1988年6月9日、シネマジックは番号VS-63のVHS『E-CUP SLAVE 愉芽の絆』(いーかっぷ すれいぶ ゆめのきずな)を定価1万7000円で出した。岡本百合主演、監督はシネマジック社長でもある吉村彰一。ほぼ下半期の発売ながら1988年年間売上ランキング2位、2830本を売った。同時期の作品の多くが廃盤になるなか、廉価版が出るまで現行カタログに残り続けた。1991年12月20日、大洋図書から定価3800円(税別)の廉価セル版VHSが出る。単体ものしか出ていなかった岡本が、縄と蝋と浣腸に体当たりした作品として大反響を呼んだ。美巨乳の接写と、綺麗に撮ったハードSMが、同じカセットに入っている。
1988年の岡本の売りは、大きく美しい乳房——いわゆる美巨乳——と豊満な肉体だった。本作はその魅力を接写で余さず撮り、そのうえでハイレベルな過激SMをぶつけた。吉村はのちのインタビューで、ヨーロッパの映画のように綺麗に撮ろうというコンセプトだった、と答えている。綺麗に撮った画のうえで、メニューは綺麗ではない。
岡本が演じるのは、山深い片田舎に住む娘である。学生時代の回想——二つ結びで清楚な服装——に性的な場面はない。のちにセックスパートナーとなる先生へ、密かな恋心を抱いていた、という設定だ。卒業後はボディコン風、三つ編みワンピース、ゴシック風と衣装が変わるが、普段の暮らしは画面からほとんど見えない。先生とは喫茶店で待ち合わせしてデートする。普段は距離を置いて暮らしている。深い仲になったあと、別の男性と婚約してしまう。
先生を演じるのは日比野達郎(恵比寿太一郎名義)。もともと百合の通っていた学校の教師だった。北原白秋の詩集など文庫本をいつも持ち歩くところから、科目は国語と読める。女性を緊縛しないと性的興奮が得られない性癖があり、黒い縄は必需品だ。大きなカバンを常に持ち歩いている。百合とのデートでは黒ずくめのサングラスを、プレイ中も一貫して外さない。写真を撮るときだけ銀縁の眼鏡に替える。百合を愛し、真剣に考えていた。それが、他の男と婚約する百合を前に、愛情から怨念へ変わる。
白い無機質なロッジの二階。男に無理矢理連れ込まれ、ベッドに押し倒される女。「嫌っ、止めて、許して」。男は構わず黒い縄で縛り、スカートを剥ぎ、臀部を晒してスパンキングを浴びせる。作中、過去の映像がモノクロで挟まる。二人はかつての先生と生徒だった。先生は学校を去る。告白しようと駆け寄るが、できないまま別れる。生徒だった女が十八歳になったのを機に、先生のほうからコンタクトする。高校を卒業すると、雪の降る雑木林へ連れ込まれ、二人はキスを交わす。男はかばんから黒い縄を取り出す。女は一瞬たじろぐ。「こうしないと駄目なんだ」。仕方ない表情で受け入れ、木に縛り付けられる。その後、二人は互いにSMセックスを楽しむ関係へ進む。喫茶店で待ち合わせ、距離を置いて暮らし、縛っては会う。やがて会っても会話が少なく、醒めた空気が流れる。紅茶を飲む女の指に、光るものを男は見つける。「その指輪どうしたの」。「今度私、結婚するの……」。「君が結婚しようがしまいが、君は私のものだよ」。その言葉を体に刻むように、激しい責めが科せられる。
プレイは臀部と乳房へのスパンキング、乳房責め、洗濯挟み、吸引カップ、鼻フックと鼻鏡、浣腸、アナルセックス、飲尿、熱蝋——舌の上にも落とす——と続く。美巨乳の接写が売りだった女優に、鼻鏡と蝋と浣腸中の性交を積む。吉村が「ヨーロッパの映画のように綺麗に」撮った画のうえで、メニューは密集している。
2003年6月27日、DVD版が番号DD-65、定価4800円(税別)で出る。藤岡未玖主演『背徳の絆』とカップリングし、『背徳の絆・愉芽の絆』として発売。宣伝グラビア用スチルのオマケ付き。現代の倫理審査では通らない部分があり、モザイクの上書きによる消し込みが濃くなっている。2007年7月、シネマジック製品の販路変更に伴い廃盤。2013年5月時点では、動画ダウンロードサイトで購入できた。シネマジック本体からのセル版は出なかった。1991年の廉価版は書店向け「シネマジック・クラシックス」の3作目で、カセットの質感は低く、レーベルは貼られておらずユーザーが貼る形だった。

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