奴隷牧場4 ハニートラップ 第4部分 (4/5)
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そう言われても手を離す以上はスイッチは切るしかなかろう。
合図された修兵は、ともみのかばんを探りに行く。
四本目の針が女優の右の乳首にやはり十字に入った。
「じゃあ修兵君が浣腸液用意してる間、少し泣いて先生を楽しませようか、ともみさん」
リサは言うと、「いやーーっ」
と、それを抜かれまいと、不自由な下半身を
蠢
かせて
悶
える女優の股間から、ズボリと電マを抜いた。
それは文字通りズボリという感じで、抜いた直後は開ききった女の穴が子宮口まで丸見えになって、あまりに淫らな光景を晒した。
リサは細谷の視線を妨げないように身体を寄せると、政治家はすぐさま先ほどのカメラを手にしてともみの性器にレンズを向けてシャッターを押す。
「い、いやーーっ。恥ずかしいっ。おまんこ撮らないでぇ」
自分から浣腸まで要求するにしては、本気で恥ずかしがるのは本心なのか女優としての演技力の賜物なのか。
それでもリサが手にした電マを持って、ベッドの上を移動して顔の上に座られるのを察すると「いやいや、それやめて。ほんとに痛いのそれっ」
と激しくイヤイヤと首を振って抵抗するが、その首の動きを封鎖するようにリサは一気に尻を落として、自分の体重を女優の顔に乗せてしまった。
スカートもパンティも脱いで、ついでに自分の性器を舐めさせるのもありだろうが、今は乳首責めに専念することにする。
ウィーーン。スイッチを入れると独特の音とともに、それを握った手にも強い振動が伝わってくる。
「ぐ、ぎゃーーっ」
と、リサの尻の下で、ともみがくぐもったうめき声をあげた。
カタカタカタ、ジジジジジーッという音とともに、ともみの乳首に刺さった針がその振動で激しく揺さぶられ、小さな乳房全体にまでその震えが伝わっていく。
ともみが針を刺されるまでは、嫌がってるのは口だけで実は喜んでいたのだろうが、この責めが本当に辛いのはよくわかっていた。
そうこうするうちに、風呂場から洗面器に満々と液体を満たして、その中に女優持参の二百CCのガラス製の浣腸器を入れて、修兵が戻ってくる。
リサもようやく腰をあげ、ともみの呼吸も顔の動きも自由にさせてやるが、横に移動しただけで乳首までは許さなかった。
「どれ、折角だ。浣腸液はわたしにも入れさせて貰おうか。いや、みんなで仲良く一本ずつ入れるかね」
上の方にある倶楽部専用フロアの特別な部屋と違い、ここは一般の客室である故、ぶちまけられても後が面倒ではあるのだが、ここは我慢するというともみを信頼するしかあるまい。
リサのそんな心配をよそに、細谷は早速浣腸器に液体を吸い上げている。
健気
にも友紀はその細谷の動きについていき、立ち上がった細谷の巨根をまだちゃんと口に収め、上下にピストンして奉仕を続けているから大したものだ。
命令されるかもしくは決められた時間までは射精させてもいけなければ、奉仕を中断してもいけない、というこの半年あまりの訓練で、すっかりそうしたことを身につけているのだ。
「あん、入ってきます。ともみのともみのお尻にもっと浣腸してぇ。お浣腸大好きなのぉ、先生ありがとうございます」
細谷はM字開脚に拘束され腰枕で丸出しになっている女優の肛門に容赦なく嘴管を突き刺し、シリンダーを押して一気に浣腸液を注入すると、空になったガラス浣腸器を修兵に渡す。
針を電マで振動させる乳首責めは続けられているが、ともみは浣腸の喜びでそれを緩和しているようで、あきらかに先ほどまでと反応や声が変わっていた。
修兵が入れ、「おい」と妻を呼んで、浣腸器を今度は友紀に渡す。
友紀の奉仕から開放された細谷が立ち上がってベッドに上がり、ともみを挟んでリサと反対側に行くと、察したともみは嬉しそうな顔で首をもたげ、細谷の男根を口に入れて、ズルズルと音をたてて奉仕をはじめる。
「リサさん…」
友紀から浣腸器を差し出され、反対に電マを渡そうとしたが、さすがにそれには友紀は尻込みをして、両手の手のひらを前に出してイヤイヤをする。責められたり奉仕したりはともあれ、責める方に回れるまでにはもう少し経験が必要か。そのおかげで、女優の乳首はようやく残酷な責めから解放されたが、どちらの乳首も針の刺さった部分から血が滲んでいる。
浣腸液は、洗面器に残ったものをリサがさらにおかわりで入れたので、約八百CCをともみは腸内に飲み込んだことになる。
「ほしい、これ欲しい。入れて、おちんぽ入れて」
ともみは、細谷のものをしゃぶりたてながら、そう言って精一杯舌を出して舐めまわす。
「お願い、オマンコして下さい。ああ、細谷ちゃんのでなければ、修兵君のでもいいから入れてぇ」
ともみの口ぶりはまた何故か最初に戻っている。
もちろん「のでもいい」と言われては、修兵も…。
いや。修兵は、リサに入れてやってもいいかと、目で合図をしてきていた。
修兵君はとても冷酷無比な本物サディストにはなれないわね、器じゃないわ、と苦笑しながらそれでもリサは頷いてやった。
ともみ以上にこっちの方が切迫しているようだった。
「来て、来て、修兵君。そのおちんぽでともみの中を存分にかき回してぇ。お浣腸我慢しながらのオマンコの気持ちよさ思い出させて」
手が自由ならば、その修兵の妻の前だなどと言うことは忘れて、頭を掻き抱きそうな歓迎ぶりだ。
「ちょっと待て」
修兵がその先端を自ら手にし、その部分をあからさまに脚を拡げて待っているともみに腰を入れようとした瞬間に、ストップを掛けたのは細谷だった。
「この女はねぇ浜岡君、男のそれも大好きだがそれじゃなくても好きなものがあるんだ。ここからは私が変わろう」
入れて貰えるとばかり思っていたともみが
「いや、イヤーっ。ひどいっ」
と、激しく抗議をするが、もちろん身動きが取れないため、口で言い、あろうことか浜岡を睨みつけたため、いやボクじゃないし、と浜岡の方がおどおどするばかりである。
パシーン。
そのはだけ切った女優の無毛の股間を、細谷が平手で強く上から叩いた。
「おお、確かにここまで派手に濡らしてお待ちかねとは、わっはっは」
手が性器に当たった時に、実際にその部分で水音が混じっていたため、本人も否定しようもない。
「お願いです。おちんぽ様ください、オマンコしてください、お願いします」
ともみは、その細谷に直接懇願する。なにしろ、細谷のそれとて、いつだって自分のそこにズドンと入れてもらえる状況にあるのがずっと目に入っているのだ。
「ロッカーから、俺の黒いバッグを取ってくれるか。…ダメだよ。かわりにともみ君が大好きなものあげるから、そっちで我慢しなさい」
前半は友紀に言い、ともみにはわざと自分の男根を見せつけるように再び顔のところに近づいて細谷が言う。
「ありがとう。そうだ、友紀君もともみ君の隣に四つん這いになりなさい」
細谷が自分のバックから取り出すのは多分鞭だろうとリサは推測したが、四つん這いにした友紀には夫で欲情を剥き出しにして、それを持て余している浜岡を当てるものだとばかり思った。
案の定、ナインテールの赤い鞭を細谷は手にしたが、それを使う前に、「もう少しお尻を後ろに突き出しなさい」
と、友紀に命じ、自分の勃起したものを尻の方から友紀の性器へとゆっくりと没入させていく。
「あ、あ、い」
「ひどいひどい」
細谷の行為を察したともみがさらに激しく抗議をして、顔を左右に揺する。
「うるさいからキスして口塞いでろ」
言われた友紀が、すぐ横のともみの口に口唇を寄せて、命令通りキスをはじめたとろこへ、バチーーンッ。
と、先ほどの平手打ちとは段違いの大きな音が部屋に響いた。
「うぎゃーーっ」
口を塞がれたともみが、さらに強く首を動かして友紀の口から逃れると、あらん限りの叫び声をあげる。
「おまんこ、痛いーーーっ」
鞭で直接、その粘膜を打たれる痛みは女にしかわからない女の極刑とも言えるものだ。
「ほら、ちゃんとケツの穴締め付けてないと、漏れるぞ」
そう言いつつ、バチーーーーンッとさらに強い二打目を打ち下ろす。そして自分は友紀の性器を存分に楽しむように浅深自在の動きで、友紀にはあられもない声をあげさせていく。
ふたりとももうキスどころではないようだった。
ひとり、お預けを食った浜岡がさらに鞭が打ち下ろされる、はだけた女優の無毛の性器を呆然と見ている。
やはり、是非会員に。
リサはその思いをさらに強くしつつ、ワクワクしてその光景を見つめていた。
九
二〇一一年十月
エスタブリッシュメントホテル
四六一二号室(会長個室)
「いいんじゃないのか。君が、牧野君がそこまで惚れ込む男ならば。落ち目の民権党とはいえ、サラブレットであることには違いないし、確かにいつか役に立つときも来るかもしれん」
会長の三田村隼人は、リサが拍子抜けするほどに、現政権の国民主権党の細谷内閣府特命大臣を会員に、それもいきなりゴールドランクの会員に加えたいというリサの案にあっさりと許可を出した。
「それよりも、ハニートラップの最初の成果がまさか消費税増税だとはなあ。君も知っての通り、俺は元々税金計算したりする仕事もしてたりしたから、それなりに国の徴税の制度なんてことにも興味はあるんだが、まさかここでうまいこと利用されるとは思ってなかったわなあ。その細谷大臣と野木現首相のふたりだけだったんだろう、ターゲットは。やはりあの幹事長、只者ではないってことなんだろうな」
会長は、リサに言うともひとり言のようにも聞こえる調子でそう言った。
現在、「たまたま」与党から転落している国民自由党は、もっとも持ち出しにくくて選挙でも叩かれやすい、消費税の増税を、まんまと落ち目の国民主権党に決めさせ、つぎの選挙では確実に復権を果たせると見られているわけだから、その果実だけを手にするという、まるで魔法のような作戦に成功したわけだ。
もちろん、そこにどんな「脅し」が使われたかを知っているのは、その中枢に居るほんの数人程度というところか。
そしてそれに結果的に手を貸したのは自分たちだったということだ。
会長は、まんまと一杯食わされたと思っているのかしら、とその顔色をリサは伺ってみるが、話している表情はいつもと変わらず、淡々としている。
亡くなった先代の会長の、思慮深さと決断する時の冷静さいや冷酷さみたいなもの、そして常に「正しい結果」に導く判断力を永年見ていたリサにとっては、いささかこの二代目は頼りがない気がしてしまう。
仕事の鬼でもあった先代、サディストとしても抜群に洗練されていた先代。
その男ならばこそ、グループを三田村コンツェルンと呼ばれるまでに大きく出来たし、それを裏で支えるエスタブリッシュメント倶楽部を全く表に出すことなく利用し、拡大して来られたのだと思うわけだ。
今更「ハニートラップ」などと言っているが、実際のところ前会長が使っていた手段は、ありとあらゆる場面でハニートラップを常に綿密な計画のもとに仕掛け、その果実を表のグループ組織の経営にもたらし、利用していたのではないか。
まだ就任して数年で、五十にも満たない年齢のこの現会長、二代目の三田村会長にその全てを求めるのは酷だとは思うものの、今少ししっかりしていただきたい。
自分の判断に委ねてもらえるのはありがたいし、その信頼には応えたいと思うものの、何か物足りない印象をリサは拭えないのだった。
前会長ならば、絶対に「では俺も一度会ってみよう」とか、逆に会わない方がいい場合は、「入会させるならひととおりその男の行為を映像で撮ってきてみせろ」くらいなことは言ったと思うのだ。
それに、前会長が参謀に君塚弁護士を擁し、そしてこの現会長と、寒河江というふたりの腹心の部下を育てあげたことを思うと、表の「三田村コンツェルン」はそれぞれ人材が育っているとは思えるが、裏の倶楽部の方は現状の幹部はなんと全員が女だ。せいぜい男でそれなりの地位を持ってるのは、組織御用達の歯科医院の向井院長くらいなものだが、この男を迎える決断はしたものの、それほど上手に活用しているようにも見えない。
そんなこんなで、些
かの不安がリサに
過
ぎるのは仕方のないことだという気がした。
女優・角川ともみの性器に対する、サディスト細谷の鞭責めは執拗にして厳しかった。
ともみの膨らんだ無毛の白い土手は、あっという間にその鞭痕がその数の多さのためにわからなくなるほど、赤紫色に腫れ上がっていった。
しかし、やる方もやる方だったが、受ける側も受ける側だった。
最初は、男根を入れてもらってその快楽を
貪
ろうしていたともみは、最初のうち恨みがましい目で細谷大臣を睨むような真似をしたものの、その反応は鞭が十打を超える頃には大きく変化していった。
Mの字に性器を晒すように足首を太ももに縄で固定されているにも関わらず、さらに脚を拡げるようにして、「もっと、もっと強くぶって、おまんこ罰して」
と、自ら鞭を要求していったのだ。
その声に応じて、細谷はさらに強い力で股間を打ちのめす。
「今、何発だ」
途中で細谷が問うたのにも、「二十五発目です。おまんこ鞭二十五ですぅ」
と、喘ぎながらもその数をともみは正確に答えた。
「ここからは声出して、カウントしろ」
「はいっっ。二十六ぅっ」
情け容赦なく九つの鞭先が襲う。
激しい炸裂音に女優が悲鳴混じりにその回数をカウントする声、叫び声がしばらく続いた。
「ごぉ…五十っ」
五十発目の時、一瞬間があったのは、実際細谷が力を貯めるように、それまでとリズムを変えたためだ。
バシーーッ。
「い、いくぅっーっ」
鞭先がひときわ強く当たって、それがサッと細谷の手元に戻った次の瞬間、ともみの股間から水しぶきがあがった。
断続的に四度、それはまさに噴水のように噴き上がった。
「さあ、ご褒美におまちかねのものを見舞ってやるとするが…」
「あああ…、ありがとうございます。で、でももう無理です。お尻、栓していただくか…。いえ栓していただいても無理かも。せ、せめてお風呂場で、ともみのおまんこ…。じゃないとお部屋をお部屋を…」
細谷は、その時点でも女優の隣に四つん這いにさせた、友紀に後ろから出し入れしていた。その状態で鞭を振るっていたのだ。
「そっかぁ、そうね。そろそろ限界近いかもね」
むしろ、これだけハードな鞭を股間に受けながら、栓もされずに一滴も漏らしていない方が驚きだった。
並みの女ならば、いやそれなりに調教を積んだM女であっても、今のように潮を吹くほどの絶頂の時には力が抜けてしまい崩壊するのではないだろうか。
マゾだからとかいうよりも、ともみのその根性にリサは感心せざるを得ず、そのご褒美にこのまま細谷と性交させてあげてもいいとは思ったが、一般客室を汚されることもやはり面倒だった。この部屋だけで済めばいいがニオイは廊下まで漏れる可能性もある。
「うえ…上、行こっか…」
リサは、修兵を見て言った。
「ああ、それがいいっすね。あそこだったら…」
修兵はすぐにそれが何処を指してリサが言ったのか察したようだ。
「え。えっ、浣腸…お浣腸部屋。あ、あそこは…あそこには」
ともみは顔をあげて、リサを見る。
リサと修兵が納得した部屋にあるその設備は、四方に隠しカメラがついていることをともみも知っていた。
もちろんその部屋で「そのような行為」をともみ自身はさせられたことはまだない。女優として、さすがにそれを撮られるのは嫌だということなのだろう。
だが、それ以上言わないようにというリサの目に出会い、口を閉じ、そして目を閉じて再び横たわった。
「どういうことだね」
「先生の男性の武器が折角そのようになっておられるところ、申し訳ありませんが、一度部屋を移動したいのです。その部屋は、このホテルの秘密の部屋で、いえそういった設備の部屋があること自体がこのホテルの大きな秘密に関わることなのですが、その説明を移動する際にお話ししますので」
リサの一存ではあるが、この男なら大丈夫という確信もあったし、ともみこそこの部屋は一般客室なのでそういったものはないと思っているが、二箇所ある鏡の裏にそれぞれ隠しカメラがあって、今もこの様子を撮影もしていた。したがって万が一の保険もあるわけだ。
ちょうど良いタイミングなので、会員になるように話すつもりだった。
素早く浜岡修兵は上下のトレーナーを身につけ、ともみの拘束を解き始める。
「いやー、だったら今、今それでひと突きだけでもいいから…」
上の部屋に連れて行かれることは観念したようだが、ともみは我慢がならないというようにそう言った。
もちろんリサに睨みつけられただけで終わったが。
心配しなくともその部屋に行けば、思う存分それは可能なのだ。しかもこの女優が大好きなセックスしながらや、絶頂と同時に排便するといった浣腸好きの女には至高の瞬間も味わうことが出来る。
それよりもその部屋に着くまでに崩壊しないことの方がはるかに大切だ。
「なるべく一般のお客様に会わないようにいたしますが、先生も何かお召しになられて下さい。バスローブでもなんでもいいです。まさか細谷先生がバスローブで廊下を歩いているなんて、どなたも思いませんわ。先生の男性は、上の部屋でまたわたくしが責任をもって大きくさせていただきますので」
リサの言葉に、何か面白い趣向があるのだろうと察した細谷が、友紀が手にした、白い厚手のタオル地のバスロープに袖を通す。
男根はまだ、隆々と天を向いていたため、友紀はわざわざしゃがんでまたフェラチオをはじめ、夫である修兵がシーツに包んだともみを抱きかかえるまでそれを続けた。
五人がエレベーターに乗り、リサが手にしたプラスチック製のカードをセンサーにかざすと、四十五階から四十九階のボタンが点灯し、リサは四十九階を押した。昔はいちいち途中で乗り換えなければならなかったのだから、便利になったものだ。
エレベーターの中でも友紀は細谷へのフェラチオを続けていた。短い距離だったとはいえ、廊下を歩いている間にも衰えることはなかったのだ。
「ほう。最上階は特別な会員制ラウンジと聞いたことはあるが…」
「そうなんです。ところで先生、その特別会員なのですが、先生もお入りになりませんか」
こちらから見た場合の条件はすべて兼ね備えており、あとは会長さえ承認すれば問題ないということ、その場合に必要な入会金や月々の会費、そしてそれで得られる権利などを説明し、細谷は一も二もなく、是非入会したいとの返事だった。
そしてこの日、最上階ラウンジの隣にある特別なスペース、ともみは浣腸部屋と呼んだが、実態は排泄観賞用の部屋とでも呼ぶべきだろうか、そこで内閣府特命大臣原子力発電所事故特別担当・細谷武士は、女優角川ともみと性交し、彼女を絶頂させながらの排便ショーをさせているという、凄絶な、かつこの世に絶対に存在してはならないであろう映像が秘密裏に撮影され、これもまた厳重な機密の元、保管されることになったのだった。
十
二〇一一年十一月
エスタブリッシュメントホテル
四六一二号室(会長個室)
「で、その五人の中ではやっぱり女優の角川ともみが一番なのかね」
リサの方を向いてそう聞いたのは、「エスタブリッシュメントホテル歯科医院」の院長をしている向井遼平だった。
向井と向き合う形で、応接セットに会長の三田村隼人とリサが座っている。
向井から申し入れてきた会談だが、ようはそろそろ歯科衛生士役の女を入れ替えて貰いたいということと、もうひとりの歯科医師で、今は向井の囚われの身となっている女医の紗由理にもやはり少々飽きが来たので、他の女もまわしてくれないかという、彼の立場を考えればなかなか大胆な要求だった。
もちろん、リサにはその理由というか背景もよくわかっていた。
エスタブリッシュメント倶楽部という三田村コンツェルンが抱える裏の組織に、このところ急速に新しい女が次々に供給されてきているのだ。
女を提供する秘密クラブという性質上、新しい女、新しい獲物の提供は常に最優先課題なわけだが、以前のように組織に「ハンター」という専門の立場の人間は居ない。
以前と違い、広く張っておく網はインターネット経由くらいしかなくなっているため、女たちでもそういった役が例えば時に「男」に成り切ることで可能だったし、むしろ「M女同士」であるとか「女王様とM女」という関係の方が新しい女の獲得に有利な場合も多かった。
あとは各種の街場の風俗に飛び込んでくる女達の中に「玉」が混じっていないか、そこに網を張る「調査員」の男を全国に配置しているくらいで、そういった理由もあって、新しい女というのは毎月五人から十人の間といったアベレージで入ってくるのだが、この数日間で突然五十人近い女が供給されてきたのだ。
向井じゃなくても、俺のところにひとりくらい回してくれてもバチは当たらんだろうくらいの勢いのことを言いたくなるのも、無理はないのかもしれない。
だが、この女たちは少々ワケ有りだ。
現在、野党という立場に甘んじている国民自由党だが、いよいよ政権復帰が目前となってきた。
野党議員になっていた先生方はもとより、前回の総選挙で落選して浪々の身つまりは自由な身分になっていた先生方が、その間に少々「おいた」をして、囲っていたり遊び相手としていた女というのが、今回、こちらに回されてきているのだ。
ここでも、あの国民自由党幹事長大河原耕造が暗躍していた。
「諸君、選挙は目前だ。よって、そろそろ身ぎれいにしておきたまえ。ついては私が相談に乗ろう。無料でも処分してしまいたい女、高値で買い取って欲しい女、全て遠慮無く相談し給え。ゼロ円から女によっては一億円まで、まあみなさん、それぞれ選挙資金も必要だろうて金はいくらあっても邪魔じゃなかろうから、なるべく色もつけようじゃないか。こちらで預かった後は、諸君に迷惑のかかるようなことは一切無い。元々そんな女の存在はなかった、よって諸君らとのうるわしい、あるいは爛れきった関係も一切なかったことになる」
というわけだ。
その背景というかキッカケにもなった、国民自由党側からもちかけられたハニートラップの話について、結果的に会長の隼人が話したがために、冒頭の向井の質問に繋がったわけだ。
院長が向井に変わってからも、歯科医院の方はすこぶる順調だった。
会員の利用もさることながら、「奴隷は口も性器」であるという揺るぎない方針のもとで、倶楽部に所属する女達も検査やメンテナンスも含めて、定期的に通っていたからだ。そんな方針もあって、当然のことながら新人が入ると自動的に向井の元に行く。向井が急に新人が増えていることを知っているのは当然なわけだ。
「いえいえ、五人とも選ばれし女だけあって、大変素晴らしいですわ。確かに、あの超の付くような清純派女優が、まっ裸になってオマンコしてください、と言って、自分から脚開いて何もかも、おまんこもお尻の穴までも拡げて見せるというのは、そのテレビで見ている普段の姿とのコントラストで、殿方達には大変な興奮を呼ぶのだと思いますから一段と価値は高いとは思いますが」
自分がその言葉を言うのだって、男は興奮すると知ってるリサが向井に微笑みながら言うと、「それはそうだろう。あの角川ともみの裸を見られるというだけで羨ましすぎる」
元々ファンだったりするのか、身体を乗り出さんばかりの向井だ。
「それにしても、その五人は何故俺のところには…」
「五人とも、口だけでなく全身くまなくきっちりした身体検査を最初に千葉の病院でやりましたので」
質問に答えたのは隼人だった。
向井は目をぎらつかせている。
だが隼人はそっけなく、「いずれにしても今入ってきている新人たちの中には、先生のところの紗友里先生ほどの逸材は居ないと思いますよ」
そう言ったが、それで簡単に引き下がる向井ではなかった。
「政治家が囲ってた女なんだろう。年増も多いのかもしれんが、それなりにいい女はいるだろう。それと耳にしたんだが、五十嵐の爺さんのとこの親子…」
「先生、そのお話しは今のところご内密に。確かに、五十嵐関東電力会長は、辞任するときに奥さんとその娘の売却をうちの会長に持ちかけられましたし、実際買い取らせていただいたのも事実ですけど、今のところトップ・シークレットということになってます。五十嵐会長の海外での生活が落ち着いてマスコミが手を完全に引くまでは、妻子を置いて自分だけ逃げたと言われるのはまずいのでしょう」
リサの答えに向井だけではなく、隼人も頷いた。
「なかなか凄い持ち物をもった母親と、まだ二十代の娘だと言うじゃないか。いくらふっかけられたのかね」
値段によっては、自分が買いたかったとでも言いたげな顔をしている。
自分の方が年長とは言え、相手は会長である。さすがに言い方が横柄ではないかとリサは顔を顰めたが、当の隼人の方は気にする様子もなく、「一億です。あの母娘ならば、かなり安い買い物をしたと思ってます」
と、こちらは逆に敬語を使って答えた。
そうなのだ。
確かに、五十嵐前会長の言い値は一億だった。
だが実際は、娘四千万、母親一千万のふたりで五千万で話がついている。
領収書なしのキャッシュで。日本を離れようとしていた五十嵐にとっては喉から手が出るほど欲しいのがまとまった現金だったようだ。
本人の希望もあって、半分を米ドル建てで用意してやった。ただ、お金の受渡しをした十月末になって少しレートがドル高円安に振れたのだが、いつもなら今日のレートで、それも多少色をつけてやれよ餞別だくらいのことを言う隼人が今回に限っては、「契約した日のレートでいいぞ。一円単位までそれで計算して渡してやれ」
と、厳しいことを言ったのだった。
一億ときいて、向井は少々悔しげな表情を見せた。それくらいなら買えるとでも思ったのだろうか。それとも全く手が出ないと思ったのか、リサにはよくわからなかったが、いずれにしても用意しなければならないのは出処もわからなくした現金だ。銀行ローンを組んでというわけにはいかない話なのだ。
ともあれ是非別の女も回してくれ、と言って向井は部屋を出て行った。
「まあ検討してみましょう」
隼人はそう答えている。会員でもなんでもない、高給を払って雇っている男に対して、ここまでへりくだる必要もないのに、と改めてリサはまた前会長と比較してしまうのだった。
「それでは質疑応答に移る。私では答えられないことは、こちらの女性にお願いすることもある」
いかつい顔をした国民自由党幹事長大河原耕造が言った。
その日リサは、黒のワンピースに腰まであるロングヘアのウイッグをつけ、目には大きめのサングラスをしてその集まりに主催側として参加していた。
国民自由党が次期総選挙の第一次と第二次の公認候補に対して、「身綺麗にしろ、特にマスコミ対策で女絡みは清算しろ」と命じたことに伴う秘密の公聴会だった。
前回の総会時に、女の「処分」は任せろと言ったら、一気に百数十人の問い合わせが幹事長の元に殺到したものだから、たまらず説明会を開くことになったのだっだ。そこにリサも呼ばれたというわけだ。
幹事長の口から、いちいち公党である国民自由党が愛人たちを拉致して歩くわけにはいかないのだから、指定のホテルまでは連れて来ていただく、というところから説明がなされた。
それまでにはまず選挙が行われるであろう、来年の一月までそのホテルのひとつのフロアー全てを国民自由党は借りきった。まずはその一室に女性には滞在してもらう。本人に怪しまれないために、ホテルまでは候補者自身が連れてきてほしい。夜景の美しいホテルだから、そこに出来れば一晩くらいは一緒に泊まって、最後の別れをするのも人間の情というものやもしれぬ。
もちろんそれぞれの女達には「選挙期間中のマスコミ対策」である旨をしっかり話して、選挙が終わるまではおとなしくホテルに滞在してくれということをしっかり納得させておいてほしい。それから後のことは、その女達の現在の立場などもあるだろうから、ひとりひとりケースバイケースで対応するが、段取りとしてはとりえず一人一部屋、その部屋には二十四時間対応の専任のバトラーが付く。食事の手配から話し相手、マッサージまでなんでも出来て、セックスのお相手までする。まあそんなこんなをネタに議員諸君との別れを迫るという段取りだ、というようなことを幹事長がまず説明をした。
「入口」の部分は事実だが、「出口」つまりは、女達への対応そしてその処分方法などについては至って穏便に脚色をしている。それについて、知らせる必要もないだろうし、また知らない方が本人たちのためでもあるからだ。
「選挙が終わったら、また返してもらうことも出来るのですか」
「原則ノーだ。そういう女は原則自分のところでなんとかして貰いたい。もちろんマスコミなどに嗅ぎつかれて騒がれたら、即刻公認取り消しして公認料などの費用は全額返済してもらう」
幹事長は原則という言葉を二度繰り返した。
「買い取りしていただくについての査定はどのような基準なのでしょうか」
指名されて中堅の元議員が質問する。
現職と元職そして新人とでは、ネームプレートの横につけている花の色が違うので、すぐに見分けられるようになっている。
すかさず、「キロなんぼじゃないのかぁ、」
と茶々が入るが、「独自の査定だ。だが…」
と、幹事長が言葉を切ってリサを見る。
身内同士でもやっぱりヤジを飛ばすのは、政治家として染み付いた習性なのだろうか。
国会中継などじっくり見たことはないが、たまたまテレビで見た時も質疑に対して口汚い野次が飛んで、子供の学級会よりひどいと思ったものだ。
「先に申し上げておきますが、今回買い取りの査定をさせていただくのは、三十四歳までで体重六十二キロ以内の女性のみとさせていただきます。それ以上の年齢や体重の場合は原則は…」
リサまで原則という言葉を使った。
「ゼロということですか」
「いまどき、古新聞でもポケットティッシュくらいはくれるぞ」
また茶々が入る。
「諸君、党としてもこんなに希望が殺到するとは正直思っていなかった。なので急遽、高級ホテルのフロア丸借りやら、専任のバトラーやらと結構それだけで金がかかっているのだ。査定がゼロの女とて、必要経費はかかるのだから、承知してもらいたい」
幹事長の言葉に少々ざわついているが、リサでも顔を知っている現職議員が手を挙げた。
「そのチリ紙交換ですが、三十四歳までなら愛人じゃなくて妻の方を出してもいいのですか」
場が、スーッと静かになった。
「え。いや、議員たるもの男だから女のひとつも甲斐性だとは思うが、政治家としては女房は大事にしてもらいたいと思う。今回も主な目的はマスコミ対策なわけだからな。だが、なにあの元芸能人の美人妻お売りになりたいとこうおっしゃるのかね」
顔を知ってる理由が、結婚の時にワイドショーなどで騒がれたことだとリサも思い出していた。
「ええまあ、可能ならばオンナのひとりとセットでお願いしたい。なんなら二人、ポケットティッシュやトイレットペーパーと交換でも構いません」
後半部分は冗談なのだろうが、現職の彼は表情を変えずにそう言った。
この男の発言によって、部屋の中を小さなどよめきのようなそれでいて静寂のような、不思議な空気が支配してしまった。
そしてこのひと言を最後に、次に手を挙げるものはいなくなってしまい、幹事長の次の言葉によって質疑応答に幕が引かれ、この後の個別の面談に移ったのだった。
「では質問がなければこれで終わる。それで諸君にくれぐれも注意をしておくが、今回のこの話、今日のこの場での話も含めて、絶対にオフレコだ。万に一つもどこかに漏れるようなことのあった場合は、徹底的に調査をして違反者を厳重に処分をするのでそのつもりで。もちろん公認取り消しなどという甘っちょろい処分ではない。諸君もここまで喝采を挙げて見てきたと思うが、我々は宿敵である国民主権党のあの男を党首の座から引きずり下ろし、さらに幹事長からも引きずり落とした。それで手を緩めることなく、その後も些細なミスを諸悪の根源、金の亡者に見せかけて徹底して抹殺することにさえ成功した。我々と検察そしてマスコミとがタッグを組めば他愛なく出来ることなのだ。それをあの男も思い知っただろうが、諸君も肝に銘じて欲しい。そしてその手綱を握っているのは国民自由党、我々であるということもだ。裏切り者は絶対に許さない、絶対にだ。以上」
十一
二〇一一年十二月
エスタブリッシュメントホテル
四十九階ラウンジ
広々としたラウンジは、一種異様な静けさに包まれているといってよかった。
いや、静かだといっても、それぞれの客が手に持つグラスの中で氷が当たる小さな音や、ヒソヒソと耳打ちをするような気配のようなもの、そして聴こえるか聴こえぬか程度の音量のBGMのピアノの静かな旋律は流れてはいる。
ステージの上にはまだ気配ひとつなく、全体の照明が消されている中、スポットライトの低い照度の輪に、生贄を拘束する台が今日は中央に二つ配されていることがわかるのみだ。
エスタブリッシュメント倶楽部では、元々この場所で行われるハードなSMショーが見られるのも、会員の特典のひとつだったが、色々な場所から会員向けにインターネット配信が出来るようになり、以前より少しここでのいわゆる秘密ショーが大々的に行われる機会は減っている。もちろん日夜何らかの小さなステージは続けられてはいるのだが。
ただ、今夜は少々趣が違っていた。
客として座っている男たちは、エスタブリッシュメント倶楽部の会員ではないのだった。
普段の日は、会員ひとりにつきひとりの非会員の同伴者を連れて来ることが出来るが、特別ショーがある日だけは完全会員制になる。したがって、このように非会員だけがその客席に座りショーが始まるのを待っているというのは、かつて一度もなかったことだ。
「ふーーーっ」
隣の男、歯科医師でこのホテルにある「エスタブリッシュメントホテル歯科医院」の院長でもある向井遼平がため息をついた。
今夜の特別なショーのことを何処かで聞きつけて、リサを通して「見学だけでいいからさせてくれ」と会長にねじ込んだのだった。
右手に手綱を持ち、その手綱は向井の目の前に手を膝の前について正座しているひとりの女の首輪に繋がっている。同じく歯科医師の宍戸紗友里だった。
紗友里は薄布を纏ってはいるが、手を付くことで四十五度に傾けることを強制された状態の胸元はスカスカに大きく開いており、リサの目にもその大きなふたつの乳房がその頂点の乳首まで丸見えになっている。ふたつの乳首には太い金属のリングが付けられ、それが床方向に乳房を少し引っ張って、その形をいびつにしていた。
今日の正規の客には、席に女が交代で付くことになっているが、「向井先生はもし欲求の処理をするなら自前で」と会長に申し渡され、それ故紗友里を連れて来たのだ。
「どうせ同伴して奉仕してくれるなら、わたしは牧野君の方がよいがな」
と、冗談めかして言われたが、もちろん黙殺し、隣には座った。
ここのところで、この男がかなり強引なことも平気でするということがわかってきていた。
今の立場に慣れ、そしてつねに宍戸紗友里という美女に絶対君主として君臨していることで、そういったものを身につけつつあるのか、それとも元々がそういう男だったのが、最初のうちは隠していただけだったのか、何れにせよ尊大な態度が目につくようになってきたのは間違いないのだが、普段秘書として仕えている三田村隼人会長が少々慎重すぎることを物足りなく思いつつあるリサにとって、それもそれなりに心地よい刺激があるとさえ思えるのだった。女とは実に勝手なものだ、と自分で苦笑いするリサだ。
なので黙殺していたところで、触って来るときには触って来るだろう。
「その美しいおっぱいを生で診療台の上で見てみたいものだ」
と、このところで何度も言われているが、今のところ裸は見せていない。何らかの写真かビデオ等で既に見た可能性はあるとは思うが、安売りする必要もないだろう。
「皆様、当エスタブリッシュメントホテルの特別ラウンジへようこそおいでくださいました」
突然舞台の中央にスポットが当てられ、真紅のチャイナドレスを着こなした女がマイクを手に頭を下げた。
「あれは」
リサだけに聴こえる小さな声で向井が問う。
「
瑞花
さんです。会長の盟友とでもいいますか…。瑞花さんなら今夜はかなりハードになるかもですねえ。今夜のこのお客さんには目の毒かも…」
リサも今夜のショーの内容については、詳しいことは出演者も含めて何も聞いていないのだった。
ただ、当初今年の三月十一日に計画していた「ハニートラップ要員のお披露目」の代替のステージだとだけは聞いているから、また女優の角川ともみかプロフィギュアスケーターの安田舞衣、国民放送スポーツキャスターの村上友紀あたりが出てくるのだろうと思っていたが、瑞花ということになれば、やはり真性マゾのともみの出番ということだろうか。
ただその場合、ごく一部の人間だけが知っている分にはあまり問題もないのだろうが、ここでさらに今日集まった二十人近い国民自由党の幹部や外務省、それに財務省などのトップキャリアに、素性がそこまでバレてよいものなのか。確かにあのまま地震がなければ、あの翌日角川ともみも舞衣も友紀も前日に見た通りステージに立たされていたのだろうが…。
リサがそんなことを考えているうちに、ようやく瑞花の大幅に脚色したエスタブリッシュメントホテルの秘密の一部の披露と、それを運営する組織の存在をちらつかせながらの最初の挨拶がようやく終わり、ステージは再び暗闇に包まれた。
「本日、皆様のテーブルへは当クラブ所属の女性達がご挨拶に伺い、それぞれお口でのサービスをさせていただきます。その中で朱色の目隠しをした女性については、絶対にその目隠しを外したり、素性を問うことは謹んでいただきたく存じます。ルールを守っていただけない場合、即刻退場していただきますのでよろしくお願い申し上げます。それではショーの開催にあたり、国民自由党幹事長大河原耕造様よりひと言ご挨拶を頂戴いたします」
マイクを何処で持っているのかはわからないが、沙織が司会進行役ということのようだ。
いつもは自分がその役をすることが多いリサは、妙に違和感を感じながらそれを聞いていたが、「ちっ、まだ挨拶があるのか」
と、となりの男は不機嫌さを隠さずに吐き捨てている。
スポットライトは二つ。
輪の中に現れたのは、金髪の白人娘たち。ロシア人の姉妹だった。
ひとりは真紅のスリップ、もうひとりは白のスリップを着て、そこから露出している肩や腕、そして太ももより下が透き通るような白い肌をしている。
さざめきのようなものがすぐにおーっという驚嘆する声に変わっていき、そして拍手が沸き起こった。ストリップ付きのディナーショーにでも来ている感覚なのかもしれない。
より金色に近い長い髪をして赤いスリップを着ているのが姉のサーシャ、姉よりは短くそれでも豊かな胸のすぐ上くらいまでの少し栗色ががった髪の白いスリップが妹のソフィアだ。背は妹のソフィアが十センチ以上、ほぼ頭ひとつ違うくらい高い。
姉妹そろって並ぶのを見るのはリサも初めてだった。
共通なのは、ほっそりした面立ちと細い肩から急激な高さの乳房、そしてまたいきなり細くなる腰、そこから下の丸みと長い足。
こうして並ばせると、確か二十一歳になった筈の姉のほうが小柄ながらもさすがに少し大人びている印象はあるが、ミドルティーンの妹の方も女としての美しさの全てを既に手に入れているといえる。
「ロシアの女はビアダルみたいなのも多いが、さすが若い子はすごいな。もちろんその中でも特選を連れて来とるんだろうが。白い方は大学生くらいか」
リサの耳元で向井が問う。
「二十一歳と伺ってますから、日本ならまだ学園二年生ってとこではないでしょうか」
「ふおぉ」
低く唸って、また舞台の方へと向井は身体を少し乗り出した。
ビシーーーーッ。
その空間を極度の緊張状態にいきなりもっていくような、激しい音がステージに響き渡り、スピーカーを震わた。客席のざわめきも一瞬で静まり返る。再登場した瑞花が、長い鞭でステージの床を叩いたのだ。
「下着さげて、ふたりとも自慢のおっぱいをお客様に見ていただきなさい」
姉のサーシャが頭の後ろで組んでいた両手を慌ててほどき、横の妹にロシア語と思しき言葉で命令を伝える。日本に来てから約一年になり、特訓もしていることから妹のソフィアとてある程度言葉を理解出来る筈だが、姉としては気が気ではないのかもしれない。
ふたりともほとんど同じような動作で、スリップの肩紐を片方ずつ外し、薄皮を剥くようにそれを下ろし、乳房を露出させた。
「おーーっ」
再びどよめきが起きた。
下着の上からでも十分にその大きさはわかっていただろうが、二人ともやはり日本人ではそうはお目にかかれないほどの巨乳なのだ。しかも背だけではなく、乳房も二十一歳の妹のほうが姉のサーシャよりもさらにワンサイズほど大きい。
おろしたスリップは腰のあたりに
縒
れて
纏
わりついた。それくらい、腰から下がまた急激にボリュームを増す身体をしているのだ。
姉も小柄な上でのこの身体であるから、特に日本人の男性は姉のほうがいいというケースも多いとは思うが、妹の身体はまるでビーナスだ。
瑞花はその妹の方に先に歩み寄り、スリップを
捲
りあげて首から抜いた。
「みなさま、金髪のあそこの毛を見たいとお思いかもしれませんが、残念ながら二人とも永久脱毛済みです。ですが、そうじゃなくてもそれを拝むことは不可能でした。なぜなら、…何故ならふたりともそこの毛は黒かったのです」
マイクを通さないが、客席に瑞花の声は届いており、ドッと笑いが起こった。
瑞花も自分の冗談にケラケラと笑っている。少なくとも姉のサーシャのそこの毛は金色だった筈だとリサは記憶を辿る。
脱がされた妹を見て、サーシャは自分でスリップを脱ぎ捨てた。
ふたりとも本当に白い肌がスポットライトに
眩
いばかりだが、よく見ると姉の身体にはあちこちに調教や拷問の残滓が残っている。尻から太腿にかけての一本鞭の痕と思しき薄い傷や、乳房や性器の土手などに煙草の火を押し付けられたと思われる火傷の痕などだ。
それに比べると、妹は吹き出物ひとつない陶磁のような肌をしている。
乳房の中央でその存在を主張している乳首も、美しいばかりのピンク色だ。ふたりとも既に興奮しているのだろう。膨らんでしこりきっているように見える。
「こりゃあ本気で上玉中の上玉だ。ハニートラップって、ロシア人の男にぶつけるつもりなのか。いやあこの学生のねーちゃんなら、よろこんでそのトラップとやらにかかってみたいもんだよ」
よほど気に入ったのか、向井がよだれをたらさんばかりになり、首輪で繋いだ歯科女医の紗友里を股間に引き寄せた。
興奮を高めるためかはたまた
宥
めるつもりか、いずれにしても奉仕を始めさせるつもりだろう。既にその股間はスボンの中で硬く勃起しているのがリサにもわかった。
「はい、じゃあお尻見てもらおうか」
姉が半回転しながら、妹にその指示を伝えソフィアもすぐに姉に倣う。
前から見るとどうしてもその乳房に目が行くが、尻のほうから見るとその腰のくびれはさらに際立つ。
「はい、前屈み穴見せ」
日本に来て何年になったのだろう。サーシャの方は瑞花の命令の言葉を今や完全に理解出来るようだ。
即座に妹に通訳しつつ、身体を前に倒し客席に大きく尻を突き出して、両手をそのお尻の山を拡げるべく後ろに回す。
慌ててソフィアがそれを真似る。
またサーシャが何か言うと、ふたり同時に脚を大きく左右に開いた。
それだけで身体の中心の無毛の割れ目が、ほぼ丸見えになった。
そうしておいてから、指先にぐいっと力を入れて尻たぼを自ら拡げ、伸ばした中指で性器も拡げて両穴を晒すのだが、このポーズそのものは妹もさんざんやらされているのだろう。細かい指示をされることなく、自ら姉と同じポーズをとっている。
瑞花は、アシスタントのバギーガールの格好をした若い女にハンドフリーのマイクを持ってこさせると、長い髪を一度かき上げてから装着した。
「皆様、お手元には女の子が行き渡りましたでしょうか。先程も申し上げましたが、目隠しをしている子のそれは絶対に外さないようお願い致します。ちなみに目隠しをしているのが、今回ハニートラップ要員として当倶楽部でお預かりした女性たち、していないのは倶楽部の専属奴隷たちです。目隠しを取らない、名前や素性を聞かないといったことさえ守っていただければ、裸にしてお酒を注がせるのもよし、ショーの余興に生尺を楽しまれるのも一向に構いません。さて、今ステージで皆様に不躾にもお尻を向けて、女の部分を丸出しにしているこの美しいお嬢様たちですが、ふたりともロシアから来たれっきとした血の繋がった姉妹です。雰囲気でおわかりかと思いますが、背の高いほうが妹のソフィア、低いほうが姉のサーシャです。お姉ちゃんのサーシャは二十一歳ですが、妹の年齢は今日は敢えて非公表ということにしましょうか。先生方のお名前に傷がついてもなんですから」
瑞花の言葉に向井が
「今更、学生ですってことそこだけ隠してもしゃあないだろう」
と、やはり隣のリサにしか聞こえない程度の声で言う。もちろん瑞花は冗談で言ってるのだろうが、真に受けているのかもしれない。
「先程事前に書いていただいたアンケートを読ませていただいたところ、皆様本当にお優しいですわね。ウチでは快楽を与えるのは責めのうちに入らないのですが、一番多かったのは電マ責めを見たいというものでした。また中には、Mの女の調教の仕方のコツを解説しろなどというのもありましたため、こうしてマイクをつけさせていただいた次第です」
一部の席から小さな拍手が起きた。瑞花も苦笑するしかないようだ。いつもとは客層が違うのだから勝手が違うのも致し方がないということだろう。
「皆様、女にこういうポーズをさせたことはございますか。もちろんふたり並べてということに限らずですが」
会場から今度は反応がなかった。
「まあここまであからさまということはなくとも、バックでいたしたことくらいはございますよね、おセックス。そういう時に女が四つん這いになったところでさあさあとばかりにずぶりとやらないで、少し後ろから眺めてみるというのはいかがでしょう。SMで大切なことのひとつは、責め手は徹底的に冷静に女のマゾを引き出しぬくことかと存じます。例えば命令というものをしてこうしたポーズを取らせた場合、数十秒程度でもうヨシとしてはいけません。でも、四つん這いにして後ろから性器を覗きこんだり、SとMの関係じゃなければ最初は自分で拡げてお尻の穴見せろとか言えませんわね、なかなか。そういう場合は動くなとだけ言っておいてお尻を殿方の手で拡げて肛門を覗き込むんです。それこそ息がかかるほどというか、ふーって息をそこにふきかけて見る手もありますわね。そして女がジレようが泣きをいれようが、少し長めに見てあげることです」
小さく、ほーっなどという声も聞こえてくる。
「まあ皆様のようなお立場だと、逆にご自身がMというケースも少なく無いとは存じますが」
瑞花の冗談とも本気ともつかぬ言葉に失笑が起こる。
「さて、ちょっと確認してみましょうか。女はこうしてこんなポーズを長い間させられていることでも、性器をしとどに濡らすものです。こんな小娘たちでさえそうなのですから、皆様の愛人さんなんかはもう…」
敢えて奥様と言わない瑞花の言葉に反応して、「愛人は全部処分したんじゃないのか」
と向井がまた言う。
「今日は政治家だけじゃありませんので」
リサはひそひそ声で答えてやる。
「ちょっとモニターに映してくれる」
こちら側から見て右側が急に明るくなって、いきなりピンク色の光が眩くステージを照らす。
「おーーっ」
初めてここに来たものばかりであるから、そこが巨大モニターになっていたことを知って、一様に驚きの声をあげる。
少しだけ映像が引いて、ふたつのお尻が画面に並んだ。もちろんそれぞれが自らの手で大きく拡げていて、肛門丸出し、性器の内側のピンク色もしっかり剥き出しになっている。その中心部分を拡大していたために、画面が最初ピンクだったのだ。
「ほら、見えますか。特に妹のソフィア。まだオマンコも覚えたてだというのに、こんなに溢れさせて、既に床に小さな水たまりが出来てます」
脚を開いているために、腿を伝わることなく滴り落ちているのだ。
「皆様のご要望トップが電マ責めとのことでしたので、これからこのふたりの電マオナニーショーをお見せします。時間は…そうですね、どちらかが失神するまでにしましょうか。オナニーショーと言っても手加減も手抜きもさせませんし、女の子をアシストにつけて電マをクリトリスから絶対に外させません。またそれではどうしたって経験の浅い妹のソフィアちゃんが不利で可愛そうですので、おねーちゃんにはコレをこうして」
瑞花はアシスタントの女に手渡された、電源ケーブルがついたマッサージ器をおもむろにサーシャの性器に捻り込んでしまった。
「ぐぉっ」
サーシャからなんとも言えない叫びが漏れる。
「さあふたりとも前を向いて、脚を開いたままよ。がに股オナニーはじめなさい」
こちらを向いたサーシャの顔は股間に与えられる刺激に歪んでいた。既に性器の中のそれはスイッチがオンになっているようだ。それでも瑞花の言葉を妹に伝え、姉の気配でこちら側に向き直りかけていたソフィアも慌ててまた大きく脚を開いて膝を少し屈めたがに股の姿勢になる。
それぞれ、電動マッサージ機がアシスタントたちによって、手に握らされた。
充電式などではなく、電源ケーブルが直接コンセントまで伸びているものだ。途中で決してその刺激が弱まることはない。
サーシャの方のアシスタントはそのまま客席側の視線の妨げにならぬよう、低い位置でしゃがみ性器に挿入された電マに手を添えて介助をする。ソフィアの方はアシスタントは彼女の正面には来ず、すぐとなりでしゃがんだ。
いずれも、マッサージ器がつねにクリトリスを刺激し続けていることを監視するための要員というわけだ。もちろん耐え切れずに本人が離そうとすると情け容赦なくそれを押し付けるだろう。そうじゃなければアシスタントたち自身が、後で手酷い罰を受けることになるからだ。
「勝った方はこの後の後半のSMショーで私が責めてあげます。負けた方は…」
既に息も絶え絶えになっているサーシャがそれでもその言葉を妹に伝えている。
そして、ふたりとも顔を上げ瑞花の顔を見て次の言葉を待った。
「負けたほうは…」
もう一度繰り返したところで、今もふたりの股間のアップを映し出しているモニターの光により明るくなっているのとは対照的に、余計薄暗く見える左側からその女が登場する。
背の高い金髪。
「皆様にご紹介いたします。当倶楽部きっての残忍なドミナ、女拷問職人のエレーナです」
パラパラ…と起こった拍手に対して、出て来た途端不服そうな反応をして手を叩くように要求する仕草をエレーナが見せたため、改めて大きな拍手で迎えられることになった。
「あれが噂の女かぁ」
普段は千葉の三田村病院の方に常駐しているエレーナを向井が見るのは初めてのようだ。
ステージのふたりは、互いに顔を合わせると、次の瞬間大きくかぶりを振って怯えた表情を見せる。
「ワタシ、ゴウモンチュウニ、シッシンサレルノガ、イチバンキライネ。グンタイニイタトキ、ニカイシッシンシタオトコ、チンポ、キリオトシタ。キッタチンポ、ジュウサンボン」
エレーナがよく自慢する昔話ではあるのだが、初めて聞いた政治家や官僚たちは、股間がすくみあがったかもしれない。
「デモオンナニハ、キリオトストコ、ミッツモアルヨ。マズココ」
言って両手をそれぞれ並んで自らのクリトリスを責めているふたりの手首に持って行き、それをさらに強く押し付けるように強要する。
「オーーッ」
同時にふたりの口から声が漏れ、ふたりとも姿勢が崩れそうになるのを必死で堪えている。
「ソシテココ」
電マに添えた手を離すと、向かって左側の姉は右の乳首を右側の妹は左の乳首を、その美しすぎる形の乳房が完全に歪むまで捻り上げた。
姉妹そろってあらん限りの声で言葉ともつかぬ叫び声をあげる。
続いて反対の乳首。
「シッシン6カイで、ミッツトモキリオトセル。オンナハ、3カイタノシメルネ」
エレーナは乳首を捻り上げてる手をそのままに、ロシア語でソフィアにそれを告げたのだろう。
ソフィアは恐怖の表情を浮かべて、首を何度も横にふっている。
同時に手の力が抜けたのか、快感が募ってしまったのかマッサージ器がその股間から僅かに浮くと、すかさず横に居る娘がソフィアの手首を掴みそれを押し付けるように促すが、それを目ざとく見つけたエレーナは、右手を再び乳首からソフィアの股間へ持って行き、振動している部分をまたも強く押し付けた。
たまらずソフィアはガニ股にした両足をガクガクと震わせる。
そして、次の瞬間にはジャーッと股間から水しぶきをあげてしまった。
エレーナの足にもその飛沫がかかってしまい、それを咎める言葉と、そして顔をあげて自分を見るように言ったのだろう。ソフィアが命令に従いエレーナを見た瞬間に、生贄の股間から離れた手が大きく振りかぶられ「バシーーン」
と、高い音をたててソフィアの左頬に炸裂した。


