フェムドム(Femdom)は Female dominance の略で、BDSMプレイにおいて女性が支配側を担うことを指す。domme、dom と略すこともある。服従側の性別は問わない。女性同士の場合は単なるレズビアンではなく、Femfem と呼ばれることもある。英語圏では支配的な女性をミストレス(Mistress)またはドミナ(Domina)と呼ぶ。スペインでは Ama、フランスでは Maîtresse である。鞭、緊縛、貞操帯による射精管理、ヒューマン・アニマル・ロールプレイなど、地位の差が目に見える手数と相性がよい。
鞭、貞操帯、ペギング
プレイの中身は幅広い。鞭打ち、スパンキング、緊縛、男性用貞操帯での射精管理から、動物役を課すロールプレイまで、支配が外形として残るものが好まれる。支配側の女性がペニスバンド(張形つきの下着)を着け、服従側とアナルセックスに及ぶことも多い。ペギングは、挿入する側が女であるという一点で、寝室の役割分担をひっくり返す。フェムドムは嗜好のラベルであって、特定の一本の手順ではない。ミストレス、ドミナ、Ama、Maîtresse——呼び名が変わっても、女が上に立つ契約は同じである。
春川ナミオの尻に敷く女
日本では、SM雑誌の挿絵画家として活躍した春川ナミオがフェムドムを繰り返し描いた。春川の女はルノアールの女のように豊満でグラマラスで、男はたいてい痩せ細り、体格でも負けている。その女が男を文字どおり尻に敷き、押しつぶす。体重と肉感で上に座る絵は、顔面騎乗やフェムドムの視覚として長く引用されてきた。
対義語のメイルドム
一般にフェムドムの対義語はメイルドム(Maledom)である。男性が支配側を担うことを指すが、もともと多数派であり、フェムドム以外の選択肢として語る必要が薄い。海外のBDSMサイトでは、性転換したパートナーとのプレイを扱う文脈で時折使われる程度だ。女が上に立つことをわざわざ名指す言葉が先に流通し、男が上に立つことは默認のまま残った、というのがこの対語の非対称である。












