『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(Fifty Shades Darker)は2017年のアメリカ合衆国の恋愛映画である。『フィフティ・シェイズ』三部作の2作目。監督はジェームズ・フォーリー、主演はダコタ・ジョンソンとジェイミー・ドーナン。原作はE・L・ジェイムズが2012年に発表した同名小説。破局したアナとクリスチャンが復縁し、元従属者レイラのストーカーと、上司ジャック・ハイドのセクハラが同時に押し寄せる話である。第1作のプレイルーム契約は後景に退き、スリラーの手数が増える。ユニバーサル会長ドナ・ラングリーは「2作目は1作目よりスリラー要素が多くなる」と述べていた。
アナと破局してから、クリスチャンは子供時代の虐待を夢に見るようになる。一方のアナはシアトル・インディペンデント・パブリッシング(SIP)に新しい職を得て、新生活を始めていた。上司ジャック・ハイドは徐々に彼女に惹かれていく。ある夜、ホセ・ロドリゲスが主催したアート・ギャラリーで、アナはクリスチャンの姿に衝撃を受ける。ディナーに誘われ、渋々受ける。クリスチャンは復縁を持ちかけるが、アナは彼のサディスティックな性癖を知っているがゆえに返事を保留する。クリスチャンが「自分はもうかつてのようなサディストではない」「ヨリを戻してもSMプレイには興じない」と説得し続けた結果、アナは復縁を了承する。契約書の条項より先に、サディストを降りる宣言が置かれる。
レイラ、エレーナ、ハイド
数日後、アナは自分とよく似た風貌の女性に遭遇する。その後、ジャックとバーへ向かったアナを、クリスチャンは連れ出し、「ジャックは君の体を狙っている」「僕の会社が近々SIPを買収する予定だ」と告げる。自宅に着いたクリスチャンは、ストーカーの正体が元従属者レイラ・ウィリアムズだと明かす。契約終了後、レイラは契約の続行を執拗に求め、夫の死で精神を病み、二人に付きまとうようになったという。プレイルームの「卒業生」が、復縁の外側から噛みつく。
クリスチャンは養父母の家の仮面舞踏会にアナを招待する。準備のためサロンへ連れて行き、そこでアナはエレーナ・リンカーンに会う。彼女こそ、クリスチャンにBDSMを仕込んだ人間だった。二人が共同でサロンを経営していると知ったアナはショックを受ける。舞踏会で、アナはクリスチャンが問題行動のため4つの学校を退学させられていたこと、生みの母親がコカイン中毒の売春婦であったことを知る。クリスチャンは「生みの母親が自殺したあと施設に入り、そこで働いていたグレースが面倒を見て、後に養子になった」と話す。エレーナはアナに深入りするなと忠告するが、アナは「私たちの恋愛に口を出さないでくれませんか」と突っぱねる。アナの家に着くと、アナの車は完全に破壊されていた。レイラの仕業である。
数日後、事務所でジャックが誘惑してくる。執拗な誘惑に恐怖を覚えたアナはオフィスを離れる。耳にしたクリスチャンは激怒し、SIPのトップと交渉してジャックを解雇させる。身の安全に不安を覚えたクリスチャンは、自分の家へ引っ越すよう言う。考えた末、アナは引っ越す。翌日、ジャックの代わりが見つかるまでのあいだ、アナがその仕事を担当することになる。首になったジャックは憎悪を募らせ、復讐の機会を窺う。レイラの破壊とハイドの解雇が、三作目の火種になる。
テイラー=ジョンソン降板、フォーリー起用
2012年3月、ユニバーサルとフォーカス・フィーチャーズが三部作の映画化権を獲得。第1作は2015年2月13日に全米公開された。2015年2月6日、第1作プレミアでサム・テイラー=ジョンソンは残り2作の脚色がすでに終わっていると明言した。2月13日、同監督が2作目に関与しないとも取れる発言をし、3月25日に降板が正式発表される。4月、ナイオール・レナード(ジェイムズの夫)が脚色を行うと報じられた。7月、リタ・オラ続投。11月12日、ジェームズ・フォーリーが2作目と3作目の監督に起用され、ジョンソンとドーナンの続投も決まった。
2016年1月28日、ルーク・グライムス、エロイーズ・マンフォード、マックス・マーティーニの続投とキム・ベイシンガーの出演が決まる。2月5日、ベラ・ヒースコートがレイラ役。同月、エリック・ジョンソンの出演も決まった。当初の主要撮影は2015年6月からバンクーバーの予定だったが、脚本の完成が遅れ延期。2015年11月、本作と『フィフティ・シェイズ・フリード』をいっぺんに撮ると発表された。2016年2月9日から7月12日、パリとバンクーバーで2作目と3作目の主要撮影。ワーキング・タイトルは「Further Adventures of Max and Banks 2 & 3」。本作分の主要撮影が終わったのは4月11日である。
予告編と、支持率10%
サウンドトラックは、劇中で使われた人気歌手の歌唱版と、ダニー・エルフマンが作曲したBGM版の二種類が作られた。2016年9月15日、ユニバーサルはファースト・トレイラーを公開した。公開後24時間で延べ1億1400万人が視聴し、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』予告編が記録した1億1200万を更新した。2016年11月10日、MPAAは「強烈な性的描写とヌードシーン及び性的な言語の使用」を理由にR指定とした。カナダではケベック州を除く全州が18A、ケベック州は16+。イギリスは18 certificate。フィリピンはR15。
2017年2月10日、全米3710館で封切られ、初週末4660万ドルで週末興行収入ランキング初登場2位。世界57カ国の初週末は9780万ドル。R指定としては上々で、ドイツ、イギリス、フランス、ブラジル、イタリア、ロシア連邦では公開初週に週末興行1位となった。Rotten Tomatoesは162件で支持率10%。Metacriticは39件で33/100。CinemaScoreはB+。『ニューヨーク・タイムズ』のマノーラ・ダーギスはジョンソンの演技を評価する側に立ちつつ、クリスチャンの振る舞いを「ストーカー的」と記した。『ザ・ニューヨーカー』のリチャード・ブロディは、第1作が個性と想像力の領域を表現していたのに対し、本作は二つを無視しているに等しいと書いた。シリーズの非人格化はグロテスクであり、ポルノグラフィーの要素は性行為の描写にはなく、人物と人間関係を描くときに現れる、と Brody は評した。三部作の最後『フィフティ・シェイズ・フリード』は、2018年2月9日に全米公開された。













