四二十代前半だ。

にも関わらず、注目を一身に集めてしまうのだから、大したものだとしか言い様がなかった。

「いやああっぱれあっぱれ。私も今夜選ばせて頂くのは、フィギュアか女キャスターか絶対どっちかと思ってましたよ。でもあれ見せられたら、大女優さんと一度はと思いますでな」

隼人に対して隣で答えたのは今は外務省のナンバースリーにまでのし上がっている香坂だった。

会長室の応接間だ。

角川ともみは、その香坂の前で四つん這いになって、ぺろぺろと舌を出して、男根奉仕に精を出している。

後ろに立ったリサが、その突き出した女優の尻に絶え間なく鞭を入れていた。

九尾鞭と呼ばれる鞭で、一発ヒットするごとにビシーーンとともみの尻がいい音をたてる。

隼人に口奉仕をしているのは、二十一歳のロシア娘だった。

お披露目のショーが終わって、香坂から順にひとりずつ女を選んだ。

香坂がともみ、もうひとりの外務省の年配の方が男性経験がひとりもないという「処女」水川明日香、若い方は人妻キャスター村上友紀だった。

隼人がソフィアを選んだことで、あぶれたフィギュアスケーター安田舞衣は、沙織による「お仕置きビデオ」撮影という罰ゲームと決まり、香坂の申し出で、隼人と香坂だけは同室で女達を使用することとなり、リサが「それならわたくしが助手で」と申し出て、今この部屋に五人ということになっている。

乃里子は渋々だが、自分が調教を担当した友紀の後見人ということで付いて行った。

「ゲネプロとしてはなかなか盛り上がりましたし、大女優のお陰ですな、会長。で、明日も同じようにこの女に浣腸するわけですか」

その質問に、目の前のともみが激しく首を横に振る。

元々は、明日が本番の予定で、ゲストも二十人ほど招待している。すべて国民自由党の政治家達だが、現職は半分も居ない。なにしろ今は野党に転落していて、浪々の身であるものが多いのだ。

「元々、この女の浣腸は日曜と木曜って決まっているんです。今日が丁度その木曜日だったわけでして…。といっても、うちに来てから彼女を受け持ったエレーナというロシア女が決めたことなんですけどね。それ以外の日は排便禁止ということに一応なってますし、今日の明日ではあまり溜まっているものもなくて我慢させてもさほど苦しまないかと。なので、明日は別のことでまた泣いてもらいますよ、この女には」

リサがそう言って、ビシーーンッとまたひときわ強い音で尻に鞭を炸裂させた。

「審議官はエレーナにお会いになったことはおありでしたか」

隼人の質問に香坂が首を振る。日本に来てからはずっと千葉の三田村病院に「勤務」させているわけだから、香坂の方でそちらを利用していなければ、会う機会もないわけだ。ただ、会員とくにゴールドと言われるカテゴリーの会員たちは、レジャー施設代わりに利用したり、自分の相手を入院させたりしてるケースは数多くあるので、念のため聞いてみたのだった。

「私も一度しか会ってませんがね。軍隊で本当に拷問を担当していたらしくて、凄まじい女です。そのエレーナが一目置いたというわけですから、角川ともみ、侮りがたいですね」

ともみは目をうっとりとしてるかのように閉じて香坂の男根を口に入れ、上下動を開始していた。

「なるほど。まあでも明日の民自党の先生方は果たしてこの女の良さがわかるレベルか否か。諸外国の百戦錬磨の政治家や実業家には筋金入りの変態がなんぼでも居ますからね。その意味でもこの女の価値は大変素晴らしいと私なんぞは思いますが、日本の政治家はいたって小物でヤワになりました」

「そういや、先般も大臣が…」

「まったく、現政権のテイタラクときてはもう嘆かわしいの一語につきます。確かにあの敏腕幹事長に実権を持たれつづけていたら今頃は逆の意味で我々にとって退っ引きならないことになっていたとは思いますが、うまいこと彼を蟄居させてみたら、後はもう烏合の衆そのもので。それにしてもここまで酷いとは」

この日曜日に、組織の上では彼らのボスという立場である外務大臣が些細な事に躓いて辞任していた。

近所の焼肉屋のおばちゃんから

僅

かばかりの献金を受けていたのが、外国人からの政治献金を禁止するという法に触れたわけだが、何千万も貰っていたわけではないのだ。数万円という金額が一国の外相を辞任させることなのかどうか、それによってどんな便宜を図るというのか考えてみたらわかりそうなものだが、くだらないマスコミの攻撃の前に他愛もなく尻尾を巻いて逃げ出してしまっていた。

「いやはや、そんなわけですから、万々一にも今、私に出番が回ってくることのないように祈るばかりですよ。あんな連中が政権を持っているところへ次官なんぞになっても、いつ何時そいつらの詰まらんミスで腹を切らされるかわかりはしない。ハニートラップの女たちもそうですが、国民自由党の諸先生方にも浪人中によく勉強してもらって、是非とも大物のボスのもとで働きたいものですわ」

早ければ次、遅くとも次の次の事務次官候補で間違いなしと言われている香坂だった。

「わはは。お

神輿

は軽いほうが都合がいいということも多々ありましょうし、難しいところですね」

「わははは。それは痛いところを…」

隼人の言葉に、香坂も豪快に笑った。

こうして、万全の準備を整え本番さながらのリハーサル、ゲネプロまでしたハニートラップ要員五名の女達のお披露目の会であったが、その翌日の本番が行われることはなかった。

翌金曜日三月十一日、あの忌まわしい大地震が起きてしまったからである。

五

二〇一一年八月

銀座「クラブ

桜」店内

「おぉっ、これはこれは奇遇ですな」

若いながら銀座の女帝のひとりと呼ばれているのだというママが、店内最奥の実質的にVIPルームとなっているエリアにその四人の男たちを案内してくるや、立ち上がった木林がそう言いながら男たちに近寄り、一人ひとりと握手を交わしている。

「今をときめく民権党の本流のみなさんと、まさかこんなところでお会いしようとは」

「ま、こんなところとは失礼ね、総理」

そのママが国民自由党の重鎮にして元総理大臣の

木林

のでっぷりとしたお尻を

抓

る真似事をする。

入って来た四人のうち三人は現在の与党国民主権党の現職の閣僚で、これに外務省で次の事務次官最有力候補と言われる香坂がしんがりからついて来ている。

財務大臣・

野木

隆

、外務大臣・

松木

祐介

、内閣府特命大臣・

細谷

武士

という、錚々

たる顔ぶれであるが、そんな彼らでも、政治家として大先輩で野党の実力者である木林には平身低頭の体だ。

そして、一番最後に木林元総理と握手をした香坂外務審議官と木林が意味ありげな目配せをしたことに、三人の大臣はもちろん誰も気づいてはおるまい。

「そちらも色々内緒話もあろうからお邪魔をする気はないが、折角だから先生方に今日たまたま一緒に居る美しい女性達を紹介したいのだが、少々時間はよろしいかな」

木林が言う前から、男たち四人いや三人の大臣たちは、木林が座っていたテーブルに居て目が合うとそれぞれにっこり笑って目礼をしたりしている女達のことが、当然のように気になって仕方がないようだった。

もちろん四人に女性の同伴者は居ない。

「これはこれは恐縮です。いや我々はちょっとした党の集まりの二次会で、たまにはグループを超えて交流をしようじゃないかと、こちらの香坂君の図らいもあってこうして銀座まで来てみたわけで、取り立ててこれといった話があるというわけではないのです。それにしても木林先生に於かれましては相変わらず美しい女性たちに取り囲まれておられて、誠に羨ましい限りでございますなあ」

返事をしたのは、三人の閣僚の中でもボス格に当たると思われる財務大臣の野木隆だった。

「いやいや、我々も二次会でな。ほらそこに座っている安田舞衣君。彼女の双子の妹、安田舞希君のことは当然ご存知かと思うが、今日はその舞希君が今年の合宿のためにノルウェーに旅立つ壮行会でね。その二次会でこんなジジイにこちらの綺麗どころがたまたま付き合ってくれているというわけで…」

「さあさあ、立ち話もなんですからもしおよろしければ、ご一緒にテーブルにつかれて乾杯でもなされたら如何ですか。呉越同舟と私なんぞが申してよろしいのかわかりませんが、わたくしの店で先生方がお酒酌み交わしていただくのはとても光栄ですわ」

そんなママの言葉に

「いやいや呉越同舟などと言っていただくのもおこがましく、我が党の政権運営もこのような体たらくでして」

と返したのは、三人の大臣の中でもっとも若い、細谷武士内閣府特命大臣、いわゆるこの春の事故で暴走してしまっている東日本第一原発の処理を担当している男だった。

「ま、でもせっかくですからお言葉に甘えて…な、香坂君」

官僚で、現政権である国民主権党にも前政権の国民自由党にも顔の効く、香坂審議官に同意を求めるように言ったのは、立場上は彼の直属の上司に当たる松木祐介外務大臣だった。

どことなく鼻の下が長くなっているのは、この外務大臣だけではないようだと、リサは内心笑いつつも、男とは政権中枢にあってもどこか単純で可愛らしいものだと思わずにはいられなかった。

「それは有難い。いくら美女に囲まれるのが極楽とはいえ、ジジイのわし一人では少々重荷に感じていたところじゃ、ぜひどうぞどうぞこちらへ」

ママがリサたちの席に三人の大臣と香坂を案内してきて、「どうぞどうぞ、折角ですから美しいお嬢様方の間にお入りになって」

と、それぞれ安田舞衣の右隣に野木財務大臣、その隣のキャスターの村上友紀の右に細谷内閣府特命大臣、テーブルを挟んで最年配の松木と香坂がそれぞれリサの両側に座った。

コの字になっている中央部分に、木林とママが座る。

女達の手でウイスキーがロック、水割り、ストレートとそれぞれ男たちの好みで用意され、「それでは呉越同舟と皆様の健康、そして我が国の復興を祈って」

木林が改めて乾杯の音頭を取った。

「改めて、紹介しよう。プロフィギュアスケーターの安田舞衣君」

「

母

のおなかのなかで、妹に行く分のおっぱいの成分をぜーんぶ貰って来ちゃった双子の姉の舞衣でーす」

身体にぴったり密着するフィギアスケートの衣装でも乳房の膨らみをほとんど感じさせない妹に対して、双子の姉妹とは思えぬその豊満に膨らんだ乳房を見せつけるように襟ぐりの深いドレスを着た舞衣がおどけて挨拶をする。

女達もほどよくアルコールが入っているのだ。

「今度、国営放送のゴールデンタイムのスポーツ番組にも抜擢された村上…いや結婚して今は浜岡友紀君か」

「村上です。先生方にお目にかかれて光栄です。今後、お見知りおき願えればと存じます」

木林の紹介に関わらず、友紀は旧姓で挨拶をした。

「そして謎の美女、牧野リサ君」

「牧野です」

リサは短くそう言って頭を下げただけだったが、「君は確か、エスタブリッシュメントグループ会長の…」

財務大臣の野木が、どこか会合ででもリサを見知っていたようであった。

「はい、三田村の秘書をしております。本日は安田舞希さんの壮行会に当社のホテルを利用していただいたこともありまして、木林先生のお世話係をと命じられております」

「野木大臣、どうだね、この物腰。儂はこの子にぞっこんでねぇ、儂の東京妻にならないかと毎日のように口説いておるんじゃ。いやいやなんなら田舎の古女房などいつでも暇を出してよいと」

「またまた先生、心にもないことを…」

リサが返すと、わっはっは、と木林が豪快に笑う。

野木と細谷、そして香坂がつられたように笑ったが、松木外務大臣はなぜか苦虫を噛み潰したような顔をしている。

「いやはや、これだけの美女、それもお三方ともスタイルの方も抜群とお見受けする。ひとりでも凄いのに三人もお連れとは、さすがは木林元総理、我々とは風格も人望も違いをひしひし感じますな」

野木がヨイショをしてみせ、細谷が仕切りに頷いてみせる。

松木は部下の香坂に対して、なにやら耳打ちをしては、その答えに横柄な態度で相槌を打っていた。

ハニートラップ要員の性的技法の向上と育成を最初に思いつき、直接画策したのは外務省だとは聞いてはいるが、国民自由党側と組んでいるのだから、いくら外務省のトップに立っているとはいえ、この松木外相が何かを知っているとは思えない。

しかも残念ながらというか幸運にもというか、といってもリサにとってではなく松木本人にとってだが、彼は今夜のターゲットには入っていなかった。

外相という重責を担ってはいるが、あくまでも不祥事で失脚辞任した前外相のピンチヒッターという立場であり、国民自由党からは「小物」と認識されているということなのだろう。

座の話題は、今日の壮行会の主役だった安田舞希のことから、村上友紀の新婚の夫でプロテニスプレイヤーの浜岡修兵のことに移っている。

「あの熱血ぶりは、家の中でも一緒なのかい」

国の重責を

担

う政治家たちであれ、どうしても彼に対する興味はそこにいきつくようで、「ぜっんぜん、テレビと一緒です」

リポーターやキャスターとしても大活躍で、仕事上ではライバルですらある夫のことを友紀は笑いながらそう評すると、先ほどまでしかめっ面をしていた松木を含めて、座が笑いに包まれた。

「先生」

三人の大臣が合流してから一時間近くが経とうとする頃、木林の秘書が入ってきて立ち上がった元総理に耳打ちをし、「急いで車をつけさせろ」

と、指示を受けると足早に立ち去った。

「いやはや折角のところ申し訳ない。少々地元の方でのっぴきならぬことが起こったようで、こんな時間からだが車を飛ばして向かわねばならなくなった」

木林の途中退席は、当初の設定通りの行動の筈だったが、その様子は演技にしては迫真すぎるほど焦っているように見えたため、リサは立ち上がって側に行き、「奥様にでもなにか」

そう尋ねると、「いや、ちょっと息子にな。ほんとにトラブルが起きようとは」

もちろん、後半はリサだけに聞こえるように木林が言った。

「あっれー、キバちゃんはぁ」

入って来るなり座を眺めわたし、そう言ったのは女優の角川ともみだった。

「野木君、そんなわけで大変申し訳無いが、こちらのお嬢様たちを最後まで歓待してやってくれたまえ。ママ、早退するんじゃから、もちろん勘定は全部うちで持つ。明日にでも事務所の方へ回してくれよ」

そう言って木林が慌ただしく店を出て行ってから、二十分ほど経ってのことである。

また、彼女をエスコートしてきたのは、先程から話題の男、友紀の夫の浜岡修兵だった。

「なんか急用が出来たようで…」

答えたのは安田舞衣だ。

「あらまあ。え、なになに、なんでホソヤちゃんが居るの。それに…な、なんておっしゃいましたっけ、ほらなんとか大臣の…」

野木が立ち上がって、「財務大臣を拝命しております、野木でございます。細谷君とはご昵懇のご様子で…」

と女優に返した。

木林が去り、野木には舞衣が、細谷には友紀が寄り添い、なんだか良い雰囲気を醸しはじめていたところだっただけに、ふたり特に友紀の旦那が現れた上に、女優にちゃん付けで呼ばれた細谷はいささか複雑な表情だった。

松木の方は、香坂が何食わぬ顔で以前外務省と

一悶着

を起こした女大臣や、それと対立した上に逮捕されてつい先ごろ刑期が明けて出て来てた政治家、その事件に関連して同じく逮捕された外務省の役人の話題などを聞かされているが、他のふたりの様子を見てはやはり面白くなさそうだ。

リサはといえば、香坂の話に時々笑い声を立てながら聞き入り、松木に対しては敢えてまったく隙を見せていなかった。

「なに、ホソヤちゃん。ちんぽ少し硬くしてるじゃないの。エレンちゃんに言っちゃうわよ」

「これこれ、角川さん。なにをなさいますか」

ともみは細谷とは本当に親しいらしく、細谷を挟んで友紀と反対側、舞衣との間に割り込んでちゃっかり隣に座ったばかりか、いきなり細谷の股間に手を伸ばしている。

「細谷ちゃん、大の巨乳好きだもんねぇ。友紀ちゃんのおっぱいたまんないでしょ」

ママに促されて先ほどまで木林が座っていた席についた友紀の夫のことなど、お構いなしである。

そしてともみが割り込んだことで必然的に野木とべったりになった舞衣は、いつの間にか片手を野木の膝元に置いてしっかりと寄り添っている。

「ひとつ触らせてもらえばいいのに、こんな近くに座ってるんだから。どれどれ」

と、細谷の前で腕を伸ばして、ともみは友紀の乳房に手を伸ばした。

そして、「あら、こちらは」

と、そこでようやく気付いたといった様子で、向かい側の松木に会釈をする。

香坂とともみも既によく知った仲であったが、ともみは香坂にもまるで初対面かのような軽い会釈をしただけだった。

「角川ともみさん、映画は何本も拝見してございます。松木でございます。そちらの両先生に比べるとまだまだ顔も売れておりませんで…。以後お見知り置きをお願い致します」

「外務大臣さんよ」

補足したのは友紀だった。

「あら、それに三田村先生のところの秘書さんまで」

酔っ払ってるふりなのか、本当に酔っているのか、なにしろ相手は大女優なだけにリサにもわからなかったが、段取り通りではある。

そして。

「ああ、なんだか暑いはね。脱いでもいいかしら」

言うが早いか、立ち上がってワンピースの後ろのファスナーを下ろし、ストンと下に落としてしまう。

「えっ」

声を上げたのは、野木と松木だった。

映画でもテレビでも、完全な清純派でヌードはおろか下着姿すら見せていない女優は、ワンピースの下には何一つ身につけていなかったからである。

「ごめんなさい。おっぱい小さくて」

言葉とは裏腹に、すまなさそうな様子など全くなく、ともみが松木の方を向いて言った。

「角川さん、相変わらずステキな脱ぎっぷりだ」

パチパチパチと拍手をしながら、ひとり動ずることがなく細谷が言う。

女優のヌードを拝むのも初めてではなさそうだ。

ともみの今日の役割は、この場になんとなくピンク色の雲行きをもたらすということであったが、その方法は想定以上に大胆不敵だった。

ともみはそのまま前に進み、松木外務大臣の前にすっくと立った。

「外務大臣さんでしたわね。女優角川ともみのヌードは如何ですか」

これほど堂々とされては、逆に目を逸らすことも出来ず、松木外務大臣はともみの顔から乳房、乳房から無毛の下腹部へと視線を泳がせるが、あまりの驚きに声も出ないようだ。

「先生、私

のもっと秘密の部分もご覧になりたいかしら。女優角川ともみのお・ま・ん・こ」

完全にともみのペースだった。

「わたくしねぇ、欲求不満なのよ。ついこの前までなら、すぐに『いいっすよやりましょう』と言ってくれた修兵ちゃんが奥さんに遠慮してか、全然シテくれなくなっちゃったじゃない。ただの手つないでエスコートしてくれるだけの男なんて、この熟れた女体になんの役に立つっていうのよ」

言いながら、ともみは最後にそれだけ裸体に残っていた靴も脱いで、テーブルに上がろうとする。ママが慌てて、テーブルの上のものをよけてスペースを空けた。

「さあ、先生穴があくほど見てちょうだい。毛も今朝剃ったばっかりよ」

テーブルに上がったともみが脚をM字に開いて、外務大臣に自らの性器を見せつける。

その背中を見ている格好の、細谷はまったくクールにしているが、野木はどことなくそわそわしていた。大女優のヌード、それもストリップの特出しショーまがいのことが目の前で行われていながら、見えているのは背中だけ。立っている間は尻だけは拝めたが、今はそれも見えないのだ。

「あ、勃ってきた勃ってきた、まだまだお若いですのね、せんせ」

女優の持つオーラと、信じられない淫らな振る舞いを前に、先程まで仏頂面だったとはとても思えない、にやけた顔をしつつ、確かにズボンの股間を膨らませている松木大臣だった。

ともみは次にさらに驚くべき行動に出る。

松木の前に跪くと、ズボンを下ろし、フェラチオを始めたのだ。

外務大臣はあまりに突然のことに目を白黒させるばかりだったが、五分と持たずに射精してしまった。

口で受けるかと思った女優は、その瞬間に口を離し、男根を右手で扱いて、中年の大臣の白い噴射をその場に居た全員に見せたのだった。

六

二〇一一年八月

エスタブリッシュメントホテル

会長室

その夜遅く、リサと浜岡修兵、そして角川ともみはエスタブリッシュメントホテルの会長室に居た。

修兵の妻友紀、そしてそれからまもなくして、プロフィギュアスケーター安田舞衣からも、任務が成功したというメールがリサ宛に届いたところだ。

「さあ、口直しさせてよ」

ともみが、修兵のスラックスのベルトに早速手をかける。

隼人も苦笑いするほかない。

この女優の淫乱度合いをこの半年あまり、嫌というほど見せつけられてきているためだ。

ただ淫乱なだけではなく、マゾの度合いも半端無かった。

自分が心を許したサディストに命じられれば文字通りどんなことでもやる、してのける女だ。よくぞこれまで、その本性を隠し通して清純派女優の看板を長らく背負ってきたものだと、隼人にして本気で感心するほどだった。

発足の頃から、通称「奴隷牧場」とも呼ばれる、エスタブリッシュメントグループが誇る秘密倶楽部では、基本的に奴隷にNGナシを謳い文句にしてきたが、実際は事実上NGとなっていることもあった。会員の側にそういう趣味の色濃い人間を入会させていないため、結果的にそうなっているのだが、ともみはやれと言われればハードスカトロも辞さない女だと聞いている。

倶楽部でも奴隷の口は性器で便器、とよく言いはするものの、実際に便器として使用させているのは小水までだ。病気にしてしまっては元も子もないというのもあるが、実際のところ苦痛系の責めをするサディストを集めてみた結果、スカトロ系の趣味と共存している男はあまり居ないものだということもわかっている。

だが、角川ともみは違うというのだ。

実際にそういった場面を見たわけではないし、無理に見たいとも隼人は思わない。

そのともみが、松木外務大臣に口内射精をさせなかったと聞いて、任務は果たしたものの、よほど気に召さぬ男だったのだろうと隼人は思った。

「もし決着がつかず、あの外務大臣がいつまでもグズグズして、今日の目的に齟齬を来すようであれば、私が取り敢えずどこかまでご同伴申し上げねばという覚悟も一応はしておりましたので、角川さんが決着をつけて下さったことには感謝しております」

リサが言う。

ジュポジュポと音をたてて、両手でテニスプレイヤーの尻を抱いたともみが口だけを使って激しい男根奉仕をはじめていた。

ともみに毒気を抜かれ、いや本人にとっては思いがけぬ大女優の直接奉仕に大いに満足した松木外務大臣は香坂審議官を伴って、ひと足先に店を出て行ったが、その頃には、野木財務大臣とスケーターの舞衣、細谷特命大臣とキャスターの友紀がそれぞれ予定どおりすっかり意気投合していた。

細谷にとって、難かしい関門に思えたであろう、友紀の夫の浜岡が、「あ、僕はすみません、今日は角川さんのお守役を事務所から命じられておりますので、家内をよかったらもう一軒くらい飲みに連れて行ってやってもらえますか」

と、細谷に頼んだものだから、障害は一気に取り払われた。

もちろん、その全ては木林と香坂とで仕組んだ通りになったわけである。

野木と細谷が、今後の国民主権党のキーマンになるであろうことが予測され、養成した女たちの相手としてもその立場は申し分ない上に、案の定騙しやすく仕掛けが容易であるという意味で、最初のハニートラップの「お試し」には実に持って来いだったのである。

ともみは相変わらず修兵の男根をしゃぶりたてている。

リサが隼人の目の前で、手を肩越しに後ろへまわして、ゆっくりとファスナーを下ろして裸になるところだった。

七

二〇一一年八月

エスタブリッシュメントホテル

最上階プールサイド

東京新宿にあるエスタブリッシュメントホテルにあるプールは完全会員制だ。

昼間の利用はほとんどなく、子供の頃の乃里子と母親の沙織が自分専用のプールのようにして遊んでいたくらいのもので、今も時折幹部の女たちが身体を動かすために使っていることが稀にはあるようだが、乃里子がホテル住まいをしなくなった今、それも週に一回あるかないかのことのようだ。

この日、天窓から差し込む光でブルーに輝いて美しい水面を見せる、そのプールサイドのデッキチェアに二人の初老の男が座っていた。

この場に全く似つかわしくない、スーツ姿だ。

プールの中に女がひとり。

身体に張り付いて透け透けになった白いスリップと同じく白いパンティを今脱ぎ捨て、男たちの居る場所へ丸めて投げて寄越したところだ。

女が再びプールに潜ると、すらりとした片足だけがその水面からスーーッと伸びてきて、反対の脚は優雅にふたつに折られ、丸見えの股間が惜しげも無くそれを見ている男たちへと晒された。

一人は香坂という外務省の役人。

いま一人は、木林元内閣総理大臣だ。

香坂はエスタブリッシュメント倶楽部会員だが、木林は違う。

同伴は女性一名までと決まっている会員制のこのプールに、会員じゃない男が入ることは特例中の特例だが、もちろんそんなことは自分の地位によりなんとでもなると思っている男は、よっしゃよっしゃと言いつつ女に向かって拍手をしている。

ハニートラップの要員として、この組織に預けられるまでは、男性との経験のなかったその女は、男を識ったことによるためなのか、それとも性的な行為をこれまでの頻度とは比べられぬほどすることになったためなのか、輝くばかりに美しさを増していた。

二十代前半までは一流選手だった女のシンクロナイズドスイミングの演技を見た後、このプールサイドで女を直接賞味することになっている。香坂はサディストで女を服従させなければセックスも出来ないようだが、木林はいたってノーマルで、女は愛でるべきものと思っている。

一度は国を支配してトップに立った者が、いまさら女ひとり服従させることなど全く興味がないということだろうか。

まずは女が水の中でするように脚を百八十度開かせて、その女の部分を舐め尽くすつもりのようだ。若い女のエキスを徹底的にしゃぶるのだ。

バシャーンという音がして、女が今一度水中に没した。

このプールにもまた、高性能のビデオカメラが複数台隠されていて、この様子もまた一部始終を撮影されていることを知っているのは、この三人の中で香坂ひとりだった。

八

二〇一一年十月

エスタブリッシュメントホテル

一七〇一号室

「ちんぽ、おちんぽステキ〜っ。もっと奥、奥突いて頂戴。あああっ」

ベッドの上で、手を前に付いて尻だけを高く掲げて、伸ばした脚を大きく拡げている、はしたない変形の四つん這いになった、清純派女優が叫ぶ。後ろに立って、激しく腰を入れているのは、プロテニスプレーヤーでキャスターなどでも活躍している、浜岡修兵である。

まだ始めたばかりだが、浜岡の背中はすでに汗で濡れていたし、女優のともみの方は最初からアクセル全開で、「前戯なんていいから、まず入れて。まずオマンコして頂戴」

と、浜岡のそれが服を脱いだ瞬間からもう臨戦態勢にあるとわかった途端、自ら今のポーズを取った。

リサと浜岡の妻、友紀はまだ裸にはなっていないが、友紀の方は白いスリップ一枚にされており、その肩紐をはだけられて、片方の乳房が乳首の下まで露出している。

ベッドの上の一戦を、たばこをくゆらせながら見ている男の股間にふたりで跪いて仕えているところだ。

友紀が隆々と勃起したものの先端を口に含めばリサは胴幹の部分から玉袋にかけてを舐め、「入れ替われ」

と、命じられれば反対になる、というのを既に何度かリピートしている。

「細谷ちゃんって、結構サディストだよ」

という話は、ふたりが今奉仕をしているこの男と、もうひとり先月晴れて内閣総理大臣に就任した野木のふたりを、銀座のバーで「待ちぶせ」をして、まんまと「夜の男女交際」に持ち込んだ日の夕方に、角川ともみが口にした言葉だった。

過去にテレビ番組で競演したのをきっかけに、飲みに行ったりしてふたりは仲良くなったらしい。清純派女優の角川ともみの裏の顔まで知っていたわけだから、それなりの付き合いなのだろう。

そしてともみのこの言葉によって、当初この細谷にはプロフィギュアスケーターの安田舞衣を、野木に浜岡の妻の友紀をと予定していたのを、急遽反対に入れ替えたのだった。

男に対する奉仕の訓練の仕上がりは同程度だったが、よりマゾとしての順応度が高い友紀をサディストだという細谷に当てておいたのだ。

切り札をキる時までは、ある程度自然に任せて付き合ってるような振りをしてくれ、というのが依頼者側の要求だった。

そして、野木に対しては、先日既にそういった接触をして、切り札を使ったと報告を受けているが、細谷の方はまだそういうこともなく、どうやら野木から「あれは騙されたらしい」といったことを聞かされている様子もない。

世間的には秘密の筈の、角川ともみがドが付く程のマゾであるということをこの男は知っていて、あの夜以来、従順に自分の言うことを聞き、奴隷のようにどんな恥ずかしい命令も「はい」と言って従順に実行する友紀に、夫の修兵にともみをいたぶらせて一緒にそれを見学しようと細谷は提案した、いや、そう「命令」したようだ。

それを「たまたま」友紀から聞いたことにしたリサが、自分も一緒に見学したいと彼女を通して細谷に逆提案していた。

実際、リサ自身も、この細谷という男のことがかなり気になっていた。

実際は友紀にやらせたものの、自分がトラップの要員でもよかったかもと思っているほどだ。

「こちらからのご提案もありますし、その日はわたくしにも村上友紀さんと一緒に先生にお仕えさせてください」

と、申し出たのもリサの方からだ。

あの晩お店に一緒に居たリサが先生に会いたがっている、という友紀の言葉を細谷は素直に受け止めたようだ。

政治家としてもそして男としても絶頂期にある細谷にとって、リサほどの女からの積極的な申し出にひょっとすると何か思惑があるのではないかなどと、疑う余地など微塵もないのかもしれない。

浜岡と女優のともみが男と女の関係であるということは、店での様子で察していたかもしれないが、それは妻の友紀公認であること、よって反対に友紀の男性関係の方も修兵に咎められることがないということを、友紀は最初の夜に細谷に告げてあった。

「ともみ君は実は相当のどエムだときいているが、修兵君はSなのかい」

細谷の言葉に、「わたくしには、普通ですけど、あの人もああいう男ですから」

と、熱い男として名を売っている夫のことを、友紀はあの日まるで第三者のように答えておいたと、リサには報告してきていた。

「おちんぽ、いいっ。修兵クン、まだ逝っちゃだめよー」

「おーーっ、熱いっすー。ともみさんの中締まるっす。もうイクっすー」

「ダメダメだめーっ。ああ、いぃっ、わたしもおまんこイクぅ」

射精コントロールの訓練で電流責めをされて耐えることを強要されている修兵が、あっさりノックアウトされそうになっている気配に、「はい、ストップ。浜岡君、抜きなさい。勝手に逝ったりしたらどうなるかわかってるよね」

と、リサが細谷への奉仕を一度中断して、ふたりに規制をかける。

「いやーっ、おまんこイカせてよーっ」

急に中断されて、抜かれたともみがすかさず不満の声をあげた。

湯気が出るのではないかと思える修兵の男根が、ビクンビクンと痙攣して今にも精を噴き出しそうにしている。

リサから浜岡修兵に対する、いきなりの「命令」に最もびっくりしたのは、それを見ていた細谷だった。

「ともみを、おまんこ丸見えに縛り上げなさい」

そう修兵に命ずると、自分は再び膝を付き、何くわぬ顔で細谷への男根奉仕に戻る。

すかさず、それを口に含んで上下運動を加えていた友紀がその場所をリサに譲り、何度目かの交代をして、自分は玉袋舐めへと下がる。

驚いている細谷を見上げ、それを口にふくむ前に

艶然

と微笑んで見せたリサだった。

「いやーーーっ、こんな格好。丸見えになっちゃう」

ほっそりとした女優がベッドの上で、修兵に縛り上げられ、下半身はそれぞれの足首と腿をM字に曲げて閉じることが出来ないようにされて転がされる。

この半年間の研修で縄の扱いもマゾの女への冷徹な扱いも、徹底的に仕込まれている修兵だった。

「いやん、ほんとに丸見えよー。修兵君も細谷ちゃんも、ともみの、女優角川ともみのおまんこ見ちゃいやー」

絶頂の直前で中断されて縛られたともみは、ハアハアと荒い呼吸で叫ぶ。もちろん、言葉とは裏腹にちゃんと見て欲しいという要求だ。

「腰の下に枕入れたら、細谷先生にカメラお持ちして」

一旦、細谷の男根から口を離して、リサがまた修兵に命じる。

「いやー。お尻の穴まで見えちゃう。それにこんなの撮らないでぇ。私は女優なのよ。女優がおまんことお尻の穴撮られたら、女優生命終わっちゃう」

カメラを渡された細谷は、もちろんすぐにともみの方にそれを向けてシャッターを切り始める。

「浜岡君、悪いがともみ君の顔持ち上げて、そ、そうそう」

「いやー、顔とおまんこ一緒に撮らないでぇ。やめてー、細谷ちゃん、いえ細谷先生、細谷様ぁ」

カシャッカシャッと、シャッターを切る音がシャワーのように部屋に響き渡る。

「折角だ、浜岡君のそれをともみ君にしゃぶらせて」

浜岡にしても、言われなくともそうするつもりだっただろう。

射精寸前まで来ていたが、僅かでも時間を置けば落ち着いているだろうし、実際そういう訓練を積んできているのだ。

さらにシャッター音が響いて

「うぐうぐ、うげーっ」

といきなり喉奥を突かれたともみが

嘔吐

いているが、もちろん誰も意に介さない。

「口には大きいの入れられて、あそこは物欲しそうにパクパクして、凄い見世物だなあ、ともみ君」

興奮するのか、細谷のものが一段と硬度を増して反り返った。

発足当初から、秘密クラブである『エスタブリッシュメント倶楽部』には、男根の大きさという後天的にはどうすることも出来ない、入会への基準が存在しているが、その規定も十分に満たせる持ち物だった。

リサは、この男をこちら側に取り込んでしまおうと考えていた。そのためには、会員にしてしまう方が後々の利用価値も高いと考えている。

このこと自体が彼にとっては政治家生命すら簡単に揺さぶることが出来るハニートラップである以上は、どのようにするのもこちら次第という状況を既に手にしているが、サディストであるならば会員にして味方にしつつ尻尾は握るというのが最良の方法だと思えるからだ。

細谷が属して現段階では政権の座を握っている国民主権党が、次の総選挙でボロボロに負けるであろうことは、現実の数々の失敗による国民の失望がここまで高まっている以上は避けられないことではあろうが、この男自体の人気は絶大で、彼が落選するというのは、余程のことがない限りはないだろうということもわかっていた。

細谷が一旦カメラを置くと、修兵もフェラチオを中断させて一度ベッドから降り、段取り通りコンセントに繋いだ、電動マッサージ機いわゆる電マを持ち出してくる。

「修ちゃん、うれしーっ。それクリちゃんに当てながら、修ちゃんのおちんぽでまたオマンコしてぇ」

それを目にした女優が、本当に心から嬉しそうな声をあげる。根っからの淫乱なのだ。

「え。えっ、えっえっ。無理ムリむりむりむり、入れないでそんなの絶対入らない。え、えっ、やめ。やめて、入れないで…え、入ったの入っちゃったの、いやん大っきい、硬いっ、入れられるのはほんとに初めてなの。え、えっえっ、い、いーーーっ」

クリトリスに当てるのではなく、性器に直接挿入されて、うぃ~~んとスイッチが入った音がすると、途端に女優が悶絶する。

言葉さえ出ないようで、「い、い、ひっ」という呻き声だけを断続的に発している。

一分もせずに、声がさらに高く裏返り、登りつめようとしたところで、パチッという音がしてスイッチが切られる。

「い、いやーーーーっ」

ようやく言葉らしきものが、角川ともみの口から出る。

「や、やめないで、このままイカせてぇ」

美人清純派女優の本気の懇願に、ビクンビクンと政治家の男根もリサの口の中で跳ねるため、少々攻撃をゆるめて、口を離すと、それを察した友紀がすかさず上がってきて交代した。

リサは立ち上がると、座っている細谷の顔に屈み込み、口唇を自ら重ねていく。すぐに舌を絡め濃密なキスになる。

「おまんこ、おまんこ、おまんこイカせてくださいぃ。修兵様ぁ」

先ほどまでの修兵君という言い方から、すっかり変化しているともみだった。

一分以上の口づけからようやく離れたリサは、テーブルの上から持参した小さな袋を手に取ると、中から緑色の柄のついた注射針を取り出す。

全部で六本だ。

「先生も如何ですか。この女優さん、おっぱいへの針も大好きなんですよ」

細谷はまたもリサに驚かされた、という顔をする。

考えてみれば、リサのことは三田村コンツェルンの会長の秘書だという認識しかないわけだった。

エスタブリッシュメントホテルにこうして今居るわけだから、このホテルの経営者の秘書であるとはわかっているわけだし、それを知っていながらこの場所に乗り込んでくる位だから、それがスキャンダルになることはないという自信のようなものがあるのだろう。

そうじゃなければ、ただのあまりに愚かな男ということになるが、そうではないことはリサにはよくわかっている。

ただ、このホテルの上のほうにある「エスタブリッシュメント倶楽部」の存在は知らないわけだ。

もちろんリサが仕えている三田村会長がその倶楽部のオーナーという裏の顔も持っているということもだ。

「いや、今日は角川君の乱れっぷりをまずはショーの観客として楽しませてもらう約束だから、それに最初は徹するよ」

と、その役を買って出ることはしなかった。

サディストといっても、針を刺したりはしたことがないのだろう。

マゾの女はそこら中にゴマンといるだろうが、おいそれと針まで刺させてくれる女が居るわけではなかろうし、経験がなくても不思議はない。一般には入手しにくくなっているという注射針を手に入れる程度のことは立場上難しいことはないにしてもだ。

うちの会員になれば、サディストの会員にとって、針刺して女泣かせるなんて日常茶飯事のことのようにいつでも楽しめるんですよ、とどの段階で言うか、リサは推し量っていた。

「い、いやー。おっぱいに針、刺さないでー」

口ではそう言いながら、ともみは、リサがまずは一本、鞘を取って剥き出しにさせた銀色の針先を欲情で蕩けそうな目で見つめてくる。

リサは左手の親指と人差指で、ともみの小ぶりだが形のいい乳房の中央にピンと尖ってその存在を主張している左の乳首を摘むと、おもむろに外側から針を刺しこみ右側に貫通させた。

すぐに乳首を摘んでいる側の手の中にあるもう一本の針も鞘を取って、今度は顔の方から十字に乳首を貫通させる。

「い、痛いぃ、でもいいっ、あ、あ」

後半は、再びリサの合図で修兵が電マのスイッチを入れたための喘ぎ声だ。

修兵も興奮しきっているのか、誰にも触れられずとも男根は天を向いている。ともみの手が自由であればせめて擦らせてやりたいとも思うが、残念ながら彼女の手はその修兵に縛られて頭のはるか上でひとつに括られて、ベッドのヘッドボードにさりげなくアクセサリーのように付けられたリングに通されて固定されている。

スイッチを入れ直す際に握った電マを修兵はさらに揺らすようにして、女優を悶えさせる。

大きなものを入れられて、パンパンになっているともみの淫らな性器からは、それでもその揺れとともに白濁した液が溢れ出して、電マの白い胴部分を汚していく。

「ああ、いいっ。おまんこ気持ちいいいっ。お、お尻、おしりにも…」

さすがにそうは言っても、電マが入っているところへ修兵のものにせよ別のバイブなどにせよ、無理だろうとリサは苦笑しつつ、次の針を反対の乳首に刺していく。

「い、いいっ。おっぱい痛くて気持ちいいのー。お、お尻に、お、お浣腸してちょうだい。ぜ、絶対に我慢しますから、お、おねがいーっ」

なんと女優が要求したのは、肛門への男根挿入でもバイブでもなく、浣腸だった。

修兵が「どうします」とリサを見る。

リサが細谷を見ると、要求通り入れてやれと顎をしゃくった。

ベッドに横臥しているともみにはその様子は見えなかったと思うが、その空気で自分の要求が通りそうなことを察したのだろう。

「わたしのかばんに、お浣腸器とグリセリン入ってるから、修兵様お願いします。あ、あスイッチ切らないでー」

奴隷牧場4 ハニートラップ 第3部分 (3/5)
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