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小説『亜由美』第二部 亜由美シリーズ · 第2部

小説『亜由美』第二部 亜由美シリーズ 第2部 (2/5)
前の話 · 次の話

次の男に髪をつかまれ、立たされると、ほかの男たちが抱え上げ、大股開きにした。そこを男たちは立ったまま、ゆっくりと挿入した。

「どうだ。気に入ったか?」

亜由美は返事ができない。

「輪姦されないと、満足できないんじゃねえの?」

いやいや、と顔を振る亜由美だが、もう抵抗はしていない。

「ほら、こっちだ」

向きを変え、次の男が突き入れる。

抱えられたまま、全員のものを順番に入れられていく。

「むはっ、おねがい、もう、やめて……」

みこしのように女をかついで、公園のトイレに連れ込む。いつか、ドアを開けたまま排泄をさせられた円筒形のトイレだ。

その冷たい床に転がされ、男たちに次々と体をもてあそばれる。

「はぁはぁはぁ、たすけてぇ」

一人がやっと亜由美の中で果てた。二人目は亜由美のアナルを犯して、そこで果てた。三人目は性器で。四人目はアナルで。五人目もアナルで。六人目は性器で果てた。

「どうだ。よかったか」

力尽きたのか、亜由美はトイレに転がっている。

陵辱が終わったあと、剛介が自ら進んで、亜由美に向けて放尿した。ほかの男たちも続く。三本、四本の放物線が亜由美に注がれる。

「あああん、うぇえーん」

亜由美はとうとう本気で泣きはじめた。

限界だ、と剛介は思う。

撮影は終わらない。

男たちの小水を浴びた亜由美は、そのまま、自分の部屋へ歩いて戻るのだ。その様子を少し離れたところから剛介たちは撮影する。

ワンピースを濡れた体に身につけて、亜由美は泣きながらふらふらと帰っていく。そのみじめな姿に、剛介はゴクリと唾を飲み込む。

限界は越えていくものだ。これは通過点にすぎないのだ。

亜由美と再会してわずか一週間。とうとう、ここまで来たという喜びも、剛介は噛みしめていた。一人の女。自分だけの獲物。

自分のことを慕って、底なしの沼に飛び込んできた。それがいま、ボロボロになろうとしている。

底なしの被虐の沼に沈み込ませてやろう。しっかり見届けてやろう。

剛介は歪んだ情熱をたぎらせていた。

大学

月曜日。

亜由美は先週の月曜のことを思い出していた。普通に大学へ行き、友だちと喫茶店に行った。なにも悩みはなく、大学生になった喜びを味わっていた。友だちとは、ゴールデンウィークのことを話したはずだ。

「ね、サークルの合宿があるんだって。誘われてるんだけど、どう?」

「どこで?」

「湖のロッジらしいわ。大学のほら、合宿所とかがあるのよ。温泉もあるんだって。学生はすごく安く利用できちゃうんだって」

気乗りはしないが、みんなが行くなら行ってもいい、と思いかけていた。

学生たちも忙しくなる時期だった。今週末からゴールデンウィークになる。大学はサークルの勧誘が活発になって、友だちのように合宿に誘われたりもするだろう。

富士山の見える湖。その合宿所で、淡い恋が芽生えるかもしれない。

学生らしい、明るく楽しい日々。勉強もどんどん高度になっていくはずだ。ついていくために、図書館に入り浸ることもあるだろう。レポートを必死になって仕上げることもあるだろう。

その合間に、彼氏とデートをするようになるかもしれない。

セックスまでに何日も、何ヵ月もかかるはずだ。いや、セックスをしないままに終わる恋もあるだろう。

それに比べて自分は……。

恋と呼べるものは剛介だけなのに、その剛介の指示で大勢の男たちに日夜犯され続けてきた。

自分のような目に遭っている女子大生は一人もいないに違いない。それも自ら、飛び込んでいったのだ。

先週の月曜までは楽しかった。それが翌日の火曜日には、亜由美の人生は一変してしまった。

いや、もはや人生と呼べるものでさえなくなったのだ。

「亜由美だよね」と、剛介に声をかけられた。その瞬間。亜由美は男たちの快楽の道具になりきる道へ、自ら進むことを決めたのだ。

なんてバカなことをしたのだろう。

亜由美もその自覚はある。これほどまでに恐ろしい事態に飛び込むなんて……。説明がつかない。

でも……。

あまりにも激しい落差がそこにはあった。

男たちに飼われる身になり、すべてを撮影される。ノーと言うことはできない。むしろ自ら積極的に身を差し出さなければならない。恥辱を浴びるように行動しなければならない。

昨日も、朝から浣腸。尻の穴を徹底的にいじられ、男達に犯されていった。数えられないほどだ。居酒屋では三人の男に、三つの穴、口、おまんこ、アナルを同時に犯された……。

亜由美にとってショックだったのは、剛介の縄だった。あの痛み、苦しさ……。

同時に、それは剛介に抱きしめられているようでもあった。ぎっちりと腕と乳房の周りを締め付けてくる縄のおかげで、どんな目に遭っても幸福でいられた。

そんな風に感じてしまう自分が、一番ショックだった。

くたくたになっていたのに、公園で再び男たちに犯され、小便までかけられた。

その陰惨な記憶は、もう、亜由美にとっては日常の一部になりつつある。拭い去ることのできないほど、強く刻み込まれている。

女友だちとゴールデンウィークを湖畔で楽しく過ごすことなど、あり得ないことなのだ。

それだけではない。もう亜由美は、友だちとの関係を楽しく思えるかさえ、わからなくなっていた。

大勢の男たちに犯され続け、好きなように扱われることのほうが、快楽なのではないか。

そこにどっぷりと漬かっていくことこそ、自分自身の望みなのだ。

この数日であらためて自覚していた。あんなに残酷な状況でも、感じていた自分がいた……。もっと深いところは、どれほどの快楽をもたらしてくれるのだろう……。

砂利でこすれた背中が痛い。それでも、あんな風にされるのなら、背中がズル剥けになってもいい……。

なんてステキな痛み。

痛みとして思い出せる快楽がある悦び。

全身にそれがある幸せ……。

ほかに、なにがいるだろう。

明るくなった自分の部屋を、ベランダのケージの中から見る。そこはもう自分の部屋ではない。

誰もいない。剛介もいない。

誰かが来てくれなければ、亜由美はここから出ることもできない。

昨夜、亜由美は、重い体を引きずり、シャワーを浴びて体の手入れをしたあと、剛介たちによって背中の傷にクスリをつけられ、ケージに入れられた。それから、意識を失うように寝入ってしまった。

指先で、体のあちこちを触る。おかしくなってしまったところはないか。壊れてしまったところはないか。

おそろしいことに、肌はなめらかで、柔らかい。粘膜もしっとりと冷たい。あれだけのことをされても、まだ、生きている。

首輪で締められた首が痛い。きつく締めすぎた。指で触ってみても、緩みそうはないので、位置を少しずらしてみる。

このままみんなに責められ続けたら、最後には完全に壊れてしまうかもしれない。それは心が先か。それとも肉体が先か。

わからない。

もしかすれば、今日もまた剛介が縄をかけてくれるかもしれない。

それを想像すると、どうなってもいい、なにをされてもいいという気持ちがさらに強くなる。

恥ずかしく、あられもない姿を晒すのだ。剛介に抱きしめられながら。

苦痛に耐えていく快楽……。

それに比較できるものは、この世にはほかにない。

ふと、下腹部にもやもやした痛みを感じる。あまり気分はよくない。これはあの予感に違いなかった。これまで二十六日から二十八日の間で周期的にやってくる生理だ。

慌てて手を股間にやるが、漏れてはいない。まだはじまる前らしい。そろそろ危ない時期なのだ。

剛介がやってきてサッシをあけた。

「眠れた?」

「おはようございます。眠れました」

「よく眠れるよね、そんなところで」

「そろそろ、生理になりそうです」

「ああ、そのことだよね。それについてはさ、みんなで知恵を出してね。いいものを用意してあるんだ」

剛介は、外国から輸入したものらしい英語の書かれた箱を持っていた。だいぶ前から部屋に置かれていたようだ。

「会員が調べたんだ。そうしたらさ、生理中でもセックスには支障がないんだってさ。問題はおまえが汚い血をそこら中にまき散らさなければいいわけ。どうせ、拡張しなくちゃいけないんで、こういうのを用意したんだよ」

人間に使うものとは思えないほど大きなタンポン。トウモロコシに似ている。

手渡され、亜由美はこわごわ、触ってみる。

敏感な部分に入るようなやさしさは一切ない。これをねじ込むというのだろうか。

そしてスポンジ式のタンポンが何十個も用意されていた。

「今日からこのぶっといのを入れるんだ。どこかの外国製だって。最初はかなり痛いらしいけど、六時間ぐらい大丈夫なんだってさ。それから、このスポンジは、入れたままセックスできちゃうんだ。やるときはこれを入れるんだよ」

生理になれば当然、性器を休ませることができると亜由美は思っていた。その代わりとしてアナルの拡張があったはずだが、こうなると、結局は関係がなかったのだ。

絶望的な気分になる。

「ほら、準備してよ。今日も撮影があるんだからね。もっともっとハードになるよ」

許してください、もう、耐えられません、といま音を上げたら、どうなるのだろう。

亜由美の心の半分は、そうしたかった。一方、残りの半分では、もう後戻りはできない、という気持ちもあった。

しかし、覚悟をきめて淡々と撮影されながら、犯されるようになってしまったら、剛介たちを満足しないだろう。

そんな壊れた人形のようになったら、剛介は自分を捨てるだろう。

これほどのことをしてきたのだ。いつかは捨てられる。

亜由美は肉の袋だ、と剛介は言ったが、本当にただの肉の袋になったら、興味をなくしてしまうに違いない。

疎ましいだけの存在になってしまったら、残酷に壊して捨てるだろう。

もし、ちょっとしたことでも彼らが望むような反応をしたらどうだろう。覚悟してはいても無口で耐えるよりも、泣き叫び、脅え、逃げようとする亜由美の方が、彼らはより長く楽しもうとするのではないか。

捨てはしないのではないか。

それに、実際、泣き叫びたいほど怖いことばかりをさせられている。

亜由美は言った。

「いまは、私たち二人だけだから、正直に言います。もう、怖くてたまらないんです。ここで終わりにできませんか?」

剛介は一瞬、ひきつったような表情を見せた。

「なに言ってるの?」

「お願い。もうやめてください。私、耐えられない……」

剛介は戸惑いながらも、少しだけ目が柔らかくなるのを亜由美は見逃さなかった。

もしかすると、亜由美の言葉を受け入れるかもしれない。

「剛介さんと二人だけで、どこかへ行って、もっとゆっくりと、いじめてください。剛介さんにいじめられるのは私の望みです。でも、このままでは、私、どうにかなってしまいます」

亜由美はうつむいた。涙は出ないが、出そうになった。

その肩を剛介の手がやさしく抱く。

「困ったやつだなあ」

そして、やさしい表情のまま、平手で亜由美の頬を強く叩いた。

バシンと音がして、亜由美は悲鳴を上げることもなく床に倒れた。

「いじめてるんじゃないよ。亜由美がしてほしいことをしているだけじゃん。楽しいんでるくせに。こうされるのが、大好きな変態なのに」

剛介は縄を手にした。亜由美の腕をつかみ、背後に回すと、高手小手を素早く決めた。

「あふっ、苦しい」と亜由美。

居酒屋で受けた縄よりも数段、厳しく感じる。皮膚が捻れ、骨まで縄が食い込むようだ。

「さてと。今日からもっともっと厳しい調教がはじまるんだけどね。これまでとはぜんぜん違うよ」

「お願い、怖いんです」

「よく言うよ。もうすぐほかの連中も来るんだから。覚悟してね」

部屋には二台のカメラがセットされて、常時、ウェブで生中継され、会員たちはパソコンで亜由美の生態をリアルタイムで見ることができた。

剛介はカミソリで亜由美の陰部などむだ毛を剃る。

亜由美はおとなしく、それを受け入れた。

そしてトウモロコシにも似たタンポンを剛介が持ち、床に垂直に立てるようにした。

「自分で入れてみて」

「え!」

「早くしないと困るんだけど」

「手を……」

「そのままでもできるよ」

亜由美は、ゆっくりとしゃがみ込む。その巨大なタンポンの先端を、柔らかな粘膜に感じる。

「あっ、ちょっと痛いかも……」

紙でできているのか、吸収性はいいのかもしれないが、あまりにもゴツゴツしすぎている。

「ほらほら」

催促されて、少し入れてみる。

「うぅう、い、痛い」

「大丈夫でしょ。あれだけみんなにやられまくって、少しは大きくなってるんじゃないの?」

「そんなー」

腰を動かす。ぐりっとえぐられるような感触。

「その調子だ。呑み込んで」

目をつむり、痛みを覚悟して腰をさらに落とした。

「うぐぅぅぅ」

思ったほどの痛みではないが、体の中がいっぱいになってしまったような気持ちになる。

これを一日、入れていることなど、できるのだろうか。

「きついです。痛いです」

「泣くな。自分で望んだことなんだからね」

腰に縄をベルトのように結び、そこから股間を通して背後で絞る。いわゆる股縄だ。二本の縄が股間に食い込んでいる。

鞭打ち調教

「今回はこのタンポンで許してるけど、次の生理のときには、二本ぐらい入るようにならないとね」

そんな恐ろしいことを言う。

「立って」と剛介が亜由美の縄尻を持って、引き立てる。

「あっっっ」

その姿をカメラに向けて、近づけていく。よちよちと亜由美はカメラに向かって歩く。

顔は苦痛に満ちて、体はどうしても前屈みになる。

その尻に、縄を打ちおろす。パシッと軽い音が鳴る。

「きゃっ!」と亜由美。体がのけぞる。すると股間の縄が食い込む。

「ぐうぅ」

普段着の警備員、村木がやってくる。ゲー研の園田も一緒だ。

亜由美が脅えたような目をしている。

本来、自分の部屋だったが、いまではこうして、『亜由美の会』の人間は誰でも自由に出入りできる場所になってしまっていた。

「お、やってるな」と村木は、うれしそうな顔をする。

もともと暴力に対する強い欲望がある男だった。

縛られた亜由美を見ると、その気持ちが露骨に表に出てくる。

「そんなもんじゃ、甘いぞ。ムチとか警棒とか、厳しくやらないとな」

「村木さんが昨日、部室に……」と園田。

三人でカメラのない玄関へ行き、小さな声で打ち合わせをする。

亜由美はその様子を黙って見ている。

縄がどれほどきつく体を締め付けているか、試すように、ときどき手や股間をくねらせるのだが、さらに皮膚に深く縄が食い込むだけだった。

そのくねる姿も、男たちには楽しいのではないか。

トイレをガマンしているときのような、切迫した気持ちで、脳がスパークする快感。それがずっと続くなら、きっと今日もあっという間に終わることだろう。

亜由美は迷いながらも、もしそんな快楽が得られるのなら、無条件でそこに浸ろうと考えていた。浸りきらなければ、ただ苦しいだけだから。

話し合いが終わり、剛介は亜由美の高手小手を解いた。

亜由美は手首の縄跡をさすった。わずかな時間だったが、くっきりと縄目が皮膚に残っていた。

「これ」

Tシャツとホットパンツが渡された。股縄の上からホットパンツをはき、Tシャツを着た。

「うーん、いまいちだ」と園田。

剛介がTシャツを脱がせて、乳房に縄をかけた。

左右の乳房を絞るように根本で強く縛る。その縄尻を、一方は腰の縄に縛り付ける。もう一方は、首輪の南京錠に通す。

その上からTシャツを着せる。

剛介が首輪からの縄を強く引いた。

「うひっ」と亜由美が飛ぶように一歩、剛介に近づく。

乳房がちぎれそうに上に引っ張られ、同時に腰縄が上にあがると、股間を締め上げる。

「行こう」

「こ、この格好で?」と亜由美。

「そうだよ。商店街だって同じような格好で歩いてたんだから、大丈夫じゃん」

似ているが、今回はさらにエスカレートしている。

手、足は拘束されていないが、Tシャツから縄がすけている。

腰の縄もまる見えだ。それがTの字に股間へと回っていることもはっきり見てとれる。

剛介に縄を引っ張られ、マンションのエレベーターに乗る。下に降りると、カメラを持った会員が待っていて、少し離れたところから、亜由美を撮影する。

時代劇の罪人のように、引き立てられていく。その屈辱を亜由美は感じていた。

歩くたびに、股間の巨大なタンポンが粘膜を、そして股縄が股間を擦りあげる。縄尻を引っ張られるまでもなく、その痛みのせいで、内股で不自然な歩き方になる。

商店街を通り、奇異な目で見られることに、脂汗を流しながら耐えていると、そのまま大学へと入って行く。

亜由美はためらうが、剛介が思いきり縄を引っ張る口実になってしまった。

「あひっ!」

飛び上がるようにして、亜由美はあとに続く。

校内に入ったとたん、剛介は縄を離して、前を歩く。

亜由美は縄を前に垂らしたまま、そのあとをついていく。

誰も見てはいない、気にしてはいないと思いつつも、火が出るほど恥ずかしくなってくる。

そのせいか、愛液があふれ出し、ホットパンツに改造されたジーンズの股間から太ももを伝っていく。

ゲー研の部室に剛介が入る。

ドアは開けたままだ。ついこの間、そこで会員全員に犯され、ハメ撮りされた記憶が甦る。

いまもなお、そのときの生臭い空気が残っているようだ。

「入れ」と背後から、村木に押されて亜由美は室内に入る。

窓側に、建設現場でよく見る足場のパイプが組み合わさった、鉄棒か洗濯を干すための支柱のようなものが出来上がっていた。

そして亜由美のこれまでの映像を編集している三人ほどの会員がいる。モニターには、撮影された亜由美の恥ずかしい姿が鮮明に映し出されていた。

「いや!」と亜由美は逃げようとするが、村木が縄を握っており、強く引っ張られ、倒れそうになる。

園田が亜由美を抱き留め、ドアを締めた。

「今日はみんな、忙しいんだ。だけど、亜由美の調教はしなくちゃいけないからね」と剛介。

建設現場のように組み上がったパイプを揺すって、強度を確認している。

「大丈夫だよ。男が四人乗ってもなんともなかった」と村木。

取り壊し予定の校舎の外に、足場用の資材が放置されたままになっていた。保存運動が高まっているのと、大学内部の政治的な駆け引きで、作業は途中で中断していた。

建設現場で働いていた経験のある村木とゲー研のメンバーで、組み立てた。

単純な構造で、部屋の端から端まで、窓側に沿って、長いパイプを二本、床に並べ、直角に交わるようにやや長いパイプを組み合わせていた。

窓の上あたりにも、鉄棒のようにパイプが左右に通っている。蒲団を干すのによさそうなサイズだが、実際に干すとなると、脚立がいるほど高い。

その装置は自分のためなのか。亜由美は脅える。

一人の生身の女に対する舞台装置としては、大げさすぎるほどではないか。

「逃げるなよ」と剛介。

亜由美に近づき、Tシャツを引き抜く。

園田たちが、床に置いてあったパイプを一本持って来た。

それを亜由美に肩で担ぐように持たせる。

剛介が素早く腕にパイプを縛り付けていく。

亜由美はかかしのように、手を左右に伸ばした格好となった。

それだけでは不十分だと剛介は考え、新たな縄を足して乳房の周りを通し、上半身をハーネスのようにパイプに固定していく。

そのパイプの両端にクランプをしっかりと取り付け、縄を通す。その縄は亜由美を縛るものとは違い、さらに太く丈夫なものだった。

そこにいる数人が手伝って、亜由美を櫓の下に立たせる。窓の方を向かせ、みんなに背中を見せる。

天井のパイプに太い縄を通して、引っ張りあげると、亜由美の体が磔のように持ち上がる。

「ひー」と亜由美。

足が地上から三十センチほど浮いている。装置は、土台部分の長いパイプが支えていて、ぐらりとさえしない。

亜由美が足をばたつかせて暴れても、びくともしなかった。

「足を持て」

「いや、いや」と亜由美。

これまでとはまるで違う恐怖があった。

窓からの光を受けている亜由美が暴れ、縛られた乳房が揺れる。この一週間ほどの経験で、硬かった乳房が、弾力ある性的な魅力を持つ存在へと変わっている。

剛介はその様子を見て、笑みを浮かべていた。美しい光景だった。

その体から立ちのぼる淫らな匂いをかがなければ、剛介も、ほかの会員たちも一日が始まらないぐらい、魅了されていた。

村木たちが、ホットパンツを脱がし、右足に別のパイプを縛り付けた。そして剛介も手伝って左足を持って、そのパイプに縛り付ける。

最後にパイプの端に縄をかけて、土台のパイプに通して縛る。

奴凧の骨のように、亜由美は手足を広げて空中に固定された。

「お願い。降ろして。お願いだから」と亜由美はわめいている。

「うるさいな」

それでも剛介たちはニヤニヤしながら、亜由美を眺めている。

巨大な蜘蛛の巣にとらえられた、可憐な妖精。

「学園祭の出し物にいいかもね」

念のために剛介は脚立に乗って、亜由美の上半身を縛りあげている縄に、新たな縄を通して天井のパイプにも縛り付けた。できるだけ体重が分散されるようにしたつもりだ。

窓側のパイプに腕を、部屋側の土台に足を固定したので、やや体は前のめりになっていた。

そこにアダルトショップの店主、岡山もやってきた。

「ほうほう、これはすごい眺めですね」とうれしそうに言いながら、紙袋を剛介に差し出す。

「とりあえず、こんなもので、どうですかね」

「ありがとう」

紙袋の中には、乗馬用の短いムチ。そして房になった革ムチ、短い一本ムチが入っていた。

「お代はいいですよ。映像を見せてもらったんだけど、なかなかの迫力じゃないですか」

剛介がアドバイスしたところ、ゲー研の連中が店主を口説き、スポンサーになってもらうことができた。

特殊な用品が適時、支給される代わり、サイトでは店の広告が入る。ただし、あまりにもそこからの売り上げが少ない場合は、映像の売り上げからバックすることになっていた。

もちろん、広告効果が高ければ、店からマージンが入る。

剛介は、亜由美に対しては、普通の女性が使うような器具は、できるだけ避けたかった。代用できるものがあれば、より日常的で、屈辱的なものを使いたかった。

今回は三種類のムチが必要で、さすがにそれはホンモノらしさが求められる。

「ぎゃーぎゃーとうるさいですね。なんとかしたほうがいいですよ」と岡山が言う。

剛介は再び脚立を使って、亜由美の横に行き、「口をあけて」と言う。

「いや。お願い、これはダメよ。もう降ろして。とにかく、これはイヤなの」

涙を流している。

「そうだね。だけど、続けるしかないんだよ。自分で望んだことだよね」

「ダメなの。こんなの耐えられない」

愛らしい小鼻の横を、美しく光る涙が伝っている。

剛介はその涙を指先でぬぐった。そのついでに、鼻をひねり潰しそうなほど強くつまんだ。

「うひっ、いたーい」

亜由美は叫ぶが、呼吸ができないのでそのまま口を開けて、あえぐしかない。

「あー、あー」

「おとなしくしろとは言わないよ。泣いたり、わめいたりするほうが、ぼくたちも楽しいんだからね。だけどさ。しばらくは、あんまり大声は出さないでもらおうかな。ここは大学なんだからね」

剛介はそう言い、亜由美のTシャツをその口に詰め込んでいく。

「あぐぅ、ぐぅげぇ」

亜由美は抵抗するが、体はびくりとも動かず、鼻をつまむ剛介の手も緩まない。

完全にTシャツが口の中に押し込まれると、剛介は鼻から手を離し、新たな縄を、口にぐるぐると巻き付けて、荷物のように縛りあげてしまった。

「ぐぐぅ、むぐぅぅ」と亜由美の声は、ごく小さくなった。

「これで、窓を開けても大丈夫だ」と剛介は脚立から降りて、亜由美の正面の窓を大きく開け放った。

大学校内ののんびりとした音が届く。正面は、先日、アナルを犯された狭い通路。雑草の伸びた斜面。

会員が、その斜面に小型のカメラを設置した。その映像が、室内の二十インチのモニターに流れ、亜由美表情と乳房までが鮮やかに映し出された。

「淫乱メス豚 二十一歳 亜由美 撮影中」という文字がくっきりと浮かんでいる。

「いい感じだな」と園田。

村木と岡山もしきりに「おもしろいね」と感心している。

「こんなのでいいかな」

会員が、ホワイトボードを亜由美の横に置いた。そこには「メス豚亜由美 調教中です。ご自由にムチで叩いてください」と書いてあった。

ぷるんとした亜由美の尻を、村木は手で撫で上げ、ぴしゃりと叩く。

亜由美のピチピチとした体が、敏感に震える。

「耐えられるかな」

「耐えてもらうしかないですよ。みんな忙しいんで、暇を見つけて調教するしかないんですから」

股縄が食い込んでいる尻を、まるで突き出すようにしている亜由美に、男たちは舌なめずりをする。

「じゃあ、まず、忙しいお二人から」と剛介は、村木と岡山にムチを勧める。

岡山はうれしそうに一本ムチを手にした。床を軽く叩くだけで、ヒュッと空気を切り裂き、バシッと腹に響くような音がする。

「かわいそうだなあ。でもまあ、いいか」と無造作に振り上げて、最初の一撃を食らわせた。

バンと音がして、亜由美が「ぎゅー」とうなった。猿ぐつわをしても、その声は男たちに届いた。

最初はなにごともないように見えた白い尻に、赤い筋が一本、横に入った。尻から腰にかけて横面に強く当たったようだ。

続けて二発目。今度はさらに鋭くうなるムチがビシッと尻を叩いた。

柔らかな尻たぶに赤い筋がつく。

さらに三発、四発と打ち込み、店主の岡山は合計十発を打ち込んだ。

「そこに正の字で書いておこう」と園田。ホワイトボードに二つの正の字。

「じゃあ、おれはこれで」と村木は乗馬ムチを手にした。

ごく至近距離から、バシッと反対側の尻を打ち抜く。ぶるっと肉が震え、赤い痕跡がつく。

尻がビリビリと震える。

村木のムチは、太もも、脇腹、そして乳房の横にも打ち据えられた。

亜由美の体から血の気が引き、大量の汗が噴き出していた。痛みのせいか、震えが止まらないようだ。

村木も十発打った。

「いいね。またやりに来るよ」

仕事のある岡山と村木が帰ると、会員たちが、次々とムチを振り下ろした。

店主のように上手に一本ムチが使えない者が多く、乗馬用か房ムチを使った。乗馬用でも、村木がやったような激しい音を立てることのできる者は少なかった。

「もっと練習しないとダメだな」と剛介自身も思う。

亜由美はこれまでとまったく違う厳しい調教に、心底、脅えていた。痛み以上に、怖くてならなかった。

これまでの人生で、もっとも後悔していた。これほどの恐怖と痛みを耐えるぐらいなら、ほかにどんなことをしてもいい、と思っていた。男たちに輪姦されることなど、むしろ悦びではないか、とさえ思う。小便をかけられたって、これほどではない。

亜由美は誰がどんな顔をして構えているのか、いつムチを振るうのか、見ることはできない。

見えるのは、じっとこちらを向いたカメラ、そして雑草の茂る斜面。誰がいつ通るかわからない狭い通路だけだ。

脇腹や腕、乳房などに当たると、ピリッと体が切り取られるような気がした。

身をよじって耐えたい痛みだったが、体がうまく動かない。仕方がなく、手を握ったり開いたり、首を前後左右に振ったり、足の先を動かすなどして、まぎらわせるしかなかった。

妙に間があいたかと思うと、十発どころか二十、三十と続けて叩く者があらわれて、気を失いそうになったりもする。

耳に入ってくるのは、男たちのうれしそうな喚声だ。

「これで、七十八か。まだまだな」といった声。

やがて百発を越えて、体の中で、ムチが当たっていないのは顔だけになった頃、ようやく、剛介の声が聞こえた。

「うわあ、すげえな。百六十発か」

縄が解かれ、足が自由になった。

ゆっくりと床に降ろされてから、腕を固定していたパイプが外された。

水着陵辱

「どうだ、すごかったな」

剛介は笑いながら、口の縄を解き、唾液でぐちゃぐちゃになったTシャツを引き抜いた。

「あーあ、着るものがなくなっちゃったね」

そんなことは亜由美にとって、どうでもよかった。全身が腫れ上がっているような感触だ。

「ほら。水を飲めよ」

ペットボトルを渡される。手がひどく震えている。伸びきった腕を縮めるのさえ、時間が必要だった。

ごくごくと水を飲み干した。汗と涙でベトベトの顔を、手で拭う。

「かわいいな」

剛介は思わず、亜由美の頬からうなじにかけて撫でてやった。ほつれた髪を整え、耳たぶに触れる。

「ほんとうに、おまえ、かわいいよ」

亜由美は剛介を虚ろな目で見る。

「ここの洗面所を使え」

裸のままで、廊下に出され、剛介ら数人と男子トイレまで連れていかれた。ほかの誰かに傷だらけの裸体を見られる、といったことを考える余裕さえなかった。

鏡の中の亜由美は、すっかり年老いたように見えた。

化粧をしていないから余計なのだが、苦痛に顔をしかめすぎたのだろう。猿ぐつわの縄の跡もくっきり残っている。醜いメス豚の顔だった。

「はいはい、のんびりしない。時間がないんだよ」と園田。

亜由美は顔を洗い、剛介が持って来た化粧ポーチを受け取って、眉を整え、ファンデーションをつけ、口紅を塗る。ブラシで髪を整えるが、もはやそれはどうにもならなかったのであきらめた。

乳房の左右は、ムチ跡で切り傷ができ、腫れていた。見るまでもなく、背中と尻はもっとひどいだろう。

体をひねって鏡に尻を向けると、最初はケチャップかなにかを塗りたくられているのではないかと思ったが、やがてそれがムチによる蚯蚓脹れだとわかりゾッとした。

青痣になっているところ、黒く内出血しているところ、切り裂かれたように皮膚がめくれているところもあった。

ズタズタ、という言葉がふさわしい。

「薬をつけるからな」と剛介。

消毒液が吹き付けられ、それが傷口に染み込んでいく。洗面台に手をついて、その痛みに震える。声を出すことさえ忘れるほどの痛みだった。

縄をかけられていた背中の一部はほとんど傷がなかったものの、打撲のような痛みは残っていた。

部屋に戻ると、コンビニの弁当が用意されていた。みんなでそれを食べるのだが、亜由美は食欲などない。なんとか食べようと努力した。

座ることもできず、立ったまま全裸で食事をし、やがてひざまずき、最後には正座して食べた。ふくらはぎの上に傷だらけの尻をそっとのせて、動かさないようにしていれば、少しは耐えられる。

「おい、今日はまだ浣腸をしていなかったよね」と剛介。

鬼のような言葉に、亜由美は眉をひそめる。これ以上、なにをされてもいいが、この傷だらけの体で、なにができるというのだろう。

「ここに書いてもいいの?」と会員がマーカーを持っている。

「いいよ、やってよ」

傷ついた背中に、新たな文字が付け加えられた。緊縛、股縄、ムチ、野外露出。

亜由美にはその文字は見えない。

「午前中はハードだったから、午後はソフトにいこうか」と園田。

会員が「こんなの、どうです」と持って来たのは、紺色のワンピースの水着だった。いわゆるスクール水着だ。

「よく持ってたな」

「へへへ、実は亜由美ちゃんに着せたくて、買っちゃいました。裏地も剥がしちゃいました」

「着てみてよ」

亜由美はそれを素肌に身につけようとする。サイズがかなり小さい。履くようにして足を通したところまではいいが、尻や背中が痛く、ひきつるので、布地を引き上げることができない。

剛介たちが生地をのばしながら、着せていく。

「いたーい」

傷口に布が擦れるたびに、身もだえして耐える。

股間がリアルに浮き上がる。股縄の縄目まで見えるほどだ。

開いた背中にメニューの文字とムチ跡が浮き出ている。

乳房を絞る縄もはっきり見える。

「エロい!」と会員たちは大喜びで、しばらく撮影会のようになった。

「ほら、笑えよ」

笑顔を強要され、亜由美は力なく笑みを浮かべる。その情けない表情がまた男たちの嗜虐性をそそる。お決まりのピースサインをさせられる。

「これも着てほしいな」

ポケットレインコートを会員が差し出す。簡易用の薄いポリのもので、広げてみると、ほとんど透明で、裾も膝のあたりまでしかない。

亜由美がそれを身につけると、水着だけよりも、かえってなまめかしくなる。そして、みじめでもある。

「さあ、外へ行こう」

「ええっ! これで?」

亜由美が尻込みする。

「裸で歩くより、いいでしょ」

「だって、だってぇ」

「甘えるんじゃないよ、メス豚」

期待している会員たちが、亜由美に罵声を浴びせる。

「ふざけるなよ」

「やりまんのくせにえらそうに」

首輪から下がる縄を誰かが持ち、強く引く。

「あひっ!」

股縄が食い込み、腰縄が傷口を擦る。そのことに気づいた会員たちは、亜由美の背中を軽く押す。

「あぐぅ!」

亜由美は、傷だらけの背を触られて、飛び上がる。

「ほらほら、みんなでメス豚にタッチしようぜ」

「いや、ダメ」

亜由美は逃げる。それを男たちが、追う。中には思い切り平手で叩く者もいる。

「ぎゃー」

亜由美は叫び、廊下へ逃げ出した。

会員たちはおもしろがって笑いながら追いかける。

水着にレインコートの亜由美は、建物から外に出てしまい、どこかへ逃げようとしているうちに、あっという間に会員たちに囲まれてしまった。

剛介が「その調子。ほら、もっと行こうよ」と声をかける。

追い立てられるように裏門を抜けて、オフィス街へ入る。

平日の昼。

曇ってはいるが、雨の予報はなく、場違いなレインコート姿も目立つ。透けている水着の鮮やかな紺色と、なまなましい手足に、多くの人たちがびっくりする。

外に出てしまうと、会員たちはむしろ素知らぬ顔をして、距離を置きながら撮影しつつ、追いかける。

亜由美はビルの陰に隠れるが、すぐに発見され、背中を押され、尻を叩かれ、また逃げる。

果てしない追いかけっこが続く。

「捕まえたやつ、強姦OKな」

そんなメールが飛び交い、会員たちは手分けして、先周りをする。

「亜由美、見っけ!」

二人の会員に見つけられ、建物の陰にある階段に逃げようとしたが、柵で行き止まりになっていた。

「捕まえたら、強姦OKってことなんで」

「そんな……」

「ほらほら」

二人に追い詰められ、縄尻をとうとうつかまれてしまった。それを柵に結びつける。

「ケツを出せよ」

コートをめくりあげ、水着をずらした。固く縛られた股縄だが、剛介の縛り方はその道の専門家から習っていたので、解くのも簡単だった。

会員はそれを外し、巨大なタンポンを引き抜く。

「いやあ、やめて」

伸びてきた亜由美の手を、もう一人がつかむ。

「えぐいな、これ」

まだ出血はしていなかったが、朝から入れられていたタンポンに愛液が染み込んでぬらぬらと光っている。

「そら、くれてやるぜ」

会員はゴムなしで、自分のものを亜由美に押しつけた。

「ひどい、だめぇ」

「騒ぐな」

手を握りながら、もう一人がその顔や股間を撮影する。

激しいピストン。

その最中に、ほかの会員たちも集まってくる。

「ちくしょう、あいつかよ」

「へへへ、ラッキー」

笑いながら、亜由美の中に注ぎ込む。

「あうぅ」

少し遅れて亜由美は快感に呑み込まれた。

「なんだこいつ、イキやがった」

力なく柵にもたれかかる亜由美を、会員たちは撮影する。

水着の股間からだらりと垂れてくる白い液体も見逃さない。

「迫力あるねぇ」

亜由美は誰がこの状況を止めてくれるのか、心配になり、剛介を探した。だが、剛介はいない。園田もいない。村木もいない。

会員たちは、ひとしきり亜由美を撮影すると、タンポンを元に戻そうとする。

朝はあれだけ固かったが、水分を含み肥大化し、柔らかくなっていたため、なかなかうまく入らない。

「おい、自分で入れろよ」

亜由美は男たちの前で、その場にしゃがんで、タンポンを再び入れる。

「あはっ、つらい」

思わずつぶやく。

男たちの目。カメラ。その前で、恥ずかしい格好をさせられ、一度取り出したタンポンをまた入れろというのだ。

カタチがしっかりと保てないタンポンを、ねじ込むようにして膣の中へ入れていく。

「えぐいな、この絵」

「しっかり奥まで入れろよ」

「感じてるんじゃないか、淫乱メス豚」

恥ずかしい言葉を浴びせられる。

なんとかほとんど入れてしまう。

缶チューハイ

「そのまま、オナニーしろよ」

「ええ! もう、許してください」

「ダメだよ」

濡れそぼる股間を指先でまさぐる。小さく控えている陰核を撫で上げる。つるつるに剃られた股間は、亜由美のすべてをさらけ出していた。

「ああっ」

しだいに本当に感じてしまう。つい先ほど、小さな頂点を感じていたからか、急速に回復していくのだ。

全身の痛みが、うずきのようにも感じられる。

「だめっ、だめっ」

しゃがんだまま亜由美は、こみあげてくる快楽の中に、のめり込む。

「ああ、信じられないぃぃぃ」と言いながら、アクメに達した。

同時に小水があふれて流れ出した。

「ふえーん、もう、わたし……」

最低の女になった、と亜由美は自覚していた。

ひとしきり余韻に浸っていると、いつの間にか剛介と園田も合流していた。

剛介の顔を見て、亜由美は微笑む。助かった、と思う。だが、その剛介の手にしているものを見て、ひきつる。

「それは……」

「だめだよ、毎日、やらないと便秘になっちゃうからね」

ダブルピッカーカテーテルだ。そして手に五百ミリリットルの缶チューハイの缶があった。

「新製品で、炭酸が最高に強くて、アルコール度数も十二%だってさ。酒好きの亜由美にぴったりだよね。野外で飲むのが爽快なんでしょ?」

「いや、それは、きついから、お願いだから……」

「そんな格好して、中出しされて、オナニーまでして、小便垂らしたメス豚のくせに」

そうだ、そうだと会員たちが詰め寄る。

「ほら。みんなの前で、ちゃんと入れてごらん」

剛介がアダルト店からカンパされたローションを亜由美に渡す。

「早くしないと、誰かきちゃうよ」

男たちの目を見ながら、亜由美はローションを手に取って、自らアナルに塗り込んだ。

感じやすくなっている。それを自覚しないわけにはいかなかった。指先でアナルの周辺を撫でるだけでも、巨大タンポンをほおばっている膣がひくひくと反応してしまう。

指先を周辺からひだの中へと入れると、そこは別の生き物のように、これまでになく柔らかくすんなりと開いていった。まるで、恐ろしい器具や浣腸を待ち望んでいるように。

「わ、わたし、これ、大好きです」と亜由美はつぶやいていた。

「お浣腸、大好きです」

その言葉に体がさらに淫らに反応していくのが、指の感覚でわかる。お尻が求めている……。欲しがっている……。

「亜由美、こんなメス豚になっちゃいました」

剛介が、カテーテルを渡す。

「一度、膨らませてみろ。八回だ」

スコスコとポンプを握ると、先端のバルーンが膨れあがる。

「そのぐらい膨らませるんだぞ」

「はい」

亜由美は従順になった。自分がそれを望んでいるのだと思い込むことにした。

萎ませたバルーンを押し込む。

「待て。まだ膨らませるな。もう一つも入れるんだ」

「え!」

二つあるバルーンの一つを直腸に入れて膨らませ、もう一つは肛門の外側で膨らませることで、液漏れを最小限にする仕組みだった。

しかし、そのバルーンを二つとも腸内に入れろというのだ。

「入れろ」

「わかりました」

先端が自分の腸に当たっているのを感じながら、亜由美は二つ目のバルーンも中へ入れた。

「もっと奥に入れろ」

萎んだままのカテーテルなら奥へ入れることはできる。しかし、あまりにも奥に入れて、そこで八回も膨らませるとしたら……。

どうなるのか、亜由美はわからなかった。

「よし。じゃあ、二つ目のバルーンを八回、膨らませろ」

スコスコと空気が送られて、腸内にバルーンが膨らんでいくのがわかる。

「もう一つも」

膨らんだ二番目のバルーンに押し出されるように、先端のバルーンが膨らみながら、腸内深くへと潜り込んでいくのがわかる。

「うひっ、きついです」

それでも、とうとう八回、空気を入れてしまった。

いままで感じたことのないやや左寄りの下腹部がパンパンに膨らんでいた。

「よし、じゃあ、これを入れて」

プシュッと缶チューハイが開けられる。そこにカテーテルに接続されたエネマシリンジの末端がつけられる。

「亜由美、缶チューハイをたっぷりお浣腸でいただきます」

会員たちが見る中で、亜由美は自らエネマのポンプを押した。グリッと腸を押すように空気が入ってきた。それはこれまで浣腸よりも、腸の深い部分で起きていた。

「ああ、冷たくておいしい」

ぐいぐいと、亜由美はポンプを押していく。腸内で強い炭酸が急激に膨らんでいくのがわかる。

「はあ、はあ、きついぃぃぃ」

ズズッと音を立てて、最後の一滴まで腸内に送り込んだ。

「なんだ、一本じゃ足りないんだね」

「ええ!」

剛介はもう一本、用意していた。

「ほら。遠慮するなよ」

一リットルもの液体を腸内に入れることになる。

「いただきます」

亜由美の唇から血の気が引いていた。

「メス豚・亜由美は、チューハイ浣腸が大好きなんですぅ」

震える手で、二本目を注入する。

「おい、腹がぷっくりしてきたぞ」と男たち。

股縄用の腰縄が膨らんだ腹にめり込んでいるのがはっきりわかる。

亜由美は下から内臓を押し上げてくるような強烈な感覚に耐えながら、二本目を入れきった。

「ふひぃぃ、お腹、苦しい」

「よおし」

剛介が股縄を直す。カテーテルをはさむようにして、しっかりと股間に縛り付ける。

「ぐぅうぅひぃぃぃ」

亜由美は身もだえする。

「ほら、立てよ」

縄尻をとって、亜由美を引き上げる。

「ぐぅげぇぇ」

カエルのような声をあげる亜由美の姿に、笑い声が起こる。

それがどれほどきつい浣腸なのか、会員たちも実感するが、このあとどうなるのか、興味津々だった。

「歩くよ」

よたよたと亜由美は歩かされる。広い道に出て、商店街を目指す。

「ほらほら、大学商店街名物、淫乱メス豚・亜由美のお通りだよ」と誰かが揶揄する。

後方で会員たちがどっと笑う。

剛介は縄尻を持つのをやめ、亜由美に歩かせた。遠くに自転車に乗った警官が見えたからだ。

警官はすぐに亜由美を見つけ、「どうしたんです」と声をかけてきた。

「そういう格好で町を歩くのはどうでしょうかね」

亜由美は脂汗を流しながらも、弁明する。

「すみません。これ、ちょっとした罰ゲームなんです」

「まったく学生はこれだからなあ。あんまりムチャなことをすると、条例とかにも引っかかりますよ。通報されたら、取り締まらないわけにはいかないんだから」

「はい。二度としませんから」

「ま、今回は大目に見ますけどね。ちゃんとした服を着てくださいよ」

「わかりました」

警官はそれで務めを果たしたのだろう。自転車を漕いで行ってしまった。

剛介は素知らぬ顔で縄尻を持ち、ぐいっと引っ張った。

「うげっ」

思わず亜由美はうめく。

乳房が持ち上がり、そこにつながる腰縄が引き上がり、パンパンに膨らんだ腹部を締め付け、そして股間を擦り、背中のムチの傷をも擦るのだ。

思わず倒れそうになって剛介にしがみつく。

「なにしてるんだよ。甘えるな」

剛介は冷たく、亜由美を突き放す。

「薬局へ行くよ。もう浣腸液がないからさ」

あの古びた薬局だ。

亜由美がガラガラと戸をあけて入ると、薬剤師がギロッとにらみつけた。

「なんなんですか、あんたは」と怒鳴る。

「すみません。浣腸液をください。グリセリンを」

「あんたみたいな変態女に売るものなんてないよ!」

「お願いです。どうか……」

「そんな格好して商店街を歩かれたら迷惑じゃないか。あんたみたいなのがいるだけでも迷惑なのに、うちがなんだか物を売って得しているみたいに見られると、うちも迷惑なんだよ」

「すみません。そこをなんとか」

薬剤師は、口を歪め、唾を亜由美に吐きつけた。その白い唾が亜由美の鼻の脇にべったりと貼り付いた。

「帰れ帰れ」と薬剤師が怒鳴る。

そこに剛介が入ってきた。

「どうしたんですか」

「うん? ああ、この人、変態なんだよ。困ってるんだ。同じ大学なんじゃないの?」

「ああ。変態女の亜由美ですか。すみません。ご迷惑をおかけして」

「どうかしているよ」

「でも、いわば趣味嗜好でしょう? どうしようもないことです。お店に迷惑はかけませんから、なんとか大目に見てあげてくれませんか?」

「じゃあ、そのことを、ほかの店にもあんたたちから説明してくれよ。うちがなんだか、この人で商売しているみたいに見られたら心外なんだよ」

「ええ。わかりました。ちゃんとご説明にうかがいます。どうすればいいですか?」

「今夜、寄り合いがあるから、六時半頃に、隣に来てくれ、商店街の事務所になってるんでね」

「わかりました」

店主は渋々、グリセリンの原液を二本出してきて、亜由美は買うことができた。

そのまま、酔いと破裂しそうな内臓の苦しみで、気絶しそうになりながら、店を出る。

剛介がついて、判断力が極端に低下してきた亜由美をマンションまで連れて行く。会員たちもついてくる。

部屋に連れ込み、ビニールシートを床に敷くと、ポリバケツを用意する。カメラがセッティングされて、照明が煌々と照らされる。

「いい気分だろう?」

「は、はい。とっても不思議な感じがします」

「じゃあ、自分でゆっくり脱いでいくんだよ」

亜由美はコートを脱ぎ、次に水着を脱いでいく。

腹部が膨張してなかなか引き下ろせない。背中や尻に擦れて痛いが、もはやそれ以上にガマンができなくなっていた。

今回は誰も手を貸さない。

長い時間をかけて、水着を皮膚から剥がすように脱いだ。

腰縄が食い込み、妊婦のように腹部が膨らんでいた。

股縄を外すと、パンパンに膨らんだ腸に押されて、ぐずぐずになったタンポンが半分ぐらい飛び出していた。

ぱっくりと陰部も剥き出しになっている。

「みなさん、亜由美の排泄ショーをご覧ください」

ポンプの空気がシュッと抜かれる。

「ああぅぅぅ」

亜由美な泣くような声を出し、ポリバケツの上にかがみ込む。

ぬるっと飛び出してきた萎んだバルーンに続き、おならと水分が飛び散る。

「恥ずかしいぃぃぃ」

だが、そのぐらいでは終わらない。炭酸が広げた腸内は、歩いて移動している間に、そこに貯まっていた一日分の便をすっかりこそげ落としていた。どろどろの物体が、空気や水分とともに、どどっとバケツに落ちていく。

「いやあぁぁぁ」

簡単には止まらない。

少し弱くなったかと思っても、第二弾、第三弾と、腸が飛び出すぐらいの勢いで、すっかり排泄されていく。

その気持ちよさと苦しさと恥ずかしさに、中腰のまま亜由美は、陶然としていた。

「うはぁ。亜由美、これ、好きかも……」

何分にもわたる長い長い排泄のあとに、飛び出した赤黒い肛門が残った。

「すげえな」

会員たちも、口々に言う。

剛介が窓をあけて空気を入れ換える。

亜由美は園田に乳房の縄を解かれ、バスルームへ連れて行かれ、シャワーで体を洗われた。

その間、剛介はほかの会員たちに、薬局でのやり取りを伝えていた。

「商店街の組合で問題にされているんだよ」

「マズイなあ。大学に通報されたらヤバイよ。警官にも見つかったしね」

「だけど、もし商店街が公認してくれたら?」

「どういうことだよ」

「実はね……」

剛介はすでに話がついていることを説明していった。あの薬局の店主が亜由美に言ったことは、すべて打ち合わせ通りだったのだ。

「これを利用して、もっとアイデアを出してくれないかな」

会員たちは、さまざまな意見を口にした。亜由美の知らないところで、シナリオはどんどんと膨らんでいった。

商店組合

何度やらされても、男たちの前、カメラの前で、排泄させられることに慣れるわけではなかった。

興味津々だった男たちが、あきれ、やがて鼻をつまみ、顔をしかめる。嘲笑される。

亜由美は疲れ果てていても、その視線から逃れるように後始末をした。

男たちが食事へ行った間に、亜由美は一人で掃除をし、自分の体の手入れもした。

その様子まで、ネットで中継されている。

一時間ほどして村木と剛介が来た。村木は用事をすませて、急いで駆けつけたようだった。

「おれだって忙しいんだよ」とぼやいていた。

「すみません」と剛介が謝っている。

そのあとから園田もやってきた。

「大変なことになったって?」

園田は剛介にウィンクをする。亜由美の前では芝居を続けるのだ。

メールや携帯電話で、情報は飛び交っている。剛介らが仕組んだシナリオが会員に行き渡っていく。

「しょうがないさ、こうなったら行くしかないもんね」と剛介。「支度させようか」

タンポンを取り替えさせる。まだ生理にはなっていない。

亜由美は苦労しながら、巨大なタンポンが見えなくなるまで、押し込んでいく。そのつらそうな表情に男たちは、そそられる。

「行くぞ。これを着ろ」

セーラー服を模したパーティーグッズ。ぺらぺらの布地で、超ミニスカートだ。

「恥ずかしい」

思わず亜由美はつぶやく。

裸の上にごわっとしたそのコスチュームを着て、鼻フックを装着させられる。

首輪に鎖をつけて、みんなに引きずられながら、マンションを出ると、商店街を歩いて、薬局の隣にある商店街会館へ向かった。

会館といってもかつて店舗だった細長い木造モルタルの古い建物だ。一階は福引きなどをするときに使うコンクリート敷きで、普段は物置になっている。二階は十畳ほどの和室で、会合に使っていた。

戸口に薬局の長崎が、険しい顔つきで立っていた。

「二階だ。みんな来ているぞ」

剛介と亜由美、園田とカメラを手にした会員二人が続く。

長崎は「撮影は話が済んでからにしてくれ」と怒鳴りながら、内側から戸口に鍵をかけ、あとに続いた。

急な階段をのぼりきると、畳の上に、六人の男たちがあぐらをかいて待っていた。

一升瓶とさきイカや柿の種の入った菓子鉢。パックに入った寿司もある。酒は湯飲みで飲んでいた。

その中に、見慣れた顔があった。隣町のアダルト店の岡山だ。岡山は長崎の実兄で、長崎は薬剤師の資格を取得したあと、薬局の娘と結婚し入り婿になっていたのだった。

剛介たちは、そのことをすでに岡山から聞いていて、このシナリオに協力してもらっていた。会員たちも、神妙な顔をしているが、すべて知っている。

知らないのは亜由美だけだった。この集まりが普通のものではないことを強調され、青白い顔をしている。

「お集まりのみなさん、簡単に紹介しておきましょう。私は隣の薬局の長崎です。彼は私の兄の岡山です。隣町で商売をしています。そしてこちらの、二見精肉店の二見さん、スーパー向山の向山さん、ファッション三井の三井さん、パブレストランいずみの泉さん、遠山洋品店の遠山さん。以上が、いまの役員です」

剛介の目にも、六十過ぎの好色そうな男たちばかりに見える。

小説『亜由美』第二部 亜由美シリーズ 第2部 (2/5)
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